1 00:00:02,202 --> 00:00:13,280 ♬~ (テーマ音楽) 2 00:00:13,280 --> 00:01:12,940 ♬~ 3 00:01:12,940 --> 00:01:16,610 (大介)わ~! 4 00:01:16,610 --> 00:01:22,950 間もなく師走を迎えようとする時 東京から届いた出版社倒産の知らせは➡ 5 00:01:22,950 --> 00:01:25,852 元子にとっても容易ならぬものでした。 6 00:01:25,852 --> 00:01:30,123 (元子) 大介 あんまり乱暴な おいた 駄目よ。 7 00:01:30,123 --> 00:01:33,126 あっかんべ~だ。 バン! 8 00:01:35,796 --> 00:01:37,731 (武幸)なあ 元子さん。 はい。 9 00:01:37,731 --> 00:01:43,971 今 おばあさんから話を聞いたがね 正道も東京で大変みたいだないかね。 10 00:01:43,971 --> 00:01:46,873 はい。 (政久)うん まあ ほかの月と違い➡ 11 00:01:46,873 --> 00:01:53,447 12月を前にしての倒産では 再建すうのも容易ではないわのう。 12 00:01:53,447 --> 00:01:58,318 はい。 伯父様方にまで ご心配を おかけして 本当に申し訳ございません。 13 00:01:58,318 --> 00:02:01,755 いや そうで おばあさんとも相談したとこだがねえ。 14 00:02:01,755 --> 00:02:03,690 はい。 15 00:02:03,690 --> 00:02:07,394 あんたら夫婦は この松江で暮らさんかねえ。 16 00:02:07,394 --> 00:02:10,597 (政久)ああ いや あの この間も言ったとおり➡ 17 00:02:10,597 --> 00:02:15,102 今なら正道も 役所で雇ってもらええだわや。 18 00:02:15,102 --> 00:02:17,604 はい…。 あんたにしても➡ 19 00:02:17,604 --> 00:02:23,477 大介を連れて 東京へ帰ったところで 正道は失業してるわけだ。 20 00:02:23,477 --> 00:02:25,479 それは そうですけれど。 21 00:02:25,479 --> 00:02:29,282 といってもねえ 東京は 元子さんの生まれ故郷だし➡ 22 00:02:29,282 --> 00:02:31,785 まあ あのお父さんが ついちょられえけん➡ 23 00:02:31,785 --> 00:02:36,123 よもや路頭に迷うというようなことは 万々ないとは思っちょうだども➡ 24 00:02:36,123 --> 00:02:39,026 こっちも わしら 親戚のもんが ついちょって➡ 25 00:02:39,026 --> 00:02:44,431 正道に あんたの実家の世話ばっかし 受けさせえわけにもいかんですけんね。 26 00:02:44,431 --> 00:02:49,302 あの お言葉をお返しするようで 申し訳ございませんが➡ 27 00:02:49,302 --> 00:02:53,807 人間 困った時は助け合うのが 当たり前ではないでしょうか。 28 00:02:53,807 --> 00:02:59,312 そのかわり 助けてもらった時は 人一倍努力して 相手の厚意に応えて➡ 29 00:02:59,312 --> 00:03:03,583 いつの日か その厚意に報いるだけの力を つけることができれば➡ 30 00:03:03,583 --> 00:03:06,386 それが 人の道かと思いますけれど。 31 00:03:06,386 --> 00:03:09,256 いや そらまあ そげだども。 (波津)ほら 見なはれ。 32 00:03:09,256 --> 00:03:12,159 元子さんの言い分は 私と同じですがね。 33 00:03:12,159 --> 00:03:14,928 (政久)おばあさん。 34 00:03:14,928 --> 00:03:18,799 いやぁ まあ この大原一族というのはのう➡ 35 00:03:18,799 --> 00:03:25,272 結束も固いが 言いだしたら聞かん 強情なところもあってのう。 36 00:03:25,272 --> 00:03:30,777 まあ 大黒柱の泰光さんが 寝込んでしまった以上➡ 37 00:03:30,777 --> 00:03:34,614 陽子を働きに出さんといけんだども まあ そぎゃんことして➡ 38 00:03:34,614 --> 00:03:39,486 陽子の婚期を遅らせえやなことは 親戚としても したくはないし➡ 39 00:03:39,486 --> 00:03:43,957 かといって おばあさんは できいとこまで 自分たちの力で やあからと言われて➡ 40 00:03:43,957 --> 00:03:46,793 まあ わしらの援助を断っちょられえわね。 41 00:03:46,793 --> 00:03:53,133 うん。 だとしたらだのう 何と言っても 正道は長男だし➡ 42 00:03:53,133 --> 00:03:59,306 東京の仕事が潰れたとなあと まあ この松江へ帰って➡ 43 00:03:59,306 --> 00:04:04,244 こっちで仕事をするのが 一番いい方法ではないだらかとのう。 44 00:04:04,244 --> 00:04:07,114 それは 確かに そのとおりでございますが…。 45 00:04:07,114 --> 00:04:11,585 だったら あんた 承知してごしなあかね。 46 00:04:11,585 --> 00:04:16,923 はい…。 でも これはとても 私の一存では決められませんので➡ 47 00:04:16,923 --> 00:04:21,795 東京の主人とも相談の上 おばあ様のご意見に従いたいと思います。 48 00:04:21,795 --> 00:04:24,798 もうしばらく お時間を下さい。 お願いいたします。 49 00:04:24,798 --> 00:04:30,103 うん。 まあ 今日のところは そげなことかもしれんのう。 50 00:04:30,103 --> 00:04:34,941 まあ そげなことですわね。 ほんに… ご苦労さんでございましたわ。 51 00:04:34,941 --> 00:04:37,978 いろいろ ご心配いただいて ありがとう存じました。 52 00:04:37,978 --> 00:04:50,290 ♬~ 53 00:04:50,290 --> 00:04:57,430 人生には いくつかの転機がありますが 泰光の病気と出版社の倒産は➡ 54 00:04:57,430 --> 00:05:03,436 確かに 元子の人生の 一つの転機だったといえるでしょう。 55 00:05:07,240 --> 00:05:15,749 元子は 松江における状況の逐一を 夫のもとに報告しました。 56 00:05:15,749 --> 00:05:18,385 (正道)ただいま。 ⚟(トシ江)はいはい。 57 00:05:18,385 --> 00:05:20,320 (藤井)どうも遅くなりました。 (トシ江)お帰りなさい。➡ 58 00:05:20,320 --> 00:05:22,756 さあさあ 早く上がんなさいな。 ねえ 寒かったでしょう。 59 00:05:22,756 --> 00:05:24,691 あの 巳代子は? 60 00:05:24,691 --> 00:05:27,394 あっ 今夜ね 冷えるから 早く寝かせたわよ。 61 00:05:27,394 --> 00:05:29,763 まあ 異常ないから大丈夫。 どうも すいません。 62 00:05:29,763 --> 00:05:32,666 (トシ江)何言ってんのよ。 さあさあ 早く上がって。 ね。 63 00:05:32,666 --> 00:05:36,269 さあ こたつにでも入ってよ。 はい。 64 00:05:36,269 --> 00:05:39,773 くたぶれてる時はね 風邪ひきやすいんですから➡ 65 00:05:39,773 --> 00:05:45,579 あんたたち2人に風邪ひかれたら 私 2人に もう叱られちゃうわよ。 66 00:05:45,579 --> 00:05:47,948 ね。 さあさあ…。 67 00:05:47,948 --> 00:05:51,618 (宗俊)おう お帰り。 68 00:05:51,618 --> 00:05:55,422 今夜も随分 遅かったじゃねえか。 はい。 69 00:05:55,422 --> 00:05:59,125 おかげさまで ほとんどの債権者とも 無事 話し合いがつきました。 70 00:05:59,125 --> 00:06:04,364 ああ そりゃ大変だったな。 しかし まあ どんな商売でもよ➡ 71 00:06:04,364 --> 00:06:09,069 店開く時よりも 畳む時の方が 苦労だっていうそうだからなあ。 72 00:06:09,069 --> 00:06:11,004 本当に そうですね。 73 00:06:11,004 --> 00:06:14,574 始める時は ただ無我夢中でやれば よかったんですが➡ 74 00:06:14,574 --> 00:06:19,446 畳むとなると いろんな考え いろんな言い分の人たちが相手ですから。 75 00:06:19,446 --> 00:06:21,915 すいませんでした。 76 00:06:21,915 --> 00:06:26,786 私が 留守を預かりながら 申し訳ないことをしてしまいました。 77 00:06:26,786 --> 00:06:30,590 そうお前 毎日毎晩 同じ文句で 手ぇついて謝ることはねえやな。 78 00:06:30,590 --> 00:06:32,525 (トシ江)あんた。 藤井君も➡ 79 00:06:32,525 --> 00:06:34,461 こうなると思って やったことじゃありませんし。 80 00:06:34,461 --> 00:06:37,931 (宗俊)んなこたぁ分かってるよ。 81 00:06:37,931 --> 00:06:43,803 しかし おめえさん方 少々 手ぇ広げすぎたんじゃねえのかい? 82 00:06:43,803 --> 00:06:48,108 はい。 大いに反省すべき点は あったと思います。 83 00:06:48,108 --> 00:06:51,778 まあしかし よく乗り切ったよ。 なあ。 84 00:06:51,778 --> 00:06:54,681 で これから先 どうするつもりだい。 85 00:06:54,681 --> 00:06:58,952 はい。 年が明けましたら また 新規まき直しということであります。 86 00:06:58,952 --> 00:07:00,921 ああ。 87 00:07:00,921 --> 00:07:04,557 それで その間に一度 松江の方へ 帰ってこようかと思うんですが。 88 00:07:04,557 --> 00:07:06,593 ああ そりゃあいい。 89 00:07:06,593 --> 00:07:12,432 まあ とにかく松江のお父っつぁんがな 持ち直してくれたのが 何よりの幸いだ。 90 00:07:12,432 --> 00:07:15,902 しかし 大介はどうしてるかなあ。 91 00:07:15,902 --> 00:07:18,371 元子は どうして帰ってこねえんだ? え? 92 00:07:18,371 --> 00:07:21,274 お前 亭主が夜の目も寝ねえで 走り回ってる最中に➡ 93 00:07:21,274 --> 00:07:23,743 松江で ぬくぬくしてるなんてのは もっての外だ。 94 00:07:23,743 --> 00:07:26,646 いえ 別に元子は ぬくぬくなどしておりません。 95 00:07:26,646 --> 00:07:29,082 そうですとも。 そんなとこで 女がお前➡ 96 00:07:29,082 --> 00:07:31,017 出しゃばるんじゃねえ。 まあ 何でしょうねえ。 97 00:07:31,017 --> 00:07:34,254 婿2人はお前 いっぺんに 失業しちまったんじゃないか え。 98 00:07:34,254 --> 00:07:37,590 ここの辺で 娘2人に 気合いを入れねえでどうすんだ。 99 00:07:37,590 --> 00:07:40,493 しかし 今 巳代子は 産み月を控えておりますから。 100 00:07:40,493 --> 00:07:42,762 そんなことは 腹見れば分かるよ 俺だって。 101 00:07:42,762 --> 00:07:45,098 (戸が開く音) (巳代子)お帰りなさい。 102 00:07:45,098 --> 00:07:47,600 大変でしたでしょう お義兄さんも。 103 00:07:47,600 --> 00:07:50,103 あっ… 巳代ちゃん 今はね➡ 104 00:07:50,103 --> 00:07:52,605 元気な赤ちゃんを産むことだけ 考えてればいいんだからね。 105 00:07:52,605 --> 00:07:54,641 そんなことは当たり前ですよ。 あっ はい…。 106 00:07:54,641 --> 00:07:57,277 あんた。 107 00:07:57,277 --> 00:08:04,284 巳代子たち夫婦は 倒産と同時に この吉宗へ転がり込んでいました。 108 00:08:08,355 --> 00:08:13,727 何はともあれ 大体の整理がつくと 善後策を講じるためにも➡ 109 00:08:13,727 --> 00:08:17,897 正道は 松江に戻ってきました。 110 00:08:17,897 --> 00:08:21,735 (泰光)そげかや。 東京では皆さん お元気だったかや。 111 00:08:21,735 --> 00:08:26,239 はい。 お父さんも ちょっと見ない間に 随分 お顔の色がよくなられたんで➡ 112 00:08:26,239 --> 00:08:28,174 正道 安心しました。 113 00:08:28,174 --> 00:08:32,112 そうはのう 元子さんが よう面倒を見てごいたおかげだわや。 114 00:08:32,112 --> 00:08:34,748 いえ 私はそんな。 115 00:08:34,748 --> 00:08:36,683 (邦世)何はともあれ 疲れたでしょう。 116 00:08:36,683 --> 00:08:41,388 元子さん 向こうで正道 少し休ませてやってごしないね。 117 00:08:41,388 --> 00:08:44,290 はい それでは。 118 00:08:44,290 --> 00:08:47,260 よし さあ。 行きましょう。 119 00:08:47,260 --> 00:08:50,130 それじゃあ。 ああ。 120 00:08:50,130 --> 00:08:53,133 ほら 大介 東京のおじいちゃんのお土産だぞ。 121 00:08:53,133 --> 00:08:56,269 わ~い! 病気のおじいちゃんに見せてくる! 122 00:08:56,269 --> 00:09:00,774 大介 あんまり騒いじゃ駄目よ。 (大介)は~い! 123 00:09:05,345 --> 00:09:08,248 本当にお疲れさまでした。 うん。 124 00:09:08,248 --> 00:09:11,151 手紙の様子じゃ 君も いろいろ大変だったようだな。 125 00:09:11,151 --> 00:09:15,021 いいえ。 それより 巳代子の方はどうでした? 126 00:09:15,021 --> 00:09:19,225 うん まあ いずれにしろ 年内に 一家上京はないからね➡ 127 00:09:19,225 --> 00:09:21,728 僕らの家に入ってるようにって 言ってきた。 128 00:09:21,728 --> 00:09:25,899 それがいいわ。 河内山が 何だかんだ言うのは 目に見えてるし➡ 129 00:09:25,899 --> 00:09:29,369 その度に きっと気をもむのは 巳代子やお母さんなんですもの。 130 00:09:29,369 --> 00:09:33,239 うん。 それからね ろくなものは ないんだけれども➡ 131 00:09:33,239 --> 00:09:35,742 お金に換えられるものがあったら 藤井に任せて➡ 132 00:09:35,742 --> 00:09:37,777 借金の返済にするようにも 言ってきたから。 133 00:09:37,777 --> 00:09:42,382 ええ 私も そのつもりでいましたから。 うん。 134 00:09:42,382 --> 00:09:46,753 しかしな このまま この松江に落ち着くっていうのもな。 135 00:09:46,753 --> 00:09:50,924 いいえ そうしましょうよ。 136 00:09:50,924 --> 00:09:55,261 私 お留守の間 ずっと考えていたんですけれども➡ 137 00:09:55,261 --> 00:09:58,765 お義父様のご病気 確かに よくはなっていますけれど➡ 138 00:09:58,765 --> 00:10:02,268 この先 ずっと ご無理なことはできないんですよ。 139 00:10:02,268 --> 00:10:05,772 お義母様だって お口には出さないけれども➡ 140 00:10:05,772 --> 00:10:07,807 あなたが こちらで暮らすっておっしゃれば➡ 141 00:10:07,807 --> 00:10:10,944 どれだけ安心するか分からないわ。 142 00:10:10,944 --> 00:10:15,281 しかしね 昔から 郷里に引き揚げる時は➡ 143 00:10:15,281 --> 00:10:18,184 錦を飾る時とか 名を遂げる時とかっていうじゃないか。 144 00:10:18,184 --> 00:10:20,620 そんなの古いわよ。 145 00:10:20,620 --> 00:10:25,792 そんな世間体より 家族が力を合わせて つつましくてもいいから➡ 146 00:10:25,792 --> 00:10:29,129 みんなの心が安らぐような暮らしを たてていくことが➡ 147 00:10:29,129 --> 00:10:33,299 私たちにできる 一番手近なことなんじゃないんですか? 148 00:10:33,299 --> 00:10:37,170 ねえ 一度 お役所の面接 受けてみてくださいな。 149 00:10:37,170 --> 00:10:40,073 お願いします。 150 00:10:40,073 --> 00:10:43,309 それで うまくいかなかったら どうするんだ? 151 00:10:43,309 --> 00:10:46,980 その時はその時で また別の方法を 考えればいいじゃありませんか。 152 00:10:46,980 --> 00:10:51,317 しかしだよ このまま我々が 東京に帰らないってことになったら➡ 153 00:10:51,317 --> 00:10:54,220 桂木のご両親 どれだけ心配するか それは分かんないぞ。 154 00:10:54,220 --> 00:10:57,657 だって お父さんは 私が ぬくぬくとしているって➡ 155 00:10:57,657 --> 00:11:01,394 そう言ってるんでしょ? だったら私のせいにしてくださいな。 156 00:11:01,394 --> 00:11:04,097 えっ 君のせいに? ええ。 157 00:11:04,097 --> 00:11:09,269 元子は こちらが気に入ってしまって 職もない東京へ帰るのを嫌がってるって。 158 00:11:09,269 --> 00:11:11,204 だって そんなこと言ったら…。 159 00:11:11,204 --> 00:11:13,273 河内山は カンカンでしょうね。 160 00:11:13,273 --> 00:11:15,942 そりゃ もう今は 大介がいないっていうだけで➡ 161 00:11:15,942 --> 00:11:19,412 お義母さんなんか 八つ当たり もろに受けてらっしゃるんだよ。 162 00:11:19,412 --> 00:11:23,283 大丈夫よ。 そのかわり 巳代子が もう一人➡ 163 00:11:23,283 --> 00:11:27,287 孫を産むじゃありませんか。 元子…。 164 00:11:27,287 --> 00:11:29,789 たとえ どんなに カンカンになったとしても➡ 165 00:11:29,789 --> 00:11:32,625 あの河内山は まだまだ元気なんです。 166 00:11:32,625 --> 00:11:35,962 そこが 寝たきりのお義父様とは 違うところよ。 167 00:11:35,962 --> 00:11:39,799 あなただって 私と結婚して以来 ずっと東京で➡ 168 00:11:39,799 --> 00:11:43,670 いわば ご自分のお好きな仕事を させていただいてきたんでしょう。 169 00:11:43,670 --> 00:11:46,439 だったら ご恩返しという意味でも➡ 170 00:11:46,439 --> 00:11:49,976 今は 本気で 親孝行する時じゃないんですか? 171 00:11:49,976 --> 00:11:52,812 それはね 自分でも 気にはしてるんだけれども。 172 00:11:52,812 --> 00:11:58,685 そうよ。 今こそ あなたは このうちにとって必要な人なんですもの。 173 00:11:58,685 --> 00:12:01,387 お父さんだって いつか分かってくれますよ。 174 00:12:01,387 --> 00:12:03,323 お母さんだって ついているんだし➡ 175 00:12:03,323 --> 00:12:06,259 きっと そのうち 上手に説明してくれますとも。 176 00:12:06,259 --> 00:12:10,930 それにね どんなに怒ったとしたって 何たって遠いんですもの。 177 00:12:10,930 --> 00:12:13,967 ここまで げんこつの雨が 飛んでくるわけじゃないし。 178 00:12:13,967 --> 00:12:17,604 しかしだな このまま ここにいるってことになると➡ 179 00:12:17,604 --> 00:12:22,475 いつか言ってた やりたい道からも どんどん離れちゃうことになるんだぞ。 180 00:12:22,475 --> 00:12:26,946 ええ。あれだけ心を動かされた 東洋ラジオの件も➡ 181 00:12:26,946 --> 00:12:28,982 永久に 縁が切れちゃうんだよ。 182 00:12:28,982 --> 00:12:32,819 それも考えました。 元子…。 183 00:12:32,819 --> 00:12:35,955 でも 人にはそれぞれ➡ 184 00:12:35,955 --> 00:12:39,425 巡り合わせっていうものが あるような気がして。 185 00:12:39,425 --> 00:12:41,794 どんなに その気になっていてもね➡ 186 00:12:41,794 --> 00:12:46,666 そういう状況が整わない時は しかたがないんじゃないんですか? 187 00:12:46,666 --> 00:12:49,135 だから今は この松江で➡ 188 00:12:49,135 --> 00:12:53,006 大原の嫁として 誠意を持って暮らせって➡ 189 00:12:53,006 --> 00:12:57,310 あの時 出雲の神様が そう おっしゃったような気がするの。 190 00:12:59,445 --> 00:13:01,381 後悔しないか? 191 00:13:01,381 --> 00:13:06,753 一日一日 精いっぱい暮らしていけば 後悔なんて人生はないと思うわ。 192 00:13:06,753 --> 00:13:11,257 すまんな。 嫌です そんな言い方。 193 00:13:11,257 --> 00:13:14,594 分かった。 それじゃあ 早速 役所へ行ってみよう。 194 00:13:14,594 --> 00:13:16,929 それで駄目なら また その時に考えよう。 195 00:13:16,929 --> 00:13:20,767 ええ。 いざとなったら私だって外で働きますよ。 196 00:13:20,767 --> 00:13:24,404 おい なめんなよ。 これでも僕は 元子の夫で➡ 197 00:13:24,404 --> 00:13:26,339 大介の立派な父親なんだぞ。 198 00:13:26,339 --> 00:13:29,275 あっ それは失礼いたしました。 199 00:13:29,275 --> 00:13:32,078 (笑い声) 200 00:13:35,048 --> 00:13:38,918 あの野郎 勘当だ! あの世の先まで勘当だ! 201 00:13:38,918 --> 00:13:40,853 あんた。 うるせえ! 202 00:13:40,853 --> 00:13:44,290 え 「主人に いい勤め口が 見つかりましたから➡ 203 00:13:44,290 --> 00:13:46,793 私も安心して こちらで暮らせます」。 204 00:13:46,793 --> 00:13:49,429 元子が シャアシャアと 書いてきやがったんだぞ! え! 205 00:13:49,429 --> 00:13:52,332 あの元子が シャアシャア…。わ~! わ~ 熱っ! 206 00:13:52,332 --> 00:13:54,300 あんた 大丈夫!? 熱~っ! 207 00:13:54,300 --> 00:13:59,172 案の定 宗俊の怒りは ご覧のとおりです。 208 00:13:59,172 --> 00:14:05,678 けれど 必ずや この誤解は いつの日か 解けることと信じて…。 209 00:14:09,782 --> 00:14:14,620 松江で 幸い 正道は 役所に採用され➡ 210 00:14:14,620 --> 00:14:20,393 元子は 大原家の嫁としての生活を 始めておりました。 211 00:14:20,393 --> 00:14:23,763 はい。はい。 行ってらっしゃいませ。 212 00:14:23,763 --> 00:14:26,065 うん 行ってきます。 213 00:14:29,936 --> 00:14:32,972 ⚟(波津)元子さん! 元子さん! 214 00:14:32,972 --> 00:14:35,608 は~い ただいま! 215 00:14:35,608 --> 00:14:42,381 ♬~ 216 00:14:42,381 --> 00:14:44,317 うわっ! あっ…。 217 00:14:44,317 --> 00:14:50,523 ♬~