1 00:00:02,202 --> 00:00:14,414 ♬~ (テーマ音楽) 2 00:00:14,414 --> 00:01:13,407 ♬~ 3 00:01:18,111 --> 00:01:21,148 (宗俊) くそぉ これじゃ闇討ちじゃねえか え。➡ 4 00:01:21,148 --> 00:01:25,986 そもそも 日本とソ連の間にはな 日ソ不可侵条約ってもんがあるんだ。 5 00:01:25,986 --> 00:01:28,622 そうだろ! え 中の湯。 (友男)あたぼうよ。 6 00:01:28,622 --> 00:01:31,959 ソ連がドイツに やられてた時によ 日本が そのケツを ちょいとたたけば➡ 7 00:01:31,959 --> 00:01:33,894 完全にお手上げだったんだ ソ連は。 8 00:01:33,894 --> 00:01:39,132 だけど日本はよ その条約を守って 同盟国のドイツに 手を貸さなかったんだ。 9 00:01:39,132 --> 00:01:42,035 こんなバカな話が どこにあるってんだ。 寄ってたかりやがって え➡ 10 00:01:42,035 --> 00:01:44,004 やつらのすることは まるで おおかみだ。 ああ。 11 00:01:44,004 --> 00:01:48,141 (トシ江)せっかく正大は 満州に行けて いいあんばいだって思ってたのにね…。 12 00:01:48,141 --> 00:01:52,446 なに 大丈夫だい。 な。 満州は まだ内地と違ってな 無傷だ。 13 00:01:52,446 --> 00:01:55,148 それにおめえ 世界一強えってぇ 関東軍がいるんだ。 14 00:01:55,148 --> 00:01:58,652 満州は絶対安心だ。 正大のことは心配いらねえ。 15 00:01:58,652 --> 00:02:02,255 (巳代子)それじゃ 行ってきます。 あっ 警報が出てるから気ぃ付けてね。 16 00:02:02,255 --> 00:02:04,191 はい。 巳代ちゃん➡ 17 00:02:04,191 --> 00:02:06,593 落下傘のついたのが新型爆弾だからな。 18 00:02:06,593 --> 00:02:09,096 そういうのが落ちてきたらな どこのうちでも構わねえから➡ 19 00:02:09,096 --> 00:02:11,031 飛び込んで 光避けなきゃ駄目だぞ。 はい。 20 00:02:11,031 --> 00:02:13,400 さあ。 21 00:02:13,400 --> 00:02:15,469 気ぃ付けんだよ。 (巳代子)はい。 それじゃ➡ 22 00:02:15,469 --> 00:02:18,939 行ってきます!おう 行っといで。 (トシ江)行っといで。 23 00:02:18,939 --> 00:02:23,810 河内山 おめえ 出かけねえのかよ。 24 00:02:23,810 --> 00:02:26,113 警報が出てるじゃねえか。 25 00:02:26,113 --> 00:02:28,148 出てるったって 巳代子ちゃん 出かけたじゃねえかよ。 26 00:02:28,148 --> 00:02:31,418 俺は今 考え事してんだ。 何を? 27 00:02:31,418 --> 00:02:33,353 いろいろなことをだよ。 28 00:02:33,353 --> 00:02:36,289 ハッ 考える間があったら もっちゃんに 聞いた方が早いんじゃねえか。 29 00:02:36,289 --> 00:02:39,960 (トシ江)元子は ゆうべ泊まりでね まだ帰ってないんですよ。 30 00:02:39,960 --> 00:02:42,863 ヘッ そんじゃ どうしようもねえや。 31 00:02:42,863 --> 00:02:44,831 どうしようもねえって 一体どういうことだ え? 32 00:02:44,831 --> 00:02:47,300 (友男)おめえが考えたって どうなるわけでもあるめえ。 33 00:02:47,300 --> 00:02:49,302 てめえこそ 御託並べてる間があったら え➡ 34 00:02:49,302 --> 00:02:51,805 焚きもんでも拾い集めてきやがれ この野郎。 35 00:02:51,805 --> 00:02:54,708 大きなお世話だ このとうへんぼく! とうへんぼくだ? 36 00:02:54,708 --> 00:02:56,677 (友男)ああ。 この野郎 黙って聞いてりゃ…。 37 00:02:56,677 --> 00:02:58,679 な… 何するの! 何だ てめえ…。 38 00:02:58,679 --> 00:03:01,481 ソ連の参戦は ヤルタ会談における➡ 39 00:03:01,481 --> 00:03:04,751 アメリカ イギリスとの 約束によるもので➡ 40 00:03:04,751 --> 00:03:09,256 日本政府は 当然予想していたものの それらの事情は➡ 41 00:03:09,256 --> 00:03:13,460 無論 宗俊辺りには知る由もありません。 42 00:03:15,062 --> 00:03:18,765 (本多)室長! どうでした 結果は。 43 00:03:20,967 --> 00:03:25,405 やはり閣議では? (立花)ああ。 これ以上 戦争を続けると➡ 44 00:03:25,405 --> 00:03:31,111 日本は滅亡するということで 首相は 陛下のご決裁を仰いだらしい。 45 00:03:31,111 --> 00:03:34,147 すると ポツダム宣言を? 46 00:03:34,147 --> 00:03:38,418 大御心は ご受諾を決意されたと 漏れ承ったが➡ 47 00:03:38,418 --> 00:03:44,291 恐らく軍部は 阿南陸相を突き上げて このまま引き下がるとは思えないね。 48 00:03:44,291 --> 00:03:49,162 事実 阿南陸相は 戦争終結に激しく抵抗し➡ 49 00:03:49,162 --> 00:03:55,869 閣議は 紛糾に紛糾を重ねた結果 一つの方向を見いだしたのですが…。 50 00:04:00,240 --> 00:04:03,076 7時のニュースを読む放送員は誰ですか。 51 00:04:03,076 --> 00:04:05,979 失礼ですが どんなご用件ですか? 52 00:04:05,979 --> 00:04:09,583 あなたが当番ですか。 いえ 私は放送員室長です。 53 00:04:09,583 --> 00:04:13,253 7時に 情報局総裁の談話が 発表されると聞いたが➡ 54 00:04:13,253 --> 00:04:16,256 順はどうなっておりますか。 順… と申しますと? 55 00:04:16,256 --> 00:04:18,391 阿南陸相布告との順です。 56 00:04:18,391 --> 00:04:22,095 ああ それでしたら まず情報局総裁の談話があって➡ 57 00:04:22,095 --> 00:04:24,131 そのあとに 陸相布告ということになっております。 58 00:04:24,131 --> 00:04:27,901 それでは それを逆にしていただきたい。 59 00:04:27,901 --> 00:04:30,403 (立花)いや 失礼ですが…。 逆にしていただきたい。 60 00:04:30,403 --> 00:04:32,339 お断りいたします。 61 00:04:32,339 --> 00:04:34,941 逆にしてほしいと 自分はお願いしてるんです。 62 00:04:34,941 --> 00:04:37,978 (元子)室長がお断りした以上 放送員は順を変更することはできません。 63 00:04:37,978 --> 00:04:42,415 婦女子は引っ込んでいてくれ。 婦女子でも私たちは放送員です! 64 00:04:42,415 --> 00:04:49,623 よ~し では 自分が責任を取るから 君 阿南陸相の布告を一番に読んでくれ。 65 00:04:49,623 --> 00:04:51,558 そんなこと できるわけないでしょ! 66 00:04:51,558 --> 00:04:54,127 桂木君。 室長! 67 00:04:54,127 --> 00:04:57,998 大変申し訳ないんですが 報道の編成は 報道部に権限があって➡ 68 00:04:57,998 --> 00:05:00,367 私たちには いかんともできないんです。 69 00:05:00,367 --> 00:05:04,571 その報道で らちが明かないから 直接 自分は放送員に頼みに来たんです。 70 00:05:04,571 --> 00:05:09,376 では一応 報道部と検討いたしますが 何しろ 放送時間が迫っておりますし。 71 00:05:09,376 --> 00:05:12,245 そこを 曲げてお願いしたい。 72 00:05:12,245 --> 00:05:16,750 しかし 陸相は このことをご存じなんですか? 73 00:05:16,750 --> 00:05:21,755 責任は自分が取る。 自分は 命を懸けて頼んでる。 74 00:05:24,090 --> 00:05:27,928 分かりました。 では 時間もありませんし➡ 75 00:05:27,928 --> 00:05:31,798 一応 私と一緒に 報道部へおいでくださいませんか。 76 00:05:31,798 --> 00:05:36,102 沢野君 放送の準備に入ってくれたまえ。 (沢野)分かりました。 77 00:05:36,102 --> 00:05:38,805 さあ どうぞ。 78 00:05:46,279 --> 00:05:48,281 本多先生。 79 00:05:48,281 --> 00:05:52,619 室長のことだ 大丈夫だよ。 でも あんまりです。 80 00:05:52,619 --> 00:05:55,121 あんまりなのは君の方さ。 81 00:05:55,121 --> 00:05:57,958 意外と気が強いんだね。 こっちの方が 肝が冷えたよ。 82 00:05:57,958 --> 00:06:02,562 だって 私たちだって 国のために働いてるんです。 それなのに。 83 00:06:02,562 --> 00:06:06,433 まあ これからは同じように 国のためを考えながら➡ 84 00:06:06,433 --> 00:06:08,735 いろいろ食い違いが出てくると思う。➡ 85 00:06:08,735 --> 00:06:13,573 しかしだ 我々は室長の指示に従って動く。 いいね。 86 00:06:13,573 --> 00:06:15,508 はい。 87 00:06:15,508 --> 00:06:21,748 阿南陸軍大臣は 全軍将兵に向けて 次のような布告を発しました。 88 00:06:21,748 --> 00:06:26,086 「ソ連 ついに矛をとって皇軍に冠す…。➡ 89 00:06:26,086 --> 00:06:30,257 たとえ草をはみ 土をかじり 野に伏するとも➡ 90 00:06:30,257 --> 00:06:35,395 断じて戦うところ 死中自ずから活あるを信ず。➡ 91 00:06:35,395 --> 00:06:38,598 これすなわち 七生報国…」。 92 00:06:38,598 --> 00:06:41,101 事故があっては 何にもならんからね。 93 00:06:41,101 --> 00:06:44,404 それに 時間もなかったし 要求どおりにしたよ。 94 00:06:44,404 --> 00:06:48,775 そのかわり 9時のニュースは 情報局総裁の方を先にする。 95 00:06:48,775 --> 00:06:50,810 いや 新聞社の方にも 軍の方からは➡ 96 00:06:50,810 --> 00:06:53,113 陸相布告をトップにしろと 言ってきてるし➡ 97 00:06:53,113 --> 00:06:55,782 内閣書記官長は それを差し止めろと言ってきてるし➡ 98 00:06:55,782 --> 00:06:58,818 だいぶん混乱してるらしいです。 それよりだね➡ 99 00:06:58,818 --> 00:07:03,523 報道部で 陸相に連絡をしたところ そんな布告は知らんとさ。 100 00:07:03,523 --> 00:07:06,226 え!(本多)何ですって!? (のぼる)どういうことなんですか 一体! 101 00:07:06,226 --> 00:07:09,896 それだけ ラジオの持つ力が大きいということだ。 102 00:07:09,896 --> 00:07:12,232 まあ これから いろんなことがあるだろうが➡ 103 00:07:12,232 --> 00:07:14,734 こんなことは序の口かも分からんぞ。 104 00:07:14,734 --> 00:07:18,605 しかし 慌てないことだ。 はい。 105 00:07:18,605 --> 00:07:23,076 けど案外 逆効果になるかもしれんな。 どういうことですか? 106 00:07:23,076 --> 00:07:25,378 総裁談話は 後から放送することにより➡ 107 00:07:25,378 --> 00:07:27,747 陸相布告を 否定する形になるじゃないですか。 108 00:07:27,747 --> 00:07:31,084 あ~ なるほどね。 ハハハ そうか。 109 00:07:31,084 --> 00:07:33,019 (笑い声) 110 00:07:33,019 --> 00:07:38,825 このしたたかさ やはり男だと 元子は思いました。 111 00:07:38,825 --> 00:07:43,396 (ラジオ・沢野)「では続きまして 情報局下村総裁の談話を➡ 112 00:07:43,396 --> 00:07:47,767 お伝えいたします。 『敵米英は…』」。 113 00:07:47,767 --> 00:07:54,541 情報局の内容は 原爆投下と ソ連参戦という現実に直面して➡ 114 00:07:54,541 --> 00:07:56,943 降伏という表現がないものの➡ 115 00:07:56,943 --> 00:08:01,348 終戦へ向けての 予備放送とも言えるものでした。 116 00:08:01,348 --> 00:08:09,656 (原稿を下読みする声) 117 00:08:12,559 --> 00:08:14,494 どうかしたんですか? 118 00:08:14,494 --> 00:08:17,230 これだよ。 とうとう これだ。 119 00:08:17,230 --> 00:08:22,902 まさか…。 そのまさかのまさかで 日本は終わりだ。 120 00:08:22,902 --> 00:08:24,938 (本多)室長。 121 00:08:24,938 --> 00:08:29,242 外務省の指示で 今 ポツダム宣言受諾を 海外放送で放送してる。 122 00:08:29,242 --> 00:08:32,145 (のぼる)外務省? 軍の検閲を受けずにですか? 123 00:08:32,145 --> 00:08:35,048 ああ 一刻を争うからね。 124 00:08:35,048 --> 00:08:37,751 まあ いずれ軍が ストップをかけてくるだろうが➡ 125 00:08:37,751 --> 00:08:41,921 協会としては 止められるまで 海外向け放送に入れる覚悟だ。 126 00:08:41,921 --> 00:08:45,759 じゃあ 外国では もうその放送を? ああ。 127 00:08:45,759 --> 00:08:51,264 日本お手上げのニュースは 今頃 全世界を駆け回ってるだろう。 128 00:08:51,264 --> 00:08:53,199 六根…。 129 00:08:53,199 --> 00:08:57,404 (立花)立山君のご両親は大連だったな。 はい。 130 00:08:57,404 --> 00:09:01,274 (立花)大丈夫。 降参した以上 戦争は停止になるだろうし➡ 131 00:09:01,274 --> 00:09:05,211 それだけ 被害も 少なく食い止められるってもんだ。 132 00:09:05,211 --> 00:09:07,213 はい…。 133 00:09:07,213 --> 00:09:11,885 しかしね… こんな結果に終わるとは。 134 00:09:11,885 --> 00:09:15,221 私もです。 勝つとは考えられませんでしたけど➡ 135 00:09:15,221 --> 00:09:17,157 まさか降参するなんて。 136 00:09:17,157 --> 00:09:22,095 広島 長崎の被害は 予想以上にひどいらしい。 ええ。 137 00:09:22,095 --> 00:09:26,232 そいつを 今度は東京に落とすと 敵は言ってきてるんだ。 138 00:09:26,232 --> 00:09:31,905 それに ポツダム宣言受諾は 陛下のご意志でもあるわけなんだから。➡ 139 00:09:31,905 --> 00:09:36,242 まあ 負けるなら負けるで これ以上 被害を大きくすることもないだろう。➡ 140 00:09:36,242 --> 00:09:41,748 いや むしろ遅すぎたのかも分からんな。 141 00:09:41,748 --> 00:09:45,385 (本多) これからは どうなるんでしょうかね。 142 00:09:45,385 --> 00:09:51,191 いや そいつは さっぱり分からんが いずれ占領されるんだろうし➡ 143 00:09:51,191 --> 00:09:54,093 少なくとも 我々放送員は ラジオを通じて➡ 144 00:09:54,093 --> 00:09:58,765 アメリカの悪口を言いたい放題言って 戦争に協力してきたんだから➡ 145 00:09:58,765 --> 00:10:00,700 下手をすると絞首刑かな。 146 00:10:00,700 --> 00:10:03,403 嫌です! 室長が絞首刑になるぐらいだったら➡ 147 00:10:03,403 --> 00:10:05,472 私たち 最後まで戦います! (立花)桂木君。 148 00:10:05,472 --> 00:10:10,110 だって 戦争なんだから 敵の悪口を 言うのは当然じゃありませんか。 149 00:10:10,110 --> 00:10:13,146 それに 欧米には 戦って 後 降伏しても➡ 150 00:10:13,146 --> 00:10:16,282 それは恥辱ではないという思想があると 私 聞いています。 151 00:10:16,282 --> 00:10:18,785 そう むきになりなさんな。 152 00:10:18,785 --> 00:10:22,121 要するに 日本は開闢以来 外国に負けたことがないんだから➡ 153 00:10:22,121 --> 00:10:25,959 誰にも見当がつかんのさ。 でも…。 154 00:10:25,959 --> 00:10:31,764 いや いずれにせよ 国としても 公式に 国民に知らせることになるだろうな。 155 00:10:31,764 --> 00:10:36,436 どんな混乱が起きるか そいつは全く予想がつかない。 156 00:10:36,436 --> 00:10:38,371 はい。 157 00:10:38,371 --> 00:10:43,143 まあ だから 我々放送員としては➡ 158 00:10:43,143 --> 00:10:47,647 ここまで来た以上 国民に真実を伝えなきゃならない。 159 00:10:47,647 --> 00:10:52,519 言ってみれば 最後の幕引き役だ。➡ 160 00:10:52,519 --> 00:10:59,159 とにかく みんな落ち着いて 私の指揮に従ってほしい。 いいね。 161 00:10:59,159 --> 00:11:03,997 ☎ 162 00:11:03,997 --> 00:11:06,900 はい もしもし 人形町 吉宗でございます。 163 00:11:06,900 --> 00:11:09,269 ☎あっ 私 元子です。 164 00:11:09,269 --> 00:11:11,204 ああ 何かあったの? 165 00:11:11,204 --> 00:11:15,074 うん 仕事で 2~3日帰れないかも分かんないの。 166 00:11:15,074 --> 00:11:18,978 別に心配しなくてもいいけど 着替え ついでがあったら➡ 167 00:11:18,978 --> 00:11:21,414 モンパリまで 届けといてもらえないかしら。 168 00:11:21,414 --> 00:11:23,483 ☎あそこなら 走っても取りに行けるし。 169 00:11:23,483 --> 00:11:27,620 ああ それは構わないんだけど 何かあったの? 170 00:11:27,620 --> 00:11:30,290 うん…。 171 00:11:30,290 --> 00:11:33,192 都合で 泊まり番が増えちゃったのよ。 172 00:11:33,192 --> 00:11:35,161 ☎(トシ江)それは大変だ。 173 00:11:35,161 --> 00:11:37,964 ☎だから くれぐれも気を付けてね。 174 00:11:37,964 --> 00:11:39,899 それは あんたの方でしょう。 175 00:11:39,899 --> 00:11:47,674 だけど… もうちょっとの辛抱だから お母さんも頑張ってよ。 176 00:11:47,674 --> 00:11:51,978 元子…? ☎そんじゃ おやすみなさい。 177 00:11:51,978 --> 00:11:55,848 ああ おやすみ…。 178 00:11:55,848 --> 00:12:09,362 ♬~ 179 00:12:12,098 --> 00:12:19,973 その夜遅く 16期生東京組は 続々と集まってきていました。 180 00:12:19,973 --> 00:12:22,742 (和代)しばらくだわ ガンコ。 しばらく。 181 00:12:22,742 --> 00:12:26,279 泊まりの時 和代が明けだから 私たち 顔合わせられなかったもんね。 182 00:12:26,279 --> 00:12:29,282 (房江)ふれちゃん どうしてる? (のぼる)元気で頑張ってるみたい。 183 00:12:29,282 --> 00:12:33,152 (悦子)でも 広島の三重子 まだ消息 分かってないんでしょう? 184 00:12:33,152 --> 00:12:36,623 (恭子)ええ… 放送局は全壊だったっていうし➡ 185 00:12:36,623 --> 00:12:39,525 うちにいたとしても 彼女は市内だって言ってたから。 186 00:12:39,525 --> 00:12:41,794 うん…。 187 00:12:41,794 --> 00:12:43,730 こうなれば 早いとこ はっきりと 片をつけた方が➡ 188 00:12:43,730 --> 00:12:45,665 一人でも助けられるんだし。 189 00:12:45,665 --> 00:12:48,434 けど 2~3日はかかるんだって。 (喜美代)どうして? 190 00:12:48,434 --> 00:12:52,639 うん 政府は いきなり敗戦を告げるよりは➡ 191 00:12:52,639 --> 00:12:56,309 少しずつ国民の気持ちを その方向へ向けようとしているらしいの。 192 00:12:56,309 --> 00:13:00,246 だって そんなことしてるうちに もし 新型爆弾でも落とされたらどうするの。 193 00:13:00,246 --> 00:13:05,985 でも そうされないために 海外放送で ポツダム宣言受諾の放送をしたんでしょ。 194 00:13:05,985 --> 00:13:10,256 だけど 軍部は このままじゃ おさまらないんじゃないかしら。 195 00:13:10,256 --> 00:13:12,759 (ノック) はい。 196 00:13:14,594 --> 00:13:17,263 あっ。(洋三)こんばんは。 モンパリのおじ様。元子は? 197 00:13:17,263 --> 00:13:19,932 はい。 こんばんは! すいません。 198 00:13:19,932 --> 00:13:22,602 私 取りに行くつもりだったのに。 いいんだよ 散歩のついで。 199 00:13:22,602 --> 00:13:28,274 はい こっちかな。 これは六根。 どうも すいません。ううん。 200 00:13:28,274 --> 00:13:34,147 それより いよいよだね。 おじ様…。 201 00:13:34,147 --> 00:13:37,984 うちの短波にね あの放送入ったんだ。 じゃあ…。 202 00:13:37,984 --> 00:13:42,121 うん いよいよ 来るべき時が来たって感じだな。 203 00:13:42,121 --> 00:13:45,158 まさか うちの河内山には…。 いや。 204 00:13:45,158 --> 00:13:49,862 今 叔父さんにできるのは あと何時間か何日か➡ 205 00:13:49,862 --> 00:13:54,133 とにかく 一人でも 無駄死にや 無駄なけがをしないように➡ 206 00:13:54,133 --> 00:13:57,637 それとなく注意することだよ。 ええ…。 207 00:13:57,637 --> 00:14:01,240 で 決着がつくまで 2人は帰んないつもり? 208 00:14:01,240 --> 00:14:03,242 どんな形で決着がつくか 分からないけど➡ 209 00:14:03,242 --> 00:14:07,580 私… 最後まで マイクと一緒にいるつもり。 210 00:14:07,580 --> 00:14:11,918 私も そうです。 それに ここにいたら 満州の様子も分かると思って。 211 00:14:11,918 --> 00:14:15,788 うん 分かった。 じゃあ くれぐれも気を付けてね。 212 00:14:15,788 --> 00:14:18,791 ありがとう 叔父さん。 (洋三)頼んだよ。 213 00:14:18,791 --> 00:14:20,927 この先どうなるか分かんないけれど➡ 214 00:14:20,927 --> 00:14:26,799 とにかく最後まで 希望は失わないこと。 いいね。 215 00:14:26,799 --> 00:14:30,937 はい。 じゃあ これで帰るから。 216 00:14:30,937 --> 00:14:34,774 気ぃ付けてね。うん。 おば様に よろしく。 217 00:14:34,774 --> 00:14:38,077 おやすみ。 おやすみなさい。 218 00:14:40,947 --> 00:14:48,254 明日に向かい 元子は懸命に けなげな闘志をかきたてていました。