1 00:00:02,202 --> 00:00:04,605 (藤原宣孝) ウニを もっともっと食べたかったのう。 2 00:00:04,605 --> 00:00:06,540 (まひろ)食べ過ぎは いけません。 3 00:00:06,540 --> 00:00:11,111 過ぎたるは 及ばざるがごとしと 申しますでしょ。 4 00:00:11,111 --> 00:00:14,147 あの宋人が好きなのか? 5 00:00:14,147 --> 00:00:17,784 あいつと宋の国などに行くなよ。 何のことでございますか? 6 00:00:17,784 --> 00:00:22,122 前に言うておったではないか。 宋の国に行ってみたいと。ああ…。 7 00:00:22,122 --> 00:00:24,057 都に戻ってこい。 8 00:00:24,057 --> 00:00:26,960 わしの妻になれ。 9 00:00:26,960 --> 00:00:29,630 戯れではない。 10 00:00:29,630 --> 00:00:31,965 では 何でございますか? 11 00:00:31,965 --> 00:00:37,137 あの宋人と 海を渡ってみたとて 忘れえぬ人からは逃げられまい。 12 00:00:37,137 --> 00:00:39,172 何を仰せなのか分かりませぬ。 13 00:00:39,172 --> 00:00:42,943 とぼけても顔に出ておる。 何が顔に出ておりますか? 14 00:00:42,943 --> 00:00:46,847 忘れえぬ人と言われて 途端に心が揺らいだ。 15 00:00:46,847 --> 00:00:49,716 そうであろう? いいかげんなことを。 16 00:00:49,716 --> 00:00:54,321 都人は 心の内を顔には出さぬが お前は いつも出ておる。 17 00:00:54,321 --> 00:00:58,191 それは 私が愚かだということでございますね。 18 00:00:58,191 --> 00:01:00,928 愚かなところが笑えてよい。 19 00:01:00,928 --> 00:01:03,230 わしの心も和む。 20 00:01:04,798 --> 00:01:08,402 宣孝様は 分かっておられませぬ。 21 00:01:08,402 --> 00:01:13,240 私は 誰かを安心させたり 和ませたりする者ではありませぬ。 22 00:01:13,240 --> 00:01:17,611 自分が思っている自分だけが 自分ではないぞ。 23 00:01:17,611 --> 00:01:21,281 ありのままのお前を 丸ごと引き受ける。 24 00:01:21,281 --> 00:01:24,184 それが できるのは わしだけだ。➡ 25 00:01:24,184 --> 00:01:27,487 さすれば お前も楽になろう。 26 00:01:29,156 --> 00:01:32,292 忘れえぬ人がいても よろしいのですか? 27 00:01:32,292 --> 00:01:34,227 よい。 28 00:01:34,227 --> 00:01:36,630 それも お前の一部だ。 29 00:01:36,630 --> 00:01:41,635 丸ごと引き受けるとは そういうことだ。 30 00:01:43,303 --> 00:01:45,973 都で待っておる。 31 00:01:45,973 --> 00:01:49,676 道中 楽しみに食そう。 32 00:01:55,682 --> 00:04:40,480 ♬~ 33 00:04:50,290 --> 00:04:58,632 自分が思う自分だけが 自分ではない…。 34 00:04:58,632 --> 00:05:00,567 (足音) 35 00:05:00,567 --> 00:05:05,872 まひろ様 周明殿がお見えにございます。 36 00:05:10,577 --> 00:05:13,580 戻ってきたのね。 37 00:05:15,248 --> 00:05:18,919 どうしたの? 38 00:05:18,919 --> 00:05:27,627 (周明)俺は 今 宋人でもなければ 日本人でもない。 39 00:05:30,931 --> 00:05:34,801 居場所がないの? 40 00:05:34,801 --> 00:05:40,273 ああ…。 宋人は 他国の者を信用しない。 41 00:05:40,273 --> 00:05:45,111 周明は 日本人であったことを 隠していたわけではなく➡ 42 00:05:45,111 --> 00:05:48,315 宋人として生きようとしていたのでしょ。 43 00:05:50,617 --> 00:05:53,920 分かってくれるのは まひろだけだ。 44 00:05:55,488 --> 00:06:02,562 朝廷が交易を許せば 皆の心も穏やかになる。 45 00:06:02,562 --> 00:06:06,900 朝廷は たやすくは考えを変えないと 思うけど…。 46 00:06:06,900 --> 00:06:10,770 でも なぜ 宋との正式な交易を 嫌がるのかしら。 47 00:06:10,770 --> 00:06:15,242 私は もっと 宋のことを知りたいのに。 48 00:06:15,242 --> 00:06:19,112 宋の国を見たいか? ええ 見たい。 49 00:06:19,112 --> 00:06:23,917 望みを果たし 帰る時が来たら➡ 50 00:06:23,917 --> 00:06:27,587 一緒に 宋に行こう。 51 00:06:27,587 --> 00:06:32,759 そのためには もっともっと 宋の言葉を学ばねば。 52 00:06:32,759 --> 00:06:35,562 あ…。 (周明)フフ…。 53 00:07:03,757 --> 00:07:10,063  心の声 道長様に 私は どう見えていたんだろう…。 54 00:07:25,912 --> 00:07:30,216 (源 倫子)殿。 ⚟(藤原道長)ん? 55 00:07:31,785 --> 00:07:35,088 女院様が 殿をお呼びでございます。 56 00:07:41,261 --> 00:07:43,964 姉上…。 57 00:07:45,932 --> 00:07:51,805 (藤原詮子)道長… 道長。 58 00:07:51,805 --> 00:08:04,117 今 伊周が そこに立って… 恐ろしい形相で 私をにらんでいたの。 59 00:08:08,188 --> 00:08:14,361 姉上… 晴明に邪気ばらいさせますゆえ ご安心ください。 60 00:08:14,361 --> 00:08:19,065 伊周に殺される…。 61 00:08:20,900 --> 00:08:27,073 苦しい… 息が…。 62 00:08:27,073 --> 00:08:43,590 (安倍晴明の祭文) 63 00:08:46,459 --> 00:08:48,928 (詮子)うう…。 64 00:08:48,928 --> 00:08:56,936 (晴明の祭文) 65 00:09:09,215 --> 00:09:15,555 (一条天皇)女院様の病をお治しするべく 大赦の詔を下す。 66 00:09:15,555 --> 00:09:19,426 はっ。 (一条天皇)常の恩赦では赦免しない者も➡ 67 00:09:19,426 --> 00:09:22,429 ことごとく赦免する。 68 00:09:22,429 --> 00:09:28,902 伊周 隆家を 都に召還すべきかどうかについては➡ 69 00:09:28,902 --> 00:09:31,604 皆の考えを聞きたい。 70 00:09:36,776 --> 00:09:40,246 直ちに陣定を開き 大赦の後➡ 71 00:09:40,246 --> 00:09:45,552 伊周と隆家を都に召還すべきか 論議いたしまする。 72 00:09:47,921 --> 00:09:51,257 (源 俊賢) 罪をゆるすべきことは明らかであるが➡ 73 00:09:51,257 --> 00:09:53,927 召還については 勅定によるべきである。 74 00:09:53,927 --> 00:09:56,396 (藤原斉信)両人の罪は ゆるすべきだが➡ 75 00:09:56,396 --> 00:10:00,600 召還については 明法家に勘申させるべきである。 76 00:10:00,600 --> 00:10:02,535 (藤原公任)罪は ゆるすべきであるが➡ 77 00:10:02,535 --> 00:10:05,271 なお 本処にとどめるべきである。 78 00:10:05,271 --> 00:10:08,107 (藤原実資) 罪をゆるすべきことは 明らかであるが➡ 79 00:10:08,107 --> 00:10:12,278 召還については 先例を調べるべきである。 80 00:10:12,278 --> 00:10:14,214 (藤原道綱)あ… 同じです。 81 00:10:14,214 --> 00:10:19,052 (藤原公季)罪は ゆるすべきであるが 召還については 先例を尋ねるべきである。 82 00:10:19,052 --> 00:10:24,791 (藤原顕光)両人の罪は ゆるすべきだが 召還については 勘申させるべきである。 83 00:10:24,791 --> 00:10:30,964 うむ。 皆の考え これより 帝にお伝えしよう。 84 00:10:30,964 --> 00:10:38,638 (一条天皇)そなたの意見はないのか? お上のお心と同じにございます。 85 00:10:38,638 --> 00:10:46,513 大宰権帥 藤原伊周 出雲権守 藤原隆家の罪をゆるし➡ 86 00:10:46,513 --> 00:10:49,983 速やかに召還せよ。 はっ。 87 00:10:49,983 --> 00:10:52,018 朕が 愚かであった。 88 00:10:52,018 --> 00:11:00,260 冷静さを欠き 伊周 隆家 そして 中宮を追い詰めてしまったこと➡ 89 00:11:00,260 --> 00:11:02,562 今は 悔いておる。 90 00:11:07,600 --> 00:11:12,939 あの時 そなたに止めてほしかった。 91 00:11:12,939 --> 00:11:19,712 後に聞けば 伊周が その方と母上を 呪詛したというのは うわさにすぎず➡ 92 00:11:19,712 --> 00:11:21,948 矢も院に射かけたものではなく➡ 93 00:11:21,948 --> 00:11:24,417 車に当たっただけであった というではないか。 94 00:11:24,417 --> 00:11:28,955 その方は 知っておったのか? 95 00:11:28,955 --> 00:11:32,292 知っておったのか? そもそもは➡ 96 00:11:32,292 --> 00:11:37,163 院が 何者かに 射かけられたとのことでございました。 97 00:11:37,163 --> 00:11:41,467 大赦のこと 速やかに行え。 はっ。 98 00:11:50,310 --> 00:11:54,981 俺は 斉信にしてやられたのかもしれぬ。 (源 明子)え? 99 00:11:54,981 --> 00:11:59,819 あの夜 あいつは はっきりと言ったのだ。 100 00:11:59,819 --> 00:12:05,325 先ほど 一条第で 院が 何者かに射かけられたと。 101 00:12:10,263 --> 00:12:13,166 う~ん…。 102 00:12:13,166 --> 00:12:16,402 (ため息) 103 00:12:16,402 --> 00:12:25,612 院のお体を狙うのと 御車を狙うのでは 罪の重さが全く違う。 104 00:12:25,612 --> 00:12:28,915 それなのに あいつは…。 105 00:12:31,417 --> 00:12:38,958 確かに 伊周の席が空いたことで 斉信が公卿となった。 106 00:12:38,958 --> 00:12:44,631 人は そこまでして 上を目指すものなのか…。 107 00:12:44,631 --> 00:12:52,972 人を見抜く力をおつけになって すばらしいことにございます。 108 00:12:52,972 --> 00:12:59,979 幼い頃からのなじみなのに 俺は あいつのことを分かっていなかった。 109 00:13:02,248 --> 00:13:06,552 斉信が上手であった~。 110 00:13:11,257 --> 00:13:18,598 上に立つ者の周りは 敵なのです。 111 00:13:18,598 --> 00:13:23,603 父の高明は よい人すぎて やられてしまいましたもの。 112 00:13:27,273 --> 00:13:35,615 斉信に限らず 誰をも 味方にできるような器がなければ➡ 113 00:13:35,615 --> 00:13:38,951 やってゆけぬな。 114 00:13:38,951 --> 00:13:42,655 殿らしいお考えだこと。 115 00:13:52,965 --> 00:13:56,002 隆家が 帰ってきたそうではないか。 116 00:13:56,002 --> 00:13:58,438 出雲から 空でも飛んできたのか? 117 00:13:58,438 --> 00:14:01,908 普通なら 20日は かかろう。 118 00:14:01,908 --> 00:14:03,843 不可解なり。 119 00:14:03,843 --> 00:14:06,546 (2人)不可解なり。 120 00:14:10,583 --> 00:14:14,921 (藤原隆家)出雲の土産に 干しシジミを どっさり持ってまいりました。 121 00:14:14,921 --> 00:14:16,856 酒のあとに よいのです。 122 00:14:16,856 --> 00:14:21,260 酒 飲まれますよね? うむ。 123 00:14:21,260 --> 00:14:25,098 だまされたと思って これを煎じるか そのまま食べてください。 124 00:14:25,098 --> 00:14:27,133 是非とも。 125 00:14:27,133 --> 00:14:31,604 伊周も もう大宰府を たったであろうか。 126 00:14:31,604 --> 00:14:33,940 (隆家)兄のことは知りませぬ。 127 00:14:33,940 --> 00:14:36,275 私と兄は 違います。 128 00:14:36,275 --> 00:14:42,148 兄は 恨みをためる。 私は 過ぎたことは忘れる。 129 00:14:42,148 --> 00:14:46,152 左大臣様のお役に立てるのは 私にございます。 130 00:14:49,622 --> 00:14:55,128 あの時 院の御車を射たのは お前か? 伊周か? 131 00:14:55,128 --> 00:14:57,430 矢を放ったのは 私です。 132 00:14:57,430 --> 00:15:00,433 兄は ビクビクしておりました。 133 00:15:00,433 --> 00:15:04,237 されど とんでもない大ごとになってしまって➡ 134 00:15:04,237 --> 00:15:06,572 驚きましたよ あの時は。 135 00:15:06,572 --> 00:15:10,243 院を狙ったのではない 御車を狙ったのだと➡ 136 00:15:10,243 --> 00:15:12,245 なぜ あの時 申し開きしなかったのだ。 137 00:15:12,245 --> 00:15:15,381 何を言っても信じていただけそうに ありませんでしたからね。 138 00:15:15,381 --> 00:15:17,316 ほう…。 (隆家)ハハハ。 139 00:15:17,316 --> 00:15:22,121 シジミ 是非 試してごらんください。 うむ。 140 00:15:24,924 --> 00:15:26,926 (宋語で) 141 00:16:03,563 --> 00:16:08,234 フフフフフフ…。 142 00:16:08,234 --> 00:16:10,570 大人だ。 143 00:16:10,570 --> 00:16:13,472 まひろは 今 打人と言った。 144 00:16:13,472 --> 00:16:19,278 それでは とんでもない大人ではなく とんでもなく殴ることになってるぞ。 145 00:16:19,278 --> 00:16:27,920 (笑い声) 146 00:16:27,920 --> 00:16:32,625 (小声で)ダーレン…。 早く まひろと宋に行きたい。 147 00:16:40,933 --> 00:16:45,238 このままでは いつまでたっても宋には行けない。 148 00:16:48,274 --> 00:16:51,978 左大臣に手紙を書いてくれ。 149 00:16:56,148 --> 00:16:59,452 2人で 宋に行くためだ。 150 00:17:04,223 --> 00:17:07,526 あなたは うそをついている。 151 00:17:09,095 --> 00:17:12,398 私を好いてなぞいない。 152 00:17:21,240 --> 00:17:24,143 好いている。 153 00:17:24,143 --> 00:17:27,847 抱き締められると分かる。 154 00:17:35,588 --> 00:17:39,258 あなたは 違うことを考えている。 155 00:17:39,258 --> 00:17:42,595 私を利用するために。 156 00:17:42,595 --> 00:17:45,298 そうでしょう? 157 00:17:59,145 --> 00:18:01,447 (陶器をたたきつける音) 158 00:18:04,216 --> 00:18:06,519 来い。 159 00:18:21,233 --> 00:18:23,536 書け。 160 00:18:25,104 --> 00:18:28,407 左大臣に 文を書け。 161 00:18:30,576 --> 00:18:36,248 左大臣が決意すれば 公の交易が かなうのだ。 162 00:18:36,248 --> 00:18:39,151 書け。 163 00:18:39,151 --> 00:18:42,588 書きません。 164 00:18:42,588 --> 00:18:47,927 書かねば 切る。 165 00:18:47,927 --> 00:18:50,830 書きません。 書いたとて➡ 166 00:18:50,830 --> 00:18:54,800 左大臣様は 私の文ごときで お考えを変える方ではありません。 167 00:18:54,800 --> 00:18:57,503 書け! 書きません。 168 00:18:59,538 --> 00:19:08,848 書かねば… お前を殺して 俺も死ぬ。 169 00:19:12,551 --> 00:19:17,256 死という言葉を みだりに使わないで。 170 00:19:18,891 --> 00:19:22,228 私は 母が目の前で殺されるのを見た。 171 00:19:22,228 --> 00:19:24,163 友も虫けらのように殺された。 172 00:19:24,163 --> 00:19:33,239 周明だって 海に捨てられて 命の瀬戸際を生き抜いたのでしょう? 173 00:19:33,239 --> 00:19:36,942 気安く死ぬなど言わないで! 174 00:19:44,850 --> 00:19:55,494 言っておくが 宋は お前が夢に描いてるような国ではない。 175 00:19:55,494 --> 00:19:59,265 宋は 日本を見下している。 176 00:19:59,265 --> 00:20:06,138 日本人なぞ 歯牙にもかけておらぬ。 177 00:20:06,138 --> 00:20:11,410 民に等しく機会を与える国など➡ 178 00:20:11,410 --> 00:20:14,613 この世の どこにもないのだ。 179 00:20:17,616 --> 00:20:20,953 つまらぬ夢など持つな。 180 00:20:20,953 --> 00:21:06,665 ♬~ 181 00:21:09,935 --> 00:21:13,272 (乙丸)姫様。➡ 182 00:21:13,272 --> 00:21:19,278 姫様が 夕げを召し上がらないと 下女が申しておりました。 183 00:21:21,413 --> 00:21:24,917 ⚟(乙丸)お加減でも お悪いのですか? 184 00:21:30,156 --> 00:21:33,459 すいません お邪魔しました。 185 00:21:35,294 --> 00:21:37,997 ⚟乙丸。 186 00:21:49,308 --> 00:21:54,446 お前は なぜ 妻を持たないの? 187 00:21:54,446 --> 00:21:59,285 えっ! そんなに大きな声を出さなくても。 188 00:21:59,285 --> 00:22:04,924 な… 何故 そのようなことを。 189 00:22:04,924 --> 00:22:08,928 ただ聞いてみたかったの。 190 00:22:10,796 --> 00:22:13,599 もういいわ。 191 00:22:13,599 --> 00:22:19,905 妻を持とうにも この身 一つしかありませんし…。 192 00:22:21,473 --> 00:22:29,949 あの時… 私は 何もできませんでしたので。 193 00:22:29,949 --> 00:22:32,651 あの時? 194 00:22:34,620 --> 00:22:43,629 北の方様が… お亡くなりになった時 私は 何も…。 195 00:22:45,631 --> 00:22:52,304 せめて 姫様だけは お守りしようと誓いました。 196 00:22:52,304 --> 00:22:56,976 それだけで 日々 精いっぱいでございます。 197 00:22:56,976 --> 00:23:04,250 そう… 乙丸は そんなことを考えていたのね。 198 00:23:04,250 --> 00:23:06,552 はい。 199 00:23:09,922 --> 00:23:11,857 あっ 余計なことを申しました。 200 00:23:11,857 --> 00:23:23,869 ううん。 こんなに ずっと近くにいるのに 分からないことばかり。 201 00:23:27,940 --> 00:23:33,279 私は まだ何も分かっていないのやも…。 202 00:23:33,279 --> 00:23:39,618 周明様と 何かおありになったのですか? 203 00:23:39,618 --> 00:23:46,492 ううん… あの人も 精いっぱいなのだわ。 204 00:23:46,492 --> 00:23:56,201 ♬~ 205 00:24:11,550 --> 00:24:15,254 (詮子)病の身を わざわざお見舞いあそばされるとは➡ 206 00:24:15,254 --> 00:24:20,926 かたじけない限り。 まこと うれしゅう存じます。 207 00:24:20,926 --> 00:24:23,395 お加減は いかがでございますか? 208 00:24:23,395 --> 00:24:26,265 大赦のおかげで ようなりました。 209 00:24:26,265 --> 00:24:28,934 お上のおかげにございます。 210 00:24:28,934 --> 00:24:31,603 ようございました。 211 00:24:31,603 --> 00:24:42,247 母上 ご存じとは思いますが 朕も ようやく父になりました。 212 00:24:42,247 --> 00:24:45,150 おめでとうございます。 213 00:24:45,150 --> 00:24:48,620 この上ない喜びにございます。 214 00:24:48,620 --> 00:24:52,958 母上にも お知らせできて うれしゅうございます。 215 00:24:52,958 --> 00:24:59,264 お上の そのような晴れやかなお顔 初めて拝見いたしました。 216 00:25:02,568 --> 00:25:07,272 姫を内親王といたします。 217 00:25:08,907 --> 00:25:15,781 お上 今日 お上のお幸せそうなお顔を拝し➡ 218 00:25:15,781 --> 00:25:22,454 長い間 この母が お上を 追い詰めていたことが 分かりました。 219 00:25:22,454 --> 00:25:28,260 申し訳ないことにございました。 いえ。 220 00:25:28,260 --> 00:25:34,933 こたび 親となり 朕が生まれた時の母上のお気持ち➡ 221 00:25:34,933 --> 00:25:36,969 分かったような気がいたします。 222 00:25:36,969 --> 00:25:41,607 おわびなど なさいませぬよう。 お上…。 223 00:25:41,607 --> 00:25:47,312 ついては 中宮を内裏に呼び戻します。 224 00:25:49,281 --> 00:25:55,087 娘の顔も見ず 中宮にも会わずに このまま生き続けることはできませぬ。 225 00:25:55,087 --> 00:25:57,289 お待ちください! 分かっておる。 226 00:25:59,291 --> 00:26:01,894 公卿たちが黙ってはおらぬ。 227 00:26:01,894 --> 00:26:06,231 内裏に波風が立つと申すのであろう。 228 00:26:06,231 --> 00:26:10,536 波風など 立っても構わぬ。 229 00:26:13,105 --> 00:26:17,242 中宮を追い詰めたのは 朕である。 230 00:26:17,242 --> 00:26:23,549 今ここで 手を差し伸べねば 生涯 悔やむことになろう。 231 00:26:26,585 --> 00:26:33,459 これは 私の 最初で 最後のわがままである。 232 00:26:33,459 --> 00:26:42,134 道長 お上のお望みを かなえてさしあげてよ。 233 00:26:42,134 --> 00:26:52,611 ♬~ 234 00:26:52,611 --> 00:26:56,281 行成は どう思う? 235 00:26:56,281 --> 00:27:01,120 (藤原行成)帝が お幸せなら よろしいのではないかと存じます。 236 00:27:01,120 --> 00:27:06,091 皆の心が 帝から離れてもか。 237 00:27:06,091 --> 00:27:12,231 実資様などは 厳しいことを 仰せになりそうですが…。 238 00:27:12,231 --> 00:27:15,901 実資殿の言葉には 力がある。 239 00:27:15,901 --> 00:27:20,572 皆が 平然と 帝を批判するようになれば➡ 240 00:27:20,572 --> 00:27:23,876 政は やりにくくなる。 241 00:27:27,913 --> 00:27:32,918 やはり 出家した者を 内裏に入れるのは…。 242 00:27:35,587 --> 00:27:38,590 難しいと思う。 243 00:27:40,459 --> 00:27:48,934 ならば 職御曹司では いかがでございましょう。ん? 244 00:27:48,934 --> 00:27:55,274 内裏ではありませぬが 職御曹司ならば 帝がお会いになることも かないましょう。 245 00:27:55,274 --> 00:28:00,279 それでしたら ほかの女御様方のお顔も 立ちましょう。 246 00:28:03,081 --> 00:28:05,784 なるほど。 247 00:28:07,553 --> 00:28:12,057 では そのように 帝を説きまいらせよ。 248 00:28:12,057 --> 00:28:13,992 私がでございますか? 249 00:28:13,992 --> 00:28:19,565 行成が申せば 帝も素直にお聞きになるであろう。 250 00:28:19,565 --> 00:28:23,235 いや~… それは…。 251 00:28:23,235 --> 00:28:25,237 頼む! 252 00:28:28,574 --> 00:28:32,277 はっ! 253 00:28:33,912 --> 00:28:40,619 その日のうちに 定子は 職御曹司に入った。 254 00:28:42,254 --> 00:28:47,593 職御曹司は 内裏の東に隣接していた。 255 00:28:47,593 --> 00:28:49,528 僅かな距離ではあったが➡ 256 00:28:49,528 --> 00:28:57,269 天皇が 職御曹司へ行くには いちいち輿に乗らねばならなかった。 257 00:28:57,269 --> 00:29:19,891 ♬~ 258 00:29:19,891 --> 00:29:23,895 会いたかったぞ 定子…。 259 00:29:25,564 --> 00:29:28,266 (藤原定子)お上…。 260 00:29:38,910 --> 00:29:41,613 脩子にございます。 261 00:29:51,256 --> 00:29:56,261 脩子… 父であるぞ。 262 00:29:57,929 --> 00:30:03,402 愛らしいのう。 中宮に よく似ておる。 263 00:30:03,402 --> 00:30:05,604 お上にも。 264 00:30:07,939 --> 00:30:11,810 よく生まれてきてくれた。 265 00:30:11,810 --> 00:30:15,814 もう さみしい思いはさせぬ。 266 00:30:15,814 --> 00:30:19,518 健やかに育てよ。 267 00:30:24,289 --> 00:30:29,628 (一条天皇)少納言。 (ききょう)はっ。 268 00:30:29,628 --> 00:30:32,931 (一条天皇)中宮が世話になった。 269 00:30:35,500 --> 00:30:39,204 もったいなきお言葉にございます。 270 00:30:41,239 --> 00:30:51,650 この日から 一条天皇は 政務もなおざりで 連日 定子のもとに通い続けた。 271 00:30:51,650 --> 00:31:27,486 ♬~ 272 00:31:27,486 --> 00:31:33,625 どの面下げて 戻ってきたの? 自ら髪を下ろしたくせに。 273 00:31:33,625 --> 00:31:37,796 (2人)ずうずうしい。 ずうずうしい。 274 00:31:37,796 --> 00:31:42,300 やり手でおいでだ 帝も。 275 00:31:42,300 --> 00:31:46,304 前代未聞 空前絶後➡ 276 00:31:46,304 --> 00:31:48,507 世に ためしなし! 277 00:31:50,175 --> 00:31:56,314 お帰りなさいませ。 (藤原為時)うん 今 戻った。➡ 278 00:31:56,314 --> 00:32:02,254 はあ… そなたのおかげで さきの介からも話を聞けた。 279 00:32:02,254 --> 00:32:04,389 ありがたいことだ。 280 00:32:04,389 --> 00:32:06,458 (大野国勝) 国守様が どうしてもと仰せなので➡ 281 00:32:06,458 --> 00:32:08,927 致し方なく取り計らいました。 282 00:32:08,927 --> 00:32:12,798 氣比宮の宮司も親切であったな。 283 00:32:12,798 --> 00:32:17,636 あれは 官位が欲しくて こびを売っていただけにございます。 284 00:32:17,636 --> 00:32:19,638 そうなのか…。 285 00:32:19,638 --> 00:32:22,941 大掾様 父がお世話になりました。 286 00:32:22,941 --> 00:32:26,778 私は 越前の生まれですので 当然にございます。 287 00:32:26,778 --> 00:32:31,283 すっかり打ち解けられて ようございました。 うむ。 288 00:32:31,283 --> 00:32:33,985 国守様。 289 00:32:38,156 --> 00:32:40,625 こちらを。 うむ。 290 00:32:40,625 --> 00:32:43,929 それでは 失礼いたします。 291 00:32:47,499 --> 00:32:49,801 お前にだ。 292 00:33:04,249 --> 00:33:07,152 はっ…。 293 00:33:07,152 --> 00:33:09,855 いかがいたした? 294 00:33:11,590 --> 00:33:15,460 さわさんが➡ 295 00:33:15,460 --> 00:33:19,464 亡くなられたそうでございます。 296 00:33:33,845 --> 00:33:41,119 (さわ)「ゆきめぐり あふをまつらの かがみには➡ 297 00:33:41,119 --> 00:33:46,625 たれをかけつつ いのるとかしる」。 298 00:33:48,293 --> 00:33:57,302 お前に また会いたいと思いながら 亡くなったのだな…。 299 00:33:58,937 --> 00:34:03,241 この歌を大切にします。 300 00:34:10,548 --> 00:34:18,256 都に戻って 宣孝様の妻になろうかと思います。 301 00:34:18,256 --> 00:34:22,127 うん… ん? 302 00:34:22,127 --> 00:34:27,599 い… 今 何と申した? 303 00:34:27,599 --> 00:34:31,269 さわさんのことを知って➡ 304 00:34:31,269 --> 00:34:36,141 ますます生きているのも むなしい気分で…。 305 00:34:36,141 --> 00:34:39,978 うん むなしい心持ちは よう分かるが➡ 306 00:34:39,978 --> 00:34:45,183 それで 何故 宣孝殿の妻になるのだ? 307 00:34:46,818 --> 00:34:52,290 先日 宣孝様が 妻になれと 仰せになりました。 308 00:34:52,290 --> 00:34:55,193 なんと! うう…。 どうなさいました? 309 00:34:55,193 --> 00:34:59,965 ああ… 腰が…。 310 00:34:59,965 --> 00:35:01,900 父上。 311 00:35:01,900 --> 00:35:03,835 あっ! 312 00:35:03,835 --> 00:35:05,770 ああ…。 はい。 313 00:35:05,770 --> 00:35:10,608 宣孝殿は わしの大事な友だが➡ 314 00:35:10,608 --> 00:35:13,511 いくら何でも お前とは釣り合わぬ。 315 00:35:13,511 --> 00:35:16,247 何を錯乱したのであろうか。 316 00:35:16,247 --> 00:35:19,918 私も驚きました。 317 00:35:19,918 --> 00:35:25,256 都に帰って婿を取るなら それもよい。 318 00:35:25,256 --> 00:35:31,596 わしも 国守となったゆえ 以前よりは よい婿も来るやもしれぬ。 319 00:35:31,596 --> 00:35:34,933 されど 宣孝殿は…。 320 00:35:34,933 --> 00:35:38,603 父上が不承知なら やめておきます。 321 00:35:38,603 --> 00:35:43,108 いやいや 不承知とまでは 言うておらぬが➡ 322 00:35:43,108 --> 00:35:47,278 あいつは 年寄りながら いまだに 女にマメゆえ➡ 323 00:35:47,278 --> 00:35:51,950 お前が つらい思いをするやもしれぬぞ。 324 00:35:51,950 --> 00:35:56,821 されど 私も もう よい年ですし…。 325 00:35:56,821 --> 00:36:02,227 まあ それは そうであるが…。 326 00:36:02,227 --> 00:36:05,897 宣孝様は仰せになったのです。 327 00:36:05,897 --> 00:36:10,235 ありのままのお前を 丸ごと引き受ける。 328 00:36:10,235 --> 00:36:14,572 それができるのは わしだけだ。 329 00:36:14,572 --> 00:36:17,909 さすれば お前も楽になろうと。 330 00:36:17,909 --> 00:36:21,579 うまいことを言いおって。 331 00:36:21,579 --> 00:36:28,887 そのお言葉が 少しばかり胸にしみました。 332 00:36:30,922 --> 00:36:38,263 思えば 道長様とは向かい合い過ぎて 求め合い過ぎて➡ 333 00:36:38,263 --> 00:36:42,133 苦しゅうございました。 334 00:36:42,133 --> 00:36:46,604 いとおしすぎると嫉妬もしてしまいます。 335 00:36:46,604 --> 00:36:52,277 されど 宣孝様だと➡ 336 00:36:52,277 --> 00:36:57,615 恐らく それはなく 楽に暮らせるかと…。 337 00:36:57,615 --> 00:37:01,886 幼い頃から知っておるからな あいつは。 338 00:37:01,886 --> 00:37:07,559 誰かの妻になることを 大真面目に考えない方が よいのではと➡ 339 00:37:07,559 --> 00:37:13,431 このごろ思うのです。 え? 340 00:37:13,431 --> 00:37:16,568 子供も産んでみとうございますし。 341 00:37:16,568 --> 00:37:19,471 いたたたた…。 342 00:37:19,471 --> 00:37:26,478 ⚟殿様 松原客館から 宋の薬師が到着いたしました。 343 00:37:41,259 --> 00:37:45,263 周明殿の先生だそうでございます。 344 00:38:33,511 --> 00:38:37,448 二度と船が着かない…。 345 00:38:37,448 --> 00:38:39,751 なぜだ? 346 00:38:44,923 --> 00:38:52,797 (宋語) 347 00:38:52,797 --> 00:38:58,269 望みは 宋と日本との交易だと…。 348 00:38:58,269 --> 00:39:00,538 それは無理だ。 349 00:39:00,538 --> 00:39:07,412 (宋語) 350 00:39:07,412 --> 00:39:12,150 宋の品が入ってこない。 351 00:39:12,150 --> 00:39:17,155 それは 脅しか。 352 00:39:29,234 --> 00:39:31,536 シェシェ。 353 00:39:51,489 --> 00:39:54,192 ヂョウ ミン。 354 00:40:19,284 --> 00:40:22,620 宋の脅しに屈してはならぬ。 355 00:40:22,620 --> 00:40:28,293 彼らが 今 越前に持ってきている唐物を 朝廷で ことごとく買ってやればよい。 356 00:40:28,293 --> 00:40:30,795 さすれば 諦めて帰るであろう。 357 00:40:30,795 --> 00:40:34,432 恐れながら 朝廷に そのような ゆとりは ございませぬ。 358 00:40:34,432 --> 00:40:37,969 ならば 公の交易を始めたらよい。 359 00:40:37,969 --> 00:40:43,308 大宰府では 藤原が 交易のうまみを 独り占めしておるゆえ➡ 360 00:40:43,308 --> 00:40:46,978 越前を 朝廷の商いの場とすればよい。 361 00:40:46,978 --> 00:40:54,319 恐れながら それは 危のうございます。 362 00:40:54,319 --> 00:40:58,189 越前と都は 近うございます。 363 00:40:58,189 --> 00:41:03,594 万が一 宋の軍が 越前に押し寄せ 都に攻め上りでもしたならば➡ 364 00:41:03,594 --> 00:41:06,597 ひとたまりも ありませぬ。 365 00:41:09,267 --> 00:41:16,040 宋との正式な商いとなれば 彼の国は 我らを 属国として扱いましょう。 366 00:41:16,040 --> 00:41:22,547 そのようなことこそ 断じて許してはならぬと存じます。 367 00:41:24,816 --> 00:41:28,619 分かった。 368 00:41:28,619 --> 00:41:34,926 この件は 左大臣の思うようにいたせ。 はっ。 369 00:41:37,628 --> 00:41:43,301 越前の唐物の中に おしろいと唐扇があれば➡ 370 00:41:43,301 --> 00:41:47,171 中宮のために求めたい。 371 00:41:47,171 --> 00:41:50,475 それだけは差し出させよ。 372 00:41:53,311 --> 00:41:56,514 承知つかまつりました。 373 00:41:58,649 --> 00:42:00,585 (ため息) 374 00:42:00,585 --> 00:42:04,255 左大臣様は 何と? 375 00:42:04,255 --> 00:42:13,564 このまま様子を見て 時を稼げと仰せだ。 (国勝)はあ…。 376 00:42:19,270 --> 00:42:22,974 (宣孝)「早く都に帰ってまいれ」。 377 00:42:27,612 --> 00:42:30,281 フフフ…。 378 00:42:30,281 --> 00:42:33,117 地震か 疫病か 火事か 日食か 嵐か…。 379 00:42:33,117 --> 00:42:35,153 それら全てにございます。 ん? 380 00:42:35,153 --> 00:42:38,990 中宮様の隆盛を 取り戻すことができる。 非難すべし…。 381 00:42:38,990 --> 00:42:41,292 一刻の猶予もないと 仰せつかっております。 382 00:42:41,292 --> 00:42:43,628 私と脩子は もう行く所がございませぬ。 383 00:42:43,628 --> 00:42:46,431 為時の娘も 夫を持てることになりました。 384 00:42:46,431 --> 00:42:48,366 月日が流れましたので。 385 00:42:48,366 --> 00:42:50,301 不実な女でございますが…。 386 00:42:50,301 --> 00:42:52,303 これ以上は 無理でございます。 387 00:42:52,303 --> 00:42:55,106 はっ! 帰ってこない方が よかったかしら。