1 00:01:59,117 --> 00:02:01,119 (太助)やいやい やいやい! 2 00:02:01,119 --> 00:02:04,122 無理が通って 道理が引っ込むような・ 3 00:02:04,122 --> 00:02:07,122 こんな べらぼうな世の中があって たまるけい! 4 00:02:13,131 --> 00:02:17,135 こらえて こらえて 一心太助 5 00:02:17,135 --> 00:02:21,139 ぎりぎりこらえて もう我慢ができねえ 6 00:02:21,139 --> 00:02:23,739 お天道様も泣いてるぜ 7 00:02:30,148 --> 00:02:50,168 ・~ 8 00:02:50,168 --> 00:03:10,121 ・~ 9 00:03:10,121 --> 00:03:30,141 ・~ 10 00:03:30,141 --> 00:03:33,141 ・~ 11 00:03:35,146 --> 00:03:37,148 ちは (喜内)あ~ 忙しい 忙しい・ 12 00:03:37,148 --> 00:03:40,151 あっ 太助 今日は魚はいらんぞ え? 13 00:03:40,151 --> 00:03:43,154 おう 14 00:03:43,154 --> 00:03:45,156 おい! 15 00:03:45,156 --> 00:03:51,162 おう これでもか え? (喜内)ほほう タイだな・ 16 00:03:51,162 --> 00:03:53,162 よいしょ 17 00:03:56,167 --> 00:03:59,104 (喜内)ヘヘヘ… くそ… 18 00:03:59,104 --> 00:04:02,107 (喜内)あいにくでしたな ハハハ… 19 00:04:02,107 --> 00:04:04,109 (喜内)御前が合戦記録を・ 20 00:04:04,109 --> 00:04:06,111 書いておるということが 知れて以来・ 21 00:04:06,111 --> 00:04:10,115 連日 到来物が後を絶たんのだ うん 22 00:04:10,115 --> 00:04:14,119 見ろ これを 酒などは もう飲みきれん始末でのう・ 23 00:04:14,119 --> 00:04:16,119 弱っとるんだ てやんでい 24 00:04:20,125 --> 00:04:22,127 (お仲)よいしょ 25 00:04:22,127 --> 00:04:25,130 おう お前 な… 何しに来たんだ? 26 00:04:25,130 --> 00:04:27,132 ちょっと お前さん 27 00:04:27,132 --> 00:04:29,134 あっ… 28 00:04:29,134 --> 00:04:31,136 (お仲)来客が多いから 手伝いに来てくれって 29 00:04:31,136 --> 00:04:33,138 え? 30 00:04:33,138 --> 00:04:35,140 (せき) ねえ お前さん・ 31 00:04:35,140 --> 00:04:37,142 手を貸しておくれよ 手を貸してくれだ? 32 00:04:37,142 --> 00:04:40,145 冗談言うねえ お前 商売敵に そんなこと言わないでさ・ 33 00:04:40,145 --> 00:04:44,145 よっ (うめき声) 34 00:04:46,151 --> 00:04:49,154 (大久保)何だ これは (金子のせきばらい) 35 00:04:49,154 --> 00:04:53,158 (金子)御老体が三河以来の 合戦記録をしたためおると聞き・ 36 00:04:53,158 --> 00:04:56,161 ほんの陣中見舞いのつもりで 37 00:04:56,161 --> 00:04:58,096 (大久保)うそをつけ! (金子)は? 38 00:04:58,096 --> 00:05:00,098 分かっておる 39 00:05:00,098 --> 00:05:02,100 その方たちも先祖の手柄話を・ 40 00:05:02,100 --> 00:05:04,102 書き加えろと 頼みに参ったのであろう 41 00:05:04,102 --> 00:05:06,104 いえ 決してそのような 42 00:05:06,104 --> 00:05:10,108 (大久保)お主の父のことは もう既に書いてある 43 00:05:10,108 --> 00:05:12,108 そ… それでは もう 44 00:05:20,118 --> 00:05:24,122 (大久保)これが その「三河物語」だ 45 00:05:24,122 --> 00:05:27,125 (台をたたく音) (森山)「時に天正三年五月」・ 46 00:05:27,125 --> 00:05:33,131 「武田勝頼の率いる軍勢 三河国 長篠に攻め寄せたり」 47 00:05:33,131 --> 00:05:35,133 (台をたたく音) 48 00:05:35,133 --> 00:05:38,136 (森山)「鳶の巣文殊山に これを迎え撃つは・ 49 00:05:38,136 --> 00:05:40,138 徳川 織田の連合軍」 50 00:05:40,138 --> 00:05:43,141 「先陣を争う騎馬武者の中に・ 51 00:05:43,141 --> 00:05:48,146 後れを取らじと はせ参じたる若武者一騎」 52 00:05:48,146 --> 00:05:50,148 「そのいでたちを見てあれば・ 53 00:05:50,148 --> 00:05:53,151 ひおどしの よろいかぶとに 身を固め・ 54 00:05:53,151 --> 00:05:57,088 やりを 小脇にかいこんで・ 55 00:05:57,088 --> 00:06:02,093 タッ タッ タッ タッ タッ タッ タッ タッ タッ タッ」 56 00:06:02,093 --> 00:06:05,096 「これぞ徳川家康公の家臣・ 57 00:06:05,096 --> 00:06:09,100 大久保七郎右衛門忠世の末弟・ 58 00:06:09,100 --> 00:06:13,104 同名平助忠教にして…」 自分のことばっかり 59 00:06:13,104 --> 00:06:15,106 何? (台をたたく音) 60 00:06:15,106 --> 00:06:19,106 「16歳の初陣なり」 61 00:06:23,448 --> 00:06:27,118 さあ 程よく煮えたぞ どんどん つっついてくれ 62 00:06:27,118 --> 00:06:29,118 (金子)では 遠慮なく 63 00:06:44,135 --> 00:06:46,137 (大久保)ハハハ… 64 00:06:46,137 --> 00:06:50,137 トカゲが駄目なら これはどうじゃ? 65 00:06:52,143 --> 00:06:55,146 大久保殿 ちと いたずらが過ぎますぞ 66 00:06:55,146 --> 00:06:57,082 何がいたずらだ 67 00:06:57,082 --> 00:07:01,086 その昔 相次ぐ合戦に臨んだ それがしたちにとって・ 68 00:07:01,086 --> 00:07:04,089 この陣中鍋は またとない ちそうであった 69 00:07:04,089 --> 00:07:07,092 (森山)合戦は合戦 今は時代が違いますぞ 70 00:07:07,092 --> 00:07:09,094 黙れ 時代が変わろうが・ 71 00:07:09,094 --> 00:07:11,096 武士であることに 変わりはあるまい 72 00:07:11,096 --> 00:07:15,100 神君家康公より数えて 既に徳川家も3代 73 00:07:15,100 --> 00:07:20,105 世は太平の気風に満ち 直参旗本までが酒色に溺れ・ 74 00:07:20,105 --> 00:07:23,108 日ごと三河武士の心意気を 失いつつある 75 00:07:23,108 --> 00:07:26,111 誠にもって嘆かわしい・ 76 00:07:26,111 --> 00:07:30,115 そこで それがし 戦を知らぬ その方たちに・ 77 00:07:30,115 --> 00:07:35,120 先祖のなめた辛酸を知らしむべく わざわざ 陣中鍋をちそうしたのだ 78 00:07:35,120 --> 00:07:38,123 太平の世が いかにありがたいものか・ 79 00:07:38,123 --> 00:07:41,123 とくと味おうてみるがよい 80 00:07:43,128 --> 00:07:46,128 (大久保)さあ いかがいたした 81 00:07:51,136 --> 00:07:56,136 これしきのものが食えんようでは 直参旗本の名が廃るぞ 82 00:07:58,076 --> 00:08:01,076 うん うまい 83 00:08:23,101 --> 00:08:25,103 (喜内)どちら様で? 84 00:08:25,103 --> 00:08:27,105 (お峰)お峰と申します 85 00:08:27,105 --> 00:08:29,107 (喜内)ほう お峰殿 して 御用向きは? 86 00:08:29,107 --> 00:08:34,112 はい 小田原の在より はるばる訪ねてまいりました 87 00:08:34,112 --> 00:08:38,116 何とぞ 父 彦左衛門に お取り次ぎを 88 00:08:38,116 --> 00:08:40,118 はい 89 00:08:40,118 --> 00:08:43,121 今 何と申されました? (お峰)父 彦左衛門でございます 90 00:08:43,121 --> 00:08:46,124 ち… ちちち… ちちちちち…・ 91 00:08:46,124 --> 00:08:48,126 御前! 御前 92 00:08:48,126 --> 00:08:51,129 御前 御前 (大久保)騒々しい 何事じゃ 93 00:08:51,129 --> 00:08:54,132 (喜内)天下の… 天… 94 00:08:54,132 --> 00:08:57,068 (大久保)ん? (喜内)ともかく ともかくこちらへ 95 00:08:57,068 --> 00:09:00,071 ともかく 96 00:09:00,071 --> 00:09:03,074 おお 太助 ちょいと お手伝いを 97 00:09:03,074 --> 00:09:07,078 ああ 方々 陣中鍋のあとは 陣中焼きだ 98 00:09:07,078 --> 00:09:10,081 遠慮はいらん どんどんやってくれ へい へい 99 00:09:10,081 --> 00:09:12,083 ともかく 御前 こちらへ こちらへ 100 00:09:12,083 --> 00:09:14,083 さあさあ さあさあ さあさあ 101 00:09:18,089 --> 00:09:20,091 天下の一大事でござりまする 102 00:09:20,091 --> 00:09:24,095 ただいま 玄関先に 御前のお嬢様と名乗る娘が 103 00:09:24,095 --> 00:09:26,097 何!? 104 00:09:26,097 --> 00:09:29,100 御前 この印籠に 見覚えはござりませぬか 105 00:09:29,100 --> 00:09:31,102 その娘御が 持参したものでござります 106 00:09:31,102 --> 00:09:35,106 うーん これは紛れもない わしの 107 00:09:35,106 --> 00:09:41,112 カーッ なんという水くさい あのようなお嬢様がありながら 108 00:09:41,112 --> 00:09:45,116 ばか者! 何が水くさいのだ 相次ぐ合戦に明け暮れ・ 109 00:09:45,116 --> 00:09:47,118 妻をめとる折とてなかった このわしに・ 110 00:09:47,118 --> 00:09:50,121 娘がおるはずがないではないか ・ 親分 111 00:09:50,121 --> 00:09:52,123 ・ そろそろ みんな 帰るそうですぜ 112 00:09:52,123 --> 00:09:54,125 帰る? それはいかん 113 00:09:54,125 --> 00:09:57,061 こんなことが あの口うるさい 旗本連中に知れては… 114 00:09:57,061 --> 00:09:59,061 あっ あっ… 115 00:10:02,066 --> 00:10:04,068 (お峰)あっ… 何をなされます 116 00:10:04,068 --> 00:10:07,071 これはどうも失礼 とにかく中へどうぞ さあさあ… 117 00:10:07,071 --> 00:10:11,075 (お峰)あの… (喜内)いやいや お履物 お履物… 118 00:10:11,075 --> 00:10:13,077 (喜内)これも持ちましょう 持ちましょう・ 119 00:10:13,077 --> 00:10:16,080 さあさあさあ 中へどうぞ どうぞ はいはい はいはい…・ 120 00:10:16,080 --> 00:10:18,082 こちらでございますから さあさあさあ・ 121 00:10:18,082 --> 00:10:20,084 さあさあさあ こちらです 122 00:10:20,084 --> 00:10:23,087 あっ お仲 この方を頼むぞ 粗相のないようにな 123 00:10:23,087 --> 00:10:25,087 さあさあ さあさあ 124 00:10:28,092 --> 00:10:30,094 お仲 125 00:10:30,094 --> 00:10:33,094 粗相があってはならんぞ おう 126 00:10:37,101 --> 00:10:41,101 あっ 御無礼をつかまつりました 127 00:10:48,112 --> 00:10:51,115 (森山のしゃっくり) 128 00:10:51,115 --> 00:10:54,118 ハァ… 129 00:10:54,118 --> 00:10:56,118 どうぞ 130 00:11:00,058 --> 00:11:04,062 御前 何か身に覚えはござりませぬか 131 00:11:04,062 --> 00:11:07,065 どうなんですよ 親分 132 00:11:07,065 --> 00:11:11,069 親分 いや 御前 133 00:11:11,069 --> 00:11:16,074 (大久保)面目ない (喜内)面目ない? 134 00:11:16,074 --> 00:11:21,079 今から20年前 国の三河を訪れての帰り道・ 135 00:11:21,079 --> 00:11:27,085 小田原の宿で ふと知り合うた 武家娘があった 136 00:11:27,085 --> 00:11:29,087 小田原と申せば あの娘の話とぴったり 137 00:11:29,087 --> 00:11:33,091 (大久保)喜内 娘を通せ 早速 目通りいたす 138 00:11:33,091 --> 00:11:35,093 ははっ いや 親分 139 00:11:35,093 --> 00:11:37,095 あっしは どうも気になるんでさ 140 00:11:37,095 --> 00:11:39,097 ひょっとすると 性の悪いかたりじゃ… 141 00:11:39,097 --> 00:11:41,099 何を証拠に 142 00:11:41,099 --> 00:11:43,101 「三河物語」の うわさが流れてからこっち・ 143 00:11:43,101 --> 00:11:47,105 旗本の中には 親分に恨みを 抱いたやつもいると聞きまさ 144 00:11:47,105 --> 00:11:50,108 その誰かが 嫌がらせをするつもりで… 145 00:11:50,108 --> 00:11:53,111 うーん… (喜内)しかし それは考え過ぎでは 146 00:11:53,111 --> 00:11:57,115 どっちにしろ その娘さんの身元を はっきり確かめた方が 147 00:11:57,115 --> 00:12:00,118 太助の言にも一理ある (喜内)うん 148 00:12:00,118 --> 00:12:03,121 言われてみれば 確かに ふに落ちぬこともある 149 00:12:03,121 --> 00:12:05,123 ふに落ちぬこと? うん 150 00:12:05,123 --> 00:12:08,126 あの娘 どう見ても 御前とは似ても似つかぬ美人 151 00:12:08,126 --> 00:12:10,128 何? (喜内)あ… いや これは・ 152 00:12:10,128 --> 00:12:13,131 失言でございます (大久保)ばか者めが 153 00:12:13,131 --> 00:12:18,131 さあさあ 遠慮しねえで ずっと奥の方へ ねっ さあさあ 154 00:12:24,142 --> 00:12:26,144 さあさあ 155 00:12:26,144 --> 00:12:29,147 へい 156 00:12:29,147 --> 00:12:33,151 (お峰)太助様 この度は ごやっかいになります 157 00:12:33,151 --> 00:12:35,151 へ… へい 158 00:12:37,155 --> 00:12:39,157 お世話をかけまする 159 00:12:39,157 --> 00:12:42,160 あっ… 160 00:12:42,160 --> 00:12:45,163 なに ほんの2~3日の辛抱ですよ 161 00:12:45,163 --> 00:12:49,167 お峰さんだって はっきり 大久保のお嬢様だと分かってから・ 162 00:12:49,167 --> 00:12:51,169 堂々と親子の御対面といった方が 気持ちがいいやな 163 00:12:51,169 --> 00:12:54,169 な? お仲 ええ 164 00:12:57,108 --> 00:12:59,110 よいか これは当家にとっての一大事 165 00:12:59,110 --> 00:13:02,113 ごく内密にな (伝次)分かってますよ 166 00:13:02,113 --> 00:13:05,116 それから お峰様の母御の名は おいね様だぞ (伝次)分かってます 167 00:13:05,116 --> 00:13:07,118 とにかく小田原近在を訪ね歩き… 168 00:13:07,118 --> 00:13:09,120 (伝次)お峰さんが 殿様の娘であるという・ 169 00:13:09,120 --> 00:13:12,123 確かな証拠をつかんでくりゃ それでいいんでしょ 170 00:13:12,123 --> 00:13:14,125 (喜内)さよう それから 伝次 これは くどいようだが・ 171 00:13:14,125 --> 00:13:16,127 当家にとっての… (伝次)一大事 172 00:13:16,127 --> 00:13:18,129 (伝次・喜内の笑い声) (喜内)さあ 何をぐずぐずしておる 173 00:13:18,129 --> 00:13:22,129 (喜内)早く参らぬか さあさあ… さあさあさあ… 174 00:13:31,142 --> 00:13:33,144 (男性)伝次 (伝次)え? 175 00:13:33,144 --> 00:13:35,144 (伝次のうめき声) 176 00:13:42,153 --> 00:13:46,157 (鶏の鳴き声) 177 00:13:46,157 --> 00:13:48,159 あい お前さん おうよ 178 00:13:48,159 --> 00:13:50,161 じゃあ いってくるぜ シーッ 179 00:13:50,161 --> 00:13:52,163 まだお嬢さんがお休みなんだよ 180 00:13:52,163 --> 00:13:55,166 おう じゃ いってくるぜ 181 00:13:55,166 --> 00:13:58,166 ・(お峰)いってらっしゃいませ 182 00:14:02,106 --> 00:14:06,106 い… いってまいりやす へい 183 00:14:13,117 --> 00:14:16,120 おう 184 00:14:16,120 --> 00:14:18,122 今日で5日目だ 185 00:14:18,122 --> 00:14:22,126 何事も起こらねえところをみると お峰さん やっぱり・ 186 00:14:22,126 --> 00:14:25,129 駿河台の親分の… 私もそう思うんだけど 187 00:14:25,129 --> 00:14:28,132 だとすると 悪いことしちまったな 188 00:14:28,132 --> 00:14:30,134 嫌な思いをさせちまってよ 189 00:14:30,134 --> 00:14:32,134 ん? 190 00:14:35,139 --> 00:14:37,139 (お仲)お前さん 191 00:14:42,146 --> 00:14:46,150 どうしたのさ え? いや 192 00:14:46,150 --> 00:14:49,150 妙な浪人者がいたんだがな 浪人? 193 00:14:52,156 --> 00:14:57,094 おう お仲 お峰さんのこと頼んだぜ 194 00:14:57,094 --> 00:15:05,102 (かごかきたちの掛け声) 195 00:15:05,102 --> 00:15:07,104 ・ 喜内さん 196 00:15:07,104 --> 00:15:09,106 (喜内)太助か 197 00:15:09,106 --> 00:15:11,108 伝次親分は? いや まだ戻らん 198 00:15:11,108 --> 00:15:14,111 カーッ 何もたもたしてやがんだろうな 199 00:15:14,111 --> 00:15:17,114 宿場女郎にでも引っ掛かって 居座っちまったんじゃ… 200 00:15:17,114 --> 00:15:19,116 太助 それがしは もう待てん 201 00:15:19,116 --> 00:15:23,120 いや 御前の気持ちを思えば 一日も早く親子の対面を 202 00:15:23,120 --> 00:15:25,122 そうは思わんか? それは あっしだって… 203 00:15:25,122 --> 00:15:29,126 太助 御前にお峰様を 会わそうではないか 204 00:15:29,126 --> 00:15:34,131 え? 親分の娘だという 確かな証拠があるとは… 205 00:15:34,131 --> 00:15:37,134 いや 証拠はある あの印籠だ 206 00:15:37,134 --> 00:15:39,136 でもよ… でもよ ではない 207 00:15:39,136 --> 00:15:42,139 この上は殿御自身の目で しかと確かめてもらう 208 00:15:42,139 --> 00:15:44,141 それしか方法はない そうであろう? 209 00:15:44,141 --> 00:15:48,145 でもよ… でもよ ではない! 210 00:15:48,145 --> 00:15:50,145 分かったよ うん 211 00:15:53,150 --> 00:15:58,089 (大久保)お峰 もそっと顔を上げて よく見せてくれ 212 00:15:58,089 --> 00:16:00,089 (お峰)はい 213 00:16:08,099 --> 00:16:13,104 (おいね)《お世話になったうえ このような かんざしまで》・ 214 00:16:13,104 --> 00:16:17,108 《おいね 生涯大切に 使わせていただきます》 215 00:16:17,108 --> 00:16:20,111 おいね 216 00:16:20,111 --> 00:16:23,114 似ている 217 00:16:23,114 --> 00:16:27,118 亡き母 おいねにそっくりじゃ 218 00:16:27,118 --> 00:16:33,124 その方 まさしく彦左の娘とみた・ 219 00:16:33,124 --> 00:16:36,124 お峰 近う寄れ 220 00:16:42,133 --> 00:16:45,136 (お峰)父上様 221 00:16:45,136 --> 00:16:52,143 (すすり泣き) 222 00:16:52,143 --> 00:16:55,146 何がさ ん? いや・ 223 00:16:55,146 --> 00:17:00,084 いくら 母親に生き写しだからって 確かな証拠もねえお峰さんを・ 224 00:17:00,084 --> 00:17:03,087 なぜ 親分は 225 00:17:03,087 --> 00:17:05,089 それが親子ってもんじゃ ないのかい? 226 00:17:05,089 --> 00:17:08,092 親子ね… そうよ 227 00:17:08,092 --> 00:17:10,094 他人には分からない・ 228 00:17:10,094 --> 00:17:13,097 何か心で通じ合うものが きっとあるんだわ 229 00:17:13,097 --> 00:17:17,101 そんなもんかな さあ お祝いよ 230 00:17:17,101 --> 00:17:19,103 お殿様にお嬢様がいたんだもの 231 00:17:19,103 --> 00:17:22,106 さあ お前さん おう 232 00:17:22,106 --> 00:17:24,106 おう 233 00:17:26,110 --> 00:17:28,110 おっとっと… 234 00:17:30,114 --> 00:17:33,117 どうしたのさ 飲まないのかい? 235 00:17:33,117 --> 00:17:38,122 いや… その気になれねえんだよ 236 00:17:38,122 --> 00:17:41,125 (大久保)人のえにしというものは 不思議なものだな・ 237 00:17:41,125 --> 00:17:47,131 わしが その方の母と会うたのは 小田原に近い街道であった・ 238 00:17:47,131 --> 00:17:51,135 ちょうど しゃくを起こし 道端で苦しんでおるときに・ 239 00:17:51,135 --> 00:17:53,137 通りかかってな 240 00:17:53,137 --> 00:17:56,140 母の持病でした 241 00:17:56,140 --> 00:18:00,077 わしは ひとまず 宿に運び込んだのだが・ 242 00:18:00,077 --> 00:18:03,080 一向に痛みが治まらん 243 00:18:03,080 --> 00:18:06,083 一人旅の病人を放ってもおけず・ 244 00:18:06,083 --> 00:18:11,083 同じ宿に ついつい 長とう留してしまった 245 00:18:13,090 --> 00:18:18,095 あとになって考えてみると 病人が心配だったのではない 246 00:18:18,095 --> 00:18:22,099 わしは おいねの美しさに 引かれていたのだ 247 00:18:22,099 --> 00:18:25,102 後にも先にも 女を美しいと思ったのは・ 248 00:18:25,102 --> 00:18:27,102 このときだけだ 249 00:18:29,106 --> 00:18:33,110 何しろ 見たとおりの武骨者だからな・ 250 00:18:33,110 --> 00:18:37,114 会ってみて がっかりしたであろう (お峰)いいえ そのような 251 00:18:37,114 --> 00:18:39,116 夢に描いていたとおりの 252 00:18:39,116 --> 00:18:43,120 ハハハ… 世辞を言わんでもよい 253 00:18:43,120 --> 00:18:48,125 別れの際 薬の入った印籠を 与えておいてよかった 254 00:18:48,125 --> 00:18:52,129 また 道中 しゃくを起こしてはと 思ったのだが・ 255 00:18:52,129 --> 00:18:54,131 そのおかげで その方と・ 256 00:18:54,131 --> 00:18:58,068 こうしておると あのころのことが思い出される・ 257 00:18:58,068 --> 00:19:01,071 お峰 (お峰)はい 258 00:19:01,071 --> 00:19:03,073 これから 気ままに暮らすがよいぞ 259 00:19:03,073 --> 00:19:08,078 もっとも もうそろそろ 婿を探さねばならん年頃だがな 260 00:19:08,078 --> 00:19:10,080 ハハハ… (お峰)まあ 261 00:19:10,080 --> 00:19:22,080 ・(ささ笛) 262 00:19:37,107 --> 00:19:40,110 ちは 263 00:19:40,110 --> 00:19:43,113 よっ 264 00:19:43,113 --> 00:19:45,115 よし 265 00:19:45,115 --> 00:19:47,115 (泣き声) 266 00:19:55,125 --> 00:20:00,064 カーッ 不景気な面しちゃって 267 00:20:00,064 --> 00:20:05,069 何かあったんですかい? それがしは 既に無用の長物 268 00:20:05,069 --> 00:20:08,072 当家には必要のない人間だ は? 269 00:20:08,072 --> 00:20:11,075 御前は それがしの名前すら呼ばん 270 00:20:11,075 --> 00:20:15,079 事あるごとに 「お峰 お峰」と・ 271 00:20:15,079 --> 00:20:18,082 お嬢様ばかり 何だい んなことかい 272 00:20:18,082 --> 00:20:20,084 やきもちだぜ そりゃ ばかばかしい 273 00:20:20,084 --> 00:20:22,086 何がばかばかしい 274 00:20:22,086 --> 00:20:27,091 今までは何事にも 「喜内 喜内はおらぬか」と 275 00:20:27,091 --> 00:20:30,094 全くもって情けない 276 00:20:30,094 --> 00:20:35,094 太助 それがしは一体 どうすればよいのだ 277 00:20:37,101 --> 00:20:43,107 (泣き声) 278 00:20:43,107 --> 00:20:45,109 チッ 大げさなんだ 279 00:20:45,109 --> 00:20:47,111 泣くことねえだろ 280 00:20:47,111 --> 00:20:54,118 (泣き声) 281 00:20:54,118 --> 00:20:56,120 お疲れになりませぬか? 282 00:20:56,120 --> 00:20:59,056 ん? いや その方が屋敷に参ってから・ 283 00:20:59,056 --> 00:21:02,059 一段と筆が進むようになった 284 00:21:02,059 --> 00:21:06,063 私も是非 「三河物語」を 読ませていただきとうございます 285 00:21:06,063 --> 00:21:11,068 うん 書き上げた暁には まず その方に読んでもらうぞ 286 00:21:11,068 --> 00:21:15,072 まあ うれしい 楽しみにしております 287 00:21:15,072 --> 00:21:19,076 ・(ささ笛) 288 00:21:19,076 --> 00:21:22,079 (大久保)いかがいたした? 289 00:21:22,079 --> 00:21:24,081 ・ ちは 290 00:21:24,081 --> 00:21:28,085 親分 おう 今日はまた えらく御機嫌麗しく 291 00:21:28,085 --> 00:21:30,087 (大久保)うん 至極麗しいぞ・ 292 00:21:30,087 --> 00:21:34,091 お峰がそばにおるだけで 何も申すことはない 293 00:21:34,091 --> 00:21:36,093 ヘヘッ お嬢様が来てから・ 294 00:21:36,093 --> 00:21:39,096 親分 若返っちまった (お峰)まあ 295 00:21:39,096 --> 00:21:42,099 せいぜい長生きしてもらうために あっしの この腕を振るって・ 296 00:21:42,099 --> 00:21:44,101 生きのいい鯛を料理しなくちゃ ねっ お嬢様 297 00:21:44,101 --> 00:21:48,105 (大久保)ハハハ… 頼むぞ へい 298 00:21:48,105 --> 00:21:51,105 では 私もお邪魔になりますので (大久保)うん 299 00:21:55,112 --> 00:22:15,132 ・~ 300 00:22:15,132 --> 00:22:35,152 ・~ 301 00:22:35,152 --> 00:22:55,172 ・~ 302 00:22:55,172 --> 00:23:15,125 ・~ 303 00:23:15,125 --> 00:23:20,130 あれ? ちくしょう どこへ消えちまったんだ 304 00:23:20,130 --> 00:23:33,143 ・~ 305 00:23:33,143 --> 00:23:35,143 野郎 306 00:23:43,153 --> 00:23:45,153 (男性)やっ! 307 00:23:52,162 --> 00:23:56,166 あ~… あ~ 痛 308 00:23:56,166 --> 00:23:58,102 あ~ もう駄目だ 309 00:23:58,102 --> 00:24:01,105 たまらねえな もう 310 00:24:01,105 --> 00:24:05,109 あ~ 痛 あ~ 痛… 311 00:24:05,109 --> 00:24:07,111 あ痛! あ痛 312 00:24:07,111 --> 00:24:10,114 もう もっと静かにしろよ 313 00:24:10,114 --> 00:24:14,118 傷はないけど血がしんでるよ あ? 314 00:24:14,118 --> 00:24:16,120 でも よかったね 315 00:24:16,120 --> 00:24:18,122 峰打ちでなかったら お前さん 今頃… 316 00:24:18,122 --> 00:24:21,125 ばか野郎 縁起でもねえこと言うんじゃねえ 317 00:24:21,125 --> 00:24:23,127 油断してたのが いけなかったんだよ 318 00:24:23,127 --> 00:24:26,130 熱 あ… 熱い 319 00:24:26,130 --> 00:24:28,132 熱いんだよ 320 00:24:28,132 --> 00:24:33,137 それにしても あの浪人 確かに この長屋の様子を探ってたんだ 321 00:24:33,137 --> 00:24:35,139 駿河台のお屋敷と この… 322 00:24:35,139 --> 00:24:39,143 熱… 熱い 熱いんだよ 323 00:24:39,143 --> 00:24:41,145 駿河台のお屋敷と この喧嘩長屋・ 324 00:24:41,145 --> 00:24:45,149 この2つを結び付けるものが あるとすりゃ… 325 00:24:45,149 --> 00:24:47,151 よう お峰さんじゃねえか? 326 00:24:47,151 --> 00:24:51,155 すると やっぱり お峰さんには 何かいわくがあるっていうのかい? 327 00:24:51,155 --> 00:24:53,157 あ? 328 00:24:53,157 --> 00:24:55,159 ハァ… 伝次親分は・ 329 00:24:55,159 --> 00:24:58,095 小田原に行ったっきり 帰ってこねえし 330 00:24:58,095 --> 00:25:00,097 まさか 死んだんじゃ… 331 00:25:00,097 --> 00:25:02,099 あ痛… 332 00:25:02,099 --> 00:25:05,102 ねえ お前さん 今日のこと・ 333 00:25:05,102 --> 00:25:08,105 お殿様の耳に入れといた方が いいんじゃないのかい? 334 00:25:08,105 --> 00:25:11,108 ばか野郎 んなことが言えるかい 335 00:25:11,108 --> 00:25:15,112 あんなに喜んでる親分に お前 お峰さんが怪しいなんて 336 00:25:15,112 --> 00:25:19,112 でも お殿様の身に 万一のことがあったら それこそ 337 00:25:26,123 --> 00:25:29,126 よし 338 00:25:29,126 --> 00:25:31,128 喜内さんだけに あ痛 あ痛… 339 00:25:31,128 --> 00:25:34,131 喜内さんだけにでもな 話してくらあ 340 00:25:34,131 --> 00:25:39,136 それがいいよ あ痛た 痛 痛… 341 00:25:39,136 --> 00:25:41,136 気を付けてね お前さん 342 00:25:52,149 --> 00:25:56,153 全く情けない ようやく仕事ができたと思えば・ 343 00:25:56,153 --> 00:25:59,089 事もあろうに あのお峰様の見張りとは 344 00:25:59,089 --> 00:26:01,091 ハァ… 345 00:26:01,091 --> 00:26:05,095 しかし あのお峰様が怪しいとは… 346 00:26:05,095 --> 00:26:09,099 ない 断じて怪しいことはない うん 347 00:26:09,099 --> 00:26:11,101 はっ! 348 00:26:11,101 --> 00:26:15,105 ああ お峰様 このような夜更けに一体? 349 00:26:15,105 --> 00:26:17,107 (お峰)はい それが… 350 00:26:17,107 --> 00:26:20,107 (うめき声) 351 00:26:23,113 --> 00:26:40,130 ・~ 352 00:26:40,130 --> 00:27:00,083 (いびき) 353 00:27:00,083 --> 00:27:20,103 (いびき) 354 00:27:20,103 --> 00:27:23,103 (いびき) 355 00:27:29,112 --> 00:27:32,115 (大久保)えい やっ!・ 356 00:27:32,115 --> 00:27:34,115 えい! 357 00:27:40,123 --> 00:27:43,126 (大久保)ふん! (大垣)あ~! 358 00:27:43,126 --> 00:27:45,126 (大久保)えい! 359 00:27:48,131 --> 00:27:50,133 (大久保)おっと…・ 360 00:27:50,133 --> 00:27:54,133 おっ 喜内 喜内 しっかりせい 喜内 361 00:27:59,076 --> 00:28:02,076 (お峰)あっ あっ… 362 00:28:13,090 --> 00:28:16,090 お前さんがついてて なんてドジだい チッ 363 00:28:18,095 --> 00:28:22,099 じゃあ 親分は はなっから かたりと知ってて 364 00:28:22,099 --> 00:28:29,106 武骨者のわしが 生涯にただ一度 心を留めた・ 365 00:28:29,106 --> 00:28:32,109 おいねの娘だったからだ 366 00:28:32,109 --> 00:28:35,112 いっそ 何事もなく・ 367 00:28:35,112 --> 00:28:42,119 屋敷にずっといてくれればいいと 願ったが 所詮 無理なこと 368 00:28:42,119 --> 00:28:46,123 ただ どうしても ふに落ちん 369 00:28:46,123 --> 00:28:50,127 お峰がなぜ わしの「三河物語」を 370 00:28:50,127 --> 00:28:53,130 「三河物語」は任しといてくだせえ 371 00:28:53,130 --> 00:28:55,132 江戸中に河岸の連中が 散らばってるんでい 372 00:28:55,132 --> 00:28:57,067 腕に傷… 373 00:28:57,067 --> 00:28:59,069 ふん 腕に手傷を負った 浪人者を捜しゃ… 374 00:28:59,069 --> 00:29:03,073 太助 よいか へ? 375 00:29:03,073 --> 00:29:07,077 くれぐれも お峰に危害を加えんようにな 376 00:29:07,077 --> 00:29:10,077 ・(物音) (大久保)誰だ 377 00:29:13,083 --> 00:29:15,085 (伝次)殿様 378 00:29:15,085 --> 00:29:19,089 伝次親分じゃねえか (喜内)何をしておったんだ 遅いぞ 379 00:29:19,089 --> 00:29:24,094 おう で 小田原の方の首尾は? (喜内)早く言わぬか 380 00:29:24,094 --> 00:29:28,098 それが お屋敷の門を出た途端に・ 381 00:29:28,098 --> 00:29:31,101 深編みがさの浪人者に 当て身 食らっちまってな 382 00:29:31,101 --> 00:29:33,103 何!? 383 00:29:33,103 --> 00:29:36,106 気が付いてみたら 手足は縛られて・ 384 00:29:36,106 --> 00:29:40,110 猿ぐつわまで はめられて… 385 00:29:40,110 --> 00:29:44,114 お堂の中に転がされてたんだ 腹減ったよ 386 00:29:44,114 --> 00:29:46,116 では 小田原へは行かなかったのか 387 00:29:46,116 --> 00:29:49,119 (伝次)へい 申し訳ありません・ 388 00:29:49,119 --> 00:29:52,122 何しろ ずっと 閉じ込められてたもんで はい 389 00:29:52,122 --> 00:29:55,125 無事で何よりだ よく逃げてこられたな 390 00:29:55,125 --> 00:29:58,061 いえ 逃げたんじゃねえんで 391 00:29:58,061 --> 00:30:00,063 じゃあ どうして 戻ってこられたんだい 392 00:30:00,063 --> 00:30:03,066 そいつが さっぱり分からねえんで 393 00:30:03,066 --> 00:30:05,068 また 今朝方 深編みがさの浪人者に・ 394 00:30:05,068 --> 00:30:09,072 当て身を食らっちまって 気が付いてみたら・ 395 00:30:09,072 --> 00:30:12,075 今度は縄を解かれて 橋のたもとへ 396 00:30:12,075 --> 00:30:16,079 全く どうなってんのか さっぱり分からねえ ハァ… 腹減った 397 00:30:16,079 --> 00:30:18,081 チッ こっちの方が よっぽど分からねえや 398 00:30:18,081 --> 00:30:20,081 ああっ! 399 00:30:22,085 --> 00:30:24,087 (大久保)「慶長五年九月」・ 400 00:30:24,087 --> 00:30:30,093 「石田三成 豊臣秀頼の名のもとに 反徳川勢力を糾合し・ 401 00:30:30,093 --> 00:30:34,097 美濃国 関が原に挙兵す」・ 402 00:30:34,097 --> 00:30:36,099 「その数 およそ八万」・ 403 00:30:36,099 --> 00:30:41,104 「戦いに応じる徳川方の勢力 およそ十万余」・ 404 00:30:41,104 --> 00:30:45,104 「世に これを 関が原の戦いと呼ぶ」 405 00:30:49,112 --> 00:30:51,114 (大垣)役人につけられたのか? 406 00:30:51,114 --> 00:30:54,117 いいえ 407 00:30:54,117 --> 00:30:56,117 (大垣)落ち着くのだ 408 00:30:58,054 --> 00:31:01,057 (大垣)妙な振る舞いをしては 怪しまれるだけではないか 409 00:31:01,057 --> 00:31:03,057 はい 410 00:31:05,061 --> 00:31:08,064 父上 目指す敵の名は? 411 00:31:08,064 --> 00:31:10,064 まだ見当たらん 412 00:31:19,075 --> 00:31:24,080 ・(喜内のせきばらい) ・(足音) 413 00:31:24,080 --> 00:31:27,083 (大久保)喜内 (喜内)はっ これは 414 00:31:27,083 --> 00:31:31,087 なぜ お峰の履物を片づけん 目障りじゃ 415 00:31:31,087 --> 00:31:33,087 はっ 416 00:31:42,098 --> 00:31:46,102 (大垣)あった 見つけたぞ お峰 417 00:31:46,102 --> 00:31:49,105 ここだ ここを読んでみろ 418 00:31:49,105 --> 00:31:52,108 (大久保)「関が原の戦いにおいて 忘れてならぬは・ 419 00:31:52,108 --> 00:31:55,111 金子源太郎の活躍なり」・ 420 00:31:55,111 --> 00:31:58,114 「この者 足軽ながら 剣の達人にして・ 421 00:31:58,114 --> 00:32:02,118 群がる敵を薙倒すこと すでに五人に及ぶ」・ 422 00:32:02,118 --> 00:32:06,122 「その時 敵陣より 土を蹴立てて近づく一騎・ 423 00:32:06,122 --> 00:32:09,125 馬上より源太郎に斬りかかる」・ 424 00:32:09,125 --> 00:32:12,128 「しゃにむに剣を交える源太郎」・ 425 00:32:12,128 --> 00:32:14,130 「隙を見て馬の脚を払い・ 426 00:32:14,130 --> 00:32:18,134 転がり落ちる敵の胸元目がけて 決死の一突き」・ 427 00:32:18,134 --> 00:32:21,137 「この者 石田三成の輩下にて・ 428 00:32:21,137 --> 00:32:24,140 その人ありと知れわたりたる 剛の者・ 429 00:32:24,140 --> 00:32:26,142 大垣半太夫秀景」 430 00:32:26,142 --> 00:32:29,145 大垣半太夫秀景 431 00:32:29,145 --> 00:32:32,148 父上 おじい様は やはり足軽に 432 00:32:32,148 --> 00:32:37,153 うわさは誠 偽りではなかった 433 00:32:37,153 --> 00:32:39,155 父 大垣半太夫は・ 434 00:32:39,155 --> 00:32:42,158 足軽に討たれし汚名を背負い・ 435 00:32:42,158 --> 00:32:47,163 わしは どれほど 肩身の狭い思いをしてきたことか 436 00:32:47,163 --> 00:32:50,166 金子源太郎こそ父の敵 437 00:32:50,166 --> 00:32:54,166 今こそ積年の恨みを 晴らすときがまいったのだ 438 00:32:58,108 --> 00:33:00,110 あっ… (お峰)あっ… 439 00:33:00,110 --> 00:33:04,114 (大垣)案ずることはない (お峰)そのお体では無理です 440 00:33:04,114 --> 00:33:09,119 金子の所在を突き止めねばならん いっときも早く敵の所在を 441 00:33:09,119 --> 00:33:11,121 私が参ります 私が代わりに 442 00:33:11,121 --> 00:33:15,125 ならぬ 屋敷町をうろつくことは危険だ 443 00:33:15,125 --> 00:33:18,128 わしが… 444 00:33:18,128 --> 00:33:20,128 (お峰)あっ 父上 445 00:33:22,132 --> 00:33:24,132 (お峰)父上 446 00:33:31,141 --> 00:33:33,141 よう 447 00:33:37,147 --> 00:33:39,149 おい 源次 448 00:33:39,149 --> 00:33:41,149 (源次)おう 兄貴 449 00:33:43,153 --> 00:33:46,156 まだ見つからねえのか 手傷を負った怪しい浪人は 450 00:33:46,156 --> 00:33:49,159 ああ すまねえ それとなく様子は探ってんだがね 451 00:33:49,159 --> 00:33:52,162 チッ 頼むぜ (源次)おう 452 00:33:52,162 --> 00:34:09,162 (魚屋たちの掛け声) 453 00:34:37,140 --> 00:34:41,144 ふーん 親分 そんなに機嫌が悪いのかい 454 00:34:41,144 --> 00:34:43,146 悪いなどと なまやさしいものではないわ 455 00:34:43,146 --> 00:34:45,148 あの晩以来… 456 00:34:45,148 --> 00:34:48,151 ・(大久保)喜内 喜内はどこにいる (喜内)またあれだ お小言だ 457 00:34:48,151 --> 00:34:50,153 ははっ 458 00:34:50,153 --> 00:34:53,156 (大久保)喜内 何をしておる 小鳥に餌もやらんで 459 00:34:53,156 --> 00:34:55,158 ははっ (大久保)はっ ではない・ 460 00:34:55,158 --> 00:34:58,094 早く餌を持て (喜内)はっ ただいま 461 00:34:58,094 --> 00:35:01,097 (伝次)あっ 殿様! あ痛… 462 00:35:01,097 --> 00:35:03,099 あっ 殿様 門前にこんなものが 463 00:35:03,099 --> 00:35:06,102 (大久保)門前に? 太助 早く開けろ 464 00:35:06,102 --> 00:35:08,102 へい 465 00:35:10,106 --> 00:35:13,106 (喜内)御前 これは… (大久保)ん? 466 00:35:19,115 --> 00:35:22,118 (大久保)「御拝借致しました 『三河物語』・ 467 00:35:22,118 --> 00:35:25,121 つつしんで お返し申上げます」 468 00:35:25,121 --> 00:35:32,128 「殿様はじめ皆様を 欺きたる罪 お許し下さいませ」 469 00:35:32,128 --> 00:35:34,128 「峰」 お峰さん? 470 00:35:39,135 --> 00:35:42,138 何? 足軽の金子が・ 471 00:35:42,138 --> 00:35:45,141 2, 000石の旗本に 出世しておるのか 472 00:35:45,141 --> 00:35:49,145 (お峰)残念ながら おじい様の敵 金子源太郎は もうこの世になく・ 473 00:35:49,145 --> 00:35:53,149 今は一子 源之進が跡を 474 00:35:53,149 --> 00:35:57,086 無念でございましょう せっかく 敵の名を捜し出したというのに 475 00:35:57,086 --> 00:36:03,092 いや この上は一子 源之進が敵だ 476 00:36:03,092 --> 00:36:10,099 そいつを討ち果たし 大垣家の汚名をそそがねばならん 477 00:36:10,099 --> 00:36:16,105 お峰 わしはこれより 金子源之進の屋敷に乗り込むぞ 478 00:36:16,105 --> 00:36:18,107 (お峰)まだ傷も癒えませんのに 479 00:36:18,107 --> 00:36:21,110 大丈夫だ 片手は使える 480 00:36:21,110 --> 00:36:23,112 でも… 481 00:36:23,112 --> 00:36:26,115 (大垣)ぐずぐずしておっては 機会を逃す・ 482 00:36:26,115 --> 00:36:29,118 お峰・ 483 00:36:29,118 --> 00:36:34,123 これより わしの書状を携えて 大久保殿の屋敷へ参れ 484 00:36:34,123 --> 00:36:39,128 (お峰)でも 「三河物語」は 既にお返ししたはず 485 00:36:39,128 --> 00:36:43,132 よいか 心して聞け 486 00:36:43,132 --> 00:36:48,137 父は この手傷では 金子のために 返り討ちになるかもしれん 487 00:36:48,137 --> 00:36:53,142 いや めでたく あだ討ち本懐を遂げたにせよ・ 488 00:36:53,142 --> 00:36:57,080 相手は旗本 ただでは済むまい 489 00:36:57,080 --> 00:37:00,083 いや わしばかりでなく・ 490 00:37:00,083 --> 00:37:03,086 お前の身にまで 危害の及ぶことは必定 491 00:37:03,086 --> 00:37:05,088 父上 (大垣)聞け 492 00:37:05,088 --> 00:37:11,094 大久保殿は 大層 かわいがってくれたそうではないか 493 00:37:11,094 --> 00:37:15,098 情けにおすがりして 幸せになるのだ 494 00:37:15,098 --> 00:37:17,100 (お峰)嫌です 495 00:37:17,100 --> 00:37:20,103 お峰 496 00:37:20,103 --> 00:37:24,107 敵を捜し捜して浪々中・ 497 00:37:24,107 --> 00:37:28,111 縁あって おいねと夫婦になった わしだが・ 498 00:37:28,111 --> 00:37:34,117 生涯をあだ討ちに懸け そのため 生まれたお前に・ 499 00:37:34,117 --> 00:37:38,121 父らしいこと一つできなかった 500 00:37:38,121 --> 00:37:41,121 この上 お前を犠牲にはできん 501 00:37:43,126 --> 00:37:45,128 分かってくれ 502 00:37:45,128 --> 00:38:05,081 ・~ 503 00:38:05,081 --> 00:38:19,095 ・~ 504 00:38:19,095 --> 00:38:21,095 (お峰)父上 505 00:38:25,101 --> 00:38:30,101 峰は 大垣の娘として 死にとうございます 506 00:38:34,110 --> 00:38:36,112 峰 507 00:38:36,112 --> 00:38:56,132 ・~ 508 00:38:56,132 --> 00:39:05,074 ・~ 509 00:39:05,074 --> 00:39:08,077 兄貴! 510 00:39:08,077 --> 00:39:10,079 何だよ どこ ほっつき歩いてんだよ 511 00:39:10,079 --> 00:39:12,081 決まってるじゃねえか 例の浪人捜して… 512 00:39:12,081 --> 00:39:16,085 だから その怪しい浪人が 見つかったんだよ 513 00:39:16,085 --> 00:39:19,088 何!? このまぬけめ なぜそれを早く言わねえんだ 514 00:39:19,088 --> 00:39:22,091 (源次)いや とにかく 手傷を負った浪人がいるんだよ 515 00:39:22,091 --> 00:39:24,093 おまけに めっぽうきれいな 娘が1人 516 00:39:24,093 --> 00:39:27,096 それだ 間違えねえや 517 00:39:27,096 --> 00:39:29,098 おう 兄貴 盤台 盤台 518 00:39:29,098 --> 00:39:32,101 てめえが担いでこい 519 00:39:32,101 --> 00:39:35,101 おっと ご… ごめんよ 520 00:39:42,111 --> 00:39:44,113 えーっと 4軒目 4軒目 521 00:39:44,113 --> 00:39:46,113 4軒目 522 00:39:50,119 --> 00:39:52,119 ごめんよ 523 00:40:03,066 --> 00:40:06,066 (用人)殿 殿 (金子たちの笑い声) 524 00:40:08,071 --> 00:40:10,071 「果し状の事」? 525 00:40:13,076 --> 00:40:15,078 追い返せ 526 00:40:15,078 --> 00:40:18,081 おやじのしたことだ 俺には関係ない 527 00:40:18,081 --> 00:40:20,083 (市毛)そうもいくまい 果たし状を突きつけられて・ 528 00:40:20,083 --> 00:40:23,086 断ったとあっては 旗本としての世間体が 529 00:40:23,086 --> 00:40:25,088 気安く言うな ひと事だと思って 530 00:40:25,088 --> 00:40:28,091 (市毛)第一 逃げたことが 世間に知れてみろ 531 00:40:28,091 --> 00:40:30,093 彦左衛門のじじいめ 鬼の首でも取った気で・ 532 00:40:30,093 --> 00:40:33,096 「三河物語」の終わりに 書き記すに相違ない 533 00:40:33,096 --> 00:40:35,098 どうする お主次第だぞ 534 00:40:35,098 --> 00:40:38,098 (新谷)どうする気だ ん? 535 00:40:44,107 --> 00:40:48,111 敵討ち ええ それと一緒に小判が1枚 536 00:40:48,111 --> 00:40:52,115 うーん… 大垣 537 00:40:52,115 --> 00:40:54,117 大垣 538 00:40:54,117 --> 00:40:57,053 おっ 読めたぞ 読めた? 539 00:40:57,053 --> 00:41:00,056 (大久保)わしには その者の名に 覚えがあったが・ 540 00:41:00,056 --> 00:41:03,059 まさかとは思っていたが 太助 へい 541 00:41:03,059 --> 00:41:07,063 敵討ちの相手は金子源之進だ え? 542 00:41:07,063 --> 00:41:09,065 (大久保) 喜内 やりを持て 馬を引け 543 00:41:09,065 --> 00:41:11,065 はっ 544 00:41:13,069 --> 00:41:19,075 (大垣)石田三成公の家臣 大垣半太夫が一子 三郎衛門 545 00:41:19,075 --> 00:41:21,077 (お峰)娘 峰 546 00:41:21,077 --> 00:41:23,079 (金子)直参旗本 金子源之進 547 00:41:23,079 --> 00:41:25,081 (市毛)同じく 市毛小弥太 548 00:41:25,081 --> 00:41:30,081 (新谷)新谷惣衛門 この果たし合い しかと見届ける 549 00:41:35,091 --> 00:41:39,091 (大垣)やー! 550 00:41:41,097 --> 00:41:43,099 (大久保)二本松は まだか (喜内)はっ 551 00:41:43,099 --> 00:41:46,099 親分 おいら 先行くぜ 552 00:41:52,108 --> 00:41:54,108 おのれ 553 00:42:02,118 --> 00:42:04,118 (金子)こしゃくな 554 00:42:12,128 --> 00:42:14,128 (お峰)あっ 555 00:42:36,152 --> 00:42:41,157 (大垣)おのれ 556 00:42:41,157 --> 00:43:01,110 ・~ 557 00:43:01,110 --> 00:43:21,130 ・~ 558 00:43:21,130 --> 00:43:41,150 ・~ 559 00:43:41,150 --> 00:43:53,162 ・~ 560 00:43:53,162 --> 00:43:55,162 待ったー! 561 00:43:59,101 --> 00:44:03,105 待った 待った 待った 待った 待ったー! 562 00:44:03,105 --> 00:44:06,108 待った 待った 待った 待った 待った 563 00:44:06,108 --> 00:44:10,112 待った! (金子)やー! 564 00:44:10,112 --> 00:44:13,115 やめろ やめろ やめるんだ 565 00:44:13,115 --> 00:44:17,119 お峰さんも 敵討ちなんか やめるんだよ 566 00:44:17,119 --> 00:44:23,119 (大久保)待て その敵討ち 大久保彦左衛門が預かった 567 00:44:26,128 --> 00:44:28,130 (市毛の話し声) 568 00:44:28,130 --> 00:44:31,130 (新谷)さあ もうよせ 569 00:44:33,135 --> 00:44:35,137 放せ! 570 00:44:35,137 --> 00:44:37,137 (市毛・新谷)よせよせ よせよせ (新谷)さあ来い 571 00:44:39,141 --> 00:44:41,141 もはや これまで 572 00:44:43,145 --> 00:44:46,145 おう な… 何するんだよ (大垣)放せ 573 00:44:48,150 --> 00:44:50,152 お願いです 武士の情け 574 00:44:50,152 --> 00:44:52,154 おあいにくと こちとら魚屋だ 575 00:44:52,154 --> 00:44:56,158 ええい 分からぬやつ 放せ 576 00:44:56,158 --> 00:44:58,094 なぜ そう死にたがるんだよ 577 00:44:58,094 --> 00:45:02,098 それがし 今日まで おめおめ生き延びたは・ 578 00:45:02,098 --> 00:45:05,101 先祖の恨みを晴らさんがため 579 00:45:05,101 --> 00:45:07,103 これ以上 生き恥は さらしたくはない 580 00:45:07,103 --> 00:45:11,107 お願いです 父が好きなように 581 00:45:11,107 --> 00:45:15,111 好きなようにだ? 親が親なら娘も娘だ 582 00:45:15,111 --> 00:45:19,115 (大久保)太助 放してやれ だって 親分 583 00:45:19,115 --> 00:45:22,118 (大久保)放してやれと申すに 584 00:45:22,118 --> 00:45:25,118 ちきしょう 勝手にしろ 585 00:45:29,125 --> 00:45:39,135 (お峰の泣き声) 586 00:45:39,135 --> 00:45:42,138 泣くな 587 00:45:42,138 --> 00:45:46,142 わしの最期 とくと見届けてくれ 588 00:45:46,142 --> 00:45:53,149 (お峰の泣き声) 589 00:45:53,149 --> 00:45:55,151 (大久保)待たれい 大垣殿 590 00:45:55,151 --> 00:46:01,090 お主ほどの人物 土の上で自害させるは忍び難い 591 00:46:01,090 --> 00:46:05,090 すぐ支度させるゆえ 暫時の猶予を 592 00:46:08,097 --> 00:46:10,097 かたじけのうござる 593 00:46:13,102 --> 00:46:17,106 喜内 支度 支度をせい (喜内)は? 594 00:46:17,106 --> 00:46:21,106 支度をせんか (喜内)は… はあ は? 595 00:46:32,121 --> 00:46:35,124 侍 大垣は死んだ 596 00:46:35,124 --> 00:46:39,128 大垣三郎衛門の名は 後の世まで・ 597 00:46:39,128 --> 00:46:42,131 武士のかがみとして残るであろう 598 00:46:42,131 --> 00:46:48,137 おかげをもって それがし 武士としての名誉が立ち申した 599 00:46:48,137 --> 00:46:54,143 武士の道とは いたずらに死することではない 600 00:46:54,143 --> 00:46:57,079 事に当たって 死を懸ける心意気こそ・ 601 00:46:57,079 --> 00:47:00,082 誠 武士の道 602 00:47:00,082 --> 00:47:05,087 この度のことで それがしも目が覚めました 603 00:47:05,087 --> 00:47:11,093 太平の世に慣れ 酒色に溺れていた この身がお恥ずかしい 604 00:47:11,093 --> 00:47:13,095 親分 605 00:47:13,095 --> 00:47:15,097 よいのだ 606 00:47:15,097 --> 00:47:20,102 合戦記録など 後世に恨みの種を残すだけだ 607 00:47:20,102 --> 00:47:23,105 「三河物語」は改めて書き直す・ 608 00:47:23,105 --> 00:47:27,109 今度は 血なまぐさい合戦記録でなく・ 609 00:47:27,109 --> 00:47:31,109 三河武士の心の歴史をな 610 00:47:36,118 --> 00:47:42,124 (大垣)重ね重ねの御厚情 かたじけのうござる 611 00:47:42,124 --> 00:47:45,127 ござるはねえでしょ 町人のくせに 612 00:47:45,127 --> 00:47:49,131 そんなこと言ったって無理よ 昨日まではお侍さんだったんだもの 613 00:47:49,131 --> 00:47:53,135 (お峰) 太助さん 御恩は一生忘れません 614 00:47:53,135 --> 00:47:57,072 あっしも それがしもだ 615 00:47:57,072 --> 00:48:01,076 殿様 最後のお願いがございます 616 00:48:01,076 --> 00:48:06,081 お腰の印籠を私に 母の形見の 617 00:48:06,081 --> 00:48:23,098 ・~ 618 00:48:23,098 --> 00:48:25,100 へい (お峰)ありがとうございます 619 00:48:25,100 --> 00:48:28,103 大垣さん うちの親分がね おいねさんとは他人だって・ 620 00:48:28,103 --> 00:48:31,106 誓って他人だって 言づかってきたんで 621 00:48:31,106 --> 00:48:36,111 (大垣)分かっております よく分かっておりますぞ 622 00:48:36,111 --> 00:48:40,115 (大久保)お峰 わしも1つ 所望してよいか・ 623 00:48:40,115 --> 00:48:45,115 できれば 髪に挿したかんざしをな (お峰)はい 624 00:48:47,122 --> 00:48:50,122 へい じゃ 気を付けてな 625 00:48:56,131 --> 00:48:58,067 へい 626 00:48:58,067 --> 00:49:00,069 (大久保)達者でな 627 00:49:00,069 --> 00:49:04,073 あっ いけねえ こいつ渡すの忘れてたぜ 628 00:49:04,073 --> 00:49:06,073 おーい! 629 00:49:17,086 --> 00:49:20,089 <桃の花の香りもかぐわしき・ 630 00:49:20,089 --> 00:49:25,089 春は3月 1人の子供がさらわれた> 631 00:49:33,102 --> 00:49:36,105 <その犯人 そして その子供・ 632 00:49:36,105 --> 00:49:40,109 その親と その子供の 悲しい出会い> 633 00:49:40,109 --> 00:49:44,109 <次回 「一心太助 あべこべ物語」に 御期待ください>