1 00:00:06,607 --> 00:00:08,942 (谷崎)あ~。 2 00:00:08,942 --> 00:00:11,612 えっ? 3 00:00:11,612 --> 00:00:16,483 (向田)あっ おはようございます。 谷崎警部。 4 00:00:16,483 --> 00:00:19,486 おはよう。 向田くん。 5 00:00:25,158 --> 00:00:27,461 事件性は? 6 00:00:30,964 --> 00:00:34,968 いえ。 民事です。 7 00:00:42,976 --> 00:00:44,978 (宇田川)よし。 8 00:00:46,847 --> 00:00:51,652 宇田川。 捜査資料なら 10番以降のロッカーにしまいなさい。 9 00:00:51,652 --> 00:00:54,955 9番までは いっぱいだ。 分かりました。 10 00:01:08,936 --> 00:01:11,605 (真野)ちょっと… 気を付けて下さい! 11 00:01:11,605 --> 00:01:16,276 「大丈夫?」 「ケガは?」があった後に 「気を付けて下さいね」。 12 00:01:16,276 --> 00:01:21,615 あ… じゃあ 大丈夫…? 大丈夫。 ケガはない。 気を付ける。 13 00:01:21,615 --> 00:01:24,318 ああ 私が しまっておきます。 14 00:01:26,954 --> 00:01:29,856 10番は空いてるはずなんだけどな。 ええ。 15 00:01:29,856 --> 00:01:35,295 これは 私が個人的に保管してる資料です。 よいしょ。 16 00:01:35,295 --> 00:01:37,998 だったら 自分のロッカーに入れなよ。 17 00:01:44,638 --> 00:01:46,573 どこに そんなスペースが? 18 00:01:46,573 --> 00:01:50,510 うわっ ひどい! 「ひどい」って ひどいじゃないですか! 19 00:01:50,510 --> 00:01:54,648 自分のロッカーに入りきらないんだったら 不要なものを処分しなさい。 20 00:01:54,648 --> 00:01:58,352 不要なものなんてありません! 宇田川 手伝ってやれ。 21 00:02:07,594 --> 00:02:09,896 (ため息) 22 00:02:12,265 --> 00:02:15,268 ⚟(ノック) どうぞ。 23 00:02:17,938 --> 00:02:21,608 (徳大寺)よかったら 1つ どうぞ。 24 00:02:21,608 --> 00:02:26,279 また ルイボスティー? 署で はやってんの? 25 00:02:26,279 --> 00:02:30,617 趣味の合う僕と真野さんが 普及させてる感じです。 26 00:02:30,617 --> 00:02:32,919 へえ~。 27 00:02:34,955 --> 00:02:37,958 趣味の合う僕と…。 聞こえてる! 28 00:02:41,628 --> 00:02:43,630 よかった…。 29 00:02:46,299 --> 00:02:49,636 これを見て 自分でどう思う? 30 00:02:49,636 --> 00:02:55,509 これまでの刑事人生に思いをはせ 感慨深いです! 31 00:02:55,509 --> 00:02:57,978 信じられないな。 32 00:02:57,978 --> 00:03:02,249 申し訳ないけど 僕には人生のぜい肉にしか見えない。 33 00:03:02,249 --> 00:03:04,184 つまり おもりだよ。 34 00:03:04,184 --> 00:03:08,922 これだけの重量を引きずって 人生を歩んでるようなもんなんだ。 35 00:03:08,922 --> 00:03:11,591 えっ あの 何してるんですか? 36 00:03:11,591 --> 00:03:16,263 あっ ごめん。 無意識に捨ててた。 無意識に!? 人の宝物を!? 37 00:03:16,263 --> 00:03:19,933 いや。 じゃあさ この… この使い捨てボールペンの➡ 38 00:03:19,933 --> 00:03:23,270 何を指して宝物と呼ぶの? 4本もあるし。 39 00:03:23,270 --> 00:03:26,940 4年前に退職された 川端警部補から頂いたお品です。 40 00:03:26,940 --> 00:03:30,610 駆け出しの頃 警部補には大変お世話になりました。 41 00:03:30,610 --> 00:03:33,513 未熟な私が筆記用具を忘れる度 「これ使え」って。 42 00:03:33,513 --> 00:03:35,482 「使い終わったら捨てろ」って。 言われてません。 43 00:03:35,482 --> 00:03:37,484 そういう意味で渡すペンだよ これは。 44 00:03:37,484 --> 00:03:40,620 私は これを見る度 初心に返ることができるんです。 45 00:03:40,620 --> 00:03:45,292 じゃあ 最後に このペンを見たのはいつ? 46 00:03:45,292 --> 00:03:47,227 このノートだって そう。 47 00:03:47,227 --> 00:03:49,963 これまで 先輩方から頂いた 数々の金言が…。 48 00:03:49,963 --> 00:03:53,834 このペンを最後に見たのは? 手元にあることが重要なんです! 49 00:03:53,834 --> 00:03:57,304 個人的に課題が残った過去の事件。 50 00:03:57,304 --> 00:03:59,973 印象深かった参考人の証言。 51 00:03:59,973 --> 00:04:03,243 これらは全て 刑事 真野一花の貴重な財産です! 52 00:04:03,243 --> 00:04:07,581 このうちの3分の2を ゴミに格下げしてもらいたい。 53 00:04:07,581 --> 00:04:09,516 3分の2も!? うん。 54 00:04:09,516 --> 00:04:13,520 僕が ふだん実践してる 整理法を使えば簡単だよ。 55 00:04:16,923 --> 00:04:20,227 さあ 今から このゴミを…。 56 00:04:21,795 --> 00:04:24,798 いや 財産を➡ 57 00:04:24,798 --> 00:04:28,535 この2つに分類してごらん。 58 00:04:28,535 --> 00:04:31,271 えっ 「やむをえない」って何ですか? 59 00:04:31,271 --> 00:04:34,174 やむをえず持たなきゃならないもの。 60 00:04:34,174 --> 00:04:37,144 まあ 例えば 僕の場合だと 服とか。 61 00:04:37,144 --> 00:04:40,614 服!? やむをえず着てるんですか? うん。 62 00:04:40,614 --> 00:04:44,484 そんなふうに やむをえないものだけを 入れていけば あっという間だよ。 63 00:04:44,484 --> 00:04:47,287 分類するなら 普通は「いる」 「いらない」です。 64 00:04:47,287 --> 00:04:50,190 そうやって 漠然と「いる」と残した結果が これじゃないか。 65 00:04:50,190 --> 00:04:52,626 本当に やむをえないもの以外は もう捨てるんだ。 66 00:04:52,626 --> 00:04:56,329 厳しすぎます! それを乗り越えてほしい。 67 00:04:58,498 --> 00:05:03,236 う~ん。 うん だったら こうしよう。 68 00:05:03,236 --> 00:05:06,139 ここにあるものを 一つ一つ 僕が捨てていく。 69 00:05:06,139 --> 00:05:08,108 えっ…。 でも➡ 70 00:05:08,108 --> 00:05:11,912 真野さんが本当に捨てられたくないものが あった時だけ➡ 71 00:05:11,912 --> 00:05:14,247 僕のことを突き飛ばして奪ってほしい。 72 00:05:14,247 --> 00:05:18,118 えっ 突き飛ばすんですか? うん 全力でね。 73 00:05:18,118 --> 00:05:20,587 ひょっとすると 僕はケガをするかもしれない。 74 00:05:20,587 --> 00:05:24,257 それでもかまわないから 残したいという時だけ 来てほしい。 75 00:05:24,257 --> 00:05:26,259 ええっ…。 76 00:05:29,930 --> 00:05:32,265 さあ 始めよう。 77 00:05:32,265 --> 00:05:35,268 待って! あの まず練習から。 78 00:05:40,941 --> 00:05:46,613 ♬~ 79 00:05:46,613 --> 00:05:50,951 あっ あの れ… 練習ですよね。 80 00:05:50,951 --> 00:05:54,287 練習… あっ。 81 00:05:54,287 --> 00:05:59,626 感謝状 新月小学校一同より。 82 00:05:59,626 --> 00:06:05,899 ♬~ 83 00:06:05,899 --> 00:06:09,769 心の言葉。 それはダメ! 84 00:06:09,769 --> 00:06:13,773 ちょっと… ちょっと待って待って待って 宇田川さん! 85 00:06:13,773 --> 00:06:16,910 ちょっと 何これ…。 86 00:06:16,910 --> 00:06:19,813 あっ あっ! ちょっと 何これ…! 87 00:06:19,813 --> 00:06:24,784 ルールが分からない! ハァ ハァ…。 88 00:06:24,784 --> 00:06:27,921 僕も 途中から分かんなくなった。 89 00:06:27,921 --> 00:06:31,258 はあ!? 90 00:06:31,258 --> 00:06:33,193 真野さん! びっくりした。 91 00:06:33,193 --> 00:06:37,931 相手にするなよ こんな断捨離野郎! 徳大寺さん…。 92 00:06:37,931 --> 00:06:43,270 どうしても捨てるってんなら 俺が丸ごともらってやる! 93 00:06:43,270 --> 00:06:45,939 真野さんが触れたものなら どんなものだって…。 94 00:06:45,939 --> 00:06:47,941 結構です。 95 00:07:05,892 --> 00:07:08,595 あっ 待って。 え? 96 00:07:10,764 --> 00:07:14,901 悪いけど 今日 泊めてくれない? 97 00:07:14,901 --> 00:07:16,903 ごはん おごるから。 98 00:07:22,776 --> 00:07:25,245 同棲してたんですか。 うん。 99 00:07:25,245 --> 00:07:27,914 向こうが うちに転がり込んできた形だけどね。 100 00:07:27,914 --> 00:07:32,252 なのに 向田さんが出ていくんですか? 3日間だけよ。 101 00:07:32,252 --> 00:07:36,122 その間に どっか部屋探して 勝手に好きなもん持って出てけって。 102 00:07:36,122 --> 00:07:39,125 えっ。 そんなこと言っちゃって 本当に全部持っていかれたら➡ 103 00:07:39,125 --> 00:07:41,594 どうするんですか? 104 00:07:41,594 --> 00:07:46,466 この際 身ぐるみ剥がされたほうが いいのかもしれない。 105 00:07:46,466 --> 00:07:51,604 ものってさ ささいなものでも情が移るでしょ。 106 00:07:51,604 --> 00:07:56,476 分かります! ヤツは そこをついてくるわけよ。 107 00:07:56,476 --> 00:08:01,881 えっ ヤツって彼氏のことですか? 別れようって決まったあとでさ➡ 108 00:08:01,881 --> 00:08:06,553 「じゃあ お互い どれを持っていくか 決めようか」なんて持ち出してきてさ。 109 00:08:06,553 --> 00:08:10,223 誰が そんな手に! 110 00:08:10,223 --> 00:08:12,892 思い出の品になんて向き合ったりしたら➡ 111 00:08:12,892 --> 00:08:17,564 ものに対する情が やがて 相手に対する情にすり替わって➡ 112 00:08:17,564 --> 00:08:21,434 結局 ダラダラと 関係を続けてしまうわけでしょ。 113 00:08:21,434 --> 00:08:26,906  回想 4年前に退職された 川端警部補から頂いたお品です。 114 00:08:26,906 --> 00:08:33,246 ダラダラって言っちゃうと あれですけど ほら じっくり考える期間と捉えれば。 115 00:08:33,246 --> 00:08:38,118 何 真野さん ヤツの味方? 別に味方ってわけじゃ…。 116 00:08:38,118 --> 00:08:42,589 ねえ。 私の中にも真野さんの中にも➡ 117 00:08:42,589 --> 00:08:45,258 椅子は1つしかないんだよ? うん。 118 00:08:45,258 --> 00:08:49,596 本当に大事な人が現れた時に その椅子が埋まっていたら どうするの? 119 00:08:49,596 --> 00:08:53,266 くだらない男が座っていたら。 決して くだらなくなんてありません! 120 00:08:53,266 --> 00:08:56,936 また 味方する。 えっ 何なの? 知り合い? 121 00:08:56,936 --> 00:08:59,639 知りませんよ そんなヤツ! 122 00:09:04,210 --> 00:09:07,914 私たちは仲よくしましょうよ。 確かに。 123 00:09:16,222 --> 00:09:18,224 (ため息) 124 00:09:31,237 --> 00:09:53,927 ♬~ 125 00:09:53,927 --> 00:09:57,597 うわっ…! えっ 宇田川さん いつから? 126 00:09:57,597 --> 00:10:02,268 ここで声をかけたら また迷わせるかと思い➡ 127 00:10:02,268 --> 00:10:05,171 それとなく 気配で知らせることにしたんだ。 128 00:10:05,171 --> 00:10:09,175 あ… 次回は別の方法で知らせて下さい。 129 00:10:19,285 --> 00:10:23,156 ん? これは? 130 00:10:23,156 --> 00:10:25,158 ん? 131 00:10:27,160 --> 00:10:30,163 川端警部補の? 132 00:10:34,300 --> 00:10:36,236 うわっ あぁ! 133 00:10:36,236 --> 00:10:39,973 あっ! あっ ごめんなさい。 私が そんなところに置いといたから…。 134 00:10:39,973 --> 00:10:42,642 いやいや 俺の不注意だ。 ハンカチなんかじゃ…。 135 00:10:42,642 --> 00:10:45,979 私 タオル持ってるんで。 大丈夫だって そんな。 136 00:10:45,979 --> 00:10:49,849 そのお茶 昨日から置いてあるんです。 突然 徳大寺くんが持ってきて。 137 00:10:49,849 --> 00:10:52,152 あっ あった! 138 00:10:57,323 --> 00:11:01,327 ハハハハ… それは タオルじゃな… ない。 139 00:11:04,130 --> 00:11:06,132 どうした? 140 00:11:09,903 --> 00:11:12,205 あれ? 141 00:11:14,807 --> 00:11:16,809 何でだろ…。 142 00:11:16,809 --> 00:11:21,948 ♬~ 143 00:11:21,948 --> 00:11:24,617 谷崎警部! そっちは どうした? 144 00:11:24,617 --> 00:11:27,287 またにします。 しなくていい! 145 00:11:27,287 --> 00:11:31,624 何でもないの。 どうしたの? 146 00:11:31,624 --> 00:11:35,962 4年前に退職された 川端警部補の私物を見つけて…。 147 00:11:35,962 --> 00:11:43,269 退職した刑事の… 私物だと? 148 00:11:50,310 --> 00:11:52,245 中身は? 149 00:11:52,245 --> 00:11:54,981 宇田川さんが 警部が来るまでは開けるなと。 150 00:11:54,981 --> 00:11:58,651 以前 ほかの署でありました。 ある刑事が 継続捜査中の事件を➡ 151 00:11:58,651 --> 00:12:01,554 誰にも引き継がないまま退職して…。 あったな。ええ。 152 00:12:01,554 --> 00:12:06,459 そんなにまずいことなの? 重大な不祥事なんです。 153 00:12:06,459 --> 00:12:10,930 万が一 この中に 継続捜査中の証拠品が入ってた場合➡ 154 00:12:10,930 --> 00:12:15,802 我々は 事件を4年間も放置してたことになる。 155 00:12:15,802 --> 00:12:19,606 か… 川端警部補は そんな無責任な方じゃありません! 156 00:12:19,606 --> 00:12:22,942 ちょっと待て。 念のため 遠藤警部補にも。 157 00:12:22,942 --> 00:12:26,613 どうして ここで部下を呼ぶんですか? あの人 何でも教えないとうるさいからさ。 158 00:12:26,613 --> 00:12:28,548 開けましょう。 絶対 違いますから。 待てって! 159 00:12:28,548 --> 00:12:31,484 いっそ 見なかったことにしちゃえば? そんな不正が許されるか! 160 00:12:31,484 --> 00:12:33,953 だったら さっさと開けなさいよ! ええ 開ければいいんですね! 161 00:12:33,953 --> 00:12:36,623 開けるよ! しかし まだ 心の準備が…。 162 00:12:36,623 --> 00:12:40,960 またか! 真野さんの好きにさせてやって下さい! 163 00:12:40,960 --> 00:12:43,263 おい おい! 164 00:12:46,633 --> 00:12:49,969 ボールペン? 165 00:12:49,969 --> 00:12:52,639 証拠品じゃないだろうな。 いいえ。 166 00:12:52,639 --> 00:12:57,310 これは 川端警部補が愛用していた ボールペンです。 167 00:12:57,310 --> 00:13:01,180 そうか。 何だ 真野さんのじゃないのかよ。 168 00:13:01,180 --> 00:13:05,118 おい 散らかしたら片づけろ! 169 00:13:05,118 --> 00:13:08,421 全部 インクが切れてる。 170 00:13:11,591 --> 00:13:14,494 じゃあ 捨てましょう。 171 00:13:14,494 --> 00:13:19,265 それは私の私物だけにして下さい。 えっ 今度こそ本当にゴミだよ。 172 00:13:19,265 --> 00:13:21,601 そうですけど… ゴミですけど…。 173 00:13:21,601 --> 00:13:25,271 いや そうとも言い切れない。 というと? 174 00:13:25,271 --> 00:13:31,144 これが全部 川端さん一人で 使いきったものだとすれば➡ 175 00:13:31,144 --> 00:13:35,281 刑事になってから 一度も 捨てたことがなかったのかもしれないよ。 176 00:13:35,281 --> 00:13:37,216 きっと そうです! 177 00:13:37,216 --> 00:13:42,955 となると このボールペンの山は➡ 178 00:13:42,955 --> 00:13:48,661 川端さんが関わった全ての事件を 記したことになる。 179 00:13:51,964 --> 00:13:54,634 おっしゃるとおりです。 180 00:13:54,634 --> 00:14:00,640 それは… 捨てられないわよね。 181 00:14:03,242 --> 00:14:06,579 ゆうべと おっしゃってることが…。 え? 182 00:14:06,579 --> 00:14:08,514 ああ いえ…。 183 00:14:08,514 --> 00:14:24,130 ♬~ 184 00:14:24,130 --> 00:14:44,283 ♬~ 185 00:14:44,283 --> 00:14:46,285 うわっ! 186 00:14:47,954 --> 00:14:50,623 別の方法で知らせたよ。 187 00:14:50,623 --> 00:14:57,330 ♬~