1 00:00:02,202 --> 00:00:07,140 ♬「ひとりより」 2 00:00:07,140 --> 00:00:11,778 ♬「ふたりで 今」 3 00:00:11,778 --> 00:00:20,954 ♬「響きあう心と心」 4 00:00:20,954 --> 00:00:28,629 ♬「街路樹を朝日が 金色に染めて」 5 00:00:28,629 --> 00:00:38,805 ♬「眠い目をこする君は 夢の中」 6 00:00:38,805 --> 00:00:47,147 ♬「ひとりより ふたりで ほら」 7 00:00:47,147 --> 00:00:55,322 ♬「思い出を育てながら」 8 00:00:55,322 --> 00:01:03,764 ♬「向かい風の理由も聞かずに」 9 00:01:03,764 --> 00:01:12,272 ♬「目の前の扉を開けよう」 10 00:01:20,213 --> 00:01:23,150 (町子)晴子さん? (健次郎)どないしたんや? 11 00:01:23,150 --> 00:01:29,423 ♬~ 12 00:01:29,423 --> 00:01:34,628 (晴子)イテテ…。 ⚟(健次郎)晴子?イテテ…。 13 00:01:34,628 --> 00:01:39,299 中で ひっくり返ったんやわ。 あの足やもん。おい。 14 00:01:39,299 --> 00:01:42,202 あっ 開かへん。 起き上がれるか? 15 00:01:42,202 --> 00:01:46,640 え…。 い~…。 16 00:01:46,640 --> 00:01:50,811 ああ…。 しゃがんだまま 後ろに倒れて 段差に はまっとんな。 17 00:01:50,811 --> 00:01:54,314 救急車 呼びましょうか?そんな大層な。 消防車 呼びましょうか? ね? 18 00:01:54,314 --> 00:02:00,253 あんた 何がしたいねん。 おい! なんとか 鍵に 手ぇ届かへんか? 19 00:02:00,253 --> 00:02:04,758 ⚟(晴子)え… あ… もうちょっとで なんとか…。 20 00:02:04,758 --> 00:02:06,793 ああ 鍵さえ 開いたら。 21 00:02:06,793 --> 00:02:08,929 頑張って! (喜八郎)気張れ! 22 00:02:08,929 --> 00:02:12,265 (晴子)あっ 届いた! 23 00:02:12,265 --> 00:02:14,201 あっ 開いた~。 24 00:02:14,201 --> 00:02:16,136 よっしゃ! ⚟(晴子)あかん! 25 00:02:16,136 --> 00:02:18,939 何で? ⚟(晴子)鍵開いたけど 戸開けたらあかん。 26 00:02:18,939 --> 00:02:23,276 何や それ? どっちやねん? 当たり前やないの。 27 00:02:23,276 --> 00:02:28,415 <風邪ひきだらけの徳永家で 更に 晴子が けがをしたため➡ 28 00:02:28,415 --> 00:02:33,954 もう一晩 泊まることになった町子です> 29 00:02:33,954 --> 00:02:35,889 デリカシーがないわ。 中で ひっくり返ってんのに➡ 30 00:02:35,889 --> 00:02:38,291 開けようとするなんて。 31 00:02:38,291 --> 00:02:43,964 何が恥ずかしい。 僕は医者やで。 それは関係ありませんよ。 32 00:02:43,964 --> 00:02:47,634 そやけどな あいつが まだ小さい時 風呂 入れてたんは 僕やで。 33 00:02:47,634 --> 00:02:53,974 女の恥じらいというものです。 女のねえ…。 34 00:02:53,974 --> 00:02:58,445 あ そやけどな… 昔 温泉場でな➡ 35 00:02:58,445 --> 00:03:02,082 間違うて 女性の脱衣場の戸を 開けてしもたことがあんねん。 36 00:03:02,082 --> 00:03:05,919 その時にな 「キャ~」言うて 皆 顔 隠しはったで。 37 00:03:05,919 --> 00:03:09,256 そら よう分かるよ。 男は 前を隠すのや。 38 00:03:09,256 --> 00:03:12,159 私は そういう場面に 遭遇したことがないので分かりません。 39 00:03:12,159 --> 00:03:15,395 あのな 人の体ちゅうのは よう できててな➡ 40 00:03:15,395 --> 00:03:20,233 手の長さいうのは そういうことのできる 長さに つくられてはんねん。 41 00:03:20,233 --> 00:03:22,602 それ ほんまかなあ…。 ほんまや。 42 00:03:22,602 --> 00:03:26,940 女は 自然に逆ろうてます。 頭 隠して 肝心の…。 43 00:03:26,940 --> 00:03:29,409 あ もう… もう その その その先は 言わんでよろし。 44 00:03:29,409 --> 00:03:32,913 はい。 ほな 僕は寝ます。 45 00:03:35,615 --> 00:03:40,487 では おやすみなさい。 おやすみ。 46 00:03:40,487 --> 00:03:46,793 フフフッ…。 (柱時計の時報)はあ。 47 00:03:46,793 --> 00:03:49,830 (柱時計の時報) 48 00:03:49,830 --> 00:03:53,967 (障子戸が開く音) 49 00:03:53,967 --> 00:03:58,638 (登)何や お父ちゃんか。 「何や」て 何や? お前。 50 00:03:58,638 --> 00:04:01,908 町子おばちゃんが 後で リンゴ すってくれるて。 51 00:04:01,908 --> 00:04:05,712 今日も泊まんの?うん。 やった~! 52 00:04:09,783 --> 00:04:12,085 お前…。 53 00:04:13,920 --> 00:04:18,792 ♬~ 54 00:04:18,792 --> 00:04:22,496 ⚟失礼します。 (イシ)はい。 55 00:04:27,934 --> 00:04:32,806 どないですか? あ… いや おおきに。 56 00:04:32,806 --> 00:04:37,944 おかげさんで だいぶ ようなりました。 57 00:04:37,944 --> 00:04:42,616 欲しいもんがあったら言うてくださいね。 58 00:04:42,616 --> 00:04:49,623 何や 久しぶりに ゆっくりさしてもろて… おおきに。 59 00:04:52,125 --> 00:04:58,298 大変でしょ? 大きいのから小さいのまで…。 60 00:04:58,298 --> 00:05:04,738 ほんまですね…。 けど にぎやか~で楽しいです。 61 00:05:04,738 --> 00:05:07,641 いや~…。 62 00:05:07,641 --> 00:05:18,251 ♬~ 63 00:05:18,251 --> 00:05:24,057 何? あのな… あいつ 登な…➡ 64 00:05:24,057 --> 00:05:27,928 何ともないねんて。 へ!? 65 00:05:27,928 --> 00:05:31,598 風邪なんか ひいてへん。 どういうこと? 66 00:05:31,598 --> 00:05:35,802 自分も かもてほしかったんやて あんたに。 67 00:05:38,471 --> 00:05:40,941 (2人の笑い声) 68 00:05:40,941 --> 00:05:43,844 ⚟(晴子)申し訳ありません! 私の不注意でした! 69 00:05:43,844 --> 00:05:47,714 何や? 電話してはったけど…。 70 00:05:47,714 --> 00:05:50,951 ちょっと待ってください! 明日は 行けますから! 71 00:05:50,951 --> 00:05:55,655 いや 大丈夫です! 大したけがや ないし。 もしもし? 72 00:05:58,825 --> 00:06:02,229 何や? 大きな声 出して。 何でもあらへん! 73 00:06:02,229 --> 00:06:07,067 ね あの… ね ちょっと あの 晴子さん。 晴子さん 何か食べはりませんか? 74 00:06:07,067 --> 00:06:12,873 ええ。おうどん ありますけど…。 しつこいな。 「ええ」て言うてるでしょ! 75 00:06:12,873 --> 00:06:15,775 おい! 76 00:06:15,775 --> 00:06:18,778 何や あいつ…。 うん…。 77 00:06:26,453 --> 00:06:29,756 お待ち遠さんでした! (喜八郎)ああ。 78 00:06:29,756 --> 00:06:31,691 はい どうぞ。 はい おおきに おおきに! 79 00:06:31,691 --> 00:06:33,627 おはようさん! 80 00:06:33,627 --> 00:06:37,097 あれ? もう よろしいんですか? もう すっかり! 81 00:06:37,097 --> 00:06:39,766 今日一日 もうちょっと ゆっくりしてはったら よろしいのに。 82 00:06:39,766 --> 00:06:43,603 受付の人も いてはるんでしょ? そうやねえ…。 83 00:06:43,603 --> 00:06:47,774 あの 私 夕方まで いてますから。 亜紀ちゃんも まだ寝てるし…。 84 00:06:47,774 --> 00:06:51,278 おおきにね 町子さん! 85 00:06:51,278 --> 00:06:53,613 あ 晴子は? 86 00:06:53,613 --> 00:06:57,117 「行く」言うたら 行くの! アホ! 仕事になるか そんなんで。 87 00:06:57,117 --> 00:06:59,786 今日は 絶対 行かなあかんの! どうしたの? 88 00:06:59,786 --> 00:07:02,756 「仕事 行く」言うて聞かへんのや。 え? 89 00:07:02,756 --> 00:07:06,593 やめとけて。行かなあかんの! むちゃやわ 晴子さん。 90 00:07:06,593 --> 00:07:10,363 あんたには関係ないでしょ。 ほっといてよ! 91 00:07:10,363 --> 00:07:14,901 なんちゅう態度や! 心配してくれてる人に! 92 00:07:14,901 --> 00:07:17,804 オペに行かなあかんの! 何? 93 00:07:17,804 --> 00:07:22,242 私の担当してる患者さんのオペ 来週の予定が繰り上がったん。 94 00:07:22,242 --> 00:07:24,177 そんなんで 無理やろ お前。 95 00:07:24,177 --> 00:07:27,914 初めて 第一助手 やらせてもらえることになってんのよ。 96 00:07:27,914 --> 00:07:30,583 そんな状態で 何ができるんや!? 97 00:07:30,583 --> 00:07:33,486 それやったら 2~3日 延期してもらえるように➡ 98 00:07:33,486 --> 00:07:36,456 行って 部長に…。え? 99 00:07:36,456 --> 00:07:39,759 アホ!痛っ! 危ない。痛…。 100 00:07:39,759 --> 00:07:41,795 何すんのよ! 大丈夫?離して! 101 00:07:41,795 --> 00:07:45,932 お前 それでも医者か! 医者の都合で 手術延期するやて? 102 00:07:45,932 --> 00:07:48,601 よう そんなこと言えるな! 103 00:07:48,601 --> 00:07:52,272 患者の身になって考えてみい! 日程 繰り上がったんには➡ 104 00:07:52,272 --> 00:07:56,276 それなりの理由があるからやろ! 頭 冷やして よう考え! 105 00:07:56,276 --> 00:08:11,558 ♬~ 106 00:08:11,558 --> 00:08:17,430 手術で 執刀医の第一助手やって アピールしたいんやな。 107 00:08:17,430 --> 00:08:20,734 アピール? うん。 108 00:08:20,734 --> 00:08:24,904 空きが出来た時に 正式の医者として認めてもらうために➡ 109 00:08:24,904 --> 00:08:30,577 研修医は 皆 必死なんや。 へえ…。 110 00:08:30,577 --> 00:08:38,752 はあ…。 あいつな 昔から 試験の成績は ええねんけど 本番に弱いタイプでな。 111 00:08:38,752 --> 00:08:42,589 場数 踏まんと なかなか 認めてもらえんのやろな。 112 00:08:42,589 --> 00:08:46,459 難しいもんなんやねえ…。 113 00:08:46,459 --> 00:08:51,264 そやから 「大きな病院 やめとけ」て ずっと言うとんのやけどなあ…。 114 00:08:51,264 --> 00:08:55,135 あっ あかん。 もう時間や。 行こ。 あ ねえ ちょっと待って! 115 00:08:55,135 --> 00:08:57,137 何? 116 00:08:57,137 --> 00:09:03,343 何で… 大病院に勤めるのが 反対なんですか? 117 00:09:03,343 --> 00:09:07,714 大きな病院で 女が外科医として やっていくのは 大変なことなんや。 118 00:09:07,714 --> 00:09:14,053 来る日も来る日も 大きな手術 抱えて 神経 すり減らして 体力 使うて…。 119 00:09:14,053 --> 00:09:18,558 女がやること違う。 そうかな? 120 00:09:18,558 --> 00:09:23,897 そんなことより ここで 毎日 包丁で 手 切った板前の傷 縫うたり➡ 121 00:09:23,897 --> 00:09:28,067 関節 外れた子供 治したり 腰痛で困ってる おじいちゃんに➡ 122 00:09:28,067 --> 00:09:30,904 湿布 貼ったりしてる方が なんぼか 意味ある。 123 00:09:30,904 --> 00:09:34,574 勝手に決めてるわ。 何が? 124 00:09:34,574 --> 00:09:38,244 晴子さんの可能性を 狭めてしまってませんか? 125 00:09:38,244 --> 00:09:44,584 狭めてないがな。 「今 目の前にある 自分が必要とされてることに➡ 126 00:09:44,584 --> 00:09:46,619 一生懸命なったらええ」言うてるだけや。 127 00:09:46,619 --> 00:09:51,458 それ 健次郎さんのエゴです。 何で? 128 00:09:51,458 --> 00:09:58,097 晴子さんの才能 伸ばしてあげるのが 兄としての役目と違うんですか? 129 00:09:58,097 --> 00:10:01,768 おなごが 毎日毎日 人の体を 切ったり 貼ったりしてると➡ 130 00:10:01,768 --> 00:10:04,404 かわいげが なくなります。 そんなことは ありません! 131 00:10:04,404 --> 00:10:06,606 あります! 132 00:10:08,942 --> 00:10:13,279 一生懸命 仕事をしている女に かわいげを感じられへん男は➡ 133 00:10:13,279 --> 00:10:15,615 原始人以下です! 134 00:10:15,615 --> 00:10:17,917 …ったく もう! 135 00:10:21,488 --> 00:10:28,194 (掃除機の音) 136 00:10:28,194 --> 00:10:43,209 (独り言) 137 00:10:45,979 --> 00:10:47,981 (掃除機を止める音) 138 00:10:54,320 --> 00:10:58,158 あっ! ちょっと いや ちょっと… 見たら 見たらあきませんて。 139 00:10:58,158 --> 00:11:00,960 恥ずかしいんですよ 私 字 下手やから。 140 00:11:05,899 --> 00:11:10,737 いつごろから 小説家になろて 思てはったん? 141 00:11:10,737 --> 00:11:17,644 物心ついた時から…。 ええね 特別な才能がある人は。 142 00:11:17,644 --> 00:11:23,950 けど 私… メスで 盲腸 よう切りませんもん。 143 00:11:23,950 --> 00:11:25,885 私って おっちょこちょいやから➡ 144 00:11:25,885 --> 00:11:29,422 要るもんまで 切ってしまうような気するんです。 145 00:11:29,422 --> 00:11:32,325 あの 盲腸て ほんまに最初から 要らないんですか? 146 00:11:32,325 --> 00:11:35,628 要らなかったら 何で ついてるんですか? あんな ご丁寧に。 147 00:11:35,628 --> 00:11:41,334 神様に会うた時にでも聞いてみたら? あ そうですよね。 148 00:11:44,804 --> 00:11:49,309 小説て どうやったら うまなんの? 149 00:11:49,309 --> 00:11:55,181 う~ん… それは 私が聞きたいですね。 150 00:11:55,181 --> 00:11:58,651 ずっと 一人で書いてはんの? 151 00:11:58,651 --> 00:12:04,457 けど 時には 先輩も お友達も いてくれてますから。 152 00:12:04,457 --> 00:12:10,763 私の周りは ライバルばっかし… 敵ばっかしや。 153 00:12:10,763 --> 00:12:17,570 温泉なんか行かんといたら よかった。 アホや 大事なチャンス…。 154 00:12:19,772 --> 00:12:21,975 悔しい? 155 00:12:27,513 --> 00:12:33,786 その気持ちが 強~い味方になってくれますわ。 156 00:12:33,786 --> 00:12:36,623 ♬~ 157 00:12:36,623 --> 00:12:39,525 ちょっと 亜紀ちゃん 見てきます。 158 00:12:39,525 --> 00:12:48,234 ♬~ 159 00:12:48,234 --> 00:12:56,309 (独り言) 160 00:12:56,309 --> 00:13:16,396 ♬~ 161 00:13:16,396 --> 00:13:20,266 (一真)あ~ ああ あ~。 162 00:13:20,266 --> 00:13:24,771 (せきこみ) 風邪ですな。 寝とったら治りますわ。 163 00:13:24,771 --> 00:13:30,576 エヘヘ! 医者のくせに ヘヘヘ! (せきこみ) 164 00:13:30,576 --> 00:13:35,281 外科医は骨折 院長は風邪。 大丈夫かいな? ここは。 165 00:13:35,281 --> 00:13:40,620 「猿も木から落ちる」。 坊さんも いずれは お経 読まれる側に回りますがな。 166 00:13:40,620 --> 00:13:45,291 ハハハハハハ! なるほどな! ハハハハハ! 167 00:13:45,291 --> 00:13:51,164 あ~ 嫁はん 来てくれてんねんな。 何で知ってはりますね? 168 00:13:51,164 --> 00:13:54,634 商店街 機嫌よう歩いてはったさかい! 169 00:13:54,634 --> 00:14:00,907 (子供たちの遊ぶ声) 170 00:14:00,907 --> 00:14:04,243 そりゃ! えい! 171 00:14:04,243 --> 00:14:06,913 えい! そりゃ! 172 00:14:06,913 --> 00:14:09,382 懐かしいなあ…。 173 00:14:09,382 --> 00:14:11,751 ズルすんなや! 何すんねん! 174 00:14:11,751 --> 00:14:16,556 そっちこそ 何すんねん! ズルなんか してへんわ! 175 00:14:21,928 --> 00:14:24,430 あっ…。 (老人)コラ! 何すんね! 176 00:14:27,266 --> 00:14:32,138 けんかは ええけど これは あかん! 177 00:14:32,138 --> 00:14:36,275 ♬~ 178 00:14:36,275 --> 00:14:43,950 ええな? 分かったな うん? なっ! ハハハハハ! 179 00:14:43,950 --> 00:14:50,289 <もう一日 いてみようか…。 そんな気にもさせる空気が➡ 180 00:14:50,289 --> 00:14:54,293 この町には流れていました…>