1 00:00:33,626 --> 00:00:43,619 ♬~(テーマ曲) 2 00:00:43,619 --> 00:00:52,619 ♬~ 3 00:02:02,014 --> 00:02:06,002 (マサ)<桜子は 第二師範で 教べんを執る➡ 4 00:02:06,002 --> 00:02:08,671 ちょっと風変わりな斉藤先生に➡ 5 00:02:08,671 --> 00:02:13,676 いつしか 心引かれるように なっていました。➡ 6 00:02:13,676 --> 00:02:18,965 そのせいで 音楽学校を目指しての 受験勉強 ピアノの練習に➡ 7 00:02:18,965 --> 00:02:22,001 集中できません。➡ 8 00:02:22,001 --> 00:02:25,605 音楽の道を進むか それとも 結婚か➡ 9 00:02:25,605 --> 00:02:30,610 桜子の迷いは 深まるばかりでした> 10 00:02:30,610 --> 00:02:32,678 ♬~ 11 00:02:32,678 --> 00:02:39,001 (笛子)お姉ちゃん… やっぱり あんたにとって一番いいのは➡ 12 00:02:39,001 --> 00:02:45,007 望んでくれた人と結婚して 幸せに暮らす事だと思う。 13 00:02:45,007 --> 00:02:48,010 (桜子)お金の事だけが理由で 音楽学校に反対なら…。 14 00:02:48,010 --> 00:02:54,010 ほいだけじゃないの。 この前 斉藤先生に言われたの。 15 00:02:56,002 --> 00:03:01,007 「桜子さんの事が好きです」って。 16 00:03:01,007 --> 00:03:07,296 (斉藤)桜子さんです。 桜子さんが 好きなんです。 17 00:03:07,296 --> 00:03:10,282 ♬~ 18 00:03:10,282 --> 00:03:15,604 あの… それは➡ 19 00:03:15,604 --> 00:03:19,608 桜子と 結婚なさりたいという事ですか? 20 00:03:19,608 --> 00:03:24,947 そういう気持ちがないと言えば うそになります。➡ 21 00:03:24,947 --> 00:03:29,669 しかし 彼女には 東光音楽学校に行きたいという➡ 22 00:03:29,669 --> 00:03:32,338 強い希望が あるでしょう。 23 00:03:32,338 --> 00:03:36,342 僕は その 邪魔を したくはないんです。➡ 24 00:03:36,342 --> 00:03:43,949 ですから どうか この事は 桜子さんには黙っていて下さい。 25 00:03:43,949 --> 00:03:46,719 ♬~ 26 00:03:46,719 --> 00:03:50,606 (笛子)私 何度か お見合い したから 分かるんだけど➡ 27 00:03:50,606 --> 00:03:54,343 こんないい事 言ってくれる人➡ 28 00:03:54,343 --> 00:03:58,297 そうそう出てくるもんじゃ ないわよ。 桜子。 29 00:03:58,297 --> 00:04:02,001 …うん。 30 00:04:02,001 --> 00:04:05,337 斉藤先生の気持ちを きちんと受け止めて➡ 31 00:04:05,337 --> 00:04:11,277 結婚か それとも 音楽の道に進むか➡ 32 00:04:11,277 --> 00:04:14,977 もう一度 よく考えてほしいと思ったの。 33 00:04:19,668 --> 00:04:23,289 (磯)え~! 斉藤先生が 桜ちゃんと結婚! 34 00:04:23,289 --> 00:04:25,341 (徳治郎)アチチ! (一同)あ~! 35 00:04:25,341 --> 00:04:27,276 おじいちゃん 大丈夫ですか!? 36 00:04:27,276 --> 00:04:29,678 こらあ どういう事だ 一体! 37 00:04:29,678 --> 00:04:33,032 あいつは お前に 気があるんじゃなかっただか!? 38 00:04:33,032 --> 00:04:35,284 ほんなに興奮しんでよ。 おじいちゃん。 39 00:04:35,284 --> 00:04:39,004 私は 初めから 「勇太郎が 大学に 入るまでは➡ 40 00:04:39,004 --> 00:04:41,273 結婚なんか 考えられん」って 言っとるじゃない。 41 00:04:41,273 --> 00:04:44,677 しかし 相手が桜子ちゅうのは…。 42 00:04:44,677 --> 00:04:46,679 (笛子) むやみに 反対しんで下さいよ。 43 00:04:46,679 --> 00:04:49,331 東光音楽学校なんか 行かれるより➡ 44 00:04:49,331 --> 00:04:51,667 ああいう きちんとした人と 結婚した方が➡ 45 00:04:51,667 --> 00:04:54,954 桜子のためだって おじいちゃんも思うだらあ? 46 00:04:54,954 --> 00:04:57,673 うん え… あ~。 47 00:04:57,673 --> 00:05:00,626 あとは 桜子の気持ち次第なんだけど➡ 48 00:05:00,626 --> 00:05:03,012 あの子 子どもだで。 49 00:05:03,012 --> 00:05:06,665 男の人に「嫁に欲しい」って 言ってもらえる ありがたみが➡ 50 00:05:06,665 --> 00:05:10,965 よう分かっとらんと 思うんだわ。 51 00:05:23,015 --> 00:05:26,015 笛ちゃん! 52 00:05:27,670 --> 00:05:30,272 笛ちゃ~ん! キャ~! もう! 53 00:05:30,272 --> 00:05:32,942 叔母さん! やめてよ! 54 00:05:32,942 --> 00:05:38,013 あんたにもね そのうち いい人が現れるから…。 55 00:05:38,013 --> 00:05:41,617 ほうかなあ…。 ほうよ! 56 00:05:41,617 --> 00:05:44,336 だって こんなに いい女なんですもの。 57 00:05:44,336 --> 00:05:47,606 いい所に いい具合に お肉ついて! 58 00:05:47,606 --> 00:05:53,295 もう やめて 嫌らしいわね! ほら! もう! (笑い声) 59 00:05:53,295 --> 00:05:57,683 (セミの鳴き声) 60 00:05:57,683 --> 00:06:00,636 (一同)頂きます! 61 00:06:00,636 --> 00:06:07,009 ♬~ 62 00:06:07,009 --> 00:06:10,679 おはようございます。 あっ おはようございます。 63 00:06:10,679 --> 00:06:15,284 (勇太郎)おはようございます。 (3人)おはようございます。 64 00:06:15,284 --> 00:06:17,953 あっ! あっ ごめんなさい。 65 00:06:17,953 --> 00:06:19,939 桜ちゃん! ほら 先生に 御飯ついで! 66 00:06:19,939 --> 00:06:22,608 あっ。 あっ 僕が 自分で。 いいんですよ。 先生。 67 00:06:22,608 --> 00:06:24,944 (杏子)先生 お味噌汁も。 68 00:06:24,944 --> 00:06:31,333 ♬~ 69 00:06:31,333 --> 00:06:36,338 どうぞ! なんだん これ!? 桜ちゃん! 70 00:06:36,338 --> 00:06:41,610 ごめんなさい ごめんなさい! すいませんね ふつつかな娘で。 71 00:06:41,610 --> 00:06:44,947 あら 嫌だ! ふつつかなんて 嫁に出す時に言う言葉よね! 72 00:06:44,947 --> 00:06:49,969 ごめんなさい! 私とした事が! (笑い声) 73 00:06:49,969 --> 00:06:52,671 ♬~ 74 00:06:52,671 --> 00:06:58,371 <家の中の空気は 完全に おかしくなっていました> 75 00:07:13,943 --> 00:07:21,684 あっ! ああ いい形だな! 76 00:07:21,684 --> 00:07:25,621 さすが 徳治郎さんの盆栽だ。 77 00:07:25,621 --> 00:07:28,007 ♬~ 78 00:07:28,007 --> 00:07:32,962 ほら 見て下さい。 小さいのに ちゃんと 松の形をしている。 79 00:07:32,962 --> 00:07:37,616 はっ 本当 そうですね。 80 00:07:37,616 --> 00:07:41,337 ♬~ 81 00:07:41,337 --> 00:07:45,608 あっ ちょっと図書館に 調べもの 行ってこようかな? 82 00:07:45,608 --> 00:07:49,945 うん 行ってこよう。 83 00:07:49,945 --> 00:07:55,000 <桜子は 先生の前で どんな顔をしていいのか➡ 84 00:07:55,000 --> 00:07:59,939 何を言っていいのかも 分かりませんでした> 85 00:07:59,939 --> 00:08:21,677 ♬~(ピアノ) 86 00:08:21,677 --> 00:08:26,632 諦めきれへんのか? 音楽学校。 87 00:08:26,632 --> 00:08:29,001 うん。 88 00:08:29,001 --> 00:08:34,006 でも すぐに 先生に お返事しんと 迷っとるっちゅう事は➡ 89 00:08:34,006 --> 00:08:37,276 先生の事も 好きなんだわねえ。 90 00:08:37,276 --> 00:08:42,281 あ~ どうしたらいいのかなあ? 91 00:08:42,281 --> 00:08:46,281 私は 結婚した方がいいと思うわ。 92 00:08:48,003 --> 00:08:53,676 桜子。 奨学生試験を受けるなんて 言っとるけど➡ 93 00:08:53,676 --> 00:08:59,682 今の実力じゃ 到底無理だって 本当は 分かっとるんでしょ? 94 00:08:59,682 --> 00:09:06,689 万一 音楽学校に入学したところで 才能や お金も ある人の中で➡ 95 00:09:06,689 --> 00:09:08,707 交じって やっていくのは 大変だし➡ 96 00:09:08,707 --> 00:09:15,007 ましてや 音楽家になるなんて 夢の また夢よ! 97 00:09:18,283 --> 00:09:21,670 (セミの鳴き声) 98 00:09:21,670 --> 00:09:24,273 先生 正直に おっしゃって下さい。 99 00:09:24,273 --> 00:09:28,010 今の時点で 私が音楽学校に受かる確率は➡ 100 00:09:28,010 --> 00:09:30,279 どれくらいなんでしょうか? 101 00:09:30,279 --> 00:09:33,665 (西野)何を聞くかと思えば そんな事? 102 00:09:33,665 --> 00:09:38,003 この前も 言ったけど 今のままじゃ無理よ。 103 00:09:38,003 --> 00:09:43,342 正直に言うわ。 頑張っても 五分五分でしょうね。 104 00:09:43,342 --> 00:09:48,030 運よく通っても 独学の 癖のあるピアノだから➡ 105 00:09:48,030 --> 00:09:51,333 入学してから きっと かなり苦労するでしょう。 106 00:09:51,333 --> 00:09:55,337 努力を 続けるのも 続けないのも あなた次第。 107 00:09:55,337 --> 00:09:59,037 先生には それ以上 何も言えないわ。 108 00:10:18,627 --> 00:10:22,347 ♬~ 109 00:10:22,347 --> 00:10:32,608 [ 回想 ] ♬~(源一郎の草笛) 110 00:10:32,608 --> 00:10:38,280 ほかの何をしとる時よりも ピアノを弾いとる時が 一番楽しい。 111 00:10:38,280 --> 00:10:41,667 (源一郎)桜子が 本当に やりたいと 思っとる事なら➡ 112 00:10:41,667 --> 00:10:45,270 お父さんは 何としてでも 応援する! 113 00:10:45,270 --> 00:10:47,272 ♬~ 114 00:10:47,272 --> 00:10:50,309 フフフフフ…。 115 00:10:50,309 --> 00:10:53,011 ♬~ 116 00:10:53,011 --> 00:10:56,665 (笑い声) 117 00:10:56,665 --> 00:11:12,665 ♬~ 118 00:11:23,342 --> 00:11:29,948 先生。 足袋の穴 自分で繕ってるんですか? 119 00:11:29,948 --> 00:11:33,648 ええ。 何となく頼みづらかったから。 120 00:11:35,270 --> 00:11:39,570 あっ どうぞ どうぞ。 座って下さい。 121 00:11:46,298 --> 00:11:49,668 私 やりますよ。 いいですよ。 122 00:11:49,668 --> 00:11:53,968 やります。 イタッ! 大丈夫ですか!? 痛い…。 123 00:12:01,613 --> 00:12:05,951 先生。 はい。 124 00:12:05,951 --> 00:12:10,606 先生が 私を お嫁に欲しいと 言って下さった事➡ 125 00:12:10,606 --> 00:12:16,011 本当に うれしく思っています。 126 00:12:16,011 --> 00:12:21,711 私も… 先生の事が 好きです。 127 00:12:23,285 --> 00:12:33,278 けど… ですけど 私 やっぱり 音楽を諦められません。 128 00:12:33,278 --> 00:12:35,280 ♬~ 129 00:12:35,280 --> 00:12:42,020 私 来年の音楽学校の試験 受かるかどうか 分かりません。 130 00:12:42,020 --> 00:12:45,674 しかも うちは お金に余裕がないから➡ 131 00:12:45,674 --> 00:12:50,679 奨学生の枠に入れてもらえんと 勉強を続ける事ができません。 132 00:12:50,679 --> 00:12:57,019 先生と結婚する方が ずっとずっと 現実的なのは 分かっています。 133 00:12:57,019 --> 00:13:05,611 でも… 難しいからといって 諦められないんです。 134 00:13:05,611 --> 00:13:10,332 ♬~ 135 00:13:10,332 --> 00:13:14,953 分かりました。 僕も きっと あなたが➡ 136 00:13:14,953 --> 00:13:18,323 そんなふうに言うんじゃないかと 思ってました。 137 00:13:18,323 --> 00:13:20,342 ♬~ 138 00:13:20,342 --> 00:13:24,947 ごめんなさい。 あの… でもですね➡ 139 00:13:24,947 --> 00:13:27,382 未練がましいようですけど➡ 140 00:13:27,382 --> 00:13:29,952 音楽学校に行けるという望みが かなうなら➡ 141 00:13:29,952 --> 00:13:34,606 僕と いずれ結婚するのも そう悪くは ないんですよね? 142 00:13:34,606 --> 00:13:37,009 えっ? 143 00:13:37,009 --> 00:13:43,665 どうでしょうか? それは そうですけど でも…。 144 00:13:43,665 --> 00:13:45,667 こうしたら どうですか? 145 00:13:45,667 --> 00:13:49,671 僕の母は 貿易商と再婚して 東京に住んでます。 146 00:13:49,671 --> 00:13:54,276 来年の春から そこに住み込んで 東光音楽学校に通っては? 147 00:13:54,276 --> 00:13:59,014 …で 僕は この岡崎で 教職を勤めながら➡ 148 00:13:59,014 --> 00:14:02,951 4年間 あなたの帰りを待つ。 149 00:14:02,951 --> 00:14:07,622 婚約… という事にしては? 150 00:14:07,622 --> 00:14:10,342 ♬~ 151 00:14:10,342 --> 00:14:14,346 あの…。 まあ 母も 年を取ってますから➡ 152 00:14:14,346 --> 00:14:17,332 「肩が痛い」とか 「腰が痛い」とか 言うでしょうけど➡ 153 00:14:17,332 --> 00:14:19,334 そんな時は ちょっと もんでやって➡ 154 00:14:19,334 --> 00:14:22,337 たまには 食事ぐらい作ってくれれば。 155 00:14:22,337 --> 00:14:26,341 そのかわり 東京での あなたの生活費は➡ 156 00:14:26,341 --> 00:14:34,683 ただという事で。 そんな事 大丈夫なんですか? 157 00:14:34,683 --> 00:14:38,937 あなたが大丈夫なら… 大丈夫です! 158 00:14:38,937 --> 00:14:41,006 ♬~ 159 00:14:41,006 --> 00:14:46,945 <それは… まるで 夢のような話に思えました。➡ 160 00:14:46,945 --> 00:14:54,603 先生と結婚できて しかも 音楽の勉強も続けられるのです> 161 00:14:54,603 --> 00:15:00,942 ♬~ 162 00:15:00,942 --> 00:15:04,946 先生も やりますか? いいですか? 163 00:15:04,946 --> 00:15:08,333 ♬~ 164 00:15:08,333 --> 00:15:16,958 <桜子の心は シャボン玉のように 空高く舞い上がっていました> 165 00:15:16,958 --> 00:15:24,658 ♬~ 166 00:15:33,625 --> 00:15:37,012 (アキ)じぇじぇじぇじぇじぇ…! (ユイ)何 どうしたの? 167 00:15:37,012 --> 00:15:39,347 (夏)<驚くのも無理はありません> 168 00:15:39,347 --> 00:15:41,349 (忠兵衛)何だよ。 169 00:15:41,349 --> 00:15:44,352 <ついさっき アキから ウニ丼を購入し➡ 170 00:15:44,352 --> 00:15:48,123 今 それを 目の前で 貪り食う初老の男➡ 171 00:15:48,123 --> 00:15:52,010 それは紛れもなく 死んだはずの祖父➡ 172 00:15:52,010 --> 00:15:55,010 天野忠兵衛 だったのです> 173 00:15:57,115 --> 00:16:00,185 <ショックのあまり アキは言葉を失い…>