1 00:01:28,135 --> 00:01:33,140 ♬~ 2 00:01:33,140 --> 00:01:37,144 (杉江)<石橋銀次郎様は 家老 小出帯刀に➡ 3 00:01:37,144 --> 00:01:43,150 お命を狙われ わが家に 多喜様を託し 旦那様とともに➡ 4 00:01:43,150 --> 00:01:47,154 御番頭 北爪平九郎様を 頼られたのでございます> 5 00:01:47,154 --> 00:01:50,157 (雷鳴) 6 00:01:50,157 --> 00:01:52,660 (武士1)おう 居たか? (武士2)いや おらぬ。 7 00:01:52,660 --> 00:01:54,662 (武士1)向こうを捜せ 8 00:01:54,662 --> 00:01:56,664 (戸をたたく音) 9 00:01:56,664 --> 00:01:59,166 ≪(武士3)浅沼殿に 火急の御用で ござる。 門を お開け下され 10 00:01:59,166 --> 00:02:01,669 (ふで)奥様 (杉江)多喜様と 直江を…。 11 00:02:01,669 --> 00:02:03,671 ≪(戸をたたく音) はい 例のところへ。 12 00:02:03,671 --> 00:02:06,171 ≪(武士3)浅沼殿 浅沼殿 13 00:02:08,175 --> 00:02:14,181 (激しい風雨の音) 14 00:02:14,181 --> 00:02:17,184 ♬~ 15 00:02:17,184 --> 00:02:21,188 (ふで)お足元を…。 (多喜)はい。 16 00:02:21,188 --> 00:02:30,188 ♬~ 17 00:02:33,133 --> 00:02:35,133 (北爪)なんとした?! 18 00:02:42,142 --> 00:02:44,144 石橋 19 00:02:44,144 --> 00:02:46,146 (半十郎)医者を… 医者を お呼び下さい 20 00:02:46,146 --> 00:02:48,146 石橋 21 00:02:50,150 --> 00:02:57,157 ♬~ 22 00:02:57,157 --> 00:02:59,157 (馬のいななき) 23 00:03:05,165 --> 00:03:19,179 (銀次郎の うめき声) 24 00:03:19,179 --> 00:03:24,179 どうだ。 痛むか? よいよい 寝ておれ。 25 00:03:29,123 --> 00:03:34,128 「命にかかわることは あるまいが しばらくは じっと寝ておれ」と➡ 26 00:03:34,128 --> 00:03:38,128 医者が 言うておった。 刀傷は 侮れんからな。 27 00:03:41,635 --> 00:03:48,135 (北爪)さて 聞こう。 一体 何があった? (銀次郎)ああ…。 28 00:03:54,148 --> 00:04:00,148 某が 国もとへ参りましたは 秘太刀探索のためばかりではない。 29 00:04:02,156 --> 00:04:07,661 江戸留守居役の父より授かった 別の お役目がございます。 30 00:04:07,661 --> 00:04:15,669 お役目とは? 「一朝 事ある時は 身命を賭して➡ 31 00:04:15,669 --> 00:04:22,109 殿と 向坂家8万石を守れ」と。 「たとえ 血を分けた伯父を➡ 32 00:04:22,109 --> 00:04:26,109 切り捨てることとなっても」…。 なにっ?! 33 00:04:28,115 --> 00:04:35,115 伯父 小出帯刀は お家に仇なす 不忠者にございます。 34 00:04:38,125 --> 00:04:44,131 7年前 御家老の望月様が 何者かの闇討ちに遭い➡ 35 00:04:44,131 --> 00:04:49,636 落命されて後 御先代の親好公が➡ 36 00:04:49,636 --> 00:04:57,144 かくも厳しき ご処断を 下されたのには 訳がございます。 37 00:04:57,144 --> 00:05:01,148 望月様が 亡くなられる少し前 御先代様に➡ 38 00:05:01,148 --> 00:05:05,152 密書による訴えが あったのです。 密書? 39 00:05:05,152 --> 00:05:13,160 「望月様が 米問屋の淡路屋と 手を組み 長年にわたって➡ 40 00:05:13,160 --> 00:05:19,666 お家の金子を 横領している」と。 なれど… 望月様は➡ 41 00:05:19,666 --> 00:05:24,104 そのようなことをなさる お方では…。 仰せのとおり。 42 00:05:24,104 --> 00:05:30,110 その密書 後に 嘘偽りと 知れたのです。 43 00:05:30,110 --> 00:05:38,118 なにっ 今から3年前 先の殿が 身罷られ➡ 44 00:05:38,118 --> 00:05:42,122 若殿が お家を継がれて しばらく後のことですが➡ 45 00:05:42,122 --> 00:05:47,127 某の父 瀬左衛門のもとに 書状が 届きました。 46 00:05:47,127 --> 00:05:52,132 書状には… 「横領を はたらいたのは➡ 47 00:05:52,132 --> 00:05:58,138 望月様ではなく 腹心の小出帯刀であった」と…。 48 00:05:58,138 --> 00:06:04,144 えっ?! 更に 「7年前の訴えは➡ 49 00:06:04,144 --> 00:06:09,149 望月様に 横領の事を気取られた 小出帯刀が 先手を打って➡ 50 00:06:09,149 --> 00:06:12,152 讒訴したもの」と 記されておりました。 51 00:06:12,152 --> 00:06:17,157 なんと…。 このこと わが父より➡ 52 00:06:17,157 --> 00:06:22,095 御側用人 石渡様に 伝えられ 若殿の知られるところとなり…。 53 00:06:22,095 --> 00:06:29,102 若殿は なんと? 「帯刀め 父上を 謀ったか」と➡ 54 00:06:29,102 --> 00:06:33,106 お怒りも露に 仰せであったと 聞き及んでおります。 55 00:06:33,106 --> 00:06:39,112 すると 望月様を 闇討ちにしたのも 小出様か? 56 00:06:39,112 --> 00:06:45,118 いや… それは 違う。 では 誰が? 57 00:06:45,118 --> 00:06:53,126 訴えの中身を知り 一国の家老を 葬るだけの お力を持つ お方。 58 00:06:53,126 --> 00:06:55,126 まさか…。 59 00:06:58,131 --> 00:07:00,133 御先代様…。 えっ?! 60 00:07:00,133 --> 00:07:09,142 おそらくは…。 望月様は 先の殿が放たれた刺客➡ 61 00:07:09,142 --> 00:07:14,142 すなわち 「馬の骨」の使い手に 殺されたのです。 62 00:07:16,149 --> 00:07:20,153 殿が 刺客を… そんなことが…。 63 00:07:20,153 --> 00:07:29,096 [夢] (帯刀の悲鳴) 64 00:07:29,096 --> 00:07:33,096 (帯刀)わ~っ わ~っ 65 00:07:36,103 --> 00:07:39,606 (彦十郎)御家老 いかがなされました? 66 00:07:39,606 --> 00:07:44,611 彦十郎か…? なにやら お声が…。 67 00:07:44,611 --> 00:07:48,615 大事ない。 下がれ。 68 00:07:48,615 --> 00:07:54,621 伯父は 心底 恐れております。 己も また 秘太刀によって➡ 69 00:07:54,621 --> 00:07:59,126 葬られるのではないかと…。 それゆえ 秘太刀探しに➡ 70 00:07:59,126 --> 00:08:03,130 あれほど 執着なさり 身を守るために➡ 71 00:08:03,130 --> 00:08:06,133 赤松を 召し抱えられたのか。 72 00:08:06,133 --> 00:08:10,637 赤松には… いまひとつの役目が ある。 73 00:08:10,637 --> 00:08:20,147 御側用人 石渡様を葬る 刺客だな。 はい。 74 00:08:20,147 --> 00:08:26,086 噂は まことか…。 石渡様が 殿のお国入りに 先駆けて➡ 75 00:08:26,086 --> 00:08:30,090 ご帰国なされるのは 事の真相を 明らかにするため。 76 00:08:30,090 --> 00:08:39,099 おそらく 伯父御の悪事の証拠を 握る者が 国もとに おるのだろう。 77 00:08:39,099 --> 00:08:41,601 多喜と麟太郎は 確かに➡ 78 00:08:41,601 --> 00:08:45,101 浅沼の家に おるのじゃな。 (赤松)はっ。 79 00:08:47,107 --> 00:08:55,115 浅沼め ワシを 裏切りおった これから すぐに 家を襲い…。 80 00:08:55,115 --> 00:08:58,118 捨ておけ しかし…。 81 00:08:58,118 --> 00:09:03,123 御側用人が 国もとに 向こうておる。 82 00:09:03,123 --> 00:09:08,128 それを 片づけるのが 先じゃ。 はあ…。 83 00:09:08,128 --> 00:09:14,134 居場所さえ 知れていれば 多喜と赤子を奪い返すなぞ➡ 84 00:09:14,134 --> 00:09:17,137 造作もないこと…。 85 00:09:17,137 --> 00:09:22,075 すべてが 片づくまでは 騒ぎを起こしては ならん。 86 00:09:22,075 --> 00:09:24,075 よいな。 87 00:09:27,080 --> 00:09:33,080 よいな はっ 88 00:09:38,091 --> 00:09:44,097 <長い長い一夜が明けて… ご城下には いつもどおりの➡ 89 00:09:44,097 --> 00:09:48,101 静かな明け暮れが 戻ってまいりましたが➡ 90 00:09:48,101 --> 00:09:53,101 我が家は 万一の備えを 解くことが 出来ないのです> 91 00:09:56,610 --> 00:09:59,112 (杉江)あ…。 内藤様 92 00:09:59,112 --> 00:10:03,617 お夜食を どうぞ。 (内藤)ああ これは かたじけない。 93 00:10:03,617 --> 00:10:07,120 したが お内儀 お気遣い下さるな。 94 00:10:07,120 --> 00:10:11,120 ワシらに かまわず おやすみ下され。 95 00:10:13,126 --> 00:10:20,133 (腹が鳴る音) ウフフフ…。 おう アハハハ。 ひとつ 頂くかの。 96 00:10:20,133 --> 00:10:22,133 どうぞ…。 97 00:10:27,073 --> 00:10:29,073 多喜様…。 98 00:10:32,078 --> 00:10:37,083 眠れないのですか? (多喜)はい。 99 00:10:37,083 --> 00:10:42,088 銀次郎様のことは ご案じなさいますな。 100 00:10:42,088 --> 00:10:45,088 「傷も ようなってきている」と 旦那様が…。 101 00:10:47,093 --> 00:10:50,093 じきに 騒ぎも 収まりましょう。 102 00:10:52,098 --> 00:10:57,103 杉江様…。 はい。 103 00:10:57,103 --> 00:11:03,109 御家老様のお話 浅沼様から 伺いました。 104 00:11:03,109 --> 00:11:09,115 私は 何も知らずに… こうして 皆様に ごやっかいをかけて…。 105 00:11:09,115 --> 00:11:16,122 やっかいなぞと…。 なれど… 御家老様は➡ 106 00:11:16,122 --> 00:11:22,122 麟太郎の父御…。 それを思うと 私は…。 107 00:11:24,130 --> 00:11:26,130 多喜様…。 108 00:11:29,135 --> 00:11:35,135 今は 坊やを守ることのみ 考えましょう。 109 00:11:37,143 --> 00:11:42,148 乳の出が 悪うなりますよ。 え? 110 00:11:42,148 --> 00:11:47,148 思い煩うては お乳が 出なくなります。 111 00:11:49,155 --> 00:11:55,662 杉江様…。 心静かに 待ちましょう。 112 00:11:55,662 --> 00:12:01,162 近いうちに きっと すべてが よいように収まります。 113 00:12:03,169 --> 00:12:06,172 はい…。 114 00:12:06,172 --> 00:12:15,181 (腹が鳴る音) あ…。 あ… ウフフフ さあ 115 00:12:15,181 --> 00:12:17,181 いただきます。 116 00:12:19,185 --> 00:12:23,123 ♬~ 117 00:12:23,123 --> 00:12:25,125 <そして 5日の後…➡ 118 00:12:25,125 --> 00:12:29,129 御側用人 石渡新三郎様が➡ 119 00:12:29,129 --> 00:12:32,129 ついに 江戸より 戻られたのです> 120 00:12:38,138 --> 00:12:44,644 (権平)お やっておられますな。 あ あ これは 長坂殿…。 121 00:12:44,644 --> 00:12:47,647 おう…。 御番頭に 頼まれ申した。 122 00:12:47,647 --> 00:12:51,151 今宵は お戻りが 遅くなるとかで➡ 123 00:12:51,151 --> 00:12:55,155 某が 石橋殿を お守りする役目でござる。 124 00:12:55,155 --> 00:13:01,161 ああ かたじけない。 なんの…。 125 00:13:01,161 --> 00:13:07,167 石橋殿 家内が 無事に 子を産み申した。 126 00:13:07,167 --> 00:13:12,172 ほう さようか。 某が 人の親となれましたは➡ 127 00:13:12,172 --> 00:13:16,176 石橋殿の お陰にござる。 はあ…。 128 00:13:16,176 --> 00:13:22,115 石橋殿との立ち合いがなくば 某… 登実に 見捨てられ➡ 129 00:13:22,115 --> 00:13:30,123 我が子に 父とは 名乗れぬところ でした。 まことに ありがたく…。 130 00:13:30,123 --> 00:13:36,129 ああ… もう さようなことは。 で お子は 男か 女子か? 131 00:13:36,129 --> 00:13:39,632 うん? 女子にござります。 132 00:13:39,632 --> 00:13:44,137 おう 姫か? それがもう かわゆうて…。 133 00:13:44,137 --> 00:13:47,140 そうであろうな。 はい。 登実も 子を産んでから➡ 134 00:13:47,140 --> 00:13:55,148 一段と 美しゅうなりましてな。 赤子に 乳をやってるところは➡ 135 00:13:55,148 --> 00:14:01,154 まるで 子育て観音のようで…。 (権平の笑い声) 136 00:14:01,154 --> 00:14:07,154 これは 失礼つかまつった。 おう いやいや…。 137 00:14:09,162 --> 00:14:14,667 (2人の笑い声) 138 00:14:14,667 --> 00:14:17,670 ≪(若党)誰か おらぬか ああ? 139 00:14:17,670 --> 00:14:22,170 (権平)御番頭 なんとなされた?! 140 00:14:24,444 --> 00:14:30,044 あやつ… 恐ろしい使い手だ…。 141 00:14:42,128 --> 00:14:44,128 御番頭 142 00:14:47,133 --> 00:14:52,138 不覚であった…。 ヤツを 甘く見た…。 143 00:14:52,138 --> 00:14:56,138 ヤツとは 赤松でございますか? 144 00:14:58,144 --> 00:15:01,147 う~っ 145 00:15:01,147 --> 00:15:07,153 北爪殿は 今宵 石渡様に 警護を 頼まれたのだ。 146 00:15:07,153 --> 00:15:15,662 「人目を憚るゆえ 内々に」とな。 して いずこに お出かけに…? 147 00:15:15,662 --> 00:15:22,102 寺前町の… 権十長屋…。 寺前町? 148 00:15:22,102 --> 00:15:25,105 ご城下のはずれの 裏店でございますか? 149 00:15:25,105 --> 00:15:33,113 さよう。 そこに 喜作という男が 隠れ住んでおる。 150 00:15:33,113 --> 00:15:41,121 喜作? 米問屋 淡路屋の 番頭だった男だ…。 151 00:15:41,121 --> 00:15:44,624 ♬~ 152 00:15:44,624 --> 00:15:48,128 (石渡)殿の お見込みどおりで あったか…。 153 00:15:48,128 --> 00:15:50,130 では 参ろう。 (沖山 北爪)はっ 154 00:15:50,130 --> 00:15:58,638 ♬~ 155 00:15:58,638 --> 00:16:01,141 ≪(笑い声) 156 00:16:01,141 --> 00:16:04,144 (北爪)赤松織衛か?! 157 00:16:04,144 --> 00:16:20,160 ♬~ 158 00:16:20,160 --> 00:16:27,100 (北爪)石渡様は ようよう お守り申した…。➡ 159 00:16:27,100 --> 00:16:33,106 赤松は すさまじい 剣の使い手であったが さすがに➡ 160 00:16:33,106 --> 00:16:38,106 「受けの沖山」 受けに 受けた。 161 00:16:40,113 --> 00:16:42,115 (北爪)なれど…。 162 00:16:42,115 --> 00:16:44,117 (孫之丞) 沖山様の お怪我は? 163 00:16:44,117 --> 00:16:52,125 一命は 取り留めた。 が かなりの深手だ。 164 00:16:52,125 --> 00:16:54,127 う~っ 165 00:16:54,127 --> 00:16:59,132 これで 伯父御も 喜作の居場所を知ったわけだ。 166 00:16:59,132 --> 00:17:05,138 その 淡路屋の番頭が 横領の生き証人というわけか。 167 00:17:05,138 --> 00:17:12,145 喜作が 何を話したか 伯父御は 必ず 確かめにいく。 168 00:17:12,145 --> 00:17:16,149 聞き出した後は 封じのために…。 169 00:17:16,149 --> 00:17:19,152 殺すか…? 今夜のうちにもな。 170 00:17:19,152 --> 00:17:31,152 長屋は 権平に 見張らせてるが 1人では到底 赤松には かなわぬ。 171 00:17:34,100 --> 00:17:37,100 俺は これから 長屋へ行く。 172 00:17:40,106 --> 00:17:44,106 孫之丞殿にも 同道願いたい。 お供致します 173 00:17:48,615 --> 00:17:55,121 おぬしには… これを 174 00:17:55,121 --> 00:17:59,125 これは? 俺の身に 何かあったら➡ 175 00:17:59,125 --> 00:18:01,127 江戸表の父に 届けてくれ。 176 00:18:01,127 --> 00:18:06,132 此度の騒動のあらましを 急ぎ 書き記した。 177 00:18:06,132 --> 00:18:12,132 それと… 多喜殿と 赤子を 頼む。 178 00:18:15,642 --> 00:18:18,144 断る 179 00:18:18,144 --> 00:18:20,144 ワシも 共に行く。 180 00:18:22,081 --> 00:18:27,086 この1年 ワシは ずっと むちゃばかりする おぬしの➡ 181 00:18:27,086 --> 00:18:33,092 介添え役を 務めてきたのじゃ。 最後まで つきあわせてもらう。 182 00:18:33,092 --> 00:18:37,096 無事では済まぬかもしれぬぞ。 183 00:18:37,096 --> 00:18:41,100 それくらいの覚悟は ワシにも ある。 184 00:18:41,100 --> 00:18:43,102 ≪(北爪のうめき声) 185 00:18:43,102 --> 00:18:54,113 銀次郎殿…。 書状と多喜殿は ワシが 引き受ける。 186 00:18:54,113 --> 00:18:57,116 御番頭 187 00:18:57,116 --> 00:19:04,123 浅沼… 頼んだぞ。 はっ 188 00:19:04,123 --> 00:19:12,123 ♬~ 189 00:19:14,133 --> 00:19:19,133 (権平)石橋殿 あ 長坂殿 190 00:19:23,076 --> 00:19:26,076 まだ 現れぬか? はい。 191 00:19:31,084 --> 00:19:34,087 銀次郎…。 うん? 192 00:19:34,087 --> 00:19:37,090 現れねば よいが…。 193 00:19:37,090 --> 00:19:42,090 御家老じゃ。 ワシには まだ 信じられぬ。 194 00:19:44,097 --> 00:19:49,097 いや 来る… 必ず…。 195 00:19:55,108 --> 00:19:57,108 誰か 来ます。 196 00:20:14,127 --> 00:20:16,127 伯父御…。 197 00:20:31,077 --> 00:20:33,079 おい 198 00:20:33,079 --> 00:20:36,079 待て しかし…。 しっ 199 00:20:40,086 --> 00:20:42,086 行くぞ 200 00:20:45,091 --> 00:20:47,093 (帯刀)うっ 201 00:20:47,093 --> 00:20:50,096 御家老 …待て 202 00:20:50,096 --> 00:21:01,107 ♬~ 203 00:21:01,107 --> 00:21:04,110 伯父御…。 (帯刀)うっ 204 00:21:04,110 --> 00:21:18,124 ♬~ 205 00:21:18,124 --> 00:21:21,627 孫之丞 伯父御を頼む。 はっ。 206 00:21:21,627 --> 00:21:23,629 長坂殿は 喜作を守れ。 心得ました。 207 00:21:23,629 --> 00:21:25,631 半十郎殿 よし 208 00:21:25,631 --> 00:21:32,138 ♬~ 209 00:21:32,138 --> 00:21:35,141 何者だ あいつは…。 分からぬ 210 00:21:35,141 --> 00:21:55,161 ♬~ 211 00:21:55,161 --> 00:21:57,663 (馬のいななき) 212 00:21:57,663 --> 00:21:59,665 え? 213 00:21:59,665 --> 00:22:05,165 ♬~ 214 00:22:10,176 --> 00:22:13,176 (気合い) 215 00:22:30,129 --> 00:22:32,131 どうする? あの男に 加勢するか? 216 00:22:32,131 --> 00:22:35,131 いや 手出しは ならん 217 00:23:10,169 --> 00:23:15,174 ♬~ 218 00:23:15,174 --> 00:23:20,179 (馬のいななき) 219 00:23:20,179 --> 00:23:24,116 ♬~ 220 00:23:24,116 --> 00:23:26,118 おう あれは…。 221 00:23:26,118 --> 00:23:54,146 ♬~ 222 00:23:54,146 --> 00:23:57,149 うっ 223 00:23:57,149 --> 00:24:03,155 ああ… ああ…。 224 00:24:03,155 --> 00:24:07,159 うわ~っ 225 00:24:07,159 --> 00:24:18,159 ♬~ 226 00:24:21,173 --> 00:24:31,173 ああ… あれは… 「馬の骨」…。 えっ?! 227 00:24:43,129 --> 00:24:48,129 矢野… 藤蔵…。 228 00:25:46,125 --> 00:25:55,634 ♬~ 229 00:25:55,634 --> 00:26:02,141 これが… 「秘太刀 馬の骨」…。 うむ。 230 00:26:02,141 --> 00:26:07,146 使い手は… 藤蔵であったか…。 231 00:26:07,146 --> 00:26:13,152 ♬~ 232 00:26:13,152 --> 00:26:17,156 だが… 誰の命を受けて…。 233 00:26:17,156 --> 00:26:19,158 ♬~ 234 00:26:19,158 --> 00:26:22,094 殿か? 235 00:26:22,094 --> 00:26:28,100 殿の刺客か? そんなことが…。 236 00:26:28,100 --> 00:26:34,106 ♬~ 237 00:26:34,106 --> 00:26:39,111 幻だ…。 え? 238 00:26:39,111 --> 00:26:45,117 俺たちは 幻を見た。 銀次郎…。 239 00:26:45,117 --> 00:26:51,123 ♬~ 240 00:26:51,123 --> 00:26:56,629 秘太刀を受け継いだ者は おらぬ。 241 00:26:56,629 --> 00:27:01,133 殿の刺客なぞは おらぬ。 242 00:27:01,133 --> 00:27:05,137 ♬~ 243 00:27:05,137 --> 00:27:11,143 闇に帰ったのだ… 「馬の骨」は…。 244 00:27:11,143 --> 00:27:14,647 ♬~ 245 00:27:14,647 --> 00:27:17,149 二度と現れぬ…。 246 00:27:17,149 --> 00:27:42,149 ♬~ 247 00:27:49,114 --> 00:27:55,120 <お殿様のお国入りまでの間 石渡様が ご執政として➡ 248 00:27:55,120 --> 00:27:58,120 お家を取りしきられることと なりました> 249 00:28:02,127 --> 00:28:05,130 <小出家より 帯刀様 病死との➡ 250 00:28:05,130 --> 00:28:08,133 お届けがあり 家老職には➡ 251 00:28:08,133 --> 00:28:12,133 杉原様が お就きになったのでございます> 252 00:28:14,139 --> 00:28:18,143 <そして 多喜様と お子は 当分の間 我が家で➡ 253 00:28:18,143 --> 00:28:22,143 お預かりとなったので ございます> 254 00:28:24,083 --> 00:28:30,089 此度の働き 大儀であった。 はっ 255 00:28:30,089 --> 00:28:33,089 傷は もう よいのか? はい 256 00:28:35,094 --> 00:28:40,099 江戸表の父御に 書状を送ったぞ。 そなたの働きぶりを知れば➡ 257 00:28:40,099 --> 00:28:45,104 瀬左衛門殿も さぞ 喜ぶであろう。 はっ 258 00:28:45,104 --> 00:28:51,610 ところでな 銀次郎。 そなた… お家のために 働いてみぬか? 259 00:28:51,610 --> 00:28:55,114 え? そなたほどの者が➡ 260 00:28:55,114 --> 00:28:58,117 生涯 部屋住みで終わるは いかにも 惜しい。 261 00:28:58,117 --> 00:29:02,117 どうじゃ? 別家を立てても よいぞ。 262 00:29:07,126 --> 00:29:13,632 身に余る お言葉にございますが その儀は ご辞退申し上げます。 263 00:29:13,632 --> 00:29:20,139 なに? 某 剣の道に生きるが 望みでございますれば…。 264 00:29:20,139 --> 00:29:25,077 しかしのう…。 石渡様 この男に ご奉公は 勤まりますまい。 265 00:29:25,077 --> 00:29:30,082 うん? お役目を終えるやいなや さっさと 料理屋に➡ 266 00:29:30,082 --> 00:29:34,086 居候を決め込むような男です。 なんと…。 267 00:29:34,086 --> 00:29:37,089 宮仕えなんぞ とんと 向きませぬ。 268 00:29:37,089 --> 00:29:41,089 さようか…。 惜しいがのう。 269 00:29:45,097 --> 00:29:52,097 石渡様 願いの儀が ございます。 何じゃ? 遠慮のう申せ。 270 00:29:54,106 --> 00:30:03,106 この後 お家が平らかであるよう 某 心よりの願いにござります。 271 00:30:05,117 --> 00:30:10,117 相分かった。 殿に しかと 言上致す。 272 00:30:13,125 --> 00:30:20,632 <数日の後 お殿様が お国入りを 果たされ 多喜様と お子は➡ 273 00:30:20,632 --> 00:30:24,132 「お構いなし」となりました> 274 00:30:30,075 --> 00:30:33,579 多喜様…。 はい。 275 00:30:33,579 --> 00:30:35,579 これを…。 276 00:30:39,084 --> 00:30:46,091 亡くした子のものです。 お嫌でなかったら 坊やに…。 277 00:30:46,091 --> 00:30:51,091 杉江様…。 お荷物になりますけど…。 278 00:30:55,100 --> 00:30:57,100 私…。 279 00:31:00,105 --> 00:31:03,105 江戸に参っても よいのでしょうか。 280 00:31:05,611 --> 00:31:12,117 何もかも 忘れて 江戸で やり直すなぞ。 281 00:31:12,117 --> 00:31:14,117 多喜様…。 282 00:31:17,623 --> 00:31:29,123 ここで… 父や 御家老様の菩提を 弔うのが 私の役目ではないかと。 283 00:31:33,138 --> 00:31:40,145 これは 初節句の時のもの。 284 00:31:40,145 --> 00:31:46,151 ♬~ 285 00:31:46,151 --> 00:31:53,158 これは… 3歳の年に 着ていたもの。 286 00:31:53,158 --> 00:31:58,163 ♬~ 287 00:31:58,163 --> 00:32:08,173 ああ これには 一度も 袖を通さないまま…。 288 00:32:08,173 --> 00:32:14,179 ♬~ 289 00:32:14,179 --> 00:32:21,179 どの着物にも… 亡くした子の思い出があって…。 290 00:32:23,122 --> 00:32:29,128 ずっと 手放さずに おりました。 291 00:32:29,128 --> 00:32:34,133 ♬~ 292 00:32:34,133 --> 00:32:41,140 近ごろ… ようやく 気づきましたの。 293 00:32:41,140 --> 00:32:44,143 ♬~ 294 00:32:44,143 --> 00:32:49,143 形見の品は… なくともよいと。 295 00:32:51,150 --> 00:33:04,163 あの子のことは なにもかも… ここに… ずっと…。 296 00:33:04,163 --> 00:33:07,166 ♬~ 297 00:33:07,166 --> 00:33:14,173 私が生きているかぎり… ず~っと…。 298 00:33:14,173 --> 00:33:45,137 ♬~ 299 00:33:45,137 --> 00:33:47,139 ≪(鈴の音) 300 00:33:47,139 --> 00:33:51,639 (加代)さあ こちらに。 301 00:33:54,146 --> 00:33:57,149 アハハハ。 よう 一別以来。 302 00:33:57,149 --> 00:34:01,153 一別以来ではないわ。 どこに雲隠れしたかと思えば… 303 00:34:01,153 --> 00:34:04,156 水くさいヤツだ。 わが家に泊まればよいものを。 304 00:34:04,156 --> 00:34:08,160 そうもいかんさ。 どうだ 飲まんか? 305 00:34:08,160 --> 00:34:10,162 頂こう。 お酒 お持ち致しましょうか。 306 00:34:10,162 --> 00:34:14,666 ああ 頼む。 どうぞ ごゆるりと。 307 00:34:14,666 --> 00:34:16,666 さあ 飲め ほら。 うん。 308 00:34:23,108 --> 00:34:30,115 お家は この先 安泰であろうかのう。 309 00:34:30,115 --> 00:34:33,115 先のことは 分からんさ。 310 00:34:36,121 --> 00:34:45,121 伯父御は あの夜 最期に 麟太郎の名を呼んだ。 311 00:34:51,136 --> 00:34:57,136 伯父御とて 昔は 欲に溺れる人ではなかった。 312 00:34:59,144 --> 00:35:08,144 なれど どこで 道を踏み違えたか 己の欲のままに 悪行を重ね…。 313 00:35:12,157 --> 00:35:19,157 弱いもんだな 人の心は…。 うむ。 314 00:35:21,166 --> 00:35:27,166 伯父御ばかりではない。 この俺もだ。 315 00:35:29,107 --> 00:35:35,113 矢野の門弟を脅したり たくらみを巡らすのを…➡ 316 00:35:35,113 --> 00:35:39,117 実は 少々 楽しんでおった。 317 00:35:39,117 --> 00:35:45,123 楽しむ? 謀や 駆け引きの類は➡ 318 00:35:45,123 --> 00:35:50,629 性に合わぬと思うたが… いつのまにか 人を 意のままに➡ 319 00:35:50,629 --> 00:36:00,129 操る面白さに 酔うておった。 …己の心が 恐ろしゅうなった。 320 00:36:02,140 --> 00:36:10,140 ワシも 同じよ。 楽しんでおった。 少しばかりはな。 321 00:36:12,150 --> 00:36:20,150 秘太刀に 取り憑かれて しもうたのだ ワシも おぬしも…。 322 00:36:25,097 --> 00:36:33,105 ≪(銀次郎と加代と 半十郎の笑い声) 323 00:36:33,105 --> 00:36:38,610 (笑い声) ほらほら 飲め飲め飲め。 324 00:36:38,610 --> 00:36:42,614 銀次郎様。 うん? 江戸に戻られましたら➡ 325 00:36:42,614 --> 00:36:47,119 また 剣の修行でございますか? いや 次男坊の冷や飯食いで➡ 326 00:36:47,119 --> 00:36:52,124 ほかに することもない。 (2人の笑い声) 327 00:36:52,124 --> 00:36:57,129 おぬしは 気楽でよいが ワシは 近ごろ➡ 328 00:36:57,129 --> 00:37:00,132 宮仕えが つくづく 嫌になってきた。 329 00:37:00,132 --> 00:37:06,138 弱音を吐いていると 杉江殿に 尻をたたかれる。 そうじゃな。 330 00:37:06,138 --> 00:37:08,140 (2人の笑い声) 331 00:37:08,140 --> 00:37:14,146 銀次郎様から 伺っております。 よくできた お内儀さんだそうで。 332 00:37:14,146 --> 00:37:17,649 いや~…。 (2人の笑い声) 333 00:37:17,649 --> 00:37:25,090 それで 銀次郎様は いかが なんでしょうかね。 うん? 334 00:37:25,090 --> 00:37:31,096 お多喜様のことです。 ご一緒に 江戸に行かれるとか…。 335 00:37:31,096 --> 00:37:35,100 おう そうじゃ。 おぬし お多喜殿を どうする? 336 00:37:35,100 --> 00:37:39,100 嫁に迎えるか? おい 337 00:37:41,106 --> 00:37:47,612 先のことは 分からんさ。 まあっ とぼけて 338 00:37:47,612 --> 00:37:52,117 妬けますねえ アイタタタタ…。 339 00:37:52,117 --> 00:37:54,117 (2人の笑い声) 340 00:38:05,130 --> 00:38:07,130 旦那様…。 341 00:38:12,137 --> 00:38:17,142 麟太郎は… 元気に育っております。 342 00:38:17,142 --> 00:38:19,142 ほれ…。 343 00:38:23,081 --> 00:38:25,081 どうぞ ご安心下さいませ。 344 00:38:34,092 --> 00:38:40,092 父の墓にも 参ってきました。 何を話してきた? 345 00:38:42,100 --> 00:38:48,100 「父上のこと いつも 思うております」と…。 346 00:38:51,109 --> 00:38:55,109 「どこで暮らしても いつまでも…」。 347 00:38:58,116 --> 00:39:08,116 そうか…。 多喜。 はい。 348 00:39:10,128 --> 00:39:12,128 ああ…。 349 00:39:19,137 --> 00:39:21,139 江戸に参ろう 350 00:39:21,139 --> 00:39:23,139 (やまびこ) 351 00:39:26,077 --> 00:39:30,077 共に… 江戸へ…。 352 00:39:44,596 --> 00:39:46,596 はい。 353 00:39:50,101 --> 00:39:56,107 (銀次郎の笑い声) 354 00:39:56,107 --> 00:40:07,118 ♬~ 355 00:40:07,118 --> 00:40:13,124 世話になったな。 なんの。 江戸まで 130里か。 356 00:40:13,124 --> 00:40:15,126 遠いのう。 うん…。 357 00:40:15,126 --> 00:40:22,067 道中 堅固でな。 おぬしも 達者でな。 358 00:40:22,067 --> 00:40:27,072 杉江殿を大事にな。 分かっておる。 アハハハ。 359 00:40:27,072 --> 00:40:31,576 直坊 ほれ…。 (直江)うわ~っ 360 00:40:31,576 --> 00:40:35,080 アハハ 直坊も 達者でな。 はい 361 00:40:35,080 --> 00:40:39,084 お元気で…。 杉江様も…。 362 00:40:39,084 --> 00:40:42,087 ♬~ 363 00:40:42,087 --> 00:40:46,087 そろそろ 参ろうか。 はい。 364 00:40:48,093 --> 00:40:54,099 では いずれまた…。 うむ いずれ…。 365 00:40:54,099 --> 00:40:58,603 ♬~ 366 00:40:58,603 --> 00:41:00,605 さあ…。 367 00:41:00,605 --> 00:41:04,609 ♬~ 368 00:41:04,609 --> 00:41:08,613 (加代)清次 (清次)「喧嘩と博打は ご法度。➡ 369 00:41:08,613 --> 00:41:11,616 江戸まで お送り申したら すぐに戻ってこい」だろ? 370 00:41:11,616 --> 00:41:15,120 それと…。 「寝る時は 腹巻き」。 371 00:41:15,120 --> 00:41:17,120 分かってるよ 姉ちゃん。 372 00:41:19,124 --> 00:41:21,126 ほれ ありがてえ。 373 00:41:21,126 --> 00:41:26,131 ♬~ 374 00:41:26,131 --> 00:41:31,136 夫婦のようじゃな あの2人。 ええ。 375 00:41:31,136 --> 00:41:36,141 旦那様…。 なんじゃ。 376 00:41:36,141 --> 00:41:41,146 赤子を もう一人 育てとうなりました。 377 00:41:41,146 --> 00:41:47,152 子を授けて下さいませ。 杉江… いきなり 何を…。 378 00:41:47,152 --> 00:42:04,169 ♬~ 379 00:42:04,169 --> 00:42:14,179 (ツバメの鳴き声) 380 00:42:14,179 --> 00:42:22,120 ツバメか…。 美しいところだ 国もとは…。 381 00:42:22,120 --> 00:42:24,122 行こうか…。 382 00:42:24,122 --> 00:42:26,124 痛っ 383 00:42:26,124 --> 00:43:51,124 ♬~