1 00:00:06,940 --> 00:00:11,778 三条天皇と 中宮 妍子の間に➡ 2 00:00:11,778 --> 00:00:14,681 待望の子 禎子が生まれたが➡ 3 00:00:14,681 --> 00:00:17,885 皇子ではなかった。 4 00:00:19,520 --> 00:00:25,292 道長の思惑どおりには いかなかった。 5 00:00:25,292 --> 00:00:27,227 火事だ! 6 00:00:27,227 --> 00:00:29,630 更に 内裏は 火災になり➡ 7 00:00:29,630 --> 00:00:34,968 三条天皇は 妍子と共に 枇杷殿に移った。 8 00:00:34,968 --> 00:00:43,310 そのため 枇杷殿にいた 皇太后 彰子は 高倉殿に移ることとなった。 9 00:00:43,310 --> 00:00:48,315 高倉殿は 頼通の屋敷である。 10 00:00:55,656 --> 00:01:00,260 (藤原彰子) 敦康親王様 お久しゅうございます。 11 00:01:00,260 --> 00:01:03,597 ご機嫌麗しくお喜び申し上げます。 12 00:01:03,597 --> 00:01:09,269 (敦康親王)はい おかげをもちまして つつがなく過ごしております。 13 00:01:09,269 --> 00:01:15,142 皇太后様 これなるは 妻の祇子にございます。 14 00:01:15,142 --> 00:01:22,282 (祇子女王)祇子にございます。 お初に御意を得ます。 15 00:01:22,282 --> 00:01:26,954 (藤原頼通)我が妻が 祇子女王様の姉というご縁で➡ 16 00:01:26,954 --> 00:01:29,856 我が屋敷に 親王様にお渡りいただき➡ 17 00:01:29,856 --> 00:01:34,828 この頼通 一代の誉れと存じております。➡ 18 00:01:34,828 --> 00:01:38,565 お望みのことがあれば 何なりと。 19 00:01:38,565 --> 00:01:42,436 (藤原道長)恐れながら 二度にわたる内裏の火事は➡ 20 00:01:42,436 --> 00:01:47,975 天が お上の政に お怒りである証しと存じまする。 21 00:01:47,975 --> 00:01:53,847 (三条天皇)聞こえぬ。 もっと大きな声で申せ。 22 00:01:53,847 --> 00:02:00,554 この上は 国家安寧 四海平安のため 何とぞ ご譲位あそばされたく➡ 23 00:02:00,554 --> 00:02:04,925 臣道長 伏してお願い申し上げまする。 24 00:02:04,925 --> 00:02:07,394 (三条天皇)道綱。 (藤原道綱)はっ。 25 00:02:07,394 --> 00:02:09,763 そなたも そう思うておるのか? 26 00:02:09,763 --> 00:02:12,599 はっ! ん? あっ いえ…。 27 00:02:12,599 --> 00:02:14,534 (三条天皇)この無礼者め! 28 00:02:14,534 --> 00:02:18,405 譲位なぞ もってのほかである。 下がれ! 29 00:02:18,405 --> 00:02:20,607 ははっ! 30 00:02:22,275 --> 00:02:33,286 まひろは 再び 筆を執り 光る君亡きあとの物語を書き続けていた。 31 00:02:33,286 --> 00:02:41,962 (まひろ)「帝にすら ことさらあしざまに お耳に入れる人がおりましょう。➡ 32 00:02:41,962 --> 00:02:46,433 世の人の噂など まことに くだらなく➡ 33 00:02:46,433 --> 00:02:49,636 けしからぬものでございます」。 34 00:02:49,636 --> 00:05:34,334 ♬~ 35 00:05:36,136 --> 00:05:38,772 備前国の守が 交代のため…。 36 00:05:38,772 --> 00:05:41,274 声が小さい。 37 00:05:41,274 --> 00:05:46,112 (大声で)備前国の守が 交代のため 不動倉のかぎを申し入れておりますが➡ 38 00:05:46,112 --> 00:05:48,615 いかがいたしましょう! 39 00:06:01,895 --> 00:06:04,564 今日は暗いな。 40 00:06:04,564 --> 00:06:07,868 御簾を上げよ。 はっ。 41 00:06:23,917 --> 00:06:33,927 ♬~ 42 00:06:33,927 --> 00:06:37,797 左大臣のよきようにいたせ。 43 00:06:37,797 --> 00:06:41,101 ははっ! 44 00:06:41,101 --> 00:06:48,909 帝は お目が見えず お耳も聞こえておられぬ。 45 00:06:50,610 --> 00:06:56,483 このままでは 帝としてのお務めは果たせぬ。 46 00:06:56,483 --> 00:06:59,619 (藤原斉信)そんなにお悪いのか…。 47 00:06:59,619 --> 00:07:05,892 (源 俊賢)ご譲位を願い奉るのですね。 48 00:07:05,892 --> 00:07:07,827 そうだ。 49 00:07:07,827 --> 00:07:12,232 (藤原行成)お気の毒でございますな。 (藤原公任)情に流されるな。 50 00:07:12,232 --> 00:07:16,569 政がおできにならねば 致し方あるまい。 51 00:07:16,569 --> 00:07:24,244 内裏中に ご譲位を望む気分が高まるよう はかりましょう。➡ 52 00:07:24,244 --> 00:07:28,548 お任せください。 頼む。 53 00:07:44,564 --> 00:07:48,268 お願いがあって参りました。 54 00:07:48,268 --> 00:07:55,141 何事だ。 昨夜 会ったばかりではないか。 55 00:07:55,141 --> 00:07:58,845 大宰府に参りたく存じます。 56 00:08:01,815 --> 00:08:05,752 大宰大弐の席が 2月から空いております。 57 00:08:05,752 --> 00:08:10,457 そこに 私をお任じください。 58 00:08:13,893 --> 00:08:17,597 私のそばを離れたいということか。 59 00:08:19,366 --> 00:08:26,139 今の帝が ご即位になって 3年➡ 60 00:08:26,139 --> 00:08:33,880 私は かつてのように 道長様のお役に立てておりませぬ。 61 00:08:33,880 --> 00:08:40,587 敦康親王様も お幸せにお暮らしのご様子。 62 00:08:40,587 --> 00:08:46,893 ここからは いささか己の財を増やしたく存じます。 63 00:08:52,599 --> 00:08:54,901 そうか。 64 00:08:56,469 --> 00:09:00,874 そなたの気持ちは 分かった。 65 00:09:00,874 --> 00:09:03,576 考えておこう。 66 00:09:05,211 --> 00:09:08,548 よろしくお願い申し上げます。 67 00:09:08,548 --> 00:09:13,253 お邪魔いたしました。 うむ。 68 00:09:41,247 --> 00:09:47,921 東宮にもなれず このまま生きているのも 苦しいと思っておりましたが➡ 69 00:09:47,921 --> 00:09:54,794 頼通殿の勧めで 妻をもうけて 心が楽になりました。 70 00:09:54,794 --> 00:09:59,532 共に生きていく者ができましたゆえ。 71 00:09:59,532 --> 00:10:04,938 親王様を お守りすることができず…➡ 72 00:10:04,938 --> 00:10:08,808 お許しくださいませ。 73 00:10:08,808 --> 00:10:15,815 皇太后様は お変わりになりましたね。 74 00:10:18,284 --> 00:10:23,423 かつては はかなげで 消え入りそうであられましたが➡ 75 00:10:23,423 --> 00:10:29,929 今は 何か こう 太い芯をお持ちになっているような…。 76 00:10:31,631 --> 00:10:39,506 幼い頃の私は 皇太后様を 自分がお守りしようと思っておりました。 77 00:10:39,506 --> 00:10:42,809 愚かなことを思ったものです。 78 00:10:45,645 --> 00:10:52,418 今の皇太后様は 国母にふさわしい風格を お持ちでございます。 79 00:10:52,418 --> 00:10:58,158 それは お褒めの言葉ですの? 80 00:10:58,158 --> 00:11:01,361 もちろんです。 81 00:11:07,834 --> 00:11:12,105 左大臣が はっきりと譲位を迫ってきた。 82 00:11:12,105 --> 00:11:15,608 (藤原実資)放っておかれれば よろしゅうございます。 83 00:11:15,608 --> 00:11:20,947 そうだが… 毒でも盛られるやもしれぬ。 84 00:11:20,947 --> 00:11:25,118 左大臣殿は そのようなことはせぬと存じます。 85 00:11:25,118 --> 00:11:33,293 されど ご不安であるならば 信用できる蔵人頭をお置きになられませ。 86 00:11:33,293 --> 00:11:40,166 そなたの息子 資平はどうだ? 資平でございますか? 87 00:11:40,166 --> 00:11:43,469 そなたの息子なら 信頼できる。 88 00:11:45,305 --> 00:11:47,640 ははっ! 89 00:11:47,640 --> 00:11:50,443 (三条天皇)資平を 蔵人頭にしたい。 90 00:11:50,443 --> 00:11:54,647 (大声で) 蔵人頭には 亡き伊周の嫡男 道雅か➡ 91 00:11:54,647 --> 00:11:59,152 亡き関白 道兼の三男 兼綱が よろしかろうと存じます。 92 00:11:59,152 --> 00:12:02,589 嫌だ。 朕は 資平を望んでおる。 93 00:12:02,589 --> 00:12:08,461 蔵人も務めたことのない資平は 適任とは思えませぬ。 94 00:12:08,461 --> 00:12:11,264 朕の言うことを聞けぬのか。 95 00:12:11,264 --> 00:12:16,269 お考えをお変えいただきたく お願い申し上げます。 96 00:12:18,037 --> 00:12:20,840 もうよい! 97 00:12:24,277 --> 00:12:26,279 あっ! 98 00:12:27,947 --> 00:12:30,283 ああ! 99 00:12:30,283 --> 00:12:32,986 御免つかまつります! 100 00:12:39,292 --> 00:12:41,628 お上。 101 00:12:41,628 --> 00:12:46,633 お目も見えず お耳も聞こえねば 帝のお務めは果たせませぬ。 102 00:12:48,301 --> 00:12:50,236 ご譲位くださいませ。 103 00:12:50,236 --> 00:12:54,974 それが 国家のためにございます。 104 00:12:54,974 --> 00:12:57,877 譲位はせぬ! 105 00:12:57,877 --> 00:13:04,250 そんなに 朕を信用できぬなら そなたが 朕の目と耳になれ! 106 00:13:04,250 --> 00:13:08,254 それならば 文句はなかろう。 107 00:13:18,598 --> 00:13:21,634 お見事でございます。 108 00:13:21,634 --> 00:13:24,470 では お次は…。 109 00:13:24,470 --> 00:13:27,173 はい。 110 00:13:32,945 --> 00:13:35,615 (大納言の君)これでしょうかしら? 111 00:13:35,615 --> 00:13:38,284 (敦成親王)これ! はい。 112 00:13:38,284 --> 00:13:41,954 「木」と「交」で 「校」! 113 00:13:41,954 --> 00:13:44,657 お見事! (笑い声) 114 00:13:46,292 --> 00:13:49,595 (宮の宣旨)左大臣様でございます。 115 00:13:52,432 --> 00:13:57,637 東宮様 どうぞお続けくださいませ。 116 00:14:01,908 --> 00:14:06,245 では お次は…。 117 00:14:06,245 --> 00:14:08,548 こちら。 118 00:14:12,118 --> 00:14:15,922 これ! はい。 119 00:14:15,922 --> 00:14:18,825 (敦成親王)「糸」と「会」で 「絵」! 120 00:14:18,825 --> 00:14:21,594 お見事でございます。 121 00:14:21,594 --> 00:14:25,264 東宮様 じじも ご一緒して よろしゅうございますか? 122 00:14:25,264 --> 00:14:27,266 よい! 123 00:14:28,935 --> 00:14:31,404 では…。 124 00:14:31,404 --> 00:14:35,208 お次は… こちら。 125 00:14:39,145 --> 00:14:45,785 偏と旁が分かれておると 分かりにくいのう…。 126 00:14:45,785 --> 00:14:49,288 これ! はい。 127 00:14:49,288 --> 00:14:52,191 (敦成親王)「日」と「寺」で 「時」! 128 00:14:52,191 --> 00:14:54,961 お見事でございます。 129 00:14:54,961 --> 00:14:58,631 東宮様は ご聡明であられますな。 130 00:14:58,631 --> 00:15:03,236 おいくつに おなりでございますか? 7つ! 131 00:15:03,236 --> 00:15:08,107 さきの帝が ご即位なさったお年ですな…。 132 00:15:08,107 --> 00:15:15,381 これも楽しゅうございますが 学問は よき博士につかれるのが何より。 133 00:15:15,381 --> 00:15:19,919 いずれ 帝となられる東宮様に ございますゆえ。 134 00:15:19,919 --> 00:15:25,792 左大臣。 藤式部は 博士に劣らぬ 学識の持ち主であるぞ。 135 00:15:25,792 --> 00:15:28,094 それは よく存じておりますが➡ 136 00:15:28,094 --> 00:15:35,301 帝たるべき道を学ばれるのは 全く別のことにございますれば。 137 00:15:37,603 --> 00:15:40,506 早く 次! ああ…。 138 00:15:40,506 --> 00:15:46,512 父上が 帝にご譲位を迫ったと聞いた。 139 00:15:48,247 --> 00:15:56,289 父上が追い詰めたせいで 更に 帝のお具合が悪くなったとも。 140 00:15:56,289 --> 00:16:04,564 政とは それほど酷にならねば できぬものなのだろうか。 141 00:16:04,564 --> 00:16:15,908 私は かつて… 男だったら 政に携わりたいと思っておりました。 142 00:16:15,908 --> 00:16:19,779 されど 今は そう思いませぬ。 143 00:16:19,779 --> 00:16:30,490 人の上に立つ者は 限りなく つらく さみしいと思いますので。 144 00:16:33,259 --> 00:16:42,602 東宮様が 帝になれば 父上の思うままに なってしまうのであろうか。 145 00:16:42,602 --> 00:16:46,272 たとえ 左大臣様でも➡ 146 00:16:46,272 --> 00:16:53,613 皆をないがしろにして 事を進めることは おできにならぬと存じます。 147 00:16:53,613 --> 00:17:00,720 なぜなら 左大臣様は 陣定に 自らお出ましになることを望まれ➡ 148 00:17:00,720 --> 00:17:06,525 長年 関白をご辞退されてきたと 伺います。 149 00:17:06,525 --> 00:17:13,232 たった一人で 何もかも手に入れたいとお思いとは➡ 150 00:17:13,232 --> 00:17:16,903 到底思えませぬ。 151 00:17:16,903 --> 00:17:22,909 藤式部は 父上びいきであるのう…。 152 00:17:47,867 --> 00:17:51,871 左大臣めが 朕を脅してきた。 153 00:17:53,606 --> 00:18:00,880 実資。 朕は 目を病んでおる。 154 00:18:00,880 --> 00:18:06,218 時には 耳もよく聞こえなくなることもある。 155 00:18:06,218 --> 00:18:09,555 しかし 朕は 正気である。 156 00:18:09,555 --> 00:18:12,558 朕には まだやれることがある。 157 00:18:14,226 --> 00:18:20,733 実資 朕を守ってくれ。 158 00:18:20,733 --> 00:18:23,769 左大臣から朕を! 159 00:18:23,769 --> 00:18:26,072 頼む。 160 00:18:28,908 --> 00:18:31,611 は…。 161 00:18:56,602 --> 00:19:01,040 帝に ご譲位を迫っておられるそうですな。 162 00:19:01,040 --> 00:19:05,878 ああ そうだ。 163 00:19:05,878 --> 00:19:12,551 目も耳も病んでおられる帝が まともな政をおなしになれるとは思えぬ。 164 00:19:12,551 --> 00:19:19,258 ご譲位あそばすのが 帝としての正しき道と考える。 165 00:19:22,228 --> 00:19:25,131 その考えも よく分かります。 166 00:19:25,131 --> 00:19:29,902 されど 帝のお心は 譲位に向かってはおられませぬ。 167 00:19:29,902 --> 00:19:31,837 責めたて申し上げたれば➡ 168 00:19:31,837 --> 00:19:36,242 帝のお心も お体も 弱ってしまわれるでありましょう。 169 00:19:36,242 --> 00:19:40,112 弱らせることが 正しきやり方とは思えませぬ。 170 00:19:40,112 --> 00:19:46,385 このまま 左大臣殿が 己を通せば 皆の心は離れます。 171 00:19:46,385 --> 00:19:54,126 フッ。 離れるとは思わぬ。 私は 間違ってはおらぬゆえ。 172 00:19:54,126 --> 00:19:57,029 幼い東宮を 即位させ➡ 173 00:19:57,029 --> 00:20:04,236 政を 思うがままになされようと しておることは 誰の目にも明らか。 174 00:20:08,274 --> 00:20:16,615 左大臣になって かれこれ20年 思いのままの政などしたことはない。 175 00:20:16,615 --> 00:20:22,955 したくとも できぬ。 全くできぬ。 176 00:20:22,955 --> 00:20:29,728 左大臣殿の思う政とは 何でありますか? 177 00:20:29,728 --> 00:20:32,932 思うがままの政とは。 178 00:20:37,970 --> 00:20:44,310 民が幸せに暮らせる世を作ることだ。 179 00:20:44,310 --> 00:20:47,313 民の幸せとは。 180 00:20:49,982 --> 00:20:57,289 そもそも 左大臣殿に 民の顔なぞ 見えておられるのか? 181 00:20:58,991 --> 00:21:02,962 幸せなどという 曖昧なものを追い求めることが➡ 182 00:21:02,962 --> 00:21:06,599 我々の仕事ではございませぬ。 183 00:21:06,599 --> 00:21:10,269 朝廷の仕事は 何か起きた時➡ 184 00:21:10,269 --> 00:21:15,608 まっとうな判断ができるように 構えておくことでございます。 185 00:21:15,608 --> 00:21:21,480 志を持つことで 私は 私を支えてきたのだ。 186 00:21:21,480 --> 00:21:27,219 志を追いかける者が 力を持つと 志そのものが変わっていく。 187 00:21:27,219 --> 00:21:30,222 それが 世の習いにございます。 188 00:21:31,957 --> 00:21:34,260 ん? 189 00:21:39,298 --> 00:21:45,171 おい 意味が分からぬ。 190 00:21:45,171 --> 00:21:50,910 帝のご譲位 いま少し お待ちくださいませ。 191 00:21:50,910 --> 00:22:04,623 ♬~ 192 00:22:31,550 --> 00:22:36,488 (足音) 193 00:22:36,488 --> 00:22:38,958 誰だ? 194 00:22:38,958 --> 00:22:41,660 (藤原娍子)お上。 195 00:22:49,969 --> 00:22:54,640 おお… 娍子。 会いたかったぞ。 196 00:22:54,640 --> 00:22:57,343 お上…。 197 00:23:00,913 --> 00:23:05,784 これを見ろ。 宋から取り寄せた薬だ。 198 00:23:05,784 --> 00:23:12,091 この薬が効けば そのうち目も耳も治る。 199 00:23:12,091 --> 00:23:15,928 お上…。 200 00:23:15,928 --> 00:23:19,798 ⚟(敦明親王)御免つかまつります。 誰だ? 201 00:23:19,798 --> 00:23:23,802 (敦明親王)敦明にございます。 はあ…。 202 00:23:23,802 --> 00:23:26,272 何だ? 203 00:23:26,272 --> 00:23:32,945 (敦明親王)私の友 兼綱を 蔵人頭にしてくださいませ。 204 00:23:32,945 --> 00:23:38,817 亡き関白 道兼の息子か? (敦明親王)さようにございます。 205 00:23:38,817 --> 00:23:44,423 蔵人頭にしてやらないと 私の顔が立ちませぬゆえ➡ 206 00:23:44,423 --> 00:23:48,627 ひとえにお願いつかまつります。 207 00:23:48,627 --> 00:23:52,965 うん… それは どうかのう…。 208 00:23:52,965 --> 00:23:59,271 私からも お願いいたします。 ん~…。 209 00:24:00,773 --> 00:24:07,379 敦明親王の懇願で 蔵人頭は 資平ではなくなった。 210 00:24:07,379 --> 00:24:11,917 憤慨した。 約束したではないか。 211 00:24:11,917 --> 00:24:18,223 約束を ほごにするなら 私を二度と頼りにするな! 212 00:24:20,926 --> 00:24:23,595 (オウム)スルナ! 213 00:24:23,595 --> 00:24:26,632 (源 倫子)おうおう おうおう…。➡ 214 00:24:26,632 --> 00:24:32,438 美しいお顔が 公任様に似ておりますこと。 215 00:24:37,943 --> 00:24:41,613 隆姫。 (隆姫女王)はい。 216 00:24:41,613 --> 00:24:47,319 そなたにも 是非 頼通の子を産んでもらいたい。 217 00:24:51,290 --> 00:24:58,097 父上 私と隆姫は 十分 幸せにやっております。 218 00:24:59,965 --> 00:25:05,671 そういうことを聞いておるのではない。 219 00:25:07,239 --> 00:25:10,242 殿…。 220 00:25:15,581 --> 00:25:22,254 父上。 隆姫に あのようなことを 仰せにならないでください。 221 00:25:22,254 --> 00:25:25,090 「あのようなこと」とは 何だ。 222 00:25:25,090 --> 00:25:27,926 子のことです。 223 00:25:27,926 --> 00:25:32,931 隆姫も 子がないことは気にしておりますゆえ。 224 00:25:34,800 --> 00:25:38,570 隆姫を気遣うお前の気持ちは分かる。 225 00:25:38,570 --> 00:25:43,275 されど…。 覚悟をお決めなさい。 226 00:25:43,275 --> 00:25:51,950 父上のように もう一人 妻を持てば 隆姫とて 楽になるかもしれませんわよ。 227 00:25:51,950 --> 00:25:55,821 何もかも 一人で背負わなくて よくなるのですもの。 228 00:25:55,821 --> 00:26:05,230 できれば 隆姫と対等な 尊い姫君がよいのでは? ねっ 殿。 229 00:26:05,230 --> 00:26:07,900 うん そうだな。 230 00:26:07,900 --> 00:26:11,770 幾度も言わせないでください。 231 00:26:11,770 --> 00:26:17,242 私の妻は 隆姫だけです。 232 00:26:17,242 --> 00:26:20,546 ほかの者は要りませぬ。 233 00:26:25,584 --> 00:26:29,288 ますます かたくなになってしまったではないか。 234 00:26:30,923 --> 00:26:41,567 私は… 本気で申しております。 そうやもしれぬが…。 235 00:26:41,567 --> 00:26:47,473 私は 殿に愛されてはいない…。 236 00:26:47,473 --> 00:26:53,612 私ではない 明子様でもない➡ 237 00:26:53,612 --> 00:26:56,515 殿が 心から めでておられる女が➡ 238 00:26:56,515 --> 00:27:03,422 どこぞにいるのだと 疑って苦しいこともありましたけれど➡ 239 00:27:03,422 --> 00:27:08,427 今は そのようなことは どうでもいいと思っております。 240 00:27:10,095 --> 00:27:18,770 彰子が 皇子を産み その子が 東宮となり 帝になるやもしれぬのでございますよ。 241 00:27:18,770 --> 00:27:26,912 私の悩みなど 吹き飛ぶくらいのことを 殿がしてくださった。 242 00:27:26,912 --> 00:27:32,217 何もかも 殿のおかげでございます。 243 00:27:33,785 --> 00:27:36,922 そうか…。 244 00:27:36,922 --> 00:27:43,228 私とて いろいろ考えておりますのよ。 245 00:27:44,796 --> 00:27:46,932 うん。 246 00:27:46,932 --> 00:27:53,272 ですから たまには 私の方も ご覧くださいませ。 247 00:27:53,272 --> 00:27:55,974 フフフフフ…。 248 00:27:59,945 --> 00:28:06,218 (倫子)フフフフフフフ…。 249 00:28:06,218 --> 00:28:12,891 越後守であった為時は 3年ぶりに都に戻ってきた。 250 00:28:12,891 --> 00:28:15,194 殿様のお帰りです。 251 00:28:19,231 --> 00:28:23,569 (いと)お帰りなさいませ。 (一同)お帰りなさいませ。 252 00:28:23,569 --> 00:28:25,504 (藤原賢子)おじじ様! 253 00:28:25,504 --> 00:28:29,374 (藤原為時)賢子! 大人になったのう。 254 00:28:29,374 --> 00:28:34,079 (賢子)何だか… 本当に おじじ様になられたようです。 255 00:28:34,079 --> 00:28:37,583 え? なんてこと言うの! 256 00:28:37,583 --> 00:28:39,518 (笑い声) 257 00:28:39,518 --> 00:28:42,921 (乙丸)殿様 お帰りなさいませ。 258 00:28:42,921 --> 00:28:45,824 うむ 皆 息災でよかった。 259 00:28:45,824 --> 00:28:49,528 さあ 中へ。 260 00:28:51,597 --> 00:28:54,600 ああ…。 261 00:29:02,207 --> 00:29:07,879 (双寿丸)おう。 アハハハ。 262 00:29:07,879 --> 00:29:10,215 (いと)この家の殿様ですよ。 263 00:29:10,215 --> 00:29:14,086 ああ… 越後守様だ。 264 00:29:14,086 --> 00:29:21,827 この人は 賢子と乙丸の命の恩人ですの。 ほう…。 265 00:29:21,827 --> 00:29:24,563 どうしたの? また けがして。 266 00:29:24,563 --> 00:29:27,466 今日は 追い剥ぎと人さらいをやっつけた。 267 00:29:27,466 --> 00:29:30,435 まっ 相手の方が 傷だらけだけどな。 268 00:29:30,435 --> 00:29:33,572 手当てしてあげる。 おう。 269 00:29:33,572 --> 00:29:35,574 こっち。 270 00:29:37,242 --> 00:29:39,244 え? 271 00:29:40,912 --> 00:29:45,250 ああ しみる! ちょっと動かないでよ。 272 00:29:45,250 --> 00:29:47,185 (双寿丸)ありがとう。 273 00:29:47,185 --> 00:29:50,756 (賢子)痛い? (双寿丸)平気だ。 274 00:29:50,756 --> 00:29:56,628 にぎやかでよいが 不思議な眺めじゃのう。 275 00:29:56,628 --> 00:30:00,932 あれは 武者であろう? 276 00:30:00,932 --> 00:30:03,602 ええ。 277 00:30:03,602 --> 00:30:10,609 でも 双寿丸が来るようになって 賢子が よく笑うようになりましたの。 278 00:30:13,945 --> 00:30:18,950 お前は これで いいのだな? 279 00:30:20,819 --> 00:30:29,294 昔なら 考えられなかったことも あの2人は 軽々と乗り越えております。 280 00:30:29,294 --> 00:30:32,297 羨ましいくらいに。 281 00:30:41,873 --> 00:30:44,576 (藤原隆家)はあ…。 282 00:30:46,845 --> 00:30:51,550 実資様が お見舞いに見えられました。 283 00:31:07,933 --> 00:31:13,739 陣定にも出てこぬゆえ いかがいたしたのかと見に参ったのだ。 284 00:31:13,739 --> 00:31:16,942 申し訳ないことにございます。 285 00:31:16,942 --> 00:31:25,617 昨年 狩りに出た折 木の枝が 目に刺さりまして➡ 286 00:31:25,617 --> 00:31:31,323 その傷が いまだ癒えず しばしば痛みます。 287 00:31:33,125 --> 00:31:36,628 薬師は 何と言うておる? 288 00:31:36,628 --> 00:31:42,334 冷やして 痛みを和らげ 傷が治るのを待つしかないと。 289 00:31:43,969 --> 00:31:47,305 そうか…。 290 00:31:47,305 --> 00:31:54,646 大宰府に 恵清という宋人で 目の病を治す 腕のいい薬師がおるそうだ。 291 00:31:54,646 --> 00:31:57,549 行ってみぬか? 292 00:31:57,549 --> 00:32:00,452 大宰大弐に空きがある。 293 00:32:00,452 --> 00:32:03,755 左大臣様に申し出てみよ。 294 00:32:09,161 --> 00:32:18,837 中納言の職は お返ししてもよろしいので 何とぞ 私を大宰府へ。 295 00:32:18,837 --> 00:32:24,609 左大臣様の御ためにお仕えすると 申しましたのに➡ 296 00:32:24,609 --> 00:32:31,950 ふがいないことにございますが どうかお許しくださいませ。 297 00:32:31,950 --> 00:32:39,624 ああ いや… 謝ることはない。 まだ先がある。 298 00:32:39,624 --> 00:32:46,965 大宰府で目を治して 都に戻ってまいれ。 待っておる。 299 00:32:46,965 --> 00:32:50,836 お優しきお言葉…。 300 00:32:50,836 --> 00:32:55,540 隆家 生涯忘れませぬ! 301 00:32:58,577 --> 00:33:03,915 11月 臨時の除目が行われた。 302 00:33:03,915 --> 00:33:12,624 中納言 藤原朝臣隆家を 大宰権帥に任ずる。 303 00:33:26,171 --> 00:33:34,613 道長様は 私を 何だとお思いでございますか? 304 00:33:34,613 --> 00:33:40,418 私の望みを捨て置いて 隆家殿を大宰権帥になさるとは。 305 00:33:40,418 --> 00:33:42,420 行成は…。 306 00:33:48,159 --> 00:33:51,863 俺のそばにいろ。 307 00:33:54,633 --> 00:33:57,936 そういうことだ。 308 00:34:13,585 --> 00:34:16,288 すまぬ。 309 00:34:17,923 --> 00:34:25,263 このまま 目の病で 政から身を引くのは耐え難い。 310 00:34:25,263 --> 00:34:32,570 いまだ 何もなしておらぬのに ここで諦め切れぬのだ。 311 00:34:34,940 --> 00:34:44,649 そなたと脩子内親王様を置いてゆくことを 許してくれ。 312 00:34:44,649 --> 00:34:49,955 (ききょう)大宰府で お目を治して お戻りくださいませ。 313 00:34:49,955 --> 00:34:55,827 脩子様は 私が しかと お守りいたしますので。 314 00:34:55,827 --> 00:35:01,900 何か たたずまいが変わったな…。 315 00:35:01,900 --> 00:35:04,569 そうでございましょうか? 316 00:35:04,569 --> 00:35:10,575 いつも かみつきそうな勢いであったが それが なくなった。 317 00:35:13,578 --> 00:35:21,453 恨みを持つことで 己の命を支えてまいりましたが➡ 318 00:35:21,453 --> 00:35:26,591 もう それは やめようと思います。 319 00:35:26,591 --> 00:35:39,938 この先は 脩子様のご成長を楽しみに 静かに生きてまいりますので➡ 320 00:35:39,938 --> 00:35:45,644 お心おきなく ご出立くださいませ。 321 00:35:54,285 --> 00:35:58,990 俺 来年 大宰府に行く。 322 00:36:00,558 --> 00:36:07,899 殿様の為賢様が 藤原隆家様に従って 大宰府に下るのに ついていくのだ。 323 00:36:07,899 --> 00:36:11,770 何しに行くの? 324 00:36:11,770 --> 00:36:14,472 武功を立てに行く。 325 00:36:16,241 --> 00:36:18,943 俺は 武者だぞ。 326 00:36:20,912 --> 00:36:24,582 私も一緒に行く。 (双寿丸)え? 327 00:36:24,582 --> 00:36:27,485 一緒に連れてって。 328 00:36:27,485 --> 00:36:31,256 (双寿丸)女は 足手まといだ。 329 00:36:31,256 --> 00:36:36,594 お前は 都で よい婿を取って 幸せに暮らせ。 330 00:36:36,594 --> 00:36:40,932 双寿丸のいない所に 私の幸せはないわ。 331 00:36:40,932 --> 00:36:44,636 お前を連れていく気はない。 332 00:36:49,941 --> 00:36:52,844 そんな顔するな。 333 00:36:52,844 --> 00:36:58,283 ごはんを食べに来ていただけなの? 334 00:36:58,283 --> 00:37:03,121 ああ。 うまい飯が ゆっくりと食えて➡ 335 00:37:03,121 --> 00:37:09,561 妹みたいなお前がいて 楽しかった。 336 00:37:09,561 --> 00:37:12,230 俺は 捨て子で 身寄りがないゆえ➡ 337 00:37:12,230 --> 00:37:16,534 お前の家には 俺の知らない温かさがあった。 338 00:37:22,574 --> 00:37:25,577 ありがとう。 339 00:37:29,247 --> 00:37:34,119 やっぱり 一緒に行く。 駄目だ。 340 00:37:34,119 --> 00:37:39,257 道中 何があるか分からぬ。 それでもいい。 341 00:37:39,257 --> 00:37:42,160 駄目だ。 342 00:37:42,160 --> 00:37:47,932 おじじ様と 母上と いとには 改めて礼を述べに行く。 343 00:37:47,932 --> 00:38:05,917 ♬~ 344 00:38:10,054 --> 00:38:49,260 〽 345 00:38:58,269 --> 00:39:03,575 母上は 振られたことある? 346 00:39:06,077 --> 00:39:08,780 あるわよ。 347 00:39:16,554 --> 00:39:20,225 双寿丸に言われたのです。 348 00:39:20,225 --> 00:39:26,531 女は 足手まといだって。 そう…。 349 00:39:28,099 --> 00:39:32,403 一人で大宰府に行くのですって。 350 00:39:37,242 --> 00:39:42,113 武者は 命を懸ける仕事ゆえ➡ 351 00:39:42,113 --> 00:39:47,885 あなたを危ない目に 遭わせたくないのではないの? 352 00:39:47,885 --> 00:39:51,789 だったら そう言えばいいのに…。 353 00:39:51,789 --> 00:39:58,630 大抵の男は そういうことを 言いたがらないものなのよ。 354 00:39:58,630 --> 00:40:01,833 それゆえ 分かってあげなくては。 355 00:40:04,936 --> 00:40:08,773 母上まで 双寿丸の肩を持つの? 356 00:40:08,773 --> 00:40:14,979 ううん。 生きていると そういうことが ままあるのよ。 357 00:40:17,482 --> 00:40:25,957 泣きたければ 私の胸で泣きなさい。 358 00:40:25,957 --> 00:40:28,259 そんな…。 359 00:40:31,296 --> 00:40:40,638 フフ… できません! (笑い声) 360 00:40:40,638 --> 00:40:45,510 双寿丸の門出を祝って うたげを開いても 構いませんか? 361 00:40:45,510 --> 00:40:48,980 振られたのに? フフフ。 362 00:40:48,980 --> 00:40:54,652 せめて あの人の思い出に残ってほしいもの。 363 00:40:54,652 --> 00:41:01,359 そう。 よい考えだこと。 (笑い声) 364 00:41:03,461 --> 00:41:06,164 いと! 365 00:41:11,135 --> 00:41:15,606 (福丸)ほっ。 〽 366 00:41:15,606 --> 00:41:21,279 (福丸)よっ。 〽 367 00:41:21,279 --> 00:41:30,421 〽 ふたつに ひさしき かしまだち 368 00:41:30,421 --> 00:41:39,163 〽 いやさか いやさか 369 00:41:39,163 --> 00:41:47,805 〽 ふたつに ひさしき かしまだち 370 00:41:47,805 --> 00:41:50,641 〽 いやさか 371 00:41:50,641 --> 00:41:56,314 よし…。 〽 いやさか 372 00:41:56,314 --> 00:42:04,589 〽 ふたつに ひさしき かしまだち 373 00:42:04,589 --> 00:42:09,460 〽 いやさか 死をも恐れぬ者か…。 374 00:42:09,460 --> 00:42:13,598 〽 いやさか 375 00:42:13,598 --> 00:42:21,272 〽 ふたつに ひさしき かしまだち 376 00:42:21,272 --> 00:42:30,281 〽 いやさか いやさか 377 00:42:30,281 --> 00:42:34,152 女子の心を お考えになったことはあるのか? 378 00:42:34,152 --> 00:42:36,421 左大臣をやめろ。 文句を言うな! 379 00:42:36,421 --> 00:42:38,489 殿のことを書いてくれないかしら。 380 00:42:38,489 --> 00:42:42,226 万策尽きたか…。 奥の手をお出しなさいませ。 381 00:42:42,226 --> 00:42:44,629 出家いたそうと思う。 382 00:42:44,629 --> 00:42:49,434 一人で なせなかったことも 時を経れば なせるやもしれません。 383 00:42:49,434 --> 00:42:51,369 大当たりだったわ。 384 00:42:51,369 --> 00:42:55,173 「この世をば わが世とぞ思う…」。