1 00:00:02,202 --> 00:01:06,133 ♬~ 2 00:01:06,133 --> 00:01:09,269 (恭子)私 気になって 来てみたんやけど➡ 3 00:01:09,269 --> 00:01:13,607 まだ帰ってないみたいやし…。 (あき)どないしたんやろ。 4 00:01:13,607 --> 00:01:16,643 (久助)これはね 家出ですよ。➡ 5 00:01:16,643 --> 00:01:19,479 うん。 みんなに つれなくされてね➡ 6 00:01:19,479 --> 00:01:23,283 もう 何もかも嫌になって 家出したんですよ。 7 00:01:23,283 --> 00:01:28,288 僕は 純子ちゃんの気持ちが 痛いほど 分かるな。 8 00:01:30,958 --> 00:01:33,760 (雄太)秀平さんに言うてくるわ。 9 00:01:36,630 --> 00:01:39,132 おかしいやないの。 10 00:01:41,301 --> 00:01:45,606 (秀平)そうですか。 分かりました。 11 00:01:49,176 --> 00:01:52,679 ぬひさん所には 立ち寄ってないそうです。 12 00:01:54,448 --> 00:01:59,286 恭子。 あんたが会うた時は お姉ちゃん どんな様子やった? 13 00:01:59,286 --> 00:02:03,256 「私かて 働くばっかりが能やない。➡ 14 00:02:03,256 --> 00:02:08,929 たまには 羽を伸ばさな 息が詰まる。 一度だけの人生や」って。 15 00:02:08,929 --> 00:02:10,864 一度だけの人生? 16 00:02:10,864 --> 00:02:13,100 本当に そんなこと 純子が言ってたの? 17 00:02:13,100 --> 00:02:16,003 言うてた。 (久助)秀平君➡ 18 00:02:16,003 --> 00:02:20,774 君がね 「誰も苦労をしてくれなんて 頼んだ覚えはない」なんてこと➡ 19 00:02:20,774 --> 00:02:23,810 言うからね こういうことに なったんですよ。 20 00:02:23,810 --> 00:02:28,115 純子ちゃんちゅう子はね 辛抱強い子ですよ。 21 00:02:28,115 --> 00:02:33,420 辛抱に辛抱を重ねた上 ついに こういうことに なったんですよ。 22 00:02:33,420 --> 00:02:35,956 (雄太)ヤケを起こしてしもたんやろか。 23 00:02:35,956 --> 00:02:40,460 そうやわ。 うちに帰らんと よそへ行ってしもたんやわ。 24 00:02:42,129 --> 00:02:44,164 僕が言い過ぎました。 25 00:02:44,164 --> 00:02:47,300 ううん そんなことないて。 26 00:02:47,300 --> 00:02:49,236 ⚟ごめんください。 27 00:02:49,236 --> 00:02:51,171 (あき)はい! あ お客さんや。 28 00:02:51,171 --> 00:02:54,641 すみません 日本海高校の先発隊の者ですけど。 29 00:02:54,641 --> 00:02:56,677 はい。 あっ お待ちしてました。 30 00:02:56,677 --> 00:03:01,081 私 監督の北見といいます。 こちら 部長の杉本先生。 31 00:03:01,081 --> 00:03:04,384 よろしくお願いします。 本隊は あさってに着きますから。 32 00:03:04,384 --> 00:03:06,319 そうですか。 どうぞ。 33 00:03:06,319 --> 00:03:08,255 ももさん! ももさん! 34 00:03:08,255 --> 00:03:10,590 じゃあ 上がらしてもらおうか。 35 00:03:10,590 --> 00:03:13,093 (もも)どうも いらっしゃいませ。 36 00:03:13,093 --> 00:03:15,996 松の間な 用意できてるな。 はい。 あの もう ちゃんと➡ 37 00:03:15,996 --> 00:03:18,265 掃除できてあります。 ほな ご案内して。 38 00:03:18,265 --> 00:03:22,102 はいはい。 どうぞ どうぞ。 お世話になります。 39 00:03:22,102 --> 00:03:24,905 (2人)お世話になります。 (あき)どうも。 40 00:03:30,610 --> 00:03:33,513 (恭子)なあ お母ちゃん どないしよ。 41 00:03:33,513 --> 00:03:37,484 どないも こないも 帰ってくるの待つより しょうがないやろ。 42 00:03:37,484 --> 00:03:40,787 これはね やはり 家出ですね。 43 00:03:40,787 --> 00:03:43,290 (清原)純子さんが? はい。 44 00:03:43,290 --> 00:03:47,127 私のとこに来ました時ね かなり悩んでましたからな。 45 00:03:47,127 --> 00:03:49,629 いや 純子は そんなことは…。 46 00:03:54,000 --> 00:03:57,137 陽子 お母ちゃん 見なんだか? 47 00:03:57,137 --> 00:04:00,107 (陽子)知らん。 お母ちゃん 帰ってるの? 48 00:04:00,107 --> 00:04:02,109 そやないんやけどな。 49 00:04:02,109 --> 00:04:06,246 すんません あの 日本海高校の皆さんは➡ 50 00:04:06,246 --> 00:04:08,915 晩ごはんを6時半にしてくれて 言われてました。 51 00:04:08,915 --> 00:04:12,419 はい。 ほな 石田君に そない言うといて。 はい。 52 00:04:19,259 --> 00:04:22,262 開けっ放しにして。 53 00:04:24,131 --> 00:04:27,400 おかあさん すいません。 54 00:04:27,400 --> 00:04:30,303 何を言うてるのや。 まだ明るいやないの。 55 00:04:30,303 --> 00:04:33,774 心配せんで ええて。 でも…。 56 00:04:33,774 --> 00:04:37,944 あきさん。 これはね 7時まで待ってね➡ 57 00:04:37,944 --> 00:04:41,281 帰ってこない場合は やはり 捜した方が いいですよ。 58 00:04:41,281 --> 00:04:43,950 そんな そのうち帰ってきますて。 59 00:04:43,950 --> 00:04:47,287 僕 ちょっと見てきます。 秀平さん 見に行く言うたかて。 60 00:04:47,287 --> 00:04:51,158 ちょっと心配なんですよ。 大丈夫やて。➡ 61 00:04:51,158 --> 00:04:54,161 恭子 あんた ちょうどええとこへ来たな。 手伝うて。 62 00:04:54,161 --> 00:04:57,430 ほら そう言うやろと思てたわ。 63 00:04:57,430 --> 00:05:00,133 都合悪いのか? そんなことないやろ? 64 00:05:00,133 --> 00:05:04,104 あんた 純子と温泉行く言うてたんやから どうせ 暇はあるんやろ。 65 00:05:04,104 --> 00:05:06,406 へいへい。 66 00:05:14,080 --> 00:05:19,085 僕らが言うたことで お姉ちゃん 傷ついてしもたんやで。 67 00:05:22,589 --> 00:05:27,260 まあ とにかくね 純子ちゃんが帰ってきたら➡ 68 00:05:27,260 --> 00:05:30,096 謝っといた方が いいと思うよ。 69 00:05:30,096 --> 00:05:33,400 しかし 家出とすると➡ 70 00:05:33,400 --> 00:05:36,403 純子さんらしくないな。 71 00:05:39,272 --> 00:05:41,274 お父ちゃん 遊ぼう。 72 00:05:41,274 --> 00:05:45,412 あとあと。 お父ちゃん 忙しいんだ。 73 00:05:45,412 --> 00:05:47,914 つまらんなあ。 74 00:05:51,952 --> 00:05:53,954 (陽子)フフフフ。 75 00:05:55,822 --> 00:05:58,425 おばあちゃん じょうろ どこに しまったん? 76 00:05:58,425 --> 00:06:02,229 じょうろか? あの 階段の下に バケツやなんか入ってるとこ あるやろ。 77 00:06:02,229 --> 00:06:04,231 あそこや。 は~い。 78 00:06:10,904 --> 00:06:13,807 おばあちゃん バケツは? 79 00:06:13,807 --> 00:06:16,610 ⚟(あき)バケツも 同じとこやで! 80 00:06:32,259 --> 00:06:35,095 おばあちゃん ふるいは? 81 00:06:35,095 --> 00:06:37,397 ⚟(あき)ふるいも 同じとこや! 82 00:06:37,397 --> 00:06:49,009 ♬~ 83 00:06:49,009 --> 00:06:51,278 (純子)し~っ! 84 00:06:51,278 --> 00:06:53,280 あっ お母ちゃんや。 85 00:06:53,280 --> 00:06:57,150 黙ってな あかんよ。 お母ちゃん 何してるの? 86 00:06:57,150 --> 00:06:59,953 かくれんぼや。 かくれんぼ? 87 00:06:59,953 --> 00:07:02,923 そうや。 そやから 誰にも言うたら あかんで。 88 00:07:02,923 --> 00:07:04,925 おばあちゃんにも? うん。 89 00:07:04,925 --> 00:07:09,629 おばあちゃんにも お父ちゃんにも 誰にもや。 分かった? 90 00:07:09,629 --> 00:07:11,631 ほな 閉めるで。 91 00:07:20,907 --> 00:07:23,743 陽子 何してるんだ? 92 00:07:23,743 --> 00:07:27,247 何にも してへん。 ここ 誰もいてへんよ。 93 00:07:27,247 --> 00:07:30,750 当たり前だろ。 こんなとこ 誰もいるわけじゃないか。 94 00:07:39,826 --> 00:07:44,664 ⚟(久助)だからね どうして そんなことを言ったのだというんだ。 95 00:07:44,664 --> 00:07:49,636 ⚟(雄太)僕は お姉ちゃんが 家族のために犠牲になってるやなんて➡ 96 00:07:49,636 --> 00:07:51,771 そんなこと 思いたないさかい。 97 00:07:51,771 --> 00:07:54,407 ⚟(久助)しかし それは 事実でしょう。 98 00:07:54,407 --> 00:07:57,610 しかし 秀平君も よう言うたもんやね。 99 00:07:57,610 --> 00:08:01,348 「誰も 苦労してくれと 頼んだ覚えはない」やなんて➡ 100 00:08:01,348 --> 00:08:05,885 そんなこと聞いてね おかしくならない方が おかしいよ。 101 00:08:05,885 --> 00:08:10,724 校長先生。 心配してはる お気持ちは ありがたいんですけれども➡ 102 00:08:10,724 --> 00:08:15,061 いつ帰るか分からんもん 待ってもろても しょうがおませんさかい。 103 00:08:15,061 --> 00:08:17,897 はい それじゃ まあ 失礼します。➡ 104 00:08:17,897 --> 00:08:19,833 純子ちゃんが帰ってきたら➡ 105 00:08:19,833 --> 00:08:23,770 正太夫倶楽部の方へ 電話下さいね。 私も心配ですから。 106 00:08:23,770 --> 00:08:25,772 (あき)はい。 (久助)はい それじゃあ。 107 00:08:25,772 --> 00:08:28,908 (もも)えらいこっちゃ えらいこっちゃ。 あっ 奥さん バケツ バケツ バケツ。 108 00:08:28,908 --> 00:08:30,844 (あき)どないしたん? (もも)梅の間のお客さんな➡ 109 00:08:30,844 --> 00:08:34,581 インク 畳に こぼいてしもたんよ。 えらいこっちゃ。 110 00:08:34,581 --> 00:08:36,516 あっ これ これ これ。 111 00:08:36,516 --> 00:08:39,319 ほんまに 何してくれるこっちゃ もう…。 112 00:08:46,092 --> 00:08:49,596 (あき)何? 何でもないよ。 113 00:08:49,596 --> 00:08:53,266 じょうろな 遊んだあと ちゃんと 元へ戻しとかなあかんで。 114 00:08:53,266 --> 00:08:55,769 うん。 115 00:08:55,769 --> 00:08:59,639 ねえ 洗面所 どこ? あっちや。 116 00:08:59,639 --> 00:09:02,042 あ 金魚の じょうろだ。 117 00:09:02,042 --> 00:09:05,078 ここ開けたら あかんし。 118 00:09:05,078 --> 00:09:08,915 どうして? 何ででも。 119 00:09:08,915 --> 00:09:11,051 何が入ってるの? 120 00:09:11,051 --> 00:09:13,553 何にも 入ってえへん。 121 00:09:15,889 --> 00:09:17,924 ちょっと 開けてみせてよ。 122 00:09:17,924 --> 00:09:20,727 あかん。 123 00:09:20,727 --> 00:09:23,563 変な女の子だなあ。 124 00:09:23,563 --> 00:09:33,373 ♬~ 125 00:09:35,575 --> 00:09:38,578 はい 恭子ちゃん。 はい。 126 00:09:42,082 --> 00:09:44,117 (あき)はい 松の間 出来たで。 127 00:09:44,117 --> 00:09:46,586 はい。 これ 松の間ですね。 すんません。 128 00:09:46,586 --> 00:09:48,521 いえ 純子がいないんですから 僕 代わりに手伝いますよ。 129 00:09:48,521 --> 00:09:50,924 おおきに。 お風呂 出来たで。 130 00:09:50,924 --> 00:09:53,593 ほんなら 桐の間のお客さんに どうぞ言うて。 131 00:09:53,593 --> 00:09:56,296 石田君 おすましの味 見て。 (石田)はい。 132 00:10:00,366 --> 00:10:02,936 オッケーです。 おすまし 出来たで。 133 00:10:02,936 --> 00:10:04,871 (一同)は~い。 134 00:10:04,871 --> 00:10:08,274 (雄太)これ 梅の間 持ってくで。 135 00:10:08,274 --> 00:10:11,778 (あき)これ 持ってってや。 136 00:10:11,778 --> 00:10:16,950 ♬~ 137 00:10:16,950 --> 00:10:19,786 (階段を下りる音) 138 00:10:19,786 --> 00:10:24,290 あっ あの バケツ どうもありがとうございました。 139 00:10:24,290 --> 00:10:26,292 どういたしまして。 140 00:10:39,139 --> 00:10:41,641 あっ! 141 00:10:41,641 --> 00:10:43,576 どないしたんですか? 142 00:10:43,576 --> 00:10:45,512 誰か そん中に。 (雄太)えっ? 143 00:10:45,512 --> 00:10:47,514 (もも)何な? 何な? 144 00:10:47,514 --> 00:10:50,149 お姉ちゃん! えっ? 145 00:10:50,149 --> 00:10:52,986 (泣き声) 146 00:10:52,986 --> 00:10:56,656 (あき)何をしてるのや。 (雄太)いつから そんなとこにおるんや。 147 00:10:56,656 --> 00:11:00,159 純子…。 あっ かくれんぼ 見つかってしもたん? 148 00:11:01,628 --> 00:11:03,763 (あき)かくれんぼ? 149 00:11:03,763 --> 00:11:06,599 陽子 知ってたのか? うん。 150 00:11:06,599 --> 00:11:12,105 それで…。 どうも おかしいと思ってたんだ。 151 00:11:12,105 --> 00:11:14,908 じゃあ ずっと ここにいたのか? 152 00:11:18,778 --> 00:11:20,980 (あき)はよう出ておいで。 153 00:11:22,949 --> 00:11:24,951 出よう。 154 00:11:31,624 --> 00:11:34,427 汗びっしょりやんか。 155 00:11:34,427 --> 00:11:37,964 おどかそ思て 隠れてたんやけど➡ 156 00:11:37,964 --> 00:11:40,867 だんだん 出られんようになってしもて➡ 157 00:11:40,867 --> 00:11:44,837 そのうち 何や悲しなってきて…。 158 00:11:44,837 --> 00:11:48,308 よかった。 家出かもしれないって 心配してたんだよ。 159 00:11:48,308 --> 00:11:50,310 (泣き声) 160 00:11:50,310 --> 00:11:54,447 ごめん。 僕も言い過ぎたのかもしれない。 161 00:11:54,447 --> 00:11:56,382 謝る。 162 00:11:56,382 --> 00:11:59,152 僕も謝る。 163 00:11:59,152 --> 00:12:11,798 ♬~ 164 00:12:11,798 --> 00:12:16,402 あの時は 君の物言いに つい カッとして➡ 165 00:12:16,402 --> 00:12:21,240 「苦労してくれと頼んだ覚えはない」なんて 言ってしまったんだよ。 166 00:12:21,240 --> 00:12:23,776 君に いつも感謝してることに 変わりはない。 167 00:12:23,776 --> 00:12:26,813 ううん おおきに。 168 00:12:26,813 --> 00:12:32,785 物置の中で考えたんやけどな ほんまに そのとおりやわ。 169 00:12:32,785 --> 00:12:37,290 私は 誰に頼まれたわけでもないねん。 170 00:12:37,290 --> 00:12:41,127 みんなのお世話をするのが 楽しいし うれしいし➡ 171 00:12:41,127 --> 00:12:44,030 そやから 毎日 バタバタしてるのや。 172 00:12:44,030 --> 00:12:47,433 そうせんと 気が済まんだけなんや。 173 00:12:47,433 --> 00:12:51,804 ほんまに 誰に頼まれたわけでもないねんけど➡ 174 00:12:51,804 --> 00:12:56,142 人のお世話をするのが 性に合うてるねん。 175 00:12:56,142 --> 00:13:01,914 私… 何で 私が苦労してんのに みんな 勝手なことして なんて➡ 176 00:13:01,914 --> 00:13:04,384 言うてしもたんやろな。 177 00:13:04,384 --> 00:13:07,253 (あき)誰も同じやで 純子。 178 00:13:07,253 --> 00:13:10,590 子供に頼まれて 子供の世話 すんのやない。 179 00:13:10,590 --> 00:13:13,626 子供の世話することで 自分が うれしいんや。 180 00:13:13,626 --> 00:13:15,928 それだけのことや。 181 00:13:21,768 --> 00:13:23,770 (清原)純子さん。 182 00:13:39,619 --> 00:13:48,327 いや 僕は 美山村にいた頃から ずっと あなたを見てきたが➡ 183 00:13:48,327 --> 00:13:55,101 あなたは 月のような人だと思うよ。 184 00:13:55,101 --> 00:14:00,573 太陽のように 自分で輝くものもあれば➡ 185 00:14:00,573 --> 00:14:05,445 ほかからの光で輝くものもある。 186 00:14:05,445 --> 00:14:10,249 あなたは 本当に 月のような人だ。 187 00:14:10,249 --> 00:14:16,756 旅館の女将さんが 本当に似合ってると 僕は思うがね。 188 00:14:16,756 --> 00:14:19,392 おじいちゃん…。 189 00:14:19,392 --> 00:14:55,595 ♬~