1 00:00:03,604 --> 00:00:06,506 (竹)<関ヶ原の戦いの後➡ 2 00:00:06,506 --> 00:00:12,312 世は 徳川様の天下へと 変わりつつありました。➡ 3 00:00:12,312 --> 00:00:19,152 前田慶次様は 豊臣方にお味方した 上杉様の領国 米沢で➡ 4 00:00:19,152 --> 00:00:23,790 今は亡き石田三成様のお子を 育てておられました> 5 00:00:23,790 --> 00:00:26,627 (美津)これは お強い…。 さすが 嫡男。 6 00:00:26,627 --> 00:00:29,529 ですから 私は 奥方様だけにでも➡ 7 00:00:29,529 --> 00:00:32,299 新九郎様の あの秘密を 打ち明けた方がよいと➡ 8 00:00:32,299 --> 00:00:34,234 申しておりましたのに。 9 00:00:34,234 --> 00:00:37,170 (慶次) それは 竹さんと私だけの秘密。 10 00:00:37,170 --> 00:02:01,154 ♬~ 11 00:02:05,592 --> 00:02:15,936 ♬~ 12 00:02:15,936 --> 00:02:17,938 これ 私! 13 00:02:19,606 --> 00:02:21,541 ⚟(佐乃)きえ~っ! 14 00:02:21,541 --> 00:02:30,951 (掛け声) 15 00:02:30,951 --> 00:02:34,621 (新九郎)えい! やあ! さすが 前田の嫡男。 16 00:02:34,621 --> 00:02:37,524 なんと鋭い 太刀筋。 17 00:02:37,524 --> 00:02:40,494 さすがでございます。 18 00:02:40,494 --> 00:02:43,296 あ…。 19 00:02:43,296 --> 00:02:45,232 (よね)ま~た 奥方様が➡ 20 00:02:45,232 --> 00:02:48,635 新九郎様を お褒めになっておられます。 21 00:02:48,635 --> 00:02:50,971 褒め殺しじゃ。 22 00:02:50,971 --> 00:02:55,642 父上のせいじゃ! 婚家を追われ 離縁されたは! 23 00:02:55,642 --> 00:02:58,311 フッ! 父上のせいじゃ! 24 00:02:58,311 --> 00:03:00,580 (掛け声) 25 00:03:00,580 --> 00:03:04,251 皆さ~ん そろそろ 朝餉にしましょう! 26 00:03:04,251 --> 00:03:06,553 (新九郎 佐乃)はい! 27 00:03:12,926 --> 00:03:16,263 いかがですか? 味の方は。 28 00:03:16,263 --> 00:03:20,934 はい。 大変 おいしゅうございます。 29 00:03:20,934 --> 00:03:26,273 旦那様の お手料理を また頂ける日が来ようとは➡ 30 00:03:26,273 --> 00:03:31,144 こんな幸せはございません。 それは よかった。 ハハッ! 31 00:03:31,144 --> 00:03:33,947 ですが 父上。 うん。 32 00:03:33,947 --> 00:03:38,618 こうして 母上も姉上も 迎えに来られたのでございます。 33 00:03:38,618 --> 00:03:41,521 一日も早う 金沢に お戻りを。 34 00:03:41,521 --> 00:03:45,492 そうでございます。 いつ お戻りになるか➡ 35 00:03:45,492 --> 00:03:49,629 はっきりと決めて下さいませ。 いや それは まだのう…。 36 00:03:49,629 --> 00:03:53,500 (華)父上のせいで 皆が迷惑をしているのです。 37 00:03:53,500 --> 00:03:55,502 私など…➡ 38 00:03:55,502 --> 00:03:59,973 父上が 上杉で 何か よからぬ事を たくらんでいると思われ➡ 39 00:03:59,973 --> 00:04:02,876 夫婦の縁を断たれたのです。➡ 40 00:04:02,876 --> 00:04:09,249 その事 父上は 何と思ってらっしゃるのですか? 41 00:04:09,249 --> 00:04:13,120 まことに 申し訳ないと…。 42 00:04:13,120 --> 00:04:15,589 また言われっ放しだ。 43 00:04:15,589 --> 00:04:21,261 (美津)華 佐乃 そのような事を 言うものではありません。 44 00:04:21,261 --> 00:04:24,931 旦那様にも ご都合というものがあるんです。 45 00:04:24,931 --> 00:04:27,601 そうでございますわね 旦那様。 46 00:04:27,601 --> 00:04:30,270 はい そのとおりです。 47 00:04:30,270 --> 00:04:34,141 さすがに 女房殿 よく分かっておられる。 48 00:04:34,141 --> 00:04:37,144 はい。 49 00:04:37,144 --> 00:04:44,284 家とは 一家の長である旦那様を 柱にして 成り立つもの。 50 00:04:44,284 --> 00:04:50,624 決して 旦那様を おろそかにしてはなりませぬ。 51 00:04:50,624 --> 00:04:52,559 はい。 52 00:04:52,559 --> 00:04:56,496 はい。 はい。 53 00:04:56,496 --> 00:05:07,574 ♬~ 54 00:05:07,574 --> 00:05:11,444 行ってまいる。 行ってらっしゃいませ。 55 00:05:11,444 --> 00:05:14,147 (2人)行ってらっしゃいませ。 うむ。 56 00:05:15,916 --> 00:05:19,786 (2人)行ってらっしゃいませ。 57 00:05:19,786 --> 00:05:22,255 行ってまいる! 58 00:05:22,255 --> 00:05:30,597 ♬~ 59 00:05:30,597 --> 00:05:35,936 いや~ くたびれるわ。 60 00:05:35,936 --> 00:05:37,871 (又吉)行ってらっしゃいませ。 61 00:05:37,871 --> 00:05:42,609 あ 行ってくる。 62 00:05:42,609 --> 00:05:46,947 お城へは行かずに 父上は どちらへ? 63 00:05:46,947 --> 00:05:50,617 和尚様と いつもの碁でございましょう。 64 00:05:50,617 --> 00:05:56,289 和尚様も ご迷惑なこと。 和尚様とは? 65 00:05:56,289 --> 00:05:59,626 (美津)竹。 あっ はい。 66 00:05:59,626 --> 00:06:03,897 頼みたい事がある。 ちと こちらへ。え? 67 00:06:03,897 --> 00:06:06,800 こちらじゃ。 68 00:06:06,800 --> 00:06:10,237 はい…。 69 00:06:10,237 --> 00:06:14,107 ♬~ 70 00:06:14,107 --> 00:06:19,813 竹さん 奥方様が来てから ため息ばかりですね~。 71 00:06:22,582 --> 00:06:27,921 (美津)どうしてかのう? 旦那様だけではなく➡ 72 00:06:27,921 --> 00:06:35,929 迎えにやった竹までが 金沢に戻ってこなかったのは。 73 00:06:37,931 --> 00:06:46,940 何か 私に隠してる事が あるのかのう? 74 00:06:46,940 --> 00:06:57,584 ♬~ 75 00:06:57,584 --> 00:07:00,220 (一左衛門)それは まことか!? はっ! 76 00:07:00,220 --> 00:07:04,557 あの石田三成様の忘れ形見が この米沢の地に!? 77 00:07:04,557 --> 00:07:06,493 そのようなうわさが 流れております。 78 00:07:06,493 --> 00:07:09,229 私も聞きました。 79 00:07:09,229 --> 00:07:14,567 それが まことなら 上杉家の存亡に関わる一大事。 80 00:07:14,567 --> 00:07:21,908 徳川の知るところとなれば… お家取り潰しとも なりかねん! 81 00:07:21,908 --> 00:07:24,577 (継之丞)その話は存じておる。 では…。 82 00:07:24,577 --> 00:07:27,247 うむ。 豊臣家のために➡ 83 00:07:27,247 --> 00:07:31,918 最後まで 徳川と戦った 石田三成様のお子が➡ 84 00:07:31,918 --> 00:07:34,587 この米沢の地に おられるやもしれんとな。 85 00:07:34,587 --> 00:07:37,490 いかが致します? それが まことなら➡ 86 00:07:37,490 --> 00:07:40,460 我らにとっては 願ってもない事。 87 00:07:40,460 --> 00:07:45,932 徳川家への 何よりの旗印となろう。 88 00:07:45,932 --> 00:07:48,268 石田三成様のお子➡ 89 00:07:48,268 --> 00:07:51,271 何としても 探し出せ! (4人)はっ! 90 00:07:53,940 --> 00:07:58,812 そう来ましたか。 では…。 91 00:07:58,812 --> 00:08:03,750 (天徳)なるほど。 それでは こちらは…。 92 00:08:03,750 --> 00:08:10,890 うん? さすが。 となると…。 93 00:08:10,890 --> 00:08:13,560 う~ん。 94 00:08:13,560 --> 00:08:16,229 (次右衛門)お二人とも なかなかのお腕前でございますな。 95 00:08:16,229 --> 00:08:22,569 碁盤は さしずめ 武家にとっては 白と黒の戦場のようなもの。 96 00:08:22,569 --> 00:08:28,441 前田殿は その戦場で 縦横無尽に戦われた。 97 00:08:28,441 --> 00:08:33,213 拙僧など 到底 足元にも及びませぬわい。 98 00:08:33,213 --> 00:08:36,916 いやいや それを言うなら 碁盤は 宇宙。 99 00:08:36,916 --> 00:08:42,255 陰と陽が織り成す仏の世界を 知り尽くした和尚の方が➡ 100 00:08:42,255 --> 00:08:46,926 はるかに勝る。 そのような事は…。 101 00:08:46,926 --> 00:08:50,797 前田殿の方が お強いのは 確か。 102 00:08:50,797 --> 00:08:54,267 いやいや 和尚の方が はるかに お強い。 103 00:08:54,267 --> 00:08:58,605 いや 前田殿の方が お強い。 和尚様。 104 00:08:58,605 --> 00:09:02,208 前田様の奥方様が お目通りを願いたいと。 105 00:09:02,208 --> 00:09:05,512 前田殿の奥方? 106 00:09:07,080 --> 00:09:13,820 初めて お目にかかります。 前田慶次の妻 美津でございます。 107 00:09:13,820 --> 00:09:17,757 日頃 主人が お世話になっております。 108 00:09:17,757 --> 00:09:23,496 世話などとは…。 縁側で 碁を打ってるだけでございます。 109 00:09:23,496 --> 00:09:28,234 ご高名な和尚様の お相手をさせて頂けますとは…。 110 00:09:28,234 --> 00:09:30,904 ただの田舎坊主でございます。 111 00:09:30,904 --> 00:09:36,242 まあ…。 で あの~ 主人は? 112 00:09:36,242 --> 00:09:44,117 前田殿なら 今し方まで…。 何か用があると おっしゃって。 113 00:09:44,117 --> 00:09:46,886 お引き合わせしよう。 114 00:09:46,886 --> 00:09:54,260 前田殿の奥方様の美津様と お嬢様の華様じゃ。 115 00:09:54,260 --> 00:09:56,596 雫と申します。 116 00:09:56,596 --> 00:10:01,468 前田様と又吉さんには 危ういところを助けて頂きました。 117 00:10:01,468 --> 00:10:07,240 雫さんが 牢人者に襲われた時 父上と又吉が通りかかり➡ 118 00:10:07,240 --> 00:10:11,611 お助けしたのでございます。 そうですか。 119 00:10:11,611 --> 00:10:15,281 あの時 お二人がいらっしゃらなければ➡ 120 00:10:15,281 --> 00:10:21,287 今頃 どうなっていた事か…。 いや~ これも 御仏のお導き。 121 00:10:28,828 --> 00:10:34,968 ところで 奥方様は 金沢から お越しになられたとか。 122 00:10:34,968 --> 00:10:38,471 (美津)はい。 いや 拙僧 てっきり➡ 123 00:10:38,471 --> 00:10:43,977 前田殿のお身内は 新九郎殿だけと 思っておりました。➡ 124 00:10:43,977 --> 00:10:46,880 存じ上げず ご無礼を致しました。 125 00:10:46,880 --> 00:10:50,850 いいえ。 それは 致し方のない事。 126 00:10:50,850 --> 00:10:59,993 されど 奥方様も 新九郎殿という ご子息がおありになるのを➡ 127 00:10:59,993 --> 00:11:01,928 ご存じなかったとは…。 128 00:11:01,928 --> 00:11:08,268 はあ お恥ずかしい事ながら この8年 何も知らされず…。 129 00:11:08,268 --> 00:11:14,140 前田殿も よく隠しておられましたな。 130 00:11:14,140 --> 00:11:20,613 8年前といえば 関ヶ原の戦のあった年。 131 00:11:20,613 --> 00:11:27,320 いや よほど深いご事情が おありになったのか…。 132 00:11:29,622 --> 00:11:33,493 あっ いや これは 失礼。 立ち入った事を…。 133 00:11:33,493 --> 00:11:36,496 いいえ。 134 00:11:36,496 --> 00:11:39,632 ⚟(次右衛門) よし! 稽古を始めるぞ! 135 00:11:39,632 --> 00:11:41,968 ⚟(一同)はい! 136 00:11:41,968 --> 00:11:48,841 (掛け声) 137 00:11:48,841 --> 00:11:53,313 次! (勝之進)やあ! 138 00:11:53,313 --> 00:11:57,183 (美津)まあ あれは 勝之進殿では? 139 00:11:57,183 --> 00:12:04,257 はい。 勘定頭 安田継之丞様のご嫡男➡ 140 00:12:04,257 --> 00:12:10,129 勝之進殿でございます。 お屋形様の覚えもめでたく➡ 141 00:12:10,129 --> 00:12:15,602 いずれ 上杉家を担うお方と いわれておるようで。 142 00:12:15,602 --> 00:12:20,473 剣の腕も立ち 男ぶりも申し分のない…。 143 00:12:20,473 --> 00:12:22,475 はい。 144 00:12:22,475 --> 00:12:26,179 (次右衛門)次! やあ! 145 00:12:29,148 --> 00:12:32,151 まあ…。 それに引き換え➡ 146 00:12:32,151 --> 00:12:36,456 我が家のご嫡男殿は…。 (ため息) 147 00:12:38,625 --> 00:12:40,560 はっ! 参った! 148 00:12:40,560 --> 00:12:44,430 えっ? 石田三成様のお子が この米沢の地に? 149 00:12:44,430 --> 00:12:47,967 ああ。 そのような うわさが流れておる。 150 00:12:47,967 --> 00:12:52,639 我ら馬廻組だけではなく 与板組も そのうわさを聞きつけ➡ 151 00:12:52,639 --> 00:12:56,976 2つの組とも 必死で そのお子を探している。 152 00:12:56,976 --> 00:13:00,580 この事で 今まで くすぶっていた➡ 153 00:13:00,580 --> 00:13:03,916 与板組と馬廻組のいさかいは ますます深まり➡ 154 00:13:03,916 --> 00:13:06,819 家中を二分する事に なるやもしれん。 155 00:13:06,819 --> 00:13:11,591 で 見つけられそうなのか? 分からぬ。 156 00:13:11,591 --> 00:13:14,927 そもそも うわさが まことかどうかも怪しい。 157 00:13:14,927 --> 00:13:20,266 なのに 父上はじめ 皆が その事に踊らされているとは。 158 00:13:20,266 --> 00:13:26,139 それほどの事なのであろう。 三成様のお子がいるという事は。 159 00:13:26,139 --> 00:13:28,608 (美津)新九郎殿。 160 00:13:28,608 --> 00:13:34,947 あっ 母上。 剣術の稽古 ご苦労さまです。 161 00:13:34,947 --> 00:13:37,850 寺に 何か ご用でしたか? ええ。 162 00:13:37,850 --> 00:13:41,287 和尚様に ご挨拶に上がりました。 163 00:13:41,287 --> 00:13:48,961 あっ 勝之進殿。 また うちの方に 稽古に おいで下さいませ。 164 00:13:48,961 --> 00:13:52,298 いつでも お越し下さい。 勝之進様。 165 00:13:52,298 --> 00:13:54,300 はい! 166 00:13:57,970 --> 00:13:59,972 あ…。 167 00:14:02,809 --> 00:14:04,777 あっ。 168 00:14:04,777 --> 00:14:10,249 ♬~ 169 00:14:10,249 --> 00:14:13,152 はい。 170 00:14:13,152 --> 00:14:15,922 (美津)では…。 171 00:14:15,922 --> 00:14:27,533 ♬~ 172 00:14:27,533 --> 00:14:29,469 何だ? 173 00:14:29,469 --> 00:14:33,473 お前 まさか 佐乃の事…。 174 00:14:37,610 --> 00:14:40,279 そうなのか? 175 00:14:40,279 --> 00:14:45,952 (雪夜)ここに来られている事は 奥方様は ご存じで? 176 00:14:45,952 --> 00:14:50,623 お見通しでしょ。 そうでしょうね。 177 00:14:50,623 --> 00:14:53,960 この前 いきなり 乗り込んでこられた時は➡ 178 00:14:53,960 --> 00:14:56,963 どうなる事かと思いましたわ。 179 00:14:58,631 --> 00:15:05,438 私 前田慶次の妻 美津にございます。 180 00:15:05,438 --> 00:15:09,575 いつも 夫が お世話になっております。 181 00:15:09,575 --> 00:15:13,246 でも さすが 慶さんの奥方様。 182 00:15:13,246 --> 00:15:18,117 武家の妻としての ご器量は 大変なものと お見受けしました。 183 00:15:18,117 --> 00:15:20,119 そうですね。 184 00:15:20,119 --> 00:15:25,825 まるで ひと事のよう。 私の気も知らないで…。 185 00:15:27,593 --> 00:15:29,595 あ~。 ⚟(せきばらい) 186 00:15:31,264 --> 00:15:34,600 あ~ 安部殿。 やはり こちらでしたか。 187 00:15:34,600 --> 00:15:36,536 お入り下さい。 ハハハ。 188 00:15:36,536 --> 00:15:41,274 どうなされましたか? いや それが もう…➡ 189 00:15:41,274 --> 00:15:44,177 大変な事に。 190 00:15:44,177 --> 00:15:47,146 徳川を相手に戦を起こした 張本人のお子か? 191 00:15:47,146 --> 00:15:49,615 上杉のご城下に かくまわれているそうじゃ。 192 00:15:49,615 --> 00:15:51,951 (一左衛門)皆 仕事も手につかず➡ 193 00:15:51,951 --> 00:15:54,854 そのうわさで 持ちきりでございます。 194 00:15:54,854 --> 00:15:57,623 (雪夜)皆さん 信じておられるのですか? 195 00:15:57,623 --> 00:15:59,559 (一左衛門)そのようです。➡ 196 00:15:59,559 --> 00:16:02,895 三成様のお子を 育てられるとしたら➡ 197 00:16:02,895 --> 00:16:05,798 先の戦で お味方同士であった➡ 198 00:16:05,798 --> 00:16:10,570 我が上杉家の領地をおいて ないと。 199 00:16:10,570 --> 00:16:14,907 (雪夜)けれど なぜ 今頃 そのような うわさが? 200 00:16:14,907 --> 00:16:18,778 誰かが うわさを 流してるんじゃないでしょうかね。 201 00:16:18,778 --> 00:16:23,916 さあ… 私は 勘定方の者から聞きました。 202 00:16:23,916 --> 00:16:26,586 その人は 誰から? 203 00:16:26,586 --> 00:16:28,521 さあ そこまでは…。 204 00:16:28,521 --> 00:16:32,458 安部殿 ひとつ その うわさの出どころを➡ 205 00:16:32,458 --> 00:16:36,596 探ってみてはくれませんか? 206 00:16:36,596 --> 00:16:38,531 さよう。 207 00:16:38,531 --> 00:16:41,234 分かりました。 208 00:16:52,945 --> 00:16:58,284 万が一 三成様のお子がいると 分かったら どうなるのですか? 209 00:16:58,284 --> 00:17:04,090 馬廻組は その子を担いで 大坂の豊臣家と手を結び➡ 210 00:17:04,090 --> 00:17:07,560 戦を起こそうとするだろうし➡ 211 00:17:07,560 --> 00:17:14,901 与板組は あるいは その子を亡き者に…。 212 00:17:14,901 --> 00:17:20,239 徳川様は楽しいでしょうねぇ。 213 00:17:20,239 --> 00:17:23,910 上杉家中が もめるのですから。 214 00:17:23,910 --> 00:17:26,812 (忠常) 米沢からの知らせによれば➡ 215 00:17:26,812 --> 00:17:33,586 上杉家は 三成の子のうわさで 騒然としているようでございます。 216 00:17:33,586 --> 00:17:36,489 思うつぼよのう。 217 00:17:36,489 --> 00:17:40,459 それでよい。 大いに あおるのじゃ。 218 00:17:40,459 --> 00:17:46,165 はっ。 これで 2つの組は ますます いがみ合い➡ 219 00:17:46,165 --> 00:17:53,906 これまで 一心同体だった 上杉家中にも 亀裂が生じる。 220 00:17:53,906 --> 00:17:57,810 うわさから まことが飛び出せば➡ 221 00:17:57,810 --> 00:18:01,213 まさに 「瓢箪から駒」というものよ。 222 00:18:01,213 --> 00:18:03,149 (忠常)まさに。 223 00:18:03,149 --> 00:18:07,887 我らの手の者も 三成の子を 探しておるのであろうのう? 224 00:18:07,887 --> 00:18:10,556 (忠常)抜かりはございませぬ。 225 00:18:10,556 --> 00:18:19,265 ♬~ 226 00:18:53,933 --> 00:18:58,270 出来た。 鳥? 227 00:18:58,270 --> 00:19:01,173 これね お鷹ポッポっていって➡ 228 00:19:01,173 --> 00:19:05,878 幸せになれる この米沢の地の おもちゃなんですよ。 229 00:19:05,878 --> 00:19:09,749 お一つ どうぞ。 私に? 230 00:19:09,749 --> 00:19:14,053 雫さんに差し上げようと思って 彫ったんです。 どうぞ。 231 00:19:16,522 --> 00:19:21,227 ありがとうございます 又吉さん。 232 00:19:24,563 --> 00:19:31,237 じゃあ これで 私も 幸せになれますね。 233 00:19:31,237 --> 00:19:33,939 もちろん なれます。 234 00:19:37,910 --> 00:19:42,214 パタパタパタ… パタパタパタ…。 235 00:19:47,920 --> 00:19:52,258 そういえば 奥方様 ご存じなかったようですね。 236 00:19:52,258 --> 00:19:54,193 ご嫡男がおられた事。 237 00:19:54,193 --> 00:19:58,497 はい。 いや 驚かれたでしょうね。 238 00:20:00,132 --> 00:20:06,605 8年前にね 旦那様に 京から連れてこられたんです。 239 00:20:06,605 --> 00:20:11,277 (天徳)京からか。 240 00:20:11,277 --> 00:20:15,948 なるほど。 フフフフフ…。 241 00:20:15,948 --> 00:20:20,820 今 上杉家では 三成の子を探し出そうと➡ 242 00:20:20,820 --> 00:20:23,289 躍起になっておる。 243 00:20:23,289 --> 00:20:28,627 この隙に 我らも 相手の懐へと飛び込んで➡ 244 00:20:28,627 --> 00:20:33,632 尻尾を つかまねばのう。 はい。 245 00:20:35,301 --> 00:20:44,310 まあ わしも それとのう 奥方に 探りを入れてみるとしよう。 246 00:20:55,321 --> 00:20:57,256 おおっ! 247 00:20:57,256 --> 00:21:00,926 お帰りなさいませ。 ヘッ! 248 00:21:00,926 --> 00:21:05,598 本日も ご苦労さまでございました。 249 00:21:05,598 --> 00:21:10,269 あの~ 起きて 待っていて下さらなくとも…。 250 00:21:10,269 --> 00:21:12,605 そのような訳にはまいりません。 251 00:21:12,605 --> 00:21:19,945 どんなに遅くとも 妻たる者 旦那様のお出迎えは致しませねば。 252 00:21:19,945 --> 00:21:25,251 竹。 旦那様のお着替えを。 はい。 253 00:21:31,957 --> 00:21:36,629 (竹)旦那様。 私 どうすればよいのか…。 254 00:21:36,629 --> 00:21:38,564 何がですか? 255 00:21:38,564 --> 00:21:41,300 奥方様は 新九郎様の事➡ 256 00:21:41,300 --> 00:21:43,969 何かあると お気付きでございます。 257 00:21:43,969 --> 00:21:47,306 あの日以来 正面切っては 何も おっしゃいませんが➡ 258 00:21:47,306 --> 00:21:50,209 今日も また 遠回しに…。 259 00:21:50,209 --> 00:21:54,180 まるで 毎日 真綿で 首を絞められているようで…。 260 00:21:54,180 --> 00:22:00,252 まあ あの女房殿の事 何かは察しているでしょう。 261 00:22:00,252 --> 00:22:02,922 では どうすれば? 262 00:22:02,922 --> 00:22:06,592 知らん顔して下さい しばらく。 そんな…。 263 00:22:06,592 --> 00:22:10,596 ⚟(美津)お着替えは お済みですか?はい。 264 00:22:16,936 --> 00:22:20,272 アハハ…。 265 00:22:20,272 --> 00:22:23,275 オッホホホホ…。 266 00:22:26,612 --> 00:22:31,951 私も 母上を見習わなければ…。 267 00:22:31,951 --> 00:22:34,853 いい加減に 好き勝手されているとはいえ➡ 268 00:22:34,853 --> 00:22:38,624 父上は 父上です。 269 00:22:38,624 --> 00:22:41,527 そして 兄上の事も。 270 00:22:41,527 --> 00:22:43,495 俺? 271 00:22:43,495 --> 00:22:47,299 兄上は 前田家の嫡男でございます。 272 00:22:47,299 --> 00:22:51,637 今までは いささか妹の分に過ぎた 振る舞いをしたと➡ 273 00:22:51,637 --> 00:22:53,973 反省しております。 274 00:22:53,973 --> 00:22:56,876 そんな 気にせずとも。 275 00:22:56,876 --> 00:23:02,248 これからは 至らぬところがあれば どうぞ 叱りつけて下さい。 276 00:23:02,248 --> 00:23:05,918 あ… はあ。 277 00:23:05,918 --> 00:23:09,255 ところで 私に用とは? 278 00:23:09,255 --> 00:23:13,125 あ… いや ちょっと 一緒に 餅でもと。 279 00:23:13,125 --> 00:23:15,127 一人では なかなか味気ないので➡ 280 00:23:15,127 --> 00:23:18,264 つきおうてもらおうかと。 はあ。 281 00:23:18,264 --> 00:23:23,936 ♬~ 282 00:23:23,936 --> 00:23:26,272 おっ! 283 00:23:26,272 --> 00:23:29,608 勝之進ではないか。 新九郎。 284 00:23:29,608 --> 00:23:33,946 そなたも 餅を? ああ。 何か食べとうなってな。 285 00:23:33,946 --> 00:23:41,287 そうか 偶然だな。 なあ 佐乃。 こんにちは 勝之進様。 286 00:23:41,287 --> 00:23:43,622 はい。 287 00:23:43,622 --> 00:23:48,327 一緒に座っても よいか? どうぞ。 288 00:23:52,965 --> 00:23:55,868 あ いや… 佐乃。 289 00:23:55,868 --> 00:23:58,637 いや でも…。 よいから。 290 00:23:58,637 --> 00:24:11,216 ♬~ 291 00:24:11,216 --> 00:24:14,586 いらっしゃいませ。 何にしましょう? 292 00:24:14,586 --> 00:24:17,489 餅をもらおう。 へい。 293 00:24:17,489 --> 00:24:19,458 勝之進様じゃ! 294 00:24:19,458 --> 00:24:25,164 いつ見ても 凜々しいお姿。 身なりも ご立派なこと。 295 00:24:28,600 --> 00:24:32,938 兄上も 一日も早く ご出仕なさいませ。 296 00:24:32,938 --> 00:24:35,841 分かっておる。 だが 父上が➡ 297 00:24:35,841 --> 00:24:38,610 まだまだ お前は 畑仕事に 精を出せと➡ 298 00:24:38,610 --> 00:24:41,280 なかなか認めてくれんのだ。 299 00:24:41,280 --> 00:24:46,618 まあ 百姓と汗を流して働くのも 嫌いではないが。 300 00:24:46,618 --> 00:24:49,955 お前は 我らと同じ侍。 百姓とは 違う! 301 00:24:49,955 --> 00:24:53,292 まあ そうだが…。 302 00:24:53,292 --> 00:24:57,629 しかし お家のためにも 早く 新田開作を進めねば。 303 00:24:57,629 --> 00:25:01,500 百姓たちも喜んでおったぞ。 荒れ地が みんな田んぼになって➡ 304 00:25:01,500 --> 00:25:04,436 米が取れるようになったら 暮らしも 楽になると。 305 00:25:04,436 --> 00:25:07,072 いくら この地を豊かにしても しかたないと➡ 306 00:25:07,072 --> 00:25:10,109 父上たちは お考えだ。 え? 307 00:25:10,109 --> 00:25:12,244 いずれ 越後に帰るからと。 308 00:25:12,244 --> 00:25:15,581 越後にですか? あ…。 309 00:25:15,581 --> 00:25:18,917 我ら上杉は 元は越後の侍。 310 00:25:18,917 --> 00:25:21,820 先祖も 越後の地で眠っております。 311 00:25:21,820 --> 00:25:24,790 その生まれ育った地へ いずれ帰りたいと。 312 00:25:24,790 --> 00:25:27,259 では 勝之進様も? 313 00:25:27,259 --> 00:25:30,929 いえ 私は 8つの時に 越後を離れましたから➡ 314 00:25:30,929 --> 00:25:35,801 父上たちほどには。 ですが 今は 新田開作よりも➡ 315 00:25:35,801 --> 00:25:38,604 強い上杉になる事が一番と 考えています。 316 00:25:38,604 --> 00:25:40,539 まあ そうだが…。 317 00:25:40,539 --> 00:25:44,276 「まあ そうだが」ではない! その事が一番! 318 00:25:44,276 --> 00:25:47,980 上杉の行く末が 懸かっておるのだ! 319 00:25:49,615 --> 00:25:55,287 申し訳ない。 佐乃殿の前で このような話を。 320 00:25:55,287 --> 00:25:57,956 徳川家の天下は許さず➡ 321 00:25:57,956 --> 00:26:01,827 上杉家は いま一度 天下に名乗りを上げるべき。 322 00:26:01,827 --> 00:26:05,230 その事でございますな? 323 00:26:05,230 --> 00:26:07,566 どうして そのような事を? 324 00:26:07,566 --> 00:26:10,903 おなごでも 天下の動きは 知っておくべきだと➡ 325 00:26:10,903 --> 00:26:13,572 母上から教わっております。 326 00:26:13,572 --> 00:26:17,242 兄上 勝之進様➡ 327 00:26:17,242 --> 00:26:21,246 おなごだからと見くびられては 困ります。 328 00:26:22,915 --> 00:26:25,918 はい お待ちどおさま。 329 00:26:29,788 --> 00:26:34,793 まあ! なんて おいしそうなこと! 330 00:26:39,264 --> 00:26:41,567 う~ん! 331 00:26:44,603 --> 00:26:47,506 ますます 気に入った。 332 00:26:47,506 --> 00:26:49,808 え? 333 00:27:05,557 --> 00:27:08,227 前田様。 334 00:27:08,227 --> 00:27:11,563 おお 安部殿。 どうでしたか? 335 00:27:11,563 --> 00:27:15,267 はい。 ちょっと こちらへ。 336 00:27:16,902 --> 00:27:19,805 うわさの出どころを 調べたんですが➡ 337 00:27:19,805 --> 00:27:23,775 やはり 釈然とせず…。 そうですか。 338 00:27:23,775 --> 00:27:29,915 ですが 一つ 気になる事が。 何です? 339 00:27:29,915 --> 00:27:36,255 安田様が そのうわさを聞いた時に 既に ご存じだったと。 340 00:27:36,255 --> 00:27:38,557 安田殿が? 341 00:27:42,928 --> 00:27:48,267 それと 最近 安田様のお宅に➡ 342 00:27:48,267 --> 00:27:51,937 龍経寺の和尚が よく訪ねている事も➡ 343 00:27:51,937 --> 00:27:54,840 耳に致しました。 344 00:27:54,840 --> 00:28:03,882 まあ 檀家の家を訪ねる事は おかしな話ではありませんが…。 345 00:28:03,882 --> 00:28:13,191 ♬~ 346 00:28:15,227 --> 00:28:18,564 (美津)そうでございますか。 このお近くに ご用が。 347 00:28:18,564 --> 00:28:23,235 はい。 それで こちらに 寄らせて頂いた次第で。 348 00:28:23,235 --> 00:28:25,170 いつでも お寄り下さいませ。 349 00:28:25,170 --> 00:28:30,909 前田殿は? あいにく 今日は お城の方へ。 350 00:28:30,909 --> 00:28:34,580 ああ それでは 月に1度の ご登城の。 351 00:28:34,580 --> 00:28:37,916 そのようでございます。 お恥ずかしい事で。 352 00:28:37,916 --> 00:28:41,253 いやいや 恥ずかしい事など。 353 00:28:41,253 --> 00:28:44,590 8年前の長谷堂の戦いでも➡ 354 00:28:44,590 --> 00:28:47,492 前田殿が しんがりを務められたからこそ➡ 355 00:28:47,492 --> 00:28:51,263 上杉勢は 無事 引きのく事ができたのです。➡ 356 00:28:51,263 --> 00:28:57,936 その功を思えば 月に1度の ご登城でも 十分でございます。 357 00:28:57,936 --> 00:29:01,807 その事は お屋形様も よくお分かりゆえ➡ 358 00:29:01,807 --> 00:29:05,210 相談役とされておられるので ございましょう。 359 00:29:05,210 --> 00:29:09,548 和尚様に そうまで おっしゃって頂けますとは…。 360 00:29:09,548 --> 00:29:14,886 それに お屋形様は 今 江戸にいらして ご不在。 361 00:29:14,886 --> 00:29:19,758 好きになさって当然。 ハッハッハッハ。 362 00:29:19,758 --> 00:29:26,898 実は 今日は おわびを兼ねて 伺ったのでございます。 363 00:29:26,898 --> 00:29:33,238 先日 寺へ ご挨拶に お越し頂いた折➡ 364 00:29:33,238 --> 00:29:38,110 新九郎殿の事で 余計な事を申しまして➡ 365 00:29:38,110 --> 00:29:40,912 まことに 申し訳ございませんでした。 366 00:29:40,912 --> 00:29:44,583 いえいえ そのような…。 いえいえ。 367 00:29:44,583 --> 00:29:52,257 奥方様にとっては おつらい事。 どうぞ お許し下さりませ。 368 00:29:52,257 --> 00:29:55,260 頭を お上げ下さいませ。 369 00:29:57,129 --> 00:30:02,601 よいのです。 新九郎がいてくれたおかげで➡ 370 00:30:02,601 --> 00:30:08,473 私どもに 嫡男が出来たと 喜んでおります。 371 00:30:08,473 --> 00:30:12,611 なんと お心のお広い…。 372 00:30:12,611 --> 00:30:17,949 このように 美しく聡明な奥方様が いらっしゃるのに➡ 373 00:30:17,949 --> 00:30:26,625 ほかのおなごに 情けをかけるとは いや 考えられませぬ。 374 00:30:26,625 --> 00:30:30,962 まこと 新九郎殿は➡ 375 00:30:30,962 --> 00:30:35,834 前田殿の お子でござりましょうか? 376 00:30:35,834 --> 00:30:37,836 え? 377 00:30:37,836 --> 00:30:42,574 いや 戦国の世では 恩ある方の お子を預かり➡ 378 00:30:42,574 --> 00:30:45,977 育てる事も しばしばございます。 379 00:30:45,977 --> 00:30:52,651 前田殿も もしかして どなたかの お子を…。 380 00:30:52,651 --> 00:31:02,260 ♬~ 381 00:31:02,260 --> 00:31:08,133 和尚様 ご心配には及びませぬ。 382 00:31:08,133 --> 00:31:13,605 新九郎は 前田慶次の子。 383 00:31:13,605 --> 00:31:18,276 その点は 間違いはございませぬ。 384 00:31:18,276 --> 00:31:20,946 さようでございますか。 385 00:31:20,946 --> 00:31:26,818 いや これは また 余計な事を。 ハッハッハッハッハ! 386 00:31:26,818 --> 00:31:42,534 ♬~ 387 00:31:46,972 --> 00:31:49,875 おや 竹さん。 388 00:31:49,875 --> 00:31:52,310 旦那様! どうしました? 389 00:31:52,310 --> 00:31:55,647 龍経寺の和尚様が見えられて…➡ 390 00:31:55,647 --> 00:31:59,985 新九郎様が 旦那様のお子では ないのではないのかと。 391 00:31:59,985 --> 00:32:01,920 何? 392 00:32:01,920 --> 00:32:04,823 奥方様は 旦那様のお子に間違いないと➡ 393 00:32:04,823 --> 00:32:08,260 はっきりと お答えになっておられましたが。 394 00:32:08,260 --> 00:32:12,597 和尚様が どうして そんな事をお言いに…。 395 00:32:12,597 --> 00:32:15,500 ぬう…! 396 00:32:15,500 --> 00:32:38,623 ♬~ 397 00:32:38,623 --> 00:32:40,959 和尚! 398 00:32:40,959 --> 00:32:44,296 これは 前田殿。 399 00:32:44,296 --> 00:32:47,199 いかがですか? 先日の続き。 400 00:32:47,199 --> 00:32:49,634 ハッハッハ! いいですな。 401 00:32:49,634 --> 00:32:52,971 ハッハッハッハ! ハッハッハッハ。 402 00:32:52,971 --> 00:32:55,874 こないだは 勝負がつかぬままでしたね。 403 00:32:55,874 --> 00:32:59,644 さよう。 奥方が来られた途端 お逃げになって。 404 00:32:59,644 --> 00:33:02,914 ハッハッハッハ! いや 面目ない。 405 00:33:02,914 --> 00:33:05,817 女房には いつも 頭が上がらぬままでして。 406 00:33:05,817 --> 00:33:08,253 しかし 羨ましい限り。 407 00:33:08,253 --> 00:33:11,590 あのような奥方様が いらっしゃるとは。 408 00:33:11,590 --> 00:33:14,259 はい。 私も そう思っております。 409 00:33:14,259 --> 00:33:18,930 これは とんだのろけを 聞かされました。 ハッハッハ! 410 00:33:18,930 --> 00:33:26,271 和尚 ところで この勝負 何か賭けませんか?何かとは? 411 00:33:26,271 --> 00:33:30,141 そうですな 例えば…➡ 412 00:33:30,141 --> 00:33:33,612 鼻しっぺとか。 お好きなように。 413 00:33:33,612 --> 00:33:35,614 では。 414 00:33:47,158 --> 00:33:50,161 おお また勝負ですか? 415 00:33:50,161 --> 00:33:53,298 こたびは 真剣勝負ですぞ。 416 00:33:53,298 --> 00:33:56,635 負けたら 手ひどい罰が待っていますから。 417 00:33:56,635 --> 00:33:58,637 はい。 418 00:34:01,473 --> 00:34:53,291 ♬~ 419 00:34:53,291 --> 00:34:55,293 あ…。 420 00:34:56,962 --> 00:35:00,231 私の勝ちですな。 421 00:35:00,231 --> 00:35:03,134 はい 負けました。 422 00:35:03,134 --> 00:35:06,104 では 鼻しっぺを どうぞ。 423 00:35:06,104 --> 00:35:08,573 それは できません。 424 00:35:08,573 --> 00:35:12,911 仏門の身なので 人を痛めつける事は…。 425 00:35:12,911 --> 00:35:16,247 それは 面白くありません。 約束です。 426 00:35:16,247 --> 00:35:22,253 しかたありませんな。 では…。 427 00:35:25,924 --> 00:35:29,794 よろしいかな? はい 結構です。 428 00:35:29,794 --> 00:35:33,798 では 和尚 もう一勝負。 429 00:35:33,798 --> 00:35:39,938 アッハッハ。 よほど悔しいと見えますな。 430 00:35:39,938 --> 00:35:44,275 では もう一勝負。 431 00:35:44,275 --> 00:35:49,147 (雷鳴) 432 00:35:49,147 --> 00:35:55,286 (雨の音) 433 00:35:55,286 --> 00:35:58,289 いや これは…。 戦場を変えますか。 434 00:36:02,093 --> 00:36:06,231 それでは…。はい。 ほい。 435 00:36:06,231 --> 00:36:27,919 ♬~ 436 00:36:27,919 --> 00:36:31,256 (雷鳴) 437 00:36:31,256 --> 00:36:39,130 ♬~ 438 00:36:39,130 --> 00:36:43,268 (雷鳴) 439 00:36:43,268 --> 00:36:49,941 ♬~ 440 00:36:49,941 --> 00:36:54,245 (雷鳴) 441 00:37:05,223 --> 00:37:09,561 今度は 私の負けですな。 はい。 442 00:37:09,561 --> 00:37:13,431 では 拙僧に 鼻しっぺを。 443 00:37:13,431 --> 00:37:19,237 いや… 和尚に 鼻しっぺをするのは➡ 444 00:37:19,237 --> 00:37:22,574 失礼かと。 何を おっしゃる。 445 00:37:22,574 --> 00:37:27,912 さっきは 私がやったのです。 今度は 前田殿の番。 446 00:37:27,912 --> 00:37:32,784 いや しかし…。 さあ 遠慮せずに。 447 00:37:32,784 --> 00:37:38,556 本当に よろしいですか? どうぞ ご遠慮なく。 448 00:37:38,556 --> 00:37:40,859 では! 449 00:37:45,930 --> 00:37:48,266 えっ! 450 00:37:48,266 --> 00:37:50,602 あっ! 451 00:37:50,602 --> 00:37:53,271 和尚様! 和尚様! 和尚! 452 00:37:53,271 --> 00:38:00,478 人の家まで来て あれこれ聞くとは 大きなお世話ですぞ 和尚! 453 00:38:02,080 --> 00:38:05,850 和尚様! 和尚! 454 00:38:05,850 --> 00:38:09,220 しっかり! 和尚様! 和尚! 和尚! 455 00:38:09,220 --> 00:38:12,123 父上が 和尚を げんこつで殴った? 456 00:38:12,123 --> 00:38:16,561 はい。 もう ご城下は その話で持ちきりでございます。 457 00:38:16,561 --> 00:38:21,432 内輪のささいな事で 前田慶次が 和尚を殴りつけた。 458 00:38:21,432 --> 00:38:25,570 内輪のささいな事? (又吉)はい。 459 00:38:25,570 --> 00:38:30,441 昼間 和尚様が おいでになったのです。 460 00:38:30,441 --> 00:38:34,579 そこで 兄上の事を。 何と? 461 00:38:34,579 --> 00:38:39,250 それが… 本当に 父上の子かと。 462 00:38:39,250 --> 00:38:46,591 は? 私が 父の子かと? (華)はい。 463 00:38:46,591 --> 00:38:49,260 そのような事 決まっておるだろう。 464 00:38:49,260 --> 00:38:52,597 和尚も 何故 そのような事を…。 465 00:38:52,597 --> 00:38:54,933 戯言です。 466 00:38:54,933 --> 00:39:00,104 ですが そのような戯言で 腹を立てて 殴りつけるとは…。 467 00:39:00,104 --> 00:39:04,542 いや ですので なんと 器の小さい おのこよと➡ 468 00:39:04,542 --> 00:39:08,213 皆さん あきれて。 (ため息) 469 00:39:08,213 --> 00:39:12,550 どうしようもない父上だ。 (華)本当に。 470 00:39:12,550 --> 00:39:15,887 兄上のおっしゃるとおりで ございます。 471 00:39:15,887 --> 00:39:25,063 ♬~ 472 00:39:25,063 --> 00:39:30,568 あの男 本気で殴りよった。 ああ…。 473 00:39:30,568 --> 00:39:36,241 さすがじゃ。 見抜いておったとは。 474 00:39:36,241 --> 00:39:41,112 では 和尚様が 三成の子のうわさを流したと? 475 00:39:41,112 --> 00:39:44,916 ああ…。 あっ! 476 00:39:44,916 --> 00:39:49,254 あ~ もうよい! 477 00:39:49,254 --> 00:39:56,261 感づいているかもしれんのう。 わしの正体に。 478 00:40:01,266 --> 00:40:07,272 (遠ぼえ) 479 00:40:37,635 --> 00:40:42,340 何も言わないんですね。 480 00:40:43,975 --> 00:40:47,312 はい。 481 00:40:47,312 --> 00:40:55,987 旦那様は 小さな事に見えても 何か大きな事で➡ 482 00:40:55,987 --> 00:41:01,259 お殴りになったのだと 思っております。 483 00:41:01,259 --> 00:41:03,194 ヘッ! 484 00:41:03,194 --> 00:41:09,500 ですが 和尚を殴りつけるとは…。 485 00:41:16,607 --> 00:41:22,947 さすが 天下のかぶき者。 486 00:41:22,947 --> 00:41:26,617 ハッハ。 フッフッフッフ…。 487 00:41:26,617 --> 00:41:30,488 少しも 昔と変わってはおられない。 488 00:41:30,488 --> 00:41:37,628 太閤秀吉様や 前田利家様を前に 己が正しいと思った事を行い➡ 489 00:41:37,628 --> 00:41:43,501 皆を唖然とさせていた あのころと。 アッハッハッハ…。 490 00:41:43,501 --> 00:41:48,272 これで 私も 安心致しました。 491 00:41:48,272 --> 00:41:54,178 情けないお人に 成り下がったかと 心配していたのでございます。 492 00:41:54,178 --> 00:41:57,181 そうですか。 493 00:42:01,819 --> 00:42:04,789 いかがですか? 494 00:42:04,789 --> 00:42:07,592 頂きます。 495 00:42:07,592 --> 00:42:35,286 ♬~ 496 00:42:35,286 --> 00:42:38,623 気になる うわさが。 三成様のお子の事です。 497 00:42:38,623 --> 00:42:42,493 まことの親と子ではあらぬのか…。 498 00:42:42,493 --> 00:42:45,496 えい! えい! えい! 499 00:42:45,496 --> 00:42:51,502 私は 旦那様の その心意気が 好きでございます。