1 00:00:02,936 --> 00:00:09,810 長徳4年10月 日食と地震が 同日に都を襲った。 2 00:00:09,810 --> 00:00:11,812 (いと)こちらへ。 3 00:00:17,284 --> 00:00:20,587 (いと)お方様…。 (まひろ)あっ…。 4 00:00:23,790 --> 00:00:25,826 二階棚は そちらに。 はっ。 5 00:00:25,826 --> 00:00:28,829 鏡台は その横です。 はっ。 6 00:00:33,500 --> 00:00:37,137 (いと) 宣孝様が こんなにも裕福なお方とは➡ 7 00:00:37,137 --> 00:00:40,173 存じませんでした。 そうね…。 8 00:00:40,173 --> 00:00:44,011 不吉な大水も 日食も 地震も 吹き飛ばす頼もしさですわ。 9 00:00:44,011 --> 00:00:46,446 福丸は ぐらりと揺れた途端に➡ 10 00:00:46,446 --> 00:00:48,982 私を ほっぽり出して 逃げてゆきましたけど➡ 11 00:00:48,982 --> 00:00:51,818 宣孝様は お方様をかばわれて➡ 12 00:00:51,818 --> 00:00:57,624 覆いかぶさっておられて 胸打たれました。 そうね…。 13 00:00:57,624 --> 00:01:00,928 (きぬ)福丸さんが来られましたよ。 (福丸)どうも。 14 00:01:00,928 --> 00:01:05,399 もう! どこ行ってたのよ! まあ まあ まあ…。 15 00:01:05,399 --> 00:01:08,302 (藤原宣孝)おお だいぶ進んでおるな。 16 00:01:08,302 --> 00:01:10,604 おう 頼んだぞ。 へい。 17 00:01:10,604 --> 00:01:12,539 お帰りなさいませ。 18 00:01:12,539 --> 00:01:16,476 まひろ。 今日は 取って置きの贈り物を 持ってまいった。 19 00:01:16,476 --> 00:01:21,114 毎度の贈り物は もう…。 わしがしたいのだ。 断るな。 20 00:01:21,114 --> 00:01:24,818 (笑い声) 21 00:01:30,290 --> 00:01:37,631 このような よく映る鏡で 自分の顔を まじまじと見たことはありませぬ。 22 00:01:37,631 --> 00:01:39,566 うれしゅうございます。 23 00:01:39,566 --> 00:01:47,307 我ながら かわいいであろう。 まあ 思ったとおりでございます。 24 00:01:47,307 --> 00:01:50,811 おっ 自信はあったのだな。 また そのようなお戯れを。 25 00:01:50,811 --> 00:01:54,615 ならば もっと戯れよう。 26 00:01:58,552 --> 00:02:00,487 まひろ…。 27 00:02:00,487 --> 00:02:02,456 あっ! アハハ! 28 00:02:02,456 --> 00:04:01,074 ♬~ 29 00:04:01,074 --> 00:04:03,910 ♬~ 30 00:04:03,910 --> 00:04:46,920 ♬~ 31 00:04:53,260 --> 00:04:55,629 (藤原行成)安倍晴明らによる➡ 32 00:04:55,629 --> 00:04:59,933 日食と地震についての 「天文密奏」にございます。 33 00:05:01,434 --> 00:05:06,740 「天文密奏」とは 異常な天文現象が起きた時➡ 34 00:05:06,740 --> 00:05:12,546 その占いの結果を 内密に天皇に知らせることを言う。 35 00:05:12,546 --> 00:05:18,451 天皇以外の者が読むことは 許されなかった。 36 00:05:18,451 --> 00:05:21,755 (一条天皇)朕のせいなのか…。 37 00:05:25,125 --> 00:05:28,929 (恒方) 水にのまれ また建物の下敷きとなり➡ 38 00:05:28,929 --> 00:05:33,233 命を落とした者の数は 100を超えております。 39 00:05:35,802 --> 00:05:41,408 (藤原道長)人夫を増やして まずは 堤を急ぎ築き直せと➡ 40 00:05:41,408 --> 00:05:44,945 山城守と検非違使に伝えよ。 はっ! 41 00:05:44,945 --> 00:05:51,284 (雷雨の音) 42 00:05:51,284 --> 00:05:53,620 (安倍晴明)お出まし恐縮にございます。 43 00:05:53,620 --> 00:05:56,523 この天変地異は いつまで続くのだ。 44 00:05:56,523 --> 00:05:58,959 お前の見立てを聞かせてくれ。 45 00:05:58,959 --> 00:06:04,231 (晴明)帝のお心の乱れがおさまれば 天変地異はおさまります。 46 00:06:04,231 --> 00:06:11,004 中宮様のもとに 昼間からお渡りになり 政をおろそかになさっていることは➡ 47 00:06:11,004 --> 00:06:13,907 先日 おいさめいたした。 48 00:06:13,907 --> 00:06:16,943 天地の気の流れを変え➡ 49 00:06:16,943 --> 00:06:22,616 帝のお心を 正しきところに お戻しするしかございませぬな。 50 00:06:22,616 --> 00:06:24,618 いかがすればよい。 51 00:06:24,618 --> 00:06:29,923 左大臣様が よきものをお持ちと申しました。 52 00:06:29,923 --> 00:06:32,259 よきものとは➡ 53 00:06:32,259 --> 00:06:38,932 左大臣様の一の姫 彰子様にございます。 54 00:06:38,932 --> 00:06:45,272 出家とは 片足を あの世に踏み入れること。 55 00:06:45,272 --> 00:06:51,945 もはや 后たりえぬ中宮様によって 帝は 乱心あそばされたのです。 56 00:06:51,945 --> 00:06:54,981 今こそ 穢れなき姫君を! 57 00:06:54,981 --> 00:06:58,285 義子様も 元子様も おられるではないか。 58 00:06:58,285 --> 00:07:04,291 お二人の女御様と そのお父上には 何のお力もございませぬ。 59 00:07:06,026 --> 00:07:09,896 左大臣様の姫君であらねば。 60 00:07:09,896 --> 00:07:14,567 (雷雨の音) 61 00:07:14,567 --> 00:07:16,903 できぬ。 62 00:07:16,903 --> 00:07:20,240 私には見えます。 63 00:07:20,240 --> 00:07:23,910 彰子様は 朝廷の この先を背負って立つお方。 64 00:07:23,910 --> 00:07:26,212 そのような娘ではない! 65 00:07:29,249 --> 00:07:33,253 引っ込み思案で 口数も少なく…。 66 00:07:34,921 --> 00:07:36,856 何より まだ子供だ。 67 00:07:36,856 --> 00:07:44,931 恐れながら 入内は 彰子様が背負われた宿命にございます。 68 00:07:44,931 --> 00:07:51,805 (雷雨の音) 69 00:07:51,805 --> 00:07:57,510 (藤原詮子)お前も そろそろ そのくらいのことをしたら? 70 00:07:57,510 --> 00:08:00,880 女院様まで なんということを! 71 00:08:00,880 --> 00:08:04,184 身を切れということよ。 72 00:08:05,752 --> 00:08:10,890 お前は いつも きれいなところにいるもの。 73 00:08:10,890 --> 00:08:16,062 今の地位とて あくせくと策を弄して 手に入れたものではない。 74 00:08:16,062 --> 00:08:18,898 運がよかったのでしょ。 75 00:08:18,898 --> 00:08:22,569 何もかも うまくいき過ぎていたのよ。 76 00:08:22,569 --> 00:08:26,906 身を切る覚悟は 常にございます。 77 00:08:26,906 --> 00:08:28,842 されど 彰子は まだ子供。 78 00:08:28,842 --> 00:08:34,581 子供であろうとも それが使命であれば やり抜くでしょう。 79 00:08:34,581 --> 00:08:37,584 むごいことを仰せられますな。 80 00:08:39,252 --> 00:08:46,760 それそれ。 そういう 娘をかばう よき父親の顔をして➡ 81 00:08:46,760 --> 00:08:51,264 お前は 苦手な宮中の力争いから 逃げている。 82 00:08:53,933 --> 00:09:02,208 私は 父に裏切られ 帝の寵愛を失い 息子を中宮に奪われ➡ 83 00:09:02,208 --> 00:09:08,081 兄上に内裏を追われ 失い尽くしながら生きてきた。 84 00:09:08,081 --> 00:09:15,789 それを思えば 道長も ついに 血を流す時が来たということよ。 85 00:09:19,559 --> 00:09:25,865 朝廷の混乱と天変地異がおさまるなら 彰子をお出しなさい。 86 00:09:29,235 --> 00:09:39,245 姉上が そのように私を見ておられたとは 知りませんでした。 87 00:09:42,782 --> 00:09:48,488 大好きな弟ゆえ よく見ておっただけよ。 88 00:09:53,927 --> 00:09:56,830 (田鶴)父上! 89 00:09:56,830 --> 00:10:00,834 (源 倫子)申し訳ございませぬ。 田鶴が聞かなくて。 90 00:10:02,602 --> 00:10:06,406 父上 今日 迦陵頻の舞を習いました。 91 00:10:06,406 --> 00:10:08,475 ほう そうか。 92 00:10:08,475 --> 00:10:10,610 ご覧ください。 93 00:10:10,610 --> 00:10:12,545 いんじゃ…。 94 00:10:12,545 --> 00:10:17,484 〽 ち~ち~ら~ろ~ろ~ 95 00:10:17,484 --> 00:10:24,624 ハハ… 今度 ゆっくり見るゆえ。 96 00:10:24,624 --> 00:10:29,929 田鶴。 父上はお疲れです。 またにしなさい。 97 00:10:31,965 --> 00:10:38,671 彰子 そなたは 何をしておったのか? 98 00:10:40,640 --> 00:10:44,511 姉上は 何にもしてません。 これ! 99 00:10:44,511 --> 00:10:46,813 父上のお邪魔をしてはいけませんよ。 100 00:10:46,813 --> 00:10:49,315 あちらに参りましょう。 101 00:10:50,984 --> 00:10:53,319 ご無礼をいたしました。 102 00:10:53,319 --> 00:11:09,802 ♬~ 103 00:11:09,802 --> 00:11:13,273 お痩せになられましたね。 104 00:11:13,273 --> 00:11:20,146 大水 日食 地震以来 お仕事が 忙しすぎるのでございましょう。 105 00:11:20,146 --> 00:11:22,282 心配でございます。 106 00:11:22,282 --> 00:11:25,952 肩を おもみいたします。 よい。 107 00:11:25,952 --> 00:11:28,288 それより 相談がある。 108 00:11:28,288 --> 00:11:32,959 相談? いつも お胸の内を お明かしくださらぬ殿が➡ 109 00:11:32,959 --> 00:11:36,296 私に相談とは うれしゅうございます。 110 00:11:36,296 --> 00:11:39,599 うれしい話ではない。 え? 111 00:11:46,639 --> 00:11:53,313 彰子を入内させようと思うのだ。 112 00:11:53,313 --> 00:11:58,184 続く天変地異を鎮め 世の安寧を保つためには➡ 113 00:11:58,184 --> 00:12:01,588 彰子の入内しかない。 114 00:12:01,588 --> 00:12:04,257 お気は確かでございますか? 115 00:12:04,257 --> 00:12:07,927 入内して幸せな姫なぞおらぬと いつも仰せでしたのに。 116 00:12:07,927 --> 00:12:09,862 今も そう思っておる。 されど…。 117 00:12:09,862 --> 00:12:15,602 嫌でございます。 あの子には 優しい婿をもらい➡ 118 00:12:15,602 --> 00:12:18,638 穏やかに この屋敷で暮らしてもらいたい と思っております。 119 00:12:18,638 --> 00:12:20,773 俺も同じ思いであった。 120 00:12:20,773 --> 00:12:26,279 されど 今は 入内もやむなしと思っておる。 121 00:12:26,279 --> 00:12:28,948 よくお考えください。 122 00:12:28,948 --> 00:12:31,985 中宮様は 出家してもなお➡ 123 00:12:31,985 --> 00:12:36,122 帝を思いのままに操られる したたかなお方。 124 00:12:36,122 --> 00:12:38,057 そんな負けの見えている勝負などに…。 125 00:12:38,057 --> 00:12:40,260 勝負ではない! 126 00:12:42,895 --> 00:12:45,598 これは いけにえだ。 127 00:12:48,635 --> 00:12:59,946 手塩にかけた尊い娘ならばこそ 値打ちがある。 128 00:13:05,918 --> 00:13:11,090 これ以上 帝のわがままを許すわけにはいかぬ。 129 00:13:11,090 --> 00:13:15,762 何もしなければ 朝廷は力を失っていく。 130 00:13:15,762 --> 00:13:18,598 朝廷がどうなろうと あの子に関わりはありませぬ。 131 00:13:18,598 --> 00:13:26,306 そうはゆかぬ。 私は左大臣で 彰子は左大臣の娘なのだ。 132 00:13:28,274 --> 00:13:30,209 不承知にございます。 133 00:13:30,209 --> 00:13:36,416 そなたが不承知でも やらねばならぬ。 134 00:13:36,416 --> 00:13:39,619 相談ではございませんでしたの? 135 00:13:46,092 --> 00:13:48,895 許せ。 136 00:13:51,297 --> 00:14:00,106 殿 どうしても彰子を いけにえになさるのなら➡ 137 00:14:00,106 --> 00:14:04,110 私を殺してからにしてくださいませ。 138 00:14:05,812 --> 00:14:12,819 私が生きている限り 彰子を政の道具になどさせませぬ! 139 00:14:21,594 --> 00:14:28,267 (藤原穆子)そういえば あなたも さきの帝に入内する話があったわね。 140 00:14:28,267 --> 00:14:34,073 入内せず 殿の妻になれて 心からよかったと 私は思っております。 141 00:14:34,073 --> 00:14:37,944 それゆえ彰子にも そのような幸せを与えてやりたいのです。 142 00:14:37,944 --> 00:14:40,279 (穆子)そうね…。 143 00:14:40,279 --> 00:14:47,954 そうだけど 入内したら 不幸せになると 決まったものでもないわよ。 144 00:14:47,954 --> 00:14:50,857 帝は 政も おろそかになられるほど➡ 145 00:14:50,857 --> 00:14:54,827 中宮様の色香に 骨抜きにされてるのでおられますよ。 146 00:14:54,827 --> 00:14:59,132 ひょっこり 中宮様が亡くなったりしたら? 147 00:14:59,132 --> 00:15:01,734 母上! 148 00:15:01,734 --> 00:15:07,240 何がどうなるかは やってみなければ分からないわよ。 149 00:15:07,240 --> 00:15:14,580 それに 中宮様は 帝より 4つもお年が上でしょ。 150 00:15:14,580 --> 00:15:19,585 今は 首ったけでも そのうち お飽きになるんじゃない? 151 00:15:22,922 --> 00:15:26,592 年が明けたら 改元いたそうと思うのだが。 152 00:15:26,592 --> 00:15:30,463 (藤原実資) 長保がよろしかろうと存じます。 153 00:15:30,463 --> 00:15:33,933 うむ 長保か…。 154 00:15:33,933 --> 00:15:37,603 (実資) 左大臣様の世は 長く保たれましょう。 155 00:15:37,603 --> 00:15:39,539 帝の御代であろう。 156 00:15:39,539 --> 00:15:45,478 帝は 傾国の中宮に お心を たぶらかされておられますゆえ➡ 157 00:15:45,478 --> 00:15:47,947 このままでは…。 158 00:15:47,947 --> 00:15:49,882 そうなのであるが…。 159 00:15:49,882 --> 00:15:56,122 もし 左大臣様の姫君が入内されれば 後宮の内もまとまり➡ 160 00:15:56,122 --> 00:16:02,562 帝のご運も上向いて 御代も 長く保たれるのではございませぬか。 161 00:16:02,562 --> 00:16:08,234 中納言殿は まことに そう思われるのか? 162 00:16:08,234 --> 00:16:11,237 もちろんにございまする! 163 00:16:19,579 --> 00:16:22,915 入内…。 164 00:16:22,915 --> 00:16:25,818 ないな…。 165 00:16:25,818 --> 00:16:27,787 ないない。 166 00:16:27,787 --> 00:16:29,789 (オウム)ナイナイ…。 167 00:16:31,591 --> 00:16:34,093 ないない…。 168 00:16:34,093 --> 00:16:37,597 (田鶴)妍子! いきますよ…。 169 00:16:37,597 --> 00:16:41,100 それ! (藤原妍子)いくぞ…。 170 00:16:41,100 --> 00:16:43,302 (田鶴)あっ! 171 00:16:45,605 --> 00:16:47,940 はい。 172 00:16:47,940 --> 00:16:54,113 母上。 姉上は ぼんやり者ゆえ 婿も来ないのですね。 173 00:16:54,113 --> 00:16:57,617 田鶴! 姉上を そのように言うてはなりませぬ。 174 00:16:57,617 --> 00:17:01,220 琴だって 少しも覚えてなくて…。 175 00:17:01,220 --> 00:17:03,155 お師匠さんが怒ってました。 176 00:17:03,155 --> 00:17:07,994 田鶴は この家を継ぎ 父上の跡を継ぐ大切な嫡男。 177 00:17:07,994 --> 00:17:12,565 姉上は 帝のお后となるような 尊い姫なのですよ! 178 00:17:12,565 --> 00:17:15,902 あら…。 あら…。 179 00:17:15,902 --> 00:17:18,905 これ! これ! 180 00:17:21,240 --> 00:17:27,580 母上は 父上とけんかしているのですか? していませんよ。 181 00:17:27,580 --> 00:17:32,919 いつもプンプンしてるから。 していません! 182 00:17:32,919 --> 00:17:35,221 (田鶴)していません! 183 00:17:36,789 --> 00:17:44,096 父は そなたを帝の后にしたいと考えておる。 184 00:17:45,932 --> 00:17:49,802 驚かぬのか? 185 00:17:49,802 --> 00:17:53,806 (藤原彰子)仰せのままに。 186 00:17:53,806 --> 00:18:03,115 母上は かたく不承知なのだが お前は まことによいのか? 187 00:18:05,217 --> 00:18:08,554 仰せのままに。 188 00:18:08,554 --> 00:18:15,061 内裏に上がれば 母上や田鶴らとも 気軽に会うことはできなくなる。 189 00:18:15,061 --> 00:18:25,571 されど この国の 全ての女子の上に 立つことは 晴れがましきことでもある。 190 00:18:25,571 --> 00:18:29,575 父の言っていることが分かるか? 191 00:18:31,744 --> 00:18:36,248 仰せのままに。 分かるかと聞いておるのだ。 192 00:18:45,257 --> 00:18:51,964 ああ 今日は もうよい。 また話そう。 193 00:18:55,601 --> 00:19:02,875  心の声 あのように何も分からぬ娘を 入内させられるのか…。 194 00:19:02,875 --> 00:19:25,164 ♬~ 195 00:19:29,568 --> 00:19:32,271 (くしゃみ) 196 00:19:35,908 --> 00:19:40,613 ああ すまぬ。 197 00:19:42,782 --> 00:19:45,918 気持ちよく寝てしまった。 198 00:19:45,918 --> 00:19:49,622 お風邪を召されますよ。 199 00:19:54,593 --> 00:19:56,529 ああ…。 200 00:19:56,529 --> 00:20:00,266 こうしておれば 風邪など ひかぬ。 201 00:20:00,266 --> 00:20:02,268 フフ…。 202 00:20:10,910 --> 00:20:13,913 静か…。 203 00:20:37,636 --> 00:20:44,944 朕が 政をおろそかにしたせいで 多くの民が命を失った。 204 00:20:46,645 --> 00:20:49,949 このままでよいとは思えぬ。 205 00:20:51,984 --> 00:21:00,593 責めを負って譲位し 中宮と静かに暮らしたい。 206 00:21:00,593 --> 00:21:05,464 (行成) 恐れながら たとえ ご譲位なさろうとも➡ 207 00:21:05,464 --> 00:21:09,301 今のまま 中宮様をご寵愛あそばせば➡ 208 00:21:09,301 --> 00:21:16,142 中宮様のお立場も 脩子内親王様のお立場も危うくなります。 209 00:21:16,142 --> 00:21:18,144 なんと…。 210 00:21:18,144 --> 00:21:25,284 ご譲位ではなく ご在位のまま 政に専念なさるお姿を➡ 211 00:21:25,284 --> 00:21:29,155 皆にお見せくださいませ。 212 00:21:29,155 --> 00:21:33,793 更に お上に皇子なくば➡ 213 00:21:33,793 --> 00:21:39,298 東宮様の皇子 敦明様が 次の東宮となられましょう。 214 00:21:39,298 --> 00:21:47,640 さすれば お上の御父上であらせられる 円融院の御筋は途絶えます。➡ 215 00:21:47,640 --> 00:21:52,344 女院様とて それはお望みになりますまい。 216 00:21:55,514 --> 00:21:58,818 その方の考えは分かった。 217 00:22:03,589 --> 00:22:06,492 譲位はせぬ。 218 00:22:06,492 --> 00:22:16,502 されど… 我が皇子は 中宮が産むことを 朕は望む。 219 00:22:19,138 --> 00:22:21,407 お言いつけどおり➡ 220 00:22:21,407 --> 00:22:25,945 円融院の御筋は絶えてはならぬ ということを お伝えいたしました。 221 00:22:25,945 --> 00:22:31,817 その点は お心に届いたと存じますが 中宮様へのご執着は なかなか…。 222 00:22:31,817 --> 00:22:36,288 いや 一歩 進んだ。 223 00:22:36,288 --> 00:22:39,191 行成のおかげだ。 224 00:22:39,191 --> 00:22:43,162 公卿たちは 左大臣様の姫様が入内と聞けば➡ 225 00:22:43,162 --> 00:22:45,631 皆 喜びましょう。 226 00:22:45,631 --> 00:22:49,501 公になされば 内裏の気配も変わります。 227 00:22:49,501 --> 00:22:52,204 まだ公にするには早い。 228 00:22:54,306 --> 00:23:02,915 この件 これからも 行成の力添えが欠かせぬのだ。 229 00:23:02,915 --> 00:23:06,919 頼んだぞ。 はっ。 230 00:23:08,587 --> 00:23:14,293 年が明け 元号は 長保となった。 231 00:23:15,928 --> 00:23:26,238 一条天皇は この正月 事もあろうに 中宮を秘密裏に 内裏に呼び寄せた。 232 00:23:27,940 --> 00:23:31,410 (晴明)中宮様は この正月に➡ 233 00:23:31,410 --> 00:23:36,248 ご懐妊あそばされたようにございます。 なんと…。 234 00:23:36,248 --> 00:23:39,118 (晴明)内裏での逢瀬のせいでございます。 235 00:23:39,118 --> 00:23:46,625 今年の11月ごろ 皇子が生まれましょう。 皇子なのか…。 236 00:23:46,625 --> 00:23:50,296 (晴明)呪詛いたしますか? 237 00:23:50,296 --> 00:23:53,299 父上のようなことはしたくない。 238 00:23:54,967 --> 00:24:00,239 よう申されました。 今 私を試したのか。 239 00:24:00,239 --> 00:24:03,943 呪詛せよとお命じあれば いたしました。 240 00:24:07,112 --> 00:24:12,818 彰子は入内して 幸せになれるであろうか。 241 00:24:12,818 --> 00:24:18,257 私の使命は 一国の命運を見定めること。 242 00:24:18,257 --> 00:24:23,562 人一人の幸せなぞは あずかり知らぬことでございます。 243 00:24:34,606 --> 00:24:42,948 分かった。 中宮様が 子をお産みになる月に➡ 244 00:24:42,948 --> 00:24:46,251 彰子の入内をぶつけよう。 245 00:24:49,288 --> 00:24:54,593 よい日取りを出してくれ。 はは。 246 00:24:58,297 --> 00:25:06,905 11月1日を 彰子の入内の日と決めた。 247 00:25:06,905 --> 00:25:11,377 中宮様のお加減がお悪いとの うわさでございますが➡ 248 00:25:11,377 --> 00:25:15,247 まさか ご懐妊ではありません…。 ご懐妊であろうとも➡ 249 00:25:15,247 --> 00:25:17,916 入内は決行する。 250 00:25:17,916 --> 00:25:24,256 ご懐妊ならば そのお子を呪詛し奉ってくださいませ。 251 00:25:24,256 --> 00:25:29,128 呪詛は 殿のご一家の 得手でございましょう? 252 00:25:29,128 --> 00:25:38,604 そのようなことはせずとも 彰子が 内裏も 帝も お清めいたす。 253 00:25:38,604 --> 00:25:42,274 いけにえとして。 そうだ。 254 00:25:42,274 --> 00:25:45,177 殿の栄華のためではなく➡ 255 00:25:45,177 --> 00:25:48,947 帝と内裏を 清めるためなのでございますね。 256 00:25:48,947 --> 00:25:51,250 そうだ。 257 00:25:54,620 --> 00:25:57,322 分かりました。 258 00:26:04,897 --> 00:26:08,233 私も 肝を据えます。 259 00:26:08,233 --> 00:26:11,236 中宮様の邪気を払いのけ➡ 260 00:26:11,236 --> 00:26:15,107 内裏に 彰子のあでやかな後宮を 作りましょう。 261 00:26:15,107 --> 00:26:21,814 気弱なあの子が 力強き后となれるよう 私も命を懸けまする。 262 00:26:23,782 --> 00:26:32,458 道長は ついに 彰子の入内を 正式に 一条天皇に申し入れた。 263 00:26:32,458 --> 00:26:51,810 ♬~ 264 00:26:51,810 --> 00:27:01,453 鴨川の堤の決壊に始まる天災の数々は 我が政の未熟さゆえであった。 265 00:27:01,453 --> 00:27:06,225 左大臣には 大層 苦労をかけた。 とんでもないことにございます。 266 00:27:06,225 --> 00:27:10,896 左大臣の務めを 果たしただけにございます。 267 00:27:10,896 --> 00:27:15,567 そなたの働きに報いて➡ 268 00:27:15,567 --> 00:27:18,871 娘の入内を許す。 269 00:27:20,906 --> 00:27:23,208 ははっ。 270 00:27:24,776 --> 00:27:28,247 我が舅として 末永くよろしく頼む。 271 00:27:28,247 --> 00:27:32,918 もったいなきお言葉 痛み入りまする。 272 00:27:32,918 --> 00:27:46,465 ♬~ 273 00:27:46,465 --> 00:27:56,141 道長は 裳着の儀を盛大に執り行うことで 彰子の入内を公のものとした。 274 00:27:56,141 --> 00:28:43,922 ♬~ 275 00:28:43,922 --> 00:28:48,226 (一同)おめでとうございます。 276 00:28:53,265 --> 00:28:57,135 裳着の儀も滞りなく済んだ。 277 00:28:57,135 --> 00:29:04,209 これも神仏の守護 そして 皆のおかげだ。 278 00:29:04,209 --> 00:29:08,213 厚く礼を申す。 279 00:29:14,553 --> 00:29:19,891 (源 俊賢) いや~ 見事な裳着の儀でありました。 280 00:29:19,891 --> 00:29:23,762 (藤原斉信)しかし 一番 ボ~ッとしていた道長が左大臣で➡ 281 00:29:23,762 --> 00:29:27,232 俺たちは いまだ参議。 分からぬものだな。 282 00:29:27,232 --> 00:29:29,568 (藤原公任)人の世とは そういうものだ。 283 00:29:29,568 --> 00:29:32,904 そのうちに 帝の父になられるやもしれませぬし。 284 00:29:32,904 --> 00:29:34,840 うん それを口にするな。 285 00:29:34,840 --> 00:29:37,376 中宮側に 邪魔立てされるやもしれぬ。 286 00:29:37,376 --> 00:29:40,245 んん…。 (笑い声) 287 00:29:40,245 --> 00:29:43,915 左大臣は 己のために生きておらぬ。 288 00:29:43,915 --> 00:29:48,587 そこが 俺たちとは違うところだ。 ハハ…。 289 00:29:48,587 --> 00:29:51,256 道長には かなわぬ。 290 00:29:51,256 --> 00:29:56,595 まことに そう思います。 そう思います。 291 00:29:56,595 --> 00:29:58,797 (あくび) 292 00:30:01,266 --> 00:30:05,137 (藤原伊周) 左大臣の娘が 裳着を行ったようだ。 293 00:30:05,137 --> 00:30:09,608 まだ子供ゆえ 入内してきても 恐れることはないと思うが。 294 00:30:09,608 --> 00:30:12,277 (藤原定子)恐れてなどおりませぬ。 295 00:30:12,277 --> 00:30:16,948 帝の御心は 揺るがぬと 信じておりますゆえ。 296 00:30:16,948 --> 00:30:19,851 裳着に参列した者の話では➡ 297 00:30:19,851 --> 00:30:23,722 左大臣の娘は ろくに 挨拶もできぬ うつけだそうだ。 298 00:30:23,722 --> 00:30:27,959 兄上 そのようなことを 仰せになってはなりませぬ。 299 00:30:27,959 --> 00:30:30,862 入内を受け入れられるのは➡ 300 00:30:30,862 --> 00:30:37,636 内裏の安寧をはかろうとなさる 帝のご覚悟の表れなのだと思います。 301 00:30:37,636 --> 00:30:43,308 ほう~…。 随分と中宮様らしくなられましたな。 302 00:30:43,308 --> 00:30:45,644 なあ 少納言。 303 00:30:45,644 --> 00:30:52,317 (ききょう)唐の国では 皇帝は太陽 皇后は月といわれておりますが➡ 304 00:30:52,317 --> 00:30:58,457 私にとって 中宮様は 太陽でございます。 305 00:30:58,457 --> 00:31:03,962 軽々しくお近づきになりますと やけどされますわよ。 306 00:31:06,932 --> 00:31:14,673 (笑い声) 307 00:31:14,673 --> 00:31:18,543 (いと)どうぞ。 はい どうぞ。 308 00:31:18,543 --> 00:31:23,482 腹減った~。 腹減ったよな。 309 00:31:23,482 --> 00:31:27,619 ありがとうございます! ありがとう! 310 00:31:27,619 --> 00:31:29,554 血が出ているではないの。 311 00:31:29,554 --> 00:31:31,790 洗ってあげる。 おいで。 いい! 312 00:31:31,790 --> 00:31:33,825 駄目。 313 00:31:33,825 --> 00:31:38,296 傷に泥が入ったら 大変なのだから。 314 00:31:38,296 --> 00:31:40,999 何事だ? 315 00:31:43,969 --> 00:31:47,639 こら! お礼くらい言わぬか! 316 00:31:47,639 --> 00:31:52,444 大水と地震から生き残った子供たちに 食べ物を与えておりました。 317 00:31:52,444 --> 00:31:54,379 汚らわしい。 318 00:31:54,379 --> 00:31:57,816 ああ… あの子らには 親がおりませぬ。 319 00:31:57,816 --> 00:32:01,586 誰かが食べさせてやらねば 間違いなく飢えて死にます。 320 00:32:01,586 --> 00:32:04,389 それも致し方ない。 子供の命とは そういうものだ。 321 00:32:04,389 --> 00:32:08,927 ああ 今日の土産は 丹波のくりだ。 うまいぞ! 322 00:32:08,927 --> 00:32:11,763 ありがとうございます。 皆 喜びます。 323 00:32:11,763 --> 00:32:13,965 皆は よい。 お前に持ってきたのだ。 324 00:32:17,269 --> 00:32:19,938 おお そうであった。 325 00:32:19,938 --> 00:32:22,407 この前 そなたの文を ある所で見せたら➡ 326 00:32:22,407 --> 00:32:27,112 その女が見事な歌だと ひどく感じ入っておった。 327 00:32:27,112 --> 00:32:30,982 ある所で 誰にお見せになったのですか? 328 00:32:30,982 --> 00:32:32,984 ある女だ。 ある女…。 329 00:32:32,984 --> 00:32:36,822 よいではないか。 男か女かと聞かれれば➡ 330 00:32:36,822 --> 00:32:39,624 女だというだけの女だ。 さあ 食え。 うまいぞ! 331 00:32:39,624 --> 00:32:44,429 2人だけの秘密を 見知らぬお方に見られてしまったのは➡ 332 00:32:44,429 --> 00:32:47,132 とんでもない恥辱でございます。 333 00:32:47,132 --> 00:32:51,636 見せられたお方とて いい気分は しなかったに 違いございません。 334 00:32:51,636 --> 00:32:55,140 そういうことを 殿は お考えにならないのでしょうか? 335 00:32:55,140 --> 00:32:59,311 お考えにはならないよ。 よいではないか。 褒めておったのだから。 336 00:32:59,311 --> 00:33:04,916 よくはございませぬ。 お考えが 浅すぎます。 337 00:33:04,916 --> 00:33:11,790 わしは お前のような 学に優れた女を 妻にしたことを 皆に自慢したいのだ。 338 00:33:11,790 --> 00:33:15,260 ゆえに お前の文を持ち歩いて あちこちで見せておる。 339 00:33:15,260 --> 00:33:18,263 それほど自慢されて 本望であろう! 340 00:33:22,133 --> 00:33:29,608 殿に送った文 全てお返しくださいませ。 え? 341 00:33:29,608 --> 00:33:34,479 そうでなければ お別れいたします。 342 00:33:34,479 --> 00:33:39,284 何を言っておるのか分からぬ。 今日は もうお帰りくださいませ。 343 00:33:39,284 --> 00:33:42,120 まあまあ まあまあ… 怒った顔もかわいいぞ。 344 00:33:42,120 --> 00:33:44,956 おやめください! 345 00:33:44,956 --> 00:33:51,630 難しい女だ。 せっかく褒めておるのに。 346 00:33:51,630 --> 00:33:53,965 またな。 347 00:33:53,965 --> 00:33:57,302 「また」と言う時は➡ 348 00:33:57,302 --> 00:34:01,907 これまでに送った文を 全てお持ちくださいませ。 349 00:34:01,907 --> 00:34:07,212 そうでなければ お目にはかかりませぬ。 350 00:34:32,270 --> 00:34:34,940 お方様 私がいたします。 351 00:34:34,940 --> 00:34:40,946 いいのよ。 きぬは 厨の方を頼むわ。 はい。 352 00:34:51,389 --> 00:34:54,960 (藤原惟規)どう? 353 00:34:54,960 --> 00:34:59,631 「どう?」って 惟規の方こそ どうなの? 354 00:34:59,631 --> 00:35:05,437 まだまだ官職は得られそうもないよ。 思っていたとおり。 355 00:35:05,437 --> 00:35:12,210 父上が 戻られる前には 頼むわよ。 うん。 356 00:35:12,210 --> 00:35:17,115 そういうとこ素直なのに やることをやらないのだから 惟規は。 357 00:35:17,115 --> 00:35:22,253 あのさ 男のそういう痛いとこ つかない方がいいよ。 358 00:35:22,253 --> 00:35:27,926 宣孝様は いつもプンッとしてる私がよい と仰せだけれど。 359 00:35:27,926 --> 00:35:31,262 自信満々だな。 360 00:35:31,262 --> 00:35:36,568 そうでもないわ。 このところ 放っておかれているの。 361 00:35:38,603 --> 00:35:45,276 それ 新しい女が出来たからだよ。 え? 362 00:35:45,276 --> 00:35:47,946 清水の市で見たんだ。 363 00:35:47,946 --> 00:35:52,283 姉上より ずっとず~っと若い女に 絹の反物 買ってやってた。 364 00:35:52,283 --> 00:35:54,219 にやけた顔して。 365 00:35:54,219 --> 00:35:59,424 あ… 私だって 宣孝様より ずっとず~っと若いのに➡ 366 00:35:59,424 --> 00:36:05,563 私よりも ずっとず~っと若い女なの? うん。 367 00:36:05,563 --> 00:36:09,067 お盛んねえ~…。 怒らないんだ。 368 00:36:09,067 --> 00:36:11,002 怒っているわよ。 369 00:36:11,002 --> 00:36:18,510 でも 惟規に聞いたとは言えないから 今回は 黙っておくわ。 370 00:36:21,246 --> 00:36:25,116 あ~ 家はいいなあ…。 371 00:36:25,116 --> 00:36:28,920 帰るよ。 今来たばかりじゃないの。 372 00:36:28,920 --> 00:36:31,823 姉上がつつがないなら いいんだよ。 373 00:36:31,823 --> 00:36:35,093 宣孝様のこと 一度 ひっぱたいてやりなよ。 374 00:36:35,093 --> 00:36:39,898 それでも あのお方は 姉上のこと手放さないから。 375 00:37:02,187 --> 00:37:08,727 それから 許す 許さない 別れる 別れないと➡ 376 00:37:08,727 --> 00:37:12,597 文のやり取りが繰り返され…。 377 00:37:12,597 --> 00:37:19,104 (宣孝)これを見た途端 まひろに似合うと思うてな。 378 00:37:22,574 --> 00:37:27,245 清水の市で見つけたのだ。 清水の市…。 379 00:37:27,245 --> 00:37:30,248 あの市には よい反物が出るのだ。 380 00:37:32,117 --> 00:37:38,590 若い女子に反物を買われたついでに 私にも。 381 00:37:38,590 --> 00:37:41,493 ありがとうございます。 382 00:37:41,493 --> 00:37:44,262 多淫は 体によろしくないそうですよ。 383 00:37:44,262 --> 00:37:47,765 かわいくないのう… 誰に聞いたのだ。 384 00:37:47,765 --> 00:37:51,269 誰でも よろしいでしょう。 385 00:37:51,269 --> 00:37:56,407 あの宋の薬師に聞いたのか。 ええ。 386 00:37:56,407 --> 00:37:58,343 あの男とも 怪しげであったのう。 387 00:37:58,343 --> 00:38:00,278 嫌らしい勘ぐりを なさらないでください。 388 00:38:00,278 --> 00:38:04,883 まあまあ… そう絡むな。 389 00:38:04,883 --> 00:38:07,886 わしが悪かった。 390 00:38:10,555 --> 00:38:14,058 うん せっかく久しぶりに来たのだ。 391 00:38:14,058 --> 00:38:16,961 ああ… もっと甘えてこぬか。 392 00:38:16,961 --> 00:38:21,766 私は 殿に甘えたことはございません。 393 00:38:25,236 --> 00:38:29,240 お前の そういう かわいげのないところに➡ 394 00:38:29,240 --> 00:38:32,744 左大臣様も 嫌気がさしたのではないか? 395 00:38:34,579 --> 00:38:37,582 分かるな~。 396 00:38:48,927 --> 00:38:54,933 これ以後 宣孝の足は遠のいた。 397 00:39:00,538 --> 00:39:05,877 (いと)お方様 ちょっと よろしゅうございますか? 398 00:39:05,877 --> 00:39:08,179 ん? 399 00:39:12,750 --> 00:39:20,892 殿様に おわびの文をお出しになったら いかがでございましょう。 400 00:39:20,892 --> 00:39:24,229 悪いのは あちらだけど。 401 00:39:24,229 --> 00:39:28,566 ご自分をお通しになるのも ご立派ですけれど➡ 402 00:39:28,566 --> 00:39:34,239 殿様のお気持ちも 少しは思いやってさしあげないと。 403 00:39:34,239 --> 00:39:37,242 どう思いやれっていうの? 404 00:39:39,110 --> 00:39:46,251 お方様は 賢くていらっしゃいますので おっしゃることは正しいのですけれど➡ 405 00:39:46,251 --> 00:39:50,255 殿様にも 逃げ場をつくってさしあげないと。 406 00:39:51,923 --> 00:39:54,826 なぜ? 407 00:39:54,826 --> 00:40:01,599 夫婦とは そういうものだからでございますよ。 408 00:40:01,599 --> 00:40:10,308 思いを頂くばかり 己を貫くばかりでは 誰とも寄り添えませぬ。 409 00:40:14,178 --> 00:40:20,285 己を曲げて 誰かと寄り添う…。 410 00:40:20,285 --> 00:40:24,622 それが いとおしいということでございましょう。 411 00:40:24,622 --> 00:40:38,169 ♬~ 412 00:40:38,169 --> 00:40:43,308 (宣孝)「大したこともできない 人数にも入らない私が➡ 413 00:40:43,308 --> 00:40:48,313 あなたに腹を立てたところで かいがありませんね」。 414 00:40:56,321 --> 00:40:58,990 (いと 乙丸 きぬ 福丸)石山寺!? 415 00:40:58,990 --> 00:41:00,959 みんなで行きましょう。 416 00:41:00,959 --> 00:41:03,828 殿様がお見えになったら どういたしますの? 417 00:41:03,828 --> 00:41:06,798 お見えになったら その時は その時のことです。 418 00:41:06,798 --> 00:41:08,800 あらま…。 419 00:41:08,800 --> 00:41:12,637 石山寺 行ってみとうございます。 (乙丸)おお…。 420 00:41:12,637 --> 00:41:14,839 行こうよ いと。 421 00:41:16,474 --> 00:41:21,679 行って 殿が また来てくださるよう お願いするから。 422 00:41:25,783 --> 00:41:39,097 (誦経) 423 00:41:52,877 --> 00:41:54,879 (物音) 424 00:42:12,930 --> 00:42:30,281 ♬~ 425 00:42:30,281 --> 00:42:32,283 よい子を産めよ。 痛っ。 426 00:42:32,283 --> 00:42:35,620 この子は 私 一人で育てます。 今度こそ 皇子が生まれる。 427 00:42:35,620 --> 00:42:39,123 子を産むことなぞ許されぬ身…。 皇子か…。 428 00:42:39,123 --> 00:42:41,959 これで 左大臣も 俺たちを むげにはできまい。 429 00:42:41,959 --> 00:42:43,895 いやいや…。 海を見たか? 430 00:42:43,895 --> 00:42:45,830 宋の言葉を習いました。 431 00:42:45,830 --> 00:42:47,832 もう! (鳴き声) 432 00:42:47,832 --> 00:42:50,134 下から上へ。 433 00:42:51,969 --> 00:42:55,273 俺のそばで生きることを考えぬか?