1 00:00:03,937 --> 00:00:06,607 (佐乃)兄上! (新九郎)佐乃! 2 00:00:06,607 --> 00:00:08,542 うっ! 3 00:00:08,542 --> 00:00:11,545 佐乃! 佐乃! 4 00:00:13,780 --> 00:00:15,816 (天徳)皆の者…。 5 00:00:15,816 --> 00:00:19,953 (竹)<前田慶次様は 上杉様の領国 米沢で➡ 6 00:00:19,953 --> 00:00:24,825 今は亡き石田三成様のお子を 育てておられましたが➡ 7 00:00:24,825 --> 00:00:28,295 新九郎様が 三成様のお子である事を➡ 8 00:00:28,295 --> 00:00:31,198 ついに 明かされたのでございます> 9 00:00:31,198 --> 00:00:33,200 すまなかった。 10 00:00:34,968 --> 00:00:40,274 忍びが 情けを持ったら終わりじゃ。 11 00:00:43,977 --> 00:00:47,648 (慶次)また 命が一つ…。 12 00:00:47,648 --> 00:02:12,632 ♬~ 13 00:02:14,601 --> 00:02:17,504 おいしそうな うこぎごはんですね。 14 00:02:17,504 --> 00:02:20,474 又吉さんの好物では ありませんか? 15 00:02:20,474 --> 00:02:25,779 はい。 いや 本当は 旅立つ前に 食べてほしかったんですけどね。 16 00:02:27,614 --> 00:02:32,619 (竹)今頃 どの辺りを歩いているのか。 17 00:02:34,955 --> 00:02:37,624 (竹)雫さんの形見の黒髪を➡ 18 00:02:37,624 --> 00:02:41,828 京の自分の身内の墓に 入れてやりたいだなんて…。 19 00:02:45,298 --> 00:02:51,638 又吉さんは 身寄りのない雫さんを 哀れに思っていましたから。 20 00:02:51,638 --> 00:02:55,308 いや それよりも やっぱり 心底 ほれていたんでしょう。 21 00:02:55,308 --> 00:02:57,978 そうですね。 22 00:02:57,978 --> 00:03:02,249 ⚟えい! えい! やあ~! 23 00:03:02,249 --> 00:03:09,122 ようございました。 いつもの新九郎様に戻られて。 24 00:03:09,122 --> 00:03:11,825 よし! 来い! 25 00:03:14,261 --> 00:03:16,563 きえ~っ! 26 00:03:19,599 --> 00:03:21,935 どうした? 佐乃。 27 00:03:21,935 --> 00:03:24,838 きえ~っ! 28 00:03:24,838 --> 00:03:28,608 ならば こちらから いくぞ。 29 00:03:28,608 --> 00:03:30,944 えい! 30 00:03:30,944 --> 00:03:32,946 あ…。 31 00:03:44,491 --> 00:03:46,793 どうしたのだ? 32 00:03:48,495 --> 00:03:51,631 (よね)佐乃お嬢様 腕が鈍っておいでだ。 33 00:03:51,631 --> 00:03:53,633 どうされたんだべ? 34 00:03:58,972 --> 00:04:01,875 まとめ上げた 新田開作の嘆願書を➡ 35 00:04:01,875 --> 00:04:06,580 すぐにでも お城の御重役に 奉るつもりです。 36 00:04:06,580 --> 00:04:09,916 新九郎様が? ああ そうだ。 37 00:04:09,916 --> 00:04:12,953 それが認められれば 俺も 出仕が かなうかもしれん。 38 00:04:12,953 --> 00:04:16,790 そうなったら 今よりずっと 百姓らの力になってやれる。 39 00:04:16,790 --> 00:04:20,260 土を耕す者の気持ちが分かる 新九郎様なら➡ 40 00:04:20,260 --> 00:04:23,597 百姓たちも 喜んで 普請にかかれましょう。 41 00:04:23,597 --> 00:04:26,500 旦那様。 42 00:04:26,500 --> 00:04:30,937 好きにやったらいい。 のう。 はい。 43 00:04:30,937 --> 00:04:35,275 そうなれば もう旦那様の隠居を待つ事なく➡ 44 00:04:35,275 --> 00:04:38,178 新九郎様は お城へのお務めが かないます。 45 00:04:38,178 --> 00:04:42,182 ああ。 己でやれる事は やろうと思っておる。 46 00:04:44,618 --> 00:04:48,488 何だ? 佐乃。 今日は静かだな。 47 00:04:48,488 --> 00:04:51,491 先ほどの稽古といい どこか すぐれんのか? 48 00:04:51,491 --> 00:04:56,963 どうかされましたか? いえ そのような訳では…。 49 00:04:56,963 --> 00:05:06,773 ♬~ 50 00:05:06,773 --> 00:05:10,243 佐乃様。 51 00:05:10,243 --> 00:05:14,548 いつもの佐乃様ではないような。 52 00:05:16,583 --> 00:05:22,923 やはり 新九郎様が 石田三成様の お子だと分かった事が? 53 00:05:22,923 --> 00:05:26,593 その事は…。 54 00:05:26,593 --> 00:05:30,297 ですが それだけでは…。 55 00:05:32,465 --> 00:05:36,469 もっと 私自身の事なのです。 56 00:05:38,605 --> 00:05:43,476 勝之進様との 婚儀の事でございますか? 57 00:05:43,476 --> 00:05:48,615 勝之進様は 私には過ぎたお方だと 思っております。 58 00:05:48,615 --> 00:05:51,952 母上からは 是非にも お受けするようにと➡ 59 00:05:51,952 --> 00:05:53,887 文が届きました。 60 00:05:53,887 --> 00:05:58,825 奥方様は 勝之進様の事を 大層 お気に召しておられましたから。 61 00:05:58,825 --> 00:06:02,562 はい。 私も ほのかに憧れておりました。 62 00:06:02,562 --> 00:06:05,232 では どうして? 63 00:06:05,232 --> 00:06:17,544 ♬~ 64 00:06:19,246 --> 00:06:23,950 この竹には 打ち明けて下さいませ。 65 00:06:32,792 --> 00:06:37,597 兄が 兄でないと分かってから➡ 66 00:06:37,597 --> 00:06:42,936 どうも おかしいのです。 おかしい? 67 00:06:42,936 --> 00:06:46,273 それまでは 「頼りない兄だ。➡ 68 00:06:46,273 --> 00:06:49,943 我が前田家の嫡男として それで務まるのか。➡ 69 00:06:49,943 --> 00:06:55,282 ここは 妹として この私が しっかり支えねば」と➡ 70 00:06:55,282 --> 00:06:58,618 そう思っていたのですが➡ 71 00:06:58,618 --> 00:07:05,425 妹でないと分かってから どうも 何かが おかしいのです。 72 00:07:05,425 --> 00:07:10,430 兄の顔を 正面から見る事もできず…。 73 00:07:13,133 --> 00:07:17,904 佐乃様 もしかして…➡ 74 00:07:17,904 --> 00:07:23,777 一人の男として 新九郎様の事を お気にかけているのでは? 75 00:07:23,777 --> 00:07:27,580 一人の男? そうでございます。 76 00:07:27,580 --> 00:07:32,452 一人の女として 新九郎様の事が気になる…。 77 00:07:32,452 --> 00:07:36,456 好きだとか。 えっ? 78 00:07:38,224 --> 00:07:41,528 (うぐいすの鳴き声) ホホホホ…。 79 00:07:43,129 --> 00:07:45,131 (うぐいすの鳴き声) 80 00:07:45,131 --> 00:07:48,868 竹さん 春ですよ。 81 00:07:48,868 --> 00:07:51,805 そんな のんきな事を 言ってる場合ではございません。 82 00:07:51,805 --> 00:07:54,808 大変です! どうしたんですか? 83 00:07:54,808 --> 00:07:59,512 それが 佐乃様が…。 うん? 84 00:08:01,881 --> 00:08:04,784 えっ! どういたしましょう!? 85 00:08:04,784 --> 00:08:09,222 どういたしましょう…。 いや… ちょっと 竹さん。 86 00:08:09,222 --> 00:08:13,093 どういう事ですか? よく考えてみれば➡ 87 00:08:13,093 --> 00:08:15,562 少しも おかしな事ではありません。 88 00:08:15,562 --> 00:08:19,899 新九郎様と佐乃様は 実の 兄 妹ではないのですから。 89 00:08:19,899 --> 00:08:22,802 むしろ 私は うれしゅうございます。 90 00:08:22,802 --> 00:08:28,241 新九郎様と佐乃様 このような ご良縁はないかと。 91 00:08:28,241 --> 00:08:33,113 それに そのような事になったら 新九郎様は 旦那様の娘婿。 92 00:08:33,113 --> 00:08:36,116 まさに まことの息子に なるのでございます。 93 00:08:36,116 --> 00:08:39,586 いや 新九郎は 今でも 私の息子ですよ。 94 00:08:39,586 --> 00:08:45,258 あっ もちろん そうでございます。 余計な事を…。 95 00:08:45,258 --> 00:08:47,594 竹さん。 96 00:08:47,594 --> 00:08:54,467 こういう事は 周りの人間が とやかく言う事では…。 ねえ。 97 00:08:54,467 --> 00:08:56,770 そうですか。 98 00:08:58,605 --> 00:09:04,411 竹さん 全ては 流れに任せましょう。 99 00:09:04,411 --> 00:09:10,417 はい。 私とした事が つい…。 100 00:09:12,886 --> 00:09:20,560 それと… この前の一件は? 101 00:09:20,560 --> 00:09:25,398 まさか あの和尚様が 間者だったとは。 102 00:09:25,398 --> 00:09:29,235 実のある戦いでございました。 103 00:09:29,235 --> 00:09:31,171 では…。 104 00:09:31,171 --> 00:09:34,574 次は 徳川様の軍勢と共に➡ 105 00:09:34,574 --> 00:09:37,477 この米沢の地に 戻ってくるのでは…。 106 00:09:37,477 --> 00:09:42,082 いや まだ 時はあります。 107 00:09:42,082 --> 00:09:48,788 恐らく 今頃 駿府の大御所様に お伺いを立てている頃。 108 00:09:50,590 --> 00:09:54,461 いずれ 江戸とは 決着をつけなければ➡ 109 00:09:54,461 --> 00:09:57,163 いけないでしょう。 110 00:09:58,932 --> 00:10:01,601 (天徳)申し訳ございませぬ。 111 00:10:01,601 --> 00:10:06,473 この不始末の償いにも➡ 112 00:10:06,473 --> 00:10:12,245 上杉攻めの折は 死ぬ気で 先陣に加わり➡ 113 00:10:12,245 --> 00:10:15,949 道案内を務めまする。 114 00:10:15,949 --> 00:10:19,819 (和泉局)まだじゃ。 は? 115 00:10:19,819 --> 00:10:24,958 駿府の大御所様からのお指図が 来てはおらぬ。 116 00:10:24,958 --> 00:10:31,297 (忠常)将軍職は ご嫡男の秀忠様に お譲りになったとはいえ➡ 117 00:10:31,297 --> 00:10:36,970 いまだ 実権は 大御所様が握っておられる。 118 00:10:36,970 --> 00:10:42,842 そのご承諾を頂かぬ事には 上杉攻めはできぬ。 119 00:10:42,842 --> 00:10:46,980 しかし 事は急がねば! 120 00:10:46,980 --> 00:10:52,852 まあ そう慌てずとも 動かぬ証しは 既にあるのじゃ。 121 00:10:52,852 --> 00:10:57,991 我らは のんびりと 大御所様の お指図を お待ちしておればよい。 122 00:10:57,991 --> 00:11:00,260 (天徳) そうではございますが…。 123 00:11:00,260 --> 00:11:04,130 (忠常)何か 気がかりな事でも? 124 00:11:04,130 --> 00:11:07,934 前田慶次がおります。 125 00:11:07,934 --> 00:11:12,805 あの男が 三成の子を 育てたのでございますれば…。 126 00:11:12,805 --> 00:11:17,277 前田慶次…。 127 00:11:17,277 --> 00:11:21,614 懐かしい名前よのう。 128 00:11:21,614 --> 00:11:25,485 あの かぶき者か。 129 00:11:25,485 --> 00:11:32,625 若い頃 京で会った事がある。 130 00:11:32,625 --> 00:11:37,964 いい男ぶりであった。 131 00:11:37,964 --> 00:11:41,301 だが 今では 隠居同然。➡ 132 00:11:41,301 --> 00:11:47,640 そんな男が何をしようと どうなるものでもあるまい。 133 00:11:47,640 --> 00:11:52,312 天徳和尚が 徳川の間者だったとは! 134 00:11:52,312 --> 00:11:55,348 そうとも知らず 和尚の甘言に操られ➡ 135 00:11:55,348 --> 00:11:58,184 徳川に 戦を 挑もうとしていたとは…。 136 00:11:58,184 --> 00:12:00,920 まんまと だまされたのだ 我らは! 137 00:12:00,920 --> 00:12:04,591 こたびは 上杉のお家を 窮地に 追いやるところでございました。 138 00:12:04,591 --> 00:12:07,493 ああ。 大坂の豊臣方と手を組み➡ 139 00:12:07,493 --> 00:12:09,929 戦を仕掛けようなどと…。 140 00:12:09,929 --> 00:12:11,864 その兆しが見えた途端➡ 141 00:12:11,864 --> 00:12:15,268 徳川方は 上杉家を 潰しにかかる手はずだったのだ! 142 00:12:15,268 --> 00:12:18,171 上杉家の名を 再び 天下に とどろかすどころか➡ 143 00:12:18,171 --> 00:12:22,175 その名を辱める事に なってしまった…。 144 00:12:24,277 --> 00:12:29,148 父上。 ご出仕されるのでございますか? 145 00:12:29,148 --> 00:12:35,288 ヘッ。 いや ちょっと 城中へ 様子を見に行ってくる。 146 00:12:35,288 --> 00:12:37,957 お願い致します。 147 00:12:37,957 --> 00:12:42,295 安田様 それと 勝之進の事が 気がかりでございます。 148 00:12:42,295 --> 00:12:45,632 天徳和尚が 徳川の間者だと分かり➡ 149 00:12:45,632 --> 00:12:47,967 自分たちが だまされていたとなると…。 150 00:12:47,967 --> 00:12:49,969 (継之丞)これは…! 151 00:12:52,639 --> 00:12:58,344 私がお話しした事 信じて頂けましたか? 152 00:13:02,448 --> 00:13:05,585 父上。 153 00:13:05,585 --> 00:13:08,488 父上さえ お許し下されば➡ 154 00:13:08,488 --> 00:13:12,925 勝之進には 話そうと思っています。 155 00:13:12,925 --> 00:13:16,262 私の秘密を。 うん? 156 00:13:16,262 --> 00:13:19,932 こたびの事が 何故 起こったのか➡ 157 00:13:19,932 --> 00:13:22,835 あいつにだけは話したい。 158 00:13:22,835 --> 00:13:29,275 いや 話さねばならんと思うのです。 159 00:13:29,275 --> 00:13:36,282 私が 石田三成様の子である事が 上杉家に災いを招いている事を…。 160 00:13:38,618 --> 00:13:42,288 新九郎 それは お前のせいではない。 161 00:13:42,288 --> 00:13:44,957 ですが…。 新九郎。 162 00:13:44,957 --> 00:13:49,829 お前は この米沢の地で生きる 一人の人間として➡ 163 00:13:49,829 --> 00:13:54,634 己ができる事をすれば それでよい。 164 00:13:54,634 --> 00:13:57,537 安田殿は 私から。 165 00:13:57,537 --> 00:14:02,241 勝之進の事は お前に任せる。 166 00:14:02,241 --> 00:14:06,245 それでよいか? はい。 167 00:14:10,583 --> 00:14:13,486 (一左衛門)ああ これは 前田様。 ああ。 168 00:14:13,486 --> 00:14:16,923 このところ 城へ出仕される日が 多いようで。 169 00:14:16,923 --> 00:14:20,593 はい。 いかがですか? 城中の様子は。 170 00:14:20,593 --> 00:14:26,265 相変わらずでございます 馬廻組と与板組の いがみ合いは。 171 00:14:26,265 --> 00:14:31,137 うん。 …と いつもなら申すのですが➡ 172 00:14:31,137 --> 00:14:36,275 何か 馬廻組の皆さんは このところ 元気がなく➡ 173 00:14:36,275 --> 00:14:39,979 安田様までもが…。 174 00:14:41,948 --> 00:14:45,618 申し訳ない お呼び立てして。 175 00:14:45,618 --> 00:14:51,324 いや 実は 私も 安田殿には お会いしたかった。 176 00:14:52,959 --> 00:14:58,631 私は 利用されておりました 天徳和尚に。 177 00:14:58,631 --> 00:15:03,469 それは とりもなおさず 徳川に利用されていたという事。 178 00:15:03,469 --> 00:15:07,907 しかも 前田殿からは 和尚が 江戸の間者であると➡ 179 00:15:07,907 --> 00:15:09,842 聞かされていたのにも かかわらず➡ 180 00:15:09,842 --> 00:15:12,779 その言葉を信じず…。 181 00:15:12,779 --> 00:15:17,583 前田殿が 和尚の正体を 暴いて下さらなければ➡ 182 00:15:17,583 --> 00:15:21,254 今頃は 馬廻組の者たちと➡ 183 00:15:21,254 --> 00:15:23,589 合戦沙汰になっておったやも しれませぬ。 184 00:15:23,589 --> 00:15:26,492 いや 起こしていたでしょう。 185 00:15:26,492 --> 00:15:30,263 そして あっけなく 徳川の策に引っ掛かり➡ 186 00:15:30,263 --> 00:15:32,932 この上杉家を潰していた。 187 00:15:32,932 --> 00:15:39,605 されど この上杉家は救われたのです。 188 00:15:39,605 --> 00:15:43,476 未然に防げました。 いかにも。 189 00:15:43,476 --> 00:15:46,946 それに この事の始めは…。 190 00:15:46,946 --> 00:15:52,285 たとえ どんな訳があれ 同じでございます。 191 00:15:52,285 --> 00:15:58,624 前田殿が この米沢の地で 誰の子を育てていたのかも➡ 192 00:15:58,624 --> 00:16:03,229 私には関わりのない事。 193 00:16:03,229 --> 00:16:09,569 私は 己の非を認めるだけ。 194 00:16:09,569 --> 00:16:15,441 侍として その責めを負うだけでございます。 195 00:16:15,441 --> 00:16:34,260 ♬~ 196 00:16:34,260 --> 00:16:40,132 ああ 美しい。 197 00:16:40,132 --> 00:16:43,603 あっ 安田殿。 198 00:16:43,603 --> 00:16:49,942 今度 一度 無苦庵に 茶などを 飲みに来て下さいませぬか? 199 00:16:49,942 --> 00:16:56,949 いや 我が庭にも これに劣らぬ 見事な紅梅が咲いております。 200 00:17:00,553 --> 00:17:05,558 是非とも 近いうちに。 201 00:17:10,229 --> 00:17:12,899 えい! やあ! 202 00:17:12,899 --> 00:17:15,801 天徳和尚は どこに行ったのじゃ? 前触れもなく消えるとは。 203 00:17:15,801 --> 00:17:19,772 徳川の間者とのうわさじゃ。 もしや 和尚の仕業か? 204 00:17:19,772 --> 00:17:22,408 我らの中に 三成の子がいるなどという➡ 205 00:17:22,408 --> 00:17:24,911 うわさを流したのは。 我らも 最初は そのお子が➡ 206 00:17:24,911 --> 00:17:27,580 この米沢の地におるのではと 喜んでおったが➡ 207 00:17:27,580 --> 00:17:30,917 それを口実に 徳川に潰されておったやもしれぬ。 208 00:17:30,917 --> 00:17:34,587 その子は まさに 上杉家の疫病神じゃ。 209 00:17:34,587 --> 00:17:36,923 えい! (勝之進)その者も➡ 210 00:17:36,923 --> 00:17:41,594 好きで 三成様の子に 生まれた訳ではないでしょう。 211 00:17:41,594 --> 00:17:44,931 定めを背負っているにすぎませぬ。 212 00:17:44,931 --> 00:17:47,934 (次右衛門)どうした! 勝之進! もう一本! 213 00:17:56,542 --> 00:17:59,245 大丈夫か? (勝之進)もう一本! 214 00:18:02,214 --> 00:18:04,550 今日の勝之進は 変ではないか? 215 00:18:04,550 --> 00:18:08,220 ああ。 あいつにしては 冷静さが足りぬ。 216 00:18:08,220 --> 00:18:11,557 勝之進。 217 00:18:11,557 --> 00:18:13,859 勝之進。 218 00:18:15,428 --> 00:18:18,431 話がある。 219 00:18:18,431 --> 00:18:22,201 誰にも言わぬ。 220 00:18:22,201 --> 00:18:25,905 俺もバカではない。 何故 和尚が➡ 221 00:18:25,905 --> 00:18:30,576 佐乃殿を人質に取ってまで お前を おびき出したのか➡ 222 00:18:30,576 --> 00:18:33,913 分かっておる。 勝之進…。 223 00:18:33,913 --> 00:18:40,786 だが それは お前の定めだ。 224 00:18:40,786 --> 00:18:43,255 ああ。 225 00:18:43,255 --> 00:18:48,127 俺も 初めて知った時は➡ 226 00:18:48,127 --> 00:18:53,599 驚き どうしていいか 分からずにいた。 227 00:18:53,599 --> 00:18:57,470 生きている事が 皆の迷惑になる。 228 00:18:57,470 --> 00:19:03,876 俺がいなくなる事が 一番いいのかもしれぬと。 229 00:19:03,876 --> 00:19:06,178 新九郎…。 230 00:19:08,214 --> 00:19:15,087 だが 嘆いていても 何も変わらぬ。 231 00:19:15,087 --> 00:19:18,557 俺が こうやって生かされているのは➡ 232 00:19:18,557 --> 00:19:23,262 これからの世で 何かを 成すためだと思う事にした。 233 00:19:25,231 --> 00:19:28,567 竹が そう教えてくれた。 234 00:19:28,567 --> 00:19:32,438 新九郎様が生かされたのは➡ 235 00:19:32,438 --> 00:19:36,909 これからの世のためであったと➡ 236 00:19:36,909 --> 00:19:41,781 この竹は そう思っております。 237 00:19:41,781 --> 00:19:50,256 俺の父親は 石田三成。 238 00:19:50,256 --> 00:19:54,126 己の定めを生きていく。 239 00:19:54,126 --> 00:19:56,829 そう覚悟した。 240 00:20:01,867 --> 00:20:05,604 新九郎。 241 00:20:05,604 --> 00:20:09,275 俺も覚悟している。 242 00:20:09,275 --> 00:20:11,577 え? 243 00:20:13,145 --> 00:20:15,147 佐乃殿には➡ 244 00:20:15,147 --> 00:20:19,452 あの話は なかった事にしてくれと 伝えてくれ。 245 00:20:21,287 --> 00:20:25,591 おい 勝之進! 246 00:20:36,302 --> 00:20:39,205 お帰りなさいませ。 247 00:20:39,205 --> 00:20:44,643 少し よいか? どうかなされたのです? 248 00:20:44,643 --> 00:20:48,981 勝之進の事なんだが…。 勝之進様の? 249 00:20:48,981 --> 00:20:53,319 気がかりな事があってな。 250 00:20:53,319 --> 00:20:57,189 だが 俺には 何も話そうとはせぬ。 251 00:20:57,189 --> 00:21:02,128 だから お前から それとなく聞いてはもらえぬか? 252 00:21:02,128 --> 00:21:05,898 私がですか? ああ。 253 00:21:05,898 --> 00:21:10,603 お前になら 心の内を明かして くれるかもしれんと思うてな。 254 00:21:12,605 --> 00:21:17,276 それと よき返事をしてやれ。 255 00:21:17,276 --> 00:21:19,945 まだ しておらんのであろう? 256 00:21:19,945 --> 00:21:24,950 父上も 本人同士の気持ちだと 言っておるのだから。 257 00:21:27,820 --> 00:21:33,292 兄上は それでもよいのですか? 258 00:21:33,292 --> 00:21:35,227 え? 259 00:21:35,227 --> 00:21:38,964 私が よその方の嫁となっても。 260 00:21:38,964 --> 00:21:41,667 何を言っておるのだ? 261 00:21:44,837 --> 00:21:47,640 もういいです。 262 00:21:47,640 --> 00:21:50,543 おい 佐乃。 263 00:21:50,543 --> 00:21:57,316 ♬~ 264 00:21:57,316 --> 00:22:00,586 あっ 竹。 265 00:22:00,586 --> 00:22:03,489 佐乃は どうして 急に怒りだしたのだ? 266 00:22:03,489 --> 00:22:08,260 お分かりにならないのですか? ああ。 267 00:22:08,260 --> 00:22:13,132 新九郎様と佐乃様は 実の兄と妹ではないのですよ。 268 00:22:13,132 --> 00:22:15,134 まあ そうだが。 269 00:22:15,134 --> 00:22:19,271 一人の男と女。 270 00:22:19,271 --> 00:22:21,941 それぐらいは 分かっておる。 271 00:22:21,941 --> 00:22:26,645 竹に言えるのは ここまででございます。 272 00:22:30,616 --> 00:22:34,286 一人の男と女…。 273 00:22:34,286 --> 00:22:42,294 ♬~ 274 00:22:58,510 --> 00:23:01,447 お代わり いかがですか? 275 00:23:01,447 --> 00:23:03,449 うん。 276 00:23:09,121 --> 00:23:12,925 お二人とも どうぞ。 277 00:23:12,925 --> 00:23:15,227 うん。 278 00:23:18,264 --> 00:23:23,936 あれ? 新九郎様まで ご様子が おかしくなってしまって。 279 00:23:23,936 --> 00:23:26,639 いいのです あれで。 280 00:23:33,279 --> 00:23:36,181 安田様が 病気届を出されたそうじゃ。 281 00:23:36,181 --> 00:23:39,151 どうされたのであろう? これまで 何があろうと➡ 282 00:23:39,151 --> 00:23:42,621 決して 務めを休まれる事など なかったのに。 283 00:23:42,621 --> 00:23:46,492 ああ。 何か 別の訳があるのやもしれぬ。 284 00:23:46,492 --> 00:23:49,495 (一左衛門)勝之進殿。 285 00:23:54,967 --> 00:23:58,304 お父上に 何かあったのですか? いえ。 286 00:23:58,304 --> 00:24:01,573 父は まこと 病にございます。 287 00:24:01,573 --> 00:24:03,575 そうですか。 288 00:24:06,245 --> 00:24:09,581 (一左衛門) 安田様が出仕されぬとは…。 289 00:24:09,581 --> 00:24:14,920 この機に 城中では 与板組が勢いを増しております。 290 00:24:14,920 --> 00:24:19,591 お年寄衆の皆さんも 与板組の方が多いですよね。 291 00:24:19,591 --> 00:24:24,463 はい。 お屋形様も そのお年寄衆の方たちと➡ 292 00:24:24,463 --> 00:24:27,766 これからの上杉家を 考えていこうと➡ 293 00:24:27,766 --> 00:24:32,271 なさっておられるのです。 ですが➡ 294 00:24:32,271 --> 00:24:38,143 馬廻組の安田様が先頭に立ち 再び 戦に持っていこうと➡ 295 00:24:38,143 --> 00:24:41,280 強引に もくろんでいた次第で。 296 00:24:41,280 --> 00:24:45,951 それだけ強いお志を お持ちであった安田様が➡ 297 00:24:45,951 --> 00:24:48,854 どうして ここに来て…。 298 00:24:48,854 --> 00:24:56,962 ♬~ 299 00:24:56,962 --> 00:24:59,631 ⚟(勝之進)父上。➡ 300 00:24:59,631 --> 00:25:02,534 お考えは分かっております。➡ 301 00:25:02,534 --> 00:25:07,840 その時は… 私も。 302 00:25:23,822 --> 00:25:29,928 上杉様は 太閤秀吉様の命で 越後から 会津に移り➡ 303 00:25:29,928 --> 00:25:33,599 120万石の大大名となられ➡ 304 00:25:33,599 --> 00:25:39,471 関ヶ原の戦のあとは その石高も 30万石に減らされ➡ 305 00:25:39,471 --> 00:25:42,608 この米沢の地へ。 306 00:25:42,608 --> 00:25:45,277 それでも やってこれたのも➡ 307 00:25:45,277 --> 00:25:49,615 上杉の侍としての自負が あったからこそ。 308 00:25:49,615 --> 00:25:53,485 それだから なおさらなんでしょうね。 309 00:25:53,485 --> 00:26:01,226 退く事もできず さりとて 別の道を歩む事もできない。 310 00:26:01,226 --> 00:26:05,931 侍とは やっかいなものですよ。 311 00:27:03,155 --> 00:27:08,560 紅梅…。 はい。 庭の一枝を。 312 00:27:08,560 --> 00:27:11,563 どうぞ。 313 00:27:31,583 --> 00:27:33,919 うまい。 314 00:27:33,919 --> 00:27:36,221 恐れ入ります。 315 00:27:38,257 --> 00:27:43,595 梅の木に かすかに浮かび上がるような➡ 316 00:27:43,595 --> 00:27:46,498 何か あたたかな色合い。 317 00:27:46,498 --> 00:27:50,936 はい。 私には 霞に見えました。 318 00:27:50,936 --> 00:27:53,639 紅梅に 霞。 319 00:27:55,274 --> 00:27:59,578 それから もう一つ。 320 00:28:01,880 --> 00:28:05,584 そろそろかと思います。 321 00:28:08,220 --> 00:28:11,523 (うぐいすの鳴き声) 322 00:28:13,559 --> 00:28:17,262 春の風情か…。 323 00:28:19,431 --> 00:28:24,203 前田殿は いつも このような暮らしを? 324 00:28:24,203 --> 00:28:31,109 いや まあ 戦 戦の日々でしたからね。 325 00:28:31,109 --> 00:28:37,249 やるか やられるか 明日も知れぬ命。 ハハッ。 326 00:28:37,249 --> 00:28:39,918 ですから 余計に➡ 327 00:28:39,918 --> 00:28:47,593 人として歩む道を 生きたかったんでしょうね。 ヘヘッ。 328 00:28:47,593 --> 00:28:52,931 (うぐいすの鳴き声) 329 00:28:52,931 --> 00:29:09,948 「春には春の 夏には夏の 秋には秋の 冬には冬の」…。 330 00:29:12,417 --> 00:29:15,420 いいもんですよ。 331 00:29:17,556 --> 00:29:21,259 私には 縁遠い。 332 00:29:23,895 --> 00:29:28,200 こういう暮らしも あったはずなのに…。 333 00:29:29,768 --> 00:29:34,906 気付く事なく ここまで来てしまいました。 334 00:29:34,906 --> 00:29:37,576 けれど 後悔はしておりません。 335 00:29:37,576 --> 00:29:43,248 上杉家の侍としての誇りを 私は持っております。 336 00:29:43,248 --> 00:29:50,589 お家第一に この命 上杉家にささげる覚悟で➡ 337 00:29:50,589 --> 00:29:54,259 今日まで 生きてまいりました。 338 00:29:54,259 --> 00:29:58,597 察しておりますぞ。 339 00:29:58,597 --> 00:30:02,267 安田殿の思い。 340 00:30:02,267 --> 00:30:10,142 ですが 上杉家のために 生きて そのお命を。 341 00:30:10,142 --> 00:30:13,879 今は お家が一つになる時。 342 00:30:13,879 --> 00:30:17,582 さもなければ 上杉家は…。 343 00:30:22,954 --> 00:30:25,957 このとおりでござる。 344 00:30:32,631 --> 00:30:34,933 前田殿。 345 00:30:37,302 --> 00:30:41,640 今日の茶で 私は➡ 346 00:30:41,640 --> 00:30:46,311 生き返ったような気が しております。 347 00:30:46,311 --> 00:30:48,647 あ…。 348 00:30:48,647 --> 00:30:59,658 ♬~ 349 00:30:59,658 --> 00:31:03,261 (笑い声) 350 00:31:03,261 --> 00:31:05,197 おう 新九郎。 351 00:31:05,197 --> 00:31:07,199 やるぞ。 352 00:31:08,934 --> 00:31:12,804 勝之進は? それが 父上の安田様に続き➡ 353 00:31:12,804 --> 00:31:15,273 勝之進までが 休みを願い出たそうじゃ。 354 00:31:15,273 --> 00:31:17,209 え? 355 00:31:17,209 --> 00:31:19,711 俺も覚悟している。 356 00:31:27,619 --> 00:31:32,324 すがすがしいお顔で 帰られましたね。ああ。 357 00:31:33,959 --> 00:31:37,262 何か 吹っ切られたような…。 358 00:31:38,830 --> 00:31:50,308 ♬~ 359 00:31:50,308 --> 00:31:56,181 (継之丞)こたびの一件 上杉家中を 巻き込むような大事を起こし➡ 360 00:31:56,181 --> 00:32:01,920 危うく 上杉家を滅亡の危機に 陥れるところであった。 361 00:32:01,920 --> 00:32:06,625 死をもって この償いをせねばならぬ。 362 00:32:08,260 --> 00:32:11,596 ならば 私も! それは ならぬ! 363 00:32:11,596 --> 00:32:17,936 お前は生きて 上杉の家臣として 安田家の嫡男として➡ 364 00:32:17,936 --> 00:32:22,274 立派に務め上げよ。 何故でございます? 365 00:32:22,274 --> 00:32:26,144 私は もう 生き方は変えられぬ。 366 00:32:26,144 --> 00:32:29,447 だが お前は まだ若い。 367 00:32:31,616 --> 00:32:36,288 よいな? 父の最後の命だ。 368 00:32:36,288 --> 00:32:39,191 父上…。 369 00:32:39,191 --> 00:32:44,963 これに 家督を嫡男である お前に譲ると書いてある。 370 00:32:44,963 --> 00:32:47,632 何かあれば 前田殿を頼れ。➡ 371 00:32:47,632 --> 00:32:52,971 前田殿が よきに計らってくれるであろう。 372 00:32:52,971 --> 00:33:00,245 勝之進 お前のような息子を持てて 本当に よかった。 373 00:33:00,245 --> 00:33:06,551 父として これほど うれしい事はない。 374 00:33:09,588 --> 00:33:11,923 (継之丞)介錯をせよ。 375 00:33:11,923 --> 00:33:17,262 ♬~ 376 00:33:17,262 --> 00:33:19,598 勝之進! 377 00:33:19,598 --> 00:33:25,604 ♬~ 378 00:33:40,619 --> 00:33:43,922 安田殿! 父上! 379 00:34:13,919 --> 00:34:15,921 勝之進殿。 380 00:34:25,931 --> 00:34:30,235 新九郎。 勝之進殿を廊下へ。 381 00:34:39,477 --> 00:34:44,282 代わりに 介錯つかまつります。 382 00:34:44,282 --> 00:34:47,953 前田殿か? はい。 383 00:34:47,953 --> 00:34:54,292 後の事… 頼む。 384 00:34:54,292 --> 00:34:57,295 相分かった。 385 00:35:01,566 --> 00:35:06,905 私も 一度は…➡ 386 00:35:06,905 --> 00:35:10,575 貴殿のように…➡ 387 00:35:10,575 --> 00:35:14,446 かぶきたかった。 388 00:35:14,446 --> 00:35:16,448 ⚟ごめん! 389 00:35:16,448 --> 00:36:07,766 ♬~ 390 00:36:07,766 --> 00:36:12,771 安田殿が病死と…。 もしや 切腹なのでは? 391 00:36:31,856 --> 00:36:36,795 皆が 切腹ではないかと。 392 00:36:36,795 --> 00:36:41,533 もし そうであれば 安田家は お家断絶。 393 00:36:41,533 --> 00:36:45,270 勝之進殿にも 家督を譲れぬ事に。 394 00:36:45,270 --> 00:36:51,609 安田殿は病死です。 私が 最期を見届けました。 395 00:36:51,609 --> 00:36:54,279 ですが…。 396 00:36:54,279 --> 00:36:59,284 お年寄衆には 私が話します。 397 00:37:01,086 --> 00:37:06,091 お屋形様にも 私が。 398 00:37:13,765 --> 00:37:17,502 ほれ。 おい。 399 00:37:17,502 --> 00:37:22,907 うんと食って うんと生きろ。 400 00:37:22,907 --> 00:37:25,210 おい。 401 00:37:26,778 --> 00:37:29,481 おい 食え。 402 00:37:31,249 --> 00:37:34,586 (天徳)駿府の大御所様からは➡ 403 00:37:34,586 --> 00:37:38,256 まだ 何も ご返事はありませんか? 404 00:37:38,256 --> 00:37:43,928 ああ。 何か お考えがあるのやもしれぬ。 405 00:37:43,928 --> 00:37:46,931 ⚟急ぎ申し上げます。 406 00:37:56,508 --> 00:37:58,476 何か あったのか? 407 00:37:58,476 --> 00:38:04,782 (天徳)なに ねずみが一匹 死んだだけでございます。 408 00:38:06,551 --> 00:38:16,561 父のふるさと 越後への思いを 単なる郷愁だとし➡ 409 00:38:16,561 --> 00:38:24,435 己は そんな父とは違う志を 掲げておった。 410 00:38:24,435 --> 00:38:33,111 いま一度 天下をも狙える上杉家に してみせるなどと…。 411 00:38:33,111 --> 00:38:43,254 ♬~ 412 00:38:43,254 --> 00:38:47,258 父より 大バカ者よ。 413 00:38:51,930 --> 00:38:58,603 父が死んで その事に気付くとは…。 414 00:38:58,603 --> 00:39:09,314 ♬~ 415 00:39:15,086 --> 00:39:18,089 父上。 416 00:39:18,089 --> 00:39:20,391 おう。 417 00:39:30,535 --> 00:39:34,906 父上に言われた事がありました。 418 00:39:34,906 --> 00:39:38,910 今 一番大事なのは 何かと。 419 00:39:42,247 --> 00:39:49,254 お前 今 何が一番大事か 分かるか? 420 00:39:52,590 --> 00:39:58,930 命… 命だ。 421 00:39:58,930 --> 00:40:05,937 あの時は まことの意味が分からなかった。 422 00:40:08,273 --> 00:40:14,145 ですが 今は➡ 423 00:40:14,145 --> 00:40:17,282 よく分かります。 424 00:40:17,282 --> 00:40:55,320 ♬~ 425 00:40:55,320 --> 00:40:59,624 旦那様 何を書かれているのです? 426 00:41:01,125 --> 00:41:03,928 「大ふへんもの」? 427 00:41:03,928 --> 00:41:09,600 いやいや これは 「大不便者」と読みます。 428 00:41:09,600 --> 00:41:16,274 昔 戦の折に 旗差し物に この文字を書いておった。 429 00:41:16,274 --> 00:41:18,276 戦の? 430 00:41:19,944 --> 00:41:24,615 全ては 私のせいで起こった事。 431 00:41:24,615 --> 00:41:33,624 最後に この命を生かし その責めを負うつもりです。 432 00:41:33,624 --> 00:41:41,299 ああ そうだ。 竹さん。 女房殿に伝えてもらえますか? 433 00:41:41,299 --> 00:41:45,636 もう一度 会いましょうと言った 約束➡ 434 00:41:45,636 --> 00:41:48,973 守れそうにもありません。 435 00:41:48,973 --> 00:41:52,643 申し訳ありませんでした。 436 00:41:52,643 --> 00:41:54,979 分かりましたか? 437 00:41:54,979 --> 00:41:59,317 そんな事 おっしゃらないで下さいませ。 438 00:41:59,317 --> 00:42:01,919 ハッハッハッハ! 439 00:42:01,919 --> 00:42:04,589 ⚟旦那様。➡ 440 00:42:04,589 --> 00:42:07,592 参りましてございます。 441 00:42:10,928 --> 00:42:14,799 女房殿! (竹)奥方様! 442 00:42:14,799 --> 00:42:17,802 どうして? 443 00:42:17,802 --> 00:42:20,271 (美津)決まっております。 444 00:42:20,271 --> 00:42:27,145 勝之進殿と祝言を挙げる佐乃の 嫁入り支度のためにございます。 445 00:42:27,145 --> 00:42:33,284 (うぐいすの鳴き声) 446 00:42:33,284 --> 00:42:35,219 ヘッ! 447 00:42:35,219 --> 00:42:38,623 では どうあっても 戦を? 448 00:42:38,623 --> 00:42:41,959 生き残る道は 2つ。 449 00:42:41,959 --> 00:42:44,962 前田慶次こそ 邪魔者。 450 00:42:47,832 --> 00:42:51,969 兄上は 女心を 何も分かってはおられませぬ。 451 00:42:51,969 --> 00:42:53,971 旦那様!