1 00:00:01,802 --> 00:01:05,732 ♬~ 2 00:01:05,732 --> 00:01:09,536 (あき) えっ? 清原先生を引き取りたいて? 3 00:01:09,536 --> 00:01:15,008 (純子)うん。 秀平さんに急に言われて 私も面食ろうてしもたんやけど。 4 00:01:15,008 --> 00:01:18,378 (恭子) それで お姉ちゃん 何て言うたん? 5 00:01:18,378 --> 00:01:20,714 黙っててん。 6 00:01:20,714 --> 00:01:24,017 そやかて 何て言うてええのか 分からへんし…。 7 00:01:24,017 --> 00:01:28,555 そやけど 秀平さんも また 何で そないなことを…。 8 00:01:28,555 --> 00:01:33,226 そら 清原先生が お気の毒やいう 気持ちは分かるで。 9 00:01:33,226 --> 00:01:36,129 分かるけど なにも 寝込んでしまわはったとか➡ 10 00:01:36,129 --> 00:01:39,399 そういうことや ないんやし…。 (恭子)当たり前や。 11 00:01:39,399 --> 00:01:42,035 なんぼ なんでも 非常識やわ。 12 00:01:42,035 --> 00:01:47,574 ほんまに 秀平さん 清原先生に 引き取るて言うてしまわはったんやろか。 13 00:01:47,574 --> 00:01:50,611 そういうわけでも ないらしいのや。 14 00:01:50,611 --> 00:01:54,114 (秀平)ごめんください。 はい。 15 00:02:02,856 --> 00:02:04,791 どないしはったん? 16 00:02:04,791 --> 00:02:08,362 さっきの話だけどね。 さっきのて? 17 00:02:08,362 --> 00:02:12,866 清原先生 引き取るという話。 ああ。 18 00:02:12,866 --> 00:02:16,370 ごめん。 あれ なかったことにしてくれないか。 19 00:02:20,207 --> 00:02:22,876 つい 口に出してしまったんだ。 20 00:02:22,876 --> 00:02:24,811 気にしないでほしい。 21 00:02:24,811 --> 00:02:27,114 いや そやけど…。 いや いいんだ いいんだ。 22 00:02:30,617 --> 00:02:32,619 じゃ。 23 00:02:36,223 --> 00:02:43,563 ♬~ 24 00:02:43,563 --> 00:02:48,435 (あき)よかったやないの。 秀平さんが取り消すと言うてくれはって。 25 00:02:48,435 --> 00:02:51,038 取り消して 当たり前やわ。 26 00:02:51,038 --> 00:02:54,408 そやけど 秀平さん➡ 27 00:02:54,408 --> 00:02:59,746 おなかの中では まだ 清原先生を 引き取りたいと思てはる。 28 00:02:59,746 --> 00:03:04,985 思てはったかて 自分の口から 取り消すと言わはったんやから。 29 00:03:04,985 --> 00:03:10,290 私が ええ顔せえへんかったから それで 取り消す言わはったんやわ。 30 00:03:12,692 --> 00:03:16,563 恭子。 明日 お店を手伝うて。 31 00:03:16,563 --> 00:03:19,366 私な 下市へ行ってくる。 32 00:03:19,366 --> 00:03:23,203 何を言うてるのや。 秀平さんが ええて言うてはるんやから。 33 00:03:23,203 --> 00:03:26,106 そやから 清原先生に会うて➡ 34 00:03:26,106 --> 00:03:30,944 清原先生が どない思てはるか 聞いてくる。 35 00:03:30,944 --> 00:03:33,213 ああいう お人やから➡ 36 00:03:33,213 --> 00:03:36,883 私らのやっかいには ならんよて 言わはると思うけど➡ 37 00:03:36,883 --> 00:03:40,754 そやけど 清原先生に お目にかからんと➡ 38 00:03:40,754 --> 00:03:44,758 頭から秀平さんに反対するのは 私 嫌なんや。 39 00:03:44,758 --> 00:03:47,527 じゃ もし 清原先生が➡ 40 00:03:47,527 --> 00:03:51,431 そんなら お世話になろうかって 言わはったら どないすんねや。 41 00:03:51,431 --> 00:03:53,900 その時は お世話したら ええことやんか。 42 00:03:53,900 --> 00:03:57,738 純子。 そんな簡単なもんやあらへんで。 43 00:03:57,738 --> 00:04:01,174 よう分かってるけど そやけど➡ 44 00:04:01,174 --> 00:04:04,845 このままでは 私も気まずいし。 45 00:04:04,845 --> 00:04:08,715 (雄太)ただいま。 (3人)お帰り。 46 00:04:08,715 --> 00:04:12,986 (あき)おなかすいてるやろ? うん。 なんぞある? 47 00:04:12,986 --> 00:04:16,990 さつま汁があるけど。 あ~ ええなあ。 48 00:04:20,861 --> 00:04:24,531 どないしたん? 何で? 49 00:04:24,531 --> 00:04:26,566 深刻な顔してるみたいやから。 50 00:04:26,566 --> 00:04:28,702 そんなことあらへんよ。 51 00:04:28,702 --> 00:04:31,004 そんなら ええけど。➡ 52 00:04:31,004 --> 00:04:33,540 恭子姉ちゃん 宝塚 今日でしまいやろ。 53 00:04:33,540 --> 00:04:37,878 そうや。 当分 居候させてもらうからね。 54 00:04:37,878 --> 00:04:43,216 そや 僕な 実はな 残業のな…。 55 00:04:43,216 --> 00:04:46,887 まあ 毎日毎日 残業で大変やなあ。 56 00:04:46,887 --> 00:04:50,757 ほんま。 いつ 音ぇ上げるかと思てたけど よう頑張ってるわ。 57 00:04:50,757 --> 00:04:54,027 いや そうでもないけど。 58 00:04:54,027 --> 00:04:57,397 どないしたん? いやいや。 59 00:04:57,397 --> 00:04:59,833 残業のことで 何か言いかけたんと違う? 60 00:04:59,833 --> 00:05:05,705 いや… 当分残業やと 言おうと思たまでや。 61 00:05:05,705 --> 00:05:08,508 いただきます。 62 00:05:08,508 --> 00:05:10,810 ああ うまいわ。 63 00:05:14,314 --> 00:05:18,852 そんな そら ちょっと いくら何でも かわいそうやわ。 64 00:05:18,852 --> 00:05:21,855 そら 清原先生かて お気の毒か分からん。 65 00:05:21,855 --> 00:05:25,725 けど あんた なんも 新婚さんが 年寄り抱え込むことないわらよ。 66 00:05:25,725 --> 00:05:29,996 そんな 私に文句を言われたかて…。 67 00:05:29,996 --> 00:05:33,366 (ぬひ) それはね 速水さんが ようないねん。 68 00:05:33,366 --> 00:05:36,269 速水さんの方からな ひと言 そんなこと せんでもええて➡ 69 00:05:36,269 --> 00:05:38,872 言わはったら ええのやないか。 あんた また 聞きやったん? 70 00:05:38,872 --> 00:05:42,709 また 聞きやったんて 聞こえてるがな。 何考えてんの あの人。 71 00:05:42,709 --> 00:05:45,378 嬢さんが かわいそうやろ。 そやろ? そうそう。 72 00:05:45,378 --> 00:05:48,715 ほんでな 大体 年寄りちゅうのはな わがままなもんなんや。 73 00:05:48,715 --> 00:05:51,384 そら ほんまの親やったら しょうない 我慢もせんならんよ。 74 00:05:51,384 --> 00:05:55,722 そやけど 清原先生いうたら 秀平さんの… 何やの おばあちゃんの➡ 75 00:05:55,722 --> 00:05:59,226 おばあちゃんの おばあちゃんの… おばあちゃんと何か縁続きでも➡ 76 00:05:59,226 --> 00:06:02,495 遠い遠い縁続きや。 ほとんど 他人やらよ。 77 00:06:02,495 --> 00:06:06,166 ちょっと 恭子ちゃん あのね 嬢さんの方が➡ 78 00:06:06,166 --> 00:06:08,835 自分の方から引き取ってもええて 言わはりましたんか? 79 00:06:08,835 --> 00:06:10,770 ちゃいまっしゃろな。 どう どう? 80 00:06:10,770 --> 00:06:12,706 私 よう分からへんねんけど➡ 81 00:06:12,706 --> 00:06:16,710 最初は 秀平さんが 引き取りたいようなこと 言わはって➡ 82 00:06:16,710 --> 00:06:21,181 それで お姉ちゃんが 一応 様子を見に ということらしいねん。 83 00:06:21,181 --> 00:06:23,216 そら そうですがな あんた。 なあ。 84 00:06:23,216 --> 00:06:27,954 結婚前の娘さんが お婿さんになる人に 言われたら 嫌と言われへんやん。 85 00:06:27,954 --> 00:06:29,889 (もも)言えてる。 言えてるやろ? 86 00:06:29,889 --> 00:06:32,859 そこんとこ あの 速水さん あれ 考えたらへんのや。 87 00:06:32,859 --> 00:06:35,729 ずうたいばっかり大きいて 何考えて…。 ちょっと 後ろ見て。 88 00:06:35,729 --> 00:06:37,731 何が後ろやの あんた。 こんにちは。 89 00:06:37,731 --> 00:06:39,866 お越し。 純子さん いますか? 90 00:06:39,866 --> 00:06:41,801 ちょっと ちょっと ちょっと 速水さん。 91 00:06:41,801 --> 00:06:44,738 あんたな 清原先生 引き取りはりまんねんて? 92 00:06:44,738 --> 00:06:47,007 何を考えてはりまんねんの あんた。 93 00:06:47,007 --> 00:06:50,210 新婚家庭だっせ。 親なら ともかく➡ 94 00:06:50,210 --> 00:06:52,245 年寄り引き取って どないしはりまんねんな あんた。 95 00:06:52,245 --> 00:06:56,549 嬢さん かわいそうやおまへんか。 その話 僕 取り消しましたけど。 96 00:06:56,549 --> 00:06:59,819 あら。でも お姉ちゃんは 下市へ行きました。 97 00:06:59,819 --> 00:07:03,490 清原先生の所へ。 えっ 本当? 98 00:07:03,490 --> 00:07:07,494 とにかく 一度 お目にかかる言うて。 99 00:07:14,134 --> 00:07:18,338 (西川)ごめんください。 (あき)はい。 100 00:07:18,338 --> 00:07:22,842 あら 西川さん。 いや どこ行かはるんですか? 101 00:07:22,842 --> 00:07:25,679 ちょっと 東京の方へ。 102 00:07:25,679 --> 00:07:27,981 えっ 東京へ? 103 00:07:27,981 --> 00:07:31,351 東京に来てみたらどうや ちゅう 友達がいてましてね。 104 00:07:31,351 --> 00:07:35,689 10日間ほど 勝負してこうと 思てまんねや。 105 00:07:35,689 --> 00:07:37,624 まあ。 106 00:07:37,624 --> 00:07:41,561 ちょっと留守しますけども すんまへん よろしく。 107 00:07:41,561 --> 00:07:43,563 はい 分かりました。 108 00:07:43,563 --> 00:07:47,300 それに 純子ちゃんの結婚式に 出れまへんけども➡ 109 00:07:47,300 --> 00:07:51,538 よろしく お伝えください。 ご丁寧に ありがとうございます。 110 00:07:51,538 --> 00:07:55,041 ほな 失礼します。 気ぃ付けて。 111 00:07:59,713 --> 00:08:02,315 ほな 行ってくるわ。 112 00:08:02,315 --> 00:08:04,317 一枚。 113 00:08:07,821 --> 00:08:09,756 (シャッター音) 114 00:08:09,756 --> 00:08:12,692 それじゃあ。 115 00:08:12,692 --> 00:08:15,161 お帰んなさい。 116 00:08:15,161 --> 00:08:18,064 純子さん 下市へ いらしたそうですね。 117 00:08:18,064 --> 00:08:21,935 ええ 清原先生に お目にかかるんや 言うて。 118 00:08:21,935 --> 00:08:24,504 すいません 僕が余計なこと言ったばっかりに。 119 00:08:24,504 --> 00:08:26,840 いいえ。 120 00:08:26,840 --> 00:08:30,844 今日から こっち移ります。 ご苦労さんです。 121 00:08:38,852 --> 00:08:44,724 (清原)そりゃ 秀平君の気持ちは ありがたいがね➡ 122 00:08:44,724 --> 00:08:51,431 僕も やっと 下市の暮らしに 慣れたところでね。 123 00:08:51,431 --> 00:08:57,871 年を取ってから 場所を変わるのは あまり好まんのだよ。 124 00:08:57,871 --> 00:08:59,806 そやけど…。 125 00:08:59,806 --> 00:09:04,310 秀平君が 何か言ったのかね? 126 00:09:04,310 --> 00:09:07,947 お世話してくれてはった 奥さんの いとこさんが➡ 127 00:09:07,947 --> 00:09:09,883 亡くならはったんでしょう? 128 00:09:09,883 --> 00:09:12,786 うむ。 129 00:09:12,786 --> 00:09:19,492 別に 居づらいとか そういうことじゃないんだ。 130 00:09:19,492 --> 00:09:23,963 この土蔵の中で 毎日ね➡ 131 00:09:23,963 --> 00:09:30,503 回想録を書いたり 法律の雑誌に寄稿したり➡ 132 00:09:30,503 --> 00:09:34,207 結構 忙しく暮らしてるよ。 133 00:09:35,975 --> 00:09:41,181 秀平さんは 大勢の家族に囲まれて住むのが➡ 134 00:09:41,181 --> 00:09:43,983 好きや 言うてはりました。 135 00:09:43,983 --> 00:09:48,354 それで 先生に 大阪へ来てほしいて 言うたんやと思います。 136 00:09:48,354 --> 00:09:52,192 いや せっかくだが断る。 137 00:09:52,192 --> 00:09:56,062 まして あなた方は 新婚じゃないか。 138 00:09:56,062 --> 00:09:59,365 そういうところへ のこのこ行けるかどうか➡ 139 00:09:59,365 --> 00:10:03,536 考えてもみなさい。 いえ 私は…。 140 00:10:03,536 --> 00:10:07,006 あなたが よくても 私が困る。 141 00:10:07,006 --> 00:10:10,543 遠いところを来ていただいて すまんが➡ 142 00:10:10,543 --> 00:10:14,380 帰ったら 秀平君に言ってください。 143 00:10:14,380 --> 00:10:18,084 お気持ちだけで たくさんだとね。 144 00:10:19,719 --> 00:10:25,024 さあ 今なら まだ 5時11分の電車に間に合う。 145 00:10:25,024 --> 00:10:27,827 遅くならないうちに お帰り。 146 00:10:30,730 --> 00:10:35,401 ほな 失礼します。 147 00:10:35,401 --> 00:10:38,304 先生も お元気で。 148 00:10:38,304 --> 00:10:41,040 ありがとう。 149 00:10:41,040 --> 00:11:06,100 ♬~ 150 00:11:06,100 --> 00:11:12,505 純子の胸に 複雑な思いが行き来していました。 151 00:11:25,418 --> 00:11:28,888 予想したとおり 清原欽一郎は➡ 152 00:11:28,888 --> 00:11:32,892 純子たちに引き取られることを 断りました。 153 00:11:32,892 --> 00:11:37,564 本当なら ほっとするところなのであります。 154 00:11:37,564 --> 00:11:44,771 しかし 純子の気持ちは なぜか 重たく沈んでいくのであります。 155 00:12:10,863 --> 00:12:16,369 純子さん 帰ったんじゃなかったのかね? 156 00:12:16,369 --> 00:12:18,304 帰るつもりでした。 157 00:12:18,304 --> 00:12:22,008 でも 自然に足が 元に戻ってしもたんです。 158 00:12:25,878 --> 00:12:31,217 清原先生 やっぱり 大阪へ来てください。 159 00:12:31,217 --> 00:12:35,722 いや しかし 私は 別に ここの暮らしに不自由は…。 160 00:12:35,722 --> 00:12:39,392 いえ そんなことやないんです。 161 00:12:39,392 --> 00:12:43,896 先生が ここで 1人暮らしをしてはったら➡ 162 00:12:43,896 --> 00:12:50,403 私らの新婚生活が 楽しないような気がするんです。 163 00:12:50,403 --> 00:12:57,410 何や知らん 大切なもんが 一つ欠けてるような気がするんです。 164 00:13:00,513 --> 00:13:07,387 最初は 先生に来てもらうのは 重荷やなと思たんです。 165 00:13:07,387 --> 00:13:14,360 秀平さんが望んではるなら しかたないと思てました。 166 00:13:14,360 --> 00:13:23,369 先生が 断るて言わはった時は ちょっとだけ ほっとしましてん。 167 00:13:23,369 --> 00:13:27,540 でも 今は 先生に来てほしいんです。 168 00:13:27,540 --> 00:13:31,010 あきませんか? 169 00:13:31,010 --> 00:13:34,547 先生のためやのうて 私らのために➡ 170 00:13:34,547 --> 00:13:37,216 どうぞ来てください。 171 00:13:37,216 --> 00:13:40,553 君たちのために? 172 00:13:40,553 --> 00:13:42,889 そうです。 173 00:13:42,889 --> 00:13:46,225 秀平さんは 先生を➡ 174 00:13:46,225 --> 00:13:49,562 ほんまのお父さんやて 思てはります。 175 00:13:49,562 --> 00:13:55,268 私も ほんまの おじいちゃんのような気がしてます。 176 00:13:57,036 --> 00:14:07,680 ♬~ 177 00:14:07,680 --> 00:14:16,389 私はね 杉の大木のような生き方を好んだ。 178 00:14:16,389 --> 00:14:20,393 孤独という言葉が好きだった。 179 00:14:20,393 --> 00:14:24,864 ひとり そこに立つ。 180 00:14:24,864 --> 00:14:28,201 しかし…。 181 00:14:28,201 --> 00:14:33,005 お言葉に甘えて お世話になるかな。 182 00:14:35,375 --> 00:14:37,710 ありがとう。 183 00:14:37,710 --> 00:14:40,213 先生…。 184 00:14:42,381 --> 00:14:45,284 おおきに。 185 00:14:45,284 --> 00:14:55,094 ♬~