1 00:00:27,874 --> 00:00:37,817 ♬~(テーマ曲) 2 00:00:37,817 --> 00:00:46,817 ♬~ 3 00:01:36,142 --> 00:01:39,879 (かね)桜子さん。 (桜子)はい。 4 00:01:39,879 --> 00:01:43,483 ありがとうね。 5 00:01:43,483 --> 00:01:47,136 お母さん…。 6 00:01:47,136 --> 00:01:52,141 (マサ)<昭和20年 来ぬ春を待ちわびたように➡ 7 00:01:52,141 --> 00:01:56,529 かねは 息を引き取りました> 8 00:01:56,529 --> 00:02:02,568 ♬~ 9 00:02:02,568 --> 00:02:09,158 (徳治郎)桜子 お前 これから どうするつもりだん? 10 00:02:09,158 --> 00:02:12,478 お母さんの遺言どおり➡ 11 00:02:12,478 --> 00:02:15,464 あの店に残って 達彦さんを待ちます。 12 00:02:15,464 --> 00:02:17,533 (徳治郎)ほいじゃが➡ 13 00:02:17,533 --> 00:02:21,137 坊ちゃんは もう 戦死されたっちゅうじゃないか。➡ 14 00:02:21,137 --> 00:02:25,541 ほいでも お前 店に残るのかん? 15 00:02:25,541 --> 00:02:29,879 こん若さで 何で こんな事に…! 16 00:02:29,879 --> 00:02:35,868 おじいちゃん。 私は 後悔なんかしとらんよ。 17 00:02:35,868 --> 00:02:40,873 むしろ 達彦さんと ちゃんと 結婚しやあへんかった事が➡ 18 00:02:40,873 --> 00:02:43,893 心残りだよ。 19 00:02:43,893 --> 00:02:50,199 私は これから あの店で ずっと生きていきます。 20 00:02:50,199 --> 00:02:57,540 ほいだって あの店におれば… 私は ずっと➡ 21 00:02:57,540 --> 00:03:00,493 お母さんや達彦さんと おれるんだもん…。 22 00:03:00,493 --> 00:03:03,496 寂しくなんかないよ。 23 00:03:03,496 --> 00:03:06,132 ♬~ 24 00:03:06,132 --> 00:03:10,486 この度は ご愁傷さまでございました。 25 00:03:10,486 --> 00:03:14,486 ♬~ 26 00:03:16,876 --> 00:03:20,576 (利雄)おい! お邪魔しますよ! 27 00:03:23,466 --> 00:03:27,203 (タネ)桜子さん。 御苦労さん。 28 00:03:27,203 --> 00:03:30,473 どうぞ お母さんに お別れをなさって下さい。 29 00:03:30,473 --> 00:03:32,475 そんな事 あんたに言われたくないわ!➡ 30 00:03:32,475 --> 00:03:35,861 あんた 勝手に葬式を 進めとるようだけど➡ 31 00:03:35,861 --> 00:03:38,814 あんたは もともと 達彦さんとは 結婚しとらん。➡ 32 00:03:38,814 --> 00:03:41,200 喪主になる資格は ないはずだよ。 33 00:03:41,200 --> 00:03:44,220 喪主は 私が やらせてもらいます。➡ 34 00:03:44,220 --> 00:03:48,874 「山長」の女将の葬式なら 盛大にやらんといかん。 35 00:03:48,874 --> 00:03:52,862 お寺へのお布施や お客さんの あしらいに お金がかかります。 36 00:03:52,862 --> 00:03:57,867 金庫の鍵 出してちょうだい。 (野木山)ちょっと それは…。 37 00:03:57,867 --> 00:04:02,538 若女将。 その前に きちんと お母さんに➡ 38 00:04:02,538 --> 00:04:05,875 お別れを なさって下さい。 お母さん…。 39 00:04:05,875 --> 00:04:09,478 血も つながっとらんのに お母さん お母さんって。➡ 40 00:04:09,478 --> 00:04:12,148 姉さんの亡くなる ちっと前に来て 看病したぐらいで➡ 41 00:04:12,148 --> 00:04:14,133 大きな顔 せんでくれる!?➡ 42 00:04:14,133 --> 00:04:18,804 大体 あんたは姉さんが倒れてから 店に入り込んで➡ 43 00:04:18,804 --> 00:04:21,807 姉さんを くるっと 丸め込んでしまった。 44 00:04:21,807 --> 00:04:25,528 初めっから うちの身代が 目当てだったんじゃないのかん!? 45 00:04:25,528 --> 00:04:28,481 そんな…。 46 00:04:28,481 --> 00:04:34,470 ♬~ 47 00:04:34,470 --> 00:04:40,810 分かりました。 金庫の鍵は すぐに お渡しします。 48 00:04:40,810 --> 00:04:46,148 お葬式の差配も お任せしますで どうぞ ご存分になさって下さい。 49 00:04:46,148 --> 00:05:09,448 ♬~ 50 00:05:15,144 --> 00:05:20,533 ≪(おふみ)ごめんください! 若女将 おられますかん!? 51 00:05:20,533 --> 00:05:22,802 大変です 若女将。 どうしたの? 52 00:05:22,802 --> 00:05:26,472 タネさんと利雄さんが 従業員に クビ切りを 言い渡したんです。➡ 53 00:05:26,472 --> 00:05:29,172 店の者を 半分にするって。 54 00:05:30,860 --> 00:05:34,463 シ~ッ! シッ シッ シッ! 55 00:05:34,463 --> 00:05:37,533 店の人達のクビを切ったって 本当ですか? 56 00:05:37,533 --> 00:05:42,872 ええ そうですよ。 まあ 随分前から この店は➡ 57 00:05:42,872 --> 00:05:45,541 今の状態では 採算が合わなくなっとる。 58 00:05:45,541 --> 00:05:48,861 ほいでも みんなで辛抱して 乗り切っていくっちゅう➡ 59 00:05:48,861 --> 00:05:50,880 道も あると思います。 60 00:05:50,880 --> 00:05:53,883 今まで 一生懸命 勤めてくれた人達を➡ 61 00:05:53,883 --> 00:05:55,885 いきなり 放り出すような事は やめて下さい。 62 00:05:55,885 --> 00:05:57,903 桜子さん。 63 00:05:57,903 --> 00:06:01,140 あんた 何の権利があって 私に指図するだん!? 64 00:06:01,140 --> 00:06:03,542 店の差配は 私の仕事です。 65 00:06:03,542 --> 00:06:07,530 いいえ。 お葬式の差配は お願いしましたが➡ 66 00:06:07,530 --> 00:06:10,132 お店の差配までは お願いしとりません。 67 00:06:10,132 --> 00:06:14,136 私は 亡くなったお母さんの遺言で この店を 任されとるんです。 68 00:06:14,136 --> 00:06:16,806 店の人達を守る 義務が あるんです。 69 00:06:16,806 --> 00:06:21,527 法律上 この店の権利は 私達夫婦にあります。➡ 70 00:06:21,527 --> 00:06:27,466 桜子さん。 出るとこ出まいか!? ああ 出るなら出りゃいいが! 71 00:06:27,466 --> 00:06:32,872 こっちには 先代が タネさんに 書かした 念書があるでね。➡ 72 00:06:32,872 --> 00:06:37,877 あれ? あれ? ないわ。 どこ行っちゃっただ!? 73 00:06:37,877 --> 00:06:40,146 (笑い声) 74 00:06:40,146 --> 00:06:44,533 野木山さん あんた 夢でも 見とったんじゃないのかん? 75 00:06:44,533 --> 00:06:47,533 (笑い声) (仙吉)いい加減にしとくれん! 76 00:06:51,207 --> 00:06:56,195 わしは あんたらが この店の当主になるのを➡ 77 00:06:56,195 --> 00:07:03,803 認める訳には いかん! わしは 若女将に ついていきます。 78 00:07:03,803 --> 00:07:06,539 わしもだ。 79 00:07:06,539 --> 00:07:09,542 店に残ってほしいのは 若女将で あんたんとうじゃない! 80 00:07:09,542 --> 00:07:13,546 私もです。 私も。 (一同)俺もだ。 81 00:07:13,546 --> 00:07:17,867 何を言っとる。 姉さんが 生きとった時なら ともかく➡ 82 00:07:17,867 --> 00:07:20,136 この人には 後ろ盾も 何にも ないわね! 83 00:07:20,136 --> 00:07:24,874 後ろ盾は… わしらです! ほうですよ。 84 00:07:24,874 --> 00:07:27,526 あんたら 味噌の事は 全然知らんだで➡ 85 00:07:27,526 --> 00:07:31,130 わしらが おらにゃ 困るだら。 ほうだ。 86 00:07:31,130 --> 00:07:35,484 わしらが おらにゃ 店は 回っていかん。 87 00:07:35,484 --> 00:07:41,874 ♬~ 88 00:07:41,874 --> 00:07:47,574 <それから数日 「山長」の営業は ストップしました> 89 00:07:49,198 --> 00:07:51,550 配給の差し止め!? 90 00:07:51,550 --> 00:07:55,871 うちの店の営業が止まっとる事が 役人の耳に入ったみたいで。➡ 91 00:07:55,871 --> 00:08:01,210 「このまんま ゴタゴタが続くようなら 大豆の配給は 差し止める」と…。 92 00:08:01,210 --> 00:08:06,510 「『山長』の当主は 一体 誰なのか はっきりさせろ」と。 93 00:08:08,200 --> 00:08:11,871 このまんまじゃ 店は 潰れます。 94 00:08:11,871 --> 00:08:16,871 今度ばかりは どうしたら いいもんだか…。 95 00:08:20,145 --> 00:08:22,531 ≪(タネ)あんたは この店が 大切じゃないっちゅうのかん!? 96 00:08:22,531 --> 00:08:25,534 店が 潰れたって 俺らの腹は 痛まんよ~。 97 00:08:25,534 --> 00:08:28,554 何を言っとるか!? 考えてもみい。 98 00:08:28,554 --> 00:08:32,474 こんな煩わしい職人ら抱えて 味噌屋を 細々と続けるよりも➡ 99 00:08:32,474 --> 00:08:36,862 家屋敷売っぱらって 新しい商売 始めた方がいいが。 100 00:08:36,862 --> 00:08:39,198 ≪(タネ)「『山長』が 無くなってもいい」なんて➡ 101 00:08:39,198 --> 00:08:41,467 よく あんた ほんな事が言えるね! 102 00:08:41,467 --> 00:08:43,869 お父さん お母さんから 譲り受けた➡ 103 00:08:43,869 --> 00:08:45,871 400年続いてきた暖簾なんだよ。➡ 104 00:08:45,871 --> 00:08:48,571 死んでも 暖簾だけは 守り通すわ! 105 00:08:52,211 --> 00:09:00,202 私… できる事なら 女将として あの店を守っていきたい。 106 00:09:00,202 --> 00:09:05,157 野木山さんや仙吉さん みんなも 私を頼ってくれとる。 107 00:09:05,157 --> 00:09:08,143 みんなのために頑張りたい! 108 00:09:08,143 --> 00:09:12,131 それが お母さんへの奉公でもあるし➡ 109 00:09:12,131 --> 00:09:15,868 達彦さんのためでもあると思う。 110 00:09:15,868 --> 00:09:20,806 桜子。 お前 暖簾を守るっちゅう事が➡ 111 00:09:20,806 --> 00:09:26,528 どういう事か 本気で 考えてみた事が あんのかん? 112 00:09:26,528 --> 00:09:32,818 お前 「山長」の跡継ぎを産めるか? 113 00:09:32,818 --> 00:09:38,190 そこんところまで 考えた上でなきゃ➡ 114 00:09:38,190 --> 00:09:41,477 店を引き受けた事には ならんぞ。 115 00:09:41,477 --> 00:09:49,234 ♬~ 116 00:09:49,234 --> 00:09:52,821 私は 「山長」を大切に思っています。 117 00:09:52,821 --> 00:09:55,824 ♬~ 118 00:09:55,824 --> 00:09:58,477 このまま 成り行きに任せて➡ 119 00:09:58,477 --> 00:10:02,464 店を 潰すような事だけは したくありません。 120 00:10:02,464 --> 00:10:05,868 タネさん。 121 00:10:05,868 --> 00:10:11,824 もしかしたら タネさんも 同じ気持ちじゃないですか? 122 00:10:11,824 --> 00:10:13,826 ♬~ 123 00:10:13,826 --> 00:10:16,478 違いますか? 124 00:10:16,478 --> 00:10:45,808 ♬~ 125 00:10:45,808 --> 00:10:50,813 今日は 皆さんに 大事な お話があります。 126 00:10:50,813 --> 00:10:53,198 皆さんも ご存じのように➡ 127 00:10:53,198 --> 00:10:57,202 県の統制会社から 「早く相続争いを やめるよう。➡ 128 00:10:57,202 --> 00:11:00,155 さもなければ 原料の配給を 差し止める」という➡ 129 00:11:00,155 --> 00:11:02,541 圧力が かかっています。 130 00:11:02,541 --> 00:11:04,810 店を存続させるためには➡ 131 00:11:04,810 --> 00:11:08,810 一刻も早く 事態を収拾しなければなりません。 132 00:11:11,800 --> 00:11:16,872 私は… 「山長」を出ます。 (一同)えっ!? 133 00:11:16,872 --> 00:11:20,142 経営は タネさんご夫婦に お任せします。 134 00:11:20,142 --> 00:11:22,861 (従業員)そんな… わしら どうなるんや! 135 00:11:22,861 --> 00:11:25,864 若女将! わしらを 見捨てるんですか!? 136 00:11:25,864 --> 00:11:29,468 いいえ そうじゃありません。 137 00:11:29,468 --> 00:11:34,206 向こう10年間 従業員の解雇は しない事。 138 00:11:34,206 --> 00:11:38,193 店のかじ取りは 野木山さんと 仙吉さんに任せる事。 139 00:11:38,193 --> 00:11:40,479 タネさん達には この2つを➡ 140 00:11:40,479 --> 00:11:43,198 営業再開の条件として のんでもらいます。 141 00:11:43,198 --> 00:11:47,803 おい 待てよ。 そんな条件 のめる訳 ないだらあ! 142 00:11:47,803 --> 00:11:50,803 のんで頂きます。 143 00:11:52,541 --> 00:11:58,197 ここに 先代が タネさんに 書かせた念書があります。 144 00:11:58,197 --> 00:12:02,134 店の経営には 一切口を出さないと 約束なさいましたね。 145 00:12:02,134 --> 00:12:05,434 お前… いつの間に!? 146 00:12:14,196 --> 00:12:22,196 仙吉さん。 野木山さん。 皆さん。 147 00:12:23,806 --> 00:12:29,495 私も この店を… 私の力で支えられるものならと➡ 148 00:12:29,495 --> 00:12:32,798 心の底から 思っていました。 149 00:12:32,798 --> 00:12:38,203 女将さんを思い 達彦さんを思いながら➡ 150 00:12:38,203 --> 00:12:44,810 この 「山長」で 皆さんと ずっと 一緒に暮らしていきたかった。 151 00:12:44,810 --> 00:12:50,799 でも… 達彦さんは死んだんです。 152 00:12:50,799 --> 00:12:55,204 ♬~ 153 00:12:55,204 --> 00:13:01,527 「山長」の暖簾を守るため 皆さんの生活を守るために➡ 154 00:13:01,527 --> 00:13:06,532 私は 私なりに 最善を尽くす事に 決めました。 155 00:13:06,532 --> 00:13:09,801 ♬~ 156 00:13:09,801 --> 00:13:12,821 申し訳ありません。 157 00:13:12,821 --> 00:13:15,874 ♬~ 158 00:13:15,874 --> 00:13:23,148 そして… 本当に ありがとうございました。 159 00:13:23,148 --> 00:13:43,535 ♬~ 160 00:13:43,535 --> 00:13:48,473 ≪(仙吉)ごめんください。 はい。 161 00:13:48,473 --> 00:13:52,144 ♬~ 162 00:13:52,144 --> 00:13:54,863 仙吉さん。 163 00:13:54,863 --> 00:13:59,563 若女将に 見て頂きたいものがあるです。 164 00:14:20,906 --> 00:14:25,811 (かね)「あなたのために作らせた 花嫁衣装です。➡ 165 00:14:25,811 --> 00:14:31,483 好きな人ができたら これを着て 嫁に行くように。➡ 166 00:14:31,483 --> 00:14:35,137 店に縛られる必要はありません。➡ 167 00:14:35,137 --> 00:14:37,205 山長の事は➡ 168 00:14:37,205 --> 00:14:41,143 あなたの好きにしてもらって 構わないのです。➡ 169 00:14:41,143 --> 00:14:45,530 達彦は 死にました。➡ 170 00:14:45,530 --> 00:14:50,135 桜子さん あなたは 名前の通り➡ 171 00:14:50,135 --> 00:14:53,538 生まれ変わって もう一花➡ 172 00:14:53,538 --> 00:14:58,493 美しい 人生の花を 咲かせて下さい」。 173 00:14:58,493 --> 00:15:05,534 ♬~ 174 00:15:05,534 --> 00:15:07,803 お母さん…。 175 00:15:07,803 --> 00:15:11,223 <全てを失った 桜子の心に➡ 176 00:15:11,223 --> 00:15:17,923 かねの最後の言葉が 優しく響いていました> 177 00:15:27,806 --> 00:15:32,461 (アキ)今日ならいいど。 ママもパパも 家さいねえの。 178 00:15:32,461 --> 00:15:38,300 ♬~ 179 00:15:38,300 --> 00:15:40,900 (種市)5分待でるか? 180 00:15:44,506 --> 00:15:48,894 <じぇじぇじぇじぇ! どうしたアキ? 天野アキ 18歳➡ 181 00:15:48,894 --> 00:15:54,249 いづになく大胆でねえか!> 182 00:15:54,249 --> 00:16:00,238 ママもパパも 家さいねえの。 いらっしゃいませ!