1 00:00:02,202 --> 00:00:13,413 ♬~ (テーマ音楽) 2 00:00:13,413 --> 00:01:12,406 ♬~ 3 00:01:15,475 --> 00:01:22,482 陽子の見合いは 吉日を選んで 大原家の本家で行われました。 4 00:01:24,952 --> 00:01:30,290 付き添いは 正道と元子の夫婦です。 5 00:01:30,290 --> 00:01:35,162 見合い相手の柳瀬平八郎は 小学校の先生でした。 6 00:01:35,162 --> 00:01:41,301 (政久)うん 近頃の先生は 民主主義か何か知らんだども➡ 7 00:01:41,301 --> 00:01:44,805 どうも 子供たちの行儀は なっちょらんし➡ 8 00:01:44,805 --> 00:01:47,841 にらみも利かんやに なっちょうでしょうが。 9 00:01:47,841 --> 00:01:51,445 わしゃ 平八郎さんが 教育いうもんに対し➡ 10 00:01:51,445 --> 00:01:56,149 どぎゃん考えを持っちょられえか それを伺いたいと思うちょったです。 11 00:01:56,149 --> 00:02:00,387 (平八郎)はあ あの~ お言葉を返すようですが➡ 12 00:02:00,387 --> 00:02:04,758 教育基本法にもありますように これからの教育は やっぱし➡ 13 00:02:04,758 --> 00:02:08,595 民主主義を基本に 次の時代をつくる子供たちを➡ 14 00:02:08,595 --> 00:02:12,265 しっかりと育てていかなければいけんと 私は思っております。 15 00:02:12,265 --> 00:02:14,267 ああ そりゃまあ そうだども➡ 16 00:02:14,267 --> 00:02:18,605 ひところから見て 物が豊富になってきたかもしれんが➡ 17 00:02:18,605 --> 00:02:24,111 どうも子供たちが 物を大事にさんやんに なってきたような気がすうけんのう。 18 00:02:24,111 --> 00:02:28,782 はあ 私も時折 それは感じることがありますけども。 19 00:02:28,782 --> 00:02:34,121 そぎゃん時は もう ビシビシ叱ってもらわんと困りますわな。 20 00:02:34,121 --> 00:02:36,056 は… はい。 21 00:02:36,056 --> 00:02:40,427 (政久)まず この 己の信念ちゅうものを 持っちょらんようでは➡ 22 00:02:40,427 --> 00:02:43,296 どげしゃあもないわや。 な。 23 00:02:43,296 --> 00:02:48,635 そげんふうだけん 子供も もう フワフワしたのばっかし増えて➡ 24 00:02:48,635 --> 00:02:51,672 全く嘆かわしいばっかりだ。 25 00:02:51,672 --> 00:02:58,311 一体 親は何を考えちょうのかと もう そう言いたくなあが。➡ 26 00:02:58,311 --> 00:03:04,117 しかし 学校教育というのは やっぱり土台だけんのう。 27 00:03:04,117 --> 00:03:06,753 (元子)あの。 うん? 28 00:03:06,753 --> 00:03:09,790 大伯父様のご意見は 日頃 うちに見えます➡ 29 00:03:09,790 --> 00:03:12,926 お習字の生徒さんたちのお行儀を 見ておりましても➡ 30 00:03:12,926 --> 00:03:15,762 おばあ様が これは困ったものだって おっしゃいますのを➡ 31 00:03:15,762 --> 00:03:18,098 私も 実感として感じておりますわ。 32 00:03:18,098 --> 00:03:20,400 そげだぁわや そげだぁわや。 33 00:03:20,400 --> 00:03:24,271 ですけれど もともと しつけというものは➡ 34 00:03:24,271 --> 00:03:29,776 学校にお願いすることではなくて 親の務めだと思いますのよ。 35 00:03:29,776 --> 00:03:33,647 私も まだまだ失敗が多い親で このようなことを申し上げるのには➡ 36 00:03:33,647 --> 00:03:40,420 大変せん越だと存じておりますが 今日は 平八郎様と陽子さんが➡ 37 00:03:40,420 --> 00:03:42,956 これから どういう家庭を 築いていかれるか➡ 38 00:03:42,956 --> 00:03:46,827 できれば そういうお話し合いになると 大変結構だと存じますが。 39 00:03:46,827 --> 00:03:50,297 (政久) あ~ まあ そりゃまあ そげだわやな。 40 00:03:50,297 --> 00:03:55,168 はあ。 我がせがれのことを 親の口から申すのも何ですが➡ 41 00:03:55,168 --> 00:03:58,638 平八郎は跡取りではああませんけんね。 42 00:03:58,638 --> 00:04:01,374 ご縁があったとしても 若夫婦で➡ 43 00:04:01,374 --> 00:04:04,911 新しい所帯を つくっていくことになあますが➡ 44 00:04:04,911 --> 00:04:09,750 責任感は しっかりと植え付けて 育ててああますけん。 45 00:04:09,750 --> 00:04:13,253 (正道)我々にとっては それが一番心強いことです。 46 00:04:13,253 --> 00:04:16,590 まあ 兄として申しますならば 妹の取り柄は➡ 47 00:04:16,590 --> 00:04:20,927 心の優しいのと 辛抱強いことぐらいですが。 48 00:04:20,927 --> 00:04:24,598 いんやいんや おなごは そうが一番ですわね。 49 00:04:24,598 --> 00:04:27,934 しかし 意見は持っていただかんと。 50 00:04:27,934 --> 00:04:32,606 (陽子)はい。 私 義姉を手本としておりますので➡ 51 00:04:32,606 --> 00:04:37,277 義姉のような妻 そして 母親になりたいと思っております。 52 00:04:37,277 --> 00:04:41,114 まあ 陽子さん。 あっ いやいや そうは何より。 53 00:04:41,114 --> 00:04:43,617 嫁と小じゅうとの仲がいいというのは➡ 54 00:04:43,617 --> 00:04:47,120 失礼ですが 家の中が しっくりいっちょう証拠ですわね。➡ 55 00:04:47,120 --> 00:04:51,424 そげな家風の娘さんこそ 平八郎の嫁に欲しいもんと➡ 56 00:04:51,424 --> 00:04:55,796 私らも 常々思ってきましたけんねえ。 57 00:04:55,796 --> 00:05:01,101 まあ お見合いの第1ラウンドとは このようなものでしょう。 58 00:05:06,239 --> 00:05:10,243 はあ~。 あっ こっち コーヒー3つね。 いらっしゃいませ。 59 00:05:10,243 --> 00:05:14,915 すいません…。 うん。 陽子も… はい。 60 00:05:14,915 --> 00:05:19,085 ごめんなさいね。 私 ちょっと 余計なことを言い過ぎちゃったみたい。 61 00:05:19,085 --> 00:05:22,923 ううん。 大伯父様の演説が いつまで続くのかと➡ 62 00:05:22,923 --> 00:05:24,858 絶望しちょったんですもの。 63 00:05:24,858 --> 00:05:29,596 あ~ 僕も 足がしびれてね。 (笑い声) 64 00:05:29,596 --> 00:05:31,932 それで どうなんだ? 陽子。 65 00:05:31,932 --> 00:05:34,834 ああ… う~ん。 66 00:05:34,834 --> 00:05:37,737 まあな 向こうの返事にもよるけれども➡ 67 00:05:37,737 --> 00:05:41,641 大体 こっちの意見も まとめといた方がいいな。 68 00:05:41,641 --> 00:05:43,643 しばらく つきあって 様子見たいっていうんだったら➡ 69 00:05:43,643 --> 00:05:45,779 全然 遠慮はいらんぞ。 70 00:05:45,779 --> 00:05:49,616 反対にな どうしても虫が好かん っていうとこが あるんだったら…。 71 00:05:49,616 --> 00:05:53,420 うん 別に そういうところはないけど。 だったら…。 72 00:05:53,420 --> 00:05:57,123 でも 一つだけね。 気になることがあるの? 73 00:05:57,123 --> 00:06:01,728 フフッ…。 おい 言ってごらん この際だから。 な。 74 00:06:01,728 --> 00:06:04,564 フッ… 名前。 75 00:06:04,564 --> 00:06:06,499 あっ そりゃ失礼だぞ お前。 76 00:06:06,499 --> 00:06:11,071 だって… あの人の顔を見ちょって 小さい時 何て呼ばれてたのかなあって➡ 77 00:06:11,071 --> 00:06:13,373 ひょっと 考えてしまったわね。 78 00:06:13,373 --> 00:06:19,079 平ちゃん 平八っちゃん 平八郎君…。 79 00:06:19,079 --> 00:06:21,014 そうしたら もう おかしくて おかしくて…。 80 00:06:21,014 --> 00:06:23,250 もう 余裕があるわね。 81 00:06:23,250 --> 00:06:26,086 私なんか 少しでも陽子さんが 悪く見られないようにって➡ 82 00:06:26,086 --> 00:06:28,922 緊張してたのに。 フッ ハハッ…。 83 00:06:28,922 --> 00:06:32,259 でも おかしいわ…。 元子。 84 00:06:32,259 --> 00:06:35,095 (元子と陽子の笑い声) 85 00:06:35,095 --> 00:06:37,597 お待たせしました。 86 00:06:42,969 --> 00:06:45,605 わぁ いい匂い。 87 00:06:45,605 --> 00:06:49,476 お義姉様は 松江へ来られてから コーヒーなんて 初めてだないですか? 88 00:06:49,476 --> 00:06:52,479 ええ まあね。 えっ 本当に? 89 00:06:52,479 --> 00:06:55,615 何言っちょうね お兄さんたら。 90 00:06:55,615 --> 00:06:58,518 病人がいて 小さい子がいたら➡ 91 00:06:58,518 --> 00:07:02,722 お義姉様一人で 喫茶店に入るなんて とても無理だわね。 92 00:07:02,722 --> 00:07:06,359 あ~ 全然気が付かなかった。 悪かったな。 93 00:07:06,359 --> 00:07:11,064 ほらね こういうところは抜けてても 一生を共にするなら➡ 94 00:07:11,064 --> 00:07:15,902 これ以上の相手はいないっていう 男性だって いるんだから。 95 00:07:15,902 --> 00:07:19,572 初めから 100%を望んでは駄目。 96 00:07:19,572 --> 00:07:23,376 足りないところは足し合っていくのが 夫婦ってもんだと思うのよ。 97 00:07:23,376 --> 00:07:27,080 はい しっかりと承っちょきます。 ええ。 98 00:07:27,080 --> 00:07:30,116 しかし 今日の陽子はきれいだったな。 99 00:07:30,116 --> 00:07:33,954 う~ん またまた。 あら 本当よ。 100 00:07:33,954 --> 00:07:37,090 ほんなら ここのコーヒー おごってしまあかいね。 101 00:07:37,090 --> 00:07:39,392 あっ ハハ… 最高。 102 00:07:39,392 --> 00:07:42,262 (笑い声) 103 00:07:42,262 --> 00:07:45,932 「最高」「最低」という言葉がはやり➡ 104 00:07:45,932 --> 00:07:49,602 小中学校の通信簿が 1から5という評価で➡ 105 00:07:49,602 --> 00:07:53,606 示されるようになったのも この年です。 106 00:07:55,275 --> 00:07:58,611 幸い 陽子の縁談は まとまって➡ 107 00:07:58,611 --> 00:08:02,215 このことは 宗俊のもとにも 知らされました。 108 00:08:02,215 --> 00:08:06,052 ♬~(ラジオ「月がとっても青いから」) 109 00:08:06,052 --> 00:08:10,890 (宗俊)おい 陽子さんのお式は 春になりそうだな。 110 00:08:10,890 --> 00:08:14,361 (トシ江)まあ そりゃおめでたいですねえ。 111 00:08:14,361 --> 00:08:18,231 この分じゃ おとうさんのお加減も だいぶ よくなったんじゃないんですか。 112 00:08:18,231 --> 00:08:21,234 まあ ようございましたよ。 でな。はいはい。 113 00:08:21,234 --> 00:08:23,370 ♬~(ラジオ「月がとっても青いから」) 114 00:08:23,370 --> 00:08:25,305 うるせえんだよ。 ラジオ消せ。 115 00:08:25,305 --> 00:08:28,908 菅原都々子ですよ。 つけておけって…。 うるせえったら 消せったら消せよ! 116 00:08:28,908 --> 00:08:31,611 あ… はいはい。 117 00:08:33,246 --> 00:08:37,250 何にするかな。 お祝いですか? 118 00:08:37,250 --> 00:08:41,755 ああ。 おめえ 巳代子の時も ちゃんとしていただいたんだ。 119 00:08:41,755 --> 00:08:46,259 バ~ンと張り込みてえがな 何せお前 こっちは嫁の実家だ。 120 00:08:46,259 --> 00:08:48,595 あんまり出っ張っても 引っ込んでもいけねえやな。 121 00:08:48,595 --> 00:08:50,930 難しいぞ これは。 122 00:08:50,930 --> 00:08:53,933 そうですねえ。 123 00:08:55,602 --> 00:08:57,937 今 考えろっつってんじゃねえやな。 124 00:08:57,937 --> 00:09:01,541 あれこれ知恵絞って 2~3日うちに決めろっつってんだよ。 125 00:09:01,541 --> 00:09:04,244 はいはい。 126 00:09:06,045 --> 00:09:09,883 あれ? 誰だ ラジオ消したのは。 127 00:09:09,883 --> 00:09:12,919 だって あんた…。 俺が菅原都々子 お前 好きだってこと➡ 128 00:09:12,919 --> 00:09:18,058 知ってんだろ お前。 変なまねするんじゃねえやな おい。 129 00:09:18,058 --> 00:09:19,993 (ラジオの電源を入れる音) 130 00:09:19,993 --> 00:09:30,203 ♬~(ラジオ「月がとっても青いから」) 131 00:09:41,281 --> 00:09:43,583 ただいま。 132 00:09:50,757 --> 00:09:53,593 (大介)お帰りなさ~い。 はい ただいま。 133 00:09:53,593 --> 00:09:58,097 お客さんかい? はい。うん はい。 134 00:09:58,097 --> 00:10:01,601 お帰りなさいませ。ただいま。 柳瀬さんがお見えになってるんですよ。 135 00:10:01,601 --> 00:10:03,536 あ~ 平八郎君が? ええ。 136 00:10:03,536 --> 00:10:06,473 今日は お義父様もご気分がいいからと ご相伴なさってます。 137 00:10:06,473 --> 00:10:08,475 あっ そう。 それはよかった。 138 00:10:08,475 --> 00:10:11,277 寒かったでしょう。 すぐに熱いものをお持ちしますからね。 139 00:10:11,277 --> 00:10:13,947 うん。 140 00:10:13,947 --> 00:10:15,949 はい。 141 00:10:17,817 --> 00:10:21,621 何でしょう? ん? ここの薬局にね➡ 142 00:10:21,621 --> 00:10:25,825 あかぎれに よく効く薬があるって 言ってたから寄ってきた。 143 00:10:28,495 --> 00:10:31,197 ありがとう…。 144 00:10:34,134 --> 00:10:37,170 それじゃあ。 145 00:10:37,170 --> 00:10:40,640 冬来たりなば春遠からじ。 146 00:10:40,640 --> 00:10:46,446 ひとしお寒い松江の冬も 年を越せば 陽子の結婚式。 147 00:10:46,446 --> 00:10:50,316 元子にとっても あかぎれなんかで泣いている暇のない➡ 148 00:10:50,316 --> 00:10:53,620 年の瀬になりそうです。 149 00:10:56,122 --> 00:11:02,896 そして 東京からも 祝いの品が届いていました。 150 00:11:02,896 --> 00:11:06,266 ほう これは手染めなんですか? 151 00:11:06,266 --> 00:11:08,268 (泰光)それも 元子さんのお父さんが➡ 152 00:11:08,268 --> 00:11:11,404 お婿さん つまり あんたへのお祝いにと➡ 153 00:11:11,404 --> 00:11:14,107 自分で染めてごされたもんでのう。 154 00:11:14,107 --> 00:11:20,413 型は 江戸小紋を切らせたら東京一という 名人に頼んだという逸品のようですわ。 155 00:11:20,413 --> 00:11:23,283 はあ それ すごいですねえ。 156 00:11:23,283 --> 00:11:26,619 何か もったいなあて 浴衣として着いのは惜しいです。 157 00:11:26,619 --> 00:11:29,522 いんやいんや そうを そぎゃんふうに着いのが➡ 158 00:11:29,522 --> 00:11:32,792 粋というもんらしいですわね。 はあ。 159 00:11:32,792 --> 00:11:35,428 陽子の分も染めてごされたども➡ 160 00:11:35,428 --> 00:11:39,966 とにかく そうを 初めての夜に着てくださいと➡ 161 00:11:39,966 --> 00:11:41,901 手紙が添えられちょってのう。 162 00:11:41,901 --> 00:11:45,438 あっ…。フフッ…。 はい。 163 00:11:45,438 --> 00:11:50,276 ハハハハ… いや お父さん それだけ この浴衣の説明できたら➡ 164 00:11:50,276 --> 00:11:52,212 吉宗の番頭さんにもなれるよ。 165 00:11:52,212 --> 00:11:55,982 ハハハハ… そのとおりだわなあ。 166 00:11:55,982 --> 00:12:00,253 しかし この分じゃ お父さんも 結婚式に出席できそうだし➡ 167 00:12:00,253 --> 00:12:02,255 よかったな 陽子。 はい。 168 00:12:02,255 --> 00:12:05,124 あっ 私も そうが心配でしたが➡ 169 00:12:05,124 --> 00:12:09,395 こうからは 寒さが 厳しんなあことですし➡ 170 00:12:09,395 --> 00:12:11,931 くれぐれも お体をお大事にしてください。 171 00:12:11,931 --> 00:12:14,968 なんの 病は気からというけん➡ 172 00:12:14,968 --> 00:12:18,404 こぎゃん めでたいことがああに 寝込んでなどおられんですわね。 173 00:12:18,404 --> 00:12:21,608 ええ。 お手柄だぞ 陽子。 174 00:12:21,608 --> 00:12:24,110 お前が一番 親孝行だな。 175 00:12:24,110 --> 00:12:26,412 はい。 フフフフ…。 176 00:12:26,412 --> 00:12:31,417 ♬~ 177 00:12:34,621 --> 00:12:42,428 陽子と平八郎の交際が深まると同時に お支度の方も進行していきます。 178 00:12:50,103 --> 00:12:52,905 失礼いたします。 (邦世)はい。 179 00:12:57,010 --> 00:12:59,646 (波津)道子は大丈夫だったかや? 180 00:12:59,646 --> 00:13:06,085 はい 今日も ご気分がよろしいからと お義父様がお相手をしてくれますので。 181 00:13:06,085 --> 00:13:08,755 ねえ 元子さん。 はい。 182 00:13:08,755 --> 00:13:14,093 平八郎さんがねえ いいあんばいに 年を越したら この近くに➡ 183 00:13:14,093 --> 00:13:16,763 いい家が借りられえげなと 言ってこられたですけんね。 184 00:13:16,763 --> 00:13:19,799 それは よろしゅうございました。 そうでねえ➡ 185 00:13:19,799 --> 00:13:22,635 初め 3月にと言っちょったけど➡ 186 00:13:22,635 --> 00:13:26,939 本家の大伯父様も 病人も容体がいいようだったら➡ 187 00:13:26,939 --> 00:13:31,110 この際 お式を少し早くした方が いいではないか いうことですわね。 188 00:13:31,110 --> 00:13:33,046 はい。 189 00:13:33,046 --> 00:13:38,851 節分が過ぎたら 早々にどげだらかと 大伯父様は言っちょられえですわね。 190 00:13:38,851 --> 00:13:43,122 はい。 いいお話ですので 私は 一日も早く➡ 191 00:13:43,122 --> 00:13:46,993 陽子さんの晴れ姿を お義父様に お見せしたいんですけれども➡ 192 00:13:46,993 --> 00:13:49,429 おばあ様は どうでしょうか。 193 00:13:49,429 --> 00:13:52,632 私も年だけんねえ。 194 00:13:52,632 --> 00:13:57,136 陽子のひ孫の顔が見られえもんなら 早い方がいいですわね。 195 00:13:57,136 --> 00:14:01,007 それでは 問題はございませんでしょう。 (邦世)ああ。 196 00:14:01,007 --> 00:14:05,244 あっ 元子さん お袖の丸みはね。はい。 ちょっと 貸してみるわね。はい。 197 00:14:05,244 --> 00:14:08,915 その前に ちょっと この針を通してごしならんか。 198 00:14:08,915 --> 00:14:10,917 はいはい。 199 00:14:13,786 --> 00:14:18,591 あ~ こう目が遠なったら仕事にならんわ。 200 00:14:18,591 --> 00:14:20,526 しかたがございませんわ。 201 00:14:20,526 --> 00:14:23,262 80年も お使いになってこられたんですもの。 202 00:14:23,262 --> 00:14:25,932 若い時とは 少々違ってきますとも。 203 00:14:25,932 --> 00:14:28,768 80年も ように使ってきたもんですわ。 204 00:14:28,768 --> 00:14:31,404 はい どうぞ。 はい だんだん。 205 00:14:31,404 --> 00:14:34,307 お義母様 お願いいたします。 はいはい。 206 00:14:34,307 --> 00:14:40,947 丸みをつけえ時はね こうは私のやあ方だけど…。 207 00:14:40,947 --> 00:14:45,284 しゅうとめから 手を取って 仕事を教えられながら➡ 208 00:14:45,284 --> 00:14:51,791 元子は ラジオのモニターを 断ってよかったと思っていました。