1 00:00:33,247 --> 00:00:43,307 ♬~(テーマ曲) 2 00:00:43,307 --> 00:00:52,307 ♬~ 3 00:01:42,967 --> 00:01:47,905 (薫子)分かったよ 杉 冬吾の過去。 (桜子)何? 何が 分かったの!? 4 00:01:47,905 --> 00:01:50,641 その御崎しま子って人➡ 5 00:01:50,641 --> 00:01:53,961 冬吾さんの ただの許婚なんかじゃないわ。 6 00:01:53,961 --> 00:02:00,234 もっと 大変な事が あったんだよ。 もったいぶらんで 話してよ。 7 00:02:00,234 --> 00:02:03,934 心中未遂の相手だったんだ。 8 00:02:05,923 --> 00:02:08,976 (冬吾)どすた? 集まって。 9 00:02:08,976 --> 00:02:13,581 教えて下さい。 どうして 急に 岡崎を離れたんですか? 10 00:02:13,581 --> 00:02:16,567 おっ うまそうだな。 11 00:02:16,567 --> 00:02:22,006 逃げんで! 薫子が 調べてきました。 12 00:02:22,006 --> 00:02:24,242 何もかも 全部 話して下さい。 13 00:02:24,242 --> 00:02:27,245 青森で あの御崎しま子さんって人と➡ 14 00:02:27,245 --> 00:02:29,247 何があったんですか? 15 00:02:29,247 --> 00:02:36,304 ♬~ 16 00:02:36,304 --> 00:02:42,977 何も 話す事はねえ。 薫子ちゃんが 調べたとおりだ。 17 00:02:42,977 --> 00:02:51,902 俺は 心中しそこなって 女子 捨てで 東京さ 逃げたんだ。 18 00:02:51,902 --> 00:02:56,574 ♬~ 19 00:02:56,574 --> 00:02:59,577 そいだけじゃ 分からんよ。 20 00:02:59,577 --> 00:03:02,630 冬吾さん あの人から 逃げ回っとるじゃん。 21 00:03:02,630 --> 00:03:06,317 心中するほど 好きな人だったら 何も 逃げ回る事ないだらあ。 22 00:03:06,317 --> 00:03:09,587 大体 許婚なのに 心中するっちゅうのが➡ 23 00:03:09,587 --> 00:03:11,639 分からんわ。 24 00:03:11,639 --> 00:03:16,327 誰か 反対しとる人が おったんですか? 25 00:03:16,327 --> 00:03:19,246 ひと言では 言えねんだなあ。 26 00:03:19,246 --> 00:03:21,966 じゃあ 分かるように 説明して下さい。 27 00:03:21,966 --> 00:03:25,586 ここに お姉ちゃんが おると思って。 28 00:03:25,586 --> 00:03:29,240 ♬~ 29 00:03:29,240 --> 00:03:32,243 冬吾さん。 30 00:03:32,243 --> 00:03:35,943 お姉ちゃんと このまま 終わっちゃっても いいんですか? 31 00:03:38,582 --> 00:03:44,255 私が お姉ちゃんだと思って きちんと 説明して下さい。 32 00:03:44,255 --> 00:03:47,308 まだ 少しでも➡ 33 00:03:47,308 --> 00:03:50,644 お姉ちゃんを大切に思う気持ちが あるだったら。 34 00:03:50,644 --> 00:04:03,344 ♬~ 35 00:04:08,245 --> 00:04:12,633 俺は 津軽の家が 嫌いだったんだ。 36 00:04:12,633 --> 00:04:16,637 しきたりだの 何だのと ややこすい家でな。 37 00:04:16,637 --> 00:04:21,909 俺が 家 捨てて 東京さ 出たがってるのを➡ 38 00:04:21,909 --> 00:04:23,911 親の方でも 察すていで➡ 39 00:04:23,911 --> 00:04:26,981 しま子と 無理やりに 見合いさして➡ 40 00:04:26,981 --> 00:04:30,281 地元さ 引き止めようと してたんだな。 41 00:04:31,986 --> 00:04:38,242 いざ 夜逃げすべと思って 家 出た晩に しま子に会ったんだ。 42 00:04:38,242 --> 00:04:40,244 ♬~ 43 00:04:40,244 --> 00:04:44,582 雪が… 降ってたっげな。 44 00:04:44,582 --> 00:04:56,644 ♬~ 45 00:04:56,644 --> 00:04:58,629 (しま子)冬吾さん。 46 00:04:58,629 --> 00:05:02,299 東京さ 行くなら わ(私)も 連れてってけれ。 47 00:05:02,299 --> 00:05:09,240 わ~。 俺は ぶったまげた。 見合いで会っただけの女子が➡ 48 00:05:09,240 --> 00:05:11,642 まさか 家の前で 待ち伏せすてるとは➡ 49 00:05:11,642 --> 00:05:14,295 思わねかったもんな。 50 00:05:14,295 --> 00:05:18,299 「帰ってけれ。 わは 1人で 行く」。 51 00:05:18,299 --> 00:05:22,303 そう 言い聞かしたんだども しま子は 聞かね。 52 00:05:22,303 --> 00:05:25,639 冬吾さん これは 親の決めた縁談だども➡ 53 00:05:25,639 --> 00:05:28,642 あなた様に 一目 お会いした時から➡ 54 00:05:28,642 --> 00:05:32,580 私は 「この人は運命の人だ」と 直感すておりますた。 55 00:05:32,580 --> 00:05:35,633 1回や2回 会ったぐれで わの何が 分かるんだ? 56 00:05:35,633 --> 00:05:40,254 全てです。 あなた様と 添い遂げたいんです。 57 00:05:40,254 --> 00:05:43,908 ♬~ 58 00:05:43,908 --> 00:05:47,645 (ハツ美)分かるわ。 (八重)えっ? 分かるの? 59 00:05:47,645 --> 00:05:52,299 分かる。 一目見ただけで 人を好きになる事がある。 60 00:05:52,299 --> 00:05:55,970 一目惚れやね。 勘違いとかやないの。 61 00:05:55,970 --> 00:05:57,972 その人を一瞬見ただけで 分かるの。 62 00:05:57,972 --> 00:06:01,342 (マリ)そう思うのが 勘違いなのよね。 63 00:06:01,342 --> 00:06:06,580 そうかも。 私もあるな。 それで 痛い思いした事…。 64 00:06:06,580 --> 00:06:09,967 えっ 違う 違う。 2人は 一目惚れした事ないんですか?➡ 65 00:06:09,967 --> 00:06:12,667 ホンマの一目惚れ…。 ちょっと 黙っとりん! 66 00:06:16,640 --> 00:06:18,976 俺は しゃべった。 67 00:06:18,976 --> 00:06:25,916 「いいか? わは これから 東京さ出る。 家を捨てる。➡ 68 00:06:25,916 --> 00:06:30,638 あっちさ 行ったら 明日の飯にも 事欠く暮らしだ。➡ 69 00:06:30,638 --> 00:06:35,643 ウジやシラミも わく。 あんだえんた お嬢さんには 無理だべ」。 70 00:06:35,643 --> 00:06:37,645 したばって しま子は➡ 71 00:06:37,645 --> 00:06:39,647 「そったな事は かまわねえ」と しゃべる。 72 00:06:39,647 --> 00:06:42,299 「東京さ 連れてけ」の一点張りだ。 73 00:06:42,299 --> 00:06:45,970 「連れでげね」 「連れでけ」と 問答 繰り返すうちに➡ 74 00:06:45,970 --> 00:06:49,240 しま子の目に じわ~っと 涙が たまってきた。 75 00:06:49,240 --> 00:06:53,627 分がったじゃ。 あんた わの事が嫌いなんだべ。 76 00:06:53,627 --> 00:06:58,299 「面倒な女子だ。 顔も 見たぐね」。 そういう事だびょん。 77 00:06:58,299 --> 00:07:03,904 (冬吾)そこまでは 思ってねえよ。 へば 一緒になってけれ。 78 00:07:03,904 --> 00:07:06,907 (冬吾)んだなあ…。 79 00:07:06,907 --> 00:07:11,295 本当の事 しゃべってければ わだって 諦めがつくびょん。 80 00:07:11,295 --> 00:07:16,250 「わは お前が 大嫌いだ」って 「顔も 見たくねじゃ」って➡ 81 00:07:16,250 --> 00:07:18,903 大声で 言ってけねが!? 82 00:07:18,903 --> 00:07:20,905 (マリ)言ってやれば よかったじゃない。➡ 83 00:07:20,905 --> 00:07:22,973 「大嫌いだ」って。 84 00:07:22,973 --> 00:07:25,309 (八重)でも そういう事が言える 男の人って➡ 85 00:07:25,309 --> 00:07:28,629 なかなか いないのよね。 (マリ)男って ずるいから➡ 86 00:07:28,629 --> 00:07:32,917 どんな女と 別れる時でも 嫌われて 別れたくはないのよね。 87 00:07:32,917 --> 00:07:35,569 そうそう。 88 00:07:35,569 --> 00:07:39,640 そいで どうなったんですか? 89 00:07:39,640 --> 00:07:43,978 俺は 「そったな事は できね」と 言ったんだ。 90 00:07:43,978 --> 00:07:48,582 そしたら あいつ 急に 泣きだしてさ。 91 00:07:48,582 --> 00:07:54,238 オイオイ 泣きながら 川さ 入っていごうとするんだな。 92 00:07:54,238 --> 00:07:58,242 わ 死ぬ! おい 何するんだべ! 93 00:07:58,242 --> 00:08:01,962 生涯に たった一人 愛した男に 愛されもせずに➡ 94 00:08:01,962 --> 00:08:06,900 私 死んでいくんだわ! 待て! 早まるんでねえ! 95 00:08:06,900 --> 00:08:09,920 待て! 96 00:08:09,920 --> 00:08:12,306 ♬~ 97 00:08:12,306 --> 00:08:16,977 そったに 聞きたいんだば しゃべってやる。 98 00:08:16,977 --> 00:08:21,966 わは お前が…。 99 00:08:21,966 --> 00:08:24,666 (川に落ちる音) 100 00:08:26,303 --> 00:08:33,003 2人とも 溺れる前に 人に 助けられたんだ。 101 00:08:34,578 --> 00:08:40,567 あいつが 疲れて眠ってる間に 俺は 1人で 汽車に乗った。 102 00:08:40,567 --> 00:08:44,972 それで 東京に? 103 00:08:44,972 --> 00:08:50,260 あの女子は 俺の顔見ると 死のうとするんだなあ。 104 00:08:50,260 --> 00:08:53,247 会わねえ方が いいんだ。 105 00:08:53,247 --> 00:09:01,572 ♬~ 106 00:09:01,572 --> 00:09:07,961 「笛姉ちゃん。 冬吾さんは 今 マロニエ荘に います。➡ 107 00:09:07,961 --> 00:09:14,234 冬吾さんから 事情を聞きましたが 許婚の事は 冬吾さんに➡ 108 00:09:14,234 --> 00:09:17,237 必ずしも 非があるとは 言えないようです。➡ 109 00:09:17,237 --> 00:09:21,241 本当は 冬吾さんが 岡崎に帰って➡ 110 00:09:21,241 --> 00:09:24,645 お姉ちゃんに 説明をするのが 筋かと思いますが➡ 111 00:09:24,645 --> 00:09:26,647 冬吾さんにしても➡ 112 00:09:26,647 --> 00:09:30,300 うちは 敷居が高くて 帰りづらいのです。➡ 113 00:09:30,300 --> 00:09:35,906 一度 東京に ゆっくり 話をしに来ませんか?」。 114 00:09:35,906 --> 00:09:39,206 ♬~ 115 00:09:41,311 --> 00:09:45,011 (郵便局員)郵便です。 御苦労さまです。 116 00:09:49,303 --> 00:09:52,639 ハツ美さんに 実家のお母さんから。 117 00:09:52,639 --> 00:09:55,976 んだか…。 118 00:09:55,976 --> 00:09:59,913 お姉ちゃん 何にも言ってこないですね。 119 00:09:59,913 --> 00:10:02,299 んだな。 120 00:10:02,299 --> 00:10:06,303 冬吾さん。 岡崎に帰らん? 121 00:10:06,303 --> 00:10:10,641 岡崎に帰って お姉ちゃんと ちゃんと 話した方が いいよ。 122 00:10:10,641 --> 00:10:17,297 いんだ。 「身から出た錆」だ。 123 00:10:17,297 --> 00:10:22,597 女学校の先生に 俺みてな男は 似合わねえべ。 124 00:10:31,962 --> 00:10:36,917 冬吾さん。 おなか すかん? うん? 125 00:10:36,917 --> 00:10:40,237 焼き芋でも 食べまい。 126 00:10:40,237 --> 00:10:51,965 ♬~(草笛) 127 00:10:51,965 --> 00:10:57,571 うめえもんだな。 父に 教わったんです。 128 00:10:57,571 --> 00:10:59,871 ふ~ん。 129 00:11:04,578 --> 00:11:09,967 (吹く音) 130 00:11:09,967 --> 00:11:13,667 下手くそ。 (笑い声) んだな。 131 00:11:18,308 --> 00:11:25,299 何だか 静かですね。 八州治さんも おらんしね。 132 00:11:25,299 --> 00:11:27,999 んだな。 133 00:11:29,970 --> 00:11:33,270 寂しい? 冬吾さん。 134 00:11:34,975 --> 00:11:41,675 んでねえ。 つっともだ。 そう。 135 00:11:43,901 --> 00:11:50,901 桜ちゃんこそ 寂しいべ。 達彦君が いねくなってしまって。 136 00:11:52,576 --> 00:11:55,576 つっともだ。 137 00:12:04,638 --> 00:12:10,838 ♬~(草笛) 138 00:12:12,629 --> 00:12:16,300 お姉ちゃん 冬吾さんが あの しま子さんって人と➡ 139 00:12:16,300 --> 00:12:18,302 一緒になる気がないって 分かって➡ 140 00:12:18,302 --> 00:12:20,237 絶対 ちょっとは ホッとしとるはずなのに➡ 141 00:12:20,237 --> 00:12:22,639 何で 何にも言ってこんのかやあ。 142 00:12:22,639 --> 00:12:26,643 ねえ。 私 手紙書いてあげようか? 143 00:12:26,643 --> 00:12:30,631 「グズグズしてたら 私が 冬吾を取っちゃいますよ」って。 144 00:12:30,631 --> 00:12:34,001 そしたら すっ飛んでくるわよ。 マリ! 145 00:12:34,001 --> 00:12:39,239 いいんじゃないですか! 恋は 仁義なき戦いですもんね。 146 00:12:39,239 --> 00:12:41,975 お姉ちゃん 見えっ張りだからな。 147 00:12:41,975 --> 00:12:44,962 駄目ですよ。 その程度じゃ きっと。 148 00:12:44,962 --> 00:12:49,662 分かった! お姉さんが 絶対に 東京に来る方法。 149 00:13:06,917 --> 00:13:13,307 ♬~ 150 00:13:13,307 --> 00:13:16,927 (杏子)手紙 もしかして 桜ちゃんから? 151 00:13:16,927 --> 00:13:20,347 ♬~ 152 00:13:20,347 --> 00:13:24,568 お姉ちゃん? どうしたの!? 153 00:13:24,568 --> 00:13:29,568 (汽笛) 154 00:13:32,976 --> 00:13:37,965 「笛姉ちゃん。 笛姉ちゃんにだけは お伝えしたいと思い➡ 155 00:13:37,965 --> 00:13:39,967 筆を執りました。➡ 156 00:13:39,967 --> 00:13:46,306 音楽学校の事 将来の事などで 心細く 不安な毎日の続く中➡ 157 00:13:46,306 --> 00:13:50,243 ただ一人の相談相手である 冬吾さんを➡ 158 00:13:50,243 --> 00:13:52,245 私は いつしか➡ 159 00:13:52,245 --> 00:13:55,966 心から お慕いするように なってしまいました。➡ 160 00:13:55,966 --> 00:14:02,966 私達は 今 遠い将来の結婚を 前提に 交際しています」。 161 00:14:05,642 --> 00:14:09,646 (笛子)桜子! 出てきなさい 桜子! 162 00:14:09,646 --> 00:14:13,300 あ~ お姉ちゃん。 よく 来てくれたね。 163 00:14:13,300 --> 00:14:15,300 冬吾さん! お姉ちゃん 来たよ! 164 00:14:22,909 --> 00:14:25,609 もう! 165 00:14:28,915 --> 00:14:31,568 も~う! ちょっと! 166 00:14:31,568 --> 00:14:33,570 ちょっと お姉ちゃん 落ち着いて。 167 00:14:33,570 --> 00:14:36,239 分かったじゃ。 分かったから 落ち着け。 168 00:14:36,239 --> 00:14:39,309 落ち着いてられますか!? よりによって 桜子と➡ 169 00:14:39,309 --> 00:14:41,578 よりによって どうなろうって言うんですか!? 170 00:14:41,578 --> 00:14:43,580 桜ちゃんと俺が 何したっつんだべ? 171 00:14:43,580 --> 00:14:47,300 違うの! あの お姉ちゃん あの手紙はね…。 言い訳 無用! 172 00:14:47,300 --> 00:14:49,569 ごめんなさい! ごめんなさい お姉さん! 173 00:14:49,569 --> 00:14:53,573 あれは 私達が 仕組んだんです。 仕組んだ? 174 00:14:53,573 --> 00:14:55,976 どうしたら お姉ちゃんに 来てもらえるだらあって考えて。 175 00:14:55,976 --> 00:14:58,929 だから あの手紙に書いた事は 全部 嘘なの。 176 00:14:58,929 --> 00:15:02,966 嘘? 何の話だべ。 177 00:15:02,966 --> 00:15:07,571 私 「冬吾さんと結婚したい」って 手紙に書いたんだ。 178 00:15:07,571 --> 00:15:09,973 あんたって子は! 桜子…。 もう! 179 00:15:09,973 --> 00:15:12,242 わ~っ! やめれ! 180 00:15:12,242 --> 00:15:15,245 気ぃ落ち着けて 中で お茶っこでも すすれ。 181 00:15:15,245 --> 00:15:19,566 何 言っとるんですか? ひと事みたいに。 182 00:15:19,566 --> 00:15:24,566 (マサ)<とにもかくにも 笛子は 東京へ やって来たのでした> 183 00:15:33,296 --> 00:15:38,296 ♬~(テーマ音楽)