1 00:00:02,202 --> 00:00:05,138 (まひろ)「蜻蛉日記」を お書きになった方でしたか。 2 00:00:05,138 --> 00:00:07,774 (藤原寧子)まあ…。 幼い頃から 「蜻蛉日記」を➡ 3 00:00:07,774 --> 00:00:09,810 幾度も幾度もお読みして➡ 4 00:00:09,810 --> 00:00:12,646 その度に 胸を高鳴らせておりました。 5 00:00:12,646 --> 00:00:17,484 (さわ)フフフ…。 (藤原道綱)いやいや… 間違っておった。 6 00:00:17,484 --> 00:00:21,288 すまぬ! (さわ)まひろ様だと思われましたの? 7 00:00:23,957 --> 00:00:27,427 さわさん。 私には 才気もなく➡ 8 00:00:27,427 --> 00:00:30,631 殿御を引き付けるほどの魅力もなく➡ 9 00:00:30,631 --> 00:00:32,566 家とて居場所がなく…。 10 00:00:32,566 --> 00:00:34,968 もう死んでしまいたい! 11 00:00:34,968 --> 00:00:36,970 さわさん! 12 00:00:39,840 --> 00:00:42,843 さわさん 待って。 13 00:00:42,843 --> 00:00:47,547 何があったの? 何があった…? 14 00:00:50,317 --> 00:00:56,990 「蜻蛉日記」のお話の時 私を のけ者にしたでしょ! 15 00:00:56,990 --> 00:01:00,861 道綱様も…➡ 16 00:01:00,861 --> 00:01:06,600 私ではなく まひろ様が 欲しかったのです! 17 00:01:06,600 --> 00:01:11,405 まひろ様は 私の味方だと思って 信じていましたけれど➡ 18 00:01:11,405 --> 00:01:13,941 それも違いました。 19 00:01:13,941 --> 00:01:17,277 私のことなんか どうでもいいのです! 20 00:01:17,277 --> 00:01:19,212 そんな…。 そうよ! 21 00:01:19,212 --> 00:01:22,783 私は 家では どうでもいい子で➡ 22 00:01:22,783 --> 00:01:27,621 石山寺でも どうでもいい女だった。 23 00:01:27,621 --> 00:01:35,295 私なんか 生きているかいもない… どうでもいい人なのです! 24 00:01:35,295 --> 00:01:42,803 これ以上 私を惨めにさせないでください。 25 00:01:42,803 --> 00:01:45,639 ほっといて! 26 00:01:45,639 --> 00:01:48,308 さわ様! 27 00:01:48,308 --> 00:01:58,318 ♬~ 28 00:01:58,318 --> 00:02:01,321 (乙丸)ただいま 戻られました。 29 00:02:07,127 --> 00:02:10,964 (いと)お帰りなさいませ。 姫様の夕げも ただいま。 30 00:02:10,964 --> 00:02:13,266 私は いいわ。 31 00:02:13,266 --> 00:02:16,269 これ お守り。 いとのも。 32 00:02:16,269 --> 00:02:21,074 まあ… 姫様 私にまで…。 ありがとうございます。 33 00:02:41,294 --> 00:02:47,300 私は 日記を書くことで 己の悲しみを救いました。 34 00:03:00,247 --> 00:05:44,544 ♬~ 35 00:05:52,485 --> 00:05:58,291 年が明け 定子のいる登華殿は 華やかさを増し➡ 36 00:05:58,291 --> 00:06:02,896 積極的に若者たちを招いていた。 37 00:06:02,896 --> 00:06:05,732 弟の隆家も加わり➡ 38 00:06:05,732 --> 00:06:12,505 中関白家は 帝との親密さを 殊更に見せつけた。 39 00:06:12,505 --> 00:06:20,213 (藤原伊周)お上 行成殿が お上に 献上したきものがあるとのことです。 40 00:06:25,118 --> 00:06:30,590 (藤原定子)行成殿 お上の御前に。 (藤原行成)はっ…。 41 00:06:30,590 --> 00:06:34,761 フフ… ここは 政務の場ではございません。➡ 42 00:06:34,761 --> 00:06:37,264 もっとお楽に。 43 00:06:40,267 --> 00:06:44,271 「古今和歌集」の写しにございます。 44 00:06:53,813 --> 00:07:01,521 (一条天皇)ああ… そなたが写したのか? さようにございます。 45 00:07:03,890 --> 00:07:09,562 まあ 麗しき文字。 46 00:07:09,562 --> 00:07:16,903 うん。 見事である。 大切にしよう。 47 00:07:16,903 --> 00:07:20,907 ありがたき幸せにございます。 48 00:07:27,247 --> 00:07:32,585 斉信殿は 中宮様に献上したきものがあると。 49 00:07:32,585 --> 00:07:44,931 ♬~ 50 00:07:44,931 --> 00:07:50,236 (藤原斉信)越前からの鏡にございます。 51 00:07:52,272 --> 00:07:56,142 うれしいこと! 52 00:07:56,142 --> 00:08:01,081 (伊周)斉信殿は 女子への贈り物に 慣れておられるのやも…。 53 00:08:01,081 --> 00:08:04,551 (斉信)そのようなことはございませぬ。 54 00:08:04,551 --> 00:08:10,890 皆 お上のよき友として 末永く おつきあいくださいませね。 55 00:08:10,890 --> 00:08:13,793 (3人)はっ。 56 00:08:13,793 --> 00:08:18,765 さて お上 今日は 何をして遊びましょう。 57 00:08:18,765 --> 00:08:24,771 ん~… 定子に任せる。 58 00:08:28,441 --> 00:08:31,911 少納言。 (ききょう)はい。 59 00:08:31,911 --> 00:08:35,615 香炉峰の雪は いかがであろうか。 60 00:08:41,921 --> 00:08:44,224 御簾を。 61 00:08:56,936 --> 00:09:00,540 どうぞ お近くで。 62 00:09:00,540 --> 00:09:12,152 ♬~ 63 00:09:12,152 --> 00:09:17,891 (伊周) さすが 中宮様。 見事な問いかけでした。 64 00:09:17,891 --> 00:09:20,794 (藤原隆家)何のこと? 65 00:09:20,794 --> 00:09:24,230 (藤原公任)白楽天の詩でございますな。 66 00:09:24,230 --> 00:09:29,102 「香炉峰の雪は 簾をかかげてみる」。 67 00:09:29,102 --> 00:09:34,574 少納言 見事であった。 68 00:09:34,574 --> 00:09:39,078 中宮様のお問いかけにお答えでき ホッといたしました。 69 00:09:39,078 --> 00:09:41,981 いつも このように参るかどうかは 分かりませぬが。 70 00:09:41,981 --> 00:09:44,584 (笑い声) 71 00:09:44,584 --> 00:09:49,255 そうだわ お上 今日は 雪遊びにいたしません? 72 00:09:49,255 --> 00:09:53,927 雪遊びか。 では 雪の山を作りましょう。 73 00:09:53,927 --> 00:09:58,798 幼い頃 一緒に作りましたね 兄上。 ええ。➡ 74 00:09:58,798 --> 00:10:02,602 さあ どうぞ お上も。 75 00:10:02,602 --> 00:10:04,938 (定子)あっ。 (伊周)お履物を。 76 00:10:04,938 --> 00:10:07,273 (笑い声) 要らぬ。 77 00:10:07,273 --> 00:10:09,209 おお! 78 00:10:09,209 --> 00:10:13,913 さあさあ 公任殿たちも ご一緒に。 はっ。 79 00:10:16,950 --> 00:10:21,621 これは また 随分と大きくなりましたね。 80 00:10:21,621 --> 00:10:24,657 まだまだだ! まだまだですわ。 81 00:10:24,657 --> 00:10:26,793 まだまだです! 82 00:10:26,793 --> 00:10:29,629 この斉信 更に この雪山を大き…。 83 00:10:29,629 --> 00:10:32,298 ヒャッ! あっ! 公任 何を! 84 00:10:32,298 --> 00:10:35,201 ああっ! 行成まで! 85 00:10:35,201 --> 00:10:38,171 (伊周)お上も中宮様も…。 (一条天皇)フフフ… 雪玉を当てよう! 86 00:10:38,171 --> 00:10:40,173 (斉信)中宮様まで おやめください! 87 00:10:40,173 --> 00:10:43,643 ああ うれしゅうございます! 中宮様! 88 00:10:43,643 --> 00:10:46,346 (藤原道長)今日は やめておこう。 89 00:10:47,981 --> 00:10:51,651 隆家様は お庭にお下りになりませんの? 90 00:10:51,651 --> 00:10:55,989 フッ… 何が面白いのか分からぬ。 91 00:10:55,989 --> 00:10:58,491 まあ…。 92 00:11:02,395 --> 00:11:07,934 帝のお美しさが 今も目に浮かびます。 93 00:11:07,934 --> 00:11:12,272 お前 道長じゃなかったのか? 94 00:11:12,272 --> 00:11:14,941 道長様は 道長様。 95 00:11:14,941 --> 00:11:19,279 今日は 帝に みせられました。 何だよ それ。 96 00:11:19,279 --> 00:11:26,152 しかし 帝の御前で 伊周殿の あの直衣は 許し難い。 97 00:11:26,152 --> 00:11:31,624 帝がお許しになってるのだから どうにもならぬが。 98 00:11:31,624 --> 00:11:36,296 関白家は 皆 自信満々で 鼻につく。 99 00:11:36,296 --> 00:11:39,966 俺にも 娘がいたらな~。 100 00:11:39,966 --> 00:11:44,304 道長はいいよ。 その気になれば 娘を入内させられる。 101 00:11:44,304 --> 00:11:47,974 (公任)今からでも 間に合うかもしれぬぞ。 102 00:11:47,974 --> 00:11:54,847 (斉信)そうか… 頑張るか。 103 00:11:54,847 --> 00:12:00,553 (源 倫子)彰子を入内させようなんて お考えにならないでくださいね。 104 00:12:00,553 --> 00:12:06,926 案ずるな。 この子に 帝の后は務まらぬ。 105 00:12:06,926 --> 00:12:09,262 (倫子)それは分かりませんわ。 106 00:12:09,262 --> 00:12:15,134 今は ぼんやりとしてますけれど そのうち化けるかもしれませぬ。 107 00:12:15,134 --> 00:12:22,275 うん… ぼんやりしているのは 俺に似たのだな。 108 00:12:22,275 --> 00:12:25,178 フフフフ…。 109 00:12:25,178 --> 00:12:32,485 このままでよい。 このまま苦労なく育ってほしい。 110 00:12:34,621 --> 00:12:41,928 殿のように 心の優しい人に育ちますように。 111 00:12:43,630 --> 00:13:07,620 〽 112 00:13:11,257 --> 00:13:15,595 隆家 お前も舞え。 113 00:13:15,595 --> 00:13:19,599 私は 遠慮いたします。 舞え。 114 00:13:24,604 --> 00:13:26,606 あっ…。 115 00:13:33,946 --> 00:13:42,955 〽 タアハア 116 00:13:42,955 --> 00:13:52,632 〽 トヲリョロ 117 00:13:52,632 --> 00:14:02,442 〽 タアハア 118 00:14:02,442 --> 00:14:12,919 〽 トヲリョロ 119 00:14:12,919 --> 00:14:17,790 〽 タアハ 120 00:14:17,790 --> 00:14:21,494 あ… 誰か来た。 121 00:14:31,604 --> 00:14:34,307 母上。 122 00:14:35,942 --> 00:14:38,277 (藤原詮子)邪魔をしたようだ。 123 00:14:38,277 --> 00:14:40,613 (藤原道隆)お待ちください。 124 00:14:40,613 --> 00:14:46,285 女院様 どうぞ こちらへ。 さあ どうぞ どうぞ。 125 00:14:46,285 --> 00:14:54,160 円融院の死後 詮子は 史上初の女院の称号を与えられた。 126 00:14:54,160 --> 00:14:57,630 お久しゅうございます 母上。 127 00:14:57,630 --> 00:15:02,468 女院様には ご機嫌麗しく 祝着至極にございます。 128 00:15:02,468 --> 00:15:08,174 お上 先ほどの騒々しい舞は 何事でございますの? 129 00:15:13,746 --> 00:15:20,920 ハハハ… お上の笑みが消えてしまわれましたよ。 130 00:15:20,920 --> 00:15:24,257 (道隆)伊周。 131 00:15:24,257 --> 00:15:30,596 お上と中宮様の後宮は これまでとは違う新しき後宮。 132 00:15:30,596 --> 00:15:35,468 ここでは 誰もが楽器を奏で 誰もが歌い 舞う。 133 00:15:35,468 --> 00:15:42,208 お上との間の垣根を取り払い 誰もが語らうことができる。 134 00:15:42,208 --> 00:15:49,215 これこそが お上がお望みになる 後宮の姿にございます。 135 00:15:51,884 --> 00:15:58,291 どうか 女院様にも そのことを➡ 136 00:15:58,291 --> 00:16:01,294 お分かりいただきたく…。 137 00:16:02,895 --> 00:16:06,199 お願い申し上げまする。 138 00:16:19,745 --> 00:16:24,083 後宮は かくあるべきと 女院様に説教したんだからな➡ 139 00:16:24,083 --> 00:16:26,752 みんな 凍りついたよ。 140 00:16:26,752 --> 00:16:33,092 あっ そうだ! この前 母の供をして石山寺に行ったら➡ 141 00:16:33,092 --> 00:16:36,929 ついぞ見かけぬような いい女がいたんだよ。 142 00:16:36,929 --> 00:16:40,766 ま ひ ろって名なんだけど。 143 00:16:40,766 --> 00:16:45,404 忍びに行ったら その友と間違ってしまって➡ 144 00:16:45,404 --> 00:16:50,243 参った 参った…。 145 00:16:50,243 --> 00:16:53,246 はあ…。 146 00:17:19,906 --> 00:17:21,841 これを さわさんに。 147 00:17:21,841 --> 00:17:25,244 (乙丸)またでございますか? 148 00:17:25,244 --> 00:17:29,749 姫様 文を返してくるような方➡ 149 00:17:29,749 --> 00:17:32,251 もうお忘れになった方が よろしくはございませんか? 150 00:17:32,251 --> 00:17:36,589 お願い。 は…。 151 00:17:36,589 --> 00:17:39,892 では 行ってまいります。 152 00:18:30,242 --> 00:18:34,113 (足音) 153 00:18:34,113 --> 00:18:37,116 (源 俊賢)蔵人頭 俊賢にございます。➡ 154 00:18:37,116 --> 00:18:40,886 お上 ただいま 弘徽殿より 火の手が上がりました。➡ 155 00:18:40,886 --> 00:18:43,789 急ぎ ここより お移りいただきたく お願い申し上げます。 156 00:18:43,789 --> 00:18:46,792 (一条天皇)また放火なのか? (俊賢)恐らくは…。 157 00:18:50,396 --> 00:18:53,766 定子 参ろう。 ここは危うい。 158 00:18:53,766 --> 00:18:55,968 はい。 159 00:18:58,938 --> 00:19:04,543 (高階貴子) 先日は 後涼殿 昨夜は 弘徽殿。➡ 160 00:19:04,543 --> 00:19:08,881 次は 清涼殿でございましょうか。 161 00:19:08,881 --> 00:19:15,187 宮中の警固を より厳しくするよう 命じたゆえ 案ずるな。 162 00:19:17,223 --> 00:19:21,093 内裏の中に 火付け人がおるのでありましょうか。 163 00:19:21,093 --> 00:19:26,899 よもや 帝や中宮様を狙い奉るような者は おりますまい。 164 00:19:26,899 --> 00:19:31,771 (貴子)されど 我が家への妬みが➡ 165 00:19:31,771 --> 00:19:36,909 帝や中宮様に 向かっているのだとしたら…。 166 00:19:36,909 --> 00:19:40,246 女院かもな。 167 00:19:40,246 --> 00:19:43,916 火付けを仕組んだ張本人ですよ。 168 00:19:43,916 --> 00:19:51,257 だって 女院 ひどくお怒りだったでしょう 昨日。 169 00:19:51,257 --> 00:19:56,595 中宮様が… 女院様に妬まれるとは…。 170 00:19:56,595 --> 00:19:58,931 母上。 171 00:19:58,931 --> 00:20:01,767 妬まれて結構ではありませんか!➡ 172 00:20:01,767 --> 00:20:08,941 父上も姉上も兄上も ようやく 妬まれる立場になられたのですから。 173 00:20:08,941 --> 00:20:14,413 帝に危害が及ぶことを 女院がなさるとは思えぬが。 174 00:20:14,413 --> 00:20:17,216 女院でなければ…。 175 00:20:18,951 --> 00:20:21,987 父上を恨んでる人ですよ。➡ 176 00:20:21,987 --> 00:20:24,123 大勢いるでしょう。 177 00:20:24,123 --> 00:20:30,896 口を慎め! 隆家。 兄上だって分かるだろ? そのくらい。 178 00:20:30,896 --> 00:20:37,636 フッフフフフフ ハハハハハハ…。 179 00:20:37,636 --> 00:20:45,311 (道隆と隆家の笑い声) 180 00:20:45,311 --> 00:20:50,182 ああ 光が強ければ 影は濃くなるというもの。➡ 181 00:20:50,182 --> 00:20:55,321 恨みの数だけ 私たちが輝いているということだな。 182 00:20:55,321 --> 00:21:00,159 私たちが暗い顔をすれば 相手の思うつぼだ。 183 00:21:00,159 --> 00:21:03,362 動じないのが肝心だ。 184 00:21:15,941 --> 00:21:20,279 中関白家の栄華が極まる このころ➡ 185 00:21:20,279 --> 00:21:25,784 公卿たちは 都をむしばむ疫病の対策をすべきと➡ 186 00:21:25,784 --> 00:21:28,621 道隆に提言した。 187 00:21:28,621 --> 00:21:30,556 しかし➡ 188 00:21:30,556 --> 00:21:34,560 道隆は それを無視し続けた。 189 00:21:49,909 --> 00:21:52,645 (安倍晴明)須麻流。 (須麻流)はい。 190 00:21:52,645 --> 00:21:54,980 門を閉めろ。 191 00:21:54,980 --> 00:21:59,652 今から 誰も外に出てはならぬし 入れてもならぬ。 192 00:21:59,652 --> 00:22:01,921 何事でしょう。 193 00:22:01,921 --> 00:22:06,592 今宵 疫神が通るぞ。➡ 194 00:22:06,592 --> 00:22:10,462 疫病の神 疫神だ。 195 00:22:10,462 --> 00:22:14,466 これから 都は 大変なことになる。 196 00:22:14,466 --> 00:22:34,286 ♬~ 197 00:22:34,286 --> 00:22:40,960 (一条天皇)都中で 疫病が まん延しておるというが まことなのか。 198 00:22:40,960 --> 00:22:49,301 さような汚らわしきこと お上がお知りになるまでもございませぬ。 199 00:22:49,301 --> 00:22:51,637 まことなのだな。 200 00:22:51,637 --> 00:22:58,310 疫病が はやっては おりますが それは 下々の者しか かからぬものゆえ➡ 201 00:22:58,310 --> 00:23:02,181 我々には 関わりございませぬ。 202 00:23:02,181 --> 00:23:08,120 されど 病に苦しむ民を 放っておいてよいはずがない。 203 00:23:08,120 --> 00:23:10,889 放ってはおりませぬ。 204 00:23:10,889 --> 00:23:14,893 比叡山に読経を命じております。 205 00:23:18,597 --> 00:23:20,933 唐の「貞観政要」によれば➡ 206 00:23:20,933 --> 00:23:26,605 「煬帝の隋が滅びたのは 兵の備えを怠ったからではない。➡ 207 00:23:26,605 --> 00:23:33,312 民をおろそかにし 徳による政を 行わなかったからである」と書いてある。 208 00:23:35,948 --> 00:23:39,251 朕は そのようになりとうはない。 209 00:23:41,820 --> 00:23:47,293 忠臣としての そなたの働きを信じておる。 210 00:23:47,293 --> 00:23:50,296 お任せくださいませ。 211 00:23:52,631 --> 00:23:58,504 そして お上は あれこれ ご案じなさらず➡ 212 00:23:58,504 --> 00:24:02,741 中宮様と仲むつまじくお過ごしくださり➡ 213 00:24:02,741 --> 00:24:07,079 一日も早く 皇子をおもうけくださいませ。 214 00:24:07,079 --> 00:24:12,584 それこそが 国家安寧の源にございます。 215 00:24:12,584 --> 00:24:17,089 疫病の嵐にさらされる都をよそに➡ 216 00:24:17,089 --> 00:24:23,395 道隆は 息子の伊周を内大臣にした。 217 00:24:23,395 --> 00:24:28,767 (伊周)若輩者ゆえ お二人に お力添えしていただきたく➡ 218 00:24:28,767 --> 00:24:31,804 お願い申し上げまする。 219 00:24:31,804 --> 00:24:38,510 叔父上と このようにお話しするのは 何年ぶりでしょうか。 220 00:24:40,279 --> 00:24:47,286 (藤原道兼) お前は 疫病のことをどう思っておる? 221 00:24:48,954 --> 00:24:52,825 それについては 父が策を講じております。 222 00:24:52,825 --> 00:25:02,234 それに 貧しい者に うつる病ですゆえ 我々は 心配ないかと存じます。 223 00:25:02,234 --> 00:25:07,906 そのような考えで 内大臣が務まるとは思えぬな。 224 00:25:07,906 --> 00:25:10,242 ハハハハ…。 225 00:25:10,242 --> 00:25:16,582 叔父上は 何か よきことをなさったのでしょうか? 226 00:25:16,582 --> 00:25:22,888 このまま何もなさらないのも 悪くはないと存じますが。 227 00:25:45,611 --> 00:25:50,783 さわさん 今日は 受け取ってくれた? 228 00:25:50,783 --> 00:25:53,585 それが…。 229 00:25:57,289 --> 00:26:00,592 またいけなかったのね。 230 00:26:06,899 --> 00:26:08,901 たね! 231 00:26:14,573 --> 00:26:21,914 (たね)トトとカカが帰ってこないの。 いつから? 232 00:26:21,914 --> 00:26:27,586 昨日 悲田院に行くって…。 悲田院…。 233 00:26:27,586 --> 00:26:36,929 トトとカカも熱があって 薬草をもらいに。 234 00:26:36,929 --> 00:26:39,965 行ってみる? うん。 235 00:26:39,965 --> 00:26:43,702 姫様 悲田院の前には 疫病の者らが列を成していて➡ 236 00:26:43,702 --> 00:26:45,704 いらしては…。 237 00:26:48,107 --> 00:27:12,598 (せきこみ) 238 00:27:16,568 --> 00:27:18,504 お水…。 239 00:27:18,504 --> 00:27:21,440 水… 水…。 240 00:27:21,440 --> 00:27:23,742 これを。 241 00:27:28,914 --> 00:27:32,251 嫌~! 242 00:27:32,251 --> 00:27:35,754 (泣き声) 243 00:27:35,754 --> 00:27:42,928 トト… カカ…。 244 00:27:42,928 --> 00:27:46,265 (泣き声) 245 00:27:46,265 --> 00:27:51,970 生きている者は 手を挙げよ 死んだ者は 運び出す。 246 00:27:58,610 --> 00:28:01,513 運べ。 はっ。 247 00:28:01,513 --> 00:28:03,515 邪魔だ。 248 00:28:11,557 --> 00:28:16,228 たね… 目を開けて! たね! 249 00:28:16,228 --> 00:28:19,131 生きている者は任せる。 250 00:28:19,131 --> 00:28:21,567 たね…。 251 00:28:21,567 --> 00:28:26,872 心配ないわ ここにいるから。 252 00:28:51,263 --> 00:29:00,973 あめ… つち…。 253 00:29:08,547 --> 00:29:15,254 あめ つち…。 254 00:29:16,888 --> 00:29:24,596 ほし そら…。 255 00:29:29,901 --> 00:29:41,513 やま かは みね…。 256 00:29:41,513 --> 00:29:44,516 姫様。 257 00:29:46,251 --> 00:29:49,588 もう死んどります。 258 00:29:49,588 --> 00:30:09,408 ♬~ 259 00:30:09,408 --> 00:30:32,197 (せきこみ) 260 00:30:39,404 --> 00:30:45,143 (道隆)疫病は 自然に収まる。 これまでも そうであった。 261 00:30:45,143 --> 00:30:49,014 されど この度ばかりは いつもの疫病とは違う気がします。 262 00:30:49,014 --> 00:30:51,917 貴族の屋敷の者も倒れておりますゆえ➡ 263 00:30:51,917 --> 00:30:53,852 もし 内裏に入り込めば 帝とて…。 264 00:30:53,852 --> 00:30:55,854 黙れ! 265 00:31:01,259 --> 00:31:05,597 そのようなことは起きぬ。 266 00:31:05,597 --> 00:31:09,267 兄上から 帝に ご奏上いただき➡ 267 00:31:09,267 --> 00:31:11,770 疫病の対策を 陣定でお諮りください! 268 00:31:11,770 --> 00:31:14,573 そのつもりはない。 269 00:31:21,279 --> 00:31:28,954 疫病より 相次ぐ放火の方が 一大事である。 270 00:31:28,954 --> 00:31:40,298 帝と中宮様を狙ったものであれば 中宮大夫のお前こそ➡ 271 00:31:40,298 --> 00:31:43,001 どうするつもりだ。 272 00:31:48,974 --> 00:31:54,646 役目不行き届きであるが 今回は見逃そう。 273 00:31:54,646 --> 00:31:57,349 下がれ。 274 00:32:05,590 --> 00:32:12,264 どうした。 そんな顔をして。 275 00:32:12,264 --> 00:32:17,135 関白と話しても無駄なので➡ 276 00:32:17,135 --> 00:32:21,940 自分で 悲田院を見てまいろうと思います。 277 00:32:21,940 --> 00:32:24,276 (道兼)やめておけ。 278 00:32:24,276 --> 00:32:29,581 都の様子なら 俺が見てくる。 279 00:32:32,951 --> 00:32:39,624 え? 汚れ仕事は 俺の役目だ。 280 00:32:39,624 --> 00:33:12,924 ♬~ 281 00:33:25,136 --> 00:33:27,606 兄上。 282 00:33:27,606 --> 00:33:29,941 お前が来ては 元も子もないではないか。 283 00:33:29,941 --> 00:33:33,278 私は 死ぬ気がいたしませぬゆえ。 284 00:33:33,278 --> 00:33:37,282 相変わらず まぬけなやつだ。 285 00:34:22,260 --> 00:34:29,134 (せきこみ) 286 00:34:29,134 --> 00:34:33,872 姫様 もう帰りましょう。 287 00:34:33,872 --> 00:35:02,233 ♬~ 288 00:35:02,233 --> 00:35:05,136 あんたらも手伝ってくれ。 289 00:35:05,136 --> 00:35:07,105 薬師は 1人か? 290 00:35:07,105 --> 00:35:10,909 仲間は 次々に倒れている。 手が足りない。 291 00:35:10,909 --> 00:35:13,244 (道兼)内裏に申し出るゆえ 少し待て。 292 00:35:13,244 --> 00:35:19,918 これまで 何度となく申し出たが 何もしてはくれぬ。 293 00:35:19,918 --> 00:35:23,254 (道兼)なんと…。 294 00:35:23,254 --> 00:35:25,190 (せきこみ) 295 00:35:25,190 --> 00:35:27,926 姫様 もう おやめに。 296 00:35:27,926 --> 00:35:36,601 ♬~ 297 00:35:36,601 --> 00:35:38,603 すまない。 298 00:35:40,271 --> 00:35:42,574 まひろ…。 299 00:35:54,619 --> 00:35:56,921 まひろ。 300 00:36:01,426 --> 00:36:05,230 しっかりいたせ。 301 00:36:05,230 --> 00:36:08,233 まひろ しっかりいたせ! 302 00:36:08,233 --> 00:36:10,435 まひろ! 303 00:36:21,246 --> 00:36:23,181 あ… 姫様! 304 00:36:23,181 --> 00:36:25,250 藤原道長である。 乙丸! 305 00:36:25,250 --> 00:36:27,452 こちらでございます! 306 00:36:31,256 --> 00:36:35,126 藤原ミチナガ… 誰? 307 00:36:35,126 --> 00:36:38,430 はっ 殿様! 308 00:36:47,605 --> 00:36:49,541 (藤原為時)まひろ! 309 00:36:49,541 --> 00:36:52,277 疫病かもしれません。 ああ…! 310 00:36:52,277 --> 00:36:56,147 私が看病いたしますので あなた方は この部屋に入らないでください。 311 00:36:56,147 --> 00:36:58,616 あ… されど 大納言様に…。 312 00:36:58,616 --> 00:37:00,618 私のことは よい! 313 00:37:11,563 --> 00:37:16,868 姫様のご回復を 殿様 お祈りいたしましょう。 314 00:37:19,904 --> 00:37:22,574 殿様。 315 00:37:22,574 --> 00:37:26,244 姫様と大納言様は どういう あれなんでしょうか。 316 00:37:26,244 --> 00:37:30,949 こうやって抱いてみえたんですよ こうやって。 317 00:37:35,954 --> 00:37:50,935 (荒い息遣い) 318 00:37:50,935 --> 00:37:53,938 久しいのう。 319 00:38:06,885 --> 00:38:09,787 なぜ あそこにいた。 320 00:38:09,787 --> 00:38:27,906 ♬~ 321 00:38:27,906 --> 00:38:33,711 生まれてきた意味は 見つかったのか? 322 00:38:43,922 --> 00:38:51,229 逝くな 戻ってこい! 323 00:39:41,579 --> 00:39:44,916 (ため息) 324 00:39:44,916 --> 00:39:48,219 (為時)失礼いたします。 325 00:39:50,588 --> 00:39:59,931 一晩中 ご看病くださって ありがとうございました。 326 00:39:59,931 --> 00:40:04,802 娘も喜んでおることでございましょう。➡ 327 00:40:04,802 --> 00:40:13,945 されど 大納言様には 朝廷での 重いお役目がおありになりますでしょう。 328 00:40:13,945 --> 00:40:23,655 この先は 娘は 我が家でみますので どうぞお帰りくださいませ。 329 00:40:26,524 --> 00:40:29,227 分かりました。 330 00:40:43,941 --> 00:40:46,644  心の声 大事にいたせ。 331 00:40:52,984 --> 00:41:03,594 ♬~ 332 00:41:03,594 --> 00:41:09,300 (倫子)お帰りなさいませ。 うん。 333 00:41:23,614 --> 00:41:27,318 (赤染衛門) ゆうべは 高松殿でございましたか。 334 00:41:30,488 --> 00:41:33,624 ご無礼いたしました。 335 00:41:33,624 --> 00:41:38,496 衛門。 はい。 336 00:41:38,496 --> 00:41:47,638 殿様 ゆうべは 高松殿ではないと思うの。 (赤染衛門)は? 337 00:41:47,638 --> 00:41:56,981 殿のお心には 私ではない 明子様でもない➡ 338 00:41:56,981 --> 00:42:00,685 もう一人の誰かがいるわ。 339 00:42:04,255 --> 00:42:07,158 フフフ…。➡ 340 00:42:07,158 --> 00:42:10,161 オホホホホホ…。 341 00:42:17,602 --> 00:42:23,908 まひろ まひろ…。 342 00:42:30,181 --> 00:42:33,951 生きていてくださって ありがとうございます。 343 00:42:33,951 --> 00:42:36,788 姫様と大納言様は 間違いなく深いお仲。 344 00:42:36,788 --> 00:42:39,424 どちらにお泊まりでしたの? お見えにならないわ。 345 00:42:39,424 --> 00:42:42,627 お前と道兼は 何故 手を組んでおる? 346 00:42:42,627 --> 00:42:46,130 されど やらねばならぬ。 ほかの公卿を取り込んでおくわ。 347 00:42:46,130 --> 00:42:48,066 間違ったことは申しておりませぬ! 348 00:42:48,066 --> 00:42:51,002 定子は 朕が守るゆえ…。 けしからん。 349 00:42:51,002 --> 00:42:55,206 伊周を関白に!