1 00:00:02,202 --> 00:00:13,614 ♬~ (テーマ音楽) 2 00:00:13,614 --> 00:01:13,273 ♬~ 3 00:01:13,273 --> 00:01:15,609 (元子)お父さん! (正道)申し訳ありません。 4 00:01:15,609 --> 00:01:17,544 今 事情を説明しますから ちょっと待ってください。 5 00:01:17,544 --> 00:01:20,113 (宗俊)さっきから 待て待て 待て待てと こっちゃあ あさっての分まで➡ 6 00:01:20,113 --> 00:01:23,150 待たされてるんだい! お父さん! 7 00:01:23,150 --> 00:01:25,919 申し訳ございません。 ただいま あちらに連れてまいりますので。 8 00:01:25,919 --> 00:01:27,988 起きやがれ! なにも こっちは謝る筋合いはねえんだい。 9 00:01:27,988 --> 00:01:30,123 (洋三)だからといってですよ 義兄さん。 うるせえ! 10 00:01:30,123 --> 00:01:32,059 別に 立ち聞きしたわけじゃねえがな➡ 11 00:01:32,059 --> 00:01:34,294 女なんて より取り見取りだって 言われたんだぞ。 12 00:01:34,294 --> 00:01:37,798 はばかりながら こちとらな 一山いくらの娘を育てちゃいねえんだ。 13 00:01:37,798 --> 00:01:40,133 そこまで言われてよ 無理にお願いするわけにいかねえんだ。 14 00:01:40,133 --> 00:01:42,169 さあ 帰るぞ。 おう 行くぜ モンパリの。 15 00:01:42,169 --> 00:01:44,304 バカも休み休み言いなさい! 16 00:01:44,304 --> 00:01:46,239 僕は あなたが そこまで出来損ないだと思わなかった。 17 00:01:46,239 --> 00:01:49,643 いいえ 叔父さん。 もっちゃん。 18 00:01:49,643 --> 00:01:52,145 大変 失礼いたしました。 19 00:01:52,145 --> 00:01:56,016 皆様には ご挨拶も致しませんうちに ご無礼を申し上げましたが➡ 20 00:01:56,016 --> 00:02:00,587 父が こう申しておりますので これで おいとまさせていただきます。 21 00:02:00,587 --> 00:02:02,522 ごめんくださいませ。 ガンコさん! 22 00:02:02,522 --> 00:02:05,092 もう いいんです。 (波津)ちょっと待ちなさい。 23 00:02:05,092 --> 00:02:07,027 もういいとは どぎゃんことですか。 24 00:02:07,027 --> 00:02:09,262 もういいってのは もういいってことですよ。 25 00:02:09,262 --> 00:02:12,466 おい 元子 行くぜ。 義兄さん ちょっと…。 26 00:02:15,602 --> 00:02:18,939 元子さん!ごめんなさい。 とんでもないことになってしまって。 27 00:02:18,939 --> 00:02:20,874 いや そんなことより とにかく戻ってください。 28 00:02:20,874 --> 00:02:23,810 話し合えば 誤解は解けます。 さあ そいつはどうかな。 29 00:02:23,810 --> 00:02:26,513 お父さん。 30 00:02:31,284 --> 00:02:33,954 元子さん。 大原さん。 31 00:02:33,954 --> 00:02:36,990 いけません。 このまま東京へ帰っちゃいけません。 32 00:02:36,990 --> 00:02:40,427 ええ 私も このままでは東京へ帰れません。 33 00:02:40,427 --> 00:02:43,330 でも ここに残れるわけもないでしょう。 34 00:02:43,330 --> 00:02:45,298 元子さん。 35 00:02:45,298 --> 00:02:48,301 とにかく 父に話をして 私は松江に残ります。 36 00:02:48,301 --> 00:02:50,971 決して ご迷惑はかけないつもり。 37 00:02:50,971 --> 00:02:55,142 どういう意味ですか それは。 例えば 住み込みでも何でもいいから➡ 38 00:02:55,142 --> 00:02:57,177 そこで 目いっぱい働きます。 39 00:02:57,177 --> 00:03:00,113 働くって 何する気ですか? 40 00:03:00,113 --> 00:03:02,582 日本橋の女は こういうもんだというところを➡ 41 00:03:02,582 --> 00:03:06,386 松江の方にも見ていただいて それで サッと引き揚げれば➡ 42 00:03:06,386 --> 00:03:09,923 父が 勝手に押しつけたがっていたとは 思われずに済むでしょう。 43 00:03:09,923 --> 00:03:12,759 それじゃあ 結局は物別れですよ。 いいえ。 44 00:03:12,759 --> 00:03:15,395 その時は一人では帰りません。 45 00:03:15,395 --> 00:03:19,266 正道さんの嫁には あの娘が一番ふさわしいと➡ 46 00:03:19,266 --> 00:03:21,268 ご本家の方にも見直していただいて➡ 47 00:03:21,268 --> 00:03:25,472 そうすれば 私 正道さんと一緒に帰れますもの。 48 00:03:28,275 --> 00:03:31,778 元子さん。 49 00:03:31,778 --> 00:03:34,815 正道 こぎゃんとこで何をしちょうだや。 50 00:03:34,815 --> 00:03:36,950 えっ… はい おばあさん。 51 00:03:36,950 --> 00:03:40,821 私はね 元子さんに 見せたいもんがああますだけんね➡ 52 00:03:40,821 --> 00:03:43,623 あんたはね 早いとこ お父さんとこ 行って➡ 53 00:03:43,623 --> 00:03:45,959 ご無礼をおわびしてきなさい。 54 00:03:45,959 --> 00:03:48,962 元子さん さあ こっちへ来さっしゃい。 いや…。 55 00:03:52,732 --> 00:03:56,970 (障子が開く音) 56 00:03:56,970 --> 00:04:01,575 桂木さん。 おう こっちなら大丈夫だからよ え➡ 57 00:04:01,575 --> 00:04:06,079 お前さんも一息入れたらな しっかりと詰めの方を頼むぜ。 58 00:04:06,079 --> 00:04:08,749 はっ? 今のはな➡ 59 00:04:08,749 --> 00:04:13,086 河内山宗俊 一世一代の駆け引きだ。 60 00:04:13,086 --> 00:04:15,756 駆け引き? ああ そうともよ。 61 00:04:15,756 --> 00:04:18,658 かわいい娘が ほれた相手だ え。 62 00:04:18,658 --> 00:04:23,497 いきがって仲を引き裂く親が どこにある え。 63 00:04:23,497 --> 00:04:27,267 あ… どうも 申し訳ありません。 64 00:04:27,267 --> 00:04:29,202 おう。 65 00:04:29,202 --> 00:04:32,139 元子さんも そば打ちなさあかね? 66 00:04:32,139 --> 00:04:34,407 いえ 拝見するのも初めてです。 67 00:04:34,407 --> 00:04:36,343 (波津)あ~ そげかね。 68 00:04:36,343 --> 00:04:43,116 松江ではね どげんなお客さんにでも まず そばが一番のもてなしだけんね。 69 00:04:43,116 --> 00:04:47,788 そばが打てんやなことでは 一家の主婦とは言われませんけんね。 70 00:04:47,788 --> 00:04:50,624 はい。 そば粉もね➡ 71 00:04:50,624 --> 00:04:54,127 初めは パラパラしちょうだども 練っていくうちに➡ 72 00:04:54,127 --> 00:04:57,798 自然に まとまってくうもんですけんね。 73 00:04:57,798 --> 00:05:00,367 はい。 74 00:05:00,367 --> 00:05:05,372 邦世さん ほんなら見せてあげてごしない。 (邦世)はい。 75 00:05:07,140 --> 00:05:11,978 ここらではね そばの三たてが おもてなしになっちょうますけんね。 76 00:05:11,978 --> 00:05:14,748 そばの三たて…。 はい。 77 00:05:14,748 --> 00:05:19,619 ひきたて 打ちたて ゆでたてで 三たて。 78 00:05:19,619 --> 00:05:22,088 はい…。 79 00:05:22,088 --> 00:05:25,959 初めは なかなか その加減が分からせんでしたども➡ 80 00:05:25,959 --> 00:05:31,398 おばあ様に そうは もてなす人の心で決まあと言われて➡ 81 00:05:31,398 --> 00:05:35,602 あとは だんだんと 自分のそばが打てえようになあました。 82 00:05:35,602 --> 00:05:38,405 お父様のお口に合あと いいんですがねえ。 83 00:05:38,405 --> 00:05:40,774 そんな…。 84 00:05:40,774 --> 00:05:43,276 ああ。 あっ いえ 私が。 85 00:05:43,276 --> 00:05:47,581 あっ… ああ すいません。 いえ。 86 00:05:51,785 --> 00:05:54,821 古い釜だらがね。 ええ。 87 00:05:54,821 --> 00:05:58,558 正道の産湯も その釜で沸かしましたけんね。 88 00:05:58,558 --> 00:06:02,429 まあ。 邦世の思いがけない言葉と➡ 89 00:06:02,429 --> 00:06:10,737 釜からの湯気が 元子の胸を温かくして やがて そばも出来上がり…。 90 00:06:10,737 --> 00:06:15,609 こげん田舎で 東京の方には お恥ずかしい次第でございますが➡ 91 00:06:15,609 --> 00:06:20,247 こちらでは 細く長く しっかと➡ 92 00:06:20,247 --> 00:06:23,917 おつきあいをお願いしたいいう いわれでございますけん。 93 00:06:23,917 --> 00:06:28,088 そうですか。 そういうことなら遠慮なく。 お父さん。 94 00:06:28,088 --> 00:06:32,259 昔っからな そばは出雲の手打ちそばってな➡ 95 00:06:32,259 --> 00:06:37,130 心を込めて打ってくだすったんだ 遠慮なく ごちそうになりましょう。 96 00:06:37,130 --> 00:06:41,601 ああ 先に薬味を そばの上へかけられて。 へいへい。 97 00:06:41,601 --> 00:06:44,638 その上から汁をかけて 上がってごしなさいませ。 98 00:06:44,638 --> 00:06:46,940 えっ 汁を上から? はい。 99 00:06:46,940 --> 00:06:49,843 それが こちらのそばの食べ方なんです。 ほうほう。 100 00:06:49,843 --> 00:06:52,279 ほんなら どうぞ ゆっくり召し上がってごしなさいませ。 101 00:06:52,279 --> 00:06:55,181 へい 頂戴いたします。 102 00:06:55,181 --> 00:07:02,355 え~っと こりゃ何だか… 面白いやり方だな。 103 00:07:02,355 --> 00:07:05,892 まあ 郷に入れば郷に従ってと…。 104 00:07:05,892 --> 00:07:08,595 さあ やっつけてみよう。 105 00:07:10,563 --> 00:07:13,233 うん こりゃ うめえや。 106 00:07:13,233 --> 00:07:16,069 うん さすが天下一品だよ 正道さん。 107 00:07:16,069 --> 00:07:18,371 はい 自分もそう思っております。 108 00:07:18,371 --> 00:07:20,307 一体 どういうつもりなの! 109 00:07:20,307 --> 00:07:24,244 バカ 今のおっ母さんの口上を聞いたか。 110 00:07:24,244 --> 00:07:28,915 細く長く しっかりとって これは縁起もんの挨拶だ。 111 00:07:28,915 --> 00:07:31,251 だったら どうして あんな騒ぎを起こしたんですか。 112 00:07:31,251 --> 00:07:34,154 それより 元子さん 祖母は 何を申しましたか。 113 00:07:34,154 --> 00:07:36,923 ああ 心配するな。 114 00:07:36,923 --> 00:07:39,592 「雨降って地固まる」 な。 115 00:07:39,592 --> 00:07:41,628 俺が あれだけのたんか切ったんだ。 116 00:07:41,628 --> 00:07:44,464 後は なるようになるさ。 なあ 正道さん。 117 00:07:44,464 --> 00:07:46,466 はい。 118 00:07:48,268 --> 00:07:56,943 さて 宗俊の江戸前けんかの売り方 答えは どのように出たのでしょうか。 119 00:07:56,943 --> 00:08:01,214 意地でも松江に踏みとどまるという 元子の決意も➡ 120 00:08:01,214 --> 00:08:04,884 波津の口から 大原家の親族会議に伝えられ➡ 121 00:08:04,884 --> 00:08:09,756 改めて 両家ご対面の席が設けられました。 122 00:08:09,756 --> 00:08:16,363 ♬~ 123 00:08:16,363 --> 00:08:18,298 頂戴いたします。 124 00:08:18,298 --> 00:08:48,762 ♬~ 125 00:08:48,762 --> 00:08:52,098 いや~ 結構なお服加減でやんした。 126 00:08:52,098 --> 00:08:55,001 いやいや 亭主としては➡ 127 00:08:55,001 --> 00:09:00,540 まことに爽やかな お客さんでございました 久々に。 128 00:09:00,540 --> 00:09:06,045 ほんにお見事な… 失礼でございますが お手前で。 129 00:09:06,045 --> 00:09:13,219 いえ… 昔っから 江戸染ってのは 粋筋 芸人が相手の商売でやんすから➡ 130 00:09:13,219 --> 00:09:19,559 あっしの師匠は 芳町のきれいどころ 歌舞伎の役者衆で➡ 131 00:09:19,559 --> 00:09:22,228 その ひっかき回す方は まるっきし駄目なんですが➡ 132 00:09:22,228 --> 00:09:28,368 まあ飲む方専門なら それだけは 父親が やかましく言いましたもんざんすからね。 133 00:09:28,368 --> 00:09:31,071 (忠之)はあ それはまた➡ 134 00:09:31,071 --> 00:09:33,973 一風変わった修業を されたもんでございますねえ。 135 00:09:33,973 --> 00:09:38,812 まあ ひっかき回す方は 娘の方は 少々できますもんですから➡ 136 00:09:38,812 --> 00:09:41,781 うちでも まあ 気が向いたら ちょいちょい➡ 137 00:09:41,781 --> 00:09:45,385 それでも 戦争からこっち こんな いいお茶は➡ 138 00:09:45,385 --> 00:09:47,754 とんと頂いたことはありませんやな。 139 00:09:47,754 --> 00:09:53,092 やっぱり 松江は 茶どころといいますでやんすからねえ。 140 00:09:53,092 --> 00:09:55,762 まあ そんなわけでして➡ 141 00:09:55,762 --> 00:09:58,798 こちら様に 無断で 仮祝言を挙げてしまったことは➡ 142 00:09:58,798 --> 00:10:01,101 重々 おわびを申し上げます。 143 00:10:01,101 --> 00:10:03,403 しかしながら 決して皆様方を➡ 144 00:10:03,403 --> 00:10:05,772 ないがしろにしていたわけでは ございません。 145 00:10:05,772 --> 00:10:09,609 何せ ちょいとした連絡にも 時間のかかる昨今➡ 146 00:10:09,609 --> 00:10:12,278 手紙で了承頂くのも かえって失礼かと存じまして➡ 147 00:10:12,278 --> 00:10:16,149 こうして 直接 お伺いしたわけでございまして➡ 148 00:10:16,149 --> 00:10:18,151 そこのところを おくみ取りいただきまして➡ 149 00:10:18,151 --> 00:10:21,621 よろしくお願いしたいんでございますが いかがなもんでございましょうか。 150 00:10:21,621 --> 00:10:26,125 (政久)そぎゃんこと言わしゃっても こげん祝儀 不祝儀は➡ 151 00:10:26,125 --> 00:10:30,964 昔から 親族が集まって話し合うのが 土地柄ですけんねえ。 152 00:10:30,964 --> 00:10:34,834 ですから そのことにつきましては 当方も よく分かりました。 153 00:10:34,834 --> 00:10:38,304 ご意見どおり ここは一旦 失礼をいたしまして➡ 154 00:10:38,304 --> 00:10:41,140 しかるべき所で ご返事をお待ちするということで。 155 00:10:41,140 --> 00:10:44,043 (武幸) いや しかるべきとこと言われてもねえ。 156 00:10:44,043 --> 00:10:48,314 いえ その気になりましたら 駅の待合室で一晩や二晩。 157 00:10:48,314 --> 00:10:50,984 (武幸)いや そぎゃんことしたら かえって大原家は➡ 158 00:10:50,984 --> 00:10:52,919 客のもてなし方を知っちょらんと➡ 159 00:10:52,919 --> 00:10:54,854 世間に 恥を さらすようなもんですけえねえ。 160 00:10:54,854 --> 00:10:59,993 そうじゃけえ 今は どげしたら 恥をさらさんでいい方法が取れえかと➡ 161 00:10:59,993 --> 00:11:02,262 集まっちょるとこじゃないかよ。 162 00:11:02,262 --> 00:11:06,766 でしたら この際 元子さんとのこと 気持ちよく認めていただけませんか。 163 00:11:06,766 --> 00:11:09,602 あんたは黙っちょうまさい。 いえ しかしですね…。 164 00:11:09,602 --> 00:11:12,939 あんたはね 許しが出ようと出まいと➡ 165 00:11:12,939 --> 00:11:16,276 このお嬢さんを しっかりと捕まえておくこと。 166 00:11:16,276 --> 00:11:18,945 (泰光)お母さん。 私はね➡ 167 00:11:18,945 --> 00:11:25,285 元子さんの このきっぱりとしたとこが まことに士族の嫁にふさわして➡ 168 00:11:25,285 --> 00:11:27,954 えらい気に入っちょうますだけんね。 (武幸)でも おばあさん。 169 00:11:27,954 --> 00:11:31,791 (波津) このお嬢さんならば 言葉どおりに➡ 170 00:11:31,791 --> 00:11:37,430 覚悟を決めちょられえだけん 一人 松江へ残って働かれても➡ 171 00:11:37,430 --> 00:11:41,301 きっと いい評判を とられえに違いないけえ。 172 00:11:41,301 --> 00:11:46,806 ここはひとつ 一日も はよに 祝言ができますように➡ 173 00:11:46,806 --> 00:11:50,310 ご本家に お願いしたいもんでごぜえますね。 174 00:11:50,310 --> 00:11:55,014 ほんなら おばあちゃんは…。 はい 許します。 175 00:11:59,986 --> 00:12:06,092 ほんに 親というものは いざとなあと 何でもできて➡ 176 00:12:06,092 --> 00:12:09,762 ありがたいもんでございますねえ。 へ? 177 00:12:09,762 --> 00:12:13,266 ほんに お江戸の狂言は さえざえと➡ 178 00:12:13,266 --> 00:12:16,936 見事なもんでござっしゃいましたわ。 ハハハハ…。 179 00:12:16,936 --> 00:12:21,107 さすが 相手も年季が入っていました。 180 00:12:21,107 --> 00:12:25,612 全てはお見通しだったようで。 181 00:12:25,612 --> 00:12:30,283 ふつつかな娘ではございますが➡ 182 00:12:30,283 --> 00:12:36,155 どうぞ 末長く かわいがってやってくださいまし。 183 00:12:36,155 --> 00:12:40,994 そうでは 後は当方に任せてごしなさい。 184 00:12:40,994 --> 00:12:45,832 直ちに 祝言の支度に取りかかあますけえ。 185 00:12:45,832 --> 00:12:47,834 へえ。 186 00:12:47,834 --> 00:13:08,021 ♬~ 187 00:13:08,021 --> 00:13:15,028 決まったとなれば その翌日が 大原家主催の結婚式です。 188 00:13:16,796 --> 00:13:22,101 こうはね 私の嫁入りの時に着た衣装で➡ 189 00:13:22,101 --> 00:13:26,939 くし こうがいは おばあ様の おこし入れに使ったものですけえね。 190 00:13:26,939 --> 00:13:31,110 ねえ 昨日は随分 心配しなったでしょう。 191 00:13:31,110 --> 00:13:34,414 かわいそうに。 いえ。 192 00:13:34,414 --> 00:13:39,285 だどもね こうもお国ぶりだわね え。 193 00:13:39,285 --> 00:13:43,790 ハハ… だんだんに 慣れてごしないね。 194 00:13:45,792 --> 00:13:53,533 ああ。 お~ まずまず きれいに出来ましたねえ。 195 00:13:53,533 --> 00:13:55,501 お父さん…。 196 00:13:55,501 --> 00:13:58,137 あ… ああ。 フフ。 197 00:13:58,137 --> 00:14:02,975 今んなって惜しくなっても もう手遅れですけんね 桂木さん。 198 00:14:02,975 --> 00:14:04,944 ああ とんでもねえ。 199 00:14:04,944 --> 00:14:09,582 けど この姿…➡ 200 00:14:09,582 --> 00:14:14,754 かあさんに一目 見せてやりたかったよ 元子。 201 00:14:14,754 --> 00:14:16,689 はい…。 202 00:14:16,689 --> 00:14:44,751 ♬~ 203 00:14:44,751 --> 00:14:47,653 何はともあれ 桂木元子は➡ 204 00:14:47,653 --> 00:14:52,792 今日から晴れて大原元子となったのです。 205 00:14:52,792 --> 00:14:57,296 ♬~