1 00:00:06,266 --> 00:00:10,500 (アナウンス)ただいまより 小森(こもり)院長の総回診が始まります 2 00:00:12,367 --> 00:00:17,133 ただいまより 小森院長の総回診が始まります 3 00:00:20,834 --> 00:00:24,233 (永井誠一郎(ながいせいいちろう)) おお きれいな花だ ありがとう 4 00:00:27,700 --> 00:00:29,500 病院のほうは どうだ? 5 00:00:30,300 --> 00:00:31,133 (永井秀一(しゅういち))はい 6 00:00:31,200 --> 00:00:34,133 小森先生が 院長代行で 頑張ってくださってますから― 7 00:00:34,567 --> 00:00:35,834 安心してください 8 00:00:36,934 --> 00:00:37,700 そうか 9 00:00:38,834 --> 00:00:40,300 拓巳(たくみ)は… 10 00:00:40,900 --> 00:00:43,200 拓巳の居場所は 相変わらず分からんのか? 11 00:00:44,133 --> 00:00:44,767 ええ 12 00:00:46,800 --> 00:00:49,467 お父さん 拓巳に もう一度チャンスを… 13 00:00:49,533 --> 00:00:51,633 (誠一郎) 式の日取りは 決まったのかね? 14 00:00:52,433 --> 00:00:53,633 (結城祥子(ゆうきしょうこ))いえ まだ 15 00:00:53,700 --> 00:00:55,767 あなたのお母さんも多忙だ 16 00:00:55,834 --> 00:00:57,200 日取りに関しては― 17 00:00:57,266 --> 00:00:59,967 結城家の都合のいいように 考えてください 18 00:01:00,433 --> 00:01:02,600 秀一 お前も それでいいだろう? 19 00:01:03,000 --> 00:01:03,600 はい 20 00:01:05,467 --> 00:01:07,533 すまんが ちょっと休みたい 21 00:01:08,033 --> 00:01:08,934 ありがとう 22 00:01:18,734 --> 00:01:21,400 (ドアの開閉音) 23 00:01:23,800 --> 00:01:26,500 小森院長代行か… 24 00:01:27,934 --> 00:01:29,934 (小森敏彦) ロマネ・サン・ヴィヴァンか… 25 00:01:34,433 --> 00:01:35,900 さすがだ 26 00:01:36,633 --> 00:01:38,266 (電話の着信音) 27 00:01:40,734 --> 00:01:41,433 はい 28 00:01:42,066 --> 00:01:43,533 ああ 佐野(さの)か 29 00:01:43,934 --> 00:01:47,367 (電話:佐野 孝)例の秀一先生の つきあっていた女のことですが― 30 00:01:48,834 --> 00:01:51,900 秀一先生が住んでいた町の 町長に聞いたんですが― 31 00:01:51,967 --> 00:01:55,333 どうやら 秀一先生 その女と 結婚の約束をしていたようです 32 00:01:56,233 --> 00:01:57,100 (小森)結婚? 33 00:01:57,934 --> 00:02:00,934 (佐野)東京まで 秀一先生を 追ってきたという その女― 34 00:02:01,000 --> 00:02:03,567 驚いたことに うちの病院にいます 35 00:02:04,967 --> 00:02:05,934 うちの病院に? 36 00:02:13,767 --> 00:02:15,767 ♪~ 37 00:03:40,967 --> 00:03:42,967 ~♪ 38 00:03:55,066 --> 00:03:56,500 (篠宮(しのみや)あゆみ)失礼いたします 39 00:03:58,633 --> 00:04:00,467 まあ いらっしゃいませ 40 00:04:00,567 --> 00:04:01,700 お久しぶりです 41 00:04:01,767 --> 00:04:02,533 (男)しばらく 42 00:04:09,433 --> 00:04:12,000 (永井拓巳)フウ… よし 43 00:04:12,066 --> 00:04:13,133 (小泉美和(こいずみみわ))拓巳先生! 44 00:04:13,233 --> 00:04:14,700 拓巳先生! 45 00:04:15,467 --> 00:04:16,166 リドカイン! 46 00:04:16,233 --> 00:04:17,166 (看護婦)はい! 47 00:04:17,266 --> 00:04:18,200 (看護婦)心臓停止しました! 48 00:04:18,300 --> 00:04:23,333 (心停止を示す音) 49 00:04:23,433 --> 00:04:24,533 (やかんの笛の音) (拓巳)ハッ! 50 00:04:26,166 --> 00:04:26,867 フウ… 51 00:04:31,533 --> 00:04:33,633 (あゆみ) ごめん 起こしちゃった? 52 00:04:38,700 --> 00:04:40,200 どうしたの? 53 00:04:42,734 --> 00:04:43,667 別に… 54 00:04:45,700 --> 00:04:46,633 おはよう 55 00:04:49,934 --> 00:04:54,200 ねえ ボーイ 本気で続けるの? 56 00:04:57,066 --> 00:04:57,633 なんで? 57 00:05:01,266 --> 00:05:05,633 無理してるんじゃないかなって ちょっと… 58 00:05:09,934 --> 00:05:14,033 ちょっと そんな気がしただけ 59 00:05:18,233 --> 00:05:19,333 別に… 60 00:05:50,834 --> 00:05:54,166 彩(あや)さん 少し休んだほうがいい 61 00:05:55,667 --> 00:05:57,767 彼のことは 機械が守ってるから 62 00:06:00,934 --> 00:06:04,066 確かに 心臓も脳波も動いてる 63 00:06:05,467 --> 00:06:06,633 でも 彼は― 64 00:06:08,433 --> 00:06:10,300 機械が生かしてるだけなんだ 65 00:06:20,834 --> 00:06:22,033 (秀一)気持ちは分かるよ 66 00:06:23,467 --> 00:06:24,533 でも… 67 00:06:28,166 --> 00:06:31,266 彼は 人間としての自覚を持って 生きてるわけじゃないんだ 68 00:06:33,033 --> 00:06:35,333 つらいけど もう… 69 00:06:39,367 --> 00:06:43,367 彩さん 諦めるしかないんだ 70 00:06:56,600 --> 00:06:59,700 (秀一)“彼は あたたかい” 71 00:07:27,900 --> 00:07:32,767 “あたたかいということは 生きているということ” 72 00:07:34,166 --> 00:07:38,767 “人も 小鳥も 死ねば冷たくなる” 73 00:07:39,767 --> 00:07:43,934 “でも 彼は あたたかい” 74 00:07:46,467 --> 00:07:47,533 “生きている” 75 00:07:59,834 --> 00:08:00,767 (秀一)あたたかい 76 00:08:08,367 --> 00:08:10,333 あたたかいということは― 77 00:08:12,500 --> 00:08:14,166 生きてるということ… 78 00:08:19,066 --> 00:08:23,767 (結城貴子(たかこ)) こんなふうに あなたと2人で ゆっくりと食事をするなんて― 79 00:08:24,467 --> 00:08:26,834 もう あと何回もないんでしょうね 80 00:08:28,967 --> 00:08:30,500 (祥子)珍しいわね 81 00:08:30,567 --> 00:08:33,166 お母様が そんなに しんみりなさるなんて 82 00:08:34,734 --> 00:08:39,700 もうすぐ娘が結婚するんですもの 母親の顔にもなるわ 83 00:08:41,834 --> 00:08:42,934 心配? 84 00:08:44,900 --> 00:08:47,934 ただ あなたに 幸せになってほしいだけ 85 00:08:49,300 --> 00:08:50,600 お母様… 86 00:08:52,433 --> 00:08:55,300 私 今とっても幸せです 87 00:08:55,934 --> 00:08:57,233 そして これからも 88 00:08:58,433 --> 00:09:01,633 だって 愛する人と 結婚できるんですもの 89 00:09:03,500 --> 00:09:04,500 (貴子)そうね 90 00:09:06,400 --> 00:09:08,266 せっかく大きくした会社を― 91 00:09:08,333 --> 00:09:10,867 継ぐ人間が いなくなってしまうのは― 92 00:09:10,934 --> 00:09:12,533 少し さびしいけど 93 00:09:12,600 --> 00:09:13,900 大丈夫 94 00:09:14,300 --> 00:09:16,433 私 男の子を産みます 95 00:09:18,033 --> 00:09:19,033 祥子… 96 00:09:20,033 --> 00:09:22,100 結城を継ぐ男の子と― 97 00:09:22,500 --> 00:09:24,633 永世会(えいせいかい)病院を継ぐ男の子 98 00:09:25,900 --> 00:09:27,200 ちょっと大変だけど 99 00:09:29,300 --> 00:09:30,633 せいぜい期待してるわ 100 00:09:30,734 --> 00:09:32,767 (2人の笑い声) 101 00:09:41,333 --> 00:09:42,633 (遠藤園子(そのこ))ねえ 彩さん… 102 00:09:43,667 --> 00:09:45,400 私 もしかして― 103 00:09:45,467 --> 00:09:49,700 秀一先生も 彩さんのこと好きなんかと… 104 00:09:50,100 --> 00:09:53,533 じゃけん あのとき 上野まで? 105 00:09:55,900 --> 00:10:01,400 “秀一先生 義彦(よしひこ)君を気にして” 106 00:10:04,600 --> 00:10:08,467 彩さんも 彼が 心配で戻っただけ? 107 00:10:10,734 --> 00:10:12,734 義彦君か… 108 00:10:12,800 --> 00:10:14,700 彼 あげなことになったから… 109 00:10:15,867 --> 00:10:19,967 植物状態って ホント不思議ね 110 00:10:20,800 --> 00:10:24,867 音は鼓膜に届いちょるし 目を開けりゃあ 光だって… 111 00:10:28,000 --> 00:10:31,567 (園子)声? 聞こえちょるみたい 112 00:10:33,567 --> 00:10:35,633 ホント 不思議ね 113 00:10:37,734 --> 00:10:40,967 (客)まあ… まあまあだね 114 00:10:42,567 --> 00:10:43,667 お願いします 115 00:10:44,600 --> 00:10:45,433 ありがとう 116 00:10:46,900 --> 00:10:47,934 (ホステス)ボーイさん 117 00:10:50,100 --> 00:10:51,400 ミネお願いします 118 00:10:51,467 --> 00:10:52,333 (勝又(かつまた))じゃあ 拓巳のヤツ― 119 00:10:52,400 --> 00:10:54,467 マジで あゆみちゃんの店で ボーイやってるわけ? 120 00:10:54,567 --> 00:10:56,400 (恵子)私たちも驚いてるの 121 00:10:56,467 --> 00:10:59,266 あの あゆみが そこまで男の人に のめり込めるなんて 122 00:10:59,333 --> 00:11:00,200 ねえ? 123 00:11:00,600 --> 00:11:01,533 (由美)でも よかった 124 00:11:01,600 --> 00:11:03,834 そういう気持ちになれるように なったんだもん 125 00:11:03,900 --> 00:11:04,500 (青木)何それ? 126 00:11:04,567 --> 00:11:06,767 あゆみちゃん なんかあるわけ? 男のことで 127 00:11:06,834 --> 00:11:09,600 (恵子)うん 彼女ね 5年間つきあってた男の人が… 128 00:11:09,700 --> 00:11:11,800 (勝又) 5年後にフラれて 男性不信とか? 129 00:11:12,533 --> 00:11:15,467 結婚式の直前に 事故で死なれちゃったの 130 00:11:16,300 --> 00:11:17,567 そのショック 大きくて― 131 00:11:18,400 --> 00:11:19,166 もう二度と男の人を― 132 00:11:19,233 --> 00:11:21,400 愛せないんじゃないか っていうくらい 133 00:11:26,467 --> 00:11:27,934 うん 何? 134 00:11:29,600 --> 00:11:31,333 幸せだなあって 135 00:11:32,867 --> 00:11:34,734 (拓巳) そんなに好きか ここのラーメン 136 00:11:35,567 --> 00:11:36,367 フフッ… 137 00:11:42,867 --> 00:11:44,900 (鳥のさえずり) 138 00:11:45,000 --> 00:11:47,633 (永井美智代(みちよ)) 具合 よろしいんですか? 139 00:11:48,033 --> 00:11:49,633 (誠一郎)ああ だいぶいい 140 00:11:50,500 --> 00:11:54,567 (美智代)あなた 拓巳を 病院に戻してあげてください 141 00:11:57,100 --> 00:11:59,066 あなた! 聞いていらっしゃるんですか? 142 00:11:59,467 --> 00:12:00,767 それは無理だよ 143 00:12:01,233 --> 00:12:01,967 どうしてですか! 144 00:12:02,033 --> 00:12:03,633 (誠一郎)世間的に無理だ 145 00:12:04,200 --> 00:12:05,433 それだけじゃない 146 00:12:05,834 --> 00:12:07,967 オペで あんなことを やってしまって― 147 00:12:08,433 --> 00:12:12,667 あいつは 自分自身で 怖くて もうメスを持つことができない 148 00:12:13,533 --> 00:12:15,867 だから 自分から逃げ出した 149 00:12:17,266 --> 00:12:19,867 残酷なことを言うようだが あいつは もう… 150 00:12:20,767 --> 00:12:22,967 医師としては 使いものにならない 151 00:12:32,066 --> 00:12:32,967 (ノック) 152 00:12:33,367 --> 00:12:34,567 (佐野)佐野です 153 00:12:34,633 --> 00:12:35,467 入れ 154 00:12:37,834 --> 00:12:39,066 ただいま戻りました 155 00:12:40,433 --> 00:12:41,600 ご苦労だったな 156 00:12:42,000 --> 00:12:42,800 それで? 157 00:12:43,200 --> 00:12:47,800 (佐野)これが… 秀一先生の消えた過去です 158 00:13:04,934 --> 00:13:07,600 (倉本(くらもと) 彩)きもち いい… 159 00:13:20,467 --> 00:13:23,467 倉本… 彩? 160 00:13:23,567 --> 00:13:24,800 (佐野)これが― 161 00:13:24,867 --> 00:13:28,100 北海道に残っている 倉本 彩の住民票です 162 00:13:28,667 --> 00:13:31,967 うちに提出している書類と 記載事項が 一致しています 163 00:13:32,033 --> 00:13:33,300 そして これが― 164 00:13:34,166 --> 00:13:37,200 ろう学校の彼女の友達から 預かった写真です 165 00:13:41,700 --> 00:13:43,000 (小森)彼女が… 166 00:13:49,834 --> 00:13:52,967 これで 秀一を 追い出せるかもしれないな 167 00:13:59,433 --> 00:14:03,433 (彩)きもち いいでしょ 168 00:14:11,700 --> 00:14:12,934 (新井和子(あらいかずこ))先生… 169 00:14:14,400 --> 00:14:18,934 この子 ホントに ずっと このままなんですか? 170 00:14:21,000 --> 00:14:23,834 (美和) 残念ながら 今の医学では 171 00:14:25,767 --> 00:14:28,166 (和子)いくら 心臓が動いてるっていっても― 172 00:14:29,233 --> 00:14:30,967 これじゃ あんまりで… 173 00:14:32,533 --> 00:14:33,800 かわいそうで… 174 00:14:34,834 --> 00:14:36,667 こんなことに なるんだったら― 175 00:14:37,533 --> 00:14:42,367 あの手術のとき 死んでたほうがマシだった 176 00:14:43,633 --> 00:14:47,934 あのとき 死なせてやってくれれば 177 00:14:49,800 --> 00:14:51,000 申し訳ありません 178 00:14:53,166 --> 00:14:56,633 (和子) この機械 止めてやることは できないんですか? 179 00:14:58,200 --> 00:14:59,734 それは できません 180 00:15:00,367 --> 00:15:01,967 息子さんは 生きているんです 181 00:15:02,734 --> 00:15:04,166 それじゃ 一体― 182 00:15:04,700 --> 00:15:07,400 いつまで この子 このまま ほっとかれるんですか? 183 00:15:09,000 --> 00:15:11,700 先生 植物状態って おっしゃいましたよね 184 00:15:12,333 --> 00:15:16,200 それじゃ この子は 鉢植えの花が枯れていくように― 185 00:15:16,300 --> 00:15:17,333 なんにも分からずに― 186 00:15:17,400 --> 00:15:19,734 そのまま死んでいくしか ないっていうんですか? 187 00:15:26,700 --> 00:15:31,066 (ピアノの演奏) (園子)拓巳先生… 188 00:15:33,000 --> 00:15:34,233 (拓巳)園子ちゃん 189 00:15:35,600 --> 00:15:36,700 なんで ここが? 190 00:15:37,200 --> 00:15:39,800 先生 病院に戻ってください! 191 00:15:42,266 --> 00:15:43,100 先生! 192 00:15:44,400 --> 00:15:45,500 俺は もう医者じゃない 193 00:15:46,033 --> 00:15:47,133 そんな… 194 00:15:50,967 --> 00:15:51,900 彩さん? 195 00:15:54,600 --> 00:15:55,400 彩? 196 00:15:55,967 --> 00:15:57,333 いえ なんでも… 197 00:15:59,533 --> 00:16:02,567 拓巳 誰なの? 彩って 198 00:16:02,633 --> 00:16:04,333 (拓巳)ここは 園子ちゃんの 来るような場所じゃないよ 199 00:16:04,400 --> 00:16:05,300 先生… 200 00:16:05,767 --> 00:16:08,800 病院は 小森先生が 院長代行をやっています 201 00:16:10,100 --> 00:16:11,367 (拓巳)それも しかたないな 202 00:16:11,767 --> 00:16:15,233 (園子)それに 秀一先生と祥子さん 婚約しました 203 00:16:19,233 --> 00:16:19,934 じゃ 彩は? 204 00:16:20,000 --> 00:16:21,934 (拓巳) 俺に できるわけないだろう! 205 00:16:26,700 --> 00:16:28,533 彩 お前 何かあったのか? 206 00:16:30,867 --> 00:16:31,900 (あゆみ)拓巳 207 00:16:35,633 --> 00:16:36,500 (拓巳)行こう 208 00:16:37,133 --> 00:16:38,734 私の知ってる拓巳先生は― 209 00:16:38,800 --> 00:16:42,000 絶対 自分自身にだけは ウソをつかない人だったのに! 210 00:16:46,834 --> 00:16:48,133 拓巳先生… 211 00:17:05,567 --> 00:17:06,767 (美和)尊厳死について 212 00:17:07,367 --> 00:17:10,333 小森先生ご自身は どう思われますか? 213 00:17:12,600 --> 00:17:15,266 花びらの落ちてしまった生け花に― 214 00:17:15,333 --> 00:17:17,233 水をやる人間など いないだろう 215 00:17:18,433 --> 00:17:20,066 人の命も同じだと? 216 00:17:24,834 --> 00:17:26,867 新井義彦と 彼の家族を― 217 00:17:26,967 --> 00:17:29,900 今の苦しみから解放してやる すべがあると― 218 00:17:29,967 --> 00:17:31,266 いいんだがねえ 219 00:17:32,767 --> 00:17:33,834 怖い方ですね 220 00:17:38,967 --> 00:17:41,467 (小森)彼の脳に 傷を付けたのは君だよ 221 00:17:45,633 --> 00:17:48,433 私だけの胸のうちに あることだがね 222 00:17:58,767 --> 00:18:02,233 (客)なあ 今夜一晩だけ いいだろう? 223 00:18:02,300 --> 00:18:03,133 ん? 224 00:18:04,166 --> 00:18:06,667 お前には 随分よくしてやったじゃないか 225 00:18:06,734 --> 00:18:07,233 な? 226 00:18:08,133 --> 00:18:09,967 うっ! 何するんだ? 227 00:18:10,066 --> 00:18:12,166 少し頭 冷やしたら? 228 00:18:12,567 --> 00:18:16,000 (秘書)君! 先生に なんてことを… 229 00:18:16,433 --> 00:18:19,200 何よ! どこの先生だか知らないけどね… 230 00:18:19,300 --> 00:18:20,066 あゆみさん! 231 00:18:23,333 --> 00:18:24,633 申し訳ありませんでした 232 00:18:25,200 --> 00:18:27,033 (あゆみ) 謝ることなんてないわよ! 233 00:18:27,734 --> 00:18:30,367 まったく なんなんだね この店は! 234 00:18:30,800 --> 00:18:32,734 支配人を呼びたまえ 支配人を! 235 00:18:35,834 --> 00:18:36,734 何をしてる? 236 00:18:36,800 --> 00:18:38,433 早く責任者を呼ぶんだ! 237 00:18:42,300 --> 00:18:44,800 (拓巳) 本当に申し訳ありませんでした 238 00:18:45,200 --> 00:18:47,433 どうか お許しください! 239 00:18:47,533 --> 00:18:48,667 拓巳… 240 00:18:49,567 --> 00:18:50,433 (客)ほう… 241 00:18:51,867 --> 00:18:55,300 土下座をして 女の尻拭いか 242 00:18:59,400 --> 00:19:01,567 みっともないマネをしおって! 243 00:19:02,567 --> 00:19:04,200 この情けない若造が! 244 00:19:11,133 --> 00:19:12,400 (拓巳)バカ野郎! 245 00:19:12,800 --> 00:19:14,900 いいかげんにしろ! このジジイ 246 00:19:15,000 --> 00:19:16,000 (ホステス)きゃ~! 247 00:19:16,100 --> 00:19:16,967 (秘書)貴様! 248 00:19:17,033 --> 00:19:17,867 (拓巳)なんだと! 249 00:19:17,934 --> 00:19:19,100 (秘書)うわ~ 250 00:19:24,166 --> 00:19:25,467 (小森)実は― 251 00:19:26,700 --> 00:19:28,333 秀一先生のことで― 252 00:19:28,400 --> 00:19:30,667 お話ししておきたいことが ありまして 253 00:19:30,734 --> 00:19:32,300 秀一さんのことで? 254 00:19:32,400 --> 00:19:33,300 はい 255 00:19:39,667 --> 00:19:41,100 これもダメか… 256 00:19:45,333 --> 00:19:49,467 (秀一)あたたかいということは 生きてるということ 257 00:19:51,900 --> 00:19:53,133 (小森)秀一先生には― 258 00:19:54,567 --> 00:19:58,000 北海道時代に つきあっている女性がいました 259 00:19:59,400 --> 00:20:02,467 いらしたとしても 不思議じゃありませんわね 260 00:20:02,900 --> 00:20:05,233 今の世の中 過去に何もないなんて― 261 00:20:05,300 --> 00:20:07,567 そのほうが 不思議なんじゃありません? 262 00:20:07,633 --> 00:20:08,700 確かに 263 00:20:08,767 --> 00:20:09,633 しかし… 264 00:20:10,233 --> 00:20:11,700 過去のことでなかったら? 265 00:20:13,033 --> 00:20:14,000 え? 266 00:20:14,066 --> 00:20:15,400 (小森)その女性は… 267 00:20:16,567 --> 00:20:19,500 秀一先生の恋人は 今 この病院で働いています 268 00:20:21,166 --> 00:20:21,800 まさか… 269 00:20:22,500 --> 00:20:24,700 信じたくないお気持ちは 分かります 270 00:20:25,400 --> 00:20:27,600 しかし 私としては― 271 00:20:27,667 --> 00:20:30,266 このことを 黙って見過ごすわけにはいかない 272 00:20:30,333 --> 00:20:31,633 祥子さんのために… 273 00:20:33,200 --> 00:20:35,600 (貴子) 誰なんですか? その女性って 274 00:20:38,533 --> 00:20:40,000 ここに呼んであります 275 00:21:03,333 --> 00:21:07,100 (電話の着信音) 276 00:21:07,500 --> 00:21:08,967 はい ナースセンターです 277 00:21:14,700 --> 00:21:15,400 (佐野)どうぞ 278 00:21:15,800 --> 00:21:16,900 失礼します 279 00:21:19,467 --> 00:21:20,100 彩さん! 280 00:21:21,200 --> 00:21:23,133 (小森)君 手話が分かるね? 281 00:21:24,600 --> 00:21:26,567 はい 少しなら 282 00:21:26,633 --> 00:21:27,867 (小森)それじゃ 頼むよ 283 00:21:27,934 --> 00:21:30,667 彼女の その… 通訳というかな 284 00:21:31,900 --> 00:21:32,734 (園子)はい 285 00:21:33,667 --> 00:21:35,233 じゃ 彼女に聞いてくれ 286 00:21:36,133 --> 00:21:38,633 君は この病院に来る前に― 287 00:21:38,700 --> 00:21:40,066 北海道の美幌別(びほろべつ)で― 288 00:21:40,133 --> 00:21:43,000 秀一先生と 一緒に 仕事をしていたね 289 00:21:43,066 --> 00:21:44,333 まさか そんなことは… 290 00:21:44,433 --> 00:21:46,166 (小森)君に聞いてるんじゃない 291 00:21:46,633 --> 00:21:48,133 早く伝えなさい 292 00:21:51,367 --> 00:21:55,567 あなた この病院に来る前 293 00:21:56,800 --> 00:21:59,734 北海道の美幌別で 294 00:22:01,367 --> 00:22:06,100 秀一先生と 一緒に仕事してた? 295 00:22:10,333 --> 00:22:11,800 “いいえ 違います” 296 00:22:11,900 --> 00:22:12,800 違う? 297 00:22:13,633 --> 00:22:16,100 そんなはずはない こっちは ちゃんと調べてあるんだ 298 00:22:16,166 --> 00:22:17,867 君は 秀一先生と 一緒だった 299 00:22:17,967 --> 00:22:19,967 君は 秀一先生の恋人だった 300 00:22:22,400 --> 00:22:27,200 あなた 秀一先生の… 恋人だった? 301 00:22:29,300 --> 00:22:30,467 “違います” 302 00:22:30,533 --> 00:22:33,233 倉本君 本当のことを言いなさい! 303 00:22:33,300 --> 00:22:36,033 私は ちゃんと北海道まで行って 調べているんだよ! 304 00:22:36,433 --> 00:22:38,900 君は 秀一先生と 結婚の約束をしていた 305 00:22:39,367 --> 00:22:41,800 だから君は 彼を追って 東京へ この病院へ来た 306 00:22:41,867 --> 00:22:42,800 そうだね! 307 00:22:44,066 --> 00:22:46,066 何をしてるんだ 早く伝えなさい! 308 00:22:48,400 --> 00:22:49,467 彩さん… 309 00:22:51,533 --> 00:22:56,400 あなた 秀一先生と 結婚の約束してたの? 310 00:22:57,100 --> 00:23:00,266 じゃけん 秀一先生を追って 東京の この病院に来たん? 311 00:23:15,633 --> 00:23:17,066 彼女は 知らないと言っています 312 00:23:17,700 --> 00:23:18,767 この病院に来て― 313 00:23:18,834 --> 00:23:21,000 初めて秀一先生に会ったと 言っています 314 00:23:21,066 --> 00:23:23,700 (佐野)じゃあ この住民票は なんだね! 315 00:23:24,467 --> 00:23:26,800 君は 秀一先生のいた 美幌別の診療所に― 316 00:23:26,867 --> 00:23:28,333 住んでいたじゃないか! 317 00:23:29,867 --> 00:23:31,000 あなた― 318 00:23:31,066 --> 00:23:38,033 秀一先生のいた 美幌別の診療所に住んでいた? 319 00:23:44,800 --> 00:23:46,166 “私は ずっとここに” 320 00:23:46,233 --> 00:23:47,133 “帰ってきていません” 321 00:23:47,233 --> 00:23:48,433 そんなバカな! 私は… 322 00:23:48,500 --> 00:23:51,567 倉本君! 本当のことを言いたまえ! 323 00:23:52,333 --> 00:23:54,567 君は 秀一君を知っていたね? 324 00:23:57,400 --> 00:24:01,700 (園子)あなたは 秀一先生を 知っていました? 325 00:24:06,900 --> 00:24:07,667 “知りませんでした” 326 00:24:16,066 --> 00:24:20,166 (園子)“私は 秀一先生を 知りませんでした” 327 00:24:21,500 --> 00:24:23,100 “北海道で…” 328 00:24:23,166 --> 00:24:26,166 “北海道で会った ことはありません” 329 00:24:34,266 --> 00:24:36,567 間違いのようですわね 330 00:24:37,400 --> 00:24:38,333 秀一さんにかぎって― 331 00:24:38,400 --> 00:24:40,767 そのようなことはないと 思ってました 332 00:24:40,834 --> 00:24:41,333 しかし… 333 00:24:41,400 --> 00:24:43,667 (貴子) あなた方 お仕事中でしょう? 334 00:24:45,033 --> 00:24:46,200 もう行っていいわ 335 00:24:48,500 --> 00:24:49,233 (園子)失礼します 336 00:24:52,700 --> 00:24:54,433 (小森)結城さん… (貴子)院長代行 337 00:24:54,867 --> 00:24:57,133 ご心配は ありがたいんですけど― 338 00:24:57,533 --> 00:25:00,533 私は 娘の愛した人を信じます 339 00:25:10,834 --> 00:25:15,633 どうして 教えてくれんかったん? 秀一先生のこと 340 00:25:16,333 --> 00:25:19,700 私と彩さんは 友達じゃろう 341 00:25:21,000 --> 00:25:24,500 なんで 秀一先生に そのこと言わんの? 342 00:25:29,333 --> 00:25:30,033 彩さん! 343 00:25:38,266 --> 00:25:44,600 (園子)“何度も何度も 言おうと思っちょった” 344 00:25:47,166 --> 00:25:50,300 “秀一先生のことを 知れば知るほど―” 345 00:25:52,200 --> 00:25:54,200 “なんも言えんようになった” 346 00:25:57,166 --> 00:26:00,166 “私は ただ秀一先生が好きで―” 347 00:26:00,567 --> 00:26:03,934 “結婚しようって言ってくれた 言葉を信じて―” 348 00:26:05,233 --> 00:26:06,667 “待っちょっただけ” 349 00:26:07,800 --> 00:26:10,600 そんな… 待っちょるだけなんて ちゃんと… 350 00:26:11,834 --> 00:26:14,934 ちゃんと 言えばええわね! 351 00:26:21,667 --> 00:26:23,667 “秀一先生の 気持ちは―” 352 00:26:24,533 --> 00:26:26,367 “同情じゃった かもしれん” 353 00:26:29,600 --> 00:26:31,333 “そう思うように なった” 354 00:26:33,367 --> 00:26:35,800 祥子さんに 言われたからじゃろう? 355 00:26:40,934 --> 00:26:42,767 “自分で そう思った” 356 00:26:44,700 --> 00:26:47,033 “秀一先生の―” 357 00:26:47,100 --> 00:26:48,934 “重荷に なりとうない” 358 00:26:53,000 --> 00:26:53,900 私… 359 00:26:56,000 --> 00:26:59,000 私 秀一先生に言うちゃげる 360 00:26:59,867 --> 00:27:04,533 祥子さんと婚約しちょるからって 関係ないっちゃ! 361 00:27:05,633 --> 00:27:08,600 何年も前から 秀一先生は― 362 00:27:11,000 --> 00:27:12,967 彩さんのもんじゃったんじゃろう? 363 00:27:17,300 --> 00:27:18,433 言わんで? 364 00:27:20,266 --> 00:27:21,934 “あなたと私は…” 365 00:27:26,133 --> 00:27:27,433 友達 366 00:27:31,033 --> 00:27:32,467 それでええん? 367 00:27:33,000 --> 00:27:34,700 ホントに それでええそ? 368 00:27:35,967 --> 00:27:40,567 そんな… 彩さん かわいそすぎるわね! 369 00:27:41,433 --> 00:27:45,000 (園子の泣き声) 370 00:27:55,834 --> 00:28:01,967 彩さんの秀一先生は もうおらん? 371 00:28:06,600 --> 00:28:09,967 “もう どこにも…” 372 00:28:31,433 --> 00:28:35,100 (新井勝治) お父さんが 楽にしてやるからな 373 00:28:55,533 --> 00:28:56,300 ハッ… 374 00:29:04,200 --> 00:29:05,834 しょうがないんだよ! 375 00:29:06,233 --> 00:29:07,433 こいつのためなんだよ! 376 00:29:12,266 --> 00:29:15,033 こいつ 楽にしてあげたいんだよ 377 00:29:17,500 --> 00:29:18,800 このままじゃ― 378 00:29:18,867 --> 00:29:21,400 生きてる意味も なんにも ありゃしないじゃないか 379 00:29:22,834 --> 00:29:27,066 笑うことも 泣くことも 怒ることもできなくて… 380 00:29:28,767 --> 00:29:32,000 私ね 親だから… 381 00:29:32,066 --> 00:29:35,333 こいつの親だから 分かるんだよね 382 00:29:37,667 --> 00:29:39,467 邪魔しないでくれよ! 383 00:29:39,533 --> 00:29:41,900 こいつは もう あの世に 行っちまってるんだよ! 384 00:29:41,967 --> 00:29:45,000 二度と こっちの世界に 戻れやしないんだからさ 385 00:29:48,000 --> 00:29:49,233 (秀一)何やってるんだ! 386 00:29:49,700 --> 00:29:51,834 (勝治)ハア… ハア… 387 00:29:57,200 --> 00:29:58,667 こいつね― 388 00:30:00,967 --> 00:30:02,900 苦しくて 苦しくて― 389 00:30:03,367 --> 00:30:04,633 真っ暗闇の中で― 390 00:30:04,700 --> 00:30:07,333 独りぼっちでいるのは もう嫌だって― 391 00:30:07,734 --> 00:30:10,100 必死になって 私に頼んでるんだよ 392 00:30:10,633 --> 00:30:11,633 だから… 393 00:30:13,200 --> 00:30:16,567 先生… こいつ 死なせてやってくださいよ 394 00:30:17,500 --> 00:30:18,734 もう こいつ 死んでるんだよ! 395 00:30:18,834 --> 00:30:21,066 新井さん 落ち着いてください! 396 00:30:24,367 --> 00:30:27,066 彼女は 義彦君に 毎日話しかけてるんです 397 00:30:28,600 --> 00:30:32,233 その暗闇の中で 彼が独りぼっちで さみしくないように― 398 00:30:32,300 --> 00:30:34,467 毎日 毎日 必死に話しかけてるんです! 399 00:30:37,000 --> 00:30:41,333 そんなもの 聞こえてやしないよ 400 00:30:43,533 --> 00:30:45,667 聞こえてやしないんだよ 401 00:30:54,934 --> 00:30:58,066 もう一度 チャンスをください 402 00:31:00,166 --> 00:31:01,133 僕に… 403 00:31:02,300 --> 00:31:03,734 そして 彼に… 404 00:31:04,734 --> 00:31:05,767 (勝治)チャンス? 405 00:31:06,734 --> 00:31:08,934 植物状態になった人が― 406 00:31:09,567 --> 00:31:11,500 全て 亡くなるわけじゃありません 407 00:31:12,967 --> 00:31:16,567 首に硬膜外刺激電極の 処置によって― 408 00:31:17,633 --> 00:31:19,533 改善されることがあるんです 409 00:31:20,767 --> 00:31:24,700 確かに… 確かに 難しい手術です 410 00:31:27,834 --> 00:31:29,533 でも 可能性があるんです! 411 00:31:30,667 --> 00:31:33,400 新井さん 僕にやらせてください! 412 00:31:34,166 --> 00:31:35,467 先生… 413 00:31:36,667 --> 00:31:39,467 こいつはね もう何度も… 414 00:31:40,500 --> 00:31:45,200 何度もメスで切られて ズタズタにされてるんですよ! 415 00:31:47,367 --> 00:31:48,300 これ以上― 416 00:31:48,367 --> 00:31:50,834 こいつの体を切り刻もうって いうんですか あんたは! 417 00:31:50,934 --> 00:31:51,900 違う! 418 00:31:53,633 --> 00:31:57,400 新井さん 僕は彼を助けたいんです 419 00:31:58,867 --> 00:32:01,000 ほんのわずかな可能性でも 僕は… 420 00:32:02,000 --> 00:32:04,567 僕は 彼に生きるチャンスを 与えてあげたい! 421 00:32:05,567 --> 00:32:06,667 お願いです 422 00:32:07,533 --> 00:32:09,400 彼のオペをさせてください! 423 00:32:14,800 --> 00:32:15,834 義彦君― 424 00:32:17,000 --> 00:32:19,433 もう一度 僕に 君の手術をさせてくれ! 425 00:32:21,233 --> 00:32:23,266 僕に君を治させてくれ! 426 00:32:38,166 --> 00:32:39,200 義彦 427 00:32:41,033 --> 00:32:45,266 お前… 聞こえてるのか? 428 00:32:46,900 --> 00:32:48,166 分かってるのか? 429 00:32:50,033 --> 00:32:53,600 い… いきたい… 430 00:32:55,066 --> 00:32:58,667 いきたい… 431 00:33:04,367 --> 00:33:06,667 いきたい… 432 00:33:14,166 --> 00:33:15,300 義彦君… 433 00:33:23,066 --> 00:33:26,166 (秀一)分かった… 分かった! 434 00:33:29,433 --> 00:33:30,867 僕が必ず… 435 00:33:31,500 --> 00:33:35,066 僕が必ず 君を暗闇から連れ戻す! 436 00:33:36,200 --> 00:33:39,700 必ず 君を連れ戻すからな! 437 00:33:44,233 --> 00:33:46,066 (貴子)秀一さんの ことなんだけど… 438 00:33:47,300 --> 00:33:51,066 もし 北海道での記憶が戻れば― 439 00:33:51,467 --> 00:33:52,667 彼は あなた以外の人を― 440 00:33:52,734 --> 00:33:55,800 愛することに なるかもしれないとしたら… 441 00:33:57,500 --> 00:33:58,367 あなた それでも… 442 00:33:58,834 --> 00:33:59,834 知ってます 私 443 00:34:01,000 --> 00:34:02,000 祥子… 444 00:34:02,900 --> 00:34:04,367 それでもいいんです 445 00:34:05,333 --> 00:34:07,667 私は 自分の気持ちに正直でいたい 446 00:34:08,567 --> 00:34:10,600 お母様のように後悔したくない 447 00:34:11,667 --> 00:34:12,900 (貴子)私のように? 448 00:34:13,700 --> 00:34:15,333 お母様の心に― 449 00:34:16,000 --> 00:34:18,400 お父様以外の人がいたこと 私 知ってます 450 00:34:21,700 --> 00:34:22,967 お母様は― 451 00:34:23,567 --> 00:34:26,266 自分の心に ウソをついて 幸せでしたか? 452 00:34:27,800 --> 00:34:29,333 お母様のウソが 453 00:34:29,767 --> 00:34:32,266 私を どれだけ苦しめたか ご存じですか? 454 00:34:34,133 --> 00:34:38,333 私は 偽りの愛情の中で 生まれてきたって… 455 00:34:38,967 --> 00:34:40,500 死んだお父様だって かわいそう 456 00:34:40,567 --> 00:34:42,100 祥子 それは… 457 00:34:42,200 --> 00:34:43,133 いいんです 458 00:34:44,900 --> 00:34:47,266 今更 お母様を 責めるつもりはありません 459 00:34:47,333 --> 00:34:48,166 ただ… 460 00:34:49,700 --> 00:34:50,834 私は違う 461 00:34:53,200 --> 00:34:55,567 私は 自分の気持ちに ウソはつかない 462 00:34:57,200 --> 00:35:00,900 私は どんなことがあっても 秀一さんを愛しています 463 00:35:05,500 --> 00:35:09,000 (美和)新井義彦の 今日までの 全てのデータです 464 00:35:11,000 --> 00:35:13,633 秀一先生に お聞きになったんですね? 465 00:35:14,100 --> 00:35:16,200 再手術の可能性のこと 466 00:35:17,100 --> 00:35:19,934 親御さんは 死なせてくれって言ったそうだね 467 00:35:21,133 --> 00:35:24,133 (美和)難しい問題です 尊厳死 468 00:35:26,834 --> 00:35:29,433 私は そういう考え方を 認めることはできない 469 00:35:34,867 --> 00:35:37,367 君は 生まれたくて 生まれたのかね 470 00:35:38,600 --> 00:35:39,567 いいえ 471 00:35:40,367 --> 00:35:42,000 死ぬときも同じだ 472 00:35:42,066 --> 00:35:43,800 死にたくても 死ねないだろう 473 00:35:45,033 --> 00:35:47,300 この世に生を受けた者は― 474 00:35:47,834 --> 00:35:51,467 その生死を 自らの意志によっても― 475 00:35:51,533 --> 00:35:55,000 また 誰かの手に委ねることも できないのだ 476 00:35:56,133 --> 00:35:59,934 たとえ 命の花びらが 落ちてしまったとしても? 477 00:36:02,367 --> 00:36:03,433 今後― 478 00:36:04,600 --> 00:36:07,533 君が どんなに優秀な 医者になったとしても― 479 00:36:08,400 --> 00:36:12,400 私の前で 人間を植物に例えるな! 480 00:36:19,066 --> 00:36:20,300 (あゆみ)拓巳 481 00:36:22,100 --> 00:36:23,300 何してるの? 482 00:36:23,734 --> 00:36:27,400 ああ 見つかっちまったか 483 00:36:30,000 --> 00:36:31,567 なんなの? これ 484 00:36:35,166 --> 00:36:38,333 顔を合わせづらいから 手紙 書いといた 485 00:36:40,100 --> 00:36:40,967 手紙? 486 00:36:41,700 --> 00:36:42,433 ああ 487 00:36:43,133 --> 00:36:44,600 俺は ここから出ていくよ 488 00:36:44,667 --> 00:36:46,633 少ないけど バイト代も入れといた 489 00:36:46,700 --> 00:36:47,900 どうして? 490 00:36:50,467 --> 00:36:53,066 俺は ここにいると ダメになっちまう 491 00:36:55,667 --> 00:36:57,066 彩っていう女ね! 492 00:37:00,333 --> 00:37:03,266 彩っていう女の所に 行くんでしょ! 493 00:37:05,233 --> 00:37:06,867 なんとか言いなさいよ! 494 00:37:07,433 --> 00:37:09,734 私のこと 愛してるって言ったのは― 495 00:37:09,800 --> 00:37:11,266 あれは ウソだったの? 496 00:37:11,934 --> 00:37:15,633 彩っていう女のことが 忘れられないわけ? 497 00:37:18,200 --> 00:37:19,700 俺は あいつに惚(ほ)れてる 498 00:37:23,600 --> 00:37:24,767 すまない 499 00:37:27,000 --> 00:37:29,533 俺は お前に あいつを写していたんだ 500 00:37:29,600 --> 00:37:30,834 私を… 501 00:37:35,633 --> 00:37:39,333 私を 見つめていた目も― 502 00:37:41,166 --> 00:37:45,166 私を 抱いてくれた腕も― 503 00:37:46,567 --> 00:37:51,000 その 彩っていう人の 代わりだったわけね! 504 00:37:53,934 --> 00:37:55,667 お前は 俺が苦しんでる場所から― 505 00:37:55,734 --> 00:37:58,000 優しく逃がしてくれようと してくれた 506 00:38:00,500 --> 00:38:01,934 でも 彩は違う 507 00:38:03,900 --> 00:38:06,333 俺を 苦しんでいる場所に 連れ戻そうとする 508 00:38:07,600 --> 00:38:09,033 俺に逃げるなと言う 509 00:38:13,200 --> 00:38:15,033 つかの間の逃げ場所だった 510 00:38:17,066 --> 00:38:18,100 感謝してる 511 00:38:18,967 --> 00:38:20,300 ただ 誤解はしないでほしい 512 00:38:20,700 --> 00:38:22,266 俺は彩の所へは行かない 513 00:38:23,266 --> 00:38:24,834 あの病院へも戻らない 514 00:38:28,900 --> 00:38:32,000 あなたも 私の前から消えてしまうの? 515 00:38:34,934 --> 00:38:35,800 (恵子)あゆみ! 516 00:38:35,900 --> 00:38:39,467 片桐(かたぎり)さんが… 片桐さんが事故で! 517 00:38:43,767 --> 00:38:48,100 嫌よ… そんなの! 518 00:38:54,133 --> 00:38:56,500 (ドアの開閉音) 519 00:39:20,934 --> 00:39:22,500 ハア… 520 00:39:24,800 --> 00:39:27,033 植物状態の患者を― 521 00:39:28,533 --> 00:39:30,800 枯れた花に例える人と― 522 00:39:33,533 --> 00:39:38,367 命あるかぎり 精いっぱい生きろと言う人… 523 00:39:45,667 --> 00:39:46,734 私は… 524 00:39:49,133 --> 00:39:50,133 私は… 525 00:39:53,700 --> 00:39:54,800 この手で… 526 00:40:03,367 --> 00:40:08,000 (泣き声) 527 00:40:11,033 --> 00:40:12,333 (秀一)何? 話って 528 00:40:18,467 --> 00:40:20,800 彩さんと秀一先生は― 529 00:40:22,867 --> 00:40:24,200 愛し合っていました 530 00:40:26,367 --> 00:40:28,200 北海道で 秀一先生は― 531 00:40:28,700 --> 00:40:32,734 彩さんと 結婚の約束をしていました 532 00:40:33,133 --> 00:40:37,000 それが 秀一先生のなくした 過去なんです! 533 00:40:38,533 --> 00:40:39,333 彩さん― 534 00:40:39,734 --> 00:40:42,233 いつまでも 秀一先生が 帰ってこないから― 535 00:40:42,633 --> 00:40:44,233 東京に出てきたんです 536 00:40:47,100 --> 00:40:48,066 なんの冗談? 537 00:40:48,633 --> 00:40:49,133 まさか― 538 00:40:49,200 --> 00:40:52,133 僕と祥子さんとの結婚を 邪魔したい何かがあるの? 539 00:40:53,200 --> 00:40:54,300 そんなことないよね 540 00:40:54,767 --> 00:40:56,400 彩さん 私に言いました 541 00:40:56,800 --> 00:40:59,900 このことは 絶対 秀一先生に言わないでくれって 542 00:40:59,967 --> 00:41:01,333 秀一先生の… 543 00:41:02,667 --> 00:41:04,667 重荷になりたくないって! 544 00:41:06,467 --> 00:41:11,400 彩さん 秀一先生には なんにも望んでなんかいません! 545 00:41:11,967 --> 00:41:12,967 でも 私… 546 00:41:14,600 --> 00:41:16,233 それじゃあ あんまり… 547 00:41:16,633 --> 00:41:19,633 僕には 確かに 心の中に 1人 女性がいた 548 00:41:20,834 --> 00:41:22,500 でも その人は もう既に結婚してたんだよ 549 00:41:22,600 --> 00:41:25,133 でも 秀一先生 その人を覚えてます? 550 00:41:25,533 --> 00:41:28,333 ほんの少しでも その人を見て 何か感じましたか? 551 00:41:30,166 --> 00:41:33,166 先生 彩さんのこと― 552 00:41:33,567 --> 00:41:35,600 どっかで 少しでも覚えていたから― 553 00:41:35,700 --> 00:41:36,467 だから 彩さんを― 554 00:41:36,533 --> 00:41:38,900 上野駅に迎えに行ったんじゃ ありませんか? 555 00:41:40,233 --> 00:41:43,867 心のどこかに 彩さんのことを… 556 00:41:49,667 --> 00:41:52,767 (花岡香代子)彩さん ちょっと202 見てくるわね 557 00:41:52,834 --> 00:41:54,266 すぐ戻るから 558 00:42:18,633 --> 00:42:21,233 あなた 彩さんね 559 00:42:37,533 --> 00:42:38,633 まさか… 560 00:42:48,633 --> 00:42:51,000 もしもし そこに 彩さん います? 561 00:42:52,834 --> 00:42:53,667 ナースセンターに? 562 00:42:54,467 --> 00:42:55,867 (あゆみ)拓巳はどこ? 563 00:42:56,767 --> 00:43:00,533 拓巳を どこに連れてったの? 564 00:43:03,266 --> 00:43:04,367 何よ… 565 00:43:06,233 --> 00:43:08,200 なんで黙ってるのよ? 566 00:43:09,633 --> 00:43:10,967 拓巳を… 567 00:43:11,767 --> 00:43:13,066 拓巳を返してよ! 568 00:43:13,667 --> 00:43:18,266 (電話の着信音) 569 00:43:18,834 --> 00:43:20,900 (呼び出し音) 570 00:43:30,333 --> 00:43:31,133 (あゆみ)あなた… 571 00:43:31,900 --> 00:43:33,100 バカにしてるの! 572 00:43:34,333 --> 00:43:38,233 拓巳に捨てられた女だって 私をバカにしてるわけ? 573 00:43:38,834 --> 00:43:40,800 そんなに私が滑稽? 574 00:43:42,567 --> 00:43:43,767 そうよね 575 00:43:44,600 --> 00:43:47,433 拓巳に言われて髪の毛切って― 576 00:43:48,467 --> 00:43:51,467 それが あなたと おんなじ髪形! 577 00:43:54,600 --> 00:43:55,834 許さない 578 00:43:58,000 --> 00:43:59,133 拓巳を返して 579 00:44:03,300 --> 00:44:04,934 拓巳を返して! 580 00:44:13,300 --> 00:44:14,900 あの人は渡さない! 581 00:44:15,667 --> 00:44:17,467 もう独りは嫌! 582 00:44:35,767 --> 00:44:40,100 消えるなら… あなたが消えればいいのよ! 583 00:44:40,200 --> 00:44:41,100 (刺す音) 584 00:44:52,700 --> 00:44:53,600 彩さん? 585 00:44:58,100 --> 00:44:59,233 彩さん! 586 00:45:02,100 --> 00:45:02,800 彩さん! 587 00:45:04,467 --> 00:45:05,467 どうしたんだ! 588 00:45:09,700 --> 00:45:10,834 (はさみが落ちた音) 589 00:45:16,667 --> 00:45:17,367 (秀一)彩さん! 590 00:45:20,233 --> 00:45:21,433 彩さん! 591 00:45:29,533 --> 00:45:30,533 彩さん! 592 00:45:36,133 --> 00:45:38,567 (秀一) 頑張るんだ! 死ぬな! 593 00:45:39,367 --> 00:45:40,166 (園子)拓巳先生! 594 00:45:40,266 --> 00:45:42,066 (拓巳)彩は? 彩は無事なのか? 595 00:45:42,867 --> 00:45:45,900 (秀一)僕は 全てを思い出した 596 00:45:46,000 --> 00:45:47,900 (祥子)それでも 彩さんのとこに行くって言うの? 597 00:45:48,000 --> 00:45:51,133 彩は もう あんたのことなんか 何も思っちゃいねえんだよ! 598 00:45:51,667 --> 00:45:52,533 彩が そう言ったのか? 599 00:45:52,633 --> 00:45:55,533 (秀一)俺は 彩を愛してるんだ