1 00:00:05,040 --> 00:00:11,040 極彩色の巨大なくちばしを持つ 奇怪な鳥 2 00:00:13,460 --> 00:00:19,460 穴の中で子育てをするメスに 食べ物を運んでいる 3 00:00:24,910 --> 00:00:28,270 とがった鼻の不思議なカエル。 4 00:00:28,270 --> 00:00:33,990 1億年以上も前の 恐竜時代の生き残りだ。 5 00:00:33,990 --> 00:00:35,350 ふだんは地下で暮らし 6 00:00:35,350 --> 00:00:41,400 年に2週間だけ 繁殖のため 地上に顔を出す。 7 00:00:41,400 --> 00:00:45,110 そして 夜の森で 逆立ちして歩く 8 00:00:45,110 --> 00:00:47,130 謎めいた生き物。 9 00:00:47,130 --> 00:00:52,130 900万年前と変わらぬ 生活をする… 10 00:00:54,870 --> 00:00:57,870 きれいな手足ですね~。 11 00:00:59,580 --> 00:01:04,640 不思議な生き物たちが暮らすのは スリランカと インドの西部。 12 00:01:04,640 --> 00:01:07,000 古い時代から保たれてきた森が 13 00:01:07,000 --> 00:01:11,000 生き物たちの 揺りかごとなってきた 14 00:01:15,750 --> 00:01:20,460 このクマも 遠い昔 ほかの種類と分かれ 15 00:01:20,460 --> 00:01:24,460 この地で独自の進化を遂げてきた 16 00:01:26,180 --> 00:01:28,210 子どもを背負って育てるという 17 00:01:28,210 --> 00:01:31,210 変わった習性を持つ 18 00:01:34,940 --> 00:01:39,940 ここは 数々の環境変動を くぐり抜けてきた… 19 00:01:42,340 --> 00:01:47,070 一体 何が不思議な世界を つくり出したのだろうか? 20 00:01:47,070 --> 00:02:01,530 ♪~ 21 00:02:01,530 --> 00:02:06,250 地球には ホットスポットと呼ばれる 場所がある。 22 00:02:06,250 --> 00:02:09,280 絶滅のおそれのある 貴重な生き物たちが暮らす 23 00:02:09,280 --> 00:02:11,280 最後の聖域だ 24 00:02:14,000 --> 00:02:18,000 多彩な輝きを放つ 命の数々 25 00:02:20,390 --> 00:02:24,390 進化が生んだ不思議の世界 26 00:02:25,450 --> 00:02:30,160 奇跡と偶然が引き起こした 命のドラマが 27 00:02:30,160 --> 00:02:33,160 今 始まる 28 00:02:39,250 --> 00:02:42,250 そびえ立つ 巨大な岩 29 00:02:44,970 --> 00:02:50,970 20億年以上前に この地で起きた 火山活動の痕跡だ 30 00:02:53,390 --> 00:02:56,420 岩は 大地と生き物たちがたどった 31 00:02:56,420 --> 00:03:00,420 激動の歴史を見つめてきた 32 00:03:03,150 --> 00:03:08,210 ここは インド洋に浮かぶ島国 スリランカ。 33 00:03:08,210 --> 00:03:16,280 スリランカとは シンハラ語で 「光り輝く島」という意味。 34 00:03:16,280 --> 00:03:21,280 地球上でも数少ない 貴重な自然が残る場所だ 35 00:03:24,030 --> 00:03:28,080 古い時代から生き延びてきた 珍しい動物たちが暮らす 36 00:03:28,080 --> 00:03:33,450 宝石箱のような島だという。 37 00:03:33,450 --> 00:03:38,170 一体 どんな生き物たちが いるのだろうか? 38 00:03:38,170 --> 00:03:43,170 スリランカを代表する動物が 集まる場所を訪ねた 39 00:03:51,300 --> 00:03:56,360 スリランカは 世界でも指折りの アジアゾウの楽園。 40 00:03:56,360 --> 00:04:03,760 北海道より小さい島に 実に 5,000頭が暮らしている。 41 00:04:03,760 --> 00:04:10,830 アジアゾウの起源は古く およそ800万年前に遡る。 42 00:04:10,830 --> 00:04:15,830 共通の祖先から アフリカゾウなどへと分かれた頃だ 43 00:04:17,560 --> 00:04:21,940 絶滅したマンモスやナウマンゾウと 近縁だが 44 00:04:21,940 --> 00:04:25,940 アジアゾウだけが生き延びてきた 45 00:04:27,990 --> 00:04:33,050 群れは メスのリーダーを中心とした 家族で構成されている。 46 00:04:33,050 --> 00:04:38,050 オスの子どもは 6歳を過ぎると 単独で暮らすようになる 47 00:04:43,490 --> 00:04:49,490 群れに 大きな牙を持つ 大人のオスが近づいてきた 48 00:04:57,300 --> 00:05:01,000 繁殖相手を探しにきたようだ 49 00:05:01,000 --> 00:05:05,710 うわ 大きい! 50 00:05:05,710 --> 00:05:10,710 ひときわ大きいですね。 並ぶと。 51 00:05:12,110 --> 00:05:19,110 オスの体重は5トン余り。 メスの倍もある。 迫力満点だ 52 00:05:23,220 --> 00:05:26,920 でかい でかい でかい! 53 00:05:26,920 --> 00:05:32,640 (シャッター音) 54 00:05:32,640 --> 00:05:35,680 ゆっくり歩いてきてるけど その ゆっくりが 55 00:05:35,680 --> 00:05:41,680 威圧感を逆に感じますよね。 あ~ 怖かった。 56 00:05:44,090 --> 00:05:49,820 絶滅したマンモスの仲間が 目の前で 元気に動き回っている。 57 00:05:49,820 --> 00:05:53,520 そう思うと まるでタイムスリップしたような 58 00:05:53,520 --> 00:05:56,520 不思議な感覚にとらわれた 59 00:06:01,610 --> 00:06:04,630 辺りが闇に包まれる頃。 60 00:06:04,630 --> 00:06:11,630 森では まさに太古の面影を残す 謎めいた生き物が動き出す 61 00:06:16,760 --> 00:06:21,800 音も立てずに行動するため 見つける事が難しく 62 00:06:21,800 --> 00:06:24,800 めったに見る事はできない 63 00:06:33,590 --> 00:06:37,590 探す事 1時間 64 00:06:44,700 --> 00:06:49,080 あ~ いたいた いたいた! ここ ここ ここ。 65 00:06:49,080 --> 00:06:53,080 あ~ いたいた いたいた…。 あそこ。 66 00:06:54,800 --> 00:06:57,800 こっち見てますね。 67 00:06:59,180 --> 00:07:03,890 闇に光る 大きな目。 68 00:07:03,890 --> 00:07:09,610 正体は ホソロリス。 原始的なサルの仲間だ。 69 00:07:09,610 --> 00:07:15,610 なんと 900万年前の姿を 今に とどめているという 70 00:07:16,690 --> 00:07:21,690 ゆっくりとした動き。 尻尾はない 71 00:07:27,800 --> 00:07:33,800 体重は およそ300グラム。 リスほどの大きさだ 72 00:07:36,890 --> 00:07:40,890 食べ物は 専ら昆虫 73 00:07:42,610 --> 00:07:47,610 そっと忍び寄り 素早く捕まえる 74 00:07:58,770 --> 00:08:01,470 夜行性で 単独行動 75 00:08:01,470 --> 00:08:06,850 昆虫が主食という暮らしぶり。 76 00:08:06,850 --> 00:08:12,850 それは まさに哺乳類の祖先の 特徴そのものと言える 77 00:08:18,970 --> 00:08:24,970 しかし どうやって暗闇の中で 獲物を捕らえるのだろうか? 78 00:08:26,380 --> 00:08:28,380 目が大きい! 79 00:08:30,760 --> 00:08:34,760 秘密は この目だ 80 00:08:37,160 --> 00:08:41,200 ロリスは 網膜の後ろに 光を反射する層があり 81 00:08:41,200 --> 00:08:44,570 光が増幅される。 82 00:08:44,570 --> 00:08:49,610 その結果 かすかな光でも 網膜が感じ取り 83 00:08:49,610 --> 00:08:53,610 暗がりでも物が見えるのだ 84 00:08:55,670 --> 00:08:59,670 ゆっくりとした動きにも 訳がある 85 00:09:11,500 --> 00:09:14,500 動く音が 全く 聞こえないですね。 86 00:09:17,560 --> 00:09:22,560 お~ この忍び足が すごいですね! 87 00:09:24,630 --> 00:09:27,630 音もなく移動するロリス 88 00:09:32,040 --> 00:09:35,040 虫は 気が付かない 89 00:09:37,430 --> 00:09:43,480 よく見ると 体には 長く飛び出た毛が生えている。 90 00:09:43,480 --> 00:09:46,190 これは触毛と呼ばれるセンサー。 91 00:09:46,190 --> 00:09:51,560 根元に神経が集中していて 毛先が何かに触れると 92 00:09:51,560 --> 00:09:53,560 ロリスは動きを止める 93 00:09:55,610 --> 00:10:00,650 そのため 葉や枝に触れても 音を立てる事なく 94 00:10:00,650 --> 00:10:03,650 昆虫に近づく事ができる 95 00:10:13,450 --> 00:10:17,450 なんと逆立ち 96 00:10:20,180 --> 00:10:25,180 枝をしっかりとつかみ 自在に動き回る 97 00:10:41,390 --> 00:10:45,390 今度は ガを捕まえた 98 00:10:47,130 --> 00:10:52,130 ガの多くは毒を持っているが 気にしない 99 00:10:54,860 --> 00:11:00,860 食べる昆虫の 実に70%が 毒を持っているという 100 00:11:02,270 --> 00:11:06,990 カメムシも おなかから 臭い毒液を噴射するが 101 00:11:06,990 --> 00:11:09,990 平気で食べてしまう 102 00:11:12,370 --> 00:11:16,080 よく見ると 捕まえる瞬間 目をつぶり 103 00:11:16,080 --> 00:11:20,080 毒液が目に入るのを防いでいる 104 00:11:23,490 --> 00:11:29,880 動きと同様 ロリスの代謝も また非常に遅い。 105 00:11:29,880 --> 00:11:34,880 毒は吸収される前に 排出されるらしい 106 00:11:36,280 --> 00:11:40,990 900万年前から ほとんど暮らしを 変える事なく生きてきた 107 00:11:40,990 --> 00:11:43,990 原始的なホソロリス 108 00:11:45,710 --> 00:11:49,750 彼らは なぜ 太古の姿をとどめたまま 109 00:11:49,750 --> 00:11:54,750 現代に生き延びる事が できたのだろうか 110 00:12:01,200 --> 00:12:06,200 その謎を解くヒントがインドにあります。 111 00:12:08,600 --> 00:12:14,990 実は ロリスは海を隔てた インドにも分布しています。 112 00:12:14,990 --> 00:12:18,700 DNAや化石の研究から ロリスの祖先は 113 00:12:18,700 --> 00:12:23,420 インドで誕生した事が 分かっています。 114 00:12:23,420 --> 00:12:29,810 そのふるさとは 海沿いにある 西ガーツと呼ばれる山岳地帯。 115 00:12:29,810 --> 00:12:34,810 年間5,000ミリを超える 大量の雨が降ります。 116 00:12:36,550 --> 00:12:40,920 豊富な水は 高温多湿の環境をつくり出し 117 00:12:40,920 --> 00:12:46,650 原始的な植物が生い茂る 独特の自然が生まれました。 118 00:12:46,650 --> 00:12:49,670 そうした環境が 1,000万年にわたって 119 00:12:49,670 --> 00:12:51,360 保たれてきたのです。 120 00:12:51,360 --> 00:12:54,360 一体 なぜでしょうか? 121 00:13:02,480 --> 00:13:10,480 今から1億4,000万年前 ゴンドワナ大陸が分裂を始めます。 122 00:13:14,260 --> 00:13:20,260 大陸の一部だったインドは その後 徐々に北へと移動します。 123 00:13:23,350 --> 00:13:30,760 そして 4,500万年ほど前 ユーラシア大陸に衝突。 124 00:13:30,760 --> 00:13:35,760 その圧力で ヒマラヤ山脈が形成されます。 125 00:13:40,180 --> 00:13:45,240 一方 インドの西側一帯も 地殻変動で隆起。 126 00:13:45,240 --> 00:13:49,240 西ガーツ山脈が誕生しました。 127 00:13:51,290 --> 00:13:57,350 この2つの山脈が インドの環境を 大きく変化させました。 128 00:13:57,350 --> 00:13:59,380 夏 大陸が暖められると 129 00:13:59,380 --> 00:14:03,090 ヒマラヤ山脈によって逃げ場を失った 熱い空気が 130 00:14:03,090 --> 00:14:07,120 強力な上昇気流を発生させます。 131 00:14:07,120 --> 00:14:09,150 すると それを補うように 132 00:14:09,150 --> 00:14:13,180 インド洋から湿った空気が 流れ込みます。 133 00:14:13,180 --> 00:14:16,210 いわゆるモンスーン現象です。 134 00:14:16,210 --> 00:14:22,940 このモンスーンが誕生したのが まさに 1,000万年ほど前の事。 135 00:14:22,940 --> 00:14:28,670 以来 湿った風が山にぶつかり 西ガーツ山脈からスリランカでは 136 00:14:28,670 --> 00:14:32,670 大量の雨が降るようになりました。 137 00:14:34,050 --> 00:14:38,760 この雨が 南北2,000キロにわたって連なる 138 00:14:38,760 --> 00:14:41,760 豊かな森をつくり出したのです。 139 00:14:43,820 --> 00:14:45,170 温暖な場所にあったため 140 00:14:45,170 --> 00:14:50,170 氷河期の影響も ほとんどありませんでした。 141 00:14:52,230 --> 00:14:56,940 こうして 西ガーツからスリランカの一帯は 142 00:14:56,940 --> 00:15:01,940 太古の自然が変わる事なく 保たれてきたのです。 143 00:15:07,720 --> 00:15:11,100 現代のロストワールド 西ガーツ山脈。 144 00:15:11,100 --> 00:15:16,100 ここに暮らす動物たちも 個性的だ 145 00:15:17,830 --> 00:15:23,830 これは 世界でも ここにしかいない固有のサル… 146 00:15:24,560 --> 00:15:29,560 森に実る 豊富な果物が好物だ 147 00:15:31,300 --> 00:15:36,350 見事なタテガミ。 そして 名前の由来ともなった 148 00:15:36,350 --> 00:15:41,350 ライオンのような尻尾が印象的だ 149 00:15:44,090 --> 00:15:47,790 1匹のオスと複数のメス 150 00:15:47,790 --> 00:15:53,790 その子どもから成る 20匹ほどの 群れを作って暮らしている 151 00:15:56,210 --> 00:16:00,920 こちらは インドオオリス。 152 00:16:00,920 --> 00:16:03,950 頭から尻尾の先まで 1メートルを超える 153 00:16:03,950 --> 00:16:06,950 世界最大のリスだ 154 00:16:10,350 --> 00:16:15,410 リスのところに シシオザルが やって来た。 155 00:16:15,410 --> 00:16:19,410 果物を奪おうというのだ 156 00:16:22,470 --> 00:16:28,190 食べていたのは 世界最大の果物 ジャックフルーツ。 157 00:16:28,190 --> 00:16:32,190 大きなものは 重さ50キロにもなる 158 00:16:38,960 --> 00:16:43,960 甘い果実は シシオザルの大好物 159 00:16:45,700 --> 00:16:49,740 リスも簡単には譲らない 160 00:16:49,740 --> 00:17:01,200 ♪~ 161 00:17:01,200 --> 00:17:05,570 しかし シシオザルの執拗な攻撃に 162 00:17:05,570 --> 00:17:09,570 とうとう諦めてしまった 163 00:17:11,290 --> 00:17:14,650 太古の姿をとどめる森。 164 00:17:14,650 --> 00:17:19,650 そこに暮らす住人の中でも ひときわ 異彩を放つ者がいる 165 00:17:21,400 --> 00:17:25,430 翼を広げると 1.5メートル。 166 00:17:25,430 --> 00:17:29,430 巨大な鳥 オオサイチョウだ 167 00:17:31,160 --> 00:17:35,870 大きな くちばしには 角のような突起があり 168 00:17:35,870 --> 00:17:39,870 まるで 恐竜のような いでたちだ 169 00:17:41,260 --> 00:17:44,960 サイチョウの名の由来も 170 00:17:44,960 --> 00:17:48,960 動物のサイを連想させる事から 来ている 171 00:17:50,690 --> 00:17:55,070 この奇妙な突起の役割は よく分かっていない。 172 00:17:55,070 --> 00:18:00,070 長くて 大きな くちばしを 支えるためだという説もある 173 00:18:06,510 --> 00:18:11,510 木の幹に開いた 穴の前にやって来た 174 00:18:13,240 --> 00:18:19,640 中に目が見える。 サイチョウのメスだ。 175 00:18:19,640 --> 00:18:22,010 実は 今は子育て中。 176 00:18:22,010 --> 00:18:26,040 メスは 卵を産む前に穴に入り 177 00:18:26,040 --> 00:18:29,410 自分のフンで入り口を狭める。 178 00:18:29,410 --> 00:18:34,120 そして 中に籠もって子育てする。 179 00:18:34,120 --> 00:18:37,120 オスが ヘビを運んできた 180 00:18:39,180 --> 00:18:44,180 僅かに開いた隙間から メスへと渡す 181 00:18:46,240 --> 00:18:50,240 中では既に ヒナが孵化している 182 00:18:51,970 --> 00:18:57,020 穴に籠もるのは 捕食者から身を守るため。 183 00:18:57,020 --> 00:19:00,380 メスは 子育ての2か月間 184 00:19:00,380 --> 00:19:04,380 食べ物を ずっと オスに運んできてもらう 185 00:19:06,440 --> 00:19:10,150 続いて オスが持ってきたのは トカゲ。 186 00:19:10,150 --> 00:19:14,150 小さな動物は 格好の獲物のようだ 187 00:19:25,640 --> 00:19:30,020 今度は 木の実を与え始めた。 188 00:19:30,020 --> 00:19:34,730 喉袋に たくさんの木の実を ため込んでいるのだ。 189 00:19:34,730 --> 00:19:40,730 器用に くちばしの先でつまみ 次々と メスに渡す 190 00:19:47,860 --> 00:19:51,890 食事が済むと 巣の中の食べ残しや フンを 191 00:19:51,890 --> 00:19:53,890 きれいにする 192 00:19:56,950 --> 00:20:00,980 穴に籠もる独特の子育て。 193 00:20:00,980 --> 00:20:06,710 ヒナが巣立つ率は 80%と 極めて高い。 194 00:20:06,710 --> 00:20:09,740 巨大なサイチョウが子育てするには 195 00:20:09,740 --> 00:20:13,110 大きな うろができる 大木が必要だ。 196 00:20:13,110 --> 00:20:21,520 何千万年も前に インドに渡り 西ガーツで生き延びてきた サイチョウ。 197 00:20:21,520 --> 00:20:24,220 1,000万年続く太古の森が 198 00:20:24,220 --> 00:20:28,220 サイチョウの命を 脈々と育んできたのだ 199 00:20:35,000 --> 00:20:41,060 豊かな水に恵まれた 西ガーツ山脈。 200 00:20:41,060 --> 00:20:46,060 ここは また ある生き物たちの 貴重な住みかとなっている 201 00:20:51,160 --> 00:20:55,530 それは カエルたち。 202 00:20:55,530 --> 00:20:59,900 現在 およそ140種類が知られており 203 00:20:59,900 --> 00:21:03,900 今 なお 新種が発見されている 204 00:21:06,970 --> 00:21:12,700 カエルは 雨の多い雨季に合わせて 繁殖する。 205 00:21:12,700 --> 00:21:19,700 水場は オタマジャクシであふれ 食べ物を巡る競争も熾烈になる 206 00:21:23,140 --> 00:21:27,180 ところが そんな競争とは無関係に 207 00:21:27,180 --> 00:21:31,180 悠久の時を生きてきた カエルがいる 208 00:21:37,290 --> 00:21:43,290 岩を流れる水の下で 何かが動いている 209 00:21:49,740 --> 00:21:53,440 オタマジャクシだ。 210 00:21:53,440 --> 00:21:56,810 岩についた藻を食べている。 211 00:21:56,810 --> 00:22:02,810 口が強力な吸盤になっていて 流れの速い岩の上で食事をする 212 00:22:05,570 --> 00:22:09,600 この奇妙な オタマジャクシが 発見されたのは 213 00:22:09,600 --> 00:22:12,600 およそ100年前の事 214 00:22:14,320 --> 00:22:18,360 しかし 最近まで それが どんなカエルになるのかは 215 00:22:18,360 --> 00:22:22,060 謎だった。 216 00:22:22,060 --> 00:22:24,090 なぜなら 彼らは カエルになる前に 217 00:22:24,090 --> 00:22:29,090 一斉に地上から 姿を消してしまうのだ 218 00:22:35,530 --> 00:22:42,530 ところが 2003年 ついに 彼らの親が発見された 219 00:22:45,630 --> 00:22:51,350 世界で西ガーツにしかいない 珍しいカエルだ。 220 00:22:51,350 --> 00:22:53,380 一生の ほとんどを 土の中で過ごし 221 00:22:53,380 --> 00:22:57,080 地上に出るのは 年に 2週間だけ。 222 00:22:57,080 --> 00:23:01,790 そのため 発見されなかったのだ 223 00:23:01,790 --> 00:23:07,180 (鳴き声) 224 00:23:07,180 --> 00:23:09,540 恋の季節。 225 00:23:09,540 --> 00:23:13,540 オスは独特の鳴き声で メスを誘う 226 00:23:15,260 --> 00:23:18,260 メスも姿を現した 227 00:23:22,000 --> 00:23:28,000 オスは 自分より はるかに大きな メスの背中に乗ろうとする 228 00:23:30,080 --> 00:23:35,130 しかし 体は丸くて滑りやすい 229 00:23:35,130 --> 00:23:47,920 ♪~ 230 00:23:47,920 --> 00:23:52,920 ようやく メスにしがみついた 231 00:23:56,000 --> 00:24:01,000 ペアは 産卵場所を探すために 移動を始めた 232 00:24:05,430 --> 00:24:08,790 流れが急な岩肌。 233 00:24:08,790 --> 00:24:14,790 危険な旅になる事もあるが オスは決して メスから離れない 234 00:24:16,200 --> 00:24:21,590 子孫を残すために オスは必死だ 235 00:24:21,590 --> 00:24:32,590 ♪~ 236 00:24:35,060 --> 00:24:40,060 このペアは 安全な水たまりを 見つけたようだ 237 00:24:47,180 --> 00:24:52,180 卵を産み終わると 元の住みかへと戻っていく 238 00:24:54,590 --> 00:24:59,590 後ろ足には 白くて硬い突起がある 239 00:25:03,680 --> 00:25:06,040 後ろ向きに 土を掘り進む時に 240 00:25:06,040 --> 00:25:09,040 これが役に立つ 241 00:25:11,420 --> 00:25:16,420 親は また 1年間の地下生活に入る 242 00:25:18,830 --> 00:25:22,530 不思議な生態を持つ インドハナガエル。 243 00:25:22,530 --> 00:25:28,530 実は 1億3,000万年前の 恐竜時代からの生き残りだ 244 00:25:31,620 --> 00:25:34,990 何千万年と続く 安定した環境。 245 00:25:34,990 --> 00:25:40,990 彼らは 何も変化する必要が なかったに違いない 246 00:25:46,110 --> 00:25:50,810 豊かな自然が残る森。 247 00:25:50,810 --> 00:25:53,170 そこには 太古の面影を残す 248 00:25:53,170 --> 00:25:57,220 貴重な生き物たちが 暮らしています。 249 00:25:57,220 --> 00:26:00,580 海で隔てられた インドとスリランカには 250 00:26:00,580 --> 00:26:05,630 そんな 共通の動物が 数多く います。 251 00:26:05,630 --> 00:26:09,010 ホソロリスや アジアゾウなどが その代表です。 252 00:26:09,010 --> 00:26:12,010 一体 なぜでしょうか? 253 00:26:14,050 --> 00:26:20,780 スリランカとインドを分ける海峡は狭く 幅は 60キロほど。 254 00:26:20,780 --> 00:26:27,180 その間には 途中で切れた 細い道のようなものが見えます。 255 00:26:27,180 --> 00:26:31,890 この道が 氷河期に海面が低下した時に 256 00:26:31,890 --> 00:26:37,280 大陸とスリランカを結ぶ 陸橋となりました。 257 00:26:37,280 --> 00:26:43,280 ここを通り ホソロリスや ゾウなどが スリランカへと渡りました。 258 00:26:45,370 --> 00:26:51,090 その後 海面が上昇し 島となった スリランカ。 259 00:26:51,090 --> 00:26:57,810 西ガーツ山脈から続く 緑の回廊の終着地は 260 00:26:57,810 --> 00:27:03,810 こうして 貴重な動物が暮らす 箱舟となったのです。 261 00:27:05,900 --> 00:27:12,960 ここは スリランカ北部にある ミンネリア国立公園。 262 00:27:12,960 --> 00:27:17,960 島の中でも 特に ゾウが多い事で知られている 263 00:27:19,700 --> 00:27:22,400 池の周りに ゾウが集まっていた。 264 00:27:22,400 --> 00:27:25,760 この日は 70頭ほど。 265 00:27:25,760 --> 00:27:30,480 多い時には 300頭にもなるという 266 00:27:30,480 --> 00:27:33,480 水 入りましたね。 奥の群れが。 267 00:27:38,890 --> 00:27:43,890 あ~ 飲んでる 飲んでる。 飲んでますね。 268 00:27:46,310 --> 00:27:53,700 池のそばでは のんびりと草を食べている。 269 00:27:53,700 --> 00:27:56,070 親戚関係にある ナウマンゾウや マンモスは 270 00:27:56,070 --> 00:27:59,440 およそ1万年前に 絶滅してしまった。 271 00:27:59,440 --> 00:28:05,440 しかし アジアゾウは この地で たくましく 生き続けている 272 00:28:07,510 --> 00:28:10,540 彼らは 長い旅路の果てに 273 00:28:10,540 --> 00:28:15,540 安住の地へと たどりついた 冒険者たちの子孫なのだ 274 00:28:17,620 --> 00:28:21,990 僕は そんな歴史を物語る 275 00:28:21,990 --> 00:28:25,990 また別の証言者に 出会う事ができた 276 00:28:31,080 --> 00:28:34,080 おお 見える 見える。 277 00:28:45,230 --> 00:28:52,230 大人のオスは 体長2メートル 体重150キロにもなる 278 00:28:54,320 --> 00:28:59,030 だが ほかのクマとは かなり異なる習性を持ち 279 00:28:59,030 --> 00:29:02,030 食べ物も変わっているという 280 00:29:07,790 --> 00:29:10,480 ナマケグマの暮らしぶりは 281 00:29:10,480 --> 00:29:14,480 これまで多くの謎に包まれていた 282 00:29:18,890 --> 00:29:24,620 こちらは インドの西ガーツ山脈。 283 00:29:24,620 --> 00:29:28,330 ナマケグマもまた 緑の回廊を通って 284 00:29:28,330 --> 00:29:33,040 インドからスリランカへ渡った 大型動物の一つ。 285 00:29:33,040 --> 00:29:38,090 その姿は 実に個性的だ。 286 00:29:38,090 --> 00:29:43,090 毛むくじゃらな体と 長く曲がった爪 287 00:29:45,830 --> 00:29:51,890 初めて標本を見た ヨーロッパの人々が ナマケモノと勘違いした。 288 00:29:51,890 --> 00:29:56,890 そのため ナマケグマと名付けられたのだ 289 00:29:58,630 --> 00:30:00,980 今から 400万年ほど前に 290 00:30:00,980 --> 00:30:07,980 ほかのクマたちの系統から分かれ この地で独自の進化を遂げてきた 291 00:30:16,470 --> 00:30:21,470 よく見ると 背中に何かついている 292 00:30:23,200 --> 00:30:26,240 なんと 子グマ。 293 00:30:26,240 --> 00:30:32,240 ナマケグマは 子どもを背負って育てる 唯一のクマだ 294 00:30:34,310 --> 00:30:38,020 母親は 一度に 2頭の子どもを産む 295 00:30:38,020 --> 00:30:42,730 (鳴き声) 296 00:30:42,730 --> 00:30:45,090 子グマは 生後ひとつきほど。 297 00:30:45,090 --> 00:30:49,470 長い毛に隠れ カムフラージュされている。 298 00:30:49,470 --> 00:30:55,470 生後半年ほどは こうして 母親が 背中に乗せて移動する 299 00:30:56,210 --> 00:30:59,900 長い毛は 子どもが つかまるためにも 300 00:30:59,900 --> 00:31:02,590 都合がいい。 301 00:31:02,590 --> 00:31:08,660 上ったり下りたり 母親の背中は 子どもたちの遊び場だ 302 00:31:08,660 --> 00:31:22,120 ♪~ 303 00:31:22,120 --> 00:31:27,120 やんちゃ盛りの子グマは すぐに地面に下りたがる 304 00:31:34,910 --> 00:31:38,910 しかし 岩山には危険な敵もいる 305 00:31:40,310 --> 00:31:42,310 ヒョウだ 306 00:31:45,690 --> 00:31:49,400 ようやく 歩けるように なったばかりの子グマ。 307 00:31:49,400 --> 00:31:52,400 足取りも おぼつかない 308 00:32:00,840 --> 00:32:03,840 母親が 子グマを呼ぶ 309 00:32:07,910 --> 00:32:12,910 慌てて母親のもとに戻る子グマ 310 00:32:17,340 --> 00:32:21,340 背中に乗ってしまえば 一安心だ 311 00:32:25,090 --> 00:32:30,090 ヒョウも 大きな親には 手だしはできない 312 00:32:38,550 --> 00:32:44,280 ナマケグマは 食べ物もまた 変わっている。 313 00:32:44,280 --> 00:32:47,280 シロアリの塚に やって来た 314 00:32:51,680 --> 00:32:58,680 長い爪で塚を壊し 細長い鼻先を穴に入れる 315 00:33:02,130 --> 00:33:05,130 主食は シロアリ 316 00:33:07,840 --> 00:33:12,230 随分 大きな音が聞こえる。 317 00:33:12,230 --> 00:33:14,250 この音の正体。 318 00:33:14,250 --> 00:33:20,310 実は 掃除機のように シロアリを吸い込んで食べるためだ。 319 00:33:20,310 --> 00:33:22,660 吸い込みやすくするためか 320 00:33:22,660 --> 00:33:27,040 前歯は 子グマの時に 抜け落ちてしまうという。 321 00:33:27,040 --> 00:33:30,410 奇妙な生態を持つナマケグマ。 322 00:33:30,410 --> 00:33:36,410 もともと インド北部の森で 誕生したと考えられている 323 00:33:41,520 --> 00:33:44,550 そんなナマケグマは いつしか 324 00:33:44,550 --> 00:33:48,590 西ガーツやスリランカでも 暮らすようになっていった。 325 00:33:48,590 --> 00:33:55,590 そこには もう一つの環境変動が 深く関わっている 326 00:34:04,080 --> 00:34:10,080 モンスーンが豊かな森を育む 西ガーツ山脈。 327 00:34:12,820 --> 00:34:19,230 しかし 山脈の東側には 乾燥した大地が広がっています。 328 00:34:19,230 --> 00:34:25,290 湿気を含んだ空気は 山の西側で 大量の雨を降らせ 329 00:34:25,290 --> 00:34:31,350 乾燥した風が 東側へと吹き下ろすためです。 330 00:34:31,350 --> 00:34:36,060 モンスーンが誕生した一方で 内陸では 乾燥化が進み 331 00:34:36,060 --> 00:34:40,440 森は 徐々に消えていきました。 332 00:34:40,440 --> 00:34:44,140 そして 住みかを失った生き物たちが 333 00:34:44,140 --> 00:34:51,550 避難するように 豊かな森がある 西ガーツに 集まってきました。 334 00:34:51,550 --> 00:34:55,550 ナマケグマも そうしたメンバーの一員でした。 335 00:34:57,610 --> 00:35:04,010 こうして 西ガーツ山脈は 大型動物たちの住みかとなり 336 00:35:04,010 --> 00:35:10,010 生き物たちをスリランカへと運ぶ 緑の回廊となったのです。 337 00:35:12,760 --> 00:35:15,120 内陸の乾燥化を逃れ 338 00:35:15,120 --> 00:35:21,850 西ガーツ山脈へとやって来た動物は ほかにもいる。 339 00:35:21,850 --> 00:35:26,850 アジアを代表する猛獣 トラも その一つだ 340 00:35:29,260 --> 00:35:32,300 絶滅が心配されるトラ。 341 00:35:32,300 --> 00:35:39,300 西ガーツには インドに生息するトラの 10%が暮らしているという 342 00:35:48,120 --> 00:35:51,120 シカに狙いをつけた 343 00:36:00,570 --> 00:36:06,570 狩りの成功率は低く 10回に1回成功する程度だ 344 00:36:08,650 --> 00:36:11,650 今回は うまく捕まえた 345 00:36:16,060 --> 00:36:23,800 ここはまた 野生のアジアゾウの 貴重な生息地でもある。 346 00:36:23,800 --> 00:36:26,160 意外な事に 広いインドでも 347 00:36:26,160 --> 00:36:31,880 野生のゾウが暮らしていける 場所は 限られている。 348 00:36:31,880 --> 00:36:38,880 森には ゾウの巨体を支えるだけの 食べ物が豊富にある 349 00:36:42,320 --> 00:36:48,050 太古の生き物たちが ひっそりと暮らす西ガーツ山脈。 350 00:36:48,050 --> 00:36:51,420 そこはまた トラやゾウといった 351 00:36:51,420 --> 00:36:56,420 大型動物たちの 避難所でもあったのだ 352 00:37:02,860 --> 00:37:08,860 大木で子育てをしていたサイチョウは どうしているだろうか? 353 00:37:11,950 --> 00:37:14,650 ヒナが 穴から顔を出している。 354 00:37:14,650 --> 00:37:18,020 巣立ちの時が近いようだ。 355 00:37:18,020 --> 00:37:22,020 両親が 近くで見守っている 356 00:37:24,740 --> 00:37:29,740 ヒナがいるのは 地上30メートルの巣穴 357 00:37:36,200 --> 00:37:38,200 次の瞬間 358 00:37:40,240 --> 00:37:45,290 地面に落ちてしまった。 359 00:37:45,290 --> 00:37:49,290 地上は 天敵が多く危険だ 360 00:37:57,410 --> 00:38:01,410 なんとか 無事 飛び立った 361 00:38:03,470 --> 00:38:06,470 すぐに両親が後を追う 362 00:38:09,860 --> 00:38:13,570 ヒナのくちばしには 特徴的な突起は まだない。 363 00:38:13,570 --> 00:38:18,570 発達には あと5年の歳月が必要だ 364 00:38:22,990 --> 00:38:28,990 巣立ったあとも しばらくは 親から食べ物をもらう 365 00:38:30,740 --> 00:38:35,120 西ガーツ山脈の豊かな森に 生きるサイチョウ。 366 00:38:35,120 --> 00:38:42,120 彼らは こんな奇妙な子育てを 遠い昔から 繰り広げてきたのだ 367 00:38:48,250 --> 00:38:53,250 太古の生き物たちの 箱舟となってきたスリランカ 368 00:38:57,340 --> 00:39:03,340 僕は 旅の最後に 思いがけない光景に遭遇した 369 00:39:07,440 --> 00:39:10,800 おお~。 370 00:39:10,800 --> 00:39:12,160 ヤバイ… あれ あれ? 371 00:39:12,160 --> 00:39:16,530 野生のゾウが 三輪バイクに近づいている。 372 00:39:16,530 --> 00:39:19,530 襲われたら ひとたまりもない 373 00:39:25,950 --> 00:39:29,660 だが 予想外の展開 374 00:39:29,660 --> 00:39:31,680 果物。 あげてんの? 375 00:39:31,680 --> 00:39:34,040 それは 怖くないの? 376 00:39:34,040 --> 00:39:41,040 なんと ゾウにバナナをあげるため バイクを止めていたのだ 377 00:39:59,290 --> 00:40:05,020 普通にゾウがいて 車が通って…。 378 00:40:05,020 --> 00:40:07,020 すごいですね。 379 00:40:09,390 --> 00:40:14,110 スリランカは 国民の大半を 仏教徒が占める国。 380 00:40:14,110 --> 00:40:18,480 ゾウは 特別な存在だ。 381 00:40:18,480 --> 00:40:21,510 仏陀を懐妊した時 母親は 382 00:40:21,510 --> 00:40:25,220 ゾウが おなかに入る夢を 見たという。 383 00:40:25,220 --> 00:40:29,220 以来 ゾウは 神聖な動物とされてきた 384 00:40:31,610 --> 00:40:36,330 人々は 仏教が伝来した 2,000年以上も前から 385 00:40:36,330 --> 00:40:40,330 ゾウを敬い 共に生きてきた 386 00:40:43,730 --> 00:40:50,470 ところが 近年 その関係に 微妙な変化が現れている。 387 00:40:50,470 --> 00:40:54,840 北海道よりも小さな島に住む ゾウは 5,000頭。 388 00:40:54,840 --> 00:41:01,840 人口が増え 生活場所を広げる 人間との距離は 縮まるばかりだ 389 00:41:03,930 --> 00:41:08,930 村に 野生のゾウが出没する トラブルが後を絶たない 390 00:41:10,340 --> 00:41:16,340 村人は 神聖なゾウを殺すつもりはない 391 00:41:26,500 --> 00:41:30,210 花火を打ち上げたり 大声を上げたりして 392 00:41:30,210 --> 00:41:35,590 なんとか ゾウを追い払おうとする。 393 00:41:35,590 --> 00:41:38,610 しかし 頭のいいゾウは 394 00:41:38,610 --> 00:41:43,330 慣れてしまって 立ち去ってはくれない。 395 00:41:43,330 --> 00:41:47,330 鋭い嗅覚で 食物倉庫を嗅ぎ当てた 396 00:41:50,740 --> 00:41:56,740 そして 中にある米を引き出し 食べてしまった 397 00:42:13,300 --> 00:42:17,340 人とゾウの関係に あつれきが生じている中 398 00:42:17,340 --> 00:42:23,400 僕は 最近 ゾウに襲われたという 村を訪ねた 399 00:42:23,400 --> 00:42:27,400 これが ゾウに壊された家ですか。 400 00:42:29,120 --> 00:42:33,500 やはり 米を食べてしまったという。 401 00:42:33,500 --> 00:42:37,540 「ホットスポット」の旅で 何度も直面してきた 402 00:42:37,540 --> 00:42:39,560 人間と動物の衝突。 403 00:42:39,560 --> 00:42:47,300 だが 村人から発せられた言葉は 予想もしないものだった 404 00:42:47,300 --> 00:42:51,680 また ゾウが来る可能性が ある訳ですよね。 405 00:42:51,680 --> 00:42:54,680 おかあさんは どういうふうに 思われてるんですか? 406 00:43:21,310 --> 00:43:24,340 人間だけのものではない。 407 00:43:24,340 --> 00:43:28,050 当たり前のように語られた言葉。 408 00:43:28,050 --> 00:43:30,410 人と動物の未来に 409 00:43:30,410 --> 00:43:35,410 かすかな希望の明かりを 見たような気がした 410 00:43:41,510 --> 00:43:44,540 ゾウが村を襲うという 厳しい現実。 411 00:43:44,540 --> 00:43:48,250 しかし 人々がゾウを大切にする心は 412 00:43:48,250 --> 00:43:51,250 失われてはいない 413 00:43:53,630 --> 00:43:56,660 ここは 村から 追い払われる中で 414 00:43:56,660 --> 00:44:01,710 親とはぐれてしまった子ゾウを 保護する施設 415 00:44:01,710 --> 00:44:03,070 かわいい~。 近づいてくるんだ こうやって。 416 00:44:03,070 --> 00:44:09,070 やっぱり 人になれて 懐いてるんですね 人にね。 417 00:44:12,150 --> 00:44:16,150 現在 子ゾウの数は 40頭余り 418 00:44:18,220 --> 00:44:22,220 毎年10頭ほどが保護されてくる 419 00:44:24,940 --> 00:44:30,330 この施設の目的は ゾウを野生へと戻す事。 420 00:44:30,330 --> 00:44:34,040 そのため 極力 人間と接する事がないよう 421 00:44:34,040 --> 00:44:37,070 ゾウ同士で生活させる。 422 00:44:37,070 --> 00:44:43,460 そして 5歳になると 保護区に戻す。 423 00:44:43,460 --> 00:44:48,460 これまで 90頭が野生に戻された 424 00:44:52,550 --> 00:44:56,930 人間とゾウが共存できる。 425 00:44:56,930 --> 00:45:00,930 そういう未来が来るというふうに 思われますか? 426 00:45:26,230 --> 00:45:28,580 8月。 427 00:45:28,580 --> 00:45:33,580 人とゾウの深いつながりを示す 祭りが開かれる 428 00:45:35,320 --> 00:45:41,040 スリランカ最大の行事 エサラ ペラヘラ祭りだ。 429 00:45:41,040 --> 00:45:44,040 主役は ゾウ 430 00:45:56,200 --> 00:46:01,910 大きな牙を持つオスのゾウ。 431 00:46:01,910 --> 00:46:07,630 背中に 仏陀の歯を入れたという 容器を載せ 練り歩く 432 00:46:07,630 --> 00:46:15,050 ♪~ 433 00:46:15,050 --> 00:46:21,110 この日 祭りに集まったゾウは 60頭余り 434 00:46:21,110 --> 00:46:25,110 ♪~ 435 00:46:29,190 --> 00:46:34,240 ♪~ 436 00:46:34,240 --> 00:46:38,620 ゾウと人 そして 神への祈りが 437 00:46:38,620 --> 00:46:41,980 混然一体となって 溶け合っていく。 438 00:46:41,980 --> 00:46:46,980 それは スリランカを象徴する光景だ 439 00:47:15,980 --> 00:47:19,030 仏教伝来とともに 2,000年以上続いてきた 440 00:47:19,030 --> 00:47:23,030 人とゾウとの深いつながり 441 00:47:25,080 --> 00:47:29,790 スリランカの人々と そこに生きるゾウには 442 00:47:29,790 --> 00:47:34,790 一体 どんな未来が 待っているのだろうか? 443 00:47:42,260 --> 00:47:47,300 地殻変動によって生まれた 壮大なモンスーン。 444 00:47:47,300 --> 00:47:51,010 そのモンスーンが 豊かな森を育み 445 00:47:51,010 --> 00:47:56,390 貴重な生き物たちの避難場所を つくり上げていた。 446 00:47:56,390 --> 00:48:00,777 そこは まさに 現代のロストワールド。 447 00:48:00,777 --> 00:48:05,480 太古から生き残ってきた 不思議な動物たちが暮らす 448 00:48:05,480 --> 00:48:08,840 箱舟だった。 449 00:48:08,840 --> 00:48:11,870 だが 箱舟はまた 450 00:48:11,870 --> 00:48:15,580 人と自然が直面する さまざまな問題を抱える 451 00:48:15,580 --> 00:48:18,580 地球の縮図でもある 452 00:48:20,960 --> 00:48:27,700 この星で 同じ土地を 分け合って生きる人間と動物。 453 00:48:27,700 --> 00:48:31,070 その未来を 希望あるものにするため 454 00:48:31,070 --> 00:48:34,110 何をしなければならないのか。 455 00:48:34,110 --> 00:48:40,160 考える時が 今 来ているのだ 456 00:48:40,160 --> 00:48:57,160 ♪~