1 00:00:02,202 --> 00:00:06,139 (竹)<ここは 出羽国 米沢。➡ 2 00:00:06,139 --> 00:00:11,612 上杉様 30万石の ご城下にございます。➡ 3 00:00:11,612 --> 00:00:14,515 町外れにある この家は➡ 4 00:00:14,515 --> 00:00:16,950 苦しみの無い庵➡ 5 00:00:16,950 --> 00:00:18,886 無苦庵と申します> 6 00:00:18,886 --> 00:00:20,888 (又吉)毎朝 ご精が出ますね。 7 00:00:27,961 --> 00:00:30,864 <「住めば都」と申しますが➡ 8 00:00:30,864 --> 00:00:37,971 関ヶ原の戦いの後 この米沢に 移り住んで 既に8年。➡ 9 00:00:37,971 --> 00:00:42,843 旦那様の前田慶次様は 前田利家様の甥にあたり➡ 10 00:00:42,843 --> 00:00:46,647 若い時には 太閤秀吉様から➡ 11 00:00:46,647 --> 00:00:50,984 天下のかぶき者と言われた お方です。➡ 12 00:00:50,984 --> 00:00:57,658 私は この家の奉公人の竹と申します> 13 00:00:57,658 --> 00:01:00,928 いいんだが? 旦那様に あんな事させて。 14 00:01:00,928 --> 00:01:05,799 いいの いいの。 あれは 旦那様の 毎朝のお務めなんだから。 15 00:01:05,799 --> 00:01:07,801 (慶次)竹さん。 16 00:01:07,801 --> 00:01:11,271 今年のかぶは うまそうですよ。 17 00:01:11,271 --> 00:01:14,274 はい 旦那様。 18 00:01:23,617 --> 00:02:47,601 ♬~ 19 00:02:56,977 --> 00:02:59,312 どうだ? 遠山かぶは。 20 00:02:59,312 --> 00:03:01,581 その だしには 京都のしょうゆと➡ 21 00:03:01,581 --> 00:03:05,252 越前から取り寄せた たまりを使ってみた。 22 00:03:05,252 --> 00:03:08,155 (新九郎)うん。 なかなかにございます。 23 00:03:08,155 --> 00:03:12,926 だろ! ハハッ。 竹さん 後で たくさん食べて下さいよ。 24 00:03:12,926 --> 00:03:16,263 た~くさん作ったから。 よねさん 食べて下さいよ。 25 00:03:16,263 --> 00:03:18,932 はい。 ありがとうございます。 26 00:03:18,932 --> 00:03:21,601 では 後で ご近所にも お裾分けを。 27 00:03:21,601 --> 00:03:25,472 皆さん いつも おいしい おいしいと喜んで下さって。 28 00:03:25,472 --> 00:03:29,276 そうですか。 それは…。 29 00:03:29,276 --> 00:03:31,211 ですが 父上…。 うん。 30 00:03:31,211 --> 00:03:33,613 武士たる者が 台所に入り➡ 31 00:03:33,613 --> 00:03:36,950 料理を作るのは いかがなものかと。 32 00:03:36,950 --> 00:03:39,619 上杉家の中で ほかには おりませぬぞ。 33 00:03:39,619 --> 00:03:43,290 そりゃあ 人それぞれだ。 気にするな。 34 00:03:43,290 --> 00:03:47,627 新九郎様 今に始まった事ではございません。 35 00:03:47,627 --> 00:03:50,530 竹は とっくに諦めております。 36 00:03:50,530 --> 00:03:55,969 そうだ。 毎日 毎日 同じ事を…。 くどい。 37 00:03:55,969 --> 00:04:01,241 くどいとは 父上のお言葉でも 聞き捨てなりませぬ。 38 00:04:01,241 --> 00:04:06,113 私は 潔い侍になりとうございます。 39 00:04:06,113 --> 00:04:08,915 あ? もし また 戦となれば➡ 40 00:04:08,915 --> 00:04:13,787 この命 上杉家のために 潔く ささげる覚悟でございます。 41 00:04:13,787 --> 00:04:16,590 では また 戦が始まるのですか? 42 00:04:16,590 --> 00:04:19,259 そうではなく 「もし」と言っているのです。 43 00:04:19,259 --> 00:04:21,928 「もし」でも 竹は もう嫌でございます。 44 00:04:21,928 --> 00:04:24,264 生きているうちは 二度と ごめんです。 45 00:04:24,264 --> 00:04:27,601 だが 敵が攻めてきたら 戦わなくてはならぬではないか。 46 00:04:27,601 --> 00:04:30,504 だから 私は 毎日 武術の稽古に励んでいるのです。 47 00:04:30,504 --> 00:04:33,473 それじゃ 何か? 仮に そうなったら お前は➡ 48 00:04:33,473 --> 00:04:37,277 命を懸けて戦うと申すか? 49 00:04:37,277 --> 00:04:42,616 はい。 討ち死にも 辞さぬ覚悟でございます。ほう。 50 00:04:42,616 --> 00:04:49,289 それが 家臣の務め 上杉の侍の心得と思っております。 51 00:04:49,289 --> 00:04:53,160 う~ん…。 52 00:04:53,160 --> 00:04:55,962 何か? (竹)どうかされましたか? 53 00:04:55,962 --> 00:05:00,800 いや。 遠山かぶ 少し塩が足りなかったかのう? 54 00:05:00,800 --> 00:05:04,104 塩梅が いまひとつだった。 55 00:05:12,913 --> 00:05:16,583 父上は 今日も ご登城なされぬのですか? 56 00:05:16,583 --> 00:05:19,252 ああ。 月に1度と決めておる。 57 00:05:19,252 --> 00:05:21,188 それは分かっております。 58 00:05:21,188 --> 00:05:24,925 ですが それなら そろそろ あの事を…。 59 00:05:24,925 --> 00:05:26,860 何だ? 60 00:05:26,860 --> 00:05:30,597 あの事といえば あの事です。 はて? 61 00:05:30,597 --> 00:05:33,500 今までも 何度も申し上げております。 62 00:05:33,500 --> 00:05:36,937 何の事やら さっぱりと。 63 00:05:36,937 --> 00:05:40,607 そこまで おとぼけなさるとは…! はっ? 64 00:05:40,607 --> 00:05:43,510 あの事とは 旦那様が隠居され➡ 65 00:05:43,510 --> 00:05:47,480 新九郎様に 家督を お譲りになられる事にございます。 66 00:05:47,480 --> 00:05:49,616 そのとおり! 67 00:05:49,616 --> 00:05:54,287 私は 既に 元服の儀を済ませた 一人前の武士にございます。 68 00:05:54,287 --> 00:05:57,958 ですが 父上が認めて下さらぬ限り 出仕は かないませぬ。 69 00:05:57,958 --> 00:06:00,861 言っているだろ。 人それぞれだと。 70 00:06:00,861 --> 00:06:03,763 ですが 私は 父上が年老いてからの子。 71 00:06:03,763 --> 00:06:06,766 早く 上杉の一人前の侍に なりとうございます。 72 00:06:06,766 --> 00:06:09,236 さて 竹さん 行ってきます。 73 00:06:09,236 --> 00:06:12,138 明日の朝は 魚ですよ。 (又吉)はい お供します。 74 00:06:12,138 --> 00:06:16,109 父上 まだ 話は終わっては…。 (竹)行ってらっしゃいませ。 75 00:06:16,109 --> 00:06:20,113 さあ 新九郎様も そろそろ。 76 00:06:21,815 --> 00:06:29,256 <そして 実は この新九郎様は 慶次様の本当のお子ではなく➡ 77 00:06:29,256 --> 00:06:34,261 今は亡き石田三成様の お子様なのでございます> 78 00:06:36,930 --> 00:06:43,270 <この事は 慶次様と私だけの 秘密にございます> 79 00:06:43,270 --> 00:06:57,284 ♬~ 80 00:06:57,284 --> 00:07:01,588 いつまで このようなお務めが 続くのか…。 81 00:07:03,089 --> 00:07:08,895 (半助)新九郎様。 秋だというのに 虫が いっぱい出ちまっただ。 82 00:07:08,895 --> 00:07:10,830 <徳川様によって➡ 83 00:07:10,830 --> 00:07:17,904 120万石から 30万石に減らされた 上杉様は 勝手向きが苦しく➡ 84 00:07:17,904 --> 00:07:21,241 お侍様たちは 暮らしていくために➡ 85 00:07:21,241 --> 00:07:25,912 自ら 田畑を耕したり 商人に雇われたりと➡ 86 00:07:25,912 --> 00:07:29,783 さまざまな仕事を しておられました> 87 00:07:29,783 --> 00:07:33,787 あ これだ。 この虫の退治のしかたは➡ 88 00:07:33,787 --> 00:07:36,556 もぐさを煎じた汁を かけてやればいい。 89 00:07:36,556 --> 00:07:40,260 もぐさ。 (小平)もぐさ。ああ~。 90 00:07:46,599 --> 00:07:48,535 (半助)あっ! 91 00:07:48,535 --> 00:07:52,472 番所のお役人様が捜している 牢人たちじゃねえか? 92 00:07:52,472 --> 00:07:57,177 関所破りだ! おっ 急げ! 93 00:07:59,612 --> 00:08:02,215 放ってはおけぬ。 94 00:08:02,215 --> 00:08:04,884 止まれ! 95 00:08:04,884 --> 00:08:07,787 関所を破った牢人と見受けた。 96 00:08:07,787 --> 00:08:13,093 それがしは 伊達家牢人 北川次右衛門と申す。 97 00:08:15,228 --> 00:08:18,898 前田慶次という男を知らぬか? 98 00:08:18,898 --> 00:08:20,834 前田慶次…。 99 00:08:20,834 --> 00:08:23,770 知っておるのか? 100 00:08:23,770 --> 00:08:26,239 知らぬ。 101 00:08:26,239 --> 00:08:29,142 このまま 番所まで ご同行願おう。 102 00:08:29,142 --> 00:08:31,578 断る。 103 00:08:31,578 --> 00:08:36,249 では しかたがない。 腕ずくで まいる! 104 00:08:36,249 --> 00:08:41,955 若造 やめておいた方が 身のためだぞ。 105 00:08:43,590 --> 00:08:47,460 命が惜しくば 立ち去れい。 106 00:08:47,460 --> 00:08:53,933 何を… 武士に向かって よくも そのような事を! 107 00:08:53,933 --> 00:08:59,606 若造 お主 人を斬った事があるのか? 108 00:08:59,606 --> 00:09:02,308 バカにするな! 109 00:09:03,877 --> 00:09:05,812 やあっ! 110 00:09:05,812 --> 00:09:07,814 えい! 111 00:09:13,219 --> 00:09:17,090 新九郎様! 大丈夫だか? あっけなく やられちまって…。 112 00:09:17,090 --> 00:09:19,793 けがは ねえだか? 大丈夫だか? 113 00:09:21,561 --> 00:09:27,434 ♬~ 114 00:09:27,434 --> 00:09:30,570 旦那様。 115 00:09:30,570 --> 00:09:34,441 新九郎様も 18にございますね。 116 00:09:34,441 --> 00:09:39,245 うん? 何だ 藪から棒に。 117 00:09:39,245 --> 00:09:43,917 18っていえば 遊びたい盛りだ。 118 00:09:43,917 --> 00:09:48,788 京の都が恋しくなったか。 ええ? ヘヘヘヘ。 119 00:09:48,788 --> 00:09:53,259 京の四条河原で 旦那様に お会いするまで➡ 120 00:09:53,259 --> 00:09:56,262 私も むちゃをしたもんだ。 121 00:09:58,131 --> 00:10:04,137 (又吉)京まで ひとつき 江戸まで 10日か。 122 00:10:08,608 --> 00:10:11,311 (水音) 来た。 123 00:10:13,480 --> 00:10:16,783 旦那さん 来ました。 124 00:10:20,620 --> 00:10:22,956 (竹)まあ こんなに。 125 00:10:22,956 --> 00:10:26,292 煮つけになさると。 そこまで お考えで。うん。 126 00:10:26,292 --> 00:10:28,228 で 旦那様は? 127 00:10:28,228 --> 00:10:30,230 次は これです。 128 00:10:33,166 --> 00:10:38,304 生きるだけ生きたら あとは 死ぬだけ。 ヘヘッ。 129 00:10:38,304 --> 00:10:41,641 (天徳)既に 楽隠居の境地で ございますかな? 130 00:10:41,641 --> 00:10:44,544 ああ はい。 ハハッ。 131 00:10:44,544 --> 00:10:49,983 朝餉を作り 釣りをし そして 縁側で 碁を楽しむ。 132 00:10:49,983 --> 00:10:53,653 苦しみも無く こんないい暮らしは ございません。 133 00:10:53,653 --> 00:10:55,989 少し前までは 槍を手に➡ 134 00:10:55,989 --> 00:11:00,260 戦場を駆け回っていた あなたが…。 ハハッ。 135 00:11:00,260 --> 00:11:05,932 前田慶次といえば その恐ろしさに 逃げ出す敵も多かったとか。 136 00:11:05,932 --> 00:11:08,601 そんな事もありましたかねぇ。 137 00:11:08,601 --> 00:11:11,271 亡き太閤秀吉様に➡ 138 00:11:11,271 --> 00:11:16,142 天下のかぶき者とまで言われたと お聞きしましたぞ。 139 00:11:16,142 --> 00:11:22,615 猿に似ていた秀吉様の前で わざわざ 猿の面をかぶり➡ 140 00:11:22,615 --> 00:11:26,286 踊ったとか。 ハッハッハッハ! 141 00:11:26,286 --> 00:11:32,625 されど それは 太閤様に こびへつらう大名たちを➡ 142 00:11:32,625 --> 00:11:35,528 戒めるためだったのでは? 143 00:11:35,528 --> 00:11:38,965 いやいや ただの若気の至りでございます。 144 00:11:38,965 --> 00:11:40,900 ハハッ! ハッハッハ…。 145 00:11:40,900 --> 00:11:43,636 前田様。 おう。 146 00:11:43,636 --> 00:11:46,539 お城でのお務めは 終わったようですな。 147 00:11:46,539 --> 00:11:50,310 皆さん 今日も 元気で 始めて下さい。 148 00:11:50,310 --> 00:11:52,979 (一同)はっ! 乱取りから始める。 149 00:11:52,979 --> 00:11:54,981 (一同)はい! 150 00:11:57,317 --> 00:11:59,652 よいのですか? 師範代なのに➡ 151 00:11:59,652 --> 00:12:02,922 まだ 一度も稽古をつけた事が ないとは。 152 00:12:02,922 --> 00:12:07,594 和尚 よろしければ 一局 お相手を。 153 00:12:07,594 --> 00:12:11,297 はい。 では…。 154 00:12:16,269 --> 00:12:28,281 (掛け声) 155 00:12:28,281 --> 00:12:30,283 (勝之進)えい! 156 00:12:31,951 --> 00:12:33,886 やあ~! 157 00:12:33,886 --> 00:12:39,626 牢人を取り逃がした? ああ 面目ない…。 158 00:12:39,626 --> 00:12:44,964 北川次右衛門という伊達の牢人だ。 番所には報告してきたが➡ 159 00:12:44,964 --> 00:12:49,302 何やら 父上の事を 知っているようだった。 160 00:12:49,302 --> 00:12:52,205 先の戦では 西軍が負けたとはいえ➡ 161 00:12:52,205 --> 00:12:55,174 我が上杉家は負けてはおらぬ。 そうだ。 162 00:12:55,174 --> 00:12:57,977 長谷堂の戦いでは 見事 伊達を打ち払ったではないか。 163 00:12:57,977 --> 00:13:00,580 もし また 戦になれば 必ず勝つ。➡ 164 00:13:00,580 --> 00:13:03,249 俺は そう信じている。 俺もだ。 165 00:13:03,249 --> 00:13:07,120 俺も信じている。 166 00:13:07,120 --> 00:13:10,123 信じるだけでは どうにもならぬ。 167 00:13:10,123 --> 00:13:14,861 まことの戦を知らぬ我ら青二才が 何を言っても 役には立たぬ。 168 00:13:14,861 --> 00:13:17,764 今 勘定方では いかに 金を集めるかで➡ 169 00:13:17,764 --> 00:13:20,266 毎日 頭を悩ませているのだ。 170 00:13:20,266 --> 00:13:23,603 お前も 早く出仕して 手伝え。 171 00:13:23,603 --> 00:13:27,473 分かっておる。 そうしたいのは やまやまだが➡ 172 00:13:27,473 --> 00:13:31,277 父上が認めてくれんのだ。 173 00:13:31,277 --> 00:13:33,946 あの親父 とぼけてばかり。 174 00:13:33,946 --> 00:13:37,617 私の願いなど 何も聞いてはくれぬ。 175 00:13:37,617 --> 00:13:45,291 ところで まだ ご子息のご出仕は お認めにならないので? 176 00:13:45,291 --> 00:13:48,628 あいつは まだまだ未熟者。 177 00:13:48,628 --> 00:13:51,964 一番大事なものが 分かっておりません。 178 00:13:51,964 --> 00:13:54,267 えい! 179 00:13:56,302 --> 00:14:00,907 (天徳)その一番大事なものとは? 180 00:14:00,907 --> 00:14:05,578 目には見えないものの事に ございます。 181 00:14:05,578 --> 00:14:25,598 ♬~ 182 00:14:25,598 --> 00:14:30,470 ただいま。お帰りなさいませ。 (よね)お帰りなさいませ。 183 00:14:30,470 --> 00:14:35,608 父上は お帰りか? どうかされたので? 184 00:14:35,608 --> 00:14:40,947 いや… 少し気になる事があってな。 185 00:14:40,947 --> 00:14:44,283 大した事ではないと思うのだが…。 186 00:14:44,283 --> 00:14:48,154 (竹)また 柳町でございましょう。 187 00:14:48,154 --> 00:14:50,156 今日もか…。 188 00:14:50,156 --> 00:14:54,627 はい。 あの女癖だけは どうしようもございません。 189 00:14:54,627 --> 00:14:57,630 本当 いい年をして…。 190 00:14:59,298 --> 00:15:01,901 ごめん。 191 00:15:01,901 --> 00:15:06,239 ⚟(騒ぐ声) 192 00:15:06,239 --> 00:15:08,908 今夜は 忙しそうですね。 193 00:15:08,908 --> 00:15:12,779 何か あったんですね? (雪夜)ええ。 194 00:15:12,779 --> 00:15:16,249 徳川様から ご下命があったようで。 195 00:15:16,249 --> 00:15:19,585 今度は 江戸城の 石垣の普請のようです。 196 00:15:19,585 --> 00:15:23,256 ほう。 このところ 次々とですね。 197 00:15:23,256 --> 00:15:29,262 もう 上杉のお家には 蓄えの金子もないとか。 198 00:15:32,265 --> 00:15:36,135 うわさは 本当なんですか? うん? 199 00:15:36,135 --> 00:15:40,139 徳川様が 上杉様を潰そうとしている。 200 00:15:40,139 --> 00:15:46,279 若いお侍さんたちは いま一度 戦をするまでだと言ってるとか。 201 00:15:46,279 --> 00:15:49,282 戦の世に戻しちゃいかん。 202 00:15:50,950 --> 00:15:57,290 いや もし そうなったら 多くの人の命が奪われます。 203 00:15:57,290 --> 00:16:01,894 でも 若い人たちは それを恐れもしないようで。 204 00:16:01,894 --> 00:16:06,232 実はね うちの息子も そうなんですよ。 205 00:16:06,232 --> 00:16:11,571 潔く命を捨てる覚悟で 戦うつもりのようです。 206 00:16:11,571 --> 00:16:23,916 ♬~ 207 00:16:23,916 --> 00:16:28,254 ♬「桃栗三年 柿八年」 208 00:16:28,254 --> 00:16:31,157 ♬「柚子の大馬鹿 十八年」 209 00:16:31,157 --> 00:16:33,593 ちょっと よね! (よね)はい お竹さん。 210 00:16:33,593 --> 00:16:36,262 そんなやり方をしてはなりません。 211 00:16:36,262 --> 00:16:40,132 ここは こんな古ぼけた庵でも お武家様の家。 212 00:16:40,132 --> 00:16:42,134 ごみは 奥から手前➡ 213 00:16:42,134 --> 00:16:44,136 ほこりは 上から下へと 掃除するものです。 214 00:16:44,136 --> 00:16:47,874 よいですか? このように。 215 00:16:47,874 --> 00:16:50,810 ⚟ごめん。 あ はい! 216 00:16:50,810 --> 00:16:52,812 はい。 217 00:16:54,614 --> 00:16:56,916 はい ただいま。 218 00:17:04,891 --> 00:17:07,226 どちら様で? 219 00:17:07,226 --> 00:17:11,898 久しぶりです 竹。 え? 220 00:17:11,898 --> 00:17:16,569 父上に会いに やって参りました。 221 00:17:16,569 --> 00:17:19,272 佐乃お嬢様!? 222 00:17:21,240 --> 00:17:23,910 まあ なんて 大きくなられて!➡ 223 00:17:23,910 --> 00:17:26,579 しかも こんなに美しく…。 224 00:17:26,579 --> 00:17:29,916 それで 奥方様は 元気でいらっしゃいますか? 225 00:17:29,916 --> 00:17:34,587 姉上の華様も。 いつも いつも どうしていらっしゃるかと…。 226 00:17:34,587 --> 00:17:38,925 あっ。 ですが いきなり来られては…。 227 00:17:38,925 --> 00:17:40,860 え? 228 00:17:40,860 --> 00:17:46,799 いえ。 来られるなら来られると まずは 文で お知らせを。 229 00:17:46,799 --> 00:17:51,504 母上が お出ししたはずですが。 え…? 230 00:17:51,504 --> 00:17:54,774 私の方が 先に着いてしまったのですね。 231 00:17:54,774 --> 00:17:56,809 急いで参りましたゆえ。 あ…。 232 00:17:56,809 --> 00:18:01,213 ここが 父上の住まいですか。 233 00:18:01,213 --> 00:18:04,116 どうしたのです? それが…。 234 00:18:04,116 --> 00:18:06,886 お客様ですか? あっ! 235 00:18:06,886 --> 00:18:14,226 ♬~ 236 00:18:14,226 --> 00:18:16,562 このお方は…。 237 00:18:16,562 --> 00:18:18,898 それが その…。 私は➡ 238 00:18:18,898 --> 00:18:24,570 この家の主 前田慶次の娘 佐乃と申します。 239 00:18:24,570 --> 00:18:28,240 娘? はい。 240 00:18:28,240 --> 00:18:31,243 どちら様で? 241 00:18:33,579 --> 00:18:40,252 私も この家の主 前田慶次の息子ですが…。 242 00:18:40,252 --> 00:18:42,254 え? 243 00:18:53,799 --> 00:18:58,270 お帰んなさいませ。 ああ。 釣れなかった。 244 00:18:58,270 --> 00:19:00,206 花 摘んできたよ。 245 00:19:00,206 --> 00:19:04,543 旦那様 心して お部屋の中へ。 え? 246 00:19:04,543 --> 00:19:07,213 佐乃お嬢様にございます。 247 00:19:07,213 --> 00:19:13,085 えっ! 佐乃が?はい。 オッホッホッホ! 248 00:19:13,085 --> 00:19:18,557 いかんな。 旦那様が お帰りですよ! 249 00:19:18,557 --> 00:19:24,263 しばらく見んうちに いいおなごになった。 250 00:19:26,232 --> 00:19:28,901 10年ぶりか? 251 00:19:28,901 --> 00:19:32,772 まあ 今日のところは 旅の疲れもあるだろうから➡ 252 00:19:32,772 --> 00:19:36,575 ゆっくりと くつろいで…。 父上。 253 00:19:36,575 --> 00:19:40,446 あの お人は 誰なのでございます? 254 00:19:40,446 --> 00:19:44,450 父上の息子だと申されております。 はい。 255 00:19:44,450 --> 00:19:48,587 という事は 私の兄上様? はい。 256 00:19:48,587 --> 00:19:52,291 ですが 私には 兄上はおりません! 257 00:19:53,926 --> 00:19:56,829 父上 どういう事なのでございます!? 258 00:19:56,829 --> 00:20:01,267 私に 妹がいたのでございますか? いや それは…。 259 00:20:01,267 --> 00:20:03,936 父上! 父上! 260 00:20:03,936 --> 00:20:07,640 黙っていては分かりませぬ! はっきりとおっしゃって下さい! 261 00:20:09,809 --> 00:20:14,814 (竹)では この竹から はっきりと申し上げます。 262 00:20:19,285 --> 00:20:21,954 新九郎様と佐乃様は➡ 263 00:20:21,954 --> 00:20:27,827 お二人とも 旦那様のお子に 間違いはございません。➡ 264 00:20:27,827 --> 00:20:30,629 お母上が異なるとは申せ➡ 265 00:20:30,629 --> 00:20:34,500 れっきとした兄妹で いらっしゃいます。 266 00:20:34,500 --> 00:20:40,639 そうなると 金沢の母上は 本妻。 267 00:20:40,639 --> 00:20:47,313 では 新九郎様は 側女に産ませた 腹違いの兄という事に? 268 00:20:47,313 --> 00:20:55,020 では 佐乃殿は 私の まことの妹? 269 00:21:01,594 --> 00:21:04,497 すまん。 270 00:21:04,497 --> 00:21:17,143 ♬~ 271 00:21:17,143 --> 00:21:20,279 なぜ こんな大事な事を 今まで黙っていたのですか? 272 00:21:20,279 --> 00:21:24,150 いや それは… つい 言いそびれてしまってのう。 273 00:21:24,150 --> 00:21:26,952 うん。 はあ!? 274 00:21:26,952 --> 00:21:31,824 8年前 寺に預けられていた私を 引き取りに来て下さった時➡ 275 00:21:31,824 --> 00:21:35,294 身内は 息子の私だけだと! 276 00:21:35,294 --> 00:21:39,165 なのに…。 277 00:21:39,165 --> 00:21:44,637 あ… では 私の母上は? 278 00:21:44,637 --> 00:21:49,508 えっ! あ… お前の母? 279 00:21:49,508 --> 00:21:54,313 お前の母は 京の町で出会った。 280 00:21:54,313 --> 00:21:59,985 お前を産むと すぐ はやり病で 亡くなってしまった。 281 00:21:59,985 --> 00:22:03,255 まことに 美しき おなごであった。 282 00:22:03,255 --> 00:22:06,158 そういう事を聞いているのでは ありません! 283 00:22:06,158 --> 00:22:13,465 あ~! ほとほと あきれて これ以上 物も申せませぬ。 284 00:22:24,944 --> 00:22:27,947 (障子を閉める音) 285 00:22:31,283 --> 00:22:34,620 旦那様 どうなさるおつもりです? 286 00:22:34,620 --> 00:22:38,958 しばらくは 竹さんが言ってくれたとおりに➡ 287 00:22:38,958 --> 00:22:41,861 しましょう。 ですが こうなった以上…。 288 00:22:41,861 --> 00:22:46,632 いやいや いましばらく なんとか隠しときましょう。 289 00:22:46,632 --> 00:22:48,567 けれど…。 290 00:22:48,567 --> 00:22:52,871 あいつに知らせるには 早すぎます。 291 00:23:00,179 --> 00:23:03,115 ⚟少し よろしいでしょうか? 292 00:23:03,115 --> 00:23:06,418 あ… はい。 293 00:23:16,262 --> 00:23:18,564 何か? 294 00:23:20,132 --> 00:23:26,906 新九郎様は 母上は違えど 私の兄上のようでございます。 295 00:23:26,906 --> 00:23:29,275 そのようです。 296 00:23:29,275 --> 00:23:35,147 そこで お願いがございます。 何でしょう? 297 00:23:35,147 --> 00:23:40,286 父上が金沢へ戻るよう お力を お貸し下され。 298 00:23:40,286 --> 00:23:42,221 え? 299 00:23:42,221 --> 00:23:46,158 私は 何としても 父上を連れて帰りたいのです。 300 00:23:46,158 --> 00:23:53,299 そして 母上の前で きちんと申し開きをして頂きます。 301 00:23:53,299 --> 00:23:55,634 どうして 金沢へ帰ってこないのかと➡ 302 00:23:55,634 --> 00:23:59,972 思っておりましたが 隠し子がいたからだとは…。 303 00:23:59,972 --> 00:24:03,275 到底 許せる事ではありませぬ! 304 00:24:06,578 --> 00:24:09,915 何か? 305 00:24:09,915 --> 00:24:12,217 いえ…。 306 00:24:13,786 --> 00:24:15,788 きえ~っ! 307 00:24:15,788 --> 00:24:18,490 きえ~っ! 308 00:24:21,527 --> 00:24:23,929 きえ~っ! 309 00:24:23,929 --> 00:24:28,267 きえ~っ! きえ~っ! 310 00:24:28,267 --> 00:24:30,269 (あくび) 311 00:24:31,937 --> 00:24:37,609 父上は?今日は ご登城なさると 早くに お出かけに。 312 00:24:37,609 --> 00:24:40,279 さては 逃げたな…? 313 00:24:40,279 --> 00:24:42,614 ⚟きえ~っ! 314 00:24:42,614 --> 00:24:49,955 ♬~ 315 00:24:49,955 --> 00:24:56,662 前田殿の 月に1度のご登城だ。 いいご身分なことだ。 316 00:25:00,232 --> 00:25:04,103 (継之丞)徳川様から お申しつけの 江戸城の石垣修理の費え➡ 317 00:25:04,103 --> 00:25:06,105 半分も用意できぬと申すか。 318 00:25:06,105 --> 00:25:09,575 (一左衛門)はい。 無い袖は振れませぬ。 319 00:25:09,575 --> 00:25:12,478 何とする? お年寄衆からは 一刻も早く➡ 320 00:25:12,478 --> 00:25:14,913 資金を調達せよと 厳命されておる。 321 00:25:14,913 --> 00:25:18,250 ここは やはり 越後屋に頼むしか…。 322 00:25:18,250 --> 00:25:21,153 また 頭を下げるしかないかと。 323 00:25:21,153 --> 00:25:25,924 上杉の侍が 商人に頭を下げるとは…。 324 00:25:25,924 --> 00:25:30,262 亡き謙信公が お聞きになったら さぞ嘆かれよう。 325 00:25:30,262 --> 00:25:32,931 (いびき) ああ…。 326 00:25:32,931 --> 00:25:36,268 前田様が また昼寝などを…。 327 00:25:36,268 --> 00:25:39,605 いい気なものだ このような時に。 328 00:25:39,605 --> 00:25:43,475 (一左衛門) ですが する事がなければ しかたがありません。➡ 329 00:25:43,475 --> 00:25:49,948 前田様は 組外衆。 お仕事は お屋形様のお話し相手。 330 00:25:49,948 --> 00:25:53,819 ですが 今は お屋形様は 江戸にいらして ご不在。 331 00:25:53,819 --> 00:25:58,957 譜代な我らとは異なり 牢人から 召し抱えられた者だからのう。 332 00:25:58,957 --> 00:26:04,229 (一左衛門)けれど いいですな。 ああしていて 禄が頂けるとは。 333 00:26:04,229 --> 00:26:06,899 なんとも羨ましいこと…。 334 00:26:06,899 --> 00:26:09,802 あっ これは…。 335 00:26:09,802 --> 00:26:12,771 「ご奉公道に励む事」! 336 00:26:12,771 --> 00:26:16,241 我が上杉家中の掟の第一だ。 337 00:26:16,241 --> 00:26:18,177 なぜ お屋形様は➡ 338 00:26:18,177 --> 00:26:22,114 いまだ このような男を 召し抱えておられるのか。 339 00:26:22,114 --> 00:26:26,118 聞いておるのか 一左衛門!? あ はい。 340 00:26:28,821 --> 00:26:33,592 ハハッ 前田様 お目が覚められましたか? 341 00:26:33,592 --> 00:26:37,930 あ~ 今 ハエが飛んできたようで。 342 00:26:37,930 --> 00:26:40,833 いい夢 見てたんですがね。 343 00:26:40,833 --> 00:26:43,836 (あくび) 344 00:26:45,604 --> 00:26:49,942 皆の者 ご苦労。 (一同)はっ! 345 00:26:49,942 --> 00:26:55,247 (一左衛門)ほっほっほっ…。 346 00:26:59,618 --> 00:27:03,222 新田開作の試算が 仕上がりましてございます。 347 00:27:03,222 --> 00:27:05,224 うん。 348 00:27:08,894 --> 00:27:13,765 さすが 安田様のご子息。 349 00:27:13,765 --> 00:27:18,237 お屋形様に認められたのも うなずけます。 350 00:27:18,237 --> 00:27:25,244 ♬~ 351 00:27:36,255 --> 00:27:40,259  回想  (次右衛門) 前田慶次という男を知らぬか? 352 00:27:46,265 --> 00:27:50,602 <そして その翌日の事にございます> 353 00:27:50,602 --> 00:27:56,475 生きるだけ生きたら あとは 死ぬだけ。 354 00:27:56,475 --> 00:27:59,278 これで生きた。 355 00:27:59,278 --> 00:28:01,880 おっ! ホッホホ…。 356 00:28:01,880 --> 00:28:05,884 (次右衛門)前田殿! 前田殿! 357 00:28:12,891 --> 00:28:15,794 (次右衛門) 私の事を覚えておいでか? 358 00:28:15,794 --> 00:28:17,763 はて…。 359 00:28:17,763 --> 00:28:20,632 8年前 長谷堂の戦いで➡ 360 00:28:20,632 --> 00:28:24,236 伊達の家臣として 前田殿と刃を交えた➡ 361 00:28:24,236 --> 00:28:27,906 北川次右衛門でござる。 362 00:28:27,906 --> 00:28:31,243 ああ…。 363 00:28:31,243 --> 00:28:34,580 いま一度 勝負を。 364 00:28:34,580 --> 00:28:39,918 私と果たし合いを願いたい。 365 00:28:39,918 --> 00:28:43,255 果たし合いとは また 物騒な事を。 366 00:28:43,255 --> 00:28:47,926 北川殿。 私は もう 斬り合いはしたくないんです。 367 00:28:47,926 --> 00:28:50,596 前田殿のおっしゃるとおり。 368 00:28:50,596 --> 00:28:55,467 今更 命のやり取りなどする必要は ありません。 369 00:28:55,467 --> 00:29:00,405 上杉と伊達の戦は もう終わった。いや まだだ。 370 00:29:00,405 --> 00:29:04,409 私の戦は 終わってなどおらぬ! 371 00:29:06,078 --> 00:29:09,548 (家来1) 前田慶次ともあろうお方が おじけづかれたか!? 372 00:29:09,548 --> 00:29:12,884 (家来2) 堂々と受けて立たれよ! 373 00:29:12,884 --> 00:29:16,221 ハハハハハハ…!➡ 374 00:29:16,221 --> 00:29:22,094 天下のかぶき者の名が廃るわ! (家来2)とんだ腰抜けよ。 375 00:29:22,094 --> 00:29:24,896 ハハッ。 そこまで言われたらば➡ 376 00:29:24,896 --> 00:29:27,799 受けるしか しかたがありませんね。 377 00:29:27,799 --> 00:29:31,570 北川殿 日時と場所は? 378 00:29:31,570 --> 00:29:35,440 追って お知らせする。 ごめん! 379 00:29:35,440 --> 00:29:50,155 ♬~ 380 00:29:55,260 --> 00:29:57,929 (雪夜)どうしたんですか? 381 00:29:57,929 --> 00:30:00,265 ああ いやいや…。 382 00:30:00,265 --> 00:30:05,137 まあ 母親違いの息子さんと 娘さんが鉢合わせしたんじゃ➡ 383 00:30:05,137 --> 00:30:08,607 帰りたくても帰れませんからね。 ヘヘッ。 384 00:30:08,607 --> 00:30:13,278 ここに いらっしゃいまし。 私は 慶さんなら➡ 385 00:30:13,278 --> 00:30:16,181 いつまで いて下さっても 構いませんよ。 386 00:30:16,181 --> 00:30:19,951 優しいですね あなたは。 387 00:30:19,951 --> 00:30:26,658 こんな事 言ってくれるのは 雪夜さんだけですよ。 全く。 ハハハ。 388 00:30:30,295 --> 00:30:38,303 明日も こんな酒が飲めたら いいですね。 アッハッハッハ。 389 00:30:48,647 --> 00:30:50,949 (鐘の音) 390 00:30:54,519 --> 00:30:59,291 「明後日 午の刻 龍経寺裏山に」。 391 00:30:59,291 --> 00:31:02,928 父上 なぜ こんな勝負を お受けになるのでございます? 392 00:31:02,928 --> 00:31:05,597 お断りなさいませ! 393 00:31:05,597 --> 00:31:09,935 どうされたのです? これが届いたのでございます。 394 00:31:09,935 --> 00:31:12,604 「北川次右衛門」…。 395 00:31:12,604 --> 00:31:17,476 父上 あの男は強い。 行けば やられます。 実は…。 396 00:31:17,476 --> 00:31:21,279 こんなもの 捨て置いたら よいのです! 397 00:31:21,279 --> 00:31:26,151 父上は 私と 金沢に お帰りになるのです! 398 00:31:26,151 --> 00:31:31,623 何 ちょっと行ってくるだけだ。 すぐ戻る。 399 00:31:31,623 --> 00:31:33,925 ほい。 400 00:31:38,964 --> 00:31:41,967 父上…。 401 00:31:45,303 --> 00:31:47,973 佐乃殿! 402 00:31:47,973 --> 00:32:09,594 ♬~ 403 00:32:09,594 --> 00:32:12,898 (すすり泣き) 404 00:32:15,267 --> 00:32:23,608 10年前 父上は すぐ戻ってくると➡ 405 00:32:23,608 --> 00:32:28,313 先ほどと同じ事を言って 家を出ていってしまわれた。 406 00:32:30,482 --> 00:32:38,957 私は 毎日 父上の帰りを 待ち続けてきたのです! 407 00:32:38,957 --> 00:32:45,831 ♬~ 408 00:32:45,831 --> 00:32:48,300 父上! 父上! 409 00:32:48,300 --> 00:32:51,203 お待ち下さい! 410 00:32:51,203 --> 00:32:54,172 父上! 411 00:32:54,172 --> 00:32:57,309 バカなまねは おやめ下さい。 412 00:32:57,309 --> 00:33:00,212 勝ち目はございませぬ。 413 00:33:00,212 --> 00:33:02,147 ここで 果たし合いをして➡ 414 00:33:02,147 --> 00:33:04,449 もしもの事があったら どうされます。 415 00:33:06,585 --> 00:33:08,520 父上! 416 00:33:08,520 --> 00:33:26,605 ♬~ 417 00:33:26,605 --> 00:33:30,609 今まで 世話になった。 418 00:33:32,477 --> 00:33:36,181 (かしわ手) 419 00:34:07,913 --> 00:34:13,618 久しぶりに見られるな 前田慶次の剣が。 420 00:34:16,588 --> 00:34:19,891 思う存分 やり合おうぞ。 421 00:34:28,199 --> 00:34:47,552 ♬~ 422 00:34:47,552 --> 00:34:50,288 父上…。 423 00:34:50,288 --> 00:34:54,292 ♬~ 424 00:34:56,161 --> 00:35:28,927 ♬~ 425 00:35:28,927 --> 00:35:31,262 やあっ! 426 00:35:31,262 --> 00:35:41,272 ♬~ 427 00:35:41,272 --> 00:35:43,608 うお~っ! 428 00:35:43,608 --> 00:35:55,620 ♬~ 429 00:35:55,620 --> 00:35:57,555 うお~っ! 430 00:35:57,555 --> 00:36:04,562 ♬~ 431 00:36:13,905 --> 00:36:18,209 私の負けです。 432 00:36:21,780 --> 00:36:24,783 ご勘弁を。 433 00:36:37,595 --> 00:36:39,931 追わないのですか? 次右衛門様! 434 00:36:39,931 --> 00:36:42,233 父上。 435 00:36:43,802 --> 00:36:47,806 皆さん かぶき者を 分かっちゃいませんね。 436 00:36:49,607 --> 00:36:52,277 あの粋なこと。 437 00:36:52,277 --> 00:36:55,947 どういう事だ? 438 00:36:55,947 --> 00:36:59,250 あのお方に 聞いてごらんなさいまし。 439 00:37:04,556 --> 00:37:09,561 次右衛門殿 どうして? 440 00:37:14,232 --> 00:37:17,235 私が斬られていた。 441 00:37:18,903 --> 00:37:22,207 うお~っ! ああ~! 442 00:37:23,775 --> 00:37:27,245 (次右衛門)だが…➡ 443 00:37:27,245 --> 00:37:30,915 前田様は わざと槍を回し➡ 444 00:37:30,915 --> 00:37:33,618 自ら 太刀を捨てた。 445 00:37:35,253 --> 00:37:37,188 (次右衛門)お主のような➡ 446 00:37:37,188 --> 00:37:41,126 まことの戦を知らぬ者には 分かるまい。 447 00:37:41,126 --> 00:37:46,865 私は 伊達の殿が天下を取るために➡ 448 00:37:46,865 --> 00:37:52,604 この手で 多くの人を殺してきた。➡ 449 00:37:52,604 --> 00:38:01,412 侍だけでなく 百姓 女 子どもまで…。 450 00:38:01,412 --> 00:38:08,553 だが 今や 徳川の天下に…! 451 00:38:08,553 --> 00:38:12,891 何のために…。 452 00:38:12,891 --> 00:38:21,232 私は ただの人殺し。 453 00:38:21,232 --> 00:38:24,536 生きているのが嫌になった。 454 00:38:30,241 --> 00:38:34,913 死に場所を探して ここに来たのだ。 455 00:38:34,913 --> 00:38:41,619 あの男… 前田慶次なら 殺してくれると。 456 00:38:44,255 --> 00:38:47,258 だが…。 457 00:38:52,597 --> 00:38:55,934 生きろという事か。 458 00:38:55,934 --> 00:39:07,245 ♬~ 459 00:39:08,880 --> 00:39:12,217 (和泉局) 早く 上杉を どうにかせぬと➡ 460 00:39:12,217 --> 00:39:15,553 後々 火種を抱える事になる。 461 00:39:15,553 --> 00:39:21,426 まだ 豊臣も 大坂で 力を持っておるというのに。 462 00:39:21,426 --> 00:39:25,430 (忠常)はい 承知しております。 463 00:39:28,566 --> 00:39:31,469 もっと 無理難題を押しつけよ。 464 00:39:31,469 --> 00:39:37,575 でしたら 面白い話がございます。 465 00:39:37,575 --> 00:39:39,577 うん? 466 00:39:45,250 --> 00:39:49,120 ええ? それは まことか? 467 00:39:49,120 --> 00:39:53,124 石田三成の子が 上杉の城下に? 468 00:39:53,124 --> 00:39:56,261 今 詳しく調べさせております。 469 00:39:56,261 --> 00:40:00,131 三成こそ 先の大戦を仕掛けた張本人。 470 00:40:00,131 --> 00:40:04,602 その子を 上杉が かくまっているとなると…。 471 00:40:04,602 --> 00:40:07,272 上杉家は お取り潰し。 472 00:40:07,272 --> 00:40:13,144 そして 三成の子も 生かしてはおけませぬ。 473 00:40:13,144 --> 00:40:23,288 ♬~ 474 00:40:23,288 --> 00:40:26,624 竹が 羽織るものを 持っていってやれと。 475 00:40:26,624 --> 00:40:28,927 おう すまんのう。 476 00:40:45,977 --> 00:40:49,981 あの男の命を助けたのですか? 477 00:40:58,556 --> 00:41:05,930 侍とは 所詮 人殺し稼業よ。 え? 478 00:41:05,930 --> 00:41:11,235 だから あいつと俺は 戦うしかなかった。 479 00:41:13,271 --> 00:41:17,942 新九郎。 はい。 480 00:41:17,942 --> 00:41:24,282 これからの世は 人を殺す剣は いらん。 481 00:41:24,282 --> 00:41:30,288 妻子と仲間を守る剣があれば それでいい。 482 00:41:31,956 --> 00:41:33,958 のう。 483 00:41:38,629 --> 00:41:45,937 お前 今 何が一番大事か 分かるか? 484 00:41:49,640 --> 00:41:55,513 命… 命だ。 485 00:41:55,513 --> 00:42:35,153 ♬~ 486 00:42:35,153 --> 00:42:37,155 (竹)新九郎様は➡ 487 00:42:37,155 --> 00:42:39,624 まだ 何も気付かれては いないようでございます。➡ 488 00:42:39,624 --> 00:42:41,559 ご自分の出生の秘密を。 489 00:42:41,559 --> 00:42:45,963 我らは 越後に帰り 春日山城を 再興したいのだ。 そのためなら…。 490 00:42:45,963 --> 00:42:47,899 この米沢の地で あいつを➡ 491 00:42:47,899 --> 00:42:51,302 一人前の侍にしなくては いかんのです。 492 00:42:51,302 --> 00:42:53,304 いや~っ! きえ~っ!