1 00:00:02,202 --> 00:00:04,605 (カラスの鳴き声) 2 00:00:04,605 --> 00:00:09,276 まひろが 夫を失って3年目の夏。 3 00:00:09,276 --> 00:00:13,146 都を干ばつが襲った。 4 00:00:13,146 --> 00:00:25,425 ♬~ 5 00:00:25,425 --> 00:00:28,228 邪魔だ どけ! 6 00:00:30,631 --> 00:00:35,302 返せ! 返してくれ! 返せ! 返せ! 7 00:00:35,302 --> 00:00:45,946 ♬~ 8 00:00:45,946 --> 00:01:03,263 ♬ 天の河水 天の河水 天の河水 9 00:01:03,263 --> 00:01:14,274 ♬ 天の河水 天の河水 10 00:01:14,274 --> 00:01:21,982 (まひろ)あの… 渇きを癒やせるような 果物はないかしら? 11 00:01:28,622 --> 00:01:31,291 (乙丸)帰りましょう。 12 00:01:31,291 --> 00:01:37,631 動けば 我々も干上がってしまいます。 13 00:01:37,631 --> 00:01:44,137 ♬ 天の河水 14 00:01:44,137 --> 00:04:28,935 ♬~ 15 00:04:28,935 --> 00:04:34,407 (藤原道綱)はあ… 帝の雨乞いも効かなかったんだねえ…。 16 00:04:34,407 --> 00:04:38,945 (藤原実資) 帝が 御自ら雨乞いをなさるのは➡ 17 00:04:38,945 --> 00:04:41,848 200年ぶりのことであったのだが…。 18 00:04:41,848 --> 00:04:45,285 (藤原顕光)左大臣殿。➡ 19 00:04:45,285 --> 00:04:48,288 陰陽寮は 何をしておるのでしょう。 20 00:04:48,288 --> 00:04:50,423 (藤原道長)必死でやってはおりましょう。 21 00:04:50,423 --> 00:04:57,964 はあ… 晴明が務めを退いてから まるで 当てになりませぬな。 22 00:04:57,964 --> 00:05:03,570 はあ…。 なんとか いたさねば… なんとか…。 23 00:05:03,570 --> 00:05:11,244 (藤原斉信)右大臣様は 道長に 何もかも押しつけて いい気なもんだな。 24 00:05:11,244 --> 00:05:13,914 (藤原公任)今に始まったことではない。 25 00:05:13,914 --> 00:05:19,219 (顕光)困ったのう… はあ…。 26 00:05:28,261 --> 00:05:32,966 (乙丸)お方様のお戻りです。 ただいま。 27 00:05:34,601 --> 00:05:38,305 (藤原為時)井戸がかれた…。 28 00:05:41,942 --> 00:05:50,250 この夏 我らの命も もたぬやもしれぬ…。 29 00:05:52,285 --> 00:05:58,592 賢子だけは 生き延びさせたいが…。 30 00:06:04,231 --> 00:06:08,568 (安倍晴明)雨乞いなど 体がもちませぬ。 31 00:06:08,568 --> 00:06:11,905 陰陽寮には 力のある者がおらぬ。 32 00:06:11,905 --> 00:06:14,574 なんとか そなたに やってもらいたい。 33 00:06:14,574 --> 00:06:23,583 こうして お話しするだけでも 喉が渇きますのに 祈とうなぞ。 34 00:06:23,583 --> 00:06:25,585 頼む。 35 00:06:27,254 --> 00:06:30,557 何を下さいますか。 36 00:06:32,592 --> 00:06:37,464 私だけが この身をささげるのではなく➡ 37 00:06:37,464 --> 00:06:44,604 左大臣様も 何かを差し出してくださらねば➡ 38 00:06:44,604 --> 00:06:47,607 嫌でございます。 39 00:06:53,280 --> 00:06:56,283 私の寿命…。 40 00:06:58,118 --> 00:07:00,053 10年やろう。 41 00:07:00,053 --> 00:07:04,858 まことに奪いますぞ。 よい。 42 00:07:11,564 --> 00:07:14,567 お引き受けいたしましょう。 43 00:07:27,914 --> 00:07:34,788 お~! 44 00:07:34,788 --> 00:07:52,605 竜神 広くあつく 雲をつくり➡ 45 00:07:52,605 --> 00:08:03,817 甘雨を下したまえ。 ジャッ。 46 00:08:05,885 --> 00:08:17,897 民のかわきを うるおしたまえ。 47 00:08:17,897 --> 00:08:34,914 竜神 広くあつく 雲をつくり➡ 48 00:08:34,914 --> 00:08:44,724 甘雨を下したまえ。 49 00:08:47,394 --> 00:08:57,137 (晴明)雲をつくり➡ 50 00:08:57,137 --> 00:09:09,449 甘雨を下したまえ。 ヘッ。 51 00:09:11,551 --> 00:09:24,264 民のかわきを うるおしたまえ。 52 00:09:54,594 --> 00:10:13,613 (雷雨の音) 53 00:10:13,613 --> 00:10:15,548 雨だ! 54 00:10:15,548 --> 00:10:28,128 (歓喜する声) 55 00:10:28,128 --> 00:11:06,432 ♬~(雷雨の音) 56 00:11:09,602 --> 00:11:15,942 このころ 清少納言が託した「枕草子」が 評判を呼び➡ 57 00:11:15,942 --> 00:11:20,246 貴族たちの間で広まっていった。 58 00:11:24,651 --> 00:11:31,491 (一条天皇)これを読んでおると そこに定子がおるような心持ちになる。 59 00:11:31,491 --> 00:11:37,197 (藤原伊周)まことに そこに おられるのでございましょう。 60 00:11:40,633 --> 00:11:45,805 そなたらや 定子と共に遊んだ日のことも➡ 61 00:11:45,805 --> 00:11:48,641 つい この間のように 思い出される。 62 00:11:48,641 --> 00:11:53,446 お上の后は 昔も 今も この先も➡ 63 00:11:53,446 --> 00:11:56,316 定子様 お一人にございます。 64 00:11:56,316 --> 00:12:02,589 生まれ変わって 再び定子に出会い➡ 65 00:12:02,589 --> 00:12:05,925 心から定子のために生きたい。 66 00:12:05,925 --> 00:12:11,798 お上 そのように 暗いお顔をなさらないでくださいませ。 67 00:12:11,798 --> 00:12:14,500 定子様が 悲しみます。 68 00:12:16,936 --> 00:12:20,273 (伊周)「枕草子」をお読みくださり➡ 69 00:12:20,273 --> 00:12:27,046 どうか 華やかで 楽しかった日々のことだけを➡ 70 00:12:27,046 --> 00:12:30,283 お思いくださいませ。 71 00:12:30,283 --> 00:12:37,991 笑顔のお上を 定子様は ご覧になりたいに違いございませぬ。 72 00:12:48,301 --> 00:12:56,976 まひろは 6日に一度 四条宮で女房たちに和歌を教えていた。 73 00:12:56,976 --> 00:13:05,585 この学びの会は 藤原公任の妻 敏子の主宰である。 74 00:13:05,585 --> 00:13:13,259 和歌は 人の心を種として それが さまざまな言の葉になったもので➡ 75 00:13:13,259 --> 00:13:16,095 この世で暮らしている人の思いを➡ 76 00:13:16,095 --> 00:13:20,967 見るもの 聞くものに託して 歌として表します。 77 00:13:20,967 --> 00:13:23,836 難しい…。 ねえ。 78 00:13:23,836 --> 00:13:26,806 心があってこその言葉。 79 00:13:26,806 --> 00:13:34,480 もののあわれが分からねば よい歌は詠めないということです。 80 00:13:34,480 --> 00:13:49,295 「人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける」。 81 00:13:49,295 --> 00:13:53,166 あっ それ知ってます。 82 00:13:53,166 --> 00:13:56,803 この歌は 変わってしまう人の心と➡ 83 00:13:56,803 --> 00:14:00,573 変わらない花の香を対にして 歌っています。 84 00:14:00,573 --> 00:14:05,244 唐の詩人 劉希夷の漢詩➡ 85 00:14:05,244 --> 00:14:11,117 「年年歳歳 花相似たり➡ 86 00:14:11,117 --> 00:14:18,591 歳歳年年 人同じからず」を 踏まえているとも…。 87 00:14:18,591 --> 00:14:20,927 (あかね)先生は 歌を詠む時➡ 88 00:14:20,927 --> 00:14:24,597 そんなに難しいことを お考えなんですかぁ? 89 00:14:24,597 --> 00:14:30,603 私は 思ったことを そのまま歌にしているだけですけれど。 90 00:14:33,272 --> 00:14:39,579 こちらは 後に 和泉式部と呼ばれる歌人である。 91 00:14:43,616 --> 00:14:52,959 「声聞けば あつさぞまさる 蝉の羽の➡ 92 00:14:52,959 --> 00:15:01,567 薄き衣は みに着たれども」。 93 00:15:01,567 --> 00:15:07,240 蝉の声を聞くと 暑っ苦しさが増して 嫌になってしまいますわね。➡ 94 00:15:07,240 --> 00:15:12,578 皆様も 薄着におなりなさいませよ。 95 00:15:12,578 --> 00:15:16,449 (敏子)今日も また 朝寝されましたの? 96 00:15:16,449 --> 00:15:20,253 (あかね) 親王様と お話ししておりましたら つい。 97 00:15:20,253 --> 00:15:25,758 お話? あかね様が お放しに ならなかったのではありませんの? 98 00:15:25,758 --> 00:15:28,594 あなた うまいこと言うわね。 フフフ…。 99 00:15:28,594 --> 00:15:32,765 どちらにしても そのようなお姿は いかがなものでしょうか。 100 00:15:32,765 --> 00:15:35,601 だって 暑いんですもの。 101 00:15:35,601 --> 00:15:40,306 いっそのこと 何もかも脱いでしまいたいぐらい。 102 00:15:42,275 --> 00:15:45,178 (あかね)皆様も そうしません? 103 00:15:45,178 --> 00:15:48,781 みんなで脱げば 恥ずかしくありませんわよ。 104 00:15:48,781 --> 00:15:51,984 おやめください。 105 00:15:54,954 --> 00:15:57,290 先生も ほら。 106 00:15:57,290 --> 00:16:01,894 ああ… それは ちょっと…。 107 00:16:01,894 --> 00:16:08,568 はあ… 動くと ますます暑うございますわね。➡ 108 00:16:08,568 --> 00:16:12,071 あっ そうだわ。 109 00:16:12,071 --> 00:16:18,244 親王様が これを下さいましたの。 110 00:16:18,244 --> 00:16:24,116 「枕草子」。 内裏で大はやりなのですって。 111 00:16:24,116 --> 00:16:27,386 先生 ご存じ? ええ。 112 00:16:27,386 --> 00:16:30,089 さすが。 113 00:16:30,089 --> 00:16:35,595 でも 私 読んでみましたけど さほど 面白いと思いませんでした。 114 00:16:35,595 --> 00:16:39,465 軽みのある文章で よいと思いましたが。 115 00:16:39,465 --> 00:16:41,467 面白いというなら➡ 116 00:16:41,467 --> 00:16:46,939 先生の「カササギ語り」の方が はるかに面白うございますよ。 117 00:16:46,939 --> 00:16:48,941 ああ…。 118 00:16:50,810 --> 00:16:59,952 「昔々 ある所に 男と女がいました。➡ 119 00:16:59,952 --> 00:17:05,224 男は 体が小さく 病がち。➡ 120 00:17:05,224 --> 00:17:10,096 女は ふくよかで 力持ち。➡ 121 00:17:10,096 --> 00:17:15,868 わたしの見立てでは いつの世も男というものは➡ 122 00:17:15,868 --> 00:17:19,372 女よりも 上でいたいもの。➡ 123 00:17:19,372 --> 00:17:26,913 もし この男と女が 一緒になったら 一体 どうなるのだろうか。➡ 124 00:17:26,913 --> 00:17:30,249 ぜひ見てみたいと思ったわたしは…」。 125 00:17:30,249 --> 00:17:33,753 (藤原隆家) はあ… 兄には困ったものでございます。➡ 126 00:17:33,753 --> 00:17:36,255 帝のお気弱につけ込んで。 127 00:17:36,255 --> 00:17:40,126 亡き皇后様は そなたの姉君であろう。 128 00:17:40,126 --> 00:17:45,831 帝が お懐かしみくださるのは ありがたいことではないか。 129 00:17:47,867 --> 00:17:51,270 (隆家)私は 過ぎたことは 忘れるようにしております。 130 00:17:51,270 --> 00:17:56,776 出雲に配流となった時の無念よりも 亡き姉への思いよりも➡ 131 00:17:56,776 --> 00:18:01,213 先のことが大事でございます。 132 00:18:01,213 --> 00:18:05,885 恐れながら 帝にも 前をお向きいただきたいと存じます。 133 00:18:05,885 --> 00:18:09,589 おお それは そうであるな。 134 00:18:12,224 --> 00:18:16,529 お邪魔いたしました。 また参ります。 うむ。 135 00:18:24,937 --> 00:18:28,240 (藤原行成) あの男を あまり お信じにならぬ方が➡ 136 00:18:28,240 --> 00:18:30,910 よろしいのではございませぬか。 137 00:18:30,910 --> 00:18:36,782 あれは 伊周とは違うと思うがな。 そうでございましょうか。 138 00:18:36,782 --> 00:18:39,485 俺は そう思うておる。 139 00:18:41,554 --> 00:18:44,457 策略やもしれませぬ。 ん? 140 00:18:44,457 --> 00:18:49,261 伊周殿は 帝を取り込み 隆家殿は 道長様を取り込む。 141 00:18:49,261 --> 00:18:53,599 そして いずれの時か 道長様の失脚を謀る。 142 00:18:53,599 --> 00:18:59,271 フッ… 行成は 隆家が嫌いなのか。 143 00:18:59,271 --> 00:19:01,207 そうではございませぬ。 144 00:19:01,207 --> 00:19:05,211 道長様が あまりにお優しいので お気を付けになった方がよいと…。 145 00:19:05,211 --> 00:19:11,217 疑心暗鬼は 人の目を曇らせる。 146 00:19:11,217 --> 00:19:13,919 それ あっ。 (賢子)フフフ。 147 00:19:15,888 --> 00:19:18,224 (為時)おお。 148 00:19:18,224 --> 00:19:22,895 取れた。 ハハハハハハ。 よ~し… それ。 149 00:19:22,895 --> 00:19:25,598 あっ はあ…。 150 00:19:27,233 --> 00:19:29,568 あ~ 残念。 151 00:19:29,568 --> 00:19:34,073 父上。 賢子に 読み書きを 教えてやってくださいませ。 152 00:19:34,073 --> 00:19:37,576 遊びに飽きたら やらせるゆえ。 153 00:19:37,576 --> 00:19:41,447 読み書きができないと つらい思いをするのは 賢子です。 154 00:19:41,447 --> 00:19:45,317 あまり甘やかさないでくださいませ。 はい。➡ 155 00:19:45,317 --> 00:19:47,253 あ~ 残念。 ハハハハハ。 156 00:19:47,253 --> 00:19:51,924 私は これより四条宮に参りますので。 はい。 157 00:19:51,924 --> 00:19:57,930 賢子。 おじじ様に しっかり教えていただくのよ。 158 00:20:00,266 --> 00:20:03,169 行ってまいります。 159 00:20:03,169 --> 00:20:07,473 母上を見送らぬか。 ん? 160 00:20:10,276 --> 00:20:13,279 (賢子)じじ もう一回 やろ。 161 00:20:14,947 --> 00:20:28,961  心の声 「人の親の 心は闇にあらねども 子を思ふ道に まどひぬるかな」。 162 00:20:34,967 --> 00:20:38,838 ハハハハ。 よいな。 163 00:20:38,838 --> 00:20:41,140 よし…。 164 00:20:55,988 --> 00:21:00,993 だんだん 定子に似てきたな。 165 00:21:13,272 --> 00:21:19,612 (源 倫子) 何故 帝は 中宮様を見てくださらないの? 166 00:21:19,612 --> 00:21:21,547 (赤染衛門)はあ…。 167 00:21:21,547 --> 00:21:25,951 中宮様が 何をなさったというの? 168 00:21:25,951 --> 00:21:32,625 中宮様も 返事をなさるだけで お話しかけになることもなく…。 169 00:21:32,625 --> 00:21:37,496 皇后様が亡くなられて もう4年だというのに…。 170 00:21:37,496 --> 00:21:45,204 このままでは… 中宮様が あまりにも惨めだわ。 171 00:21:47,640 --> 00:21:52,511 どうだ。 ハハハハハ。 172 00:21:52,511 --> 00:22:40,860 ♬~ 173 00:22:40,860 --> 00:22:43,862 酔ってらっしゃるの? 174 00:22:46,632 --> 00:22:52,938 親王様と けんかでもなさったのですか? 175 00:22:55,641 --> 00:23:00,479 そうなの 何で分かるの? 176 00:23:00,479 --> 00:23:05,184 ここでお座りになってはいけません。 177 00:23:07,586 --> 00:23:14,360 親王様が 私を疑うようなことをおっしゃるのよ。 178 00:23:14,360 --> 00:23:18,931 疑う? 179 00:23:18,931 --> 00:23:27,273 人に代わって詠んだ歌なのに 私が 別の男に懸想していて➡ 180 00:23:27,273 --> 00:23:31,977 その男に贈ろうとしているなんて おっしゃるのよ。 181 00:23:34,947 --> 00:23:45,257 扇も取り替えっこして 私の心は 親王様しかいないと言っているのに。 182 00:23:46,959 --> 00:23:54,700 親王様は よほど あかね様にご執心なのね。 183 00:23:54,700 --> 00:24:02,441 私だって 親王様に負けないくらい 親王様が好き。 184 00:24:02,441 --> 00:24:07,746 そうやって 誰の目も はばかることなく➡ 185 00:24:07,746 --> 00:24:12,251 恋に身を焦がされるのは すばらしいことです。 186 00:24:15,487 --> 00:24:21,593 まひろ様は そういう人いないの? 187 00:24:21,593 --> 00:24:32,271 私は… あかね様のように 思いのまま生きてみたかった。 188 00:24:32,271 --> 00:24:42,614 「敢て問う。 兵は率然の如くならしむ可きかと」。 189 00:24:42,614 --> 00:24:48,320 では ここから先は 頼通様がお読みくださいませ。 190 00:24:53,258 --> 00:24:57,429 (藤原頼通)「曰く可なり。➡ 191 00:24:57,429 --> 00:25:05,070 夫れ呉人と越人とは 相悪むも➡ 192 00:25:05,070 --> 00:25:12,945 其の舟を同じくして済り 風に遇うに當りて➡ 193 00:25:12,945 --> 00:25:19,618 其の相救うこと 左右の手の如し」。 194 00:25:19,618 --> 00:25:23,255 (為時)お見事でございます。 195 00:25:23,255 --> 00:25:26,091 左大臣様。 父上! 196 00:25:26,091 --> 00:25:28,127 はかどっておるようだな。 197 00:25:28,127 --> 00:25:33,599 いや~ ご聡明のほど 驚くばかりでございます。 198 00:25:33,599 --> 00:25:37,936 ハハハ… 私の子とは思えぬな。 199 00:25:37,936 --> 00:25:40,939 殿。 ん? 200 00:25:43,609 --> 00:25:46,311 お願いがございます。 201 00:26:06,565 --> 00:26:10,369 行成の字は 相変わらず美しいのう。 202 00:26:10,369 --> 00:26:13,872 お気に召してようございました。 203 00:26:16,909 --> 00:26:22,781 (一条天皇)中宮への数々の心遣い ありがたく思っておる。 204 00:26:22,781 --> 00:26:27,252 もったいないお言葉 痛み入ります。 205 00:26:27,252 --> 00:26:33,959 そのようなお言葉を どうか 中宮様におかけくださいませ。 206 00:26:35,928 --> 00:26:42,267 幼き娘を手放し お上にささげまいらせた母の➡ 207 00:26:42,267 --> 00:26:44,937 ただ一つの願いにございます。 208 00:26:44,937 --> 00:26:49,942 (一条天皇)朕を受け入れないのは 中宮の方であるが。 209 00:26:51,810 --> 00:26:58,283 (一条天皇)内裏に来てすぐの頃 朕が笛を吹いても 横を向いておった。➡ 210 00:26:58,283 --> 00:27:03,989 今も 朕の顔を まともに見ようとはせぬ。 211 00:27:07,559 --> 00:27:11,430 出過ぎたことと承知の上で申し上げます。 212 00:27:11,430 --> 00:27:20,439 どうか お上から 中宮様のお目の向く先へ お入りくださいませ。 213 00:27:22,574 --> 00:27:28,881 母の命を懸けたお願いにございます。 214 00:27:33,585 --> 00:27:38,590 そのようなことで 命を懸けずともよい。 215 00:28:01,747 --> 00:28:04,216 お前は どうかしている。 216 00:28:04,216 --> 00:28:07,719 もし これで 帝が 彰子様に お情けをかけられなければ➡ 217 00:28:07,719 --> 00:28:10,055 生涯ないということになってしまうぞ。 218 00:28:10,055 --> 00:28:13,559 ただ待っているだけより ようございます。 219 00:28:19,765 --> 00:28:22,467 分からぬ。 220 00:28:24,236 --> 00:28:30,542 殿は いつも 私の気持ちは お分かりになりませぬゆえ。 221 00:28:32,110 --> 00:28:40,586 ♬~ 222 00:28:40,586 --> 00:29:01,073 (呪詛する声) 223 00:29:05,544 --> 00:29:13,218 確かに あなた様は 今 闇の中におられます。 224 00:29:13,218 --> 00:29:18,890 まさに闇の中だ。 225 00:29:18,890 --> 00:29:25,897 お待ちなさいませ。 いずれ 必ずや光はさしまする。 226 00:29:32,904 --> 00:29:35,607 いつだ? 227 00:29:39,578 --> 00:29:47,452 いつだか分からねば 心がもたぬ。 228 00:29:47,452 --> 00:29:51,757 もたねば それまで。 229 00:29:51,757 --> 00:29:55,927 されど そこを乗り切れば➡ 230 00:29:55,927 --> 00:30:01,266 光は あなた様を 煌々と照らしましょう。 231 00:30:01,266 --> 00:30:12,277 全てが うまく回れば… 私なぞ どうでもよいのだが。 232 00:30:15,614 --> 00:30:17,916 ん? 233 00:30:20,786 --> 00:30:27,125 今 あなた様のお心の中に 浮かんでいる人に➡ 234 00:30:27,125 --> 00:30:29,961 会いにお行きなさいませ。 235 00:30:29,961 --> 00:30:37,269 それこそが あなた様を照らす光にございます。 236 00:30:42,541 --> 00:30:44,843 (賢子)「あ」。 237 00:30:51,983 --> 00:30:54,686 「め」。 238 00:31:02,260 --> 00:31:04,596 「つ」。 239 00:31:04,596 --> 00:31:06,898 違う。 240 00:31:13,939 --> 00:31:20,645 こうでしょ。 何度言えば分かるの? はい もう一度。 241 00:31:24,583 --> 00:31:27,419 よいよい。 あっちで遊んでおいで。 242 00:31:27,419 --> 00:31:31,623 母上には じいが わびておくゆえ。 243 00:31:33,959 --> 00:31:36,294 父上…。 244 00:31:36,294 --> 00:31:38,797 じいなどと仰せにならないでください。 245 00:31:38,797 --> 00:31:41,299 おじじ様と呼ぶように しつけておりますのに。 246 00:31:41,299 --> 00:31:44,136 お前の気持ちも分かるがのう…。 247 00:31:44,136 --> 00:31:48,306 学問が 女を幸せにするとは限らぬゆえ。 248 00:31:48,306 --> 00:31:57,983 それ 私のことでございますか? ああ いや それは… 少しあるな。 249 00:31:57,983 --> 00:32:02,954 父上が授けてくださった学問が 私を不幸にしたことはございませぬ。 250 00:32:02,954 --> 00:32:08,393 そうか。 それなら よかったが 宣孝殿のように➡ 251 00:32:08,393 --> 00:32:12,931 そなたの聡明さをめでてくれる殿御は そうはおらぬゆえ。 252 00:32:12,931 --> 00:32:15,834 (藤原惟規) またやられてるんですか? 父上。 253 00:32:15,834 --> 00:32:20,105 内記のつとめは どうだ? どうってことはありませんよ。 254 00:32:20,105 --> 00:32:22,140 淡々と過ぎていくだけです。 255 00:32:22,140 --> 00:32:26,878 一生懸命 学問を授けても これだからのう。 256 00:32:26,878 --> 00:32:29,114 賢子は 書物を読み➡ 257 00:32:29,114 --> 00:32:33,952 己の生き方を 己で選び取れる子に なってほしいのでございます。 258 00:32:33,952 --> 00:32:37,289 それも姉上の押しつけだけどね。 (為時)まあまあまあ。 259 00:32:37,289 --> 00:32:42,961 賢子は 姉上みたいに難しいことを言う 女にならない方がいいですよ。➡ 260 00:32:42,961 --> 00:32:45,630 その方が 幸せだから。 261 00:32:45,630 --> 00:32:49,301 お前は 昼間から何しに来たのだ。 262 00:32:49,301 --> 00:32:52,804 油小路の女のところで 寝過ごしてしまったら➡ 263 00:32:52,804 --> 00:32:59,578 勤めに行くのが嫌になり 父上のお顔を見に参りました。 264 00:32:59,578 --> 00:33:01,513 はあ…。 265 00:33:01,513 --> 00:33:05,250 父上 そんな顔をなさいますな。 266 00:33:05,250 --> 00:33:07,919 これでも 左大臣様じきじきに➡ 267 00:33:07,919 --> 00:33:11,590 位記の作成を 命じられたりしているんですよ。 268 00:33:11,590 --> 00:33:13,525 そうか…。 269 00:33:13,525 --> 00:33:17,929 さて いとの顔でも見てから 出かけようかな。 270 00:33:17,929 --> 00:33:21,266 「女のふりをしていた男は➡ 271 00:33:21,266 --> 00:33:24,603 ふりをしていた訳では なかったのです。➡ 272 00:33:24,603 --> 00:33:29,474 心から女になりたいと思っていました。➡ 273 00:33:29,474 --> 00:33:34,279 そして 男のふりをしていた女もまた➡ 274 00:33:34,279 --> 00:33:40,085 心から男になりたいと 思っていたのです。➡ 275 00:33:40,085 --> 00:33:45,891 わたしは 嘘をついていた二人に 試練を与えようと思っていたのですが➡ 276 00:33:45,891 --> 00:33:48,793 やめました。➡ 277 00:33:48,793 --> 00:33:57,969 この二人が この先どうなったかは カササギの知る所ではありませぬ」。 278 00:33:57,969 --> 00:34:01,840 何だか 今日は 難しいお話でした。 279 00:34:01,840 --> 00:34:06,578 私は 男になりたいと思ったこと ないですわ。 280 00:34:06,578 --> 00:34:12,083 男であったら 政に携われるかもしれないのですよ。 281 00:34:12,083 --> 00:34:14,920 でも 偉くならないと それも できないでしょ。➡ 282 00:34:14,920 --> 00:34:19,224 面倒なことは 男に任せていればよいではないですか。 283 00:34:22,661 --> 00:34:28,266 (斉信)左大臣も苦労が絶えないようだな。 ハハハハ。 284 00:34:28,266 --> 00:34:33,138 ああ すまん。 帝の気を引くのは 難しいな。➡ 285 00:34:33,138 --> 00:34:35,774 亡き人の思い出は 美しいままだ。 286 00:34:35,774 --> 00:34:38,810 「枕草子」の力は ますます強まっております。 287 00:34:38,810 --> 00:34:43,515 ききょうめ… あんな才があるとは思わなかったな。➡ 288 00:34:43,515 --> 00:34:46,284 手放さねばよかった。 289 00:34:46,284 --> 00:34:51,957 皇后様がなされていたように 華やかな後宮を藤壺に作ったらどうだ? 290 00:34:51,957 --> 00:34:54,426 それは 難しいと存じます。 291 00:34:54,426 --> 00:34:58,964 帝は 諸事倹約をと 常々仰せだ。 292 00:34:58,964 --> 00:35:06,571 帝は 書物がお好きなので 「枕草子」を超える面白い読み物があれば➡ 293 00:35:06,571 --> 00:35:08,506 お気持ちも和らぐのでは ございませんでしょうか。 294 00:35:08,506 --> 00:35:16,247 そのような面白い書物を書く者が どこにおるというのだ。 295 00:35:16,247 --> 00:35:22,120 我が妻 敏子がやっておる学びの会に 面白い物語を書く女がおるようだぞ。 296 00:35:22,120 --> 00:35:25,390 帝のお心を捉えるほどの物語なのか? 297 00:35:25,390 --> 00:35:27,926 (公任)それは どうかな? 298 00:35:27,926 --> 00:35:32,797 されど 四条宮の女たちの間では 大評判だ。 299 00:35:32,797 --> 00:35:34,799 どういう女なのだ。 300 00:35:34,799 --> 00:35:39,404 さきの越前守 藤原為時の娘だ。 301 00:35:39,404 --> 00:35:42,941 ん? あっ あの地味な女だ。 302 00:35:42,941 --> 00:35:49,614 所詮 女子供の読むものだが 妻も先が楽しみだと心奪われておる。 303 00:35:49,614 --> 00:35:51,950 ふ~ん…。 304 00:35:51,950 --> 00:36:23,248 ♬~ 305 00:36:23,248 --> 00:36:26,151 おはじきやろう。 306 00:36:26,151 --> 00:36:32,257 後でやるから。 今は ちょっと忙しいの。 許してね。 307 00:36:32,257 --> 00:36:35,927 (いと) 姫様 いとと おはじきいたしましょう。 308 00:36:35,927 --> 00:36:40,265 やだ 母上とやる。 309 00:36:40,265 --> 00:36:42,934 さあさあ 姫様。 310 00:36:42,934 --> 00:37:19,237 ♬~ 311 00:38:41,119 --> 00:38:43,888 誰か! 312 00:38:43,888 --> 00:38:45,823 まあ! 313 00:38:45,823 --> 00:38:48,126 (為時)何事だ! 314 00:39:05,176 --> 00:39:08,546 (泣き声) 315 00:39:08,546 --> 00:39:12,050 自分のやったことが分かっているの!? 316 00:39:12,050 --> 00:39:16,221 母が相手にしないからって 火をつけるとは どういうこと? 317 00:39:16,221 --> 00:39:19,224 家に燃え移ったら どうなっていたと思うの! 318 00:39:19,224 --> 00:39:23,962 恐ろしいことをしたのですよ 賢子は。 319 00:39:23,962 --> 00:39:26,731 謝りなさい。 320 00:39:26,731 --> 00:39:28,666 悪かったと お言いなさい。 321 00:39:28,666 --> 00:39:31,236 (為時)もうもう よいではないか。 よくありませぬ! 322 00:39:31,236 --> 00:39:34,138 悪かったな。 悪かった 悪かった。 323 00:39:34,138 --> 00:39:37,909 思いどおりにならないからといって 火をつけるなぞ➡ 324 00:39:37,909 --> 00:39:40,812 とんでもないことです! 325 00:39:40,812 --> 00:39:43,248 人のやることではありませんよ。 326 00:39:43,248 --> 00:39:45,183 ごめんなさい…。 327 00:39:45,183 --> 00:39:49,120 うん。 もう分かったな。 うん 分かった 分かった。➡ 328 00:39:49,120 --> 00:39:51,422 分かった 分かった。 329 00:40:10,275 --> 00:40:13,278 ああ…。 330 00:40:58,656 --> 00:41:02,927 はい はい はい はい…。 331 00:41:02,927 --> 00:41:08,266 気晴らしに賢子を連れて 賀茂の社に行ってまいるゆえ➡ 332 00:41:08,266 --> 00:41:13,137 お前は 一人で 書きたいだけ書け。 333 00:41:13,137 --> 00:41:15,606 お願いいたします。 334 00:41:15,606 --> 00:41:18,910 (為時)うん 行こう。 335 00:42:14,265 --> 00:42:30,281 ♬~ 336 00:42:30,281 --> 00:42:32,216 そなたは いくつだ? 6つ。 337 00:42:32,216 --> 00:42:36,087 女も人ですのよ。 根が暗くて うっとうしいところ。 338 00:42:36,087 --> 00:42:39,424 お許しくださいませ。 父上と母上は➡ 339 00:42:39,424 --> 00:42:41,492 どうかなさったのでございますか? 340 00:42:41,492 --> 00:42:44,295 「黒髪の…」。 今日は 忙しいゆえ。 341 00:42:44,295 --> 00:42:48,966 ああ…。おかしきことこそ めでたけれにございます。 342 00:42:48,966 --> 00:42:51,869 直秀も 月におるやもしれぬな。 343 00:42:51,869 --> 00:42:55,173 「いづれの御時にか」。