1 00:00:33,271 --> 00:00:43,264 ♬~(テーマ曲) 2 00:00:43,264 --> 00:00:49,264 ♬~ 3 00:01:50,264 --> 00:01:55,219 (源一郎)お母さんに似てきたなあ。 4 00:01:55,219 --> 00:02:00,274 ♬~ 5 00:02:00,274 --> 00:02:06,214 (桜子)お父さん… ねえ お父さん! 6 00:02:06,214 --> 00:02:09,217 お父さん…。 7 00:02:09,217 --> 00:02:12,203 お父さん! お父さん! 8 00:02:12,203 --> 00:02:28,202 ♬~ 9 00:02:28,202 --> 00:02:32,206 (医師)ご愁傷さまでした。 10 00:02:32,206 --> 00:02:39,213 ♬~ 11 00:02:39,213 --> 00:02:43,201 (徳治郎)冗談じゃないよ。 12 00:02:43,201 --> 00:02:50,274 何だそりゃ。 おい! わしは まだ お前を 許しちゃおらんぞ! 13 00:02:50,274 --> 00:02:55,563 大事な娘のマサを お前なんぞに 嫁にやって➡ 14 00:02:55,563 --> 00:02:57,949 さんざん苦労させて➡ 15 00:02:57,949 --> 00:03:00,268 早死にさせた事を わしは…➡ 16 00:03:00,268 --> 00:03:04,268 わしは まだ お前を 許しちゃおらんぞ! 17 00:03:06,774 --> 00:03:10,278 (笛子)お父さん! 18 00:03:10,278 --> 00:03:13,764 (泣き声) 19 00:03:13,764 --> 00:03:20,271 (マサ)<桜子は 父に取りすがって 泣く事が できませんでした> 20 00:03:20,271 --> 00:03:25,276 ♬~ 21 00:03:25,276 --> 00:03:29,297 (子ども)おはよう! おはよう! 22 00:03:29,297 --> 00:03:35,303 <あの優しかった父。 いつも そばに いてくれた父が➡ 23 00:03:35,303 --> 00:03:41,225 もういないという実感が どうしても わかないのです> 24 00:03:41,225 --> 00:03:49,225 ♬~ 25 00:03:57,275 --> 00:04:05,275 (磯)桜ちゃん 何? それ。 お父さんに もらった物。 26 00:04:07,268 --> 00:04:10,271 [ 回想 ] これ 水晶? 27 00:04:10,271 --> 00:04:14,275 落石の現場で 見つけたんだ。 28 00:04:14,275 --> 00:04:17,261 きれいだね。 お前に やるよ。 29 00:04:17,261 --> 00:04:21,261 いいの? ああ。 30 00:04:26,203 --> 00:04:29,203 行ってきます! 行ってらっしゃい。 31 00:04:39,867 --> 00:04:45,756 ♬~ 32 00:04:45,756 --> 00:04:48,209 (ヒロ)いらっしゃいませ。 33 00:04:48,209 --> 00:04:55,800 ♬~ 34 00:04:55,800 --> 00:05:00,271 (河原)この度は ご愁傷さまでした。 35 00:05:00,271 --> 00:05:05,226 (杏子)お気遣い 恐れ入ります。 どうぞ。 36 00:05:05,226 --> 00:05:09,263 ♬~ 37 00:05:09,263 --> 00:05:14,218 いらっしゃいませ! どうぞ。 コーヒー お願いします。 38 00:05:14,218 --> 00:05:16,704 コーヒーを。 はい。 39 00:05:16,704 --> 00:05:21,709 一家の家長を 亡くすいう事は 大変な事です。 40 00:05:21,709 --> 00:05:24,712 経済的にも どえりゃあ打撃でしょう。 41 00:05:24,712 --> 00:05:27,281 ましてや あんたのうちには これから 上の学校に進む➡ 42 00:05:27,281 --> 00:05:32,269 弟さんもおる。 僕は 援助は 惜しまんつもりですわ。 43 00:05:32,269 --> 00:05:37,274 あんたと結婚すれば… の話ですが。 44 00:05:37,274 --> 00:05:41,612 それは 同情ですか? 45 00:05:41,612 --> 00:05:45,599 同情でも愛情でもありゃせんです。 夫としての義務ですわ。 46 00:05:45,599 --> 00:05:50,204 僕は 「愛情は 信じとらん」と 言ったでしょう。 47 00:05:50,204 --> 00:05:53,207 まあ もっとも さきざき あんたに つゆほども➡ 48 00:05:53,207 --> 00:06:00,214 愛情を感じんかどうかは… 僕自身にも 分かりませんが。 49 00:06:00,214 --> 00:06:08,889 ♬~ 50 00:06:08,889 --> 00:06:14,211 じゃ 失礼します。 51 00:06:14,211 --> 00:06:17,214 (ヒロ)ありがとうございました。 52 00:06:17,214 --> 00:06:39,937 ♬~ 53 00:06:39,937 --> 00:06:45,209 (達彦)この度は どうも。 いえ。 54 00:06:45,209 --> 00:06:47,711 母が 気にしておりました。 55 00:06:47,711 --> 00:06:51,215 「お父さんの お役に立てんで 申し訳なかった」って。 56 00:06:51,215 --> 00:06:53,200 何の事ですか? 57 00:06:53,200 --> 00:06:56,203 いい勤め先を 紹介してあげられんで。 58 00:06:56,203 --> 00:06:58,205 勤め先? 59 00:06:58,205 --> 00:07:02,209 お父さんの 定年後の 勤め先の事だけど。 60 00:07:02,209 --> 00:07:04,211 知らんかった? 61 00:07:04,211 --> 00:07:07,715 「娘の学費が必要だから」って 言っとったそうだけど➡ 62 00:07:07,715 --> 00:07:11,218 娘って 君の事だよね? 63 00:07:11,218 --> 00:07:15,773 ♬~ 64 00:07:15,773 --> 00:07:20,211 <父が 自分の進学のために 定年後の就職先を➡ 65 00:07:20,211 --> 00:07:27,211 探していた事を 桜子は その日まで 知らなかったのです> 66 00:07:28,936 --> 00:07:31,205 頂きます。 頂きます。 67 00:07:31,205 --> 00:07:37,211 <そして 初七日も済んだ ある日 父のいない食卓を➡ 68 00:07:37,211 --> 00:07:41,211 家族が囲みました> 69 00:07:47,271 --> 00:07:49,271 勇ちゃん。 70 00:07:55,279 --> 00:07:59,216 今日から ここは 勇ちゃんの席。 71 00:07:59,216 --> 00:08:03,204 あんたが 有森家の家長。 世帯主。 72 00:08:03,204 --> 00:08:08,209 戸籍の筆頭も 勇ちゃんに なるんだから 分かったね。 73 00:08:08,209 --> 00:08:13,214 こうしてみると 勇ちゃんも 随分 大きくなったねえ。 74 00:08:13,214 --> 00:08:18,202 大学に行く頃には お父さんと 同じぐらい 大きくなりんよ。➡ 75 00:08:18,202 --> 00:08:26,210 ほいでないとね お父さんの背広の 身幅 詰めるの大変なもんで。 76 00:08:26,210 --> 00:08:32,283 (勇太郎)俺 大学には行かんよ。 何 言っとるの? 77 00:08:32,283 --> 00:08:35,269 お父さんが おらんって事は うちには もう➡ 78 00:08:35,269 --> 00:08:39,223 笛姉ちゃんの 毎月の給料以外に 入ってくる金がないって事だら? 79 00:08:39,223 --> 00:08:41,275 私の洋裁の収入もあるから。 80 00:08:41,275 --> 00:08:43,611 そんなふうに みんなに 犠牲払ってもらってまで➡ 81 00:08:43,611 --> 00:08:45,880 大学に行って勉強したいとは 思わんよ。 82 00:08:45,880 --> 00:08:50,267 それよりも 少しでも早く 社会に出て 働きたいんだ。 83 00:08:50,267 --> 00:08:52,269 甘ったれた事 言うの やめてよ! 84 00:08:52,269 --> 00:08:56,206 甘ったれとらんよ その逆だよ! いいえ! 85 00:08:56,206 --> 00:08:58,208 あんたは 甘ったれとるの。 86 00:08:58,208 --> 00:09:02,212 有森家の長男としての責任から 逃れようとしとるのよ。➡ 87 00:09:02,212 --> 00:09:06,717 お父さんの後継ぎとして あなたは これから猛勉強をして➡ 88 00:09:06,717 --> 00:09:09,219 社会の中で 誰から見ても恥ずかしくない➡ 89 00:09:09,219 --> 00:09:12,273 立派な男に ならんといかんの! 90 00:09:12,273 --> 00:09:17,278 そのために 家族の払う犠牲は 甘んじて 受けなさい。 91 00:09:17,278 --> 00:09:22,278 そして 死ぬ気で頑張って 偉くなりん! 92 00:09:25,269 --> 00:09:31,775 これからは 誰にも頼れんのだから 自分を頼みにして➡ 93 00:09:31,775 --> 00:09:35,312 しっかり 生きていかんと。 94 00:09:35,312 --> 00:09:40,718 まあ もうええから 今日は そういう話は。 95 00:09:40,718 --> 00:09:46,273 さあ! 食べまい! 食べまい! 96 00:09:46,273 --> 00:09:51,261 何か 辛気くさくなったから 勇ちゃん ラジオつけて。 97 00:09:51,261 --> 00:09:56,261 ラジオ? 景気つけるのに 音楽 聴こう。 98 00:10:01,271 --> 00:10:21,375 ♬~(「セントルイス・ブルース」) 99 00:10:21,375 --> 00:11:56,203 ♬~ 100 00:11:56,203 --> 00:12:01,275 (源一郎)「東京の音楽学校の事 いつか君が言いだすだろうと➡ 101 00:12:01,275 --> 00:12:11,218 思っていました。 しっかりやって 下さい。 君なら だいじょうぶ」。 102 00:12:11,218 --> 00:12:28,268 ♬~ 103 00:12:28,268 --> 00:12:32,272 (作業員)有森さん! 有森さ~ん! 104 00:12:32,272 --> 00:12:36,293 は~い! 105 00:12:36,293 --> 00:12:39,313 すいません。 遅くなりまして。 106 00:12:39,313 --> 00:12:41,932 えっと 有森さんは 荷物のお届け先は➡ 107 00:12:41,932 --> 00:12:46,232 こちらで よかったですかね? 荷物って 何ですか? 108 00:12:48,939 --> 00:12:53,210 何よ これ。 ピアノなんて 誰が買ったの? 109 00:12:53,210 --> 00:12:58,215 有森源一郎さんですけど… こちらのご主人ですよね? 110 00:12:58,215 --> 00:13:01,201 ピアノって 高いんだら? いくらするだん? 111 00:13:01,201 --> 00:13:03,770 そうよ そんなお金 うちにあったの? 112 00:13:03,770 --> 00:13:07,207 中古ですけどね 300円くらいは するじゃないすかね? 113 00:13:07,207 --> 00:13:12,212 300円!? ほいじゃ ご無礼しました。 114 00:13:12,212 --> 00:13:15,766 分かった! 退職金の前借りだ! 115 00:13:15,766 --> 00:13:18,268 「お受け取り頂いてますよね」って 役場の課長さんから➡ 116 00:13:18,268 --> 00:13:20,938 言われたんだけど 一体 どこに消えたんだろうなって➡ 117 00:13:20,938 --> 00:13:26,210 悩んどったのよ。 ああ これだ! これに 化けちゃったのね。 118 00:13:26,210 --> 00:13:29,263 何でよ 全くもう! 119 00:13:29,263 --> 00:13:35,269 お父さん 桜子には 甘いんだから。 300円あれば どいだけ楽か! 120 00:13:35,269 --> 00:13:41,275 まあ ええじゃないの 笛ちゃん。 これは お父さんの遺言だでね。 121 00:13:41,275 --> 00:13:48,265 「桜ちゃんに 好きな道 行かせて あげよう」っていう。 122 00:13:48,265 --> 00:13:51,565 お姉ちゃん ごめんね。 123 00:13:54,938 --> 00:13:58,238 桜ちゃん ほら! 弾いてみたら? 124 00:14:04,281 --> 00:14:19,281 ♬~(「セントルイス・ブルース」) 125 00:14:23,217 --> 00:14:27,271 お父さん…。 126 00:14:27,271 --> 00:14:31,275 (すすり泣き) 127 00:14:31,275 --> 00:14:38,215 <父は もういません。 でも 父の心が そこにあるのです。➡ 128 00:14:38,215 --> 00:14:44,204 有森家に ピアノが来た日。 それは 家族が寄り添い合い➡ 129 00:14:44,204 --> 00:14:49,209 小さな一歩を 踏み出した日でした> 130 00:14:49,209 --> 00:14:53,209 ♬~ 131 00:15:33,186 --> 00:15:38,186 ♬~(テーマ音楽)