1 00:00:02,202 --> 00:00:04,137 (光)なっ! (沙織)ちょっと! 2 00:00:04,137 --> 00:00:06,940 (中将)離さんか! 何やつじゃ! 3 00:00:06,940 --> 00:00:09,409 フィリップ殿!? (フィリップ)Nice to meet you, Saori. 4 00:00:09,409 --> 00:00:11,778 光から よく話は聞いてました。 5 00:00:11,778 --> 00:00:16,116 やつらは 光を捕まえて 生体解剖をするつもりです。 6 00:00:16,116 --> 00:00:19,419 光を 元の世界に戻すべきとは 思いませんか? 7 00:00:19,419 --> 00:00:23,790 光は「源氏物語」を ノンフィクションだと思ってます。 8 00:00:23,790 --> 00:00:26,126 ノンフィクション…。 自分が➡ 9 00:00:26,126 --> 00:00:30,631 想像上のキャラクターとは思っていない。 そんな…。 10 00:00:30,631 --> 00:00:33,300 光が この世界に ジャンプしてきた秘密は➡ 11 00:00:33,300 --> 00:00:37,170 京都にあると 私は思ってます。 京都? 12 00:00:37,170 --> 00:00:40,807 行くのです! あなたがいるべき場所へ! 13 00:00:40,807 --> 00:01:01,094 ♬~ 14 00:01:03,597 --> 00:01:07,267 これが 京の都…。 15 00:01:07,267 --> 00:01:10,938 にわかには信じられぬ…。 16 00:01:10,938 --> 00:01:14,775 (英語の会話) 17 00:01:14,775 --> 00:01:18,111 Wow! Oh my God! (騒ぎ声) 18 00:01:18,111 --> 00:01:21,782 (シャッター音) ちょ… ちょっと! 待って! 19 00:01:21,782 --> 00:01:24,117 ごめんなさい! 撮らないで下さい! 20 00:01:24,117 --> 00:01:26,053 すいません! ノー ピクチャー! ノー ピクチャー! 21 00:01:26,053 --> 00:01:29,756 すいませんね。 ごめんなさい。 何で こう…。 22 00:01:31,425 --> 00:01:34,628 (チャイム) 23 00:01:36,964 --> 00:01:41,268 (チャイム) (詩織)ん? 24 00:01:48,141 --> 00:01:50,143 光く~ん? 25 00:01:51,979 --> 00:01:55,015 いないの~? 26 00:01:55,015 --> 00:01:59,152 えっ 都? じゃあ 京都 行ってんの? 27 00:01:59,152 --> 00:02:02,389 (カイン)いかにもっす。 ウッソ 何それ? 28 00:02:02,389 --> 00:02:06,259 あれ? 詩織ちゃん ご存じない感じ? 29 00:02:06,259 --> 00:02:08,595 え~ 聞いてないよ~。 30 00:02:08,595 --> 00:02:11,932 もう 自分たちだけ ずるい! 31 00:02:11,932 --> 00:02:17,104 私が勧めた時は 「仕事あるし」とか言ってたのに。 32 00:02:17,104 --> 00:02:21,408 あちゃ~。 ややこしや~っすね。 33 00:02:21,408 --> 00:02:24,311 京都の どこ行ったのかな? さあ? 34 00:02:24,311 --> 00:02:29,116 もう… しょうがないなぁ。 35 00:02:29,116 --> 00:02:31,151 どこ行っちゃったんだろ。 36 00:02:31,151 --> 00:02:35,655 分かった。 ごめんね じゃあ。 37 00:02:47,134 --> 00:02:49,069 これ…。 38 00:02:49,069 --> 00:02:52,439 やはり ここは 抹茶パフェであろう。 39 00:02:52,439 --> 00:02:55,308 ほうじ茶パフェも気になるが…。 40 00:02:55,308 --> 00:02:57,310 あぁ 決められん。 41 00:02:57,310 --> 00:02:59,312 沙織殿は いかがする? 42 00:02:59,312 --> 00:03:02,082 ん~ 寒いから ぜんざいでいいや。 43 00:03:02,082 --> 00:03:05,118 なんと軽んじておるのだ! ぜんざいに謝れ! 44 00:03:05,118 --> 00:03:08,255 すいません。 はい。 45 00:03:08,255 --> 00:03:10,924 魅惑の抹茶パフェを1つ。 46 00:03:10,924 --> 00:03:13,960 ん~ では 私も。 47 00:03:13,960 --> 00:03:17,464 ぜんざい下さい。 かしこまりました。 48 00:03:19,266 --> 00:03:24,071  心の声 ていうか 着いて いきなり お茶してていいんだろうか。 49 00:03:25,772 --> 00:03:30,777 源氏よ 私は 最近思うのだ。 50 00:03:32,946 --> 00:03:34,981 このまま ここで生きるのも➡ 51 00:03:34,981 --> 00:03:38,752 悪くはないのではないかと。 52 00:03:38,752 --> 00:03:44,558 そう? じゃあ 私 頂くわ。 ウフフ。 もうね おいしそう…。 53 00:03:44,558 --> 00:03:48,495 何の駆け引きもなく 穏やかに➡ 54 00:03:48,495 --> 00:03:51,131 一人の女人と添い遂げるのも➡ 55 00:03:51,131 --> 00:03:53,967 悪くないと思うのだ。 56 00:03:53,967 --> 00:03:58,772 なるほど。 そなたの考えも一理あるな。 57 00:04:00,373 --> 00:04:04,244 こっちの世でも 一生 駆け引きしてる人は いるっちゃいるけどね。 58 00:04:04,244 --> 00:04:08,582 そうなのか? うん。 その辺は いつの時代も同じかも。 59 00:04:08,582 --> 00:04:10,517 まあ さすがに平安貴族みたいに➡ 60 00:04:10,517 --> 00:04:13,754 たくさんの女の人を囲うみたいなことは できないけどね。 61 00:04:13,754 --> 00:04:18,091 何やら責められているように聞こえるが。 別に。 62 00:04:18,091 --> 00:04:22,395 よい悪いではない。 単に 世の成り立ちが変わったのだ。 63 00:04:22,395 --> 00:04:27,100 それもこれも 1,000年という 時の流れがあってのこと。 64 00:04:27,100 --> 00:04:29,936 1,000年か…。 65 00:04:29,936 --> 00:04:32,839 あちらの世に未練を残したまま➡ 66 00:04:32,839 --> 00:04:36,276 こちらで生き直すことなど できるのだろうか。 67 00:04:36,276 --> 00:04:39,179 帰れるものなら帰りたいが。 68 00:04:39,179 --> 00:04:44,017 そうだな。 おぬしの考えもまた一理ある。 69 00:04:44,017 --> 00:04:48,622 しかし たとえ帰れたとしても➡ 70 00:04:48,622 --> 00:04:53,627 こちらの世にも 未練が残るような気もするのだ。 71 00:04:55,962 --> 00:04:58,999 おまっとうさん。 72 00:04:58,999 --> 00:05:02,068 これよ 中将殿! お~! 73 00:05:02,068 --> 00:05:05,372 あちらの世に抹茶パフェはないからな。 うん。 74 00:05:05,372 --> 00:05:07,741 待っておったぞ~。 75 00:05:07,741 --> 00:05:10,577 (シャッター音) やっと逢瀬が叶った。 76 00:05:10,577 --> 00:05:14,581 恋人か。 (シャッター音) 77 00:05:42,108 --> 00:05:45,779 夢にまで見た 甘くおいしい抹茶パフェ。 78 00:05:45,779 --> 00:05:50,984 うれしくて 心まで一緒に 溶けてしまいそうだ! はっ。 79 00:05:59,326 --> 00:06:02,562 (拍手) 80 00:06:02,562 --> 00:06:06,233 すいません。 いいから座って! 座って! 81 00:06:06,233 --> 00:06:08,235 てか 歌ってる場合じゃないから! 早く食べて➡ 82 00:06:08,235 --> 00:06:10,537 フィリップさんが言ってた場所へ 行かないと。 83 00:06:12,739 --> 00:06:15,375 やれ 驚いた。 84 00:06:15,375 --> 00:06:19,246 この辺りに かような寺はなかったぞ。 85 00:06:19,246 --> 00:06:22,916 見事な御門であるな。 86 00:06:22,916 --> 00:06:27,787 して フィリップ殿に 行くように言われた場所は ここか? 87 00:06:27,787 --> 00:06:32,592 まあ 一応ね。 88 00:06:32,592 --> 00:06:37,397  回想 京都に着いたら 東本願寺の前で 写真 撮っておいて下さい。 89 00:06:37,397 --> 00:06:40,300 そこに 元の世界に戻れるヒントが あるんですか? 90 00:06:40,300 --> 00:06:45,138 いや 単に京都らしいスポットにいる 光の写真が欲しいのです。 91 00:06:45,138 --> 00:06:47,140 は? 92 00:06:51,778 --> 00:06:54,414 えっ ていうか フィリップさんは 京都 来ないんですか? 93 00:06:54,414 --> 00:06:59,286 私は行きません。 なぜなら 私は 光を狙う者たちに追われてるからです。 94 00:06:59,286 --> 00:07:02,155 私と一緒に行動したら 光が危ない。 95 00:07:02,155 --> 00:07:04,891 あ… 例のメンインブラック? 96 00:07:04,891 --> 00:07:08,762 (シャッター音) 97 00:07:08,762 --> 00:07:13,066 せっかくなのだ 沙織殿も。 私は いいよ。 98 00:07:13,066 --> 00:07:17,237 遠慮するものではない。 ささ 撮るぞ。 99 00:07:17,237 --> 00:07:19,572 ん? 笑顔じゃ~。 100 00:07:19,572 --> 00:07:21,508 あ~。 101 00:07:21,508 --> 00:07:23,443 (シャッター音) 102 00:07:23,443 --> 00:07:26,746 よいではないか。 103 00:07:26,746 --> 00:07:29,249 こんなんで大丈夫なんだろうか…。 104 00:07:29,249 --> 00:07:33,086 私たち まだ 1コマも進めてないんだけど。 105 00:07:33,086 --> 00:07:37,590 ねえ 光くん。 何か 感じない? はて? 106 00:07:37,590 --> 00:07:42,395 記憶とつながった場所とか 知ってる香りとか。 何かないの? 107 00:07:42,395 --> 00:07:45,098 特には…。 108 00:07:45,098 --> 00:07:47,100 じゃあ 早く行こう。 109 00:07:51,771 --> 00:07:55,275 沙織殿は 何をそんなに急いでおるのだ? 110 00:07:55,275 --> 00:08:01,481 もののあはれが分からぬ者だと 思うていたが ここまでとは。 フフフフ。 111 00:08:08,922 --> 00:08:11,224 ついに来ちゃった。 112 00:08:22,902 --> 00:08:27,073  回想 京都の宇治には 源氏物語ミュージアムがあります。 113 00:08:27,073 --> 00:08:30,744 そこには きっと 何かのヒントがあるはずです。 114 00:08:30,744 --> 00:08:33,580 でも そんなとこ行ったら 光くんが自分の未来を➡ 115 00:08:33,580 --> 00:08:36,916 見てしまうことになりますよね? そんなの かわいそうです。 116 00:08:36,916 --> 00:08:40,787 そのショックこそが 元の世界に戻れる鍵だと➡ 117 00:08:40,787 --> 00:08:42,789 私は 思ってます。 118 00:08:44,591 --> 00:08:47,627 しっかりしなきゃ。 119 00:08:47,627 --> 00:08:49,763 (詩織)おねぇ! 120 00:08:49,763 --> 00:08:52,399 (荒い息遣い) 121 00:08:52,399 --> 00:08:54,334 詩織…。 122 00:08:54,334 --> 00:08:57,771 やっと見つけた! 123 00:08:57,771 --> 00:09:01,641 てか おねぇ 何で携帯切ってんのよ。 124 00:09:01,641 --> 00:09:03,576 あ…。 125 00:09:03,576 --> 00:09:06,479  回想 オホオホ… オホ…。 126 00:09:06,479 --> 00:09:08,415 あ… 課長 すいません。 127 00:09:08,415 --> 00:09:10,417 風邪ひいたみたいで。 128 00:09:12,285 --> 00:09:16,556 (安倍)ゆっくり休んでね。 こっちは大丈夫だから。 129 00:09:16,556 --> 00:09:20,560 温かくしてね。 お大事にね。 130 00:09:22,362 --> 00:09:24,564 (ため息) 131 00:09:29,569 --> 00:09:32,572 どうして ここにいるって分かったの? 132 00:09:37,243 --> 00:09:40,146 あ…。 こんな面白そうな旅➡ 133 00:09:40,146 --> 00:09:42,382 何で一緒に連れてってくんないのよ。 134 00:09:42,382 --> 00:09:44,451 あんた 大学あるでしょ? おねぇだって➡ 135 00:09:44,451 --> 00:09:46,586 仕事あるって言ってたでしょ? 136 00:09:46,586 --> 00:09:48,521 私は… ほら…。 137 00:09:48,521 --> 00:09:52,525 詩織殿ではないか! お~! 138 00:09:56,763 --> 00:09:58,765 詩織殿。 139 00:10:00,400 --> 00:10:04,604 ここは? 光くんのことが書かれた本の博物館。 140 00:10:04,604 --> 00:10:07,273 はくぶつかん? うん。 141 00:10:07,273 --> 00:10:09,943 本の世界観に触れることができるの。 142 00:10:09,943 --> 00:10:12,846 それは興味深いところだな。 143 00:10:12,846 --> 00:10:17,617 だが なぜ 源氏の話は 後世に知られているのだ? 144 00:10:17,617 --> 00:10:19,652 伝え聞いた者が書いたのだろう。 145 00:10:19,652 --> 00:10:22,956 なら 私のもあるのか? 沙織殿。 146 00:10:22,956 --> 00:10:27,460 いや どうかな? 私 そういうの あんまり詳しくないから。 フフ。 147 00:10:30,430 --> 00:10:33,333 ほう。 148 00:10:33,333 --> 00:10:36,035 ほう。 149 00:10:40,173 --> 00:10:44,644 ひとがたを使って 我らの暮らしを紹介しているのか。 150 00:10:44,644 --> 00:10:52,652 うむ。 よく出来ているが 部屋の中が 少々 明るすぎる気もするな。 151 00:10:57,157 --> 00:11:01,361 そこは入っちゃダメ! 展示物だから。 152 00:11:04,898 --> 00:11:09,736 それにつけても ありありと思い出されることよ。 153 00:11:09,736 --> 00:11:13,406  心の声 いいぞ いいぞ。 郷愁を募らせて➡ 154 00:11:13,406 --> 00:11:17,110 向こうの世界に帰る手がかりが 見つかるように…。 155 00:11:17,110 --> 00:11:31,424 ♬~ 156 00:11:31,424 --> 00:11:37,630 この人たち 本当に「源氏物語」から 出てきたんだ。 157 00:11:40,166 --> 00:11:42,635 これは? 158 00:11:42,635 --> 00:11:48,141 ん? 六条院だね。 光くんが住んでた大きなお屋敷。 159 00:11:48,141 --> 00:11:50,977 はて? 我が住まいは二条院ゆえ➡ 160 00:11:50,977 --> 00:11:53,446 そのようなものに心当たりはないが…。 161 00:11:53,446 --> 00:11:56,816 これから住むんじゃない? ん? なんと! 162 00:11:56,816 --> 00:12:01,588 え~っと 「東西南北 広い屋敷を四つに区切り➡ 163 00:12:01,588 --> 00:12:03,523 春夏秋冬の四季にあてはめて➡ 164 00:12:03,523 --> 00:12:07,460 それぞれの季節を愛でた女性たちと 暮らしてた」だって。 165 00:12:07,460 --> 00:12:10,096 なんと すばらしい! フフフ。 166 00:12:10,096 --> 00:12:14,934 四季折々の木々に 川まで流れておるではないか。 167 00:12:14,934 --> 00:12:18,805 それぞれに季節をあしらうとは 趣があるな。 168 00:12:18,805 --> 00:12:21,407 中将殿も そう思われるか? フフフ。 169 00:12:21,407 --> 00:12:24,277 なんと見事な思いつき! フフフ。 170 00:12:24,277 --> 00:12:26,479 自画自賛ってやつだね。 171 00:12:28,615 --> 00:12:32,952 つまり 私が 元の京へ戻れれば➡ 172 00:12:32,952 --> 00:12:37,824 このような すばらしい屋敷で 愛した女人たちと暮らせるのだな? 173 00:12:37,824 --> 00:12:40,126 まあ 多分? 174 00:12:40,126 --> 00:12:44,998 春の御殿には 紫の上。 175 00:12:44,998 --> 00:12:52,438 花々や木々に囲まれて… あぁ… あの人の喜ぶ顔が目に浮かぶ。 176 00:12:52,438 --> 00:12:58,244 夏の御殿には… 花散里の君。 177 00:12:58,244 --> 00:13:03,750 ん? 冬の御殿の 明石の君とは一体…。 178 00:13:03,750 --> 00:13:05,685 これから出会うはずの人なんじゃない? 179 00:13:05,685 --> 00:13:12,258 おぉ そうか。 どんなに美しい姫君であろうな。 180 00:13:12,258 --> 00:13:14,927 源氏よ。 181 00:13:14,927 --> 00:13:19,599 こうして行く末を知ってしまうのは 味気なくはないか? 182 00:13:19,599 --> 00:13:23,469 そうか? 私なら知りたくはない。 183 00:13:23,469 --> 00:13:26,773 この先 どんな女人と出会い 恋に落ちるかなど➡ 184 00:13:26,773 --> 00:13:29,108 面白くも何ともないではないか。 185 00:13:29,108 --> 00:13:31,944 ふ~ん まあ 一理あるな。 186 00:13:31,944 --> 00:13:34,847 あまり熱心に見るものではないぞ。 187 00:13:34,847 --> 00:13:38,551 おのが行く末など ゾッとする。 188 00:13:41,621 --> 00:13:44,123 私は 先に行くぞ。 189 00:13:46,492 --> 00:13:48,695 迷子になるよ。 190 00:13:51,964 --> 00:13:54,434 とはいえ よかった。 191 00:13:54,434 --> 00:13:57,970 人生どん底で 須磨の地へ向かっていたが➡ 192 00:13:57,970 --> 00:14:02,375 かような晴れやかな行く末が 待っていようとは。 193 00:14:02,375 --> 00:14:07,747 私は 愛する者たちを幸せにできるのだな。 194 00:14:07,747 --> 00:14:10,950 男として安心した。 195 00:14:14,620 --> 00:14:19,459 私だったら 真っ平ごめんだな。 196 00:14:19,459 --> 00:14:22,595 何不自由なく暮らせるのだぞ? 197 00:14:22,595 --> 00:14:26,766 かような すばらしい屋敷で 愛する者のそばで。 198 00:14:26,766 --> 00:14:30,103 そんなの愛じゃないよ。 199 00:14:30,103 --> 00:14:33,606 こちらの世では そうかもしれぬが…。 200 00:14:46,285 --> 00:14:49,589 ちょっと待ってよ 中ちゃん。 201 00:15:05,772 --> 00:15:08,241 これは…。 202 00:15:08,241 --> 00:15:42,608 ♬~ 203 00:15:42,608 --> 00:15:45,311 これは 一体 何だ? 204 00:15:47,280 --> 00:15:51,617 私のことが書いてあるようだが。 205 00:15:51,617 --> 00:15:55,488 光くんの人生が年表になってるの。 206 00:15:55,488 --> 00:15:58,391 今は…。 207 00:15:58,391 --> 00:16:01,594 この辺りかな。 208 00:16:03,229 --> 00:16:09,435 しかし… 私のことを つぶさに書き置いた者がいるのだな。 209 00:16:13,940 --> 00:16:16,375 それにしても 驚くな。 210 00:16:16,375 --> 00:16:20,580 私しか知り得ぬことが こまごまと。 211 00:16:22,248 --> 00:16:25,751 沙織殿。 212 00:16:25,751 --> 00:16:29,455 そろそろ正直に話してくれてもよかろう。 213 00:16:31,624 --> 00:16:37,463 源氏よ 気付かぬか? 214 00:16:37,463 --> 00:16:40,266 これは おぬしが主人公の➡ 215 00:16:40,266 --> 00:16:42,969 おぬしだけの物語なのだ。 216 00:16:44,937 --> 00:16:47,974 私の物語? 217 00:16:47,974 --> 00:16:51,410 一体 誰が どこで? 218 00:16:51,410 --> 00:16:56,616 あぁ… これから私が書くのだろうか? 219 00:16:56,616 --> 00:16:58,818 違うよ。 220 00:17:00,353 --> 00:17:05,057 作者は 別にいるの。 紫式部っていう女の人。 221 00:17:05,057 --> 00:17:08,928 おねぇ…。 あのね➡ 222 00:17:08,928 --> 00:17:16,235 あなたたちは「源氏物語」っていう書物の 登場人物なの。 223 00:17:16,235 --> 00:17:22,542 実際には この世に存在しない 想像上の人間なの。 224 00:17:27,847 --> 00:17:30,850 まことであるのか? 225 00:17:37,523 --> 00:17:41,394 「源氏物語」か…。 226 00:17:41,394 --> 00:17:49,702 では… 私をあるじとする物語など どこにもないのだな? 227 00:17:56,275 --> 00:17:59,612 うすうす気付いてはいたのだ。 228 00:17:59,612 --> 00:18:01,881 もしや 私なんぞは➡ 229 00:18:01,881 --> 00:18:05,718 源氏を引き立てるために いるのではあるまいかと。 230 00:18:05,718 --> 00:18:08,054 中ちゃん…。 231 00:18:08,054 --> 00:18:12,558 私は 所詮 添え物なのであろう? 232 00:18:12,558 --> 00:18:14,493 それは…。 233 00:18:14,493 --> 00:18:16,696 中ちゃん 待って! 234 00:18:19,332 --> 00:18:23,035 今は おねぇに任せよう。 235 00:18:32,244 --> 00:18:39,385 これが… 私の一生…。 236 00:18:39,385 --> 00:18:50,129 ♬~ 237 00:18:50,129 --> 00:18:52,431 この女人が作者…。 238 00:18:56,802 --> 00:19:05,511 全ては この女人がつくった 絵空事だというのか。 239 00:19:05,511 --> 00:19:12,318 それは… 私にも よく分かんなくなってるんだけど。 240 00:19:20,092 --> 00:19:25,798 沙織殿は 初めから知っていたのだな。 241 00:19:33,372 --> 00:19:38,077 ずっと何かがおかしいと思っていたのだ。 242 00:19:38,077 --> 00:19:44,250 何をしても 源氏に一歩及ばない。 243 00:19:44,250 --> 00:19:49,388 女人にしても 政にしてもだ。 244 00:19:49,388 --> 00:19:53,092 中ちゃん…。 245 00:19:53,092 --> 00:19:58,798 それぞれの天命があるのだと 自ら言い聞かせてきたが…。 246 00:20:00,599 --> 00:20:09,909 まさか 己の一生が あの女人に操られていたとは。 247 00:20:13,112 --> 00:20:17,616 紫式部は 光くんに光を当てただけで➡ 248 00:20:17,616 --> 00:20:21,420 あなたがあなたの人生の主役なのは 間違いないよ。 249 00:20:21,420 --> 00:20:23,789 気休めを言うな! 250 00:20:23,789 --> 00:20:28,961 気休めなんかじゃないよ! 前に私にも言ってくれたじゃない。 251 00:20:28,961 --> 00:20:34,467 誰と何を比べられようが 私の人生は私のものだって。 252 00:20:38,971 --> 00:20:43,809 元の世に戻って 源氏の引き立て役など ごめんだ! 253 00:20:43,809 --> 00:20:48,647 私は 私の物語を生きたい。 254 00:20:48,647 --> 00:20:51,150 え? それって…。 255 00:20:51,150 --> 00:20:57,323 私は 今の世に残る。 256 00:20:57,323 --> 00:21:02,762 「源氏物語」になど 帰らん。 257 00:21:02,762 --> 00:21:06,098 そんな…。 258 00:21:06,098 --> 00:21:08,400 中将殿。 259 00:21:10,770 --> 00:21:12,772 源氏…。 260 00:21:16,575 --> 00:21:21,781 そなたが自分の道を行くのなら それもよかろう。ちょっと 光くん。 261 00:21:21,781 --> 00:21:27,953 この世に とどまりたいのならば そうすればいい。 262 00:21:27,953 --> 00:21:33,259 だが 私は 帰る道を探す。 263 00:21:34,827 --> 00:21:37,129 そうか…。 264 00:21:39,565 --> 00:21:44,303 そうだろうな。 しかし➡ 265 00:21:44,303 --> 00:21:48,174 人は一人では生きられぬ。 266 00:21:48,174 --> 00:21:54,647 友のいない一生など 月のない夜も同じ。 267 00:21:54,647 --> 00:22:00,452 私は そなたと一緒にいたいのだ。 268 00:22:02,922 --> 00:22:09,094 だから… だから それが…➡ 269 00:22:09,094 --> 00:22:16,268 おぬしを引き立てるための 私の役目なんだろ!? 270 00:22:16,268 --> 00:22:20,072 もう 真っ平なんだ! 271 00:22:25,611 --> 00:22:31,317 みんなさ ちょっと落ち着こうよ…。 本当に何なのだ! 中将殿らしくもない! 272 00:22:33,118 --> 00:22:37,790 光くんには 脇役の気持ちなんて 分からないもんね。 273 00:22:37,790 --> 00:22:40,426 向こうに戻ったら また好き勝手して➡ 274 00:22:40,426 --> 00:22:44,296 みんなから チヤホヤされて 過ごしていくんでしょ? 275 00:22:44,296 --> 00:22:46,799 沙織殿まで 何なのだ? 276 00:22:46,799 --> 00:22:51,670 あ~ もう むかつくな。 277 00:22:51,670 --> 00:22:54,673 もう平安でも「源氏物語」でも 何でもいいから➡ 278 00:22:54,673 --> 00:22:56,809 とっとと帰っちゃえばいいじゃない! 279 00:22:56,809 --> 00:22:58,844 帰れるものなら帰っておるわ。 280 00:22:58,844 --> 00:23:00,779 私とて 好んで来たわけではない! 281 00:23:00,779 --> 00:23:04,917 ああ そうですか。 そうですよね。 おねぇ もうやめなよ! 282 00:23:04,917 --> 00:23:07,253 これだけは話しておく。 283 00:23:07,253 --> 00:23:11,590 「源氏物語」の中で あなたが愛した女の人は➡ 284 00:23:11,590 --> 00:23:14,893 誰一人 幸せになんかなってないから! 285 00:23:17,096 --> 00:23:20,599 愛した人たちを同じとこに住まわせて➡ 286 00:23:20,599 --> 00:23:23,402 別の人が生んだ子どもの世話までさせて➡ 287 00:23:23,402 --> 00:23:25,938 それで幸せにできたって? 288 00:23:25,938 --> 00:23:28,274 バカみたい! 289 00:23:28,274 --> 00:23:46,759 ♬~ 290 00:23:50,429 --> 00:23:53,799 京都まで何しに行ったんだろ。 291 00:23:53,799 --> 00:23:56,502 そんなこと言わないでよ。 292 00:23:59,672 --> 00:24:02,474 大丈夫? 293 00:24:06,078 --> 00:24:09,381 ちゃ~んと謝りなよ。 294 00:24:15,754 --> 00:24:20,626 じゃあ 私と中ちゃん こっちだから。 295 00:24:20,626 --> 00:24:24,430 分かった。 気を付けてね。 296 00:24:30,102 --> 00:24:33,973 み~んなが幸せになれたらいいね。 297 00:24:33,973 --> 00:25:03,569 ♬~ 298 00:25:03,569 --> 00:25:05,604 (ため息) 299 00:25:05,604 --> 00:25:08,440 おっ! 土産っすね。 300 00:25:08,440 --> 00:25:12,578 うまそう。 よいしょ。 301 00:25:12,578 --> 00:25:15,481 それは 沙織殿と詩織殿からだ。 302 00:25:15,481 --> 00:25:18,083 え~ うれしいな。 303 00:25:18,083 --> 00:25:20,285 いただきま~す。 304 00:25:21,954 --> 00:25:24,590 あぁ…。 うまっ。 305 00:25:24,590 --> 00:25:28,794 あっ 都 楽しかったですか? 306 00:25:33,298 --> 00:25:38,937 カイン殿 すまぬが気分がすぐれぬゆえ➡ 307 00:25:38,937 --> 00:25:41,774 明日も休ませてくれ。 308 00:25:41,774 --> 00:25:43,809 了解っす。 ヒカルさんに伝えておきますね。 309 00:25:43,809 --> 00:25:46,011 ヒカル? 310 00:25:49,948 --> 00:25:51,950 んっ! 311 00:26:07,232 --> 00:26:10,035 光くん…。 312 00:26:13,906 --> 00:26:16,942 あのさ…。 すまぬが➡ 313 00:26:16,942 --> 00:26:20,245 明日にしてもらえるとありがたい。 314 00:26:22,915 --> 00:26:27,119 分かった。 おやすみ。 315 00:26:29,688 --> 00:26:33,392 (戸が閉まる音) 316 00:26:38,764 --> 00:26:44,970 🖩 317 00:26:46,505 --> 00:26:50,776 もしもし? あっ 沙織さん? 夜遅くにすいません。 318 00:26:50,776 --> 00:26:52,711 あっ 大丈夫ですよ。 起きてたんで。 319 00:26:52,711 --> 00:26:55,614 一刻も早く伝えたいことがありまして。 320 00:26:55,614 --> 00:26:58,117 光は そこにいますか? 321 00:27:01,887 --> 00:27:05,090 いえ もう寝てますけど。 322 00:27:06,725 --> 00:27:09,628 🖩(フィリップ)まあ いいでしょう。 沙織さんに お話しします。➡ 323 00:27:09,628 --> 00:27:13,599 光の次元ジャンプの謎が解けました! え? 324 00:27:13,599 --> 00:27:18,337 光を 元の世界に戻す方法が 解明できたんです! 325 00:27:18,337 --> 00:27:20,572 本当ですか!? はい。 326 00:27:20,572 --> 00:27:23,475 詳しいことは会って説明しますが 光の身に…。 327 00:27:23,475 --> 00:27:26,078 (物音) ああっ! 328 00:27:26,078 --> 00:27:28,013 えっ? フィリップさん! 329 00:27:28,013 --> 00:27:30,582 🖩(物音) 330 00:27:30,582 --> 00:27:32,618 大丈夫ですか? フィリップさん! 331 00:27:32,618 --> 00:27:36,388 🖩例の男たちに 見つかったようです。 私 逃げます! 332 00:27:36,388 --> 00:27:38,924 🖩(叫び声) ちょ… ちょっと! 333 00:27:38,924 --> 00:27:42,394 🖩(フィリップの悲鳴) フィリップさん!? 334 00:27:42,394 --> 00:27:45,764 🖩(電話が切れる音) 335 00:27:45,764 --> 00:27:48,267 何なの? 336 00:27:48,267 --> 00:28:34,279 ♬~ 337 00:28:40,252 --> 00:28:43,589 たった一人だけでも 幸せにしてやれればいいと…。 338 00:28:43,589 --> 00:28:46,391 沙織殿のことか? あなたのことが嫌いだから。 339 00:28:46,391 --> 00:28:48,927 ここに私の居場所はないのだな。 340 00:28:48,927 --> 00:28:51,964 (フィリップ)一刻も早く 元の世界に戻すべきなのです。 341 00:28:51,964 --> 00:28:54,266 早く! あいつらが来た! 342 00:28:54,266 --> 00:28:57,269 光くん 最後に教えてくれる?