1 00:00:33,428 --> 00:00:43,438 ♬~(テーマ曲) 2 00:00:43,438 --> 00:00:52,438 ♬~ 3 00:01:42,480 --> 00:01:45,483 (八州治)俺はよ 八重から頼まれたんだよ。 4 00:01:45,483 --> 00:01:48,086 もう一度 お前が 東京に来るように➡ 5 00:01:48,086 --> 00:01:50,822 じきじきに 説得してくれって。 (冬吾)んだか。 6 00:01:50,822 --> 00:01:53,091 (八州治)守田ってやつがさ 何か 連れ戻しに来たろ? 7 00:01:53,091 --> 00:01:55,493 真面目な男だったな。 それよ! 8 00:01:55,493 --> 00:01:58,096 真面目も 真面目 くそ真面目も いいとこでさ。 9 00:01:58,096 --> 00:02:01,816 もうさ 一回断られたぐらいで 「はい そうですか」って。 10 00:02:01,816 --> 00:02:04,152 そこでよ ここは ひとつ 俺が行って➡ 11 00:02:04,152 --> 00:02:07,422 お前を連れてこようって そういう事なんだ。 12 00:02:07,422 --> 00:02:10,422 俺は 東京には 行かね。 13 00:02:12,761 --> 00:02:17,148 この俺が 頼んでもか? 女房に 赤ん坊が生まれるんだ。 14 00:02:17,148 --> 00:02:19,484 それは 聞いたよ。 だけどさ…。 15 00:02:19,484 --> 00:02:25,190 何と言われても 行けねもんは 行けねんだ。 悪いな。 16 00:02:25,190 --> 00:02:29,093 まあ それは それとして 今日は 会えて えがった。 17 00:02:29,093 --> 00:02:31,479 ゆっくりしてってけれ。 18 00:02:31,479 --> 00:02:35,083 笛子。 何か 酒の肴を作ってけれじゃ。 19 00:02:35,083 --> 00:02:37,752 (笛子)スルメでも 焼きましょうか? 20 00:02:37,752 --> 00:02:41,052 (桜子)肉の味噌漬けも あるよ。 うん。 それも出そう。 21 00:02:45,760 --> 00:02:48,763 (マリ)つまんないわね。 22 00:02:48,763 --> 00:02:53,151 ホント つまんない。 あんた 芸術家の端くれでしょ? 23 00:02:53,151 --> 00:02:55,487 家庭に収まっちまった 杉 冬吾なんて➡ 24 00:02:55,487 --> 00:02:57,489 面白くも何ともない。 25 00:02:57,489 --> 00:03:00,108 東京で 女から女へと 渡り歩いてた頃の あんたの方が➡ 26 00:03:00,108 --> 00:03:02,110 今より ずっと かっこよかったわよ。 27 00:03:02,110 --> 00:03:04,145 そんな事 言わんでよ! 28 00:03:04,145 --> 00:03:09,150 私は 今の冬吾さんの方が ずっと すてきだと思う。 29 00:03:09,150 --> 00:03:13,850 (マリ)あら そう? 見解の相違ね。 (八州治)もういいよ マリ。 30 00:03:16,090 --> 00:03:20,428 冬吾。 分かったよ お前の気持ちはよ。➡ 31 00:03:20,428 --> 00:03:22,814 それよりさ 絵を見せてくんねえか? 32 00:03:22,814 --> 00:03:25,817 ここんとこ 何年も お前の絵 見てねえからさ➡ 33 00:03:25,817 --> 00:03:28,117 どんな絵 描いてんのか 知りてえんだよ。 34 00:03:35,426 --> 00:03:40,148 風景画ばっかりだな。 んだな。 35 00:03:40,148 --> 00:03:43,148 あくびが出そうな絵だな。 36 00:03:44,752 --> 00:03:49,052 お前 こういう絵描きだったっけ? 37 00:03:52,160 --> 00:03:55,480 う~ん。 悪いんだけどさ➡ 38 00:03:55,480 --> 00:03:58,816 俺 どこが面白えんだか よく 分かんねえなあ。 39 00:03:58,816 --> 00:04:01,085 桜子ちゃんさ 久しぶりに➡ 40 00:04:01,085 --> 00:04:03,821 あの… 赤い味噌 あれ ツマミに くれねえかな? 41 00:04:03,821 --> 00:04:06,521 はい。 42 00:04:09,477 --> 00:04:13,081 (杏子)ただいま。 お帰り。 43 00:04:13,081 --> 00:04:18,081 ねえ どなたか お客さん? うん…。 44 00:04:22,156 --> 00:04:26,156 話があるんだけど 聞いてくれる? 45 00:04:28,830 --> 00:04:35,153 私… 東京に行っても いい? 東京? 46 00:04:35,153 --> 00:04:38,489 実はね 東京の病院で➡ 47 00:04:38,489 --> 00:04:42,093 看護婦の見習いを やってみんかって誘われとるの。 48 00:04:42,093 --> 00:04:45,430 ここでは 私 いろいろ あったから➡ 49 00:04:45,430 --> 00:04:47,415 叔母さんの洋裁の 下請けをするのが➡ 50 00:04:47,415 --> 00:04:49,417 せいぜいじゃない? 51 00:04:49,417 --> 00:04:51,819 ほいでも 東京なら➡ 52 00:04:51,819 --> 00:04:55,823 真っさらな気持ちで やり直せるような気がするで。 53 00:04:55,823 --> 00:05:01,162 杏ちゃん…。 あんた そんな事 考えとったの? 54 00:05:01,162 --> 00:05:04,415 それに 私が 東京に行っとったら➡ 55 00:05:04,415 --> 00:05:07,919 お姉ちゃん達も 東京に出てきやすくなるじゃんね。 56 00:05:07,919 --> 00:05:12,774 ♬~ 57 00:05:12,774 --> 00:05:16,811 私… 近頃 思うんだわ。 58 00:05:16,811 --> 00:05:23,434 冬吾さんは ずっと 岡崎に おるような人じゃないなって。 59 00:05:23,434 --> 00:05:30,158 ♬~ 60 00:05:30,158 --> 00:05:35,413 桜子だけ置いて 東京に行くっちゅうの? 61 00:05:35,413 --> 00:05:37,749 そんなの 無理だよ。➡ 62 00:05:37,749 --> 00:05:43,438 桜子は 私と冬吾さんのために 東京へ行くのを諦めたんだもん。 63 00:05:43,438 --> 00:05:55,438 ♬~ 64 00:05:59,754 --> 00:06:04,158 どうぞ。 ありがとう。 65 00:06:04,158 --> 00:06:11,482 あ~! 全く 酒でも飲まねえと やってらんねえよな。 へっ。 66 00:06:11,482 --> 00:06:15,486 冬吾。 俺 分かっちまったよ。 67 00:06:15,486 --> 00:06:20,425 お前が 東京に行きたくない 本当の理由がさ。 68 00:06:20,425 --> 00:06:22,994 何だべ? 69 00:06:22,994 --> 00:06:27,482 お前 自信が ねえんだろ?➡ 70 00:06:27,482 --> 00:06:32,153 こんな片田舎で くすぶって 腕 落ちちまったんだろ? 71 00:06:32,153 --> 00:06:37,453 今の お前だったら 俺の方が はるかに上だよ。 72 00:06:39,477 --> 00:06:44,866 見てみろよ この絵。 ええ? この屁みたいな絵! 73 00:06:44,866 --> 00:06:47,485 笑っちまうよ! やめて下さい! 74 00:06:47,485 --> 00:06:50,088 この人の絵を 侮辱しないで下さい! 75 00:06:50,088 --> 00:06:52,824 奥さん 悪いけどね➡ 76 00:06:52,824 --> 00:06:58,096 絵の事じゃ あんたより 俺の方が こいつの事 よく知ってんだよ! 77 00:06:58,096 --> 00:07:01,416 こいつは 東京じゃ もっといい絵 描いてたんだよ。 78 00:07:01,416 --> 00:07:06,421 俺が逆立ちしたって かなわない 胸が ざらつくような絵だよ。➡ 79 00:07:06,421 --> 00:07:08,423 髪の毛 振り乱して 風呂にも入らないで➡ 80 00:07:08,423 --> 00:07:11,159 寝ないで 絵 描いてたんだ こいつは!➡ 81 00:07:11,159 --> 00:07:14,162 なあ! 知ってるよな 桜子ちゃん。 82 00:07:14,162 --> 00:07:21,819 岡崎に来て こいつ 一度でも そんなふうになった事 あるか!?➡ 83 00:07:21,819 --> 00:07:25,823 絵描きは 時代と 添い寝するもんなんだよ。 84 00:07:25,823 --> 00:07:30,178 そうしなきゃ 腐っちまうんだよ。➡ 85 00:07:30,178 --> 00:07:33,478 腐っちまえよ! 86 00:07:39,821 --> 00:07:44,092 家庭の事情があんのよ。 帰りましょう 八州さん。 87 00:07:44,092 --> 00:07:48,792 ああ…! ちょっと 待って下さい! 88 00:07:51,482 --> 00:07:53,751 冬吾さん。 89 00:07:53,751 --> 00:07:57,155 こんな事 言わせたまま 帰らしちゃって いいの? 90 00:07:57,155 --> 00:08:00,155 何か 言い返してよ! 91 00:08:05,480 --> 00:08:07,748 お姉ちゃんも お姉ちゃんだよ。 92 00:08:07,748 --> 00:08:12,153 冬吾さんの事 本気で考えたら やっぱし 東京へ出るべきじゃん! 93 00:08:12,153 --> 00:08:14,489 それを 何だかんだ 理由つけて 行こうとしやへんのは➡ 94 00:08:14,489 --> 00:08:16,824 結局は 勇気がないからだら! 意気地なし! 95 00:08:16,824 --> 00:08:20,094 何 言うとるの!? 私は あんたのためを思うからこそ…。 96 00:08:20,094 --> 00:08:22,096 私のためって 何!? 97 00:08:22,096 --> 00:08:24,098 あんたを置いて 東京には 行けんだら!? 98 00:08:24,098 --> 00:08:28,152 そんなの 言い訳じゃん。 ホントは 自分が怖いからだら!? 99 00:08:28,152 --> 00:08:30,154 冬吾さんの事よりも➡ 100 00:08:30,154 --> 00:08:32,156 自分の事の方が 大事なんじゃない!? 101 00:08:32,156 --> 00:08:34,456 そんな事ないよ。 102 00:08:37,428 --> 00:08:40,932 そんな事 絶対に ない! 103 00:08:40,932 --> 00:08:48,756 ♬~ 104 00:08:48,756 --> 00:08:55,479 分かった。 そこまで言うなら 東京に行こうじゃない。 105 00:08:55,479 --> 00:08:58,082 それが 冬吾さんのためになるって いうんなら➡ 106 00:08:58,082 --> 00:09:00,484 私は 今すぐにでも東京に行くわ! 107 00:09:00,484 --> 00:09:03,487 やめれ 笛子! 勢いで もの しゃべるのは。 108 00:09:03,487 --> 00:09:05,756 勢いじゃないわ。 109 00:09:05,756 --> 00:09:10,945 ♬~ 110 00:09:10,945 --> 00:09:15,082 私… 今 気が付いた。 111 00:09:15,082 --> 00:09:19,837 私は あんたの悪口を言われるのが 何よりも 嫌だ! 112 00:09:19,837 --> 00:09:22,857 あんたが許せても 私は許せん! 113 00:09:22,857 --> 00:09:26,477 私はね いい母や いい妻に なろうと思って➡ 114 00:09:26,477 --> 00:09:28,863 あんたと一緒になったんじゃない。 115 00:09:28,863 --> 00:09:32,099 杉 冬吾っていう男に 惚れたの。 116 00:09:32,099 --> 00:09:36,821 ♬~ 117 00:09:36,821 --> 00:09:43,477 あんたには 日本一の画家に なってもらいたい。 118 00:09:43,477 --> 00:09:47,098 それが 私の 一番の望みなの! 119 00:09:47,098 --> 00:09:52,420 ♬~ 120 00:09:52,420 --> 00:09:56,157 (八州治)よく言った! 121 00:09:56,157 --> 00:10:00,478 その言葉 待ってたぜ 奥さん! キャ~! 122 00:10:00,478 --> 00:10:03,414 人の女房に 気軽に触るんでねえ! 123 00:10:03,414 --> 00:10:05,750 いいでねえか! 減るもんでねえ! 124 00:10:05,750 --> 00:10:12,173 笛姉ちゃん。 私も 東京に行く。 一緒に行こう。 125 00:10:12,173 --> 00:10:17,812 あ~! あ…。 すみません。 ご挨拶 遅れまして。 126 00:10:17,812 --> 00:10:21,415 次女の杏子です。 花岡八州治と申します!➡ 127 00:10:21,415 --> 00:10:23,417 あなたみたいな方が➡ 128 00:10:23,417 --> 00:10:26,420 桜子さんに お姉さんとして いらっしゃるなんて…。 129 00:10:26,420 --> 00:10:29,824 杏姉ちゃん。 八州治さん 東京の アパートで一緒だった 絵描きさん。 130 00:10:29,824 --> 00:10:32,159 知っとります。 雑誌で お顔 拝見しましたで。 131 00:10:32,159 --> 00:10:34,111 どうぞ ごゆっくりしてって下さい。 132 00:10:34,111 --> 00:10:36,147 はい! 133 00:10:36,147 --> 00:10:41,947 ♬~ 134 00:10:50,094 --> 00:11:00,094 笛姉ちゃん。 お別れ 済ませた? うん。 135 00:11:01,756 --> 00:11:09,146 考えてみたら 私は 今まで ず~っと このうちに おって➡ 136 00:11:09,146 --> 00:11:13,946 お父さんや お母さんに 守られとったんだね。 137 00:11:16,921 --> 00:11:19,090 ここに おったから➡ 138 00:11:19,090 --> 00:11:25,790 お父さんや お母さんが そばで 見とってくれてるような気がして。 139 00:11:27,498 --> 00:11:34,798 結婚しても 本当は 嫁になんか行っとらんなんだわ。 140 00:11:45,149 --> 00:11:49,103 今日が 本当の嫁入りです。 141 00:11:49,103 --> 00:11:53,491 ♬~ 142 00:11:53,491 --> 00:12:00,081 笛姉ちゃん…。 大丈夫だよ。 143 00:12:00,081 --> 00:12:03,150 私が ずっと この家に おるから。 144 00:12:03,150 --> 00:12:08,155 きつくなったら いつでも戻っておいでんね。 145 00:12:08,155 --> 00:12:14,155 そんな事 言わんでよ。 決心が鈍るわ。 146 00:12:16,147 --> 00:12:19,100 ごめんね 桜ちゃん。 147 00:12:19,100 --> 00:12:22,153 ♬~ 148 00:12:22,153 --> 00:12:26,424 桜ちゃんが 泣く泣く 行くの諦めた東京に➡ 149 00:12:26,424 --> 00:12:30,828 笛姉ちゃんと一緒に行くのは 本当に 心苦しいんだども…。 150 00:12:30,828 --> 00:12:35,149 そんなん 言わんでよ。 そんなん 気にしんで。 151 00:12:35,149 --> 00:12:38,085 私は 寂しくなんかない。 大丈夫だで。 152 00:12:38,085 --> 00:12:41,772 2人は 心配しんで しっかりやってね。 153 00:12:41,772 --> 00:12:45,810 ♬~ 154 00:12:45,810 --> 00:12:52,149 へば 行くが。 支度は 済んだか? はい。 155 00:12:52,149 --> 00:12:59,156 冬吾さん。 お姉ちゃん達の事 よろしくお願いします。 156 00:12:59,156 --> 00:13:01,456 おう。 157 00:13:03,761 --> 00:13:05,763 さあ! 158 00:13:05,763 --> 00:13:14,063 ♬~ 159 00:13:18,426 --> 00:13:20,726 頂きます。 160 00:13:24,815 --> 00:13:31,422 (マサ)<本当は 寂しい気持ちが ない訳では ありませんでした> 161 00:13:31,422 --> 00:13:44,485 (鼻歌) 162 00:13:44,485 --> 00:13:50,157 <自分が かつて 涙をのんで 行くのを諦めた東京に➡ 163 00:13:50,157 --> 00:13:55,763 冬吾と2人の姉が行く事を 羨ましいと思う気持ちが➡ 164 00:13:55,763 --> 00:14:00,818 みじんもないとは 言えませんでした。➡ 165 00:14:00,818 --> 00:14:04,822 それでも そこに音楽がある限り➡ 166 00:14:04,822 --> 00:14:13,122 空には いつもと同じ月が 不思議に明るく輝いていました> 167 00:14:17,918 --> 00:15:25,118 ♬~ 168 00:15:34,962 --> 00:15:38,399 (アキ)<ユイちゃんと 大げんかした翌日 1月2日。➡ 169 00:15:38,399 --> 00:15:40,401 喜屋武ちゃんは➡ 170 00:15:40,401 --> 00:15:43,404 やっぱり 沖縄へ帰ると 言いだしました> 171 00:15:43,404 --> 00:15:45,806 何か ごめんね。 お構いもしませんで。 172 00:15:45,806 --> 00:15:48,659 (喜屋武) ううん で~じ楽しかった。 173 00:15:48,659 --> 00:15:54,064 おじいからさ 外国の話も いっぱい聞けたし。 174 00:15:54,064 --> 00:15:57,301 苦手なウニも克服できたし。 175 00:15:57,301 --> 00:15:59,570 (夏)ほれ 電車の中で食え。