1 00:00:19,533 --> 00:00:20,567 (永井拓巳(ながいたくみ))俺が女を… 2 00:00:20,633 --> 00:00:22,767 お前を抱けないとでも 思ってるのか? 3 00:00:23,567 --> 00:00:24,567 ああ? 4 00:01:04,734 --> 00:01:05,667 (川村景子(かわむらけいこ))彩(あや)さん 5 00:01:09,300 --> 00:01:10,367 (景子)彩さん! (拓巳)いいんだ 6 00:01:46,100 --> 00:01:47,066 (永井美智代(みちよ))また来たのね 7 00:01:47,700 --> 00:01:49,700 ♪~ 8 00:03:23,900 --> 00:03:25,900 ~♪ 9 00:03:33,667 --> 00:03:34,600 (ドアが開く音) 10 00:03:40,900 --> 00:03:41,400 彩… 11 00:03:45,266 --> 00:03:46,700 “ただいま”って… 12 00:03:50,166 --> 00:03:51,600 どうして戻ってきたんだ? 13 00:03:56,700 --> 00:03:58,200 ほかに行く所がない? 14 00:04:00,166 --> 00:04:01,500 そんなことないだろ 15 00:04:07,600 --> 00:04:09,166 まだ直してないのか… 16 00:04:10,400 --> 00:04:13,300 どうでもいいだろ それより… おい 17 00:04:27,200 --> 00:04:28,633 (院長)ご苦労さまでした 18 00:04:28,700 --> 00:04:30,967 (永井秀一(しゅういち))私が執刀したことは くれぐれも内密にお願いします 19 00:04:31,033 --> 00:04:32,967 (院長)ええ もちろん 20 00:04:36,934 --> 00:04:37,867 では 21 00:04:49,367 --> 00:04:51,834 いつも来てもらって悪いわね 22 00:04:54,800 --> 00:04:56,166 拓巳はどうしてるの? 23 00:04:57,166 --> 00:05:00,100 最近 来てくれないけど 元気にしてる? 24 00:05:16,567 --> 00:05:17,400 そう… 25 00:05:18,967 --> 00:05:23,700 やっぱり 心のどこかで 私のこと まだ許してないのね 26 00:05:34,467 --> 00:05:35,967 だったら 来れないはずないでしょ! 27 00:05:41,800 --> 00:05:43,433 (景子) 彩さん 帰ってきたでしょ? 28 00:05:43,900 --> 00:05:44,400 え? 29 00:05:46,867 --> 00:05:47,800 どうして? 30 00:05:49,100 --> 00:05:50,834 ちゃんと 部屋が掃除してあるもん 31 00:05:52,667 --> 00:05:54,233 私 これ作ったら すぐ帰るね 32 00:05:55,633 --> 00:05:58,834 (拓巳) いいよ 君が帰る必要はない 33 00:05:58,900 --> 00:06:00,700 いいの 無理しなくて 34 00:06:01,800 --> 00:06:04,600 ホントは うれしいんでしょ? 彩さん 帰ってきて 35 00:06:12,200 --> 00:06:13,967 バカなこと言うなよ 36 00:06:14,500 --> 00:06:17,066 ほかの男を愛してる女が そばにいても― 37 00:06:17,467 --> 00:06:18,867 うれしいはずないだろ 38 00:06:19,900 --> 00:06:21,734 (景子) じゃあ どうして部屋に入れたの? 39 00:06:21,800 --> 00:06:23,200 (拓巳)いや だって それは… 40 00:06:24,934 --> 00:06:27,734 ほら 行く所がないって言うから 41 00:06:32,133 --> 00:06:33,967 今夜 戻ってきたら 出てくように言うよ 42 00:06:34,500 --> 00:06:35,266 私 そんなこと言ってない 43 00:06:35,333 --> 00:06:36,967 (拓巳) いや 俺は君に いてほしいんだ 44 00:06:39,166 --> 00:06:41,100 君にこそ いてほしいから 彩には ちゃんと… 45 00:06:45,100 --> 00:06:46,166 ちゃんと言うよ 46 00:06:49,200 --> 00:06:50,500 (新井義彦(あらいよしひこ))いらっしゃいませ! 47 00:06:51,700 --> 00:06:53,033 彩さん… お客さん 48 00:07:05,834 --> 00:07:07,133 (矢上俊明(やがみとしあき))“今日は なんの…” 49 00:07:07,867 --> 00:07:10,800 別に用はない 飲みに来ただけだ 50 00:07:13,000 --> 00:07:15,467 なんだ? 追い出すつもりか? 51 00:07:49,266 --> 00:07:52,000 (沢井梨花(さわいりか)) 秀一さん なんだか疲れてるみたい 52 00:07:53,033 --> 00:07:55,467 (秀一)ここのところ 少しバタバタしててね 53 00:07:55,533 --> 00:07:56,433 (梨花)そう 54 00:07:56,834 --> 00:07:58,867 昼間 永世会(えいせいかい)に連絡したのよ 55 00:07:59,266 --> 00:08:01,367 (秀一)え? (梨花)いないって言われたけど 56 00:08:02,600 --> 00:08:06,133 (秀一)ああ… プラネタリウムに行ってたんだ 57 00:08:06,200 --> 00:08:06,967 (梨花)え? 58 00:08:07,700 --> 00:08:09,567 (秀一)ほんの少しだけ 時間があったんでね 59 00:08:10,867 --> 00:08:12,667 (梨花)ロマンチックなのね 60 00:08:12,734 --> 00:08:14,467 今度 私も一緒に連れてってよ 61 00:08:20,133 --> 00:08:22,100 あそこへは 一人で行きたいんだ 62 00:08:43,166 --> 00:08:43,900 (義彦)どうぞ 63 00:08:44,934 --> 00:08:46,533 すいませんね せっかく来ていただいたのに 64 00:08:47,367 --> 00:08:49,266 彩さん 今 手が離せなくて 65 00:08:49,333 --> 00:08:50,867 あの洗い物 終わったら 呼んできますから 66 00:08:50,934 --> 00:08:52,000 いや いいんだ 67 00:08:52,066 --> 00:08:52,800 いや でも… 68 00:08:55,133 --> 00:08:56,800 いや… お客さん! 69 00:09:08,467 --> 00:09:09,734 (拓巳)まぶしいよ 70 00:09:11,867 --> 00:09:12,934 まぶしいって言ってんだろ! 71 00:09:29,567 --> 00:09:33,100 見れば分かるだろ 寝てたよ 72 00:09:35,300 --> 00:09:36,633 もう食った 73 00:09:44,133 --> 00:09:46,633 ああ 来たよ 74 00:09:48,934 --> 00:09:50,800 彼女が作ってくれたんだ 75 00:09:52,333 --> 00:09:55,200 とってもうまい料理をね 76 00:09:57,100 --> 00:09:59,467 俺は 泊まっていけって言ったんだ 77 00:10:00,633 --> 00:10:05,333 けど 彼女 妙に遠慮して帰っちまったよ 78 00:10:16,400 --> 00:10:17,900 いいよ マッサージなんて 79 00:10:22,600 --> 00:10:24,000 いいって言ってんだろ! 80 00:10:29,734 --> 00:10:30,433 寝かせてくれ 81 00:10:37,533 --> 00:10:38,400 自分でできる 82 00:11:08,100 --> 00:11:09,100 (獣医)この子は― 83 00:11:09,166 --> 00:11:11,900 フクロモモンガの モモンジっていって― 84 00:11:11,967 --> 00:11:13,567 モモが大好きなんだよ 85 00:11:30,333 --> 00:11:32,834 (藤原敏江)ねえ ねえ ねえ… あれ 彩さんじゃない? 86 00:11:32,900 --> 00:11:34,367 (谷村美樹)最近 よく来ますね 87 00:11:34,433 --> 00:11:35,633 (中井加奈子)のぞみちゃんの お見舞いですかね? 88 00:11:35,700 --> 00:11:37,367 ホントは 院長に会いにきてたりして 89 00:11:37,433 --> 00:11:38,133 えっ どうして? 90 00:11:38,200 --> 00:11:40,967 まさか 拓巳先生と よりを戻したのは フェイントで? 91 00:11:41,033 --> 00:11:42,967 十分に ありえるわよね 92 00:11:45,934 --> 00:11:48,367 (牧野(まきの)のぞみ)痛いよ… 痛い… 93 00:11:48,433 --> 00:11:49,800 頭 痛い… 94 00:11:51,633 --> 00:11:54,633 ううっ 頭 痛いよ… 95 00:11:54,700 --> 00:11:57,333 (ナースコール) (のぞみ)痛いよ… 痛いよ 96 00:11:57,400 --> 00:11:59,367 頭 痛いよ 97 00:11:59,433 --> 00:12:01,100 (ナースコール) 98 00:12:22,367 --> 00:12:24,233 (秀一) 君が知らせてくれたんだってね 99 00:12:24,300 --> 00:12:25,166 ありがとう 100 00:12:29,333 --> 00:12:30,734 “どうして手術をしない”? 101 00:12:32,000 --> 00:12:35,100 僕らだって 一刻も早く手術をしたい 102 00:12:39,367 --> 00:12:41,033 彼女が手術を怖がってるんだ 103 00:12:43,800 --> 00:12:48,233 そのせいか あまり 口を利かないようになってしまった 104 00:12:50,166 --> 00:12:52,066 君や拓巳が ここを 離れてからは― 105 00:12:54,400 --> 00:12:55,467 彼女は… 106 00:12:58,900 --> 00:13:01,066 拓巳に手術をして ほしいって言ってる 107 00:13:03,934 --> 00:13:05,266 拓巳じゃなきゃ 嫌だと 108 00:13:08,934 --> 00:13:10,433 彼女のような場合― 109 00:13:11,600 --> 00:13:14,934 その手術が患者の精神状態によって 大きく左右される 110 00:13:17,200 --> 00:13:18,667 だから 踏み切れなかった 111 00:13:22,600 --> 00:13:24,433 でも もう そんなことは言ってられない 112 00:13:25,834 --> 00:13:30,033 彼女の体力が回復しだい 僕が執刀する 113 00:13:43,433 --> 00:13:44,266 彩… 114 00:13:46,233 --> 00:13:48,467 この前 プラネタリウムに 行かなかったか? 115 00:13:51,333 --> 00:13:54,200 いや 君によく似た人を― 116 00:13:54,266 --> 00:13:56,900 見たっていう 看護婦がいて 117 00:14:01,967 --> 00:14:04,300 そう… 君じゃないのか 118 00:14:21,533 --> 00:14:25,967 (景子)拓巳さんは あなたに 出ていってほしいと思ってる 119 00:14:27,800 --> 00:14:32,033 院長のことを思っているあなたに そばにいてほしくないって 120 00:14:33,967 --> 00:14:36,767 でも その一方で― 121 00:14:37,367 --> 00:14:42,467 あなたに そばにいてほしいと 思ってる自分もいる 122 00:14:44,233 --> 00:14:46,800 彼は そんな自分を― 123 00:14:46,867 --> 00:14:48,533 すごく 惨めに感じてるわ 124 00:14:51,166 --> 00:14:52,000 私も同じ 125 00:14:54,300 --> 00:14:56,734 笑うことを 忘れてしまった― 126 00:14:56,800 --> 00:14:57,734 惨めな女 127 00:15:00,333 --> 00:15:02,567 私と彼は似てるの 128 00:15:04,066 --> 00:15:06,233 一瞬の出来事で 全てを― 129 00:15:06,300 --> 00:15:08,066 なくしてしまった者 同士― 130 00:15:08,133 --> 00:15:09,133 すごく よく似てる 131 00:15:16,266 --> 00:15:19,400 明日 不動産屋さんに行こうと 思ってるの 132 00:15:21,967 --> 00:15:23,200 あなたが 行く所がないって― 133 00:15:23,266 --> 00:15:24,266 言うから― 134 00:15:24,967 --> 00:15:28,066 私と彼が一緒に 住める部屋を探しに 135 00:15:30,834 --> 00:15:35,233 あなただって 彼と一緒じゃ あの部屋に いづらいでしょ? 136 00:15:37,967 --> 00:15:40,367 もう 心配しなくていいわ 137 00:15:41,934 --> 00:15:43,467 彼には 私がついてるから 138 00:15:54,900 --> 00:15:56,767 (美智代) 私は拓巳が かわいかったわ 139 00:15:58,300 --> 00:16:01,533 おなかを痛めて産んだ子ですもの 当たり前よね 140 00:16:03,934 --> 00:16:08,400 だから 何がなんでも あの子を 永世会の院長にしたかった 141 00:16:10,066 --> 00:16:13,433 特に 誠一郎(せいいちろう)の愛情を 感じなくなってからは… 142 00:16:14,700 --> 00:16:16,767 私は あの子が幼いころから― 143 00:16:17,233 --> 00:16:21,633 事あるごとに秀一さんと比較して 拓巳を叱ったわ 144 00:16:22,333 --> 00:16:25,066 “秀一さんだけには 負けないで”って 145 00:16:26,934 --> 00:16:29,033 今 思えば バカなことだったわ 146 00:16:29,767 --> 00:16:31,333 そうすればするほど― 147 00:16:31,734 --> 00:16:35,266 あの子の心は 私から離れていったのに 148 00:16:37,333 --> 00:16:41,567 あの子は誰に対しても 反抗的な態度を取るようになって― 149 00:16:42,667 --> 00:16:47,600 誠一郎にも私にも かたくなな態度を崩さなかった 150 00:16:49,967 --> 00:16:52,333 私は あの子に なんにもしてやれなかった 151 00:16:54,033 --> 00:16:59,600 私が あの子の心を 固い殻の中に閉じ込めてしまったの 152 00:17:01,600 --> 00:17:04,333 あの子には いくら謝っても謝りきれない 153 00:17:05,767 --> 00:17:07,500 ホントにダメな母親… 154 00:17:15,800 --> 00:17:17,333 よく夢を見るわ 155 00:17:18,166 --> 00:17:21,166 この狭い牢獄(ろうごく)の中で 毎晩のように 156 00:17:22,967 --> 00:17:24,934 あの子が医大を卒業して― 157 00:17:25,667 --> 00:17:29,600 初めて永世会の医者として 白衣を着たときのことを 158 00:17:31,166 --> 00:17:35,900 白衣を着たときのあの子の姿が 私は 一番好きだった 159 00:17:36,934 --> 00:17:39,133 その夢を見るたびに思うわ 160 00:17:40,533 --> 00:17:44,567 あの子に何か してあげられることはないかって 161 00:17:46,934 --> 00:17:49,233 でも こんな所にいるんですものね 162 00:17:49,834 --> 00:17:52,033 してあげられることなんて なんにも… 163 00:17:53,200 --> 00:17:57,333 それどころか 夫の愛情を信じられずに― 164 00:17:58,767 --> 00:18:00,767 私は人を殺(あや)めてしまった 165 00:18:01,533 --> 00:18:02,867 拓巳は きっと― 166 00:18:04,033 --> 00:18:08,400 もう 私のことを 母親だなんて思ってないわね 167 00:18:15,633 --> 00:18:19,100 (ペンを走らせる音) 168 00:18:19,166 --> 00:18:24,867 “あなたは… 拓巳の母親” 169 00:18:26,834 --> 00:18:31,567 “誰よりも 拓巳を思っている” 170 00:18:34,533 --> 00:18:37,000 “優しい母親” 171 00:18:50,000 --> 00:18:53,900 (ペンを走らせる音) 172 00:18:53,967 --> 00:18:55,166 (美智代)“私は…” 173 00:18:59,100 --> 00:19:03,233 “母親の顔を知らない” 174 00:19:06,133 --> 00:19:12,367 “だから 拓巳が羨ましい” 175 00:19:15,767 --> 00:19:20,934 “こんなに思ってくれてる お母さんがいて” 176 00:19:34,300 --> 00:19:40,867 “一度だけ 私も あなたを…” 177 00:20:02,100 --> 00:20:05,433 “お母さん”って 手話では どうやるの? 178 00:20:25,567 --> 00:20:27,633 もう一度 やってみせて 179 00:20:44,333 --> 00:20:49,200 お… かあさん 180 00:21:38,433 --> 00:21:39,500 (看守)時間です 181 00:22:00,600 --> 00:22:01,567 (ドアが閉まる音) 182 00:22:23,767 --> 00:22:25,867 (小泉美和(こいずみみわ)) どうしたの? ボンヤリして 183 00:22:25,934 --> 00:22:26,734 (矢上)いや… 184 00:22:45,000 --> 00:22:47,834 悪いが 少し疲れているんだ 185 00:22:51,834 --> 00:22:54,967 (美和)しばらく このままでいて 186 00:22:56,000 --> 00:22:56,800 (矢上)ああ 187 00:23:02,633 --> 00:23:04,734 こんな時間まで どこに行ってたの? 188 00:23:06,567 --> 00:23:09,600 答えてくれないの? 秀一さん 189 00:23:11,300 --> 00:23:12,200 手術をしてたんだ 190 00:23:12,266 --> 00:23:14,066 (梨花)ウソ (秀一)ホントだ 191 00:23:16,166 --> 00:23:19,567 (秀一) 永世会ではない ほかの個人病院で 192 00:23:19,633 --> 00:23:20,367 (梨花)え? 193 00:23:22,500 --> 00:23:24,400 (秀一) アルバイトみたいなものだよ 194 00:23:24,467 --> 00:23:25,266 空いてる時間にね 195 00:23:25,967 --> 00:23:27,367 (梨花)どうして そんなことを? 196 00:23:30,200 --> 00:23:33,133 まさか 彩さんのお金のため? 197 00:23:36,734 --> 00:23:37,533 ああ 198 00:23:37,934 --> 00:23:41,000 そんなことしなくてもいいのに お金なら 私が… 199 00:23:41,066 --> 00:23:42,066 (秀一)よしてくれ 200 00:23:43,667 --> 00:23:46,033 彩と拓巳の生活費を 君から受け取ることはできない 201 00:23:46,500 --> 00:23:47,200 どうして? 202 00:23:49,533 --> 00:23:50,433 信じてるから 203 00:23:51,000 --> 00:23:52,000 信じてるって? 204 00:23:54,033 --> 00:23:55,667 今の彩が どうであれ― 205 00:23:56,200 --> 00:23:58,200 北海道で一緒に過ごした時期の 彩の気持ちに― 206 00:23:58,266 --> 00:23:59,667 偽りがあったとは思えない 207 00:24:02,767 --> 00:24:05,066 君から お金を受け取る ということは 僕たちを… 208 00:24:06,533 --> 00:24:11,800 そう… 北海道で共に過ごした 時期まで遡って否定することになる 209 00:24:13,000 --> 00:24:15,133 まだ 彩さんのことが好きなのね 210 00:24:16,633 --> 00:24:17,333 そうじゃない 211 00:24:17,400 --> 00:24:20,300 (梨花)好きなのよ! だから そんなことを 212 00:24:21,500 --> 00:24:23,667 私が管財人だっていうことを 忘れないで! 213 00:24:28,633 --> 00:24:29,700 ごめんなさい 214 00:24:30,200 --> 00:24:32,300 こんなこと言うつもりじゃ なかったの 215 00:24:36,633 --> 00:24:39,033 (拓巳)いいかげんにしろ ムダだって言ってんだよ 216 00:24:43,300 --> 00:24:43,934 なんだよ? 217 00:24:53,033 --> 00:24:54,433 のぞみが発作を? 218 00:24:57,100 --> 00:24:58,533 ICU… 219 00:24:58,600 --> 00:25:00,066 どうして手術をしないんだ? 220 00:25:02,700 --> 00:25:05,100 のぞみが 俺じゃなきゃ嫌だって? 221 00:25:07,166 --> 00:25:08,834 けど だからって このままじゃ… 222 00:25:31,567 --> 00:25:33,600 俺に手術をしろって言うのか? 223 00:25:37,467 --> 00:25:39,233 できるわけねえだろ! 224 00:25:47,600 --> 00:25:49,867 無理なら 手術をするふりをしろ? 225 00:25:52,834 --> 00:25:53,934 “そうすれば のぞみは―” 226 00:25:54,000 --> 00:25:55,433 “安心して手術を” 227 00:25:58,166 --> 00:25:59,834 冗談じゃない お断りだ! 228 00:26:04,800 --> 00:26:05,834 “どうして”だ? 229 00:26:06,567 --> 00:26:08,700 お前は 俺を さらし者にする気か? 230 00:26:09,100 --> 00:26:12,934 もう 手術台の前には立てないから もう 医者じゃないから! 231 00:26:13,500 --> 00:26:15,767 だったら せめて そのまねごとをしろって― 232 00:26:15,834 --> 00:26:17,400 お前は そう言ってるんだぞ! 233 00:26:20,433 --> 00:26:22,667 俺はもう 医者じゃないんだ 関係ねえんだよ! 234 00:26:25,467 --> 00:26:26,266 ああっ! 235 00:27:18,433 --> 00:27:20,000 (看守)いつもご苦労さま 236 00:27:22,867 --> 00:27:23,834 ホントに? 237 00:27:24,333 --> 00:27:26,667 あなた 確か 身内じゃなかったよね? 238 00:27:27,467 --> 00:27:30,533 すぐに身内の人に連絡して! 急いで! 239 00:27:33,300 --> 00:27:35,200 (看守) あなた ちょっと待ちなさい! 240 00:27:42,567 --> 00:27:43,400 (看守)ちょっと… 241 00:28:09,800 --> 00:28:11,066 うわあああっ! 242 00:28:16,900 --> 00:28:19,800 (係員) あなた 倉本(くらもと) 彩さんですか? 243 00:28:29,567 --> 00:28:30,600 故人の遺書です 244 00:28:35,667 --> 00:28:37,700 あなたが永井拓巳さん? 245 00:28:38,433 --> 00:28:40,667 (秀一)拓巳は弟ですが (係員)ああ そう 246 00:28:41,066 --> 00:28:43,200 (係員)だったら これ 渡しといてください 247 00:28:53,233 --> 00:28:54,300 病院に連絡があったんだ 248 00:29:02,367 --> 00:29:04,467 (矢上) 彩は 拓巳のところへ戻ったのか 249 00:29:05,200 --> 00:29:06,033 (景子)ええ 250 00:29:06,567 --> 00:29:08,233 (矢上)別の手を考えればいい 251 00:29:09,000 --> 00:29:10,133 (景子)別の手? (矢上)ああ 252 00:29:10,700 --> 00:29:12,200 沢井を追い出し― 253 00:29:12,600 --> 00:29:15,734 管財人を もう一度 結城貴子(ゆうきたかこ)に差し戻す手をな 254 00:29:16,667 --> 00:29:20,633 そんなことしたって 院長が失脚するとは限らないでしょ 255 00:29:22,367 --> 00:29:25,333 院長には 祥子(しょうこ)さんとの間にできた子供がいる 256 00:29:26,700 --> 00:29:28,834 今は 憎しみしか ないでしょうけど― 257 00:29:29,567 --> 00:29:31,934 結城さんが お孫さんかわいさに― 258 00:29:32,000 --> 00:29:33,400 いつ 院長と和解しても おかしくない… 259 00:29:33,467 --> 00:29:35,266 (矢上)そんなものは簡単に壊せる 260 00:29:37,533 --> 00:29:42,133 なぜなら あの子供は 秀一の子ではない 261 00:29:42,800 --> 00:29:45,700 何言ってるの? あの子供は 祥子さんが… 262 00:29:45,767 --> 00:29:47,734 (矢上)確かに 結城祥子の子供だ 263 00:29:52,667 --> 00:29:53,367 まさか… 264 00:29:54,133 --> 00:29:54,967 そう 265 00:29:56,233 --> 00:29:58,800 あの子供は 人工授精によってできた― 266 00:29:59,600 --> 00:30:01,900 秀一にとっては 血のつながりもない― 267 00:30:03,233 --> 00:30:04,500 赤の他人の子供だ 268 00:30:08,200 --> 00:30:09,734 誰の子供でもいい 269 00:30:10,367 --> 00:30:13,667 妊娠さえすれば 秀一は自分から離れていかない 270 00:30:15,000 --> 00:30:19,700 結城祥子は そう言って 私に人工授精を依頼した 271 00:30:20,166 --> 00:30:23,600 それにしても 哀れな男だな 永井秀一は 272 00:30:24,533 --> 00:30:29,033 自分の子供でもないのに 死んだ妻への罪悪を背負いつつ― 273 00:30:29,633 --> 00:30:32,567 その子供を 一生 育てていかねばならないなんて 274 00:30:40,300 --> 00:30:42,333 (秀一)検死解剖は もうすぐ終わるらしい 275 00:30:45,900 --> 00:30:50,000 火葬は 明日の朝だそうだ 276 00:30:58,100 --> 00:31:00,133 拓巳には もう 連絡は行ったのかな? 277 00:31:10,600 --> 00:31:11,400 え? 278 00:31:17,667 --> 00:31:19,567 連絡しないように頼んだ? 279 00:31:22,233 --> 00:31:23,033 どうして? 280 00:31:27,600 --> 00:31:32,066 “拓巳は 今はまだ 暗闇の中にいる” 281 00:31:35,200 --> 00:31:39,567 “これ以上 拓巳を 暗闇の底に落としてしまったら―” 282 00:31:43,667 --> 00:31:46,767 “きっと もう 光の大地へは戻ってこれない” 283 00:31:52,400 --> 00:31:53,934 “私が 必ず…” 284 00:31:57,467 --> 00:32:00,266 “必ず 拓巳を 立ち直らせてみせる” 285 00:32:05,700 --> 00:32:11,900 “だから それまで お母さんが亡くなったことは―” 286 00:32:14,166 --> 00:32:15,467 “黙っていて” 287 00:32:35,400 --> 00:32:36,667 読めって言うのか? 288 00:32:52,367 --> 00:32:57,266 “彩さん あなたには本当に感謝しています” 289 00:32:57,800 --> 00:32:59,800 “それは 前にも言いましたね” 290 00:33:02,166 --> 00:33:06,600 (美智代)忙しい拓巳の代わりに 私の面会に来てくれたこと 291 00:33:07,567 --> 00:33:09,000 そして 何より― 292 00:33:09,600 --> 00:33:13,166 拓巳を 優しい 笑顔の似合う子に 戻してくれたこと 293 00:33:14,700 --> 00:33:19,367 あの子は 秀一さんと共に 誠一郎が残した永世会を― 294 00:33:19,433 --> 00:33:21,867 もり立てていかねばならない 人間です 295 00:33:23,133 --> 00:33:25,467 その母親が殺人犯では― 296 00:33:25,867 --> 00:33:29,567 拓巳も きっと 心苦しい思いをするはずです 297 00:33:31,233 --> 00:33:33,133 ですから こうするよりほかに― 298 00:33:34,033 --> 00:33:36,934 今の私が拓巳にしてやれることは ありません 299 00:33:38,667 --> 00:33:40,400 全て自業自得です 300 00:33:41,066 --> 00:33:46,033 そう 自分の愛した人 自分を愛してくれた人… 301 00:33:46,800 --> 00:33:51,233 その人の心を信じられなかった 私自身のせい 302 00:33:52,967 --> 00:33:56,133 心残りがあるとすれば 彩さん― 303 00:33:56,200 --> 00:33:59,033 あなたのウェディングドレスを 見れなかったことかしら 304 00:34:00,266 --> 00:34:03,834 初めてできた私の娘ですものね 305 00:34:07,367 --> 00:34:10,934 彩さん 拓巳のことをお願いね 306 00:34:11,767 --> 00:34:15,467 私の愛する拓巳 大事な息子を… 307 00:34:32,867 --> 00:34:34,567 (秀一)拓巳の事故を黙って― 308 00:34:35,500 --> 00:34:37,967 代わりに 母さんの面会に 行ってくれてたんだね 309 00:34:51,033 --> 00:34:53,066 君が 拓巳を 立ち直らせてくれる 310 00:34:55,400 --> 00:34:56,367 僕は信じるよ 311 00:35:00,133 --> 00:35:01,467 僕は 君を信じる 312 00:35:05,066 --> 00:35:06,200 そして 拓巳も 313 00:35:12,734 --> 00:35:15,900 応援するよ 君たち2人を 314 00:35:20,166 --> 00:35:21,734 いつか2人が笑顔で… 315 00:35:27,367 --> 00:35:28,266 そう… 316 00:35:30,900 --> 00:35:35,433 笑顔で結婚できるように 317 00:35:44,033 --> 00:35:47,033 幸せそうな君の ウェディングドレスが見てみたい 318 00:35:59,900 --> 00:36:01,433 ドレスなんていらない? 319 00:36:06,066 --> 00:36:07,567 “雪が降れば…” 320 00:36:11,667 --> 00:36:13,900 “それが私のドレスになる” 321 00:36:23,233 --> 00:36:24,900 いつか 僕が言った言葉だね 322 00:36:54,433 --> 00:36:59,934 君から渡してくれ いつか そのときが来たら 323 00:37:40,000 --> 00:37:41,166 (景子)ここでいいのね? 324 00:37:43,300 --> 00:37:44,133 (拓巳)ああ 325 00:37:45,300 --> 00:37:45,800 (景子)本当? 326 00:37:48,600 --> 00:37:49,900 君のいい所でいいよ 327 00:37:51,367 --> 00:37:52,433 じゃあ 決めてくる 328 00:38:14,033 --> 00:38:18,166 (景子)これから 不動産屋さんに 物件を決めに行くの 329 00:38:21,500 --> 00:38:22,333 これ 330 00:38:29,867 --> 00:38:30,567 何するの? 331 00:38:34,800 --> 00:38:36,266 拓巳を病院へ連れていく? 332 00:38:41,000 --> 00:38:42,533 手術をさせる? 333 00:38:47,500 --> 00:38:51,367 バカなこと言わないで! そんなことできるわけないじゃない 334 00:38:55,200 --> 00:38:56,567 “もう 拓巳に構わないで”? 335 00:38:59,100 --> 00:39:02,934 “あなたといると 拓巳はダメになる” 336 00:39:04,834 --> 00:39:07,400 “拓巳は ますます 闇の中へ―” 337 00:39:07,467 --> 00:39:08,700 “閉じこもって しまう” 338 00:39:10,400 --> 00:39:13,467 あなたに何ができる っていうの? 339 00:39:14,867 --> 00:39:16,567 あなたも 私と同じじゃない 340 00:39:21,533 --> 00:39:22,667 “私は違う”? 341 00:39:25,066 --> 00:39:26,734 “私は 耳が聞こえない” 342 00:39:27,800 --> 00:39:29,567 “それは 生活するには―” 343 00:39:29,633 --> 00:39:31,367 “障害に なるかもしれない” 344 00:39:31,967 --> 00:39:34,567 “でも 生きていく ことには―” 345 00:39:34,633 --> 00:39:36,200 “なんの障害にも ならない” 346 00:39:50,600 --> 00:39:52,600 拓巳のお母さんが亡くなった? 347 00:39:55,266 --> 00:39:59,734 “お母さんは 拓巳の事故のことを知らない” 348 00:40:02,200 --> 00:40:04,166 “永世会の医者として―” 349 00:40:05,166 --> 00:40:08,033 “今も元気に働いていると 思ってる” 350 00:40:10,700 --> 00:40:15,500 “それを誰よりも望み その邪魔になるからと―” 351 00:40:17,467 --> 00:40:18,800 “自ら命を…” 352 00:40:26,600 --> 00:40:32,967 “私が 元の拓巳に戻す” 353 00:40:36,700 --> 00:40:39,667 “お母さんが 愛した―” 354 00:40:39,734 --> 00:40:41,600 “白衣の似合う 拓巳に” 355 00:40:45,767 --> 00:40:51,033 “私が 必ず 戻してみせる” 356 00:41:01,700 --> 00:41:05,633 (拓巳)彩 俺には無理だよ 勘弁してくれ! 357 00:41:08,066 --> 00:41:10,934 彩… 彩 やめてくれ 無理だよ 358 00:41:11,533 --> 00:41:14,800 (敏江)困るんです! 許可がないと入れないんです 359 00:41:14,867 --> 00:41:16,967 (拓巳)もういい 彩… (敏江)困ります 360 00:41:17,934 --> 00:41:19,066 (秀一)かまわない (敏江)ですが… 361 00:41:19,133 --> 00:41:20,767 (秀一)いいから通してあげなさい 362 00:41:20,834 --> 00:41:22,367 (拓巳)あんたもグルだったのか? 363 00:41:22,767 --> 00:41:24,300 一体 どういうつもりなんだよ! 364 00:41:26,900 --> 00:41:28,333 おい ちょっと待て 彩… 365 00:41:28,400 --> 00:41:30,400 おい! ちょっと待てよ 彩! 366 00:41:30,467 --> 00:41:32,000 ちょっと待て! おい! 367 00:41:49,367 --> 00:41:51,934 楽しそうに笑っているのぞみを 思い出せ? 368 00:41:55,633 --> 00:41:57,734 このままでは もう二度と のぞみは笑えない? 369 00:42:02,834 --> 00:42:04,967 “あなたが手術してくれるのを 待っている” 370 00:42:10,967 --> 00:42:14,533 無理だ… 無理だよ 371 00:42:14,967 --> 00:42:16,400 俺には できない! 372 00:42:17,300 --> 00:42:18,166 あっ… 373 00:42:23,400 --> 00:42:25,834 やめてくれ~! 374 00:42:25,900 --> 00:42:26,800 ああっ… 375 00:42:28,567 --> 00:42:31,900 できない! 俺には できないよ! 376 00:42:36,000 --> 00:42:37,166 無理だ… 377 00:42:37,233 --> 00:42:39,467 無理だ! 俺には できない! 378 00:42:45,200 --> 00:42:46,467 俺だって… 379 00:42:48,667 --> 00:42:51,967 俺だって できることなら そうしてやりたいさ! 380 00:42:52,900 --> 00:42:56,266 でも できない 無理に決まってる 381 00:43:02,533 --> 00:43:05,300 勘弁してくれ 彩 382 00:43:07,100 --> 00:43:08,533 勘弁してくれよ 383 00:43:18,900 --> 00:43:19,900 ほら見ろ… 384 00:43:21,367 --> 00:43:23,767 立つことさえできないのに 385 00:43:27,333 --> 00:43:29,233 どうして手術なんて… 386 00:43:34,133 --> 00:43:35,266 こんな… 387 00:43:36,600 --> 00:43:40,000 こんな足で どうして手術なんて! 388 00:43:43,500 --> 00:43:45,967 この足さえ 動くなら! 389 00:43:48,767 --> 00:43:53,633 動くなら 俺だって そうしたいさ! 390 00:43:55,400 --> 00:43:57,133 俺だって! 391 00:43:57,600 --> 00:44:02,867 俺だって そうしたいさ! 392 00:44:47,100 --> 00:44:50,667 君を信じてる 393 00:45:33,567 --> 00:45:40,567 (泣き声) 394 00:45:44,200 --> 00:45:45,767 (のぞみ)いや! 来ないで 395 00:45:45,834 --> 00:45:46,934 うう… 396 00:45:47,000 --> 00:45:48,367 (拓巳)発作が起きて緊急手術? 397 00:45:48,433 --> 00:45:52,233 (秀一)拓巳は あの事故で 右腕も震えが止まらなくなるらしい 398 00:45:52,300 --> 00:45:53,600 (景子)彩さんを愛してるの 399 00:45:53,667 --> 00:45:55,100 (矢上) 俺は お前など愛していない! 400 00:45:55,834 --> 00:45:57,800 それを 今 証明してやる