1 00:01:29,134 --> 00:01:33,138 ♬~ 2 00:01:33,138 --> 00:01:36,641 (杉江)<石橋銀次郎様の 残る お相手は➡ 3 00:01:36,641 --> 00:01:40,641 北爪平九郎様 ただ お一人となりました> 4 00:01:43,148 --> 00:01:47,652 <そして 3月半ば。 秘太刀探しの陰で➡ 5 00:01:47,652 --> 00:01:54,659 お家を揺るがしかねない謀が 秘かに 進められていたのです。➡ 6 00:01:54,659 --> 00:01:57,162 そんな ある日のこと…> 7 00:01:57,162 --> 00:01:59,664 (作左衛門)足軽とはいえ 亡くなったのは➡ 8 00:01:59,664 --> 00:02:02,667 お多喜様の父親だ。 あまり 粗末では…。 9 00:02:02,667 --> 00:02:19,184 ♬~ 10 00:02:19,184 --> 00:02:23,121 (帯刀)北爪と なぜ 早々に 立ち合わぬ? 11 00:02:23,121 --> 00:02:29,127 もはや 卯月半ば。 2か月もの間 何をしておった? 12 00:02:29,127 --> 00:02:33,131 立ち合いを 引き延ばして いるのではあるまいな? 13 00:02:33,131 --> 00:02:37,135 (銀次郎)さようなことは…。 試合に引き出す 手だてを➡ 14 00:02:37,135 --> 00:02:41,139 探しあぐねておりましたが それも ようよう めどがたち…。 15 00:02:41,139 --> 00:02:48,646 さようか。 北爪は かなりの使い手と 聞き及ぶ。 16 00:02:48,646 --> 00:02:52,146 試合にて 打ち殺しても かまわぬぞ。 17 00:02:54,652 --> 00:03:00,158 いや それほどの覚悟をもって 立ち合えということよ フフフフ。 18 00:03:00,158 --> 00:03:02,160 はっ 19 00:03:02,160 --> 00:03:04,660 ≪(作左衛門)なりませぬ お多喜様 お待ちなされ。 20 00:03:06,664 --> 00:03:10,668 (多喜)お願いがございます。 何事じゃ? 騒がしい。 21 00:03:10,668 --> 00:03:14,672 申し訳ございません。 今しがた 使いが参り けさ早く➡ 22 00:03:14,672 --> 00:03:17,675 お多喜様の父親が 亡くなったと…。 23 00:03:17,675 --> 00:03:20,178 (多喜)旦那様 なにとぞ 里帰りの お許しを…。 24 00:03:20,178 --> 00:03:24,616 ならぬ そなたには 乳飲み子が おるんじゃぞ。 25 00:03:24,616 --> 00:03:29,621 なれど 一目 父に…。 お子にも 会わせてやりとうございます。 26 00:03:29,621 --> 00:03:36,127 多喜。 そなたと 父親とは すでに 縁が 切れておる。 27 00:03:36,127 --> 00:03:39,130 さあ お多喜様。 死に顔なりと 一目… 28 00:03:39,130 --> 00:03:42,133 (帯刀)くどい 29 00:03:42,133 --> 00:03:48,139 わずか 半日ばかりのことです。 行かせてやっては いかがですか。 30 00:03:48,139 --> 00:03:52,644 余計なをはさむな。 会わせてやらねば…➡ 31 00:03:52,644 --> 00:04:01,152 後に 恨みが残りましょう。 私が 共に 参りますゆえ…。 32 00:04:01,152 --> 00:04:05,152 なに? 必ず 無事に 連れ戻します。 33 00:04:07,158 --> 00:04:13,164 なに 出かける用も ございます。 それ 例の探索の件で…。 34 00:04:13,164 --> 00:04:16,164 駆け引きのつもりか? 銀次郎。 35 00:04:21,172 --> 00:04:25,610 よかろう。 必ず 無事に 連れ帰れ。 36 00:04:25,610 --> 00:04:27,612 はっ 37 00:04:27,612 --> 00:04:44,128 ♬~ 38 00:04:44,128 --> 00:04:46,130 おねえちゃん 39 00:04:46,130 --> 00:04:53,638 ♬~ 40 00:04:53,638 --> 00:04:55,640 守岡様。 41 00:04:55,640 --> 00:05:05,650 ♬~ 42 00:05:05,650 --> 00:05:09,654 (守岡)大層な出世じゃなあ 多喜。 43 00:05:09,654 --> 00:05:17,161 ♬~ 44 00:05:17,161 --> 00:05:19,163 父上…。 45 00:05:19,163 --> 00:05:26,104 ♬~ 46 00:05:26,104 --> 00:05:28,106 遅うなりました。 47 00:05:28,106 --> 00:05:31,109 ♬~ 48 00:05:31,109 --> 00:05:42,120 麟太郎を… 父上の孫を… 連れて参りました。 49 00:05:42,120 --> 00:05:44,122 お多喜殿 50 00:05:44,122 --> 00:05:51,629 ♬~ 51 00:05:51,629 --> 00:05:54,132 もっと 早うに 知らせたかったが…。 52 00:05:54,132 --> 00:05:58,136 ♬~ 53 00:05:58,136 --> 00:06:02,140 「多喜には 知らせるな」と 孫七めが 言い張るでな…。➡ 54 00:06:02,140 --> 00:06:05,643 「決して 知らせてくれるな」と 最期まで…。 55 00:06:05,643 --> 00:06:08,646 ♬~ 56 00:06:08,646 --> 00:06:12,646 この赤子は…。 はい。 57 00:06:14,652 --> 00:06:20,158 御家老様の お子であろう? このようなところに➡ 58 00:06:20,158 --> 00:06:22,158 お連れして よいのか? 59 00:06:23,761 --> 00:06:29,600 多喜殿 孫七は われらで 懇ろに弔う。 60 00:06:29,600 --> 00:06:35,606 守岡様…。 そう お指図も 受けておるでな。 61 00:06:35,606 --> 00:06:38,109 よいな 多喜殿。 62 00:06:38,109 --> 00:06:46,117 ♬~ 63 00:06:46,117 --> 00:06:49,120 よろしゅう お願い申し上げます。 64 00:06:49,120 --> 00:07:16,647 ♬~ 65 00:07:16,647 --> 00:07:20,151 着いたぞ。 66 00:07:20,151 --> 00:07:27,592 ここは どなた様の? 俺の… 友の家だ。 67 00:07:27,592 --> 00:07:31,092 ♬~ 68 00:07:33,598 --> 00:07:41,105 お寂しゅうなりますね? はい。 69 00:07:41,105 --> 00:07:46,105 お父様も さぞ 坊やに会いたかったでしょう。 70 00:07:57,121 --> 00:08:07,121 父は… 私にも この子にも 会いとうなかったのです。 71 00:08:10,134 --> 00:08:15,134 多喜様…。 それゆえ 「知らせるな」と…。 72 00:08:24,082 --> 00:08:27,082 生きていてほしゅう ございました。 73 00:08:33,091 --> 00:08:39,091 そのために 奉公にあがり この子を産み…。 74 00:08:50,108 --> 00:08:54,608 私は… なんのために…。 75 00:08:58,116 --> 00:09:00,116 多喜様…。 76 00:09:07,125 --> 00:09:09,125 ≪(直江)かか様。 77 00:09:13,131 --> 00:09:19,131 直坊 ほれ。 あちらで遊ぼうな。 78 00:09:28,079 --> 00:09:30,079 多喜様…。 79 00:09:33,584 --> 00:09:37,084 こらえずとも ようございますよ。 80 00:09:39,090 --> 00:09:42,093 ♬~ 81 00:09:42,093 --> 00:09:44,095 お泣きなさいませ。 82 00:09:44,095 --> 00:09:49,600 ♬~ 83 00:09:49,600 --> 00:09:55,106 長い間 つろうございましたね。 84 00:09:55,106 --> 00:09:59,110 ♬~ 85 00:09:59,110 --> 00:10:04,115 (しのび泣き) 86 00:10:04,115 --> 00:10:19,130 ♬~ 87 00:10:19,130 --> 00:10:21,632 うわ~っ 88 00:10:21,632 --> 00:10:27,071 ♬~ 89 00:10:27,071 --> 00:10:29,073 見て 見て うん? 90 00:10:29,073 --> 00:10:33,077 ♬~ 91 00:10:33,077 --> 00:10:40,084 ≪(直江の笑い声) 92 00:10:40,084 --> 00:10:46,090 楽しそう。 ええ。 93 00:10:46,090 --> 00:10:56,100 多喜様… 直江に 兄が いたんですよ。 94 00:10:56,100 --> 00:11:01,105 ♬~ 95 00:11:01,105 --> 00:11:06,105 3年前に… 亡くしました。 96 00:11:08,112 --> 00:11:17,121 えっ? 病でした。 まだ 7歳で…。 97 00:11:17,121 --> 00:11:21,125 ♬~ 98 00:11:21,125 --> 00:11:26,130 自分を責めて 悔やんで… 泣いてばかりおりました。 99 00:11:26,130 --> 00:11:30,134 ♬~ 100 00:11:30,134 --> 00:11:39,143 なれど… 直江の笑う声に 救われました。 101 00:11:39,143 --> 00:11:43,648 この子のためにも 生きようと…。 102 00:11:43,648 --> 00:11:47,151 ♬~ 103 00:11:47,151 --> 00:11:51,656 まことに 子は 生きる力ですね。 104 00:11:51,656 --> 00:11:54,659 ♬~ 105 00:11:54,659 --> 00:11:57,161 ああ… はいはいはい。 106 00:11:57,161 --> 00:12:03,167 ♬~ 107 00:12:03,167 --> 00:12:05,670 いい子ですね。 この子に お乳を…。 108 00:12:05,670 --> 00:12:10,174 ♬~ 109 00:12:10,174 --> 00:12:12,677 元気のいい 坊やだこと。 110 00:12:12,677 --> 00:12:16,180 よく飲むんです よく…。 111 00:12:16,180 --> 00:12:19,183 ♬~ 112 00:12:19,183 --> 00:12:24,121 <銀次郎様は 再び 我が家に おいでになりました> 113 00:12:24,121 --> 00:12:29,126 御番頭の 北爪平九郎殿に 試合を申し込みたい。 114 00:12:29,126 --> 00:12:32,129 そろそろ 来るころと 思うておった。 115 00:12:32,129 --> 00:12:37,134 北爪殿も 仰せであったぞ。 「石橋が 一向に訪ねてこんのは➡ 116 00:12:37,134 --> 00:12:41,138 ワシの腕が 未熟ゆえか」とな。 117 00:12:41,138 --> 00:12:45,138 実は 数日前 北爪殿に会うたのじゃ。 118 00:13:18,175 --> 00:13:22,613 御番頭…。 (北爪)浅沼ではないか。 119 00:13:22,613 --> 00:13:26,117 アハハ ちょうどよかった。 120 00:13:26,117 --> 00:13:29,117 提灯の火を 貸してくれ。 121 00:13:37,128 --> 00:13:41,628 何事ですか? いきなり 斬りかかってきよった。 122 00:13:43,300 --> 00:13:48,139 斬ってはおらん 峰打ちだ。 何やつです? 123 00:13:48,139 --> 00:13:54,145 さあな。 見知らぬ男だ。 おそらくは➡ 124 00:13:54,145 --> 00:13:57,148 御家老の放った 刺客であろう。 125 00:13:57,148 --> 00:14:01,152 伯父御の放った 刺客か…。 126 00:14:01,152 --> 00:14:05,156 というのもな 御番頭は その 何日か前➡ 127 00:14:05,156 --> 00:14:12,163 ご重役方の集まりで 御家老が 政を 私していると➡ 128 00:14:12,163 --> 00:14:14,663 面と向かって 罵ったそうじゃ。 129 00:14:17,668 --> 00:14:23,107 なるほどなあ。 変わり者と 噂されるお人じゃ。 130 00:14:23,107 --> 00:14:29,613 変わり者…。 うむ。 上の方にも ずけずけと 物言いをするし➡ 131 00:14:29,613 --> 00:14:34,118 30歳も半ばというに いまだ 嫁をとろうとせぬ。 132 00:14:34,118 --> 00:14:40,624 ご大家の当主には 珍しい男だな。 うむ。 御番頭は ご次男でな➡ 133 00:14:40,624 --> 00:14:44,628 当主の兄上が 跡継ぎのないまま 亡くなられたゆえ➡ 134 00:14:44,628 --> 00:14:49,133 家督を継いだが ご自身は 生涯を 剣士として➡ 135 00:14:49,133 --> 00:14:52,133 過ごされるつもりだったようだ。 ふ~ん。 136 00:14:54,638 --> 00:14:57,141 こうも言うておったぞ。 137 00:14:57,141 --> 00:15:01,645 [回想]御家老の秘太刀への 執着ぶり おかしいと思わぬか? 138 00:15:01,645 --> 00:15:05,649 はあ いささか 度を過ぎてるように見受けます。 139 00:15:05,649 --> 00:15:11,655 まことは 秘太刀を継いだ者など おらぬと ワシは思うておる。 140 00:15:11,655 --> 00:15:19,163 えっ?! 御家老の狙いも 秘太刀探しに こと寄せ➡ 141 00:15:19,163 --> 00:15:24,602 己に敵する者らの力を 試すことにあるのではないか。 142 00:15:24,602 --> 00:15:27,605 秘太刀探しは 実だと…。 143 00:15:27,605 --> 00:15:33,110 先の御家老 杉原様との勢力争いが とみに 激しいゆえ➡ 144 00:15:33,110 --> 00:15:39,116 ありそうな話にも思えるが…。 おぬしは どう見る? 145 00:15:39,116 --> 00:15:43,120 ♬~ 146 00:15:43,120 --> 00:15:46,624 例の噂のこともある。 うん? 147 00:15:46,624 --> 00:15:52,129 御家老が お側用人 石渡様の お命を 狙っているとの…。 148 00:15:52,129 --> 00:15:56,634 ♬~ 149 00:15:56,634 --> 00:15:59,637 フフフ まあ よいわ。 150 00:15:59,637 --> 00:16:04,141 さあ どこにでも 連れていけ。 151 00:16:04,141 --> 00:16:06,644 いよいよ 「馬の骨」が 見えるやもしれぬ。 152 00:16:06,644 --> 00:16:10,147 ♬~ 153 00:16:10,147 --> 00:16:18,155 <お二人が 北爪平九郎様の後を つけられて たどりついた先は…> 154 00:16:18,155 --> 00:16:37,608 ♬~ 155 00:16:37,608 --> 00:16:39,610 ≪(北爪)平九郎です。 156 00:16:39,610 --> 00:17:03,133 ♬~ 157 00:17:03,133 --> 00:17:09,139 誰だ? あの女子は。 早苗殿だ…。 158 00:17:09,139 --> 00:17:14,144 御番頭の思い人か? そうかもしれぬ。 159 00:17:14,144 --> 00:17:22,144 しかし 元はといえば… 亡くなった 兄の妻。 えっ?! 160 00:17:24,088 --> 00:17:27,591 北爪殿は 時折 1人で 訪ねていく。 161 00:17:27,591 --> 00:17:30,091 早苗殿も 1人暮らしだ。 162 00:17:32,096 --> 00:17:37,601 不義密通… これは 脅しどころだ。 163 00:17:37,601 --> 00:17:44,108 ♬~ 164 00:17:44,108 --> 00:17:47,108 <翌朝のことでございます> 165 00:17:50,114 --> 00:17:53,117 ≪(ふで)旦那様 ただいま 使いの方が…。 166 00:17:53,117 --> 00:17:55,117 朝っぱらから 何であろう。 167 00:18:07,131 --> 00:18:11,135 (北爪)「石橋殿との立合儀 慥に 御受け申し候」。 168 00:18:11,135 --> 00:18:13,637 (馬のいななき) 169 00:18:13,637 --> 00:18:17,141 御番頭… 気づいておられた…。 170 00:18:17,141 --> 00:18:20,641 (馬のいななき) 171 00:18:24,081 --> 00:18:29,086 貴公… 流派は 神道無念流だと聞いた。 172 00:18:29,086 --> 00:18:33,586 さよう。 道場は 江戸か? 173 00:18:36,593 --> 00:18:42,093 撃剣館でござる。 流派の極意は? 174 00:18:49,106 --> 00:18:56,613 「人心 鏡の如し」。 相手の動きに 鏡のように応じることでござる。 175 00:18:56,613 --> 00:19:04,621 ほう 深い教えだな。 江戸には 剣術道場が 数多いと聞くが➡ 176 00:19:04,621 --> 00:19:11,628 どうだ 強い奴は 大勢おるか? さほどでもござらぬ。 177 00:19:11,628 --> 00:19:18,135 某 道場剣法に飽き足らず 諸国を修行して回り申した。 178 00:19:18,135 --> 00:19:23,635 此度の秘太刀探しなぞ 道場での 稽古より 余程 骨がある。 179 00:19:26,076 --> 00:19:33,584 武者修行か…。 うらやましいのう。 180 00:19:33,584 --> 00:19:38,084 ワシも 叶うなら 剣の道に 生きたかったが…。 181 00:19:43,093 --> 00:19:45,593 では そろそろ 参ろうか。 182 00:19:53,604 --> 00:19:59,109 生死を懸けるつもりで 参れ。 手加減は せぬ。 183 00:19:59,109 --> 00:20:01,109 望むところでござる。 184 00:20:08,118 --> 00:20:13,123 よろしいか…。 始め 185 00:20:13,123 --> 00:22:53,150 ♬~ 186 00:22:53,150 --> 00:22:55,150 それまで 187 00:23:04,661 --> 00:23:09,166 お稽古を賜り ありがとう存じました 188 00:23:09,166 --> 00:23:12,666 なかなかの腕よな 石橋。 189 00:23:14,671 --> 00:23:18,171 未熟です。 恥じ入りました。 190 00:23:20,177 --> 00:23:24,177 ワシを 「馬の骨」の使い手と 思うか? 191 00:23:26,116 --> 00:23:28,116 いいえ。 192 00:23:31,121 --> 00:23:37,621 「小車」と申す。 ワシが 師匠より 譲られた秘伝は これのみ 193 00:23:41,131 --> 00:23:44,134 はい。 194 00:23:44,134 --> 00:23:50,140 望みどおり 立ち合うた。 他言はせぬとの約束➡ 195 00:23:50,140 --> 00:23:53,140 必ず 守ってもらうぞ。 よいな 196 00:23:56,146 --> 00:23:58,148 はい 197 00:23:58,148 --> 00:24:02,152 (2人の笑い声) 198 00:24:02,152 --> 00:24:06,156 (少年たち)「子 曰く 巧言令色 鮮し仁。➡ 199 00:24:06,156 --> 00:24:10,660 曽子曰く 吾れ日に三度 吾が身を省みる。➡ 200 00:24:10,660 --> 00:24:17,167 人の為に謀りて 忠ならざるか。 朋友と交わりて 信ならざるか。➡ 201 00:24:17,167 --> 00:24:20,670 習わざるを伝うるか」。 202 00:24:20,670 --> 00:24:24,107 「論語」か…。 203 00:24:24,107 --> 00:24:28,607 ワシが あのくらいの 年のころであった…。 204 00:24:30,614 --> 00:24:35,118 あの人が 兄のもとへ 嫁いでこられたのは…。 205 00:24:35,118 --> 00:24:40,624 兄が亡くなった後 あの人は 実家に戻られたが…➡ 206 00:24:40,624 --> 00:24:46,124 ゆえあって 今は 1人で 暮らしておられる。 207 00:24:51,134 --> 00:24:58,134 兄嫁は 死病に 侵されておるのだ…。 えっ 208 00:25:00,143 --> 00:25:08,151 生きられるのは あと1年か2年 医者とも話したが…➡ 209 00:25:08,151 --> 00:25:10,654 治る見込みはない。 210 00:25:10,654 --> 00:25:14,157 ♬~ 211 00:25:14,157 --> 00:25:21,665 お酒が 大層 お好きでな。 ワシは 時折 酒を持参して➡ 212 00:25:21,665 --> 00:25:24,601 世間話をしに 伺う。 213 00:25:24,601 --> 00:25:30,107 ♬~ 214 00:25:30,107 --> 00:25:35,112 それだけのことよ。 存じておりました。 215 00:25:35,112 --> 00:25:41,118 ♬~ 216 00:25:41,118 --> 00:25:44,121 ご無礼をつかまつりました。 217 00:25:44,121 --> 00:25:48,125 ♬~ 218 00:25:48,125 --> 00:25:52,629 ワシには ほかに 出来ることがない。 219 00:25:52,629 --> 00:26:11,148 ♬~ 220 00:26:11,148 --> 00:26:15,152 憧れておいでなのだな。 221 00:26:15,152 --> 00:26:20,157 少年の日から 今日まで 変わらずに ずっと…。 222 00:26:20,157 --> 00:26:24,594 ♬~ 223 00:26:24,594 --> 00:26:31,101 (ため息) 終わったな…。 224 00:26:31,101 --> 00:26:37,601 矢野藤蔵も 5人の門弟も みな 秘太刀の使い手では なかった。 225 00:26:39,609 --> 00:26:43,113 ああ…。 226 00:26:43,113 --> 00:26:46,116 やはり 幻か 秘太刀は…。 227 00:26:46,116 --> 00:26:51,121 ♬~ 228 00:26:51,121 --> 00:26:56,626 (帯刀)北爪も 違うたか? はい。 229 00:26:56,626 --> 00:27:00,626 では 「馬の骨」の使い手は 誰じゃ? 230 00:27:03,133 --> 00:27:06,133 皆目 見当がつきません。 231 00:27:09,139 --> 00:27:12,639 すべては ワシの 思い過ごしじゃったのかのう。 232 00:27:14,644 --> 00:27:18,148 「馬の骨」の使い手など この世には おらんのかもしれぬ。 233 00:27:18,148 --> 00:27:23,086 (帯刀の笑い声) いやいやいや➡ 234 00:27:23,086 --> 00:27:26,089 わざわざ 江戸から 呼びつけておいて➡ 235 00:27:26,089 --> 00:27:31,589 探す相手が 幻じゃったとは 銀次郎 すまんかったのう。 236 00:27:33,597 --> 00:27:41,605 いえ。 ご苦労じゃった。 もはや 役目も すんだ。 237 00:27:41,605 --> 00:27:49,613 そなた 江戸へ 戻ってよいぞ。 はっ。 なれど…。 238 00:27:49,613 --> 00:27:53,116 うん? 時節も ようござれば➡ 239 00:27:53,116 --> 00:27:57,621 しばらく この辺りを のんびり 遊山して回ろうかと 存じまする。 240 00:27:57,621 --> 00:28:03,627 おう それも よいなあ。 ま ゆるりと 骨休めをして➡ 241 00:28:03,627 --> 00:28:06,630 それから 帰参すればよい。 はっ。 242 00:28:06,630 --> 00:28:57,113 ♬~ 243 00:28:57,113 --> 00:28:59,115 やはり あの男か…。 244 00:28:59,115 --> 00:29:03,119 ♬~ 245 00:29:03,119 --> 00:29:08,619 立ち合いたい あの男とだけは もう一度…。 246 00:29:11,127 --> 00:29:13,127 ≪(多喜)銀次郎様…。 247 00:29:24,074 --> 00:29:28,078 いかがした? お逃げ下さい。 え? 248 00:29:28,078 --> 00:29:32,082 お命が 危のうございます。 なにっ?! 249 00:29:32,082 --> 00:29:36,086 御家老様は 銀次郎様を 殺す おつもりです。 250 00:29:36,086 --> 00:29:39,089 ♬~ 251 00:29:39,089 --> 00:29:42,092 (作左衛門)やはり… 銀次郎殿の お命を…。 252 00:29:42,092 --> 00:29:46,596 あれは 内情を知りすぎておる。 江戸で 何を話すか➡ 253 00:29:46,596 --> 00:29:53,103 知れたものではないわ。 消えてもらうしかあるまい。 254 00:29:53,103 --> 00:29:58,608 多喜。 恩に着るぞ。 お陰で 命拾いできるやもしれん。 255 00:29:58,608 --> 00:30:01,611 ♬~ 256 00:30:01,611 --> 00:30:04,114 銀次郎様…。 うん? 257 00:30:04,114 --> 00:30:09,119 私も参ります。 もはや この屋敷には おれませぬ。 258 00:30:09,119 --> 00:30:14,124 何を言う。 俺が逃げたと分かれば すぐにも 追っ手が かかる。 259 00:30:14,124 --> 00:30:16,626 そなたを 危ない目に 遭わせる訳にはいかん。 260 00:30:16,626 --> 00:30:19,129 かまいませぬ 赤子は? 261 00:30:19,129 --> 00:30:24,129 連れていきます。 麟太郎は 私の子です。 262 00:30:26,069 --> 00:30:28,071 しかし…。 263 00:30:28,071 --> 00:30:34,077 お供が 叶わぬなら 私一人でも 麟太郎を連れて 逃げます。 264 00:30:34,077 --> 00:30:38,081 ♬~ 265 00:30:38,081 --> 00:30:41,584 多喜…。 銀次郎様…。 266 00:30:41,584 --> 00:30:52,095 ♬~ 267 00:30:52,095 --> 00:30:56,099 (赤ん坊の泣き声) 268 00:30:56,099 --> 00:31:07,110 ♬~ 269 00:31:07,110 --> 00:31:09,112 お子は 預かろう。 270 00:31:09,112 --> 00:31:36,139 ♬~ 271 00:31:36,139 --> 00:31:38,141 行くぞ はい 272 00:31:38,141 --> 00:31:48,151 ♬~ 273 00:31:48,151 --> 00:31:50,151 (赤松の笑い声) 274 00:31:52,155 --> 00:31:56,159 (赤松)石橋銀次郎 この先は 通さぬ。 275 00:31:56,159 --> 00:31:59,162 赤松か…。 不義者め 276 00:31:59,162 --> 00:32:04,167 なに 多喜殿 こちらへ参られよ。 277 00:32:04,167 --> 00:32:09,172 「そこもとと お子は 連れ戻せ」と 御家老が 仰せゆえな。 278 00:32:09,172 --> 00:32:14,177 嫌です。 戻りませぬ。 麟太郎も 渡しませぬ。 279 00:32:14,177 --> 00:32:17,177 そこもとは 必ず 連れ帰る。 280 00:32:26,122 --> 00:32:32,629 しっかりと抱いて 俺のそばを 離れるな。 はい。 281 00:32:32,629 --> 00:32:44,140 ♬~ 282 00:32:44,140 --> 00:32:46,142 きゃ~っ 283 00:32:46,142 --> 00:33:18,174 ♬~ 284 00:33:18,174 --> 00:33:21,177 きゃ~っ 285 00:33:21,177 --> 00:33:24,113 きゃ~っ あ 多喜 銀次郎様 286 00:33:24,113 --> 00:33:27,116 女が いては 万に一つも 勝ち目はないぞ。 287 00:33:27,116 --> 00:33:30,620 黙れ 288 00:33:30,620 --> 00:33:32,622 多喜 289 00:33:32,622 --> 00:33:53,142 ♬~ 290 00:33:53,142 --> 00:33:55,144 下がれ…。 291 00:33:55,144 --> 00:34:15,164 ♬~ 292 00:34:15,164 --> 00:34:17,166 銀次郎様 293 00:34:17,166 --> 00:34:19,168 下がれ 294 00:34:19,168 --> 00:34:35,118 ♬~ 295 00:34:35,118 --> 00:34:38,121 これで しまいにするか 銀次郎。 296 00:34:38,121 --> 00:34:47,630 ♬~ 297 00:34:47,630 --> 00:34:49,632 おっ 298 00:34:49,632 --> 00:34:57,807 ♬~ 299 00:34:57,807 --> 00:35:00,143 (清次)銀次郎さん 300 00:35:00,143 --> 00:35:05,648 おう 清次。 お怪我は? 大事ない。 301 00:35:05,648 --> 00:35:07,648 多喜を 302 00:35:10,153 --> 00:35:12,155 おのれ 石橋 303 00:35:12,155 --> 00:35:16,159 ♬~ 304 00:35:16,159 --> 00:35:21,164 まだ 見つからんのか?! 舟で逃げたと 知らせがあり➡ 305 00:35:21,164 --> 00:35:25,601 川筋を探索しております 早う 捜せ 捕らえてこい 306 00:35:25,601 --> 00:35:27,601 はっ 捕らえてこい 307 00:35:37,113 --> 00:35:48,113 おのれ 銀次郎め ワシが子を… ワシの子を…。 308 00:35:51,127 --> 00:35:53,627 (犬の遠吠えの合図) 309 00:35:56,132 --> 00:36:00,636 追っ手は いねえようで。 そうか…。 310 00:36:00,636 --> 00:36:06,642 ♬~ 311 00:36:06,642 --> 00:36:10,146 清次 よく 駆けつけてくれたな。 312 00:36:10,146 --> 00:36:14,150 え? ええ…。 姉に 言われやしてね。 313 00:36:14,150 --> 00:36:18,154 加代殿に? へい。 314 00:36:18,154 --> 00:36:23,092 (加代)大前屋の旦那から くれぐれもと 頼まれたんだ。 315 00:36:23,092 --> 00:36:26,095 「秘太刀探しが 終わった時が 危ない。➡ 316 00:36:26,095 --> 00:36:30,600 銀次郎様を お守りしてくれ」って…。 317 00:36:30,600 --> 00:36:33,102 何だって 銀次郎様が 狙われるんだい? 318 00:36:33,102 --> 00:36:37,106 訳なんか 知らなくたっていいのさ。 319 00:36:37,106 --> 00:36:39,609 いいかい 清次 へい。 320 00:36:39,609 --> 00:36:46,616 悪さばかりしてた お前を 拾ってくれたのは大前屋の旦那だ。 321 00:36:46,616 --> 00:36:52,121 ご恩に報いるのは 今だよ 分かった。 322 00:36:52,121 --> 00:36:57,126 ♬~ 323 00:36:57,126 --> 00:37:01,126 旦那に 頼まれなくたってさ。 え? 324 00:37:03,132 --> 00:37:09,138 守ってさしあげたくなるじゃ ないか 銀次郎様って お人は…。 325 00:37:09,138 --> 00:37:15,638 フフフ 何だい 姉ちゃん 惚れたのか~い? 326 00:37:19,148 --> 00:37:22,084 惚れたよ。 327 00:37:22,084 --> 00:37:24,086 お陰で 助かった。 328 00:37:24,086 --> 00:37:31,093 ♬~ 329 00:37:31,093 --> 00:37:34,096 これから どちらへ? あっしも お供しやす。 330 00:37:34,096 --> 00:37:37,099 いや お前は 舟で 戻れ。 何を おっしゃるんで…。 331 00:37:37,099 --> 00:37:41,103 これ以上 かかわると 大前屋に 迷惑がかかる。 332 00:37:41,103 --> 00:37:46,108 銀次郎様…。 世話をかけたな 清次。 333 00:37:46,108 --> 00:37:50,112 案ずるな。 俺に 考えがある。 334 00:37:50,112 --> 00:37:53,115 あっ 銀次郎様 大丈夫だい 335 00:37:53,115 --> 00:38:03,626 ♬~ 336 00:38:03,626 --> 00:38:05,626 どうしたのだ?! 337 00:38:09,131 --> 00:38:13,631 おう 夜分に すまぬ ヘヘヘ…。 338 00:38:15,638 --> 00:38:17,640 おい 339 00:38:17,640 --> 00:38:22,078 あ~っ どうだ? 傷の様子は。 340 00:38:22,078 --> 00:38:26,582 額と膝下の傷は 浅うございますが 二の腕が…。 341 00:38:26,582 --> 00:38:30,586 深手か…。 縫わねばなりませぬ。 342 00:38:30,586 --> 00:38:34,090 私では とても…。 よし…。 伊助 医者を 343 00:38:34,090 --> 00:38:36,592 ≪(伊助)へい よせ え? 344 00:38:36,592 --> 00:38:39,595 医者なぞ 呼びに出たら 俺たちが ここにいる事が➡ 345 00:38:39,595 --> 00:38:42,098 ヤツらに 知れる。 ヤツら? 346 00:38:42,098 --> 00:38:49,105 赤松織衛。 だが 命じたのは 伯父御だ。 347 00:38:49,105 --> 00:38:53,609 え? なぜ 御家老が おぬしを? 348 00:38:53,609 --> 00:38:56,112 今 話してる ひまはない。 すぐ ここを出る 349 00:38:56,112 --> 00:38:59,115 なに? むちゃです こんな体で…。 350 00:38:59,115 --> 00:39:01,615 あ~っ どこへ行くのだ? 351 00:39:04,120 --> 00:39:07,123 北爪殿のお屋敷に…。 御番頭の? 352 00:39:07,123 --> 00:39:13,629 あの方の お力を借りねばならぬ。 まっすぐ 北爪殿の お屋敷に➡ 353 00:39:13,629 --> 00:39:18,134 行くつもりであったが つい 心弱くなり…。 354 00:39:18,134 --> 00:39:23,072 フン これしきの傷で 俺も だらしがない 355 00:39:23,072 --> 00:39:27,076 御番頭の屋敷ならば 御家老の手の者も➡ 356 00:39:27,076 --> 00:39:32,081 うかつには 踏み込めぬ。 ここより 安全ではあろうが…。 357 00:39:32,081 --> 00:39:36,085 だが この体で どうやって 御番頭の家まで行く?! 358 00:39:36,085 --> 00:39:38,585 途中で 追っ手に 見つかったら…。 359 00:39:42,091 --> 00:39:45,094 よし 俺が 送ろう 360 00:39:45,094 --> 00:39:49,098 駄目だ おぬしを 巻き込むわけには いかん 361 00:39:49,098 --> 00:39:52,601 今更 水くさい事を言うな とうに 巻き込まれておるわ。 362 00:39:52,601 --> 00:39:57,106 杉江 支度を はい 363 00:39:57,106 --> 00:40:03,112 事の次第は 御番頭の家で聞く。 よいな?! 364 00:40:03,112 --> 00:40:05,614 駄目だと言うても ワシは 行くぞ。 365 00:40:05,614 --> 00:40:11,120 おぬし一人 ほうり出せると思うか?! 366 00:40:11,120 --> 00:40:14,623 …すまん。 367 00:40:14,623 --> 00:40:18,123 さて 多喜殿と お子を どうするかだ…。 368 00:40:20,129 --> 00:40:23,129 私も ご一緒に 参ります。 いや それは…。 369 00:40:31,073 --> 00:40:34,076 おぬしは 深手を負うているし…➡ 370 00:40:34,076 --> 00:40:39,076 ワシの腕では 多喜殿と お子を 守りきれぬぞ。 371 00:40:42,585 --> 00:40:44,587 杉江。 旦那様。 372 00:40:44,587 --> 00:40:50,092 え? 何じゃ。 多喜様は 私が…。 373 00:40:50,092 --> 00:40:54,096 多喜様と 坊やは この家で お預かりいたしましょう。 374 00:40:54,096 --> 00:40:58,100 ワシも 今 それを 言おうとしたところだ。 375 00:40:58,100 --> 00:41:01,103 おい 伊助 ≪(伊助)へい 376 00:41:01,103 --> 00:41:04,607 孫之丞を 呼んできてくれ。 飯塚様を? 377 00:41:04,607 --> 00:41:08,107 この場の様子を手短に伝え 急ぎ 来てもらえ。 よいな。 へい。 378 00:41:12,615 --> 00:41:15,117 半十郎殿…。 379 00:41:15,117 --> 00:41:18,621 すぐに参ろう。 歩けるか? 銀次郎…。 380 00:41:18,621 --> 00:41:23,125 ♬~ 381 00:41:23,125 --> 00:41:29,131 すまぬ…。 礼なら 後で ゆっくり聞く。 382 00:41:29,131 --> 00:41:32,134 杉江。 はい。 383 00:41:32,134 --> 00:41:36,138 孫之丞が参るまでは お前が 多喜殿と お子を 守れ。 384 00:41:36,138 --> 00:41:41,138 ご案じ下さいますな。 うむ。 では 行って参る。 385 00:41:44,146 --> 00:41:47,149 多喜。 はい。 386 00:41:47,149 --> 00:41:53,155 麟太郎を 泣かすなよ。 ご無事で…。 387 00:41:53,155 --> 00:42:17,179 ♬~ 388 00:42:17,179 --> 00:42:20,182 ≪(雷鳴) 389 00:42:20,182 --> 00:42:34,130 ♬~ 390 00:42:34,130 --> 00:42:38,134 (雷鳴) 391 00:42:38,134 --> 00:42:44,634 (馬のいななき) 392 00:42:47,143 --> 00:42:49,145 何とした? 393 00:42:49,145 --> 00:42:52,645 小出帯刀は お家に 仇なす 不忠者にございます。 394 00:42:56,152 --> 00:42:58,152 何者だ? あいつは。 395 00:43:04,160 --> 00:43:06,662 <どうぞ お楽しみに> 396 00:43:06,662 --> 00:44:22,162 ♬~