1 00:00:11,278 --> 00:00:15,282 ♬~ 2 00:00:15,282 --> 00:00:18,619 <気が付くと…➡ 3 00:00:18,619 --> 00:00:22,122 俺は野原に横たわっていた> 4 00:00:26,293 --> 00:00:29,296 <どこにも人影はない> 5 00:00:30,964 --> 00:00:33,867 <当たり前のことだ。➡ 6 00:00:33,867 --> 00:00:38,839 何しろ ここは ほかの惑星なのだから> 7 00:00:38,839 --> 00:01:00,127 ♬~ 8 00:01:00,127 --> 00:01:02,896 全く ひどい話だ。 9 00:01:02,896 --> 00:01:06,767 俺は 何もかも思い出せるんですよ。 10 00:01:06,767 --> 00:01:11,972 地球での職業は 産業スパイだった。 11 00:01:15,275 --> 00:01:35,128 ♬~ 12 00:01:35,128 --> 00:01:38,632 あっ! うっ うっ…。 13 00:01:38,632 --> 00:01:42,502 お前 産業スパイだな? 14 00:01:42,502 --> 00:01:45,138 そもそも まだ何の情報も盗んでいない。 15 00:01:45,138 --> 00:01:47,841 甘く考えるな。 16 00:01:50,010 --> 00:01:53,847 地球外へ追放する。 地球外? 17 00:01:53,847 --> 00:01:56,850 フッ… ハハハハ…。 18 00:01:58,986 --> 00:02:04,257 かなり前に この研究所で テレポーテーション装置を開発した。 19 00:02:04,257 --> 00:02:07,928 画期的な発明には違いないが 重大な欠点があった。 20 00:02:07,928 --> 00:02:12,799 どう改良しても 近距離では うまくいかないのだ。 21 00:02:12,799 --> 00:02:16,937 ほかの星に送る役にしか立たない。 22 00:02:16,937 --> 00:02:21,608 そのため この研究は中止になった。 23 00:02:21,608 --> 00:02:25,946 しかし こういう時の役に立つ。 24 00:02:25,946 --> 00:02:30,617 何です? そのテレポとかいうのは。 25 00:02:30,617 --> 00:02:38,425 物質を電波に変え 到着地で再構成させることだ。 26 00:02:40,293 --> 00:02:45,432 あっという間に 物を遠くに移してしまう。 27 00:02:45,432 --> 00:02:47,968 そんな原理の説明は この際 どうでもいい。 28 00:02:47,968 --> 00:02:55,442 つまり それを使って お前を ほかの星へ追放してしまうというわけだ。 29 00:02:55,442 --> 00:02:58,145 ひどすぎる! 私には妻子もある。 30 00:02:58,145 --> 00:03:02,949 同情はするよ。 しかし 諦めてくれ。 31 00:03:05,252 --> 00:03:07,187 やめてくれ…。 32 00:03:07,187 --> 00:03:15,762 ♬~ 33 00:03:15,762 --> 00:03:17,964 やめてくれ…。 34 00:03:39,419 --> 00:03:42,289 <呼吸はできる。➡ 35 00:03:42,289 --> 00:03:47,494 空気がある惑星だったのは せめてもの幸いだった> 36 00:03:51,631 --> 00:03:53,567 (鳴き声) 37 00:03:53,567 --> 00:03:56,970 <この惑星には生命体もいたのか。➡ 38 00:03:56,970 --> 00:04:01,241 しかも こいつ 地球の犬と そっくりじゃないか> 39 00:04:01,241 --> 00:04:04,244 道に迷ったのですか? 40 00:04:04,244 --> 00:04:07,380 あっ… 言葉が通じる。 41 00:04:07,380 --> 00:04:10,250 妙なことをおっしゃる。 42 00:04:10,250 --> 00:04:12,185 ほら… おいで。 43 00:04:12,185 --> 00:04:17,124 <この星の住民は テレパシーのような 特殊能力を持っていて➡ 44 00:04:17,124 --> 00:04:20,393 俺に話しかけてきたのだろうか?> 45 00:04:20,393 --> 00:04:26,099 もしかしたら… あなたも テレポ装置で送られてきた…? 46 00:04:29,936 --> 00:04:33,273 何のことやら… 分かりませんね。 47 00:04:33,273 --> 00:04:36,276 ところで どこから いらっしゃったのですか? 48 00:04:36,276 --> 00:04:41,615 私は遠くから来たのです。 とてつもなく遠くから。 49 00:04:41,615 --> 00:04:44,317 どこからだと思いますか? 50 00:04:47,954 --> 00:04:51,258 地球という星からですよ。 51 00:04:52,826 --> 00:04:57,130 あっ… そうですか。 52 00:04:57,130 --> 00:05:02,369 一体 ここは何という星です? 53 00:05:02,369 --> 00:05:05,572 地球ですよ。 54 00:05:05,572 --> 00:05:07,574 地球? 55 00:05:12,913 --> 00:05:18,718 <宇宙には無数の星があり その中には地球そっくりの星もあると➡ 56 00:05:18,718 --> 00:05:20,787 何度も聞かされてきた。➡ 57 00:05:20,787 --> 00:05:25,292 どうやら そんな星に来てしまったらしい> 58 00:05:30,463 --> 00:05:32,933 すいません。 あなごの天ぷら 追加で。 59 00:05:32,933 --> 00:05:35,936 あっ は~い。 ちょっとお待ちくださいね。 60 00:05:42,943 --> 00:05:47,647 <地球で食べる そばと 全く同じ味> 61 00:05:52,118 --> 00:05:55,155 750円になります。 62 00:05:55,155 --> 00:05:57,958 こんな紙幣しかないのだが…。 63 00:06:04,764 --> 00:06:09,603 これだけあれば… 大丈夫ですよ。 64 00:06:09,603 --> 00:06:11,805 助かった。 65 00:06:14,374 --> 00:06:19,579 <ここは鏡の向こうの世界のように 地球と そっくり> 66 00:06:22,249 --> 00:06:28,388 でも ここには… 俺の知り合いは一人もいない。 67 00:06:28,388 --> 00:06:31,925 そう考えると…➡ 68 00:06:31,925 --> 00:06:36,930 仲間外れの 悲しい気持ちになってしまうんです。 69 00:06:39,599 --> 00:06:45,472 <知らず知らずのうちに 足は自分の家の方角に向かった。➡ 70 00:06:45,472 --> 00:06:51,278 自分そっくりの人物が妻子と共に暮らし 恐らく その男も➡ 71 00:06:51,278 --> 00:06:55,615 遠い星へ追放されたに違いない> 72 00:06:55,615 --> 00:07:00,587 (チャイム) ⚟は~い。 73 00:07:00,587 --> 00:07:07,227 ご主人は おいででしょうか? ⚟今 出張中ですが? 74 00:07:07,227 --> 00:07:10,230 お気の毒なことですが…。 75 00:07:10,230 --> 00:07:14,034 えっ? 主人の身に何か…。 76 00:07:18,571 --> 00:07:22,742 あっ… 何だ あなたじゃない。 77 00:07:22,742 --> 00:07:27,580 お帰りなさい。 たちの悪い いたずらはしないでよ。 78 00:07:27,580 --> 00:07:31,451 うり二つだな…。 79 00:07:31,451 --> 00:07:35,155 何がよ? じっと見て。 80 00:07:37,924 --> 00:07:42,128 そんなとこに立ったままいないで 中へ入ったら? 81 00:07:45,265 --> 00:07:48,601 はい お帰りなさい。 82 00:07:48,601 --> 00:07:52,472 <かわいそうに この女… 何も知らずに➡ 83 00:07:52,472 --> 00:07:59,245 地球から追放されてきた俺を 自分の夫だと思い込んでいるのだ> 84 00:07:59,245 --> 00:08:10,724 ♬~ 85 00:08:10,724 --> 00:08:13,526 チョウチョ? うん! 86 00:08:16,363 --> 00:08:20,900 <地球に残してきた妻子のことを 思い出した。➡ 87 00:08:20,900 --> 00:08:23,903 今頃 どうしているだろう> 88 00:08:26,773 --> 00:08:30,377 どうしたの? 涙ぐんだりして。 89 00:08:30,377 --> 00:08:34,914 いや… 何でもない。 90 00:08:34,914 --> 00:08:39,786 きっと 出張で疲れたのよ。 今日は早く休んだら? 91 00:08:39,786 --> 00:08:42,255 そうしよう…。 92 00:08:42,255 --> 00:09:14,554 ♬~ 93 00:09:14,554 --> 00:09:20,059 <変化のない毎日が始まり 続いていく> 94 00:09:26,232 --> 00:09:30,036 パパ~ ジャングルしよう! 95 00:09:32,372 --> 00:09:36,076 <誰もが俺を普通に扱ってくれる> 96 00:09:36,076 --> 00:09:39,112 回して~。 97 00:09:39,112 --> 00:09:45,251 もっと もっと! もっと? フフフ…。 98 00:09:45,251 --> 00:09:50,757 <しかし 誰一人 俺が地球から来た者だとは気付かない> 99 00:09:56,596 --> 00:10:02,402 俺は… 孤独なんですよ。 100 00:10:02,402 --> 00:10:06,106 誰でも そう感じていますよ。 101 00:10:06,106 --> 00:10:10,944 それで… この星に来られてから 生活上 何か不便なことでも? 102 00:10:10,944 --> 00:10:14,781 別に…。 聞いてほしいのは そんなことじゃない。 103 00:10:14,781 --> 00:10:17,684 故郷の地球が恋しくてならないんです。 104 00:10:17,684 --> 00:10:23,122 分かりますよ。 こう考えたら どうでしょう? 105 00:10:23,122 --> 00:10:28,428 ここが すなわち あなたの故郷の地球だと。 106 00:10:28,428 --> 00:10:30,497 テレポ何とかのことは夢だったと。 107 00:10:30,497 --> 00:10:33,967 先生… それは無理だ。 108 00:10:33,967 --> 00:10:38,438 違う惑星に送られ そこを故郷と思えだなんて…。 109 00:10:38,438 --> 00:10:41,140 困りましたねえ…。 110 00:10:41,140 --> 00:10:45,311 あなたは 今 違う惑星とおっしゃった。 111 00:10:45,311 --> 00:10:49,015 どこが どう違うのか その指摘をしてください。 112 00:10:56,656 --> 00:11:01,628 <この星は 何から何まで地球そっくりなのだ。➡ 113 00:11:01,628 --> 00:11:05,465 憎らしいほど 巧妙に出来ている> 114 00:11:05,465 --> 00:11:25,618 ♬~ 115 00:11:25,618 --> 00:11:30,290 ここに テレポーテーション装置があるはずだ。 116 00:11:30,290 --> 00:11:34,794 それで俺を 元の 地球という星へ送り返してくれ。 117 00:11:34,794 --> 00:11:37,830 はあ… ここは地球ですよ。 118 00:11:37,830 --> 00:11:41,134 俺の故郷の地球へだ! 119 00:11:43,436 --> 00:11:45,371 どうか お願いです…。 120 00:11:45,371 --> 00:11:49,642 さあ… 何のことやら よく分かりませんな。 121 00:11:49,642 --> 00:11:53,313 しかし あなたは そのテレポ装置とやらを➡ 122 00:11:53,313 --> 00:11:55,515 ご覧になったのですか? 123 00:11:59,185 --> 00:12:01,120 いや…。 124 00:12:01,120 --> 00:12:03,122 お気の毒ですが…。 125 00:12:07,594 --> 00:12:10,897 <取りつく島がなかった> 126 00:12:13,466 --> 00:12:17,270 <これ以外に帰る方法はないのだ> 127 00:12:17,270 --> 00:12:36,422 ♬~ 128 00:12:36,422 --> 00:12:39,926 <あれから何年ぐらいたったろう?> 129 00:12:43,963 --> 00:12:48,468 <俺は まだ 地球に帰れずにいる> 130 00:12:55,441 --> 00:12:58,144 住み心地は どうだい? 住み心地は どうだい? 131 00:12:58,144 --> 00:13:01,748 住み心地は どうだい? 132 00:13:01,748 --> 00:13:07,620 <ここの住み心地… 必ずしも悪くない。➡ 133 00:13:07,620 --> 00:13:15,328 しかし 地球は ほかに替えのきかない 俺の故郷の星なのだ> 134 00:13:21,134 --> 00:13:26,606 <こんな俺にも 少しだけ心の休まる時がある。➡ 135 00:13:26,606 --> 00:13:33,112 仲間が出来たのだ。 俺たちは 「地球人の会」というのをこしらえ➡ 136 00:13:33,112 --> 00:13:36,783 時々 会っている> 137 00:13:36,783 --> 00:13:39,686 それで… 地球では何を? 138 00:13:39,686 --> 00:13:42,288 税務署員をしていました。 139 00:13:42,288 --> 00:13:47,126 まあ… ここでも同じ職業なんですが。 140 00:13:47,126 --> 00:13:51,431 あの研究所に調べに行って 捕まって➡ 141 00:13:51,431 --> 00:13:55,635 無理やり ここへ追放されてしまったんです。 142 00:14:01,908 --> 00:14:07,413 <そのうち この仲間も増えるのではないだろうか> 143 00:14:09,248 --> 00:14:15,755 <そして 遠くにある故郷 地球の思い出を語り合う> 144 00:14:21,260 --> 00:14:27,967 <心の中で 懐かしさが とめどなく 波を打ち続ける> 145 00:14:34,807 --> 00:14:56,095 ♬~