1 00:00:02,202 --> 00:00:13,614 ♬~ (テーマ音楽) 2 00:00:13,614 --> 00:01:13,807 ♬~ 3 00:01:18,412 --> 00:01:20,347 (トシ江)元気そうにやってんだろ。 4 00:01:20,347 --> 00:01:23,250 だから私は あの子を信じてるって そう言ったんだよ。 5 00:01:23,250 --> 00:01:25,619 (元子)ちょっと… 待ってよ 今 読んでる最中なんだから。 6 00:01:25,619 --> 00:01:32,125 四国は陽気がいいし 魚もおいしいなんて まあ本当に のんきなこと言っちゃって。 7 00:01:32,125 --> 00:01:38,799 けどね 今になって 順平が 藍や染めの勉強するとは思わなかった。 8 00:01:38,799 --> 00:01:42,636 フフ… でね 彦さんのうるさいったらないの。 9 00:01:42,636 --> 00:01:46,506 どうして? 藍は 向こうが本場かもしれないけど➡ 10 00:01:46,506 --> 00:01:48,976 染めは 本場も何もないって。 11 00:01:48,976 --> 00:01:52,446 こちとら 8代続いた吉宗の 磨き抜かれた腕がそろってんだって➡ 12 00:01:52,446 --> 00:01:56,984 まあ ほっとけば 順平を迎えに行きそうな勢いなんだもの。 13 00:01:56,984 --> 00:02:00,587 でも 順平は いろんな職人さんに会いに行ったんで➡ 14 00:02:00,587 --> 00:02:02,623 別に 紺屋の弟子に なったわけじゃないのよ。 15 00:02:02,623 --> 00:02:06,760 だから 私も そう言い聞かしてんのよ フフフ…。 16 00:02:06,760 --> 00:02:10,631 それにしても とぼけてるわよね。 人に さんざん心配かけといて➡ 17 00:02:10,631 --> 00:02:14,501 私にはね 「姉さんにもよろしく」って ひと言 書いてあるだけなのよ。 18 00:02:14,501 --> 00:02:16,937 それは しかたがないわよ。 19 00:02:16,937 --> 00:02:20,273 何たって 新米は 下働きだってしなくちゃいけないし➡ 20 00:02:20,273 --> 00:02:22,209 いろいろ忙しいんだもの。 21 00:02:22,209 --> 00:02:26,613 こんな手紙書く時間 作るのだって 大変だったんだからね。 22 00:02:26,613 --> 00:02:30,417 で その後 河内山のあんばいは どうなの? 23 00:02:30,417 --> 00:02:33,954 う~ん それが変わらないの。 ふ~ん。 24 00:02:33,954 --> 00:02:38,291 まあね おなかん中じゃ 何思ってんのか よく分かんないんだけどね➡ 25 00:02:38,291 --> 00:02:40,293 けど ふだんと変わらないの。 26 00:02:40,293 --> 00:02:42,295 大した役者だこと。 27 00:02:42,295 --> 00:02:44,431 そりゃ 私のご亭主だもの。 28 00:02:44,431 --> 00:02:47,968 まあ。 (笑い声) 29 00:02:47,968 --> 00:02:49,903 ☎ あっ ちょっと待ってね。 30 00:02:49,903 --> 00:02:52,806 分かってるわ 分かってる。 すぐ帰るって そう言ってちょうだいな。 31 00:02:52,806 --> 00:02:55,842 はいはい…。 はい もしもし 大原です。 32 00:02:55,842 --> 00:02:58,612 ☎(洋三)おめでとう もっちゃん! え? 33 00:02:58,612 --> 00:03:03,450 (洋三)あんた やったじゃないの。 え? 何のことだか分からない? 34 00:03:03,450 --> 00:03:07,754 またまた~。 あんた 「児童と文学」に応募したんだろ? 35 00:03:07,754 --> 00:03:10,657 えっ? ああ 今月号読んでないの? 36 00:03:10,657 --> 00:03:14,394 何だ。 あのね 今 「児童と文学」の草柳さんが見えて➡ 37 00:03:14,394 --> 00:03:16,763 1冊置いてかれたのをね パラパラめくっておったんだよ。 38 00:03:16,763 --> 00:03:20,267 そしたら あんたの名前がありました。 ガンコちゃんの名前が。 39 00:03:20,267 --> 00:03:24,938 (絹子)ねえ 第2次選考の候補者の中に 大原元子の名前があったのよ。 40 00:03:24,938 --> 00:03:27,407 よかったじゃないの おめでとう。 41 00:03:27,407 --> 00:03:30,277 お母さん! ハハハハッ! 42 00:03:30,277 --> 00:03:32,779 ねえ これ以上 ちょっと つきあってる暇なくなっちゃったのよ。 43 00:03:32,779 --> 00:03:34,815 本屋行ってね 本買ってこなくっちゃ。 44 00:03:34,815 --> 00:03:37,651 分かってるわよ。 もうね おいとまする頃だから。 45 00:03:37,651 --> 00:03:41,955 はあ~ でも やっぱり 私にも チャンス回ってきたのよね。 46 00:03:44,291 --> 00:03:48,795 ねえ もし受賞したらさ どの お着物 着ていこうか。 47 00:03:48,795 --> 00:03:50,831 まあ… やれやれ。 48 00:03:50,831 --> 00:03:55,302 順平が終わったと思ったら 今度は あんたの番か。 49 00:03:55,302 --> 00:03:58,638 そうなのよ。 ねえ そこまで一緒に出かけましょうよ。 50 00:03:58,638 --> 00:04:02,609 はいはい。 ほら… ほら お母さんったら。 51 00:04:02,609 --> 00:04:04,911 はいはい…。 そうです。 52 00:04:04,911 --> 00:04:08,115 今度は 元子の番です。 53 00:04:10,083 --> 00:04:12,586 ⚟(笑い声) 54 00:04:15,255 --> 00:04:18,158 ねえ 弘美ちゃんも道子も こっち来たら? (弘美)はい。 55 00:04:18,158 --> 00:04:20,127 (藤井)いやぁ お義姉さんのことだから➡ 56 00:04:20,127 --> 00:04:22,129 いつかは こうなるんじゃないかなぁと 思ってましたよ。 57 00:04:22,129 --> 00:04:24,264 まぐれよ まぐれ。 いえいえ。 58 00:04:24,264 --> 00:04:27,601 (巳代子)それにしたって いきなり 候補作になるなんて 大したもんよ。 59 00:04:27,601 --> 00:04:31,271 ううん 昔っから文才があったんだもの。 むしろ遅いくらいだわ。 60 00:04:31,271 --> 00:04:33,940 まあね。 整理しちゃおうかなと思ってたんだけど➡ 61 00:04:33,940 --> 00:04:35,976 駄目でもともとって思って 応募しただけなのよ。 62 00:04:35,976 --> 00:04:38,278 冗談じゃありませんよ そんな。 63 00:04:38,278 --> 00:04:40,614 だんだんよくなる法華の太鼓ってね➡ 64 00:04:40,614 --> 00:04:44,284 順平 お姉ちゃん そして 今度は祐介さん。 65 00:04:44,284 --> 00:04:46,786 あら 祐介さんも 何かに応募なさったんですか? 66 00:04:46,786 --> 00:04:48,722 いやぁ。まさか。 とんでもない とんでもない。 67 00:04:48,722 --> 00:04:52,292 いやぁ… いろいろ応援してくれる人が いるもんですからね➡ 68 00:04:52,292 --> 00:04:54,961 そろそろ 今の代理店から 独立しようかなって➡ 69 00:04:54,961 --> 00:04:57,798 考えてるところなんですよ。 まあ そうだったの。 70 00:04:57,798 --> 00:05:01,568 ええ。 それで一度 お義兄さんとも 相談しようかなと思ってるんです。 71 00:05:01,568 --> 00:05:04,471 大丈夫よ。 祐介さんなら きっと成功するわ。 72 00:05:04,471 --> 00:05:06,439 大原だって賛成だと思うわ。 73 00:05:06,439 --> 00:05:09,442 その時 私が腕を振るうから ワ~ッと スタートパーティーやるつもりよ。 74 00:05:09,442 --> 00:05:12,913 まあ。 ねえ その時 またお花のケーキ作ってね。 75 00:05:12,913 --> 00:05:16,249 ええ。 みんなで うんと楽しくやりましょうね。 76 00:05:16,249 --> 00:05:18,585 ハハハ…。 さあ 頑張らないといけないね。 77 00:05:18,585 --> 00:05:20,520 おう 大介君。(大介)こんにちは。 こんにちは。 78 00:05:20,520 --> 00:05:22,455 (巳代子)ごめんなさいね うるさくて お勉強になんないんじゃないの? 79 00:05:22,455 --> 00:05:26,927 いえ。 ☎ 80 00:05:26,927 --> 00:05:30,397 はい もしもし… あっ お父さん。 81 00:05:30,397 --> 00:05:33,934 事故!? はい お母さんならいるけど。 82 00:05:33,934 --> 00:05:35,869 ちょ… ちょっと。 83 00:05:35,869 --> 00:05:38,271 もしもし あなた! 84 00:05:38,271 --> 00:05:40,207 (正道)いや 僕じゃないよ。 85 00:05:40,207 --> 00:05:44,411 田村っていうね 若い者なんだけれども 今日は帰れそうもないな。 86 00:05:44,411 --> 00:05:48,949 うん ご両親に連絡したらね 着くのは明日の夕方だそうなんだ。 87 00:05:48,949 --> 00:05:54,287 うん… それでね すまないが 着替えをそろえて持ってきてほしいんだ。 88 00:05:54,287 --> 00:05:58,124 何せ 1人暮らしだからね 新しい下着なんかは持ってないだろうし。 89 00:05:58,124 --> 00:06:00,060 うん 頼むな。 90 00:06:00,060 --> 00:06:02,562 それから 気が付いたものがあったら そろえて持ってきてくれ。 91 00:06:02,562 --> 00:06:08,735 うん… すまないけども 東日本総合病院の305号だから。 それじゃ。 92 00:06:08,735 --> 00:06:10,770 いやぁ お義兄さんの仕事も大変だな。 93 00:06:10,770 --> 00:06:12,906 だけど 大介ちゃんが 「事故!」って言った時➡ 94 00:06:12,906 --> 00:06:15,809 私 もう お義兄さんかと思って ドキンとなったわよ。 95 00:06:15,809 --> 00:06:19,679 若い人だっていうし 大したことにならないといいんだけれど。 96 00:06:19,679 --> 00:06:22,082 はい これね…。 97 00:06:22,082 --> 00:06:24,751 そうだ 魔法瓶も 持ってった方がいいかしらね。 98 00:06:24,751 --> 00:06:27,254 いや 僕が運びますから 荷物になっても構いませんよ。 99 00:06:27,254 --> 00:06:30,257 じゃあ お願いします。 はい。 100 00:06:30,257 --> 00:06:33,393 けが人の家族が駆けつけて➡ 101 00:06:33,393 --> 00:06:38,598 正道が うちへ帰ってきたのは 次の日の夜でした。 102 00:06:40,166 --> 00:06:44,037 あ~ さっぱりした。 ホッとしたよ。 103 00:06:44,037 --> 00:06:47,974 お疲れさまでした。 でも 本当に大したことなくてよかったわ。 104 00:06:47,974 --> 00:06:52,612 うん 2週間の入院なんだけどもね 不幸中の幸いだよ。 105 00:06:52,612 --> 00:06:55,949 あれだけ注意してたのに 足場から ド~ンと落ちてね➡ 106 00:06:55,949 --> 00:07:00,787 もう駄目かと思ったけども 幸い 肩から落ちたらしくてね➡ 107 00:07:00,787 --> 00:07:03,690 あれで もう ヘルメットかぶってなくて 頭でも もろに打ってたら➡ 108 00:07:03,690 --> 00:07:05,759 それこそ一巻の終わりだよ。 109 00:07:05,759 --> 00:07:08,528 怖いわ。 110 00:07:08,528 --> 00:07:12,232 肩が外れてね 少し ひびが 入ってるらしいんだけれども➡ 111 00:07:12,232 --> 00:07:15,902 まあ タフなやつだ。 本当に あれで済んでよかったよ。 112 00:07:15,902 --> 00:07:20,573 本当に ご苦労さまでした。 うん。 頂きます。 113 00:07:20,573 --> 00:07:26,246 あっ それでね 今朝も全員集めて 作業の前に 大訓示垂れてな ハハ…。 114 00:07:26,246 --> 00:07:29,249 おかげで 久しぶりに 自分でも びっくりするような大声出したよ。 115 00:07:29,249 --> 00:07:31,918 まあ。 ハハ…。 116 00:07:31,918 --> 00:07:36,790 でも オリンピック目指して これから もっと忙しくなると思うんですけど➡ 117 00:07:36,790 --> 00:07:39,259 あなたも気ぃ付けてくれなくちゃ嫌よ。 118 00:07:39,259 --> 00:07:41,761 大丈夫だよ。 119 00:07:41,761 --> 00:07:45,098 あっ それで どうだって? 何がですか? 120 00:07:45,098 --> 00:07:49,602 ん? 祐介君がね 文学賞がどうとかって言ってたぞ。 121 00:07:49,602 --> 00:07:52,405 ああ あれ。 うん。 122 00:07:52,405 --> 00:07:55,108 応募作がね 第2次選考まで残って➡ 123 00:07:55,108 --> 00:07:58,411 候補者の中に 残ってるっていうだけのことよ。 124 00:07:58,411 --> 00:08:00,714 いやぁ それでも 大したもんじゃないか。 え。 125 00:08:00,714 --> 00:08:04,551 ええ まあね。 巳代子たちが あんまり大騒ぎしてくれるもんだから➡ 126 00:08:04,551 --> 00:08:07,454 つい 私まで 有頂天になってしまったけれど➡ 127 00:08:07,454 --> 00:08:10,423 ここまで残れたことだって 大変なことなんだし➡ 128 00:08:10,423 --> 00:08:14,060 あとは 騒がず 結果を待てばいいと思ってるの。 129 00:08:14,060 --> 00:08:18,732 そうだよ。 児童文学一筋に 営々と努力してきた人たちだって➡ 130 00:08:18,732 --> 00:08:23,603 いっぱいいるんだし そう あっさり 元子が 金的射止めるってのは難しいよ。 131 00:08:23,603 --> 00:08:26,373 ええ。 132 00:08:26,373 --> 00:08:31,745 あ… それとね 祐介さん 近々独立するかもって。 133 00:08:31,745 --> 00:08:34,247 ほう 彼も頑張るなぁ。 134 00:08:34,247 --> 00:08:36,249 ええ。 135 00:08:37,917 --> 00:08:43,390 (自転車のベルの音) 136 00:08:43,390 --> 00:08:48,762 気にしないとは言いながら 新人賞の受賞通知を期待して➡ 137 00:08:48,762 --> 00:08:54,267 元子のソワソワした日が どのくらい続いたことでしょうか。 138 00:08:54,267 --> 00:08:57,270 (宏江) すると 次の授業参観日の時までに➡ 139 00:08:57,270 --> 00:09:00,073 次のPTA会報が出来れば 一番いいってことでしょう。 140 00:09:00,073 --> 00:09:02,542 うん そういうことでしょうねえ。 ねえ。 141 00:09:02,542 --> 00:09:06,212 (久子)本当に あの会長ときたら 言えば すぐ出来ると思ってんだから。 142 00:09:06,212 --> 00:09:08,148 それは やっぱり 大原さんのせいなんじゃない? 143 00:09:08,148 --> 00:09:11,885 私の? だってパッパッパと まとめ方が早いから。 144 00:09:11,885 --> 00:09:14,554 ねえ。 それに 教頭先生もおっしゃってたわよ。 145 00:09:14,554 --> 00:09:18,725 今年度の会報は ユニークで楽しくて分かりやすいって。 146 00:09:18,725 --> 00:09:22,362 私も絶対 大原さんが広報委員に なったおかげだと思ってますもの。 147 00:09:22,362 --> 00:09:24,297 そんな…。 (自転車のブレーキ音) 148 00:09:24,297 --> 00:09:27,200 あら こっちで頂きますから。 はい それじゃ 確かに。 149 00:09:27,200 --> 00:09:30,570 どうもご苦労さまでした。 どうも。 150 00:09:30,570 --> 00:09:34,441 何だ 保険の切り替え通知か。 151 00:09:34,441 --> 00:09:36,443 (宏江)何か いい便りでも待ってるみたい。 152 00:09:36,443 --> 00:09:39,746 あっ… いえ 別に そんなことないんですけどね。 153 00:09:39,746 --> 00:09:45,051 弟が 旅行して回ってるもんですから 何か言ってきたのかと思って。 154 00:09:49,389 --> 00:09:52,759 そして 更に数日後➡ 155 00:09:52,759 --> 00:09:57,630 待ちに待った結果が 新聞紙上に発表されました。 156 00:09:57,630 --> 00:10:22,288 ♬~ 157 00:10:22,288 --> 00:10:25,191 そうか… それは残念だったな。 158 00:10:25,191 --> 00:10:28,428 とんでもない。 あなたのおっしゃるとおりよ。 159 00:10:28,428 --> 00:10:32,298 これで もし受賞でもしてごらんなさい。 私は いい気になるし➡ 160 00:10:32,298 --> 00:10:36,803 それこそ 営々と児童文学一筋に やってきた人たちに申し訳ないわ。 161 00:10:36,803 --> 00:10:39,639 無理しちゃって。 無理なんかしてないわよ。 162 00:10:39,639 --> 00:10:42,141 でも 本当は悔しいんでしょう。 163 00:10:42,141 --> 00:10:46,813 そうね… 何となく じらされてきたって思いもあるし➡ 164 00:10:46,813 --> 00:10:50,450 少しずつ 駄目なものは駄目なんだって 覚悟もできてたから。 165 00:10:50,450 --> 00:10:53,319 でも また応募する気? 分かんないわ。 166 00:10:53,319 --> 00:10:57,991 お母さんのことだもの 懲りずに するに決まってるさ。 167 00:10:57,991 --> 00:11:01,394 おい大介 それはどういう意味だ? はい? 168 00:11:01,394 --> 00:11:04,264 もし 冷やかしてんだったら それは お母さんに対して失礼だよ。 169 00:11:04,264 --> 00:11:07,100 けどさ。 いや けども何もない。 170 00:11:07,100 --> 00:11:11,771 人が努力して その努力の成果を 世に問うってのは そういうことなんだよ。 171 00:11:11,771 --> 00:11:14,607 それを冷やかしたりするのは お父さん 好きじゃないぞ。 172 00:11:14,607 --> 00:11:16,609 はい。 173 00:11:18,278 --> 00:11:20,213 オリンピックとおんなじよね。 174 00:11:20,213 --> 00:11:24,784 参加することだけでも意義があるし 楽しいじゃない。 175 00:11:24,784 --> 00:11:26,819 (道子) お母さん オリンピックにも出るの? 176 00:11:26,819 --> 00:11:29,622 えっ!? ん?まあ…。 177 00:11:29,622 --> 00:11:34,327 (笑い声) 178 00:11:44,437 --> 00:11:47,340 大介は 時々 ああいう口のきき方をするのか? 179 00:11:47,340 --> 00:11:49,809 あっ… 時々ね。 180 00:11:49,809 --> 00:11:52,145 あんまり感心しないなあ。 181 00:11:52,145 --> 00:11:55,815 でも 言う時は 言わせた方がいいんじゃないですか。 182 00:11:55,815 --> 00:11:58,318 そして 注意する時はする。 183 00:11:58,318 --> 00:12:00,253 いちいちやると かえって逆効果だからって➡ 184 00:12:00,253 --> 00:12:03,156 学校の先生も そうおっしゃってたし。 185 00:12:03,156 --> 00:12:06,593 最近 あんまり 一緒に食事する機会がないからかなあ。 186 00:12:06,593 --> 00:12:09,495 それは しかたがないじゃありませんか。 187 00:12:09,495 --> 00:12:11,764 それに 物は考えよう。 188 00:12:11,764 --> 00:12:14,667 あの事故で けがをしたのが あなたじゃなかったこと➡ 189 00:12:14,667 --> 00:12:17,937 田村さんが 無事 退院されたことを思えば➡ 190 00:12:17,937 --> 00:12:22,809 あんまり いいことばっかり重なる方が おかしいし 怖いし。 191 00:12:22,809 --> 00:12:25,278 まあ そうかも分からんな。 192 00:12:25,278 --> 00:12:28,081 さあ どうぞ。 うん。 193 00:12:31,784 --> 00:12:33,786 よいしょ…。 194 00:12:44,497 --> 00:12:49,302 ん? 何だい? えっ ええ…。 195 00:12:49,302 --> 00:12:57,443 ♬~ 196 00:12:57,443 --> 00:13:00,913 「私の八月十五日」…。 197 00:13:00,913 --> 00:13:35,615 ♬~ 198 00:13:35,615 --> 00:13:38,117 元子。 えっ…。 199 00:13:38,117 --> 00:13:42,422 どうしたんだよ。 いえ 別に…。 200 00:13:42,422 --> 00:13:48,294 ねえ あなたにとって 8月15日って 一体 何だったんですか? 201 00:13:48,294 --> 00:13:51,798 僕の8月15日? ええ。 202 00:13:51,798 --> 00:13:53,733 どうしたんだ また急に。 203 00:13:53,733 --> 00:13:58,438 この週刊誌にね 「私の八月十五日」 っていう懸賞募集が出てるの。 204 00:13:58,438 --> 00:14:00,440 ふ~ん。 205 00:14:00,440 --> 00:14:05,078 「八月十五日 この日は 私たちの年代にとって➡ 206 00:14:05,078 --> 00:14:07,914 忘れようにも忘れられない日であるが➡ 207 00:14:07,914 --> 00:14:14,120 改めて 私の八月十五日とは 一体 何なんだろう」って…。 208 00:14:16,389 --> 00:14:19,592 いろいろなことがあって うちへ帰ってきたら➡ 209 00:14:19,592 --> 00:14:24,931 その晩 洋三叔父さんが 「この戦争で生き残った者は➡ 210 00:14:24,931 --> 00:14:28,801 死んでいった人たちの分まで 生きる務めがあるんだ」って➡ 211 00:14:28,801 --> 00:14:31,604 そう言ってくれたのを覚えてるわ。 212 00:14:31,604 --> 00:14:37,410 うん… まあ僕にも 忘れられない一日だったけどね。 213 00:14:41,114 --> 00:14:44,016 懸賞は どうでもいい。 214 00:14:44,016 --> 00:14:50,289 元子は この手記を書いてみよう いや 書かなくてはいけない➡ 215 00:14:50,289 --> 00:14:53,793 そう思いました。