1 00:00:02,202 --> 00:00:08,942 長徳元年6月 一条天皇は 道長を右大臣に任じた。 2 00:00:08,942 --> 00:00:12,613 道長は 内大臣の伊周を越えて➡ 3 00:00:12,613 --> 00:00:15,649 公卿のトップの座に就いたのである。 4 00:00:15,649 --> 00:00:18,785 (一条天皇)幼い頃 右大臣に➡ 5 00:00:18,785 --> 00:00:23,290 東三条殿の庭で遊んでもらったことは 覚えておるが➡ 6 00:00:23,290 --> 00:00:25,626 ゆっくり話したことはなかった。➡ 7 00:00:25,626 --> 00:00:29,296 これからは 太政官の長である。➡ 8 00:00:29,296 --> 00:00:31,231 朕の力になってもらいたい。 9 00:00:31,231 --> 00:00:33,634 (藤原道長) もったいなきお言葉にございます。 10 00:00:33,634 --> 00:00:35,969 (藤原定子)お上をよろしく頼みます。 11 00:00:35,969 --> 00:00:40,274 身命を賭して お仕えいたす所存にございます。 12 00:00:41,842 --> 00:00:46,613 (一条天皇)一つ聞きたいことがある。 何なりと。 13 00:00:46,613 --> 00:00:53,520 そなたは この先 関白になりたいのか? なりたくはないのか? 14 00:00:53,520 --> 00:00:56,323 なりたくはございません。 15 00:00:56,323 --> 00:00:58,325 何故であるか? 16 00:00:58,325 --> 00:01:03,130 関白は 陣定に出ることはできませぬ。 17 00:01:03,130 --> 00:01:10,270 私は お上の政のお考えについて 陣定で公卿たちが意見を述べ➡ 18 00:01:10,270 --> 00:01:13,173 論じ合うことに 加わりとうございます。 19 00:01:13,173 --> 00:01:16,143 関白も後で報告を聞くが。 20 00:01:16,143 --> 00:01:20,614 後で聞くのではなく 意見を述べる者の顔を見➡ 21 00:01:20,614 --> 00:01:24,418 声を聞き 共に考えとうございます。 22 00:01:24,418 --> 00:01:31,625 彼らの思い 彼らの思惑を感じ取り 見抜くことができねば➡ 23 00:01:31,625 --> 00:01:34,962 お上の補佐役は 務まりませぬ。 24 00:01:34,962 --> 00:01:38,632 これまでの関白とは 随分と 異なるのだな。 25 00:01:38,632 --> 00:01:47,307 はい。 異なる道を歩みとうございます。 26 00:01:47,307 --> 00:03:47,294 ♬~ 27 00:03:47,294 --> 00:03:50,297 ♬~ 28 00:03:50,297 --> 00:04:31,505 ♬~ 29 00:04:49,222 --> 00:04:53,960 (いと) このところ 熱心になさってますね それ。 30 00:04:53,960 --> 00:04:59,299 (まひろ)惟規が借りてくれた新楽府だから 早く写して返さないと。 31 00:04:59,299 --> 00:05:03,170 それをお写しになるのは そんなに楽しいのですか? 32 00:05:03,170 --> 00:05:06,106 楽しいというより ためになるの。 33 00:05:06,106 --> 00:05:09,109 政のあるべき形が書かれているから。 34 00:05:09,109 --> 00:05:11,878 そういうことは 若様にお任せになって➡ 35 00:05:11,878 --> 00:05:16,082 姫様は お家のために よき婿様に出会えますよう➡ 36 00:05:16,082 --> 00:05:18,919 清水寺にでも お参りに行ってらっしゃいませ。➡ 37 00:05:18,919 --> 00:05:20,854 お供いたしますゆえ。 38 00:05:20,854 --> 00:05:25,792 (乙丸)姫様 さわ様からの文にございます。 39 00:05:25,792 --> 00:05:29,496 肥前から? (乙丸)そのようにございます。 40 00:05:38,605 --> 00:05:45,278 まあ さわさん 婿をお取りになったのですって。 41 00:05:45,278 --> 00:05:50,617 ほ~ら また出遅れた。 (ため息) 42 00:05:50,617 --> 00:05:56,122 (源 俊賢)従って 帝は 伯耆の国と石見の国の申し出を受け入れ➡ 43 00:05:56,122 --> 00:06:02,229 租税を 4分の1免除してはとの ごえい慮にございます。 44 00:06:02,229 --> 00:06:08,101 さすが 帝であられる。 45 00:06:08,101 --> 00:06:10,370 (藤原斉信)同意されるのでしょうか。 46 00:06:10,370 --> 00:06:12,906 無論 同意だ。 47 00:06:12,906 --> 00:06:22,582 帝は 民を思う御心があってこそ 帝たりえる。 48 00:06:22,582 --> 00:06:29,923 (斉信)私は 不承知です。 陣定は 大荒れになりますぞ。 49 00:06:29,923 --> 00:06:36,596 では 下の者より順に 租税の免除についての意見を述べられよ。 50 00:06:36,596 --> 00:06:40,767 (藤原誠信)帝の仰せのままに。 (藤原公任)帝の仰せのままに。 51 00:06:40,767 --> 00:06:42,702 (平 惟仲)分かりませぬ。 52 00:06:42,702 --> 00:06:46,406 (藤原道綱)帝の仰せのままに。 (藤原実資)同じく。 53 00:06:46,406 --> 00:06:50,277 (藤原隆家)分かりませぬ。 (藤原顕光)帝の仰せのままに。 54 00:06:50,277 --> 00:06:52,212 (藤原公季)帝の仰せのままに。 55 00:06:52,212 --> 00:06:55,949 (藤原伊周)この儀 よろしからず。➡ 56 00:06:55,949 --> 00:07:02,756 ふた国の申し出を入れ 税を免ずれば 他国も黙ってはおらぬ。 57 00:07:02,756 --> 00:07:08,528 そのようなことで 朝廷の財を減らしてよいのか。 58 00:07:08,528 --> 00:07:11,898 甘やかせば つけ上がるのが民。➡ 59 00:07:11,898 --> 00:07:14,901 施しは要らぬと存ずる。 60 00:07:16,569 --> 00:07:23,576 いまだ疫病に苦しむ民を救うは 上に立つ者の使命と存ずる。 61 00:07:28,581 --> 00:07:33,453 では 皆の意見 帝にお伝え申す。 62 00:07:33,453 --> 00:07:36,756 ほかに意見がなければ…。 63 00:07:38,591 --> 00:07:41,594 本日は これまでといたす。 64 00:07:49,235 --> 00:07:54,140 父上と道兼叔父上を呪詛したのは➡ 65 00:07:54,140 --> 00:07:57,610 右大臣殿か。 66 00:07:57,610 --> 00:07:59,546 ありえぬ。 67 00:07:59,546 --> 00:08:03,216 (伊周)待て! 68 00:08:03,216 --> 00:08:12,892 自分の姉である女院様を動かして 帝をたぶらかしたのも 右大臣殿であろう。 69 00:08:12,892 --> 00:08:18,565 女院様を使って 中宮様に無理強いするのもやめろ! 70 00:08:18,565 --> 00:08:34,914 ♬~ 71 00:08:34,914 --> 00:08:37,217 兄上。 72 00:08:49,262 --> 00:08:51,765 (藤原詮子)何よ 難しい顔をして。 73 00:08:51,765 --> 00:08:56,569 ああ。 除目の案を考えておりました。 74 00:08:58,271 --> 00:09:01,274 (詮子)この人 入れておいて。 75 00:09:13,553 --> 00:09:16,589 知らぬ者を入れるわけにはいきませぬ。 76 00:09:16,589 --> 00:09:18,892 伊周一派を封じるためには➡ 77 00:09:18,892 --> 00:09:21,561 私の知り合いを増やしておいた方が よいと思うけど。 78 00:09:21,561 --> 00:09:26,900 道隆兄上のようなことはできませぬ。 79 00:09:26,900 --> 00:09:31,571 そうよね。 でも 私にも いろいろなつきあいが あるのよね~。 80 00:09:31,571 --> 00:09:34,574 できませぬ。 はい。 81 00:09:37,243 --> 00:09:40,146 融通の利かないところが すばらしいわ。 82 00:09:40,146 --> 00:09:44,584 帝のご信用も いや増すというもの。 お気張りなさい。 83 00:09:44,584 --> 00:09:49,923 これは 帝に お頼みするから。 え? 84 00:09:49,923 --> 00:09:55,395 え~! 陣定のあと そんな面白いことがあったのか! 85 00:09:55,395 --> 00:09:59,265 いや 面白いというか 情けないというか…。 86 00:09:59,265 --> 00:10:03,937 内大臣様が あまりに ぶざまで…。 87 00:10:03,937 --> 00:10:09,609 今日もやるかな? さあ? 88 00:10:09,609 --> 00:10:15,482 しかし あの日以降 伊周と隆家は 参内しなくなった。 89 00:10:15,482 --> 00:10:18,952 (公任)偉くなるのは大変だな…。 90 00:10:18,952 --> 00:10:26,826 次の除目は 俺のことは忘れておいてくれ。 は? 91 00:10:26,826 --> 00:10:33,500 俺は 今のまま ずっと参議でよい。 92 00:10:33,500 --> 00:10:35,969 父が 関白であった頃は➡ 93 00:10:35,969 --> 00:10:39,839 俺も関白にならねばならぬと 思っておったが➡ 94 00:10:39,839 --> 00:10:42,842 今は もう どうでもよい。 95 00:10:42,842 --> 00:10:50,316 漢詩や和歌や読書や管絃を楽しみながら この先は生きてゆきたい。 96 00:10:50,316 --> 00:10:54,988 いきなり枯れてしまって 体の具合でも悪いのか? 97 00:10:54,988 --> 00:11:00,260 陣定で見ていても 道長は 見事なものだ。 98 00:11:00,260 --> 00:11:03,163 道長と競い合う気にはなれない。 99 00:11:03,163 --> 00:11:10,603 フッ… 見事って… まだ始まったばかりだ。 100 00:11:10,603 --> 00:11:14,274 それより 適切な除目を行うには➡ 101 00:11:14,274 --> 00:11:17,177 おのおのが抱えている事情を 知った方がよいと思うのだ。 102 00:11:17,177 --> 00:11:19,946 事情…。 うん。 103 00:11:19,946 --> 00:11:22,849 貴族たちの裏の顔か? そうだ。 104 00:11:22,849 --> 00:11:26,719 それには 行成を使えばよい。 105 00:11:26,719 --> 00:11:28,955 (藤原行成)え? 私が…。 106 00:11:28,955 --> 00:11:33,293 行成は 字がうまい。 女子たちは 皆 行成の字を欲しがる。 107 00:11:33,293 --> 00:11:41,167 ゆえに 行成は意外にも 女子たちと密なつながりを持っておる。 108 00:11:41,167 --> 00:11:45,305 女たちの男どもとの むつ言から➡ 109 00:11:45,305 --> 00:11:49,008 あいつらが知られたくない話を 仕入れるのだ。 110 00:11:50,643 --> 00:11:55,982 私で 力になれるなら やりまする。 111 00:11:55,982 --> 00:12:01,588 俺も そろそろ参議にしてほしいな~。 112 00:12:01,588 --> 00:12:06,893 あ~… すまぬ。 113 00:12:10,597 --> 00:12:14,601 今回は ない。 114 00:12:16,469 --> 00:12:22,475 8月の除目では 源 俊賢を参議にするつもりだ。 115 00:12:24,143 --> 00:12:29,616 同じ蔵人頭なのに なぜ斉信ではなく 俊賢なのだ。 116 00:12:29,616 --> 00:12:34,287 俊賢は 亡き源 高明殿の息子だ。 117 00:12:34,287 --> 00:12:38,791 されど 目指すもののためには その誇りを捨て去ることができる。 118 00:12:38,791 --> 00:12:43,997 今の俺には なくてはならない男だと思っている。 119 00:12:46,966 --> 00:12:55,975 斉信のことは その先に必ず考えるゆえ この度は 許してくれ。 120 00:12:58,578 --> 00:13:01,914 (行成) 昨日までに つかんだことでございます。 121 00:13:01,914 --> 00:13:07,220 早いな。 右大臣様の御ためですゆえ。 122 00:13:09,255 --> 00:13:17,930 ハハ… 藤原朝経は 酒乱なのか。 そのようにございます。 123 00:13:17,930 --> 00:13:21,801 お読みになったら すぐ焼き捨ててください。 124 00:13:21,801 --> 00:13:26,105 いや 一度読んだだけでは覚えられぬ。 125 00:13:26,105 --> 00:13:28,941 そなたのような優れた才はないゆえ。 126 00:13:28,941 --> 00:13:33,279 されど これが残るのは危のうございます。 127 00:13:33,279 --> 00:13:37,950 お心に留まったことだけ ご自身で記録をお作りください。 128 00:13:37,950 --> 00:13:40,620 それは日記のことか? はい。 129 00:13:40,620 --> 00:13:44,490 私は 毎朝 前日に起きたことを書き記します。 130 00:13:44,490 --> 00:13:47,960 そのことで覚える力も鍛えられまする。 131 00:13:47,960 --> 00:13:51,631 ん~…。 132 00:13:51,631 --> 00:13:55,935 (源 倫子)小麻呂。 あっ。 133 00:14:15,588 --> 00:14:17,590 ふん…。 134 00:14:19,258 --> 00:14:22,095 除目は 年に2回あり➡ 135 00:14:22,095 --> 00:14:26,966 秋の除目は 大臣を除く中央官人の任命➡ 136 00:14:26,966 --> 00:14:33,272 春の除目は 主に 受領など 地方官人の任命であった。 137 00:14:33,272 --> 00:14:42,281 この秋の除目で 実資が 権中納言に 俊賢が参議となった。 138 00:14:42,281 --> 00:14:47,954 そして 行成が 蔵人頭となった。 139 00:14:47,954 --> 00:14:51,657 俊賢殿がお越しになりました。 140 00:14:53,826 --> 00:14:56,662 うむ。 これへ。 141 00:14:56,662 --> 00:14:58,664 はっ! 142 00:15:08,241 --> 00:15:14,580 内大臣様 中納言様には ご機嫌麗しく心よりお喜び申し上げます。 143 00:15:14,580 --> 00:15:17,917 ご機嫌麗しいわけがなかろうが。 144 00:15:17,917 --> 00:15:23,589 何だ? お前は。 源 俊賢にございます。 145 00:15:23,589 --> 00:15:25,525 そんなことは分かっておる! 146 00:15:25,525 --> 00:15:29,462 右大臣殿に言われて 様子を探りに来おったか。 147 00:15:29,462 --> 00:15:32,598 とんでもないことにございます。 148 00:15:32,598 --> 00:15:38,771 お前の妹は 右大臣殿の妻であろう。 さようでございますが➡ 149 00:15:38,771 --> 00:15:43,609 私は 源の再興のために 右大臣様に近づいておりますだけで➡ 150 00:15:43,609 --> 00:15:47,480 道長様に忠義立てしているわけでは ございませぬ。 151 00:15:47,480 --> 00:15:49,482 ほう…。 152 00:15:51,284 --> 00:15:58,958 内大臣様の方がお若く ご聡明で いずれは 高みに昇られましょう。 153 00:15:58,958 --> 00:16:04,564 今宵は さきざきのために まずは 種をまいておこうと➡ 154 00:16:04,564 --> 00:16:07,266 参じましてございます。 155 00:16:09,435 --> 00:16:16,742 ずうずうしいやつだな お前。 156 00:16:18,578 --> 00:16:25,885 帝も 内大臣様のことを 案じておられました。 157 00:16:28,588 --> 00:16:36,262 右大臣様に対抗する力がなければ 内裏も陣定も偏りなく働かぬと➡ 158 00:16:36,262 --> 00:16:40,132 帝は お考えなのではありますまいか? 159 00:16:40,132 --> 00:16:42,935 帝が そう仰せになったのか? 160 00:16:42,935 --> 00:16:46,806 そのようにお見受けいたしました。 161 00:16:46,806 --> 00:16:49,275 つい先頃まで 蔵人頭として➡ 162 00:16:49,275 --> 00:16:52,945 帝のおそば近くに お仕えしておりましたので➡ 163 00:16:52,945 --> 00:16:56,949 私の目に 狂いはございませぬ。 164 00:17:01,754 --> 00:17:06,893 どうかご参内くださいませ。 165 00:17:06,893 --> 00:17:17,203 内大臣様 中納言様のおわさぬ陣定なぞ あってはならぬと存じます。 166 00:17:23,910 --> 00:17:28,581 これで 内大臣様が ご参内くだされば➡ 167 00:17:28,581 --> 00:17:31,918 右大臣様が 内大臣様を ないがしろにしておられるという➡ 168 00:17:31,918 --> 00:17:33,853 うわさは立ちますまい。 169 00:17:33,853 --> 00:17:35,788 よくやってくれた。 はっ。 170 00:17:35,788 --> 00:17:39,792 内大臣が出てきてくれることを祈ろう。 171 00:17:39,792 --> 00:17:43,629 必ず参内されましょう。 172 00:17:43,629 --> 00:17:52,138 駄目であれば 第二の手を打ちます。 173 00:17:54,173 --> 00:17:56,609 (藤原穆子)それでは 今日は➡ 174 00:17:56,609 --> 00:18:02,882 大臣の妻としての心得を 伝授いたしましょう。 175 00:18:02,882 --> 00:18:07,887 それは初めてでございます。 ご伝授ください。 176 00:18:25,137 --> 00:18:33,145 (穆子)やはり 第一は 丈夫であること。 177 00:18:34,814 --> 00:18:41,253 それと 殿に子供のことで 心配をかけないことね。 178 00:18:41,253 --> 00:18:45,124 彰子の言葉が遅いなんて 言わない方がいいわ。 179 00:18:45,124 --> 00:18:47,760 もう さんざん言ってしまいました。 180 00:18:47,760 --> 00:18:50,796 これからは やめておきなさい。 181 00:18:50,796 --> 00:18:54,633 内裏では ささいなことでも 重荷になるのですから。 182 00:18:54,633 --> 00:18:57,937 そんなふうには見えませんけれど…。 183 00:18:57,937 --> 00:19:05,544 そんなふうに見せないところが 立派なのよ。 あなたの殿は。 184 00:19:05,544 --> 00:19:09,215 そうですわね。 フフフ… オホホホホホ…。 185 00:19:09,215 --> 00:19:16,088 父上なんか 何も考えずに 内裏に通っていただけだったのに➡ 186 00:19:16,088 --> 00:19:19,859 小さなはげが しばしば出来ておられたもの。 187 00:19:19,859 --> 00:19:23,229 はげが? そう はげが。 188 00:19:23,229 --> 00:19:58,931 ♬~ 189 00:20:00,933 --> 00:20:05,805 では これより 陣定を始めまする。 190 00:20:05,805 --> 00:20:09,608 帝より 若狭に 宋人70名余りが➡ 191 00:20:09,608 --> 00:20:12,511 来着した件について定めよとの 命があった。 192 00:20:12,511 --> 00:20:16,115 なんと…。 70名…。 193 00:20:16,115 --> 00:20:19,018 何事でありましょう。 194 00:20:19,018 --> 00:20:21,520 まことか…。 195 00:20:35,301 --> 00:20:38,604 (藤原為時)何だ? いえ…。 196 00:20:40,806 --> 00:20:45,644 また申文の季節になりましたんですね。 197 00:20:45,644 --> 00:20:47,980 嫌みか? 198 00:20:47,980 --> 00:20:50,983 とんでもないことでございます。 199 00:20:52,852 --> 00:21:02,928 どうせ駄目だと思いつつ 10年も申文を書き続けたが➡ 200 00:21:02,928 --> 00:21:07,800 今年を最後にいたそうかと思う。 201 00:21:07,800 --> 00:21:11,937 殿様…。 202 00:21:11,937 --> 00:21:21,647 泣くことはない。 あれも これも 人の世じゃ…。 203 00:21:24,517 --> 00:21:29,355 (ききょう)新しい右大臣様には 望みは持てぬと思っておりましたが➡ 204 00:21:29,355 --> 00:21:32,625 それが 案外 頑張っておられますの。 205 00:21:32,625 --> 00:21:37,496 疫病に苦しむ民のために 租税を免除されたりして。 206 00:21:37,496 --> 00:21:39,498 そうですか…。 207 00:21:39,498 --> 00:21:44,136 それと 若狭に70人も 宋人が来たらしいんですけれど➡ 208 00:21:44,136 --> 00:21:48,440 若狭は小国ゆえ 何かと不都合だったらしいのです。 209 00:21:48,440 --> 00:21:50,376 そうしましたら右大臣様が➡ 210 00:21:50,376 --> 00:21:56,649 受け入れる館のある越前に送るよう 帝に申し上げ そうなったのです。 211 00:21:56,649 --> 00:22:00,386 素早いご決断に 皆 感嘆しておりました。 212 00:22:00,386 --> 00:22:06,592 宋人とは どんな人たちなのでしょう? さあ? 213 00:22:09,929 --> 00:22:14,400 宋の国では 身分が低い者も 試験の出来がよければ➡ 214 00:22:14,400 --> 00:22:17,770 政に関わることができるのだそうです。 215 00:22:17,770 --> 00:22:22,942 我が国では考えられないことです。 そうですわね。 216 00:22:22,942 --> 00:22:29,281 私は 身分の壁を越えることのできる 宋の国のような制度を 是非➡ 217 00:22:29,281 --> 00:22:32,952 帝と右大臣様に 作っていただきとうございます。 218 00:22:32,952 --> 00:22:38,824 あ… まひろ様って すごいことをお考えなのね。 219 00:22:38,824 --> 00:22:43,596 そんなこと殿方に任せておけば よろしいではありませんか。 220 00:22:43,596 --> 00:22:50,970 私は ただ 中宮様のおそばにいられれば それで幸せですので。 221 00:22:50,970 --> 00:22:53,973 中宮様…。 222 00:22:55,641 --> 00:22:59,979 ききょう様が それほど魅せられる中宮様に➡ 223 00:22:59,979 --> 00:23:03,282 私も お目にかかってみたいものです。 224 00:23:04,817 --> 00:23:08,687 中宮様の後宮においでになりたいの? 225 00:23:08,687 --> 00:23:16,262 それは もちろん 参れるものなら参ってみたいです。 226 00:23:16,262 --> 00:23:22,067 簡単ではありませんけれど まひろ様は 面白いことをお考えだし➡ 227 00:23:22,067 --> 00:23:26,906 もしかしたら 中宮様が お喜びになるかもしれません。 228 00:23:26,906 --> 00:23:28,841 お話ししてみますわ。 229 00:23:28,841 --> 00:23:34,613 まことでございますか? 是非 お願いいたします! 230 00:23:34,613 --> 00:23:59,838 ♬~ 231 00:23:59,838 --> 00:24:01,840 痛っ! 232 00:24:04,910 --> 00:24:08,247 何か踏まれました? 233 00:24:08,247 --> 00:24:11,917 こうした嫌がらせは 内裏では 毎日のことですの。 234 00:24:11,917 --> 00:24:14,586 お気になさらないで。 235 00:24:14,586 --> 00:24:17,923 私も 3日に一度くらい 何か踏みますので➡ 236 00:24:17,923 --> 00:24:21,260 足の裏は 傷だらけです。 237 00:24:21,260 --> 00:24:25,130 でも そんなこと 私は平気です。 238 00:24:25,130 --> 00:24:28,934 中宮様が 楽しそうにお笑いになるのを見ると➡ 239 00:24:28,934 --> 00:24:33,639 嫌なことは み~んな 吹き飛んでしまいますゆえ! 240 00:24:42,481 --> 00:24:45,784 おいでになりました。 241 00:24:55,794 --> 00:24:58,597 (定子)下げずともよい。 242 00:25:20,919 --> 00:25:25,591 お初にお目にかかります。 まひろにございます。 243 00:25:25,591 --> 00:25:30,262 話は聞いておる。 は…。 244 00:25:30,262 --> 00:25:34,933 少納言が 心酔する友だそうだな。 245 00:25:34,933 --> 00:25:40,806 いえ… 私の方こそ 少納言様には たくさんのことを教わっております。 246 00:25:40,806 --> 00:25:46,945 まひろ様は 和歌や漢文だけでなく 政にもお考えがあるようです。 247 00:25:46,945 --> 00:25:49,281 ほう~…。 248 00:25:49,281 --> 00:25:52,951 お上のお渡りにございます。 249 00:25:52,951 --> 00:25:55,254 お上! 250 00:26:07,466 --> 00:26:13,238 今日 お上がお渡りになるなんて 伺っておりませんでした。 251 00:26:13,238 --> 00:26:18,911 会いたくなってしまった。 まあ…。 252 00:26:18,911 --> 00:26:47,606 ♬~ 253 00:26:47,606 --> 00:26:53,479 ごめんなさいね。 すぐお戻りだから 少しお待ちになって。 254 00:26:53,479 --> 00:26:56,782 どちらへ いらしたのですか? 255 00:27:04,890 --> 00:27:11,563 お上と中宮様は 重いご使命を担っておられますので。 256 00:27:11,563 --> 00:27:13,866 はあ…。 257 00:27:24,910 --> 00:27:32,251 お上 この者は 少納言の友にございます。 258 00:27:32,251 --> 00:27:40,926 正六位上 前式部丞蔵人 藤原為時の娘にございます。 259 00:27:40,926 --> 00:27:48,267 女子ながら 政に考えがあるそうにございますよ。 260 00:27:48,267 --> 00:27:53,138 朕の政に申したきことがあれば 申してみよ。 261 00:27:53,138 --> 00:27:59,878 私ごとき お上のお考えに対し奉り 何の申し上げることがありましょうや。 262 00:27:59,878 --> 00:28:06,585 (一条天皇)フフ… ここは表ではない。 思うたままを申してみよ。 263 00:28:12,891 --> 00:28:22,568 恐れながら 私には夢がございます。 夢…。 264 00:28:22,568 --> 00:28:26,738 宋の国には 科挙という制度があり➡ 265 00:28:26,738 --> 00:28:32,611 低い身分の者でも その試験に受かれば 官職を得ることができ➡ 266 00:28:32,611 --> 00:28:36,915 政に加われると聞きました。 267 00:28:36,915 --> 00:28:42,254 全ての人が 身分の壁を越せる機会がある国は➡ 268 00:28:42,254 --> 00:28:45,591 すばらしいと存じます。 269 00:28:45,591 --> 00:28:54,266 我が国も そのような仕組みが整えばと いつも夢みておりました。 270 00:28:54,266 --> 00:28:58,136 その方は 新楽府を読んだのか? 271 00:28:58,136 --> 00:29:10,449 「高者 未だ必ずしも賢ならず 下者 未だ必ずしも愚ならず」。 272 00:29:12,551 --> 00:29:18,223 身分の高い低いでは 賢者か愚者かは はかれぬな。 273 00:29:18,223 --> 00:29:23,562 はい。 下々が 望みを高く持って学べば➡ 274 00:29:23,562 --> 00:29:28,734 世の中は活気づき 国も また 活気づきましょう。 275 00:29:28,734 --> 00:29:34,539 高貴な方々も 政を あだおろそかには なされなくなりましょう。 276 00:29:36,908 --> 00:29:41,780 言葉が過ぎる。 はっ お許しを。 277 00:29:41,780 --> 00:29:45,917 そなたの夢 覚えておこう。 278 00:29:45,917 --> 00:29:50,255 恐れ多いことにございます。 279 00:29:50,255 --> 00:29:54,960 伊周様 隆家様 お目通りにございます。 280 00:30:12,944 --> 00:30:17,616 仲よくやっておられるか 拝見しに参りました。 281 00:30:17,616 --> 00:30:21,953 中宮様には 皇子を お産みいただかねばなりませぬゆえ。 282 00:30:21,953 --> 00:30:27,626 その方らも 参内するようになったのだな。 安堵した。 283 00:30:27,626 --> 00:30:33,298 ご心配をおかけしたこと おわび申し上げます。 284 00:30:33,298 --> 00:30:40,972 ところで この女は 見慣れぬ顔でございますな。 285 00:30:40,972 --> 00:30:43,442 私の友にございます。 286 00:30:43,442 --> 00:30:45,977 今 下がるところにございました。 287 00:30:45,977 --> 00:30:51,450 本日は図らずも 帝のおそばに 侍することが かないまして➡ 288 00:30:51,450 --> 00:30:54,653 一代の誉れにございました。 289 00:31:03,929 --> 00:31:08,100 あのような者を お近づけにならない方が よろしゅうございます。 290 00:31:08,100 --> 00:31:10,135 面白い女子であった。 291 00:31:10,135 --> 00:31:17,609 お上 どうせお召しになるなら 女御になれるくらいの女子になさいませ。 292 00:31:17,609 --> 00:31:25,484 そうでなければ 中宮様に皇子をお授けくださいませ。 293 00:31:25,484 --> 00:31:29,187 伊周は それしか申さぬのだな。 294 00:31:31,623 --> 00:31:36,795 もうよい。 今日は疲れた。 下がれ。 295 00:31:36,795 --> 00:31:38,797 は。 296 00:31:54,980 --> 00:32:00,385 父上 正月の除目の申文ですけれど➡ 297 00:32:00,385 --> 00:32:04,589 越前守をお望みになったら よろしいのではないでしょうか。 298 00:32:04,589 --> 00:32:09,094 は? 越前には 宋人が 大勢来ております。 299 00:32:09,094 --> 00:32:12,764 父上なら宋の国の言葉も お話しになれますし➡ 300 00:32:12,764 --> 00:32:16,268 ほかの誰より お国のために役に立ちまする。 301 00:32:16,268 --> 00:32:20,138 途方もないことを申すな。 302 00:32:20,138 --> 00:32:23,408 大国の国司は 五位でなければなれぬ。 303 00:32:23,408 --> 00:32:27,279 私は 正六位だ。 304 00:32:27,279 --> 00:32:31,950 望みは 大胆であるほど お上の目にも留まりましょう。 305 00:32:31,950 --> 00:32:34,786 乱心しおったと思われるだけじゃ。 306 00:32:34,786 --> 00:32:38,657 もう10年も 父上のお望みは かなえられておりませぬ。 307 00:32:38,657 --> 00:32:41,960 ここは いっそ 千尋の谷に飛び込むおつもりで➡ 308 00:32:41,960 --> 00:32:44,863 大胆不敵な望みをお書きなさいませ。 309 00:32:44,863 --> 00:32:48,733 のるかそるか 身分の壁を乗り越えるのでございます。 310 00:32:48,733 --> 00:32:55,140 恐ろしいことを申すな。 何かせねば 何も変わりません。 311 00:32:55,140 --> 00:32:59,444 国司を望むなら せいぜい 淡路守くらいであろうが➡ 312 00:32:59,444 --> 00:33:05,250 それでも正六位のわしにとっては 出過ぎた願い。 313 00:33:05,250 --> 00:33:10,956 お前 宮中に参ったら 何やら おかしくなったのう。 314 00:33:16,862 --> 00:33:25,871 その夜 伊周は 斉信の妹 光子のもとへ忍んでいた。 315 00:33:28,273 --> 00:33:32,944 中宮様の気持ちが分からぬ。 316 00:33:32,944 --> 00:33:36,281 そなたは どう思う? 317 00:33:36,281 --> 00:33:42,988 (藤原光子)入内したことのない者に 中宮様のお気持ちは分かりません。 318 00:33:44,623 --> 00:33:51,930 あ~あ… そなたとおる時以外は つまらぬことばかりだ。 319 00:34:00,906 --> 00:34:04,576 光子。 ああ…。 320 00:34:04,576 --> 00:34:11,082 (一条天皇)世の中には 政のことを考える女子がおるのだな。 321 00:34:11,082 --> 00:34:15,253 中宮様も女院様も さようにございますが。 322 00:34:15,253 --> 00:34:18,590 (一条天皇)さような高貴な者ではない。➡ 323 00:34:18,590 --> 00:34:24,930 前式部丞蔵人の娘 というておったかな…。➡ 324 00:34:24,930 --> 00:34:28,266 名は ちひろ…。➡ 325 00:34:28,266 --> 00:34:30,936 まひろと申しておった。➡ 326 00:34:30,936 --> 00:34:37,642 朕に向かって 下々の中にいる優秀な者を 登用すべきと申した。 327 00:34:39,277 --> 00:34:41,212 いかがいたした? 328 00:34:41,212 --> 00:34:45,150 お上に対し奉り…➡ 329 00:34:45,150 --> 00:34:49,154 恐れ多いことを申す者だと思いまして。 330 00:34:50,889 --> 00:34:58,196 あの者が男であったら 登用してみたいと思った。 331 00:35:07,339 --> 00:35:10,241 違う…。 332 00:35:10,241 --> 00:35:13,144 違う。 333 00:35:13,144 --> 00:35:15,146 違う。 334 00:35:24,589 --> 00:35:27,258 淡路か…。 335 00:35:27,258 --> 00:35:44,809 ♬~ 336 00:35:44,809 --> 00:35:51,282 正六位上 藤原朝臣為時を➡ 337 00:35:51,282 --> 00:35:54,786 従五位下に叙す。 338 00:36:03,862 --> 00:36:07,766 鴻恩を かたじけのう いたしたる この身➡ 339 00:36:07,766 --> 00:36:13,772 えい慮を承り 謹んでお受けつかまつります。 340 00:36:32,891 --> 00:36:37,195 右大臣様からのご推挙でございます。 341 00:36:45,937 --> 00:36:50,608 これは 国司にしてくださる ということでしょうか。 342 00:36:50,608 --> 00:36:56,781 10年もの間 放っておかれたのに 突然 どうしたことであろうか…。 343 00:36:56,781 --> 00:36:58,817 分からぬ…。 344 00:36:58,817 --> 00:37:04,222 ああ… もし国司なら 父上は 誰より 越前だとお役に立てるのに。 345 00:37:04,222 --> 00:37:06,891 もう その話は もう よせ。 346 00:37:06,891 --> 00:37:09,227 国司と決まったわけでもない。 347 00:37:09,227 --> 00:37:14,566 ありがたく従五位下をお請けするだけだ。 348 00:37:14,566 --> 00:37:17,902 あの… お話し中でございますが➡ 349 00:37:17,902 --> 00:37:22,073 明日 内裏にお上がりになる時は 赤い束帯でございますね。 350 00:37:22,073 --> 00:37:26,578 そうだ。 殿様 うちに赤い束帯はございません。 351 00:37:26,578 --> 00:37:28,580 (為時)へ? 352 00:37:30,915 --> 00:37:35,787 位が上がるなどということを 長い間 考えてもおらなんだからな…。 353 00:37:35,787 --> 00:37:37,789 宣孝様に お借りいたしましょう。 354 00:37:37,789 --> 00:37:41,259 これから お屋敷に 拝借に行ってまいります。 355 00:37:41,259 --> 00:37:43,962 支度に行ってまいります。 356 00:37:47,132 --> 00:37:53,271 やはり 右大臣様と姫様は 何かありますね。 357 00:37:53,271 --> 00:37:58,943 こたびのことは そうとしか思えぬな…。 358 00:37:58,943 --> 00:38:20,231 ♬~ 359 00:38:20,231 --> 00:38:27,105 (為時)こたびは ありがたくも 従五位下叙爵へのご推挙を賜り➡ 360 00:38:27,105 --> 00:38:31,809 この為時 御礼の言葉もございませぬ。 361 00:38:33,578 --> 00:38:40,251 悲田院で お助けいただいた娘も おかげさまで息災にしております。➡ 362 00:38:40,251 --> 00:38:45,590 何もかも 右大臣様のおかげにございます。 363 00:38:45,590 --> 00:38:52,463 これより 身命を賭して お仕え申し上げ奉ります。 364 00:38:52,463 --> 00:38:55,466 お上の御ために尽力されよ。 365 00:38:57,202 --> 00:38:59,904 ご苦労であった。 366 00:39:05,877 --> 00:39:22,427 〽 367 00:39:22,427 --> 00:39:24,429 (弦が切れる音) 368 00:39:32,103 --> 00:39:34,405 (斉信)光子。 369 00:39:36,574 --> 00:39:39,244 帝よりの賜りものじゃ。 370 00:39:39,244 --> 00:39:41,579 妹と分けよ。 371 00:39:41,579 --> 00:39:45,250 ありがとうございます 兄上。 372 00:39:45,250 --> 00:39:50,922 儼子は ただいま お忍びがあって…。 373 00:39:50,922 --> 00:39:53,424 そうか。 374 00:40:11,609 --> 00:40:13,544 ああ…。 375 00:40:13,544 --> 00:40:18,283 (足音) 376 00:40:18,283 --> 00:40:23,154 あれ? 女のとこに行ったんじゃないのか? 377 00:40:23,154 --> 00:40:25,456 くれ。 378 00:40:27,292 --> 00:40:29,994 おお…。 379 00:40:33,631 --> 00:40:35,566 振られたの?➡ 380 00:40:35,566 --> 00:40:41,506 男が来ていたとか? アハハ…。 381 00:40:41,506 --> 00:40:47,645 まさか あいつに裏切られるとは 思わなかった。 382 00:40:47,645 --> 00:40:53,985 ああ… 男が押しかけてきたのやもしれぬぞ。 383 00:40:53,985 --> 00:40:57,855 見事なしつらえの牛車であった。 384 00:40:57,855 --> 00:41:00,792 泣いたって しょうがないだろ。 385 00:41:00,792 --> 00:41:05,596 よし 懲らしめてやろう。 386 00:41:05,596 --> 00:41:11,269 関白になれなかったゆえ 女まで 俺を軽んじるのだ。 387 00:41:11,269 --> 00:41:16,140 カ~ッ… 情けないな。 388 00:41:16,140 --> 00:41:19,610 行こう。 誰だか確かめるだけでもいい。➡ 389 00:41:19,610 --> 00:41:22,280 ほら 兄上! 390 00:41:22,280 --> 00:41:47,505 ♬~ 391 00:41:47,505 --> 00:41:49,974 よせ。 392 00:41:49,974 --> 00:42:05,456 ♬~ 393 00:42:05,456 --> 00:42:09,460 (花山院)わっ! 脅しただけだ。 当ててはおらぬ。 394 00:42:09,460 --> 00:42:14,098 誰だ? (斉信)院! いかがされました! 院!➡ 395 00:42:14,098 --> 00:42:16,768 お気を確かに 院! 396 00:42:16,768 --> 00:42:18,703 院…? 397 00:42:18,703 --> 00:42:21,939 矢を射かけられたのは 花山院。 398 00:42:21,939 --> 00:42:25,943 長徳の変の始まりである。 399 00:42:30,615 --> 00:42:33,284 まことに おめでとう存じます。 いや 危ない 危ない。 400 00:42:33,284 --> 00:42:35,787 伊周と隆家は終わりだな。 401 00:42:35,787 --> 00:42:38,623 兄と弟の罰を軽くしてくださいませ。 402 00:42:38,623 --> 00:42:40,958 黙れ! お健やかに。 403 00:42:40,958 --> 00:42:42,894 隆家…。 中宮は見限れ。 404 00:42:42,894 --> 00:42:45,830 あしき気が漂っておる。 許すまじ! 405 00:42:45,830 --> 00:42:48,833 道長様は… 私が かつて…。 あ…。 406 00:42:48,833 --> 00:42:51,602 お前への思い…。 407 00:42:51,602 --> 00:42:54,305 中宮様…。