1 00:01:33,429 --> 00:01:37,433 (荒い息遣い) 2 00:01:37,433 --> 00:01:43,439 全部 鬼のせいだ。 鬼がいるからいけないんだ。 3 00:01:43,439 --> 00:02:01,439 (荒い息遣い) 4 00:02:03,459 --> 00:02:07,459 絶対に許さない。 5 00:02:13,469 --> 00:02:15,471 これは復讐だ! 6 00:02:15,471 --> 00:02:18,474 (雄叫び) 7 00:02:18,474 --> 00:02:20,476 うわっ!? 8 00:02:20,476 --> 00:02:22,478 (悲鳴) (うなり声) 9 00:02:22,478 --> 00:02:24,480 (倒れる音) (うなり声) 10 00:02:24,480 --> 00:02:28,480 (教授)はい じゃあ 今日の講義は終わります。 11 00:02:30,486 --> 00:02:33,422 えっ 何? これ。 ねえ 怖い! 12 00:02:33,422 --> 00:02:38,427 ヤバくない? 鬼だぜ 鬼。 13 00:02:38,427 --> 00:02:41,430 鬼? ≪(難波)どうした? 14 00:02:41,430 --> 00:02:45,434 あー いや… 何でもない。 15 00:02:45,434 --> 00:02:48,437 ちょっと待て。 え~ 大町… じゃない。 16 00:02:48,437 --> 00:02:51,440 え~ 田町… じゃない。 ああ… 深町。 17 00:02:51,440 --> 00:02:53,442 「町」しか合ってない。 18 00:02:53,442 --> 00:02:55,444 深町だ。 惜しい。 全然惜しくないね。 19 00:02:55,444 --> 00:02:58,447 あっ てかさ 次の連休 何してんの? 20 00:02:58,447 --> 00:03:00,449 ん? ちょうど今 みんなで➡ 21 00:03:00,449 --> 00:03:02,451 旅行 行こうって言ってて 深町もどう? 22 00:03:02,451 --> 00:03:06,455 あー… ごめん 連休はちょっと。 23 00:03:06,455 --> 00:03:09,458 何だよ 付き合い悪いな~。 すごい ツンツンだ…。 24 00:03:09,458 --> 00:03:11,460 じゃあ また連休明けにな。 25 00:03:11,460 --> 00:03:13,462 じゃ。 (伏木)じゃ。 26 00:03:28,477 --> 00:03:31,480 (母)《お母さん…》 27 00:03:31,480 --> 00:03:34,417 《尚哉が いないと 「さみしくて」》 28 00:03:34,417 --> 00:03:50,433 ♬~ 29 00:03:50,433 --> 00:03:52,433 ハァ…。 30 00:04:06,449 --> 00:04:10,453 (PC)絶対に許さない。 31 00:04:10,453 --> 00:04:15,458 (PC)これは復讐だ! (PC)(雄叫び) 32 00:04:15,458 --> 00:04:17,460 (PC)うわっ!? 33 00:04:17,460 --> 00:04:20,463 (PC)(悲鳴) (PC)(うなり声) 34 00:04:20,463 --> 00:04:22,463 (PC)(うなり声) 35 00:04:26,469 --> 00:04:28,471 (生唾をのむ音) 36 00:04:28,471 --> 00:04:30,473 どう? 37 00:04:30,473 --> 00:04:33,409 どうって? 声 ゆがんでた? 38 00:04:33,409 --> 00:04:37,413 いえ 普通に聞こえましたけど。 39 00:04:37,413 --> 00:04:42,418 そう。 やっぱり この動画は本物なんだ。 40 00:04:42,418 --> 00:04:45,418 素晴らしい。 41 00:04:47,423 --> 00:04:50,426 あの… 何なんですか? 42 00:04:50,426 --> 00:04:54,430 昨日 隣のハナシに 相談が送られてきてね。 43 00:04:54,430 --> 00:04:57,433 この投稿者不明の動画のせいで➡ 44 00:04:57,433 --> 00:05:01,437 役場に問い合わせが殺到して 困ってるって。 45 00:05:01,437 --> 00:05:03,439 酒井集落。 46 00:05:03,439 --> 00:05:10,446 そこは 昔 村を襲った鬼を退治した という伝承があるそうなんだ。 47 00:05:10,446 --> 00:05:16,452 鬼って 角があって 虎のパンツをはいてる あれですか? 48 00:05:16,452 --> 00:05:18,454 そう。 49 00:05:18,454 --> 00:05:22,458 それも鬼の一例だね。 50 00:05:22,458 --> 00:05:27,458 そもそも 「おに」というのは…。 51 00:05:30,466 --> 00:05:34,403 「おぬ」が転じたもの。 52 00:05:34,403 --> 00:05:37,406 本来は見えないもの この世ならざるものを➡ 53 00:05:37,406 --> 00:05:40,409 指しているんだよ。 見えないもの? 54 00:05:40,409 --> 00:05:43,412 この動画の声が ゆがまないということは➡ 55 00:05:43,412 --> 00:05:46,415 酒井に 本当に鬼がいるのかもしれない。 56 00:05:46,415 --> 00:05:50,419 いや~ 心弾むね。 57 00:05:50,419 --> 00:05:54,423 ということで 深町君 道案内 よろしくね。 58 00:05:54,423 --> 00:05:56,425 えっ? 言っただろ。 59 00:05:56,425 --> 00:05:58,427 僕は極度の方向音痴で 初めて行った場所では➡ 60 00:05:58,427 --> 00:06:00,429 必ずと言っていいほど迷子になる。 61 00:06:00,429 --> 00:06:03,432 断言してもいいよ。 62 00:06:03,432 --> 00:06:06,435 そんなこと断言されても。 63 00:06:06,435 --> 00:06:10,439 もちろん バイト代は弾むし➡ 64 00:06:10,439 --> 00:06:13,439 きっと 楽しいよ。 65 00:06:18,447 --> 00:06:28,447 ♬~ 66 00:06:55,417 --> 00:06:59,421 いや~ 空気がおいしいね。 何ていうか 開放感ですね。 67 00:06:59,421 --> 00:07:02,424 瑠衣子先輩がいるなら 俺 来なくてもよかったんじゃ。 68 00:07:02,424 --> 00:07:06,428 勘違いしないで 大仏君。 私は調査担当の助手だから。 69 00:07:06,428 --> 00:07:10,428 道案内は大仏君の仕事よ。 あ… はい。 70 00:07:12,434 --> 00:07:16,438 酒井まで 歩いて 結構かかるみたいですよ。 71 00:07:16,438 --> 00:07:19,441 役場の人が迎えに来てくれるって 言ったんだけど➡ 72 00:07:19,441 --> 00:07:22,444 ハイキングも楽しいかなって 断っちゃった。 73 00:07:22,444 --> 00:07:24,446 早速 出発しようか! 74 00:07:24,446 --> 00:07:28,450 先生 違います。 ん? 75 00:07:28,450 --> 00:07:32,388 あっ… こちらです。 76 00:07:32,388 --> 00:07:39,395 先生 そんな方向音痴ぶりで よく今まで生きてこられましたね。 77 00:07:39,395 --> 00:07:42,398 周りに 親切な人が多かったんだよ。 78 00:07:42,398 --> 00:07:45,401 アキラ先生は 完全記憶能力のせいで➡ 79 00:07:45,401 --> 00:07:47,403 一度に入ってくる情報量が 多過ぎるの。 80 00:07:47,403 --> 00:07:51,407 だから 簡素化された地図と 目で見たものが照合できない。 81 00:07:51,407 --> 00:07:54,410 一度歩いた場所なら 必ず覚えているから➡ 82 00:07:54,410 --> 00:07:59,415 大丈夫なんだけどね。 それ 例えば 何年かたって➡ 83 00:07:59,415 --> 00:08:02,418 町の雰囲気が変わっちゃったら どうなるんですか? 84 00:08:02,418 --> 00:08:06,422 ああ それは意外と平気。 85 00:08:06,422 --> 00:08:09,425 建物が建て替わったり 店が変わったりしても➡ 86 00:08:09,425 --> 00:08:11,427 道そのものが 大きく変わらないかぎりは➡ 87 00:08:11,427 --> 00:08:14,430 どこかで整合性がとれるから。 88 00:08:14,430 --> 00:08:18,434 あ~ ほら 昔の風景写真と 現在の写真 見比べてみても➡ 89 00:08:18,434 --> 00:08:21,437 どことなく 面影が残ってたりするじゃない。 90 00:08:21,437 --> 00:08:25,441 そんな感じ! そんな感じって言われても…。 91 00:08:25,441 --> 00:08:29,445 大仏君 考えるな 感じろってことよ。 92 00:08:29,445 --> 00:08:31,447 アハハ! ちょ… やめてください。 93 00:08:31,447 --> 00:08:35,447 走らないでください。 走らないで…。 94 00:08:37,386 --> 00:08:39,388 あれが 酒井集落だね。 95 00:08:39,388 --> 00:08:43,392 富士山 最高! フフ。 96 00:08:43,392 --> 00:08:49,398 ねっ 来てよかったでしょ? まあ。 97 00:08:49,398 --> 00:08:53,402 じゃ 行きましょ。 ねっ。 98 00:08:53,402 --> 00:08:55,404 (高槻・瑠衣子)おお~。 99 00:08:55,404 --> 00:08:57,406 何食べたい? えっ 何食べたい? 100 00:08:57,406 --> 00:09:01,410 うどん? ウフフ…。 うどん? 深町君は 何食べたい? 101 00:09:01,410 --> 00:09:04,413 僕も 全然 うどんで大丈夫です。 102 00:09:04,413 --> 00:09:07,413 うどんか~。 先生は? 103 00:09:11,420 --> 00:09:13,422 (山村)少々お待ちください。 すいません。 あっ ありました。➡ 104 00:09:13,422 --> 00:09:16,425 すいません。 え~ お待たせいたしました。 105 00:09:16,425 --> 00:09:19,428 酒井村役場の山村 肇と申します。 106 00:09:19,428 --> 00:09:21,430 ありがとうございます。 いや こちらこそ。 107 00:09:21,430 --> 00:09:23,432 本日はよろしくお願いいたします。 よろしくお願いします。 108 00:09:23,432 --> 00:09:27,436 じゃ あの ご案内いたします。 こちらになります。 109 00:09:27,436 --> 00:09:30,439 (山村)あのう 高槻先生を お呼びしろって言ったのは➡ 110 00:09:30,439 --> 00:09:32,374 うちの上司なんですよ。 111 00:09:32,374 --> 00:09:35,377 何か ネットで たまたま 先生のサイトを見たんですね。 112 00:09:35,377 --> 00:09:38,380 で 私は こんなことを 大学の先生にお願いするのは➡ 113 00:09:38,380 --> 00:09:41,383 失礼ではないかと 反対したんですけども…。➡ 114 00:09:41,383 --> 00:09:43,385 すいません。 気にしないでください。 115 00:09:43,385 --> 00:09:47,389 鬼に会えるなら 地球の裏側まで飛んでいきますよ。 116 00:09:47,389 --> 00:09:49,391 あ… ハハハ…。 117 00:09:49,391 --> 00:09:52,391 そう言っていただけると 助かります。 118 00:09:54,396 --> 00:09:58,400 もしかして これは 魔よけの豆ですか? 119 00:09:58,400 --> 00:10:00,402 (山村) ええ ちょうど節分でしたから。 120 00:10:00,402 --> 00:10:03,405 この集落では 豆をまくのではなく➡ 121 00:10:03,405 --> 00:10:06,408 北東の方角につるすのが 伝統なんです。 122 00:10:06,408 --> 00:10:09,411 節分って 2月じゃないんですか? 123 00:10:09,411 --> 00:10:11,413 節分とは季節の分かれ目➡ 124 00:10:11,413 --> 00:10:15,417 立春 立夏 立秋 立冬の 前の日を指すんだ。 125 00:10:15,417 --> 00:10:17,419 今日は ちょうど その立夏に当たる。 126 00:10:17,419 --> 00:10:19,421 はい。 節分の行事は➡ 127 00:10:19,421 --> 00:10:22,424 立春の前日に行うのが 一般的だけど➡ 128 00:10:22,424 --> 00:10:26,428 ここでは 年4回 全てで 節分の行事を行っているんだよ。 129 00:10:26,428 --> 00:10:28,430 面白いですね。 あっ はい。 130 00:10:28,430 --> 00:10:30,432 まあ それだけ 村の人たちが➡ 131 00:10:30,432 --> 00:10:34,369 鬼に対しての畏怖の念を持ってる 証拠かもしれません。 132 00:10:34,369 --> 00:10:36,369 なるほど。 133 00:10:38,373 --> 00:10:42,377 あそこの豆 引きちぎられてますね。 134 00:10:42,377 --> 00:10:44,379 (山村)ああ 昨夜のことなんですが➡ 135 00:10:44,379 --> 00:10:49,384 何者かに豆が食い散らされた と報告があって。 136 00:10:49,384 --> 00:10:54,384 この家を含めて5軒。 妙な足跡もあって。 137 00:10:56,391 --> 00:11:00,395 大江山の鬼の足跡に似てる。 138 00:11:00,395 --> 00:11:02,397 オ… オオエヤマ? 139 00:11:02,397 --> 00:11:06,401 京都の大江山。 昔 鬼がいたといわれてるの。 140 00:11:06,401 --> 00:11:10,405 そこにも これと同じくらいの 足跡が残ってるんだけど➡ 141 00:11:10,405 --> 00:11:13,405 向こうは がっつり 岩に跡がついてるの。 142 00:11:16,411 --> 00:11:18,413 豆の話は置いといて➡ 143 00:11:18,413 --> 00:11:21,416 まずは 動画に映っていた ほこらに案内してもらえますか? 144 00:11:21,416 --> 00:11:25,420 えっ あ… はい 分かりました。 こちらです。 145 00:11:25,420 --> 00:11:27,422 (山村)大丈夫ですか? はい。 146 00:11:27,422 --> 00:11:29,424 (山村)ここ 滑りやすいので 気を付けてください。 147 00:11:29,424 --> 00:11:31,426 はい。 お~。 148 00:11:31,426 --> 00:11:36,426 いや~ すごい所ですね。 (山村)そうですね。 149 00:11:43,438 --> 00:11:46,441 何か 入るなって言ってるような 雰囲気ですね。 150 00:11:46,441 --> 00:11:49,444 アハハ。 怖がんなくて大丈夫ですよ。 151 00:11:49,444 --> 00:11:54,449 私ら 子供のころは よく 中で肝試ししたものです。 152 00:11:54,449 --> 00:11:56,451 山村さんは ここが ご出身なんですか? 153 00:11:56,451 --> 00:12:00,455 ええ。 まあ もっとも 若いので ここに残ってるのは➡ 154 00:12:00,455 --> 00:12:03,458 ほとんどいませんけど。 そうなんですか? 155 00:12:03,458 --> 00:12:06,461 誰も こんな山ん中の辺ぴな村➡ 156 00:12:06,461 --> 00:12:09,461 「住みたいと思いませんよ」 157 00:12:11,466 --> 00:12:13,468 ≪(悲鳴) 158 00:12:13,468 --> 00:12:16,471 (悲鳴) 159 00:12:16,471 --> 00:12:19,474 (難波)いって…。 難波!? 160 00:12:19,474 --> 00:12:21,476 難波君 どうしたの? 161 00:12:21,476 --> 00:12:24,479 がが… 骸骨! お… 鬼! 162 00:12:24,479 --> 00:12:28,479 アキラ先生! 大丈夫ですか? 163 00:12:31,486 --> 00:12:35,424 (山村)あ~ 今朝方 ちょっと大きな地震があったので➡ 164 00:12:35,424 --> 00:12:37,424 そのせいですかね。 165 00:12:42,431 --> 00:12:46,435 (山村)えっ!? 鬼の骸骨… ホントにあったんだ。 166 00:12:46,435 --> 00:12:50,435 これに覆われて ほこらに 安置されてたみたいですね。 167 00:12:56,445 --> 00:12:58,447 何でしょう? その穴。 168 00:12:58,447 --> 00:13:01,450 (山村)あっ! あっ! これ きっと 角が折れた痕ですよ。 169 00:13:01,450 --> 00:13:05,454 伝承では 村を襲った鬼は 一本角だったっていわれてますから。 170 00:13:05,454 --> 00:13:07,456 そうだ 写真。 171 00:13:07,456 --> 00:13:10,459 瑠衣子君 警察に連絡してもらえる? 172 00:13:10,459 --> 00:13:12,461 (瑠衣子・尚哉)えっ? 173 00:13:12,461 --> 00:13:15,461 残念だけど これ 人の骨だよ。 174 00:13:20,469 --> 00:13:23,472 大ごとになっちゃいましたね。 175 00:13:23,472 --> 00:13:27,472 まあ かなり古そうだったけど 人の骨が出ちゃったからね。 176 00:13:30,479 --> 00:13:32,414 いや えらいとこで 会っちゃったな。 177 00:13:32,414 --> 00:13:34,416 どうして ここに? 178 00:13:34,416 --> 00:13:38,420 あー 何か バズってる動画見たら 面白そうだったから。 179 00:13:38,420 --> 00:13:41,423 (愛美)難波君 そろそろ行くよ。 180 00:13:41,423 --> 00:13:45,427 うん。 悪い 行くわ。 うん。 181 00:13:45,427 --> 00:13:48,427 じゃあ また大学で。 うん また。 182 00:13:57,439 --> 00:14:01,443 あのう 先生 そろそろ 豆の被害の方を。 183 00:14:01,443 --> 00:14:04,446 聞き取りの準備は もう できてますので。 184 00:14:04,446 --> 00:14:06,448 山村さん そのことについてなんですけど…。 185 00:14:06,448 --> 00:14:10,452 ≪おい お前たち! 鬼神様に何をする気だ! 186 00:14:10,452 --> 00:14:12,454 お父さん そんなに 怒鳴らないでください。 187 00:14:12,454 --> 00:14:14,456 あのお二人は? 188 00:14:14,456 --> 00:14:16,458 年配の方は 鬼頭 正嗣さん。➡ 189 00:14:16,458 --> 00:14:19,461 このほこらを 先祖代々 管理している➡ 190 00:14:19,461 --> 00:14:21,463 鬼頭家の現当主です。 191 00:14:21,463 --> 00:14:23,465 で 女性の方は 実和子さんといって➡ 192 00:14:23,465 --> 00:14:26,468 正嗣さんの息子の正臣さんの 奥さんです。 193 00:14:26,468 --> 00:14:28,470 「鬼」に「頭」で 鬼頭ですか? 194 00:14:28,470 --> 00:14:30,472 ええ。 (鬼頭)よそ者が つべこべ言うな! 195 00:14:30,472 --> 00:14:34,409 いいから 鬼神様をほこらへ戻せ! (刑事)申し訳ありませんが➡ 196 00:14:34,409 --> 00:14:36,411 この骨が 人の骨かもしれない以上➡ 197 00:14:36,411 --> 00:14:38,413 鑑定してみないと お返しできません。 198 00:14:38,413 --> 00:14:40,415 何を! (実和子)お父さん! 199 00:14:40,415 --> 00:14:42,417 やめてください! 200 00:14:42,417 --> 00:14:45,420 (泣き声) 201 00:14:45,420 --> 00:14:49,424 初めまして 青和大学文学部で 准教授をしております➡ 202 00:14:49,424 --> 00:14:52,427 高槻 彰良と申します。 何だ 貴様は。 203 00:14:52,427 --> 00:14:56,431 実は 鬼のほこらの伝承について 詳しくお伺いしたいと思いまして。 204 00:14:56,431 --> 00:15:01,436 よそ者に話すことはない! 帰れ! 205 00:15:01,436 --> 00:15:03,436 (実和子)お父さん。 206 00:15:10,445 --> 00:15:14,449 あっ すいません 怒らせてしまいましたね。 207 00:15:14,449 --> 00:15:17,452 いえ こちらこそ 父が失礼なことを。 208 00:15:17,452 --> 00:15:21,456 あの… 私でよければ➡ 209 00:15:21,456 --> 00:15:24,459 鬼神様の言い伝えのこと お教えしましょうか? 210 00:15:24,459 --> 00:15:26,459 いいんですか。 211 00:17:30,418 --> 00:17:40,362 (実和子)♬「ねんねん ころりよ おころりよ」➡ 212 00:17:40,362 --> 00:17:48,370 ♬「ぼうやは 良い子だ ねんね…」 213 00:17:48,370 --> 00:17:51,373 (山村)それは 鹿を撃つためのものですよ。 214 00:17:51,373 --> 00:17:55,377 ここいらの畑は よく 鹿に荒らされるんです。 215 00:17:55,377 --> 00:17:59,381 鹿…。 ええ。 216 00:17:59,381 --> 00:18:03,385 立派なお宅ですね。 217 00:18:03,385 --> 00:18:09,391 鬼頭の家は 昔 金貸しをしてたんですよ。 218 00:18:09,391 --> 00:18:12,394 大きな声じゃ言えませんが➡ 219 00:18:12,394 --> 00:18:17,399 年配の人の中には 人食いなんていう人もいましてね。 220 00:18:17,399 --> 00:18:19,401 人食い… ですか? (山村)ええ。➡ 221 00:18:19,401 --> 00:18:22,404 今は 村の畑で取れる野菜を 売ったり➡ 222 00:18:22,404 --> 00:18:28,410 東京にいる息子の正臣さんからの 仕送りで しのいでるようです。 223 00:18:28,410 --> 00:18:32,347 昨年 鬼頭さんの奥さんが 亡くなりましてね。➡ 224 00:18:32,347 --> 00:18:34,349 で 実和子さん 足の悪いお父さんを➡ 225 00:18:34,349 --> 00:18:36,351 一人にするわけにはいかないと➡ 226 00:18:36,351 --> 00:18:39,354 生まれたばかりの正也さんを 連れて➡ 227 00:18:39,354 --> 00:18:41,356 こちらに移り住んできたんです。 228 00:18:41,356 --> 00:18:44,359 正臣さんは 会社経営が忙しくて➡ 229 00:18:44,359 --> 00:18:46,361 東京を離れられないそうで。 230 00:18:46,361 --> 00:18:50,365 あそこの写真に写ってるのが 正臣さんですか? 231 00:18:50,365 --> 00:18:52,365 あっ ええ。 232 00:19:05,380 --> 00:19:11,380 お待たせしまして すいません。 やっと寝付いてくれまして。 233 00:19:19,394 --> 00:19:22,397 もう ずいぶん昔➡ 234 00:19:22,397 --> 00:19:29,404 ここが 酒井ではなく 境村と呼ばれていたころのこと。 235 00:19:29,404 --> 00:19:36,344 額に大きな角が1本生えた鬼が 村を襲いました。 236 00:19:36,344 --> 00:19:40,348 ご先祖さまは その鬼を この家に招き入れ➡ 237 00:19:40,348 --> 00:19:43,351 酒と ごちそうで歓待しました。➡ 238 00:19:43,351 --> 00:19:48,356 そうして 上機嫌になった鬼が 寝入ったところを➡ 239 00:19:48,356 --> 00:19:51,359 石臼で角を折って弱らせ➡ 240 00:19:51,359 --> 00:19:56,359 首をはねて 鬼を殺したのです。 241 00:20:03,371 --> 00:20:06,374 (実和子)ご先祖さまは 鬼が生き返るのではと➡ 242 00:20:06,374 --> 00:20:08,376 不安になったそうです。➡ 243 00:20:08,376 --> 00:20:11,379 ちょうど そのとき 大きな地震が起き➡ 244 00:20:11,379 --> 00:20:15,383 地割れによって あの洞窟が現れました。➡ 245 00:20:15,383 --> 00:20:18,386 洞窟の中に ほこらを建てて 鬼の首を祭り➡ 246 00:20:18,386 --> 00:20:21,389 自分は 鬼頭という姓を名乗り➡ 247 00:20:21,389 --> 00:20:24,392 末代まで そのほこらを守り続けると➡ 248 00:20:24,392 --> 00:20:27,395 鬼に誓ったそうです。 249 00:20:27,395 --> 00:20:30,398 鬼神様を ほこらに祭ってからは➡ 250 00:20:30,398 --> 00:20:34,335 鬼頭家は やることなすこと 全て うまくいきました。➡ 251 00:20:34,335 --> 00:20:38,339 その財産を 村人に貸し与えたおかげで➡ 252 00:20:38,339 --> 00:20:41,342 村は豊かになった といわれています。 253 00:20:41,342 --> 00:20:45,346 この家を 人食いの家だと呼ぶ人も いたそうですが➡ 254 00:20:45,346 --> 00:20:49,350 それは 何ででしょう? 255 00:20:49,350 --> 00:20:53,354 父は… 金貸しをしていた時代に➡ 256 00:20:53,354 --> 00:20:58,359 金を返せない村人の恨みを 買ったんだろうなんて言ってました。 257 00:20:58,359 --> 00:21:00,361 なるほど。 258 00:21:00,361 --> 00:21:02,363 人を ばりばり食べてた というわけでは➡ 259 00:21:02,363 --> 00:21:07,363 ないということですね。 それは ちょっと残念です。 260 00:21:10,371 --> 00:21:14,375 いや~ いい話が聞けました。 来たかいがありましたよ。 261 00:21:14,375 --> 00:21:19,380 あっ それはよかった。 じゃあ そろそろ豆の被害の調査を。 262 00:21:19,380 --> 00:21:23,384 山村さん もう調査はやめましょう。 263 00:21:23,384 --> 00:21:25,386 えっ? 264 00:21:25,386 --> 00:21:28,389 残念ですが 豆を引きちぎったのは 鬼じゃありません。 265 00:21:28,389 --> 00:21:31,392 人間ですよ。 266 00:21:31,392 --> 00:21:34,395 そもそも 豆は魔よけの意味がある。 267 00:21:34,395 --> 00:21:37,398 そんなものを 鬼が食べるでしょうか。 268 00:21:37,398 --> 00:21:40,401 まあ 地域によっては 豆を食べる鬼もいますが。 269 00:21:40,401 --> 00:21:43,404 だったら この酒井だって。 山村さん。 270 00:21:43,404 --> 00:21:48,409 問題は 豆だけじゃないんです。 大事なのはヒイラギなんです。 271 00:21:48,409 --> 00:21:51,412 えっ? 272 00:21:51,412 --> 00:21:53,414 鬼は ヒイラギだけは駄目なんです。 273 00:21:53,414 --> 00:21:57,418 とがった葉が目をつぶすから 鬼はヒイラギを避けるんですよ。 274 00:21:57,418 --> 00:22:01,422 でも あの家には ヒイラギが植えてありました。 275 00:22:01,422 --> 00:22:05,426 よりによって 足跡は そのすぐそばにあった。 276 00:22:05,426 --> 00:22:07,428 怪異を演出するにしても➡ 277 00:22:07,428 --> 00:22:10,431 もう少し 鬼について勉強すべきでしたね。 278 00:22:10,431 --> 00:22:13,434 いや 私だって しっかり調べて…。 279 00:22:13,434 --> 00:22:16,434 私だって? 280 00:22:18,439 --> 00:22:21,442 あなたは さっき 「こんな村なんか 誰も住みたがらない」➡ 281 00:22:21,442 --> 00:22:25,446 と言っていました。 でも あれは嘘ですね。 282 00:22:25,446 --> 00:22:28,446 きっと この村のためだったんでしょう。 283 00:22:30,451 --> 00:22:35,390 本当は この村が大好きでしかたがない。 284 00:22:35,390 --> 00:22:37,392 この村に人を呼び込むために➡ 285 00:22:37,392 --> 00:22:40,392 今回 この騒ぎを 起こしたんじゃないですか? 286 00:22:42,397 --> 00:22:45,400 でも このやり方は逆効果ですよ。 287 00:22:45,400 --> 00:22:50,400 嘘がバレれば それこそ この村の印象は最悪になる。 288 00:22:58,413 --> 00:23:02,417 すいません。 289 00:23:02,417 --> 00:23:04,419 今のままだと➡ 290 00:23:04,419 --> 00:23:08,423 この村は あと10年もすれば なくなってしまいます。 291 00:23:08,423 --> 00:23:14,429 だから 人が集まってくれればなと。 292 00:23:14,429 --> 00:23:18,433 そんなとき あの動画を見て。 293 00:23:18,433 --> 00:23:22,437 えっ あの動画を上げたのは あなたじゃないんですか? 294 00:23:22,437 --> 00:23:25,437 いやいや 違います 私じゃありません。 295 00:23:31,446 --> 00:23:35,383 あっ すみません お客さまに そんなことまで。 296 00:23:35,383 --> 00:23:39,387 気にしないでください。 正也君 大丈夫でした? 297 00:23:39,387 --> 00:23:42,390 ええ。 まだ寝てます。 298 00:23:42,390 --> 00:23:47,395 でも こんな奇麗な奥さんと 正也君と離れるなんて➡ 299 00:23:47,395 --> 00:23:49,397 旦那さん 気が気じゃなくて➡ 300 00:23:49,397 --> 00:23:51,399 しょっちゅう 帰ってくるんじゃないですか? 301 00:23:51,399 --> 00:23:55,403 いえ 仕事が忙しいとかで➡ 302 00:23:55,403 --> 00:24:02,410 今年に「入って まだ一度も 帰ってきて」いません。 303 00:24:02,410 --> 00:24:04,412 寂しくないですか? 304 00:24:04,412 --> 00:24:06,414 平気です。 305 00:24:06,414 --> 00:24:10,418 離れていても あの人は 私と正也のことを➡ 306 00:24:10,418 --> 00:24:14,418 一番大事に思ってくれているって 分かってますから。 307 00:24:17,425 --> 00:24:22,430 実和子さん。 正臣さんの連絡先 教えていただけますか? 308 00:24:22,430 --> 00:24:24,430 えっ? 309 00:24:26,434 --> 00:24:28,436 じゃあ あの動画は正臣さんが? 310 00:24:28,436 --> 00:24:32,373 うん。 山村さんが言うには 正臣さんは 小さいころに➡ 311 00:24:32,373 --> 00:24:35,376 鬼を見たことがある とも言っていたみたいだ。 312 00:24:35,376 --> 00:24:38,379 東京に戻ったら 話を聞きに行かなきゃね。 313 00:24:38,379 --> 00:24:41,382 でも 嘘の鬼を使って 町おこしなんて…。 314 00:24:41,382 --> 00:24:43,384 ホント許せません。 315 00:24:43,384 --> 00:24:46,387 被害に遭われた方には 謝ると言っていたから。 316 00:24:46,387 --> 00:24:49,390 先生は甘過ぎますよ。 317 00:24:49,390 --> 00:25:04,390 ♬~ 318 00:26:46,440 --> 00:26:48,442 おう。 319 00:26:48,442 --> 00:26:50,444 この間は ごめんな。 俺たちのせいで➡ 320 00:26:50,444 --> 00:26:53,447 あんな騒ぎになって。 いや 別に。 321 00:26:53,447 --> 00:26:56,450 でも 何つうか 安心したよ。 322 00:26:56,450 --> 00:26:58,452 お前 楽しそうだったから。 323 00:26:58,452 --> 00:27:03,457 いつも一人でいるから 心配してたんだぜ。 324 00:27:03,457 --> 00:27:06,457 じゃあ またな。 うん。 325 00:27:18,472 --> 00:27:20,474 何? 326 00:27:20,474 --> 00:27:24,478 いえ 別に。 327 00:27:24,478 --> 00:27:29,483 今ね 瑠衣子君が 正臣さんに 会いに行ってくれてるんだ。 328 00:27:29,483 --> 00:27:33,421 授業さえなければ 僕が行ったんだけどね。 329 00:27:33,421 --> 00:27:39,427 楽しみだな~。 本当に鬼を見たことがあるのかな。 330 00:27:39,427 --> 00:27:43,431 ≪(ノック) どうぞ。 331 00:27:43,431 --> 00:27:45,433 やあ 健ちゃん。 332 00:27:45,433 --> 00:27:47,435 ひょっとして 骨の鑑定結果 出たの? 333 00:27:47,435 --> 00:27:52,440 ああ。 報告がてら コーヒーを飲みに寄ったんだが。 334 00:27:52,440 --> 00:27:55,440 刑事って暇なんですか? 335 00:27:58,446 --> 00:28:01,449 あれな 人骨だったぞ。 336 00:28:01,449 --> 00:28:03,451 やっぱり。 337 00:28:03,451 --> 00:28:08,456 ああ。 死後200年以上 江戸時代のものらしい。 338 00:28:08,456 --> 00:28:12,460 額の穴は 何か鈍器のようなもので 殴られた痕だそうだ。 339 00:28:12,460 --> 00:28:15,463 鈍器って…。 現代なら 殺人事件だが➡ 340 00:28:15,463 --> 00:28:18,466 江戸時代の話じゃ 警察も何もできん。 341 00:28:18,466 --> 00:28:20,468 骨も村に返すそうだ。 342 00:28:20,468 --> 00:28:26,468 (バイブレーターの音) 343 00:28:28,476 --> 00:28:31,479 もしもし どうだった? 344 00:28:31,479 --> 00:28:33,414 正臣さんの会社に 行ったんですけど➡ 345 00:28:33,414 --> 00:28:36,417 不在で ドアに鍵もかかってました。 346 00:28:36,417 --> 00:28:39,420 ビルのオーナーさんに 聞いたところ➡ 347 00:28:39,420 --> 00:28:42,423 どうやら 破産寸前だったみたいです。 348 00:28:42,423 --> 00:28:45,426 うん。 349 00:28:45,426 --> 00:28:48,426 1カ月前から消息不明? 350 00:28:51,432 --> 00:28:55,436 実和子さんが嘘をついている? 351 00:28:55,436 --> 00:28:58,439 たぶん… ですけど。 352 00:28:58,439 --> 00:29:00,441 (実和子)《仕事が忙しいとかで➡ 353 00:29:00,441 --> 00:29:05,446 今年に「入って まだ 一度も帰ってきて」いません》 354 00:29:05,446 --> 00:29:25,466 ♬~ 355 00:29:25,466 --> 00:29:31,472 ♬~ 356 00:29:31,472 --> 00:29:35,409 だとすると 正臣さんに会うなら➡ 357 00:29:35,409 --> 00:29:38,409 もう一度 酒井に行った方がよさそうだ。 358 00:29:41,415 --> 00:29:43,417 はい これ お弁当。 359 00:29:43,417 --> 00:29:46,420 ありがとうございます。 あとは お茶もね。 360 00:29:46,420 --> 00:29:51,425 はい。 花江さんのお弁当は 栄養抜群 味も抜群なんだよ。 361 00:29:51,425 --> 00:29:53,427 ありがとう。 ありがとうございます。 362 00:29:53,427 --> 00:29:55,429 ほら。 あの…。 363 00:29:55,429 --> 00:29:58,432 うん。 何で ここ集合なんですか? 364 00:29:58,432 --> 00:30:00,434 健ちゃんに 車出してもらえるように➡ 365 00:30:00,434 --> 00:30:04,438 お願いしてみたんだよ。 おい 準備できたぞ。 366 00:30:04,438 --> 00:30:08,442 刑事って やっぱり暇なんですか? 367 00:30:08,442 --> 00:30:10,444 担当した事件が 起訴までいったんで➡ 368 00:30:10,444 --> 00:30:15,449 有給を消化しろって 上司に言われただけだ。 369 00:30:15,449 --> 00:30:18,452 健ちゃん ほら 出発しよう。 370 00:30:18,452 --> 00:30:20,454 ねっ 行こう 行こう。 371 00:30:20,454 --> 00:30:36,404 ♬~ 372 00:30:36,404 --> 00:30:40,408 ちょっ ちょっ…。 373 00:30:40,408 --> 00:30:45,413 (健司)へぇ~ ここが 江戸時代に 地震でできた地割れか。 374 00:30:45,413 --> 00:30:48,416 それ何ですか? ああ。 彰良に頼まれて➡ 375 00:30:48,416 --> 00:30:51,416 近くの農家で 無理言って借りてきた。 376 00:30:56,424 --> 00:30:59,427 先生? どうかしたんですか? 377 00:30:59,427 --> 00:31:04,432 ここから下りるのは難しそうだね。 やっぱり 下に行こうか。 378 00:31:04,432 --> 00:31:06,434 はい。 379 00:31:09,437 --> 00:31:11,439 (舌打ち) (健司)上司からだ。 380 00:31:11,439 --> 00:31:13,441 先 行っててくれ。 ああ はい。 381 00:31:13,441 --> 00:31:16,444 佐々倉です。 じゃあ 行こうか。 382 00:31:16,444 --> 00:31:18,444 はい。 383 00:31:20,448 --> 00:31:25,453 やっぱり そうか。 えっ? 384 00:31:25,453 --> 00:31:31,453 これ 持っててもらえる? あ… はい。 385 00:31:33,461 --> 00:31:36,464 先生 ちょっ… 危ないですよ。 386 00:31:36,464 --> 00:31:39,467 平気だよ。 健ちゃんに護身術 習ってるから➡ 387 00:31:39,467 --> 00:31:42,470 体力には自信があるんだ。 いや 今 護身術 関係ないですよ。 388 00:31:42,470 --> 00:31:44,472 ≪(銃声) 389 00:31:44,472 --> 00:31:49,477 (鳥たちの鳴き声) 390 00:31:49,477 --> 00:31:53,481 《鳥が苦手なんだ》 391 00:31:53,481 --> 00:31:55,481 先生。 392 00:32:03,491 --> 00:32:09,497 うっ… いった…。 393 00:32:09,497 --> 00:32:12,500 うっ…。 394 00:32:12,500 --> 00:32:14,500 先生? 395 00:32:17,505 --> 00:32:21,509 先生? 先生! 396 00:32:21,509 --> 00:32:25,513 うっ… しっかりしてください。 397 00:32:25,513 --> 00:32:33,454 ああ… うっ… ああ…。 398 00:32:33,454 --> 00:32:38,459 先生 もうすぐ出口ですから。 399 00:32:38,459 --> 00:32:40,461 うっ…。 400 00:32:40,461 --> 00:32:47,468 うっ… ううっ… ああ…。 401 00:32:47,468 --> 00:32:49,470 ハァ… うっ…。 402 00:32:49,470 --> 00:32:51,472 どうした!? 403 00:32:51,472 --> 00:32:53,474 ああ…。 404 00:32:53,474 --> 00:32:55,476 よし 下ろそう。 はい。 405 00:32:55,476 --> 00:32:58,479 うっ…。 彰良 大丈夫か!? 406 00:32:58,479 --> 00:33:02,483 何があった? 先生が岩を よじ登ろうと…。 407 00:33:02,483 --> 00:33:06,483 ハァ ハァ…。 よし 代わろう。 408 00:33:14,495 --> 00:33:16,495 これは? 409 00:33:28,509 --> 00:33:33,447 ≪(鬼頭)おい! よそ者が何をしている! 410 00:33:33,447 --> 00:33:39,447 先生が 銃声で飛び立った鳥に 驚いて 岩から落ちたんです。 411 00:33:43,457 --> 00:33:45,457 うちに運べ。 412 00:35:56,423 --> 00:36:00,427 お医者さまを呼ばなくて 大丈夫ですか? 413 00:36:00,427 --> 00:36:02,427 ええ。 414 00:36:18,445 --> 00:36:22,445 すいません ご迷惑かけて。 415 00:36:25,452 --> 00:36:31,452 私が銃を撃ったのが原因だ。 泊まっていっても構わん。 416 00:36:39,400 --> 00:36:43,404 あの… こういうことって よくあるんですか? 417 00:36:43,404 --> 00:36:49,410 先生 前にも言ってたんです。 鳥が苦手だって。 418 00:36:49,410 --> 00:36:52,413 それに さっきも…。 419 00:36:52,413 --> 00:36:56,417 背中のあれ あれは いったい…。 420 00:36:56,417 --> 00:37:00,421 お前 それを聞いてどうするつもりだ? 421 00:37:00,421 --> 00:37:02,423 えっ? 422 00:37:02,423 --> 00:37:06,427 世の中には 単なる好奇心で 聞いていいことと➡ 423 00:37:06,427 --> 00:37:09,430 そうじゃないことが あることくらい 分かるよな。 424 00:37:09,430 --> 00:37:14,430 ていうか やめとけ。 聞いても面白い話でもない。 425 00:37:17,438 --> 00:37:21,438 お前が見たことも 彰良には言うな。 426 00:37:24,445 --> 00:37:26,447 はい。 427 00:37:26,447 --> 00:37:46,400 ♬~ 428 00:37:46,400 --> 00:37:50,404 先生。 あっ…。 429 00:37:50,404 --> 00:37:53,407 ごめんね 深町君。 430 00:37:53,407 --> 00:37:58,407 よく覚えてないけど 僕 迷惑かけちゃったみたいだね。 431 00:38:00,414 --> 00:38:05,419 ホントですよ。 危ないって言ったじゃないですか。 432 00:38:05,419 --> 00:38:07,419 ごめん。 433 00:38:12,426 --> 00:38:15,426 瑠衣子君からメールが入ってた。 434 00:38:20,434 --> 00:38:24,438 「正臣さん 酒井集落の 鬼伝説をモチーフにした➡ 435 00:38:24,438 --> 00:38:27,441 スマホゲームを 開発したみたいです」 436 00:38:27,441 --> 00:38:32,379 「それさえ売れれば 会社も持ち直すと」 437 00:38:32,379 --> 00:38:35,382 「だから ゲームの宣伝になるように➡ 438 00:38:35,382 --> 00:38:38,385 色々やってたみたいです」 439 00:38:38,385 --> 00:38:42,389 鬼伝説のゲーム? 440 00:38:42,389 --> 00:38:44,391 残念だけど➡ 441 00:38:44,391 --> 00:38:48,391 そう簡単に 本物の怪異とは 出合えないみたいだ。 442 00:38:50,397 --> 00:38:53,400 えっ? 443 00:38:53,400 --> 00:38:58,405 健ちゃんが起きたら行こうか。 行くって どこに? 444 00:38:58,405 --> 00:39:01,405 鬼退治だよ。 445 00:39:07,414 --> 00:39:12,419 おはようございます。 昨日は ありがとうございました。 446 00:39:12,419 --> 00:39:16,423 (鬼頭)礼はいい。 元気になったんなら さっさと帰れ。 447 00:39:16,423 --> 00:39:19,426 はい 帰ります。 448 00:39:19,426 --> 00:39:21,428 でも その前に➡ 449 00:39:21,428 --> 00:39:23,430 ほこらに祭ってあった 鬼神様の正体について➡ 450 00:39:23,430 --> 00:39:25,432 ちょっと お話ししたいと思いまして。 451 00:39:25,432 --> 00:39:28,435 正体も何も 鬼神様は鬼神様だ。 452 00:39:28,435 --> 00:39:34,435 六部ですね 鬼神様として祭られていたのは。 453 00:39:36,376 --> 00:39:40,380 ロクブ? 巡礼の僧侶のことだよ。 454 00:39:40,380 --> 00:39:43,383 六部は 全国を回るため 路銀を持っていた。 455 00:39:43,383 --> 00:39:47,387 そんな六部をもてなし 隙を見て殺害し金品を奪う。 456 00:39:47,387 --> 00:39:51,391 六部殺しというのは 昔話の類型の一つなんだ。 457 00:39:51,391 --> 00:39:54,394 わりと あちこちで あったんじゃないかと思うんです。 458 00:39:54,394 --> 00:39:59,399 貧しい村で よそ者を殺して 金品を奪うということ自体が。 459 00:39:59,399 --> 00:40:02,402 今なら すぐに 警察に捕まるでしょうが➡ 460 00:40:02,402 --> 00:40:05,405 それこそ江戸時代 全国を回っている旅人が➡ 461 00:40:05,405 --> 00:40:08,408 1人いなくなっても 誰も気付かない。 462 00:40:08,408 --> 00:40:13,413 ましてや それが 盗賊や ならず者なら なおさらだ。 463 00:40:13,413 --> 00:40:18,418 集落の外から やって来るのは 村に災いをもたらす よそ者➡ 464 00:40:18,418 --> 00:40:22,422 つまり 鬼。 だから 殺していい。 465 00:40:22,422 --> 00:40:25,425 鬼頭家が その財産で 村を救っていたにもかかわらず➡ 466 00:40:25,425 --> 00:40:27,427 人食いだと 忌み嫌われていたのは➡ 467 00:40:27,427 --> 00:40:31,427 よそ者殺しを 請け負っていたから なのではないですか? 468 00:40:35,369 --> 00:40:38,372 洞窟の入り口にあった 無数の塚は➡ 469 00:40:38,372 --> 00:40:42,376 殺された人たちの供養のために 建てられたものですね。 470 00:40:42,376 --> 00:40:47,376 じゃあ あの下に 人の骨が まだ…。 471 00:40:49,383 --> 00:40:54,388 昔 日照りで 村が困窮したころのことだ。 472 00:40:54,388 --> 00:40:57,391 200年以上も前のな。 473 00:40:57,391 --> 00:41:01,395 いまさら 罪を問われる者も 問う者もおりはせん。 474 00:41:01,395 --> 00:41:04,398 確かに 遠い昔の話です。 475 00:41:04,398 --> 00:41:07,398 でも 塚の中に一つだけ…。 476 00:41:10,404 --> 00:41:14,404 真新しい 建てられたばかりの 塚がありました。 477 00:41:16,410 --> 00:41:20,414 持ってきたぞ。 ホントに お前は人使いが荒い。 478 00:41:20,414 --> 00:41:22,416 ごめんね 健ちゃん。 479 00:41:22,416 --> 00:41:26,420 最初から 体力のある健ちゃんに 任せればよかった。 480 00:41:26,420 --> 00:41:30,424 これは 正臣さんの眼鏡ですよね。 481 00:41:30,424 --> 00:41:33,427 そんな眼鏡 どこにでもあるだろう。 482 00:41:33,427 --> 00:41:37,431 そうですね。 でも この眼鏡➡ 483 00:41:37,431 --> 00:41:40,434 この部分が 片方なくなっていますよね。 484 00:41:40,434 --> 00:41:42,436 写真の正臣さんが かけていた眼鏡も➡ 485 00:41:42,436 --> 00:41:44,438 同じところがなくなっていました。 486 00:41:44,438 --> 00:41:47,441 それこそ 見間違いだろ。 487 00:41:47,441 --> 00:41:50,444 残念ながら 僕に限って 見間違いはないんです。 488 00:41:50,444 --> 00:41:53,447 人より ちょっと 記憶力がいいもので。 489 00:41:53,447 --> 00:41:56,450 何なら 写真と見比べてみましょうか。 490 00:41:56,450 --> 00:42:08,462 ♬~ 491 00:42:08,462 --> 00:42:10,464 ホントだ。 492 00:42:10,464 --> 00:42:12,466 今年に入って➡ 493 00:42:12,466 --> 00:42:15,469 正臣さんが 酒井に戻っていた かもしれないと知って➡ 494 00:42:15,469 --> 00:42:19,473 ちょっと 記憶を巻き戻してみたんです。 495 00:42:19,473 --> 00:42:23,477 そうしたら 洞窟の岩場に違和感があった。 496 00:42:23,477 --> 00:42:25,477 《やっぱり そうか》 497 00:42:27,481 --> 00:42:30,484 なぜ あんな所に 眼鏡が引っ掛かっていたのか。 498 00:42:30,484 --> 00:42:37,484 それは あの裂け目から 正臣さんが落ちたからですね。 499 00:42:40,427 --> 00:42:45,432 鬼頭さん 塚の下に眠ってるのは➡ 500 00:42:45,432 --> 00:42:48,432 正臣さんですね。 501 00:42:53,440 --> 00:42:55,442 ≪(割れる音) 502 00:42:55,442 --> 00:42:58,445 実和子さん。 503 00:42:58,445 --> 00:43:03,450 お父さん 今の話…。 504 00:43:03,450 --> 00:43:18,450 ♬~ 505 00:44:52,392 --> 00:44:56,396 (鬼頭) 先生 あんたの言うとおりだ。 506 00:44:56,396 --> 00:44:59,399 正臣は死んだ。 507 00:44:59,399 --> 00:45:03,403 私が 正臣を「殺したんだ」 508 00:45:03,403 --> 00:45:07,407 (鬼頭)あいつは 私に この家を捨てろと言った。 509 00:45:07,407 --> 00:45:10,410 あれは もう よそ者だ。 510 00:45:10,410 --> 00:45:15,415 だから 私が正臣を「殺した」 「殺したんだ」 511 00:45:15,415 --> 00:45:19,419 鬼頭さん。 その落としまえはつける。 512 00:45:19,419 --> 00:45:21,421 嘘だ! 513 00:45:21,421 --> 00:45:25,425 あなたは 正臣さんを 殺してなんかいない。 514 00:45:25,425 --> 00:45:27,425 あなたは 死ぬ必要なんてないんだ! 515 00:45:38,371 --> 00:45:40,371 (銃声) 516 00:45:47,380 --> 00:45:51,384 何で 死なせてくれんのだ…。 517 00:45:51,384 --> 00:45:56,389 深町君の言うとおり➡ 518 00:45:56,389 --> 00:46:00,393 あなたが死ぬ理由がないからです。 519 00:46:00,393 --> 00:46:06,393 正臣さんは 自分で足を滑らせて 亡くなったんじゃないでしょうか。 520 00:46:08,401 --> 00:46:10,403 洞窟の上に行きました。 521 00:46:10,403 --> 00:46:14,407 でも そこに 何の痕跡もなかったんです。 522 00:46:14,407 --> 00:46:18,407 足の不自由なあなたが いつも使ってる杖の跡も。 523 00:46:21,414 --> 00:46:24,417 あなたは あの場所へは行っていない。 524 00:46:24,417 --> 00:46:26,419 だから 正臣さんを 突き落として殺すことも➡ 525 00:46:26,419 --> 00:46:28,419 できないんです。 526 00:46:31,424 --> 00:46:36,363 正臣さんは 自分の開発した ゲームの宣伝のため➡ 527 00:46:36,363 --> 00:46:38,365 あの場所から 動画を撮ろうとしていた。 528 00:46:38,365 --> 00:46:41,368 しかし 誤って転落してしまった。 529 00:46:41,368 --> 00:46:45,372 あなたは いつもどおり 鬼神様を拝みに来たところ➡ 530 00:46:45,372 --> 00:46:48,375 冷たくなった息子さんを発見した。 531 00:46:48,375 --> 00:46:52,375 《正臣! 正臣!》 532 00:46:58,385 --> 00:47:01,388 《くぅ~…》 533 00:47:01,388 --> 00:47:04,391 《うあああー!》 すぐに 警察に連絡することも➡ 534 00:47:04,391 --> 00:47:06,393 できたでしょう。 でも そうすれば➡ 535 00:47:06,393 --> 00:47:10,397 実和子さんが悲しむ。 そう考えた あなたは➡ 536 00:47:10,397 --> 00:47:16,403 正臣さんの死を隠し 生きているように偽装した。 537 00:47:16,403 --> 00:47:19,403 それが 実和子さんのためになると思って。 538 00:47:22,409 --> 00:47:28,415 違う! 私は… 私は…。 539 00:47:28,415 --> 00:47:34,354 あいつを よそ者とののしってしまったんだ。 540 00:47:34,354 --> 00:47:38,358 鬼頭家は よそ者を殺す。 541 00:47:38,358 --> 00:47:43,363 私のせいだ。 だから私も死ぬべきなんだ! 542 00:47:43,363 --> 00:47:45,363 勝手なこと言わないで! 543 00:47:48,368 --> 00:47:53,373 一度 正也を寝かし付けているときに➡ 544 00:47:53,373 --> 00:47:57,377 誰かが お父さんを 訪ねてきたの 気付いてました。➡ 545 00:47:57,377 --> 00:48:04,384 お父さん すぐに追い返したけど➡ 546 00:48:04,384 --> 00:48:11,391 もしかして 正臣さんだったんじゃないかって。 547 00:48:11,391 --> 00:48:17,397 (実和子)でも その後 正臣さんからの連絡がなくなって➡ 548 00:48:17,397 --> 00:48:23,397 それから お父さんの様子もおかしくなって。 549 00:48:30,410 --> 00:48:42,410 でも お父さんを追い詰めたのは 私だったんですね。 550 00:48:57,370 --> 00:48:59,370 実和子さん。 551 00:49:01,374 --> 00:49:04,377 鬼頭さん。 552 00:49:04,377 --> 00:49:09,377 どんなに悲しい真実でも 目を背けちゃ駄目だ。 553 00:49:11,384 --> 00:49:17,390 そうしないと 自分で自分を 呪い続けることになりますよ。 554 00:49:17,390 --> 00:49:36,342 ♬~ 555 00:49:36,342 --> 00:49:38,344 ♬~ 556 00:49:38,344 --> 00:49:40,344 あっ 健ちゃん。 557 00:49:44,350 --> 00:49:47,353 で 正臣さんのご遺体 見つかったの? 558 00:49:47,353 --> 00:49:54,360 ああ… お前の推測どおり 例の塚の下からな。 559 00:49:54,360 --> 00:49:59,365 あの… そういえば 例の動画は? 560 00:49:59,365 --> 00:50:05,371 おそらく ゲームの宣伝のための 作り物のフェイクだろう。 561 00:50:05,371 --> 00:50:08,374 あと 瑠衣子君が 追加調査をしてくれてね。 562 00:50:08,374 --> 00:50:10,376 正臣さんは 鬼頭さんを➡ 563 00:50:10,376 --> 00:50:12,378 東京に連れてこようとしてた みたいなんだ。 564 00:50:12,378 --> 00:50:16,382 だけど 鬼頭さんは 鬼神様を理由に拒み続けていた。 565 00:50:16,382 --> 00:50:19,385 先祖が犯した過去の罪が 200年もの間➡ 566 00:50:19,385 --> 00:50:23,389 鬼頭さんたちを 縛り続けていたんだね。 567 00:50:23,389 --> 00:50:25,391 鬼への復讐っていうのも➡ 568 00:50:25,391 --> 00:50:29,395 正臣さんにとっては 案外 本心だったんじゃないかな。 569 00:50:29,395 --> 00:50:35,335 だから 動画にあった正臣さんの声は…。 570 00:50:35,335 --> 00:50:40,340 声が どうかしたか? あ… いえ 何でもないです。 571 00:50:40,340 --> 00:50:44,344 しかし 俺は てっきり あの親父か嫁さんが➡ 572 00:50:44,344 --> 00:50:47,347 息子を殺したと思ってたんだがな。 573 00:50:47,347 --> 00:50:50,350 それが分かったのも 深町君のおかげだよ。 574 00:50:50,350 --> 00:50:54,354 2人の言葉に惑わされず 真実をすくい取ってくれたから。 575 00:50:54,354 --> 00:50:58,358 ふーん こんな青っちょろい顔した ガキがねえ。 576 00:50:58,358 --> 00:51:03,358 今回の深町君はカッコ良かったよ。 ありがとう。 577 00:51:17,377 --> 00:51:22,382 《今思えば 俺は少し調子に乗っていた》 578 00:51:22,382 --> 00:51:24,384 《こんな自分でも➡ 579 00:51:24,384 --> 00:51:27,384 うまく やっていけるんじゃないかって》 580 00:51:31,390 --> 00:51:34,393 あっ…。 581 00:51:34,393 --> 00:51:43,402 あれ? 変だ… 体が…。 582 00:51:43,402 --> 00:51:48,402 《だから これは きっと 罰が当たったんだ》