1 00:00:07,508 --> 00:00:09,427 (高槻) 自分の役割って どういう意味かな? 2 00:00:09,510 --> 00:00:12,513 (一) 天狗の子ですよ 3 00:00:14,515 --> 00:00:18,436 (一) 僕は もう始めていますよ 高槻先生 一緒にやりましょう 4 00:00:18,519 --> 00:00:22,440 (高槻) あいつに近寄っちゃ駄目だ 彼は 深町君の能力を知ってる 5 00:00:22,523 --> 00:00:25,443 (尚哉) えっ? (高槻) 寺内 一 6 00:00:25,526 --> 00:00:29,530 本当に僕と同じ目に 遭ったのかもしれない 7 00:00:34,535 --> 00:00:37,455 {\an8}(高槻) おし いいよ 深町君 (尚哉) こんな感じですか 8 00:00:37,538 --> 00:00:39,457 {\an8}(高槻) うん よし (尚哉) はい すいません 9 00:00:39,540 --> 00:00:41,459 {\an8}じゃあ よろしくお願いします (高槻) いくよ 10 00:00:41,542 --> 00:00:44,462 {\an8}(尚哉) はい お~ あっ すごいっすね (高槻) それっ 11 00:00:44,545 --> 00:00:47,465 {\an8}\(ノック) (高槻) どうぞ 12 00:00:47,548 --> 00:00:49,467 {\an8}(葉山) 失礼しま~す 13 00:00:49,550 --> 00:00:53,471 {\an8}(高槻) おっ 今年の民俗学Ⅱを 受けている学生さんだね 14 00:00:53,554 --> 00:00:55,473 {\an8}覚えてくれてるんですか? 15 00:00:55,556 --> 00:00:57,475 {\an8}(瑠衣子) 先生は 一度見たものを忘れないの 16 00:00:57,558 --> 00:00:59,477 {\an8}へえ~ 17 00:00:59,560 --> 00:01:02,563 {\an8}(高槻) どうしたの? >> あっ… 18 00:01:04,565 --> 00:01:07,401 {\an8}文学部1年の葉山といいます 19 00:01:07,485 --> 00:01:10,404 {\an8}実は この前の講義に出てきた→ 20 00:01:10,488 --> 00:01:12,406 {\an8}百物語を実際にやってみたくて 21 00:01:12,490 --> 00:01:18,496 {\an8}それで 先生に責任者に なっていただけないかな~と 22 00:01:19,497 --> 00:01:22,416 (高槻) すばらしい! 是非やろう 23 00:01:22,500 --> 00:01:25,419 (尚哉) 先生 葉山君が引いてます 24 00:01:25,503 --> 00:01:28,422 (高槻) えっ? (尚哉) いや… 25 00:01:28,506 --> 00:01:30,424 (高槻) ああ… ごめんね 26 00:01:30,508 --> 00:01:33,427 (瑠衣子) 参加者は? 100人集めるの? 27 00:01:33,511 --> 00:01:36,430 いえ 1人いくつかずつ 怖い話をしてもらって→ 28 00:01:36,514 --> 00:01:39,433 最終的に100話にしたいと 思ってます 29 00:01:39,517 --> 00:01:43,437 (瑠衣子) はい 私も参加したいです 院生の生方瑠衣子 参加者に加えて 30 00:01:43,521 --> 00:01:45,439 私の専門は 結婚にまつわる話だから→ 31 00:01:45,523 --> 00:01:48,442 女の恨みは得意よ >> じゃあ 先輩は是非→ 32 00:01:48,526 --> 00:01:50,444 100話目を話してください (高槻) はい! 33 00:01:50,528 --> 00:01:53,447 准教授の高槻彰良 僕も参加します 34 00:01:53,531 --> 00:01:56,534 参加者に加えてね >> はい もちろん 35 00:01:57,535 --> 00:01:59,453 (高槻)「はい! 僕も参加します」 36 00:01:59,537 --> 00:02:02,456 「文学部の深町尚哉」 参加者に 37 00:02:02,540 --> 00:02:05,459 (葉山) OK じゃあ中で 38 00:02:05,543 --> 00:02:07,419 あ~ どうも どうも 39 00:02:07,461 --> 00:02:09,421 じゃ 学部と… 40 00:02:09,463 --> 00:02:12,424 はい OK じゃあ中で 41 00:02:12,466 --> 00:02:15,427 お~ 久しぶり えっ 怖い話 苦手じゃなかったっけ? 42 00:02:15,469 --> 00:02:18,430 (女子学生) めっちゃ苦手 (葉山) えっ 何で? ありがとう 43 00:02:18,472 --> 00:02:21,433 じゃ とりあえず ここに学部と名前 44 00:02:21,475 --> 00:02:24,436 (小春) あっ どうぞ 45 00:02:24,478 --> 00:02:26,438 (尚哉) ああ どうぞ >> あっ いいよいいよ 46 00:02:26,480 --> 00:02:28,440 (尚哉) あっ いいですよ あの お先に >> どうぞどうぞ 47 00:02:28,482 --> 00:02:31,443 (尚哉) いや 僕は… (難波) 2人して何してんの 48 00:02:31,485 --> 00:02:33,445 (小春) あ~ どうも (難波) どうも 49 00:02:33,487 --> 00:02:35,447 栗本さん お先どうぞ こいつのことなんて→ 50 00:02:35,489 --> 00:02:37,449 気にしなくていいですから 51 00:02:37,491 --> 00:02:39,493 じゃあ 52 00:02:41,495 --> 00:02:43,455 (尚哉) えっ 知り合い? 53 00:02:43,497 --> 00:02:47,459 何 言ってんの? 学食の栄養士さん 54 00:02:47,501 --> 00:02:51,463 安くて うまい飯 食えてんのは 栗本さんのおかげよ 55 00:02:51,505 --> 00:02:54,466 どんな感じ? (高槻) …にしても すごいね ここ 56 00:02:54,508 --> 00:02:56,468 (瑠衣子) 何か起きそうですね 57 00:02:56,510 --> 00:02:58,470 置く? (愛美) ああ うん 58 00:02:58,512 --> 00:03:00,514 (高槻) おっ 59 00:03:03,517 --> 00:03:06,478 1人遅れてますが 始めましょうか 60 00:03:06,520 --> 00:03:08,397 荷物は後ろに置けます 61 00:03:08,480 --> 00:03:11,400 置いた方から ご自由に座ってください 62 00:03:11,483 --> 00:03:14,403 高槻先生 こちらへ 63 00:03:14,486 --> 00:03:17,406 最後にお話しいただく 瑠衣子先輩は その隣に 64 00:03:17,489 --> 00:03:19,408 (瑠衣子) ありがと >> お願いします 65 00:03:19,491 --> 00:03:22,411 ありがと (難波) ヤバい 緊張してきた 66 00:03:22,494 --> 00:03:25,497 (愛美) ちょっと緊張する 大丈夫かな 67 00:03:27,499 --> 00:03:30,419 (葉山) 今日は たくさんの方に参加いただき→ 68 00:03:30,502 --> 00:03:32,421 感謝しています 69 00:03:32,504 --> 00:03:36,425 今回 25名の方に ご参加いただいています 70 00:03:36,508 --> 00:03:42,514 1人4つずつ怪談を話すと ちょうど100になります 71 00:03:50,522 --> 00:04:00,532 ♪~ 72 00:04:00,532 --> 00:04:04,453 最初のお話は 高槻先生から 73 00:04:04,536 --> 00:04:06,538 お願いします 74 00:04:07,456 --> 00:04:11,418 (高槻) 百物語の由来から 話すことにするね 75 00:04:11,460 --> 00:04:13,420 百物語をするときは こんなふうに→ 76 00:04:13,462 --> 00:04:15,422 100の明かりが必要となります 77 00:04:15,464 --> 00:04:19,426 江戸時代に書かれた “伽婢子”の中の一編 78 00:04:19,468 --> 00:04:24,431 “怪を語れば怪至る”に 百物語のやり方が記されています 79 00:04:24,473 --> 00:04:27,434 月の暗い夜に 青い紙を貼り 立てた行灯に→ 80 00:04:27,476 --> 00:04:29,436 百筋の灯心をともし→ 81 00:04:29,478 --> 00:04:33,440 怪談を1つ語り終える度に 灯心を1つ抜いていく 82 00:04:33,482 --> 00:04:37,444 なぜ百物語には やり方が存在するのか 83 00:04:37,486 --> 00:04:39,488 それは… 84 00:04:50,499 --> 00:04:52,459 (高槻) つまり 百物語をすれば→ 85 00:04:52,501 --> 00:04:54,461 必ず恐ろしいこと 怪しいことが起こる 86 00:04:54,503 --> 00:04:56,463 そう 百物語は→ 87 00:04:56,505 --> 00:05:01,510 百の怪談をもって 怪異を招く儀式だからです 88 00:05:03,512 --> 00:05:07,391 今日 最後の明かりが消えたとき→ 89 00:05:07,474 --> 00:05:10,477 何か起こるかもしれませんね 90 00:05:14,481 --> 00:05:17,484 (ドアが開く音) 91 00:05:17,484 --> 00:05:27,494 ♪~ 92 00:05:29,496 --> 00:05:31,415 遅れました 93 00:05:31,498 --> 00:05:34,418 寺内さん お待ちしておりました 94 00:05:34,501 --> 00:05:37,504 どうぞ そちらの空いてる席へ 95 00:05:48,515 --> 00:06:23,467 ♪~ 96 00:06:23,467 --> 00:06:25,385 (花江) 暇なの? 97 00:06:25,469 --> 00:06:27,387 はい コーヒー 98 00:06:27,471 --> 00:06:29,389 (健司) 暇なわけねえだろ 99 00:06:29,473 --> 00:06:32,392 だって こんなに散らかして もう 100 00:06:32,476 --> 00:06:36,396 (健司) あ~ 分けてあるんだから触るな 101 00:06:36,480 --> 00:06:40,400 そっちこそ 客いなくて暇なんだろ? 102 00:06:40,484 --> 00:06:43,403 手伝ってくれ (花江) 何を? 103 00:06:43,487 --> 00:06:46,406 そっちの まだチェックしてない新聞 隅々まで見て→ 104 00:06:46,490 --> 00:06:50,410 人が失踪したとか 行方不明とか→ 105 00:06:50,494 --> 00:06:53,413 反対に発見されたって記事を 小さくてもいいから探してほしい 106 00:06:53,497 --> 00:06:57,501 いや 行方不明って… 107 00:06:58,502 --> 00:07:00,504 彰良ちゃんと関係ある? 108 00:07:02,506 --> 00:07:04,508 かもな 109 00:07:07,427 --> 00:07:10,389 (小春) 子供の頃に聞いた話です 110 00:07:10,430 --> 00:07:16,395 昔 ある男が 京の都で仕事を終えて→ 111 00:07:16,436 --> 00:07:18,397 故郷へ向かっていました 112 00:07:18,438 --> 00:07:24,403 男は道で 見知らぬ女から 声をかけられました 113 00:07:24,444 --> 00:07:26,405 「この箱を持っていって→ 114 00:07:26,446 --> 00:07:30,450 私の知り合いに 渡してほしいんです」 115 00:07:31,451 --> 00:07:35,414 「でも絶対に 箱を開けないでください」 116 00:07:35,455 --> 00:07:38,417 女は言いました 117 00:07:38,458 --> 00:07:40,419 男は引き受けたあと→ 118 00:07:40,460 --> 00:07:46,425 つい 好奇心で 箱の中身を見てしまいました 119 00:07:46,466 --> 00:07:53,473 箱の中には くりぬかれた目玉が 入っていました 120 00:07:56,476 --> 00:07:58,437 (小春) 男は気味が悪くなって→ 121 00:07:58,478 --> 00:08:00,439 さっさと箱を渡してしまおうと→ 122 00:08:00,480 --> 00:08:05,444 女に教えられた橋のたもとで 待ちました 123 00:08:05,485 --> 00:08:11,366 すると 身なりのきれいな女が やって来ました 124 00:08:11,450 --> 00:08:15,454 女は 箱を一目見て言いました 125 00:08:16,455 --> 00:08:19,458 「箱を開けましたね」 126 00:08:20,459 --> 00:08:23,378 男は開けていないと 言い張りましたが→ 127 00:08:23,462 --> 00:08:26,381 女は 真っ黒な化け物に姿を変え→ 128 00:08:26,465 --> 00:08:30,469 男を川の中へ引きずり込みました 129 00:08:31,470 --> 00:08:38,477 それから 男の姿を見た人は いないそうです 130 00:08:49,488 --> 00:08:52,491 次は僕ですね 131 00:08:56,495 --> 00:08:58,497 僕の話は… 132 00:08:59,498 --> 00:09:01,416 かっぱにキュウリを 取られた話です 133 00:09:01,500 --> 00:09:05,420 (難波) ププッ… かっぱ? かっぱにキュウリだって 134 00:09:05,504 --> 00:09:08,423 (伏木) どういうこと? 135 00:09:11,426 --> 00:09:14,429 (一) こういう話も あってもいいでしょ? 136 00:09:14,429 --> 00:10:14,489 ♪~ 137 00:10:14,489 --> 00:10:18,452 俺の地元には 近所の人たちしか 行かないような→ 138 00:10:18,493 --> 00:10:20,454 小さな神社があります 139 00:10:20,495 --> 00:10:26,460 その神社で しめ縄が切られる 事件がありました 140 00:10:26,501 --> 00:10:32,466 町の年寄りたちは 罰が当たるって すげえ怒って 141 00:10:32,507 --> 00:10:36,470 でも 俺の同級生とか 若いやつらは→ 142 00:10:36,511 --> 00:10:41,516 まあ 誰かのいたずらだろう ぐらいにしか思わなくて 143 00:10:44,519 --> 00:10:49,483 ところが ホントに罰が当たって→ 144 00:10:49,524 --> 00:10:54,529 男の子が1人 消えてしまいました 145 00:10:57,532 --> 00:11:01,495 私も似た話 しようとしてた 146 00:11:01,536 --> 00:11:04,498 (高槻) 似た話? 147 00:11:04,539 --> 00:11:09,419 (愛美) おばあちゃんの家の近くで あった話です 148 00:11:09,503 --> 00:11:13,423 神社の さい銭箱に 落書きが見つかって→ 149 00:11:13,507 --> 00:11:20,514 そのあと 近くに住む人が 消えちゃった 150 00:11:25,519 --> 00:11:28,522 まるで神隠しですね 151 00:11:28,522 --> 00:11:52,546 ♪~ 152 00:11:52,546 --> 00:11:57,551 最後は 天狗の話をします 153 00:12:02,556 --> 00:12:06,476 (一) 昔 天狗は人を→ 154 00:12:06,560 --> 00:12:11,481 特に子供をさらうと 信じられていました 155 00:12:12,482 --> 00:12:16,403 二十数年前のことです 156 00:12:16,486 --> 00:12:23,410 ある所に 大きなお屋敷に住む 男の子がいました 157 00:12:23,493 --> 00:12:26,413 その子が行方不明になったとき→ 158 00:12:26,496 --> 00:12:30,500 誰もが 身代金目的の誘拐を 疑いました 159 00:12:31,501 --> 00:12:35,422 ところが 犯人からの連絡は→ 160 00:12:35,505 --> 00:12:39,426 何日待っても来なかったのです 161 00:12:39,509 --> 00:12:42,429 しばらくして 男の子は→ 162 00:12:42,512 --> 00:12:48,518 自宅から随分離れた 京都の鞍馬で発見されました 163 00:12:51,521 --> 00:12:53,440 (一) 男の子には→ 164 00:12:53,523 --> 00:12:58,445 いなくなっていた期間の記憶が なかったそうです 165 00:12:58,528 --> 00:13:02,532 どうやって 鞍馬まで 移動したのかも分からない 166 00:13:03,533 --> 00:13:08,455 昔話の天狗さらいと同じでした 167 00:13:10,457 --> 00:13:12,417 (一) 男の子の母親は→ 168 00:13:12,459 --> 00:13:16,421 戻ってきた我が子が 天狗の子になったと言って→ 169 00:13:16,463 --> 00:13:21,426 自分の友人を集めて 男の子を拝み始めました 170 00:13:21,468 --> 00:13:23,428 母親は お金持ちでしたから→ 171 00:13:23,470 --> 00:13:27,432 当然 その友達もお金持ち 172 00:13:27,474 --> 00:13:33,480 男の子は お金持ちたちの救い主に なったそうです 173 00:13:36,483 --> 00:13:40,445 (一) しばらくして 天狗様は人に会わなくなり→ 174 00:13:40,487 --> 00:13:44,491 やがて 外国に行ったという うわさでした 175 00:13:45,492 --> 00:13:49,496 天狗様が今 どうしているかは 「知りません」 176 00:13:58,505 --> 00:14:04,469 ああ 大事なことを話すのを 忘れていました 177 00:14:04,511 --> 00:14:09,474 その男の子が 天狗になった証拠が ちゃんとあるんです 178 00:14:11,476 --> 00:14:13,395 男の子が見つかったとき→ 179 00:14:13,478 --> 00:14:15,397 背中に大きく→ 180 00:14:15,480 --> 00:14:20,402 翼を切り取った傷痕が あったんです 181 00:14:20,485 --> 00:14:22,404 (ざわめき) 182 00:14:22,487 --> 00:14:25,407 翼の痕だって ヤバくない? マジで天狗じゃん 183 00:14:25,490 --> 00:14:28,410 (愛美) 怖いんだけど (難波) 怖い? すごくない? 184 00:14:28,493 --> 00:14:30,412 翼の痕だよ? (愛美) いや すごいけど→ 185 00:14:30,495 --> 00:14:32,497 ちょっと怖くない? (難波) 飛べるかも 186 00:14:32,497 --> 00:14:45,510 ♪~ 187 00:14:45,510 --> 00:14:47,429 (瑠衣子) はい 188 00:14:47,512 --> 00:14:49,514 えっ? 189 00:14:50,515 --> 00:14:53,435 (瑠衣子) 順番を変えて悪いけど→ 190 00:14:53,518 --> 00:14:58,440 私の話も 今の話と関係あるから 先に話していいかしら 191 00:14:58,523 --> 00:15:00,442 わんこ君 替わって 192 00:15:00,525 --> 00:15:04,446 (尚哉) はい >> いや でも先輩は最後じゃないと 193 00:15:04,529 --> 00:15:07,407 僕の話と どう関係があるんですか? 194 00:15:07,449 --> 00:15:10,410 興味ありますね 195 00:15:10,452 --> 00:15:14,456 (瑠衣子) じゃあ 話しますね 196 00:15:15,457 --> 00:15:17,417 これは→ 197 00:15:17,459 --> 00:15:22,464 「私の友人が体験した話です」 198 00:15:24,466 --> 00:15:27,427 彼女は学生でした 199 00:15:27,469 --> 00:15:29,429 ちょうど大学院に 進もうとしていて→ 200 00:15:29,471 --> 00:15:32,432 とても進路に悩んでいました 201 00:15:32,474 --> 00:15:34,434 文系の大学院を出ると→ 202 00:15:34,476 --> 00:15:38,438 なかなか就職先が 見つからないって聞いてたから 203 00:15:38,480 --> 00:15:41,441 そして 彼女が悩んでいたのには→ 204 00:15:41,483 --> 00:15:44,444 もう一つ 理由がありました 205 00:15:44,486 --> 00:15:47,447 指導教官のことです 206 00:15:47,489 --> 00:15:50,450 その人は とても親切で→ 207 00:15:50,492 --> 00:15:54,454 指導熱心だと評判でした 208 00:15:54,496 --> 00:15:57,457 でも みんなが褒めるほど 学生は→ 209 00:15:57,499 --> 00:16:01,503 簡単に信じていいか 分からなくなっていたんです 210 00:16:02,504 --> 00:16:08,468 ある日 講演会を聞きに行き 教官と鉢合わせました 211 00:16:12,472 --> 00:16:15,392 (瑠衣子) 成り行きで 一緒に 帰ることになったのですが→ 212 00:16:15,475 --> 00:16:17,394 彼が言いました 213 00:16:17,477 --> 00:16:20,397 「せっかくだから この近くにある遺跡を→ 214 00:16:20,480 --> 00:16:23,483 一緒に見に行かないか」と 215 00:16:25,485 --> 00:16:29,406 ところが だいぶ歩いてきたところで→ 216 00:16:29,489 --> 00:16:31,491 雨が降ってきました 217 00:16:33,493 --> 00:16:37,414 その日 学生は 白いブラウスを着ていて→ 218 00:16:37,497 --> 00:16:41,418 雨でぬれて 下着が透けてしまいました 219 00:16:41,501 --> 00:16:44,504 それに気付いた教官は… 220 00:16:54,514 --> 00:17:01,438 (瑠衣子) この教官は いい人なのかも と思い始めたとき→ 221 00:17:01,521 --> 00:17:05,525 学生は あるものを見て 恐ろしくて固まりました 222 00:17:06,526 --> 00:17:09,446 教官も ぬれていて… 223 00:17:10,447 --> 00:17:14,451 シャツが肌に張り付いていました 224 00:17:15,452 --> 00:17:18,455 そして 透けた部分越しに… 225 00:17:19,456 --> 00:17:25,462 大きな翼を切り取ったような痕が 226 00:17:27,464 --> 00:17:30,383 マジで? (難波) まんまじゃん 227 00:17:30,467 --> 00:17:32,385 一緒? (難波) 同じ人ってこと? 228 00:17:32,469 --> 00:17:34,387 (愛美) えっ そういうこと? (難波) 分かんない 229 00:17:34,471 --> 00:17:41,394 (瑠衣子) 学生は 見てはいけないものを 見た気がして 身を引きました 230 00:17:41,478 --> 00:17:43,396 運良くタクシーが 通りかかったので→ 231 00:17:43,480 --> 00:17:46,399 すぐにでも帰ろうと 手を挙げましたが→ 232 00:17:46,483 --> 00:17:48,401 教官が 「あれは駄目だ」と言って→ 233 00:17:48,485 --> 00:17:51,488 タクシーを行かせてしまいました 234 00:17:52,489 --> 00:17:58,411 学生は 傷に気付いたことで 教官を怒らせたのではないか 235 00:17:58,495 --> 00:18:00,413 ひょっとしたら このまま→ 236 00:18:00,497 --> 00:18:05,502 帰してもらえないのではないかと 恐ろしくなってきました 237 00:18:07,420 --> 00:18:10,423 逃げ出そうとしたとき… 238 00:18:23,436 --> 00:18:27,398 (高槻)〔すいません 暖房を強くしてもらえますか〕 239 00:18:27,440 --> 00:18:29,400 〔あと これ〕 240 00:18:29,442 --> 00:18:31,402 (瑠衣子)〔お金は…〕 241 00:18:31,444 --> 00:18:33,446 (高槻)〔気にしないで〕 242 00:18:35,448 --> 00:18:39,452 (瑠衣子) タクシーが走りだしてから 気付きました 243 00:18:44,457 --> 00:18:47,418 (瑠衣子) 運転手は 女性だったのです 244 00:18:47,460 --> 00:18:51,422 教官は 学生のブラウスが 透けていたので→ 245 00:18:51,464 --> 00:18:55,468 女性の運転手のタクシーを 探してくれたのでした 246 00:19:01,474 --> 00:19:07,438 (瑠衣子) 学生は 教官の優しさに 気付きました 247 00:19:08,439 --> 00:19:11,359 そして思ったのです 248 00:19:11,442 --> 00:19:14,362 あの背中の傷は→ 249 00:19:14,445 --> 00:19:18,449 本当に翼を 切り落とした痕なのかもしれない 250 00:19:20,451 --> 00:19:22,370 でも だとしたら→ 251 00:19:22,453 --> 00:19:25,456 あの人は天使なんだなって 252 00:19:25,456 --> 00:19:45,476 ♪~ 253 00:19:45,476 --> 00:19:51,482 (尚哉) というわけで コックリさんは 本当はいませんでした 254 00:19:52,483 --> 00:19:55,403 深町! そこは うそでも いたって言わないと→ 255 00:19:55,486 --> 00:19:58,406 怪談になんないだろ (尚哉) あっ… 256 00:19:58,489 --> 00:20:01,409 (高槻) いいから 早く火を消して 257 00:20:01,492 --> 00:20:04,495 さあ 何が起こるかな 258 00:20:04,495 --> 00:20:22,513 ♪~ 259 00:20:22,513 --> 00:20:26,434 ハァ 何だ 260 00:20:26,517 --> 00:20:28,519 (難波) えっ? 261 00:20:30,521 --> 00:20:37,445 (瑠衣子) じゃ これで百物語は お開きね 262 00:20:37,528 --> 00:20:40,448 (学生たち) うわっ 263 00:20:40,531 --> 00:20:44,535 (瑠衣子) よ~し じゃあ片づけて 264 00:20:44,535 --> 00:20:58,549 ♪~ 265 00:20:59,550 --> 00:21:01,469 あっ 小春さん また学食で 266 00:21:01,552 --> 00:21:03,471 何で 名前知ってんの? 267 00:21:03,554 --> 00:21:05,473 えっ いや… 何でもないよ (愛美) 何それ! 268 00:21:05,556 --> 00:21:08,476 (難波) 行こっ 大丈夫 行こう 269 00:21:19,487 --> 00:21:21,447 (葉山) 今日は ありがとうございました 270 00:21:21,489 --> 00:21:25,451 もう大丈夫ですので 先にお帰りください 271 00:21:25,493 --> 00:21:28,454 (尚哉) えっ? 何か手伝わなくていいの? 272 00:21:28,496 --> 00:21:31,457 >> ええ (高槻) 深町君 273 00:21:31,499 --> 00:21:34,460 葉山君は僕たちに いてほしくないんだよ 274 00:21:34,502 --> 00:21:36,462 (尚哉) えっ? (高槻) 瑠衣子君が→ 275 00:21:36,504 --> 00:21:40,466 予定とは違う順番で 話をすると言いだしたとき→ 276 00:21:40,508 --> 00:21:43,469 君は慌てていたよね 277 00:21:43,511 --> 00:21:48,474 君は 瑠衣子君が最後のろうそくの 火を吹き消したあとに→ 278 00:21:48,516 --> 00:21:52,478 何か怪異を演出しようと していたんじゃないかな? 279 00:21:52,520 --> 00:21:57,483 瑠衣子君は 女の恨みの話をすると 予告していたから→ 280 00:21:57,525 --> 00:22:03,489 例えば すすり泣きの録音を 流すとかかな 281 00:22:03,531 --> 00:22:08,494 そんなことしても 「何にもなりませんよ」 282 00:22:12,498 --> 00:22:24,510 ♪~ 283 00:22:24,510 --> 00:22:27,430 (尚哉) あっ… 撮影してたんだ? 284 00:22:27,513 --> 00:22:31,517 (瑠衣子) 私たちを早く帰して これを回収しようとしてたの? 285 00:22:33,519 --> 00:22:37,440 百物語したら 怪奇現象が起きた っていう動画を→ 286 00:22:37,523 --> 00:22:42,528 ネットにあげたら もう バズるかなあって 287 00:22:46,532 --> 00:22:49,452 (高槻) そんなことのために 怪異を仕組むなんて→ 288 00:22:49,535 --> 00:22:52,455 感心しないな 289 00:22:52,538 --> 00:22:57,543 怪異は奥が深くて 底知れないものだから 290 00:23:10,473 --> 00:23:14,477 (使用人) 奥様 お客様が 291 00:23:15,478 --> 00:23:20,483 (清花) 今は誰にも会いたくないの 292 00:23:21,484 --> 00:23:25,488 彰良さんのことだと おっしゃっていますが 293 00:23:33,496 --> 00:23:37,500 (使用人) 奥様がお会いになります 294 00:23:37,500 --> 00:23:55,518 ♪~ 295 00:23:55,518 --> 00:23:57,436 {\an8}📱(バイブ音) (高槻) あっ… 296 00:23:57,520 --> 00:24:01,524 {\an8}百物語の葉山君だ 297 00:24:03,526 --> 00:24:05,528 {\an8}どうしたの? 298 00:24:07,446 --> 00:24:09,448 {\an8}えっ? 299 00:24:11,450 --> 00:24:13,411 {\an8}分かった 300 00:24:13,452 --> 00:24:16,455 {\an8}僕のほうで調べてみるから 301 00:24:19,458 --> 00:24:21,460 {\an8}(尚哉) 何かあったんですか? 302 00:24:22,461 --> 00:24:28,467 {\an8}(高槻) 百物語で 開けてはいけない箱の 話をした女性 覚えてる? 303 00:24:29,468 --> 00:24:33,431 {\an8}(2人) はい (高槻) あの人 栗本小春さんが→ 304 00:24:33,472 --> 00:24:37,476 {\an8}百物語のあと 失踪したらしい 305 00:24:44,483 --> 00:24:46,485 {\an8}(高槻) 神隠しみたいに 306 00:24:51,490 --> 00:24:54,452 (幹夫) どう考えても神隠しなんです! (尚哉) 声は ゆがまなかった 307 00:24:54,493 --> 00:24:58,456 寺内 一が何者で 本当に彰良と 同じ目に遭ったのか調べたい 308 00:24:58,497 --> 00:25:00,458 (高槻) 天狗様なんて あなたたちの幻想だ 309 00:25:00,499 --> 00:25:03,461 {\an8}君には うそが嫌な音に聞こえる その能力で→ 310 00:25:03,502 --> 00:25:05,504 {\an8}僕を手伝ってくれないか? (高槻) 深町君!