1 00:00:03,330 --> 00:00:06,660 〈(仁)2009年10月11日〉 2 00:00:06,660 --> 00:00:10,495 〈俺は 幕末の江戸に タイムスリップし〉 3 00:00:10,495 --> 00:00:12,495 (橘)逃げろ 早く! 4 00:00:12,495 --> 00:00:15,000 〈一人の若者に助けられ〉 5 00:00:15,000 --> 00:00:18,495 〈ここで医者として 暮らしていくことになった〉 6 00:00:18,495 --> 00:00:21,495 坂本 龍馬 7 00:00:21,495 --> 00:00:23,495 あの患者が… 8 00:00:29,495 --> 00:00:33,000 (洪庵)よりよき未来を 9 00:00:33,000 --> 00:00:35,495 おつくりください 10 00:00:40,000 --> 00:00:45,000 皆さん 改めて よろしくお願いします! 11 00:00:45,000 --> 00:00:47,000 (一同)はいッ 12 00:00:53,000 --> 00:00:59,000 《攘夷だ! 長州がメリケンの船を 攻撃したってよ》 13 00:01:04,495 --> 00:01:07,000 どうかしたんですか? 恭太郎さん 14 00:01:07,000 --> 00:01:12,000 いえ 世は どんどん 動いていくものだと 15 00:01:18,000 --> 00:01:20,495 (咲)先生 16 00:01:20,495 --> 00:01:23,495 まずは 何からお始めに? 17 00:01:23,495 --> 00:01:25,495 そうですね 18 00:01:28,000 --> 00:01:30,000 まずは… 19 00:01:30,000 --> 00:01:32,000 〈そして 俺は ペニシリンを〉 20 00:01:32,000 --> 00:01:35,495 〈より強いものにする 実験を始めた〉 21 00:01:47,660 --> 00:01:49,660 ほお~ッ 22 00:01:52,000 --> 00:01:54,495 新しいペニシリンです 23 00:01:54,495 --> 00:01:59,000 効力は 今までの 30倍かと思われます 24 00:01:59,000 --> 00:02:02,000 どうやって つくられたのですか? 25 00:02:02,000 --> 00:02:06,000 今までのペニシリンを 和紙を使って精製してみたんです 26 00:02:06,000 --> 00:02:11,000 まず 従来のペニシリンを 和紙に塗りつけ 乾燥させ 27 00:02:11,000 --> 00:02:13,495 続いて その和紙を 酸二割 28 00:02:13,495 --> 00:02:18,000 アルカリ 八割に調節した 触媒の水につけます 29 00:02:18,000 --> 00:02:21,000 酸二割 アルカリ 八割の触媒の水は 30 00:02:21,000 --> 00:02:24,000 毛細管現象で 和紙をのぼっていき 31 00:02:24,000 --> 00:02:26,495 その途中で 乾燥したペニシリンと 32 00:02:26,495 --> 00:02:30,495 ペニシリン溶液に含まれる 不純物質を分離します 33 00:02:30,495 --> 00:02:34,000 物質には それぞれ Rf値というものがあって 34 00:02:34,000 --> 00:02:38,000 それぞれ 固有の 高さまでしかのぼれません 35 00:02:38,000 --> 00:02:40,825 つまり 不純物質「ア」は ここまで 36 00:02:40,825 --> 00:02:43,495 不純物質「イ」は ここまでというふうに 37 00:02:43,495 --> 00:02:45,495 高さが決まるわけです 38 00:02:45,495 --> 00:02:48,000 ペニシリンにも 当然 Rf値がありますから 39 00:02:48,000 --> 00:02:52,000 その高さの部分には ペニシリンだけが集まるわけです 40 00:02:52,000 --> 00:02:56,495 その性質を使って いらない物質を ふるいにかけたのでございます 41 00:02:56,495 --> 00:03:00,495 あとは そのペニシリンの集まった 部分の和紙を切り取り 42 00:03:00,495 --> 00:03:03,000 その薬効を調べ 43 00:03:03,000 --> 00:03:06,495 薬効の強いものを 蒸留水につけると 44 00:03:06,495 --> 00:03:09,000 以前よりも 純度の高い 45 00:03:09,000 --> 00:03:12,495 強いペニシリンができるわけです 46 00:03:12,495 --> 00:03:16,495 これからは この方法で ペニシリンをつくりたいのですが 47 00:03:16,495 --> 00:03:18,495 その… 48 00:03:25,495 --> 00:03:30,495 始めるためには 四百両ほど かかるみたいなんです 49 00:03:34,495 --> 00:03:38,495 以前 医学所の前身であった 種痘所が焼失したおり 50 00:03:38,495 --> 00:03:42,495 その再興のために 最初に私が寄付したかかりが 51 00:03:42,495 --> 00:03:45,000 三百両でございました 52 00:03:45,000 --> 00:03:48,660 そこで 何千人もの人間が 種痘を受けられました 53 00:03:48,660 --> 00:03:54,000 つまり 四百両というのは それほどの金だということは 54 00:03:54,000 --> 00:03:58,495 お分かりですかな? はあ… 55 00:03:58,495 --> 00:04:02,495 私が ペニシリンへの 援助を決めたのは 56 00:04:02,495 --> 00:04:06,495 緒方先生が 援助を差し上げるにたる 57 00:04:06,495 --> 00:04:10,000 器のお方であったからです 58 00:04:10,000 --> 00:04:15,000 考えぬわけではありませんが… 59 00:04:15,000 --> 00:04:20,495 そのためには まず あなた様の 器が どれほどのものか 60 00:04:20,495 --> 00:04:23,495 見せていただきたい 61 00:04:23,495 --> 00:04:25,495 器… 62 00:04:29,495 --> 00:04:33,000 (咲)まずは 己で 何とかしろ ってことなんでしょうか 63 00:04:33,000 --> 00:04:37,000 そうとしか とれませんよね 体よく断られたっていうか 64 00:04:37,000 --> 00:04:41,495 (佐分利)お帰りなさいませ ペニシリンは いかがでしたか? 65 00:04:41,495 --> 00:04:45,495 器を見せろと… (栄)器がございませぬ! 66 00:04:45,495 --> 00:04:47,495 ない? 67 00:04:47,495 --> 00:04:50,495 (栄)父上の形見の 68 00:04:50,495 --> 00:04:52,825 備前の茶わんが 見当たらぬのです! 69 00:04:52,825 --> 00:04:55,495 形見の茶わんが!? 70 00:04:57,000 --> 00:05:00,495 (咲)母上 それは本当ですか? 71 00:05:00,495 --> 00:05:03,000 私が売りました 72 00:05:04,000 --> 00:05:07,495 父上の形見をですか!? 金が入り用になったので 73 00:05:07,495 --> 00:05:12,000 入り用とは 何に… 人助けです 74 00:05:12,000 --> 00:05:16,000 目の悪い者に 眼鏡を与えました 75 00:05:19,495 --> 00:05:21,495 (栄)はあ!? 76 00:05:28,495 --> 00:05:31,000 (橘)会えぬとは 何ゆえ? 77 00:05:31,000 --> 00:05:35,000 風邪でげす すぐに 出られるようになりますので 78 00:05:35,000 --> 00:05:37,000 そうか 79 00:05:42,495 --> 00:05:46,495 えッ 龍馬さん 五千両も 借りてきたんですか!? 80 00:05:47,495 --> 00:05:50,000 (龍馬)こん国の海軍を背負う 81 00:05:50,000 --> 00:05:52,495 海軍塾をつくろうっちゅうがぜよ 82 00:05:52,495 --> 00:05:57,000 そんくらいないと 話にならんのじゃき 83 00:05:57,000 --> 00:06:00,000 私は どうも その手のことがダメで 84 00:06:00,000 --> 00:06:04,495 新しいペニシリンつくりたいんですけど お金が どうにも… 85 00:06:04,495 --> 00:06:07,495 (勝)先生は 金策なんか できなくていいんだよ 86 00:06:07,495 --> 00:06:11,495 人には それぞれ 天分ってのがあんだからよ 87 00:06:11,495 --> 00:06:14,000 何とかして差し上げろよ 88 00:06:14,000 --> 00:06:18,000 お前さんの その自慢の舌で チョロチョロっとな 89 00:06:30,000 --> 00:06:32,495 う~ん 90 00:06:32,495 --> 00:06:36,000 龍馬さん 濱口様に 認めてもらうためにも 91 00:06:36,000 --> 00:06:39,000 自分で何とかしなきゃ いけないんです 92 00:06:39,000 --> 00:06:42,495 だから 自分で何とかしますんで… ほいたら 行くぜよ 93 00:06:42,495 --> 00:06:45,000 行くって? 京の島原 94 00:06:45,000 --> 00:06:49,000 長崎の丸山 大坂の新町 95 00:06:49,000 --> 00:06:51,660 どこの女子も すんばらしい 96 00:06:51,660 --> 00:06:55,660 けんど 野風は 吉原にしかおらんがじゃき! 97 00:06:55,660 --> 00:06:58,660 おいらを 待っちょき 今から行くき 98 00:06:58,660 --> 00:07:00,660 相変わらずですね 99 00:07:07,495 --> 00:07:15,495 ♫~高知の はりまや橋で 100 00:07:15,495 --> 00:07:18,495 最近 元気ないですね 恭太郎さん 101 00:07:19,495 --> 00:07:22,495 何かあったんですか? 102 00:07:27,495 --> 00:07:30,495 あッ いかん いかん 103 00:07:31,495 --> 00:07:34,000 ちっくと待っとうせ 104 00:07:36,495 --> 00:07:41,495 〈こんなとき 改めて 失ったものの大きさを思う〉 105 00:07:43,000 --> 00:07:46,000 〈緒方先生は いつも〉 106 00:07:46,000 --> 00:07:51,000 〈俺の進もうとする道を 照らし続けてくれた〉 107 00:07:51,000 --> 00:07:54,000 〈だけど これからは〉 108 00:07:54,000 --> 00:07:56,495 〈俺が 自分の手で〉 109 00:07:56,495 --> 00:08:01,000 〈皆の進む道を 照らさなければならないのだ〉 110 00:08:01,000 --> 00:08:06,000 〈幕末という 先の見えぬ時代の中で〉 111 00:08:07,495 --> 00:08:10,495 待たせたのう 行こう 112 00:08:10,495 --> 00:08:14,000 ♫~土佐の 113 00:08:14,000 --> 00:08:16,495 器とは 114 00:08:16,495 --> 00:08:19,000 闇に火をともす 115 00:08:19,000 --> 00:08:22,495 力のことかもしれませぬな 116 00:08:22,495 --> 00:08:26,495 《あなた様の器が どれほどのものか》 117 00:08:26,495 --> 00:08:29,000 《見せていただきたい》 118 00:08:29,000 --> 00:08:32,495 〈俺に そんな器が あるのだろうか?〉 119 00:08:46,495 --> 00:08:52,495 まっこと すんばらしいのう~ 吉原は 120 00:08:52,495 --> 00:08:56,495 (野風)おぶしゃれざんすな!→ 121 00:08:56,495 --> 00:08:58,495 実のない男 122 00:08:58,495 --> 00:09:03,495 (男)あんがとよ 最高の褒め言葉さ 花魁 123 00:09:03,495 --> 00:09:05,495 去りなんし! 124 00:09:11,000 --> 00:09:16,000 (龍馬)相変わらず ええ女っぷりじゃのう 125 00:09:16,000 --> 00:09:19,000 久しぶりやのう 花魁 126 00:09:21,495 --> 00:09:27,000 南方先生 実は 急ぎ 診ていただきたい病人が 127 00:09:27,000 --> 00:09:31,000 このままでは 命を落としかねぬ様子で… 128 00:09:31,000 --> 00:09:33,495 いいですよ どなたですか? 129 00:09:33,495 --> 00:09:38,000 玉屋の初音という女郎でありんす 130 00:09:39,495 --> 00:09:42,000 どうかしたんですか? 131 00:09:43,000 --> 00:09:46,495 いえ 何も 132 00:10:03,000 --> 00:10:30,330 ♫~ 133 00:10:53,660 --> 00:10:56,660 (玉屋のおやじ)客の子を はらんでしまったのですが→ 134 00:10:56,660 --> 00:11:01,495 なかなか流れず 中条流を呼んで流したのです 135 00:11:01,495 --> 00:11:03,495 中条流? 136 00:11:03,495 --> 00:11:06,495 子を流す 専門の医者でおざりんす 137 00:11:06,495 --> 00:11:08,495 (初音)はあ… 138 00:11:08,495 --> 00:11:12,495 たの すけ さん… 139 00:11:12,495 --> 00:11:16,000 たのすけさんって? 当代一の人気女形 140 00:11:16,000 --> 00:11:19,000 三代目 澤村田之助 141 00:11:19,000 --> 00:11:22,000 さっきの にやけた男でありんす 142 00:11:22,000 --> 00:11:24,165 でも さっきの人は お武家さんじゃ? 143 00:11:24,165 --> 00:11:28,000 歌舞伎役者の登楼は 禁じられておりんすゆえ 144 00:11:28,000 --> 00:11:30,660 変装していたのでありんしょう→ 145 00:11:30,660 --> 00:11:33,495 ごひいきの旦那衆にくっついて→ 146 00:11:33,495 --> 00:11:36,495 初音をもてあそんで いたのでありんす 147 00:11:36,495 --> 00:11:39,000 田之助さんの子なんですか? 148 00:11:39,000 --> 00:11:43,000 (野風)父親を定めることなど できんせん→ 149 00:11:43,000 --> 00:11:47,000 初音は そう思いたいので ありんしょうが 150 00:11:48,495 --> 00:11:52,000 (玉屋のおやじ)先生 初音は? 151 00:11:52,000 --> 00:11:56,165 おそらく 子を流した 手術が原因で 152 00:11:56,165 --> 00:11:58,165 敗血症になったものと 思われます 153 00:11:58,165 --> 00:12:01,495 敗血症? 細菌などに感染し 154 00:12:01,495 --> 00:12:04,000 全身が過剰な炎症反応を 起こしてるんです 155 00:12:04,000 --> 00:12:08,495 このまま ほうっておけば 死に至ります 156 00:12:10,495 --> 00:12:13,000 ペニシリンを使いましょう 157 00:12:14,000 --> 00:12:18,000 ペニシリンやにゃあ ペニシリン ペニシリン! 158 00:12:23,660 --> 00:12:25,660 恭太郎さん? 159 00:12:25,660 --> 00:12:27,660 あッ はい 160 00:12:27,660 --> 00:12:31,660 咲さんに これを はい 161 00:12:34,000 --> 00:12:37,495 やっぱ何か変だよな 恭太郎さん 162 00:12:37,495 --> 00:12:43,000 (野風)お相手は 初音でありんしたか 163 00:12:43,000 --> 00:12:45,495 お相手って? 164 00:12:52,000 --> 00:12:57,660 《人助けです 目の悪い者に 眼鏡を与えました》 165 00:12:57,660 --> 00:12:59,660 (初音)はあ… 166 00:13:01,000 --> 00:13:04,495 たのすけ さん… 167 00:13:04,495 --> 00:13:07,495 つらい話でありんすな 168 00:13:15,000 --> 00:13:19,495 (咲)静注と点滴 用意できました ありがとうございます 169 00:13:37,495 --> 00:13:41,000 従来のペニシリン投与を 続けているのですが 170 00:13:41,000 --> 00:13:43,330 熱が あまり引きません 171 00:13:43,330 --> 00:13:48,000 今のペニシリンでは 敗血症の 菌に勝てないんだと思います 172 00:13:48,000 --> 00:13:51,000 このままでは 非常にまずいです 173 00:13:52,000 --> 00:13:54,495 (野風)ほかに手だては? 174 00:13:54,495 --> 00:13:59,495 新しいペニシリンなら 何とかなるかも しれないんですが その… 175 00:13:59,495 --> 00:14:02,495 何か使えぬわけでも? 176 00:14:02,495 --> 00:14:07,495 つくるがに 四百両も かかるがじゃ のう 先生 177 00:14:07,495 --> 00:14:10,000 四百… 178 00:14:10,000 --> 00:14:14,000 どうじゃ もういっぺん 濱口様にかけあって 179 00:14:14,000 --> 00:14:17,000 四百両というのは 何千人もの人の命を 180 00:14:17,000 --> 00:14:19,495 救える金額だと言われました 181 00:14:19,495 --> 00:14:23,495 見ず知らずの一人のために 出してくださるとは… 182 00:14:23,495 --> 00:14:25,495 《(野風)去りなんし!》 183 00:14:29,000 --> 00:14:33,495 田之助に かけあってみると いうのは いかがでしょう? 184 00:14:33,495 --> 00:14:36,495 文字どおりの千両役者ですし 185 00:14:36,495 --> 00:14:39,495 初音を憎からず 思ってもいるだろうし 186 00:14:39,495 --> 00:14:42,495 でも それは… そりゃ えい! 187 00:14:42,495 --> 00:14:47,495 こうなったのも 田之助の せいかもしれんがじゃきのう 188 00:14:47,495 --> 00:14:51,495 先生 行くぜよ ちょ ちょ 龍馬さん… 189 00:14:58,495 --> 00:15:02,165 あなたの子かどうか 分からないのは承知のうえですが 190 00:15:02,165 --> 00:15:05,495 なんとか! 頼むぜよッ 191 00:15:06,495 --> 00:15:12,495 (田之助)四百両ねえ~ そんな大金 ここいらに転がってるとでも? 192 00:15:16,000 --> 00:15:19,000 おや あった 193 00:15:21,165 --> 00:15:26,165 お願いします 四百両 貸してください! 194 00:15:26,165 --> 00:15:29,165 こういうがは どうじゃ? 新しき薬には 195 00:15:29,165 --> 00:15:33,495 おまんの名をつけるがじゃ 名付けて 「妙薬・田之助」 196 00:15:33,495 --> 00:15:36,495 薬は 田之助 助かる 田之助… 197 00:15:36,495 --> 00:15:40,495 ほいたら 田之助の名は ますます上がるがじゃき 198 00:15:40,495 --> 00:15:43,495 どうぜよ? 悪い話ではないろう 199 00:15:43,495 --> 00:15:46,000 名前ねえ 200 00:15:48,495 --> 00:15:53,495 そんなことせずとも 私は 芸だけで名をあげてみせるさ 201 00:15:53,495 --> 00:15:58,495 悪いけどね この小判は この田之助の汗さ 202 00:15:58,495 --> 00:16:01,495 血さ 肉さ 203 00:16:03,000 --> 00:16:07,000 一両たりとも やることなど できやしないよ 204 00:16:08,495 --> 00:16:12,495 何が血だ 肉じゃ 205 00:16:12,495 --> 00:16:15,495 しょせんは 己を体よく 見せ物にしただけの 206 00:16:15,495 --> 00:16:18,495 あぶく銭ではないかッ 恭太郎さん! 207 00:16:19,495 --> 00:16:24,000 お侍さん 初音を買っただろう 208 00:16:25,165 --> 00:16:28,495 役者の身分にもかかわらず 禁を破っての登楼 209 00:16:28,495 --> 00:16:31,495 斬られたとて 文句は言えぬはずじゃ! 210 00:16:31,495 --> 00:16:35,495 初音は うわごとでも おぬしの名を呼んでおるッ 211 00:16:35,495 --> 00:16:38,495 身を売る女が 本気で慕っておるのじゃ 212 00:16:38,495 --> 00:16:40,495 あわれとは思わぬのか! 213 00:16:40,495 --> 00:16:43,495 私だって 身を売ってやってきたんだよ 214 00:16:43,495 --> 00:16:46,000 小さいころは 坊主相手に 215 00:16:46,000 --> 00:16:50,000 年を取りゃ 暇と金を持て余した ご婦人相手に 216 00:16:50,000 --> 00:16:52,495 女郎と同じことをしながら 217 00:16:52,495 --> 00:16:57,495 血を吐くような思いで芸を磨き やっと手にした 218 00:16:57,495 --> 00:17:00,495 これは そういう金なんだよ 219 00:17:03,000 --> 00:17:06,000 どうしても 初音を助けたいなら 220 00:17:06,000 --> 00:17:09,495 てめえが まず身を切るのが 筋だろうさ 221 00:17:09,495 --> 00:17:13,495 旗本株でも売ってから 出直してきやがれ! 222 00:17:20,660 --> 00:17:24,000 悪寒がひかぬので 温めてはいるんですが 223 00:17:25,000 --> 00:17:29,000 ペニシリンの注射を追加してください はい 224 00:17:29,000 --> 00:17:32,495 (野風)先生 よろしゅうおざんすか? 225 00:17:38,495 --> 00:17:42,495 先生 これを 226 00:17:46,495 --> 00:17:50,000 五十両と少しばかりありんす 227 00:17:53,000 --> 00:17:57,495 初音の身に起こったのは 吉原の女郎なら 228 00:17:57,495 --> 00:18:00,495 誰にでも起こりうること 229 00:18:00,495 --> 00:18:04,495 どうか お役立てくださんし 230 00:18:11,000 --> 00:18:14,495 お気持ちだけ受け取っておきます えッ… 231 00:18:14,495 --> 00:18:18,495 このお金は 野風さんにとって 血や肉と同じはずです 232 00:18:18,495 --> 00:18:22,000 野風さん自身の 身の上のために使うべきです 233 00:18:22,000 --> 00:18:25,495 あちきの身の上など… このような お金を使ったあとで 234 00:18:25,495 --> 00:18:29,495 濱口様に認めていただくわけには 濱口様? 235 00:18:29,495 --> 00:18:32,000 あーッ もう ちゃちゃちゃちゃ! 236 00:18:32,000 --> 00:18:35,495 よし 先生は もう ペニシリンをつくり始めるがじゃ 237 00:18:35,495 --> 00:18:39,000 金は わしが何とかする これは私の問題です 238 00:18:39,000 --> 00:18:42,000 頭を冷やせ 先生! こうしとるうちに 239 00:18:42,000 --> 00:18:45,495 初音が死んでしもうては 元も子もないわい 240 00:18:45,495 --> 00:18:48,495 胸くそ悪い 田之助の鼻もあかせん 241 00:18:48,495 --> 00:18:52,495 そうなってしもうては 橘の顔もつぶれたままぜよ 242 00:18:58,495 --> 00:19:00,495 そうですね 243 00:19:01,495 --> 00:19:03,495 行ってきます 244 00:19:04,495 --> 00:19:07,495 野風さん ありがとうございます! 245 00:19:11,495 --> 00:19:13,495 はよう 行け! 246 00:19:13,495 --> 00:19:16,660 おまんの仕事は 先生の護衛じゃろうがッ 247 00:19:16,660 --> 00:19:18,660 はい! 248 00:19:22,000 --> 00:19:26,000 はて どういったもんかのう… 249 00:19:47,495 --> 00:19:51,495 わしか? 今度は 250 00:19:59,000 --> 00:20:03,495 中条は ためこんじょるかも しれんのう 251 00:20:07,660 --> 00:20:11,495 触媒の水は 酸二割 アルカリ八割でお願いします 252 00:20:11,495 --> 00:20:14,495 (職人)おりゃあ 帰るよ もうッ 253 00:20:14,495 --> 00:20:16,495 ちょっと待ってください どうしたんですか? 254 00:20:16,495 --> 00:20:19,000 給金だって ろくに払わねえくせによ 255 00:20:19,000 --> 00:20:23,495 おりゃ 臨時の日雇いなんだけどよ とっぱらいじゃねえのかよッ 256 00:20:23,495 --> 00:20:25,495 (抗議している) 257 00:20:25,495 --> 00:20:29,495 あとで 必ず お支払いしますから 今は皆さんの力が必要なんです 258 00:20:29,495 --> 00:20:32,495 お願いします お願いします! 259 00:20:32,495 --> 00:20:34,495 (龍馬)先生! 260 00:20:43,000 --> 00:20:46,495 龍馬さん これ どうやって… 261 00:20:46,495 --> 00:20:49,495 初音の子を流した 中条流の医者から 262 00:20:49,495 --> 00:20:53,000 新しいペニシリンを質に 借りてきたぜよ 263 00:20:53,000 --> 00:20:55,495 《私とて 医者のはしくれ》 264 00:20:55,495 --> 00:21:00,495 《ペニシリンが いかに すばらしい薬で あるかは聞き及んではおります》 265 00:21:00,495 --> 00:21:03,495 《四百両を 七年の返済》 266 00:21:03,495 --> 00:21:07,495 《無利息で いかがでしょう?》 《七年で無利息かえ!?》 267 00:21:07,495 --> 00:21:12,495 《早速 証文をしたためますゆえ》 《おう すまんのう》 268 00:21:12,495 --> 00:21:16,165 勝手に 薬を質に入れた形に なってしもうたけんど 269 00:21:16,165 --> 00:21:20,495 七年間で四百両やったら わしが何とかするがじゃき 270 00:21:20,495 --> 00:21:24,495 龍馬さん ありがたく 使わせていただきます 271 00:21:29,000 --> 00:21:33,495 金は支払う こっちから順に並び! 272 00:21:41,000 --> 00:21:43,495 すごいですね→ 273 00:21:43,495 --> 00:21:46,495 坂本龍馬という人は 274 00:21:46,495 --> 00:21:49,000 器が違う 275 00:21:50,495 --> 00:21:52,495 はい 276 00:21:55,000 --> 00:21:58,495 下から九寸っていうのは 下端から九寸です 277 00:21:58,495 --> 00:22:02,000 ちょっと待ってください 床と平行にお願いします 278 00:22:02,000 --> 00:22:05,000 この両端を 二人で持っていただいて 279 00:22:05,000 --> 00:22:07,495 なるべく ていねいに お願いします 280 00:22:07,495 --> 00:22:11,495 (男)和紙の乾きぐあいは? 大丈夫だと思います 281 00:22:32,495 --> 00:22:35,000 (山田)どうかなさいましたか? 282 00:22:35,000 --> 00:22:38,495 こうやって つくられていたのですね→ 283 00:22:38,495 --> 00:22:41,495 皆が 汗水をたらし… 284 00:22:41,495 --> 00:22:44,495 (山田)この薬は 南方先生がつくり出し 285 00:22:44,495 --> 00:22:48,495 緒方先生が命がけで お守りになった 286 00:22:48,495 --> 00:22:51,495 この世の宝でございますから 287 00:23:01,495 --> 00:23:06,495 敗血症に勝ってくれよ お前ら 288 00:23:06,495 --> 00:23:09,495 恭太郎さんのためにも 289 00:23:16,495 --> 00:23:20,495 出来次第 順に お願いします 山田先生! 行きましょう 290 00:23:20,495 --> 00:23:23,495 気をつけて! はい! 291 00:23:39,000 --> 00:23:41,495 ペニシリン 注射できます 292 00:23:54,000 --> 00:24:00,000 眼鏡… 喜んでいたそうで ありんすよ 293 00:24:03,495 --> 00:24:07,495 こんな心遣いを してくださる客は 294 00:24:07,495 --> 00:24:10,000 初めてであったと 295 00:24:18,000 --> 00:24:20,495 (咲)先生 296 00:24:24,495 --> 00:24:27,000 効いてくれよ 297 00:24:28,495 --> 00:24:31,495 私も 初めてでありました 298 00:24:33,495 --> 00:24:37,495 《小さな杯も よきものでありんすよ》 299 00:24:38,495 --> 00:24:44,495 あのように 心を軽うしてくれた女子は 300 00:24:49,000 --> 00:24:52,000 夜が明けるぜよ 301 00:25:20,495 --> 00:25:22,495 初音さん!? 302 00:25:36,000 --> 00:25:40,495 無事に意識が戻りました もう大丈夫です 303 00:25:43,495 --> 00:25:48,000 もう会えるがかえ? 少しなら 大丈夫です 304 00:25:48,000 --> 00:25:52,000 どうぞ 中へ ほうか ほうか 305 00:25:52,000 --> 00:25:56,495 恭太郎さん やめておきます 306 00:25:56,495 --> 00:25:59,495 (龍馬)何を言うがぜよ! 307 00:25:59,495 --> 00:26:04,495 初音が困る顔は 見たくありませぬゆえ 308 00:26:12,495 --> 00:26:15,495 今の声は? 309 00:26:15,495 --> 00:26:18,495 橘 恭太郎 310 00:26:18,495 --> 00:26:22,495 私の兄でございますが? 311 00:26:22,495 --> 00:26:29,000 あの… わちきは正体なきとき 312 00:26:29,000 --> 00:26:32,000 何か申しておりんしたか? 313 00:26:33,495 --> 00:26:38,495 田之助さんの名を ずっと お呼びで 314 00:26:46,495 --> 00:26:49,495 申し訳ござりんせん… 315 00:26:51,495 --> 00:26:56,495 わちきは 人でなしでありんす 316 00:27:06,000 --> 00:27:10,000 あんなに お優しい方を傷つけ… 317 00:27:12,495 --> 00:27:18,495 女郎のくせに 嘘さえ つきとおすこともできず 318 00:27:23,000 --> 00:27:28,495 己の気持ちに 嘘はつけませぬ 319 00:27:30,495 --> 00:27:33,495 詮ないものかと存じますよ 320 00:28:10,495 --> 00:28:14,495 (男)南方っていうお医者さんは いらっしゃってますか? 321 00:28:26,495 --> 00:28:29,495 おう おう 先生!→ 322 00:28:29,495 --> 00:28:32,495 何ぜよ 見舞いに 来てくれたがかえ? 323 00:28:32,495 --> 00:28:36,495 先生 こちらが 金を貸してくれた中条の… 324 00:28:36,495 --> 00:28:40,000 ああ その節は ホントに 325 00:28:40,000 --> 00:28:42,495 あれから 今日で ちょうど七日 326 00:28:42,495 --> 00:28:45,495 お約束のものを 受け取りにまいった 327 00:28:45,495 --> 00:28:47,495 約束のもの? 328 00:28:49,000 --> 00:28:53,000 また おとぼけを ここに はっきりと書いてございます 329 00:28:53,000 --> 00:28:59,000 「七日後に返済できぬ場合は 新薬のすべてを譲り渡す」と 330 00:29:01,495 --> 00:29:04,000 七日って 七年じゃ? 331 00:29:04,000 --> 00:29:06,495 七日でございますよ→ 332 00:29:06,495 --> 00:29:09,495 ほら ここに 坂本様の署名もある 333 00:29:09,495 --> 00:29:12,000 謀ったがか! 334 00:29:12,000 --> 00:29:14,495 この 強欲じじい! 335 00:29:14,495 --> 00:29:18,495 欲に目がくらんで よくよく確かめなかったのは→ 336 00:29:18,495 --> 00:29:21,000 そちらの落ち度 337 00:29:21,000 --> 00:29:25,000 さあ 四百両か 新薬か→ 338 00:29:25,000 --> 00:29:28,000 どちらかを お渡し願えますか? 339 00:29:33,495 --> 00:29:37,000 《(山田)この薬は 南方先生がつくりだし→》 340 00:29:37,000 --> 00:29:39,495 《緒方先生が命がけで お守りになった》 341 00:29:39,495 --> 00:29:42,495 《この世の宝でございますから》 342 00:29:46,495 --> 00:29:48,495 分かりました 343 00:30:00,495 --> 00:30:02,495 まだじゃ 344 00:30:02,495 --> 00:30:07,000 こん取り決めを交わしたがは 暮れ六つじゃ 345 00:30:07,000 --> 00:30:10,000 まだ 七日はたっちょらん 346 00:30:10,000 --> 00:30:13,495 フッ… 小僧が 347 00:30:26,000 --> 00:30:29,000 お待ちください! ダメでございます 348 00:30:29,000 --> 00:30:31,495 田之助! 田之助 頼みがある 349 00:30:31,495 --> 00:30:35,495 金は借りられたと聞きましたが 貸し手に裏をかかれ 350 00:30:35,495 --> 00:30:39,495 南方先生は 薬のすべてを 手放せと迫られておるのじゃ 351 00:30:39,495 --> 00:30:42,495 それは 一大事でござい… 352 00:30:42,495 --> 00:30:47,495 あの薬は 皆の血と肉でできておる! 353 00:30:47,495 --> 00:30:52,000 あの薬のために 皆が すべてを なげうって闘ってきた 354 00:30:52,000 --> 00:30:55,495 あれは そうやってできた 宝なのだ 355 00:30:55,495 --> 00:30:58,495 頼む 四百両 貸してくれ! 356 00:30:58,495 --> 00:31:02,495 こないだも言ったと思うけど… 私が おぬしに身を売る! 357 00:31:02,495 --> 00:31:06,495 身を切った金を借りるのだ こちらも身を切ろう 358 00:31:06,495 --> 00:31:10,495 煮るなり 焼くなり どうとでもするがよい! 359 00:31:13,495 --> 00:31:16,495 じゃあ 一つ 360 00:31:16,495 --> 00:31:19,495 見せ物でもしてもらおうか 361 00:31:21,495 --> 00:31:27,000 (鐘が鳴る) 362 00:31:27,000 --> 00:31:29,495 そろそろでございますな 363 00:31:29,495 --> 00:31:32,495 考え直せ! 頼む! 364 00:31:32,495 --> 00:31:35,495 さっきから そればかりですな 365 00:31:35,495 --> 00:31:38,495 では 先生 お返事を 366 00:31:45,495 --> 00:31:48,495 分かりました 玉屋のおやじ様! 367 00:31:52,495 --> 00:31:58,495 私が ここで ご奉公しますので 四百両 お貸し願えませぬか? 368 00:31:58,495 --> 00:32:00,495 おお… 369 00:32:00,495 --> 00:32:03,000 少々 とうが立っておりますが 370 00:32:03,000 --> 00:32:06,495 旗本の娘という もの珍しさはございましょうし 371 00:32:06,495 --> 00:32:09,000 何を言ってるんですか 咲さん 372 00:32:09,000 --> 00:32:11,495 咲様… 373 00:32:14,495 --> 00:32:18,495 私にできることは これしかございませぬ! 374 00:32:23,000 --> 00:32:27,000 おっと そんな大切なもんを 売り渡しちゃいけねえよ 375 00:32:27,000 --> 00:32:29,000 田之助さん 376 00:32:29,000 --> 00:32:32,495 先生 あの薬は あんたらの血肉を刻んだ 377 00:32:32,495 --> 00:32:35,000 命だって話じゃねえか 378 00:32:35,000 --> 00:32:37,495 そうとなりゃ 話は別だ 379 00:32:37,495 --> 00:32:41,495 この田之助 命には命で応えるさ 380 00:32:54,495 --> 00:32:57,000 おととい来やがれ! 381 00:32:59,000 --> 00:33:01,495 役者風情が 382 00:33:05,495 --> 00:33:08,000 先生 383 00:33:08,000 --> 00:33:12,495 あの金は返さなくていいからな えッ? 384 00:33:12,495 --> 00:33:16,495 貸すなんて せこいマネ きれえなんだよ 385 00:33:16,495 --> 00:33:18,495 ありがとうございます 386 00:33:18,495 --> 00:33:22,495 けんど どういて こんことを知ったがじゃ? 387 00:33:22,495 --> 00:33:27,495 私に身売りをした男がいたのさ 388 00:33:27,495 --> 00:33:29,495 (龍馬)男? 389 00:33:35,000 --> 00:33:37,495 (男)よッ 田之助! 390 00:34:00,495 --> 00:34:05,495 《田之助殿 金を貸してください!》 391 00:34:05,495 --> 00:34:07,495 《お頼み申す!》 392 00:34:07,495 --> 00:34:10,495 《田之助殿 金を貸してください》 393 00:34:10,495 --> 00:34:13,000 《お頼み申す!》 394 00:34:15,000 --> 00:34:20,000 《田之助殿 お頼み申す!》 395 00:34:20,000 --> 00:34:22,000 《金を…》 396 00:34:22,000 --> 00:34:24,495 《お侍さんが土下座してるぜ》 397 00:34:24,495 --> 00:34:27,000 《お頼み申す!》 398 00:34:27,000 --> 00:34:29,495 《お頼み申す!》 399 00:34:33,495 --> 00:34:35,495 (咲)兄上 400 00:34:43,495 --> 00:34:46,495 では ごゆるりと 401 00:35:02,000 --> 00:35:04,000 お話とは? 402 00:35:06,495 --> 00:35:10,495 ありがとうございました 恭太郎さん 403 00:35:12,495 --> 00:35:17,000 お侍さんが 役者に 頭を下げるというのは 404 00:35:17,000 --> 00:35:21,000 ものすごく 勇気のいることですよね 405 00:35:21,000 --> 00:35:25,495 それしか できなかっただけで ございます 406 00:35:27,000 --> 00:35:30,495 ぼんくらの旗本には それぐらいしか… 407 00:35:30,495 --> 00:35:33,495 おまんの どこが ぼんくらじゃ 408 00:35:34,495 --> 00:35:37,000 ええかい? 409 00:35:37,000 --> 00:35:41,000 おまんは ペニシリンを 守ったがじゃ 410 00:35:41,000 --> 00:35:44,000 こん薬を守るちゅうことは 411 00:35:44,000 --> 00:35:48,495 吉原の女郎たちを 守ったちゅうことじゃ→ 412 00:35:48,495 --> 00:35:52,000 こん国の医術を守ったのじゃ 413 00:35:52,000 --> 00:35:57,000 おまんは こん国を 守ったようなもんじゃ 414 00:36:01,000 --> 00:36:05,000 おまんは どだい すごいことを やったがぜよ! 415 00:36:10,495 --> 00:36:15,495 私は あなたが嫌いでした 416 00:36:16,495 --> 00:36:19,000 嫌い? 417 00:36:19,000 --> 00:36:23,495 勝先生は 私には護衛を 418 00:36:23,495 --> 00:36:28,000 あなたには 海軍をつくる 手伝いをさせる 419 00:36:28,000 --> 00:36:32,000 どちらも大切な役目だとは 分かってはいても 420 00:36:32,000 --> 00:36:35,495 世を動かすような 仕事をしている あなたを 421 00:36:35,495 --> 00:36:38,495 ねたまずには いられなかった 422 00:36:39,495 --> 00:36:44,495 けれど こうして そばにいると 423 00:36:44,495 --> 00:36:49,000 器の違いが 嫌というほど分かる 424 00:36:49,000 --> 00:36:54,495 今も まだ そう感じずにはいられず 私は… 425 00:36:54,495 --> 00:36:57,495 何で そんなこと言うんですか? 426 00:37:00,000 --> 00:37:04,000 恭太郎さんほどの護衛は どこにもいないのに 427 00:37:05,495 --> 00:37:09,495 恭太郎さん 初めて会ったとき 428 00:37:09,495 --> 00:37:14,495 私を守って 斬られてくれたじゃないですか 429 00:37:14,495 --> 00:37:18,495 身元も知れない私を 居候さしてくれて 430 00:37:18,495 --> 00:37:22,495 今日は もう 私のすべてを 431 00:37:22,495 --> 00:37:25,495 身を切って 守ってくれたじゃないですか 432 00:37:32,000 --> 00:37:36,000 恭太郎さんがいなければ 433 00:37:36,000 --> 00:37:40,000 私は ここで生きていくことは できませんでしたよ 434 00:37:42,495 --> 00:37:46,000 恭太郎さんがいなければ 435 00:37:46,000 --> 00:37:50,000 私は ここで薬をつくることが できませんでしたよ 436 00:37:52,495 --> 00:37:55,495 だから… 437 00:37:56,495 --> 00:38:00,495 恭太郎さんは 私にとって 最高の護衛なんです! 438 00:38:10,495 --> 00:38:13,495 男子たるもの 439 00:38:15,495 --> 00:38:21,495 人前では 決して 泣いてはならぬと… 440 00:38:23,495 --> 00:38:25,495 しかし 441 00:38:27,000 --> 00:38:29,495 今日は 少しだけ… 442 00:38:58,495 --> 00:39:05,000 咲様は ゆくゆくは 先生と ご一緒に? 443 00:39:05,000 --> 00:39:07,000 えッ? 444 00:39:07,000 --> 00:39:10,495 お慕いしているので ありんしょう 445 00:39:13,000 --> 00:39:19,495 先生には 心に決めた方が おられるようです 446 00:39:19,495 --> 00:39:24,495 けんど ご記憶がありんせんと 447 00:39:25,495 --> 00:39:30,495 その方のことだけは 覚えておられるようです 448 00:39:33,495 --> 00:39:38,495 おつらくは ありんせんか? 咲様は 449 00:39:49,000 --> 00:39:52,495 私には 450 00:39:52,495 --> 00:39:56,000 先生の医術がありますから 451 00:40:07,000 --> 00:40:09,495 (龍馬)このアホがッ 452 00:40:11,000 --> 00:40:14,000 〈ようやく分かった気がした〉 453 00:40:14,000 --> 00:40:17,000 〈江戸の夜道は暗くて〉 454 00:40:17,000 --> 00:40:22,000 〈助け合わねば とても 歩いてはいけない〉 455 00:40:22,000 --> 00:40:25,495 〈誰もが 誰かを支え〉 456 00:40:27,000 --> 00:40:31,000 〈誰かに支えられながら 生きている〉 457 00:40:33,495 --> 00:40:37,000 〈少なくとも 俺は〉 458 00:40:37,000 --> 00:40:41,000 〈きっと 一人では何もできない〉 459 00:40:42,495 --> 00:40:47,495 〈それでも 進んでいきたいと 願うのなら…〉 460 00:41:05,330 --> 00:41:10,495 私は 本当に器の小さな 人間であると痛感しました 461 00:41:10,495 --> 00:41:14,000 みんなに支えられて ここまで やってこれたのだと 462 00:41:14,000 --> 00:41:16,495 改めて分かりました 463 00:41:20,495 --> 00:41:25,495 濱口様 だからこそ 464 00:41:25,495 --> 00:41:28,495 私を ご援助 願えませんでしょうか? 465 00:41:28,495 --> 00:41:32,495 ちっぽけな私が 受けた恩を返すには 466 00:41:32,495 --> 00:41:35,495 医術よりほかはありません 467 00:41:36,495 --> 00:41:38,495 お願いします! 468 00:41:41,495 --> 00:41:47,000 正直で 己を 大きく見せることはしない 469 00:41:47,000 --> 00:41:50,495 けれど 自分の なすべきことに対しては 470 00:41:50,495 --> 00:41:54,495 あらんかぎりの努力をする 471 00:41:55,495 --> 00:42:01,495 あなたの器は きっと そう大きくはない 472 00:42:01,495 --> 00:42:07,000 しかし とても 美しいんでしょうなあ 473 00:42:07,000 --> 00:42:11,000 それがゆえに 周りの人間は 474 00:42:11,000 --> 00:42:15,495 助けたい 守りたいと思う 475 00:42:15,495 --> 00:42:21,495 それが 南方仁という 器なのでしょう 476 00:42:26,495 --> 00:42:28,495 はい! 477 00:42:32,000 --> 00:42:35,495 〈こうして また一つ〉 478 00:42:35,495 --> 00:42:39,495 〈恩がたまっていく〉 479 00:42:39,495 --> 00:42:42,495 〈俺という 小さな器の中に〉 480 00:42:48,495 --> 00:42:54,000 〈大切に こぼさぬように 歩いていこうと思う〉 481 00:42:54,000 --> 00:42:59,495 〈医学の時計の針を 前へと進ませるためにも〉 482 00:42:59,495 --> 00:43:02,000 おりゃ~! 483 00:43:02,000 --> 00:43:04,660 おまんらも 武士じゃったら 484 00:43:04,660 --> 00:43:09,660 こそこそせんと 名乗りをあげんかや! 485 00:43:16,495 --> 00:43:19,000 また 先生に刺客が? 486 00:43:19,000 --> 00:43:22,495 いや あれは わしについたもんのようじゃ 487 00:43:22,495 --> 00:43:25,000 龍馬さんに どうして? 488 00:43:25,000 --> 00:43:29,495 分からんけんど わしゃ コロコロ考えを変えるきね 489 00:43:29,495 --> 00:43:33,000 おもろないやつも こじゃんとおるろう 490 00:43:36,000 --> 00:43:38,495 〈嫌な予感がした〉 491 00:43:38,495 --> 00:43:42,495 〈俺が医学の時計の針を 進めることで〉 492 00:43:42,495 --> 00:43:47,495 〈維新への歴史も早く進むことは ないのだろうか〉 493 00:43:48,660 --> 00:43:51,330 〈龍馬 暗殺の瞬間は〉 494 00:43:51,330 --> 00:43:54,330 〈俺が知るより もっと早くに…〉 495 00:43:55,495 --> 00:43:57,495 龍馬さん 496 00:43:59,495 --> 00:44:02,660 気をつけてください ホントに 497 00:44:02,660 --> 00:44:06,660 おッ 前とは あべこべじゃ 498 00:44:07,660 --> 00:44:10,000 笑いごとじゃないんです 499 00:44:16,495 --> 00:44:21,000 けんど 先生がおるがじゃろう 500 00:44:21,000 --> 00:44:24,000 わしゃ斬られても 助かるがじゃろう 501 00:44:26,000 --> 00:44:28,495 南方仁がおれば 502 00:44:28,495 --> 00:44:31,495 坂本龍馬は死なん! 503 00:44:31,495 --> 00:44:33,495 そうじゃろう? 504 00:44:37,495 --> 00:44:42,495 〈たとえ 歴史の時計の針が 早く進んだとしても…〉 505 00:44:53,495 --> 00:44:56,000 助けますよ 506 00:44:56,000 --> 00:45:00,000 俺が この手で 507 00:45:05,495 --> 00:45:08,495 〈そして 時は〉 508 00:45:08,495 --> 00:45:12,000 〈その流れを変え始めたのだ〉 509 00:45:17,495 --> 00:45:22,495 《私には 先生の医術が ありますから》 510 00:45:23,495 --> 00:45:29,000 あちきには 何もありんせんよ 511 00:45:29,000 --> 00:45:31,000 先生 512 00:45:47,495 --> 00:45:51,495 〈極めて 残酷な未来へと…〉