1 00:00:01,567 --> 00:00:02,767 (永井拓巳(ながいたくみ))俺の足は― 2 00:00:06,867 --> 00:00:08,567 もう二度と動かないんだろ? 3 00:00:18,567 --> 00:00:19,700 ちくしょう… 4 00:00:22,100 --> 00:00:24,133 何が新院長だ 5 00:00:24,533 --> 00:00:25,734 終わりだよ 6 00:00:27,333 --> 00:00:29,166 終わりじゃねえか! 7 00:00:32,667 --> 00:00:34,934 (矢上俊明(やがみとしあき))俺が拓巳に そんなことをするはずがない 8 00:00:36,066 --> 00:00:40,200 実の… 弟なのに 9 00:00:43,667 --> 00:00:45,934 (川村景子(かわむらけいこ))ねえ 拓巳先生 知らない? 10 00:00:46,000 --> 00:00:46,767 (谷村美樹)えっ? 11 00:00:47,233 --> 00:00:48,800 あれ? さっきまで そこに いたのに 12 00:00:49,300 --> 00:00:50,133 えっ… 13 00:01:05,367 --> 00:01:09,900 (赤ん坊の泣き声) 14 00:01:51,100 --> 00:01:53,100 ♪~ 15 00:01:56,633 --> 00:01:58,133 (クラクション) 16 00:03:26,233 --> 00:03:28,233 ~♪ 17 00:03:32,567 --> 00:03:33,867 (クラクション) 18 00:03:33,967 --> 00:03:36,667 (急ブレーキ音) 19 00:03:37,900 --> 00:03:39,033 すいません! 20 00:03:39,800 --> 00:03:40,800 拓巳先生! 21 00:03:48,166 --> 00:03:49,567 (矢上) 俺の母親は 看護婦だった 22 00:03:50,667 --> 00:03:51,967 よくある話さ 23 00:03:53,166 --> 00:03:55,400 将来を嘱望された若い医者が― 24 00:03:55,800 --> 00:03:57,734 何も知らない若い看護婦を弄んだ 25 00:03:59,266 --> 00:04:00,300 (小泉美和(こいずみみわ))そんなこと… 26 00:04:01,800 --> 00:04:03,967 お前の知ってる男が どうだったかは知らんが― 27 00:04:05,333 --> 00:04:06,967 少なくとも 30年前― 28 00:04:07,533 --> 00:04:10,400 まだ20代だった永井誠一郎(せいいちろう)は そういう男だった 29 00:04:13,233 --> 00:04:16,066 ヤツは いいとこの お嬢様との 縁談が決まると― 30 00:04:17,633 --> 00:04:19,700 まるでボロ雑巾のように 俺の母親を捨てた 31 00:04:21,033 --> 00:04:22,300 だが 子供ができず― 32 00:04:22,900 --> 00:04:25,300 永世(えいせい)会に産み捨てられた秀一(しゅういち)を― 33 00:04:25,367 --> 00:04:27,333 自分の息子として 養子にした 34 00:04:27,700 --> 00:04:28,567 待って 35 00:04:29,767 --> 00:04:31,633 じゃあ 院長と拓巳先生は― 36 00:04:32,367 --> 00:04:33,767 実の兄弟じゃないってこと? 37 00:04:34,867 --> 00:04:35,400 ああ 38 00:04:37,300 --> 00:04:41,900 母親は 俺が物心つくころには 体を壊し― 39 00:04:42,300 --> 00:04:43,967 看護婦を辞めざるをえなかった 40 00:04:45,266 --> 00:04:47,033 その母親が死んだあと― 41 00:04:47,867 --> 00:04:51,000 奨学金をもらって 俺は医大に入った 42 00:04:52,633 --> 00:04:53,500 それが 唯一― 43 00:04:53,600 --> 00:04:56,767 俺たち親子を捨てた誠一郎に 近づく方法だった 44 00:04:58,800 --> 00:05:00,200 ヤツは もう死んでいたがな 45 00:05:02,700 --> 00:05:04,066 俺は 秀一が憎い 46 00:05:05,834 --> 00:05:07,200 血のつながりもないのに― 47 00:05:08,033 --> 00:05:09,200 院長として― 48 00:05:10,166 --> 00:05:12,533 実の弟の 拓巳の上に立っている秀一が… 49 00:05:16,767 --> 00:05:18,633 (拓巳)俺の足は もう二度と動かないんだろ? 50 00:05:20,834 --> 00:05:22,467 分かるよ 俺も医者だからな 51 00:05:23,367 --> 00:05:25,467 脊椎後方固定をしてるんだろ? 52 00:05:29,300 --> 00:05:31,133 外の空気を 吸いに行きたくなったんだよ 53 00:05:33,734 --> 00:05:36,166 車の流れを見ていたら 突然さ 54 00:05:38,433 --> 00:05:39,500 自分でも分からない 55 00:05:39,567 --> 00:05:41,934 この手が 勝手に 車輪を回していた 56 00:05:44,500 --> 00:05:46,800 でも あのまま死んだほうが… 57 00:05:49,900 --> 00:05:51,000 兄貴… 58 00:05:55,667 --> 00:05:58,200 俺なんか 死んだほうがいいんじゃないのか? 59 00:06:00,700 --> 00:06:01,567 兄貴… 60 00:06:02,166 --> 00:06:04,333 何ひとつ 自分じゃできず… 61 00:06:05,300 --> 00:06:06,500 何ひとつ… 62 00:06:09,033 --> 00:06:12,467 他人の手を煩わせるためだけに 生きてくんだからな 63 00:06:19,734 --> 00:06:22,233 (永井秀一) 生活の面倒は 俺が見る 64 00:06:24,700 --> 00:06:25,867 お前がよければ― 65 00:06:28,166 --> 00:06:29,800 永世会の院長にだって… 66 00:06:33,333 --> 00:06:35,000 アハハハハ… 67 00:06:37,066 --> 00:06:38,500 そりゃ無理だ 68 00:06:39,867 --> 00:06:43,934 院長の椅子には 車輪なんか付いてない 69 00:06:45,033 --> 00:06:46,767 生活の面だってそうさ 70 00:06:48,166 --> 00:06:50,133 俺が車椅子から転げ落ちたら― 71 00:06:52,900 --> 00:06:55,667 たとえ手術中でも 駆けつけてくれるのか? 72 00:06:57,567 --> 00:07:01,400 やめてくれ 口先だけの同情なんて 73 00:07:02,900 --> 00:07:05,967 (秀一)拓巳 俺は そんなつもりじゃ… 74 00:07:06,300 --> 00:07:07,734 どんなつもりだよ? 75 00:07:09,166 --> 00:07:10,533 ぶざまな俺を― 76 00:07:10,600 --> 00:07:13,033 心の底から同情してる とでも言うのか? 77 00:07:16,467 --> 00:07:18,900 俺は 永世会の院長には ならない 78 00:07:20,266 --> 00:07:21,700 兄貴の世話にもな 79 00:07:27,133 --> 00:07:28,667 だったら どうしたらいい? 80 00:07:32,100 --> 00:07:32,934 俺は お前に… 81 00:07:33,033 --> 00:07:34,400 じゃあ あんたの足をくれよ 82 00:07:38,400 --> 00:07:39,500 冗談だよ 83 00:07:41,367 --> 00:07:42,900 そうだな… 84 00:07:44,834 --> 00:07:49,867 そうだな そんなに俺を哀れむのなら― 85 00:07:50,266 --> 00:07:51,400 1つだけ… 86 00:07:53,133 --> 00:07:54,934 1つだけ譲ってほしいものがある 87 00:08:00,333 --> 00:08:00,967 彩(あや)だ 88 00:08:06,333 --> 00:08:07,500 彩を俺に返してくれ 89 00:08:10,333 --> 00:08:13,033 もし 彩が俺のそばに いてくれるなら― 90 00:08:14,967 --> 00:08:17,400 俺は また希望の光を見いだせる 91 00:08:19,734 --> 00:08:20,500 兄貴… 92 00:08:22,433 --> 00:08:24,500 兄貴 彩を俺に… な? 93 00:08:25,667 --> 00:08:27,166 彩を返してくれ! 94 00:09:13,266 --> 00:09:16,033 (沢井梨花(さわいりか))偶然ね あんな所で会うなんて 95 00:09:19,333 --> 00:09:22,166 あっ 口の動きで 読み取るのよね? 96 00:09:24,266 --> 00:09:28,100 秀一先生の思ってる 亡くなった奥さん以外の人って― 97 00:09:28,166 --> 00:09:29,467 あなただったのよね 98 00:09:30,100 --> 00:09:31,467 病院の うわさで聞いたの 99 00:09:32,567 --> 00:09:34,967 あなたの人生 波乱万丈ね 100 00:09:35,900 --> 00:09:37,734 私より よっぽど楽しそう 101 00:09:46,700 --> 00:09:48,166 ここが私の家 102 00:10:01,200 --> 00:10:03,467 あの事故以来 ずっと監視付きなの 103 00:10:03,734 --> 00:10:06,066 もう悪い虫は つけさせないって 104 00:10:06,900 --> 00:10:07,900 送ってあげて 105 00:10:13,834 --> 00:10:15,533 (使用人)おかえりなさいませ 106 00:10:19,600 --> 00:10:21,066 (秀一)君の言うとおりだった 107 00:10:21,967 --> 00:10:23,900 拓巳は 僕に 彩を返せと言ったよ 108 00:10:26,700 --> 00:10:30,367 院長の座も 僕の扶養も何もいらない 109 00:10:32,166 --> 00:10:33,567 ただ 彩だけだと 110 00:10:34,834 --> 00:10:35,934 それで院長は なんと? 111 00:10:38,834 --> 00:10:39,800 断った 112 00:10:41,800 --> 00:10:43,166 彩は 物じゃない 113 00:10:44,433 --> 00:10:47,600 それに そんなことをすれば 拓巳はダメになってしまう 114 00:10:54,400 --> 00:10:57,200 人間としての尊厳を 奪ってしまうことだ 115 00:11:00,500 --> 00:11:01,500 尊厳… 116 00:11:03,500 --> 00:11:04,734 しかし 既に― 117 00:11:04,800 --> 00:11:06,533 拓巳先生の 外科医としての尊厳は― 118 00:11:06,600 --> 00:11:08,100 奪われてしまいました 119 00:11:09,200 --> 00:11:10,367 そうなってしまった今― 120 00:11:11,000 --> 00:11:13,033 人間としての尊厳 うんぬんより― 121 00:11:14,033 --> 00:11:16,367 生きる糧を どこに求めるかということが― 122 00:11:16,567 --> 00:11:18,066 大事なんじゃないでしょうか 123 00:11:18,400 --> 00:11:20,133 それに あなたが思うほど― 124 00:11:20,333 --> 00:11:22,400 彼女は あなたを 愛しているでしょうか? 125 00:11:22,967 --> 00:11:23,567 え? 126 00:11:23,867 --> 00:11:26,133 (矢上) 彼女が本当に望んでいるのは― 127 00:11:27,100 --> 00:11:29,633 愛情ではなく もっと確かな… 128 00:11:32,200 --> 00:11:33,033 どういう意味だ? 129 00:11:35,066 --> 00:11:37,500 私も貧しい環境に育ったから 分かるんです 130 00:11:38,934 --> 00:11:40,967 明日のことより 今日のこと 131 00:11:42,600 --> 00:11:43,900 見えない愛情より― 132 00:11:44,633 --> 00:11:46,834 目に見える幸福を 手に入れたかった 133 00:11:47,667 --> 00:11:49,066 それは つまり… 134 00:11:49,834 --> 00:11:52,233 彼女は そんな人間じゃない 135 00:11:55,467 --> 00:11:58,500 心の奥は 誰にも のぞけません 136 00:12:01,900 --> 00:12:03,033 (景子)どこ行ってたの? 137 00:12:03,700 --> 00:12:04,900 大変だったのよ 138 00:12:05,300 --> 00:12:07,900 拓巳先生が 自殺未遂 起こしちゃって 139 00:12:09,433 --> 00:12:12,667 目を離した隙にね 中庭から抜け出して… 140 00:12:15,200 --> 00:12:17,900 大丈夫 かすり傷ひとつ なかったから 141 00:12:23,433 --> 00:12:27,567 彼の足 もう二度と 動かないんですって 142 00:12:29,500 --> 00:12:32,100 だから 絶望して あんなこと… 143 00:12:34,367 --> 00:12:36,667 少し興奮してたから― 144 00:12:37,467 --> 00:12:39,433 悪ぶって言ったんだと 思うんだけど 145 00:12:40,867 --> 00:12:42,133 拓巳先生ね― 146 00:12:43,567 --> 00:12:46,533 ほかには 何にも いらないからって― 147 00:12:46,600 --> 00:12:47,800 院長に… 148 00:12:50,100 --> 00:12:51,000 彩さん― 149 00:12:52,333 --> 00:12:55,000 あなたを返してほしいって 150 00:13:07,900 --> 00:13:08,934 (結城貴子(ゆうきたかこ)) なんの用? 151 00:13:09,500 --> 00:13:10,567 結城さんが― 152 00:13:11,367 --> 00:13:14,100 永世会の管財人を降りられると 聞いたものですから 153 00:13:14,600 --> 00:13:16,500 院長に説得でも頼まれたの? 154 00:13:16,967 --> 00:13:17,567 いえ 155 00:13:18,467 --> 00:13:21,033 真実を話さなければいけないと 思いまして… 156 00:13:21,934 --> 00:13:23,333 (貴子)真実? 157 00:13:27,734 --> 00:13:29,166 祥子(しょうこ)さんのことです 158 00:13:33,133 --> 00:13:34,667 申し訳ありませんでした 159 00:13:39,834 --> 00:13:43,633 祥子さんは 心臓に 欠陥を持っていました 160 00:13:45,300 --> 00:13:46,200 医者として― 161 00:13:46,266 --> 00:13:49,400 出産に耐えられるかどうかは 疑問でした 162 00:13:49,800 --> 00:13:50,700 どういうこと? 163 00:13:50,767 --> 00:13:51,967 (矢上)ですが 院長は… 164 00:13:53,900 --> 00:13:56,934 秀一さんは 出産を強要しました 165 00:14:00,066 --> 00:14:02,066 無事 出産することができたなら― 166 00:14:03,033 --> 00:14:06,633 私を永世会に招き入れるからと 167 00:14:07,367 --> 00:14:08,567 (貴子)それは… 168 00:14:09,900 --> 00:14:10,567 (矢上)はい 169 00:14:12,700 --> 00:14:15,433 何よりも永世会の跡取りをと… 170 00:14:16,266 --> 00:14:21,266 生まれてくる子供を 最優先するために? 171 00:14:24,800 --> 00:14:26,433 (矢上)母体に何が起こっても… 172 00:14:28,767 --> 00:14:32,200 それじゃあ 祥子は… 173 00:14:37,233 --> 00:14:38,400 祥子は… 174 00:14:40,867 --> 00:14:42,300 殺されたのね 175 00:14:49,533 --> 00:14:50,367 (拓巳)ありがとう 176 00:14:55,967 --> 00:14:58,700 柄にもなく 悲劇の主人公 気取って― 177 00:14:58,934 --> 00:15:01,000 兄貴に ひどいこと言っちまった 178 00:15:02,066 --> 00:15:03,033 知ってるんだろ? 179 00:15:03,667 --> 00:15:05,400 昨日 俺が兄貴に言ったこと 180 00:15:07,667 --> 00:15:08,500 うそだ 181 00:15:09,800 --> 00:15:11,800 お前だけが俺の望みだなんて― 182 00:15:12,400 --> 00:15:14,800 もう そんな気持ち これっぽっちもない 183 00:15:15,700 --> 00:15:18,867 遺跡の発掘隊だって 見つけらんないよ 184 00:15:20,533 --> 00:15:21,767 第一― 185 00:15:22,467 --> 00:15:24,233 俺に そんな気持ちが 残ってたとしても― 186 00:15:24,300 --> 00:15:25,734 兄貴が許さない 187 00:15:27,834 --> 00:15:29,133 昨日 きっぱり言われたんだ 188 00:15:29,200 --> 00:15:32,467 “それだけは できない”ってな 189 00:15:33,934 --> 00:15:34,867 (医者)本当に 結城さんは― 190 00:15:34,967 --> 00:15:37,367 管財人を 降りてしまわれるんですか? 191 00:15:38,000 --> 00:15:40,200 (美和) 結城さんが とどまる条件は― 192 00:15:40,266 --> 00:15:41,800 院長が お子様… 193 00:15:42,133 --> 00:15:45,533 つまり 結城さんの お孫さんを 手放すということです 194 00:15:46,300 --> 00:15:48,066 ただ それは院長が… 195 00:15:48,934 --> 00:15:49,867 (ドアが開く音) 196 00:15:51,200 --> 00:15:52,400 (美和)結城さん… 197 00:15:55,200 --> 00:15:58,333 管財人を続けてもいいわ 198 00:15:59,266 --> 00:16:00,934 (美和) 考え直していただけたんですか? 199 00:16:01,000 --> 00:16:03,033 ただし 条件があります 200 00:16:04,000 --> 00:16:05,533 心配しなくても― 201 00:16:06,266 --> 00:16:08,734 経営陣の一掃などとは言いません 202 00:16:09,900 --> 00:16:10,867 条件は ただ ひとつ 203 00:16:14,800 --> 00:16:16,333 院長の交代 204 00:16:26,667 --> 00:16:28,567 (矢上)仕事などしてる場合か? 205 00:16:30,667 --> 00:16:32,300 お前が ついていないと― 206 00:16:32,800 --> 00:16:35,233 拓巳は また自殺騒ぎを起こすぞ 207 00:16:36,467 --> 00:16:37,934 拓巳は全て失った 208 00:16:38,367 --> 00:16:40,834 あいつは 孤独の闇に吸い込まれ― 209 00:16:41,166 --> 00:16:43,000 何度でも 同じことを 繰り返すだろう 210 00:16:47,967 --> 00:16:49,433 お前の愛する秀一は― 211 00:16:50,500 --> 00:16:52,633 今頃 院長の座を降ろされている 212 00:16:55,600 --> 00:16:57,834 (貴子) あくまで 暫定措置ですが― 213 00:16:58,266 --> 00:17:02,767 新院長には 小泉さん あなたに なっていただくわ 214 00:17:03,066 --> 00:17:04,367 (美和)いえ それは… 215 00:17:04,433 --> 00:17:06,967 (貴子) では 賛成の方は ご起立を 216 00:17:09,867 --> 00:17:14,934 皆さん 新しい就職の当てでも おありのようですね 217 00:17:50,266 --> 00:17:51,133 どうしたんだ? 218 00:17:55,066 --> 00:17:57,400 “あなたが院長を降ろされる って聞いて…” 219 00:18:00,433 --> 00:18:02,066 心配して くれたんだね? 220 00:18:03,667 --> 00:18:04,300 ありがとう 221 00:18:14,166 --> 00:18:14,900 ごらん 222 00:18:16,300 --> 00:18:19,233 1つだけ 星が出てるよ 223 00:18:26,867 --> 00:18:29,467 まるで みんなから はぐれたみたいだね 224 00:18:36,867 --> 00:18:39,133 身寄りのない 貧しい少女が― 225 00:18:40,500 --> 00:18:42,967 ひと切れの パンを持って― 226 00:18:44,734 --> 00:18:46,233 森の中を 歩いていました 227 00:18:51,133 --> 00:18:54,266 その少女は 森の中で― 228 00:18:54,667 --> 00:18:57,400 貧しい子供たちに 次々に出会いました 229 00:18:58,734 --> 00:19:00,266 彼女は その度に― 230 00:19:00,834 --> 00:19:03,200 自分の持っていた パンや― 231 00:19:03,266 --> 00:19:04,633 かぶっていた帽子― 232 00:19:05,433 --> 00:19:07,667 着ていた服を あげました 233 00:19:08,800 --> 00:19:12,066 そして 最後には 下着さえも 234 00:19:14,166 --> 00:19:15,967 裸になった少女は― 235 00:19:16,934 --> 00:19:17,800 目の前に広がる― 236 00:19:17,867 --> 00:19:19,333 小高い丘の 上に立ち― 237 00:19:20,500 --> 00:19:22,800 満点の星空を 見上げました 238 00:19:24,033 --> 00:19:25,467 すると 出し抜けに― 239 00:19:25,867 --> 00:19:26,600 空から― 240 00:19:26,667 --> 00:19:28,433 バラバラバラ バラバラバラと― 241 00:19:28,500 --> 00:19:29,700 星が落ちてきて― 242 00:19:30,133 --> 00:19:30,867 いつの間にか― 243 00:19:30,934 --> 00:19:32,700 本物の金貨に 変わりました 244 00:19:34,400 --> 00:19:36,467 それから少女は― 245 00:19:36,533 --> 00:19:38,633 幸せな一生を 送りました 246 00:19:43,633 --> 00:19:46,600 彩 約束したよね? 247 00:19:47,934 --> 00:19:51,734 いつか また 君に この話をしてあげるって 248 00:19:57,433 --> 00:19:59,333 北海道でってわけには いかなかったけど 249 00:20:04,800 --> 00:20:06,500 何も 心配しなくていい 250 00:20:08,400 --> 00:20:10,133 永世会の 院長を辞めても― 251 00:20:12,533 --> 00:20:14,033 たとえ 全てを失っても― 252 00:20:15,934 --> 00:20:17,600 僕は 君と 一緒に過ごしていく 253 00:20:26,433 --> 00:20:28,934 “私に 全てを失う あなたを―” 254 00:20:30,233 --> 00:20:32,233 “埋めるものは あるのだろうか” 255 00:20:35,400 --> 00:20:37,700 “私は 裸の少女と同じ” 256 00:20:40,266 --> 00:20:42,633 “あなたに あげる服さえ 持ってない” 257 00:20:46,934 --> 00:20:48,033 裸でいる君は すてきだ 258 00:20:51,834 --> 00:20:53,000 雪が降れば― 259 00:20:55,300 --> 00:20:56,033 それが 君の― 260 00:20:56,100 --> 00:20:56,934 ウェディング ドレスになる 261 00:21:01,567 --> 00:21:04,333 君の上に 星を降らせる 262 00:21:06,467 --> 00:21:07,734 それが僕の願い でもあるんだ 263 00:21:33,567 --> 00:21:37,233 (電話の着信音) 264 00:21:38,333 --> 00:21:40,567 (留守電:美和)小泉は ただいま 留守にしています 265 00:21:40,967 --> 00:21:42,166 メッセージをどうぞ 266 00:21:44,700 --> 00:21:45,333 (秀一)永井ですが― 267 00:21:45,400 --> 00:21:47,333 自宅にまで 電話をかけてしまって すまない 268 00:21:47,734 --> 00:21:48,600 急ぎでは… 269 00:21:53,300 --> 00:21:53,800 はい 270 00:21:53,867 --> 00:21:56,467 (秀一)あ… 悪かったかな? こんな時間に 271 00:21:57,500 --> 00:21:59,266 いえ どうしたんですか? 272 00:21:59,333 --> 00:22:01,200 今日の お礼が言いたくてね 273 00:22:01,967 --> 00:22:03,934 君だけが 最後まで 席を立たずにいてくれて― 274 00:22:04,000 --> 00:22:04,900 うれしかった 275 00:22:05,934 --> 00:22:08,166 それから 今までのことも 276 00:22:09,000 --> 00:22:10,500 結城さんの条件を? 277 00:22:11,433 --> 00:22:12,233 ああ 278 00:22:12,633 --> 00:22:13,667 僕は もともと― 279 00:22:13,734 --> 00:22:15,567 現場の人間として 生きたいと思ってた 280 00:22:16,033 --> 00:22:18,633 だから 一人の外科医として 永世会に尽くせれば… 281 00:22:19,500 --> 00:22:20,266 (美和)ええ 282 00:22:20,700 --> 00:22:23,967 医療スタッフ および 関係者の総意としては― 283 00:22:24,367 --> 00:22:27,300 せめて 外科部長のポストは 用意すべきだと… 284 00:22:28,533 --> 00:22:33,200 ただ 結城さんの あなたへの憎しみを考えますと… 285 00:22:38,900 --> 00:22:40,433 秀一先生には― 286 00:22:41,100 --> 00:22:43,667 完全に永世会を 退いていただこうと思います 287 00:22:45,433 --> 00:22:46,367 それは… 288 00:22:47,266 --> 00:22:50,934 新院長になる私の決断です 289 00:22:55,834 --> 00:22:56,700 それでいい 290 00:23:09,700 --> 00:23:11,734 (梨花) 花って ホントに女性に似てる 291 00:23:13,100 --> 00:23:15,767 男の人の都合で 一瞬だけ摘まれて― 292 00:23:16,166 --> 00:23:17,700 飽きられたら それまで 293 00:23:19,066 --> 00:23:20,900 私は そんなの ごめんだわ 294 00:23:21,567 --> 00:23:22,834 男の人こそ― 295 00:23:23,233 --> 00:23:25,567 飽きたら小さな箱に 閉じ込められる― 296 00:23:25,633 --> 00:23:27,266 アクセサリーのようなものよ 297 00:23:30,400 --> 00:23:32,600 ごめんなさい お話があるんでしたっけ? 298 00:23:53,767 --> 00:23:56,233 (牧野(まきの)のぞみ)いいな 拓巳先生 退院できて 299 00:23:57,066 --> 00:23:58,867 私も勝手に 退院しちゃおっかな~ 300 00:23:58,934 --> 00:24:01,133 そういうのは 退院って言わないんだ 301 00:24:01,533 --> 00:24:02,967 今 元気だからって 油断してると… 302 00:24:03,033 --> 00:24:04,633 あっ また お説教だ 303 00:24:04,700 --> 00:24:06,266 人の話は最後まで聞け! 304 00:24:07,834 --> 00:24:08,867 まったく… 305 00:24:09,266 --> 00:24:12,066 “手術のついでに その口も縫いつけてやるぞ~!” 306 00:24:12,467 --> 00:24:13,934 何よ もう お医者さんじゃないくせに 307 00:24:18,333 --> 00:24:19,266 ごめんなさい 308 00:24:20,867 --> 00:24:21,700 いいさ 309 00:24:22,333 --> 00:24:24,000 子供なんて 残酷なもんだからな 310 00:24:24,066 --> 00:24:26,667 (のぞみ)あっ また 子供扱い 311 00:24:26,734 --> 00:24:28,000 訂正するよ 312 00:24:28,567 --> 00:24:30,767 女は残酷なもんだ 313 00:24:32,433 --> 00:24:35,133 あれ? のぞみ これ 314 00:24:35,200 --> 00:24:37,333 え? これ? おねえちゃんから借りたの 315 00:24:37,734 --> 00:24:40,033 (藤原敏江) 拓巳先生 タクシー来ました 316 00:24:41,533 --> 00:24:42,066 ああ 317 00:24:47,667 --> 00:24:49,500 (拓巳)すいません (矢上)いえ 318 00:24:55,200 --> 00:24:55,867 彩 319 00:25:04,166 --> 00:25:06,633 (拓巳) お前が付き添ってくれるとは 思わなかったよ 320 00:25:07,734 --> 00:25:09,867 景子ちゃんが来てくれる って言ってたからな 321 00:25:15,533 --> 00:25:16,667 いけなかないさ 322 00:25:17,700 --> 00:25:21,400 でも 俺のことは もう心配しなくていい 323 00:25:22,533 --> 00:25:25,066 考えてみりゃ 俺より 大変な障害を抱えてる人は― 324 00:25:25,133 --> 00:25:27,033 いっぱい いるんだからな 325 00:25:28,700 --> 00:25:29,533 きっと… 326 00:25:31,433 --> 00:25:33,900 きっと これが俺の運命だ 327 00:25:39,633 --> 00:25:41,967 運命に逆らおうとするから― 328 00:25:42,033 --> 00:25:44,133 傷ついたり 悲しんだりしなきゃならないんだよ 329 00:25:52,100 --> 00:25:53,734 この部屋が懐かしい? 330 00:25:57,166 --> 00:26:00,800 ああ! そうか 331 00:26:01,400 --> 00:26:03,300 あゆみに刺された お前を― 332 00:26:03,367 --> 00:26:05,700 無理やり 俺が 病院から連れ出して― 333 00:26:06,233 --> 00:26:07,467 この部屋で介抱したんだっけな 334 00:26:14,266 --> 00:26:15,300 今度は 私が? 335 00:26:17,133 --> 00:26:18,266 何言ってるんだ 彩 336 00:26:23,300 --> 00:26:24,834 それが私の運命? 337 00:26:34,867 --> 00:26:36,767 兄貴に 行けって言われたのか? 338 00:26:39,000 --> 00:26:41,200 かわいそうな拓巳の 面倒を見てやれって 339 00:26:42,066 --> 00:26:43,700 お前に俺の面倒は見させるが― 340 00:26:43,767 --> 00:26:45,066 自分たちの愛情は― 341 00:26:45,133 --> 00:26:46,567 変わらず育てていこうとでも 約束したのか? 342 00:26:56,734 --> 00:26:58,166 兄貴の所へは戻らない? 343 00:26:59,900 --> 00:27:01,266 ハハハハ! 344 00:27:03,000 --> 00:27:05,867 うおおお! 345 00:27:05,934 --> 00:27:09,266 かわいそうなジュリエット! 346 00:27:11,433 --> 00:27:14,333 本当は 早く ロミオの所へ行きたいのに― 347 00:27:14,400 --> 00:27:16,567 その弟は車椅子 348 00:27:20,000 --> 00:27:21,967 二人の間を塞いでいる 349 00:27:22,967 --> 00:27:25,967 かわいそうな車椅子の弟さえ いなければ― 350 00:27:27,900 --> 00:27:30,467 ロミオとジュリエットは 結ばれるのに 351 00:27:34,400 --> 00:27:37,200 哀れなピエロの弟よ 352 00:27:39,667 --> 00:27:41,033 お前は やはり― 353 00:27:41,700 --> 00:27:43,500 死んだほうがいい! 354 00:27:46,066 --> 00:27:47,400 ハハハ… 355 00:27:47,467 --> 00:27:51,433 所詮 お前は物語の脇役 356 00:27:52,200 --> 00:27:53,166 いつまで たっても― 357 00:27:53,233 --> 00:27:55,767 ハッピーエンドなど 訪れることのない! 358 00:27:56,500 --> 00:27:58,300 ハハハハ… 359 00:28:03,867 --> 00:28:05,066 うっ うっ… 360 00:28:05,934 --> 00:28:07,033 所詮… 361 00:28:10,834 --> 00:28:11,900 お前は… 362 00:28:13,600 --> 00:28:15,033 所詮 お前は… 363 00:28:36,333 --> 00:28:38,400 “ハッピーエンドは1つじゃない” 364 00:28:46,500 --> 00:28:49,533 “あなたを幸せにすることも 私にとっては そうだ” 365 00:28:55,533 --> 00:28:56,767 ふざけるな! 366 00:29:04,767 --> 00:29:06,700 兄貴の所へは戻らない? 367 00:29:09,500 --> 00:29:11,500 俺とのハッピーエンド? 368 00:29:13,166 --> 00:29:14,500 じゃあ 証拠を見せろ 369 00:29:21,533 --> 00:29:23,200 証拠を見せろよ! 370 00:29:27,300 --> 00:29:29,934 その本は 兄貴の思い出だ 371 00:29:30,333 --> 00:29:31,700 燃やせるだろ? 372 00:29:34,266 --> 00:29:35,367 燃やしてみろよ! 373 00:29:35,767 --> 00:29:37,133 その気持ちが本当なら 374 00:29:39,233 --> 00:29:40,066 できないだろ? 375 00:29:41,667 --> 00:29:43,266 かまわない 出てけ 376 00:29:45,533 --> 00:29:46,734 出てってくれよ 377 00:29:48,734 --> 00:29:50,400 かまわない 出てけ! 378 00:30:00,900 --> 00:30:03,100 (秀一) 身寄りのない貧しい少女が― 379 00:30:03,800 --> 00:30:06,934 ひと切れのパンを持って 森の中を歩いていました 380 00:30:08,133 --> 00:30:10,600 その少女は 森の中で― 381 00:30:10,667 --> 00:30:13,433 貧しい子供たちに 次々に出会いました 382 00:30:14,934 --> 00:30:16,233 彼女は その度に― 383 00:30:17,233 --> 00:30:20,734 自分の持っていたパンや かぶっていた帽子― 384 00:30:21,400 --> 00:30:23,967 着ていた服をあげました 385 00:30:25,000 --> 00:30:28,433 そして 最後には 下着さえも 386 00:30:52,567 --> 00:30:53,900 裸になった少女は― 387 00:30:55,166 --> 00:30:57,967 目の前に広がる 小高い丘の上に立ち― 388 00:30:59,367 --> 00:31:01,266 満点の星空を見上げました 389 00:31:02,266 --> 00:31:03,567 すると 出し抜けに― 390 00:31:04,200 --> 00:31:04,900 空から― 391 00:31:04,967 --> 00:31:07,967 バラバラバラ バラバラバラと 星が落ちてきて― 392 00:31:08,533 --> 00:31:11,233 いつの間にか 本物の金貨に変わりました 393 00:31:14,900 --> 00:31:15,667 (拓巳)もういい! 394 00:31:27,166 --> 00:31:28,633 疑ってたわけじゃない 395 00:31:30,567 --> 00:31:31,600 ただ 彩― 396 00:31:33,800 --> 00:31:36,000 お前が ここに戻ってくることで― 397 00:31:37,633 --> 00:31:39,400 兄貴との愛情が深まるなら― 398 00:31:39,467 --> 00:31:41,667 こんなに悲しいピエロはないって… 399 00:31:46,233 --> 00:31:48,100 俺は お前が望むなら― 400 00:31:51,066 --> 00:31:52,400 死んだって かまわないんだよ 401 00:31:54,767 --> 00:31:55,533 彩… 402 00:31:56,333 --> 00:31:58,667 俺は お前が望むなら 死んだって かまわないんだよ 403 00:32:13,934 --> 00:32:16,133 本当に戻ってきてくれたんだな? 404 00:32:23,100 --> 00:32:25,867 こんな… こんな俺のところに… 405 00:32:31,867 --> 00:32:34,800 俺は 神様に感謝する 406 00:32:36,800 --> 00:32:38,166 あの事故にも― 407 00:32:40,600 --> 00:32:42,633 動かなくなった足にも 408 00:32:44,200 --> 00:32:45,033 彩… 409 00:32:49,800 --> 00:32:52,834 お前と引き換えになったのなら… 410 00:33:07,200 --> 00:33:08,867 (美和)結城さんの 条件でもありました― 411 00:33:08,934 --> 00:33:10,567 院長の件ですが― 412 00:33:10,967 --> 00:33:14,367 新院長には 私(わたくし) 小泉が就任します 413 00:33:22,200 --> 00:33:22,834 (ドアが開く音) 414 00:33:24,400 --> 00:33:25,533 (美和) なんなんですか あなた方は? 415 00:33:26,533 --> 00:33:27,500 小宮(こみや)さん… 416 00:33:27,600 --> 00:33:29,433 (小宮)これは結城様 417 00:33:29,500 --> 00:33:31,066 お久しぶりでございます 418 00:33:31,300 --> 00:33:34,667 確か 平山(へいさん)会の経営懇談会 以来でしたよね 419 00:33:35,567 --> 00:33:38,667 今日は 沢井会長の代行で 参りました 420 00:33:39,000 --> 00:33:39,900 (秀一)沢井? 421 00:33:41,834 --> 00:33:44,233 (小宮) 永世会の管財人は 本日より― 422 00:33:44,300 --> 00:33:48,567 沢井グループ会長の 沢井修三(しゅうぞう)が就任いたします 423 00:33:49,367 --> 00:33:50,800 (美和)どういうことですか? 424 00:33:51,367 --> 00:33:52,467 そんな勝手なこと… 425 00:33:52,867 --> 00:33:54,000 結城さん! 426 00:33:54,066 --> 00:33:56,233 (小宮) お分かりですよね 結城さん? 427 00:33:56,667 --> 00:33:59,233 沢井が出てきたということが どういうことか 428 00:34:01,166 --> 00:34:01,900 ええ 429 00:34:09,800 --> 00:34:11,633 (秀一)沢井といえば― 430 00:34:11,934 --> 00:34:17,000 鉄鋼 造船 エレクトロニクス 金融 建築 不動産― 431 00:34:17,433 --> 00:34:18,700 あらゆる部門で… 432 00:34:21,166 --> 00:34:22,133 驚いたよ 433 00:34:22,200 --> 00:34:23,800 まさか 君が その会長の… 434 00:34:25,700 --> 00:34:27,533 でも どうして うちの管財人に? 435 00:34:28,433 --> 00:34:31,700 あなたには 私の命を救ってもらったから 436 00:34:32,100 --> 00:34:34,133 それは医者として当然のことだ 437 00:34:34,967 --> 00:34:36,900 だったら 私も当然でしょう? 438 00:34:37,500 --> 00:34:40,467 裕福な人が 困ってる人を 助けたんだから 439 00:34:41,233 --> 00:34:43,200 (秀一) それにしては 額が大きすぎる 440 00:34:43,700 --> 00:34:44,633 いいんです 441 00:34:45,300 --> 00:34:47,900 父には 大きな借りを 作ったことになるけど 442 00:34:49,166 --> 00:34:50,166 (秀一)とにかく お礼を言うよ 443 00:34:50,834 --> 00:34:53,567 君のおかげで 父の病院が 他人の手に渡らずに済む 444 00:34:54,166 --> 00:34:57,433 (梨花)お礼なら 私じゃなくて 違う人に 445 00:34:57,667 --> 00:34:59,600 もちろん 君の お父さんには… 446 00:34:59,667 --> 00:35:00,200 (梨花)いいえ 447 00:35:00,967 --> 00:35:02,633 あなたの もっと身近にいる人 448 00:35:04,133 --> 00:35:06,467 あなたのことを 誰よりも思ってる人 449 00:35:08,367 --> 00:35:09,000 彩? 450 00:35:09,767 --> 00:35:10,467 ええ 451 00:35:11,066 --> 00:35:13,834 私は ただ 買い物をしただけ 452 00:35:27,066 --> 00:35:28,433 悪かったね 呼び出してしまって 453 00:35:30,533 --> 00:35:31,433 梨花さんの所に― 454 00:35:31,500 --> 00:35:32,667 行って くれたんだって? 455 00:35:37,100 --> 00:35:38,533 あの指輪… 456 00:35:41,433 --> 00:35:42,533 あんなもの どうしたんだ? 457 00:35:54,533 --> 00:35:57,000 もともと 拓巳からもらった 婚約指輪? 458 00:36:00,600 --> 00:36:02,000 “一緒に 北海道に―” 459 00:36:02,066 --> 00:36:03,367 “帰ろうと したとき―” 460 00:36:04,934 --> 00:36:07,200 “あなたから はめてもらえと―” 461 00:36:07,266 --> 00:36:08,834 “拓巳が くれた” 462 00:36:10,266 --> 00:36:11,166 彩… 463 00:36:12,700 --> 00:36:14,033 どうして そんなものを? 464 00:36:16,734 --> 00:36:18,900 どうして そんな 大切なものを? 465 00:36:23,767 --> 00:36:25,033 どうかしてるよ 466 00:36:26,367 --> 00:36:28,700 そんな大切なものを 手放した君も― 467 00:36:29,667 --> 00:36:32,367 そんなもので 管財人を引き受けた あの人も 468 00:36:41,734 --> 00:36:43,734 “梨花さんが買ったものは―” 469 00:36:46,367 --> 00:36:47,800 “指輪じゃない” 470 00:36:53,734 --> 00:36:55,066 “私の愛情” 471 00:36:59,734 --> 00:37:02,533 “あなたを愛する私の気持ち” 472 00:37:05,233 --> 00:37:08,767 “私は もう―” 473 00:37:13,266 --> 00:37:15,500 “あなたを愛することは ありません” 474 00:37:15,900 --> 00:37:16,767 彩! 475 00:37:21,166 --> 00:37:22,100 僕のために… 476 00:37:24,367 --> 00:37:27,300 僕と拓巳のために そんなことしたんだね? 477 00:37:29,967 --> 00:37:34,333 “あなたには 永世会の院長でいてほしい” 478 00:37:35,066 --> 00:37:36,066 どうして? 479 00:37:37,000 --> 00:37:39,400 僕は 全てを捨てても 君と… 480 00:37:41,233 --> 00:37:45,834 “あなたは 拓巳の 扶養をする義務がある” 481 00:37:46,834 --> 00:37:49,467 もちろん 拓巳の面倒は見る 482 00:37:51,066 --> 00:37:52,233 ここを辞めても― 483 00:37:55,033 --> 00:38:00,367 どっかの病院で 医者は続けられる 484 00:38:02,133 --> 00:38:02,900 だから… 485 00:38:08,333 --> 00:38:11,500 “それでは 普通の暮らししかできない” 486 00:38:16,200 --> 00:38:17,700 “貧しかったから―” 487 00:38:20,700 --> 00:38:22,700 “両親は私を捨てた” 488 00:38:24,767 --> 00:38:26,000 “お金があれば―” 489 00:38:28,333 --> 00:38:31,266 “寂しい思いもせずに済んだ” 490 00:38:34,166 --> 00:38:35,533 “こんな私でも―” 491 00:38:38,567 --> 00:38:40,266 “幸せに暮らせたはず” 492 00:38:46,867 --> 00:38:48,967 “私は お金が欲しい” 493 00:38:55,333 --> 00:38:56,033 ウソだ 494 00:38:57,066 --> 00:38:57,834 だったら なぜ― 495 00:38:57,900 --> 00:39:00,400 あのとき 君は 僕と別れて 1人で北海道へ? 496 00:39:00,934 --> 00:39:02,533 僕は 君と行くつもりで 空港へ… 497 00:39:04,133 --> 00:39:04,867 彩… 498 00:39:06,533 --> 00:39:08,166 君は ウソをついている 499 00:39:24,667 --> 00:39:26,133 お金も もらった? 500 00:39:31,266 --> 00:39:32,767 “結城さんに” 501 00:39:40,567 --> 00:39:41,800 手切れ金… 502 00:39:51,934 --> 00:39:54,567 “私はシンデレラになりたかった” 503 00:39:57,100 --> 00:39:58,367 “王子様は―” 504 00:40:02,533 --> 00:40:04,700 “どこの国の人でもよかった” 505 00:40:08,266 --> 00:40:12,033 “あなたは永世会の院長として ここに残って―” 506 00:40:18,433 --> 00:40:21,000 “私と拓巳に 毎月 お金を” 507 00:40:24,333 --> 00:40:30,133 “私と拓巳が 幸せに暮らせるよう” 508 00:40:32,934 --> 00:40:33,700 彩… 509 00:40:36,667 --> 00:40:38,166 君は 本当に? 510 00:40:42,266 --> 00:40:44,333 僕を愛してると 言って 511 00:40:47,500 --> 00:40:50,300 記憶をなくした僕を 捜して― 512 00:40:50,367 --> 00:40:52,000 東京まで出てきて ただ… 513 00:40:56,000 --> 00:40:57,266 “こんな私が―” 514 00:40:58,400 --> 00:40:59,834 “独身の医者に 会えることは―” 515 00:40:59,900 --> 00:41:01,233 “もうないと 思った” 516 00:41:04,100 --> 00:41:05,633 “だから 必死だった” 517 00:41:20,467 --> 00:41:21,233 “あなたに―” 518 00:41:21,300 --> 00:41:22,333 “ろうあ者の 気持ちは―” 519 00:41:22,400 --> 00:41:23,033 “分からない” 520 00:41:26,400 --> 00:41:28,667 “小さな幸せが見つかれば―” 521 00:41:30,700 --> 00:41:33,633 “それを必死に つかまなければならない” 522 00:41:36,400 --> 00:41:37,967 “あなたが思ってるほど―” 523 00:41:44,000 --> 00:41:46,367 “私の心は きれいじゃない” 524 00:41:50,100 --> 00:41:51,700 (矢上) 彼女が本当に望んでいるのは― 525 00:41:52,567 --> 00:41:55,433 愛情ではなく もっと確かな… 526 00:41:57,133 --> 00:41:59,767 私も貧しい環境に育ったから 分かるんです 527 00:42:00,700 --> 00:42:02,333 明日のことより 今日のこと 528 00:42:02,800 --> 00:42:03,834 見えない愛情より― 529 00:42:04,233 --> 00:42:06,266 目に見える幸福を 手に入れたかった 530 00:42:06,934 --> 00:42:08,100 それは つまり… 531 00:42:11,100 --> 00:42:14,066 違う そんなことは… 532 00:42:18,467 --> 00:42:21,367 (矢上) 心の奥は 誰にも のぞけません 533 00:42:24,166 --> 00:42:24,967 もういい! 534 00:42:34,567 --> 00:42:35,166 いくらだ? 535 00:42:58,433 --> 00:43:01,066 (秀一)結城から金を受け取った というのは ウソだ 536 00:43:05,734 --> 00:43:06,633 彩― 537 00:43:06,900 --> 00:43:09,233 君は 僕からも 受け取るはずがない 538 00:43:13,200 --> 00:43:14,600 君は 受け取るはずがない 539 00:43:16,967 --> 00:43:19,333 彩… 受け取らないでくれ 540 00:43:46,400 --> 00:43:47,100 (秀一)彩 541 00:43:51,133 --> 00:43:52,066 君は… 542 00:43:56,567 --> 00:43:59,834 どこの国の王子でもいい と言ったよね 543 00:44:03,867 --> 00:44:04,600 でも 僕は… 544 00:44:15,600 --> 00:44:16,600 もう 用はないだろう? 545 00:44:29,166 --> 00:44:30,300 (ドアが閉まる音) 546 00:44:38,500 --> 00:44:39,500 彩… 547 00:44:43,567 --> 00:44:44,834 僕は まだ… 548 00:44:47,734 --> 00:44:49,066 信じられない 549 00:44:54,533 --> 00:44:57,200 (秀一)彩 君は― 550 00:44:57,633 --> 00:45:00,500 どこの国の王子でもいい と言ったよね 551 00:45:01,667 --> 00:45:02,700 でも 僕は… 552 00:45:16,600 --> 00:45:18,900 (ドアの開閉音) 553 00:45:20,333 --> 00:45:21,033 (ドアが開く音) 554 00:45:33,367 --> 00:45:34,033 おかえり 555 00:45:45,633 --> 00:45:46,700 (梨花)決めたの 556 00:45:46,800 --> 00:45:48,066 あなたと 結婚するって 557 00:45:49,800 --> 00:45:51,600 (景子) だから あなたに惹(ひ)かれたの 558 00:45:52,633 --> 00:45:53,700 (拓巳)俺たちは似てるな 559 00:45:53,800 --> 00:45:56,300 ほんの一瞬で 全てを失ってしまった