1 00:00:33,652 --> 00:00:38,390 (喊声) 2 00:00:38,390 --> 00:00:41,059 (竹)<関ヶ原の戦いの後➡ 3 00:00:41,059 --> 00:00:46,732 世は 徳川様の天下へと 変わりつつありました。➡ 4 00:00:46,732 --> 00:00:53,605 前田慶次様は 豊臣方にお味方した 上杉様の領国 米沢で➡ 5 00:00:53,605 --> 00:00:58,744 今は亡き石田三成様のお子を 育てておられました> 6 00:00:58,744 --> 00:01:00,679 (慶次)お前の父だ。 7 00:01:00,679 --> 00:01:04,082 どんな事があっても この米沢の地で➡ 8 00:01:04,082 --> 00:01:08,954 あいつを 一人前の侍にしなくては いかんのです。 9 00:01:08,954 --> 00:02:33,654 ♬~ 10 00:02:41,380 --> 00:02:52,991 ♬~ 11 00:02:52,991 --> 00:02:56,395 (新九郎) 江戸に行ってみたいものだ。 12 00:02:56,395 --> 00:03:00,065 早く お役につかねば…➡ 13 00:03:00,065 --> 00:03:05,404 このままでは 畑作りの名人になってしまう。 14 00:03:05,404 --> 00:03:08,073 (半助)新九郎様。➡ 15 00:03:08,073 --> 00:03:10,008 ご精が出ますな。 16 00:03:10,008 --> 00:03:12,411 (小平)毎日 ご苦労さまで ございます。 どうした? 17 00:03:12,411 --> 00:03:16,281 新田作りのための 測視が始まったようです。 18 00:03:16,281 --> 00:03:18,750 新田作り? (半助)へえ。 19 00:03:18,750 --> 00:03:22,421 何でも あの山の沼から ここまで➡ 20 00:03:22,421 --> 00:03:25,324 水を 引いてきて下さるようなんです。 21 00:03:25,324 --> 00:03:27,759 ありがてえ事でごぜえますだ。 22 00:03:27,759 --> 00:03:30,429 ここらの畑が みんな 田んぼになって➡ 23 00:03:30,429 --> 00:03:34,299 米が作れるようになります。 そうか。 24 00:03:34,299 --> 00:03:37,035 そうなったら 皆の暮らしも 少しは楽になるな。 25 00:03:37,035 --> 00:03:39,938 (2人)へい。 行こう 行こう。 26 00:03:39,938 --> 00:03:49,614 ♬~ 27 00:03:49,614 --> 00:03:51,583 まっすぐです。 28 00:03:51,583 --> 00:04:04,730 ♬~ 29 00:04:04,730 --> 00:04:09,067 安部様 新田を お作りになられるのですか? 30 00:04:09,067 --> 00:04:13,405 (一左衛門)さよう。 この新田開作が実現すれば➡ 31 00:04:13,405 --> 00:04:15,741 千町歩の米作りができる。 32 00:04:15,741 --> 00:04:19,077 (百姓たち)せ… 千町歩!? 千町歩といえば…。 33 00:04:19,077 --> 00:04:21,747 5万俵じゃ。 5…! 34 00:04:21,747 --> 00:04:29,421 ただし この絵図と実測図 それに 費用の試算書を添えて➡ 35 00:04:29,421 --> 00:04:32,691 お屋形様のお許しを 頂かねばならぬ。 36 00:04:32,691 --> 00:04:36,561 安部様。 勘定頭の安田様は 何と? 37 00:04:36,561 --> 00:04:40,365 実測はできても 金の当てがなければ…➡ 38 00:04:40,365 --> 00:04:42,701 「絵にかいた餅」に終わります。 39 00:04:42,701 --> 00:04:45,604 安田様か…。 40 00:04:45,604 --> 00:04:51,042 一左衛門様 どのくらい かかるのですか? 41 00:04:51,042 --> 00:04:53,378 2万両ほど。 42 00:04:53,378 --> 00:04:55,378 えっ! 43 00:04:57,048 --> 00:04:59,718 (継之丞)2万両だと? 44 00:04:59,718 --> 00:05:03,388 そのような金が どこにあるのだ。 45 00:05:03,388 --> 00:05:10,061 ですが 新田開作が実現すれば 毎年 5万俵の米が取れます。 46 00:05:10,061 --> 00:05:15,734 お主も勘定方ゆえ 我が上杉家の 台所事情を存じておろう。 47 00:05:15,734 --> 00:05:20,405 徳川様の江戸城の石垣の普請に いくらかかったと思う。 48 00:05:20,405 --> 00:05:22,741 はい。 49 00:05:22,741 --> 00:05:27,412 用水の完成までには 何年 かかるのだ? 50 00:05:27,412 --> 00:05:31,082 10年は かかるかと…。 51 00:05:31,082 --> 00:05:35,082 そのような無謀な企てには 同意しかねる。 52 00:05:48,366 --> 00:05:51,269 いかがでございました? 安田様は 何と? 53 00:05:51,269 --> 00:05:55,040 うん? う~ん それが…。 54 00:05:55,040 --> 00:05:58,710 金は出せぬと。 わざととしか思えぬ。 55 00:05:58,710 --> 00:06:02,581 自分たちの見込みのなさを 棚に上げて よく言うわ。 56 00:06:02,581 --> 00:06:06,585 そもそも 新田開作など さほど急ぐ仕事でもなかろう。 57 00:06:06,585 --> 00:06:10,322 何を言う。 お屋形様は 必ず分かって下さる。 58 00:06:10,322 --> 00:06:14,259 ふん! お主たちは 与板組のお年寄衆の方々に➡ 59 00:06:14,259 --> 00:06:17,062 踊らされてるだけではないのか? 全くだ。 60 00:06:17,062 --> 00:06:19,731 今の言葉 聞き捨てならぬ。 61 00:06:19,731 --> 00:06:22,634 それでは そのような費え どこにある!? 62 00:06:22,634 --> 00:06:27,606 まあまあ まあまあ! はい 仕事 仕事! 63 00:06:27,606 --> 00:06:31,076 (一左衛門) ほとほと困っております。➡ 64 00:06:31,076 --> 00:06:35,680 与板組の者たちは 安田様が わざと金を払わぬのだと言い➡ 65 00:06:35,680 --> 00:06:39,184 馬廻組の者たちは 与板のお年寄衆が➡ 66 00:06:39,184 --> 00:06:41,686 勝手に進めている事だと➡ 67 00:06:41,686 --> 00:06:44,589 新田開作そのものにも 反対して! 68 00:06:44,589 --> 00:06:47,559 それは 困りましたね。 ですが➡ 69 00:06:47,559 --> 00:06:51,696 新田開作は この米沢の地を 豊かにするためには➡ 70 00:06:51,696 --> 00:06:54,599 欠かす事のできぬもので ございます。 71 00:06:54,599 --> 00:07:00,372 米の石高を増やさぬ事には お家は 立ち行きませぬ! 72 00:07:00,372 --> 00:07:05,243 それは 誰でも 分かっている事です。 はい。 73 00:07:05,243 --> 00:07:13,385 けれど この地を豊かにするのは 無駄な事だと言って…➡ 74 00:07:13,385 --> 00:07:16,288 馬廻組は その金を➡ 75 00:07:16,288 --> 00:07:19,257 別の事に使おうと 考えてるのではないかと。 76 00:07:19,257 --> 00:07:22,394 (鳴き声) あっ 鳥が笑うた。 77 00:07:22,394 --> 00:07:27,065 え? そんなバカな…。 78 00:07:27,065 --> 00:07:30,065 (鳴き声) ほら。 ほれ。 79 00:07:45,016 --> 00:07:49,354 (勝之進)あ… 私は 安田勝之進と申します。 80 00:07:49,354 --> 00:07:53,224 (佐乃)佐乃と申します。 81 00:07:53,224 --> 00:07:57,228 兄上も もうすぐ 畑から 帰ってくると思いますので➡ 82 00:07:57,228 --> 00:08:00,966 どうぞ お入り下さい。 はい。 83 00:08:00,966 --> 00:08:28,393 ♬~ 84 00:08:28,393 --> 00:08:33,665 おお 勝之進! よく来たな。 まあ 上がれ。 85 00:08:33,665 --> 00:08:36,568 どうした? わざわざ うちに来るとは。 86 00:08:36,568 --> 00:08:39,337 話があってな。 87 00:08:39,337 --> 00:08:42,037 失礼致します。 88 00:08:43,675 --> 00:08:47,975 白湯をお持ち致しました。 ああ。 89 00:08:54,319 --> 00:08:59,524 妹の佐乃だ。 先ほど ご挨拶した。 90 00:08:59,524 --> 00:09:04,696 改めまして 妹の佐乃と申します。 91 00:09:04,696 --> 00:09:09,396 兄上が いつも お世話になっております。 92 00:09:11,036 --> 00:09:13,736 失礼致しました。 93 00:09:17,709 --> 00:09:22,047 ああしていると 楚々とした よき妹なのだが…。 94 00:09:22,047 --> 00:09:23,982 そうではないのか? 95 00:09:23,982 --> 00:09:26,918 ああ。 毎朝 薙刀を振り回してな➡ 96 00:09:26,918 --> 00:09:29,618 大変な おてんばで。 97 00:09:34,993 --> 00:09:38,863 兄上は おしゃべりです。 どうかされました? 98 00:09:38,863 --> 00:09:44,335 私が薙刀を振り回しているなどと 余計な事まで お話しになって。 99 00:09:44,335 --> 00:09:46,671 気にする事はございません。 100 00:09:46,671 --> 00:09:51,342 相手は 新九郎様とは気心の知れた 勝之進様でございます。 101 00:09:51,342 --> 00:09:53,678 どういった お方なのです? 102 00:09:53,678 --> 00:09:57,015 勘定頭の安田様のご長男で➡ 103 00:09:57,015 --> 00:10:01,886 幼い頃から四書五経をそらんじ 神童といわれたお方です。 104 00:10:01,886 --> 00:10:06,024 元服の折には お屋形様の御前で 「孫子」を講義され➡ 105 00:10:06,024 --> 00:10:08,693 ご褒美に 脇差しを賜ったとか。 106 00:10:08,693 --> 00:10:10,729 今は お父上のもとで➡ 107 00:10:10,729 --> 00:10:13,364 勘定方のお仕事を なさっておいでです。 108 00:10:13,364 --> 00:10:16,034 優れた方なんですね。 109 00:10:16,034 --> 00:10:18,703 兄上とは 大違い。 110 00:10:18,703 --> 00:10:22,373 兄上は まだ お城へのご出仕さえ かなわぬというのに。 111 00:10:22,373 --> 00:10:25,710 (せきばらい) それを言ってはなりません。 112 00:10:25,710 --> 00:10:29,380 生まれ持ってのものは 本人でも どうしようもない事。 113 00:10:29,380 --> 00:10:33,718 だからこそ 竹は 新九郎様を 立派に お育てせねばと。 114 00:10:33,718 --> 00:10:39,718 出来の悪い子ほど かわいいとは よく言ったものでございます。 115 00:10:44,729 --> 00:10:47,398 江戸のお屋形様に 直訴? 116 00:10:47,398 --> 00:10:51,069 ああ。 死ぬ事は覚悟している。 117 00:10:51,069 --> 00:10:53,404 何故 そのような事を? 118 00:10:53,404 --> 00:10:56,741 新田開作の件は 知っているだろう。 ああ。 119 00:10:56,741 --> 00:11:00,612 どう思う? どうって…。 120 00:11:00,612 --> 00:11:03,915 水路が出来れば 荒れ地が 田に変わり➡ 121 00:11:03,915 --> 00:11:08,753 米が取れて それだけ豊かになる。 よい事だとは思うが。 122 00:11:08,753 --> 00:11:10,688 確かに そうだが➡ 123 00:11:10,688 --> 00:11:14,092 その新田開作には ばく大な金がかかる。 124 00:11:14,092 --> 00:11:18,963 そんな金があるなら 俺は もっと 別の事に使うべきだと考えている。 125 00:11:18,963 --> 00:11:20,965 別の事? 126 00:11:20,965 --> 00:11:23,101 戦支度だ。 127 00:11:23,101 --> 00:11:26,004 えっ 戦支度? 128 00:11:26,004 --> 00:11:28,273 我ら上杉家は➡ 129 00:11:28,273 --> 00:11:31,176 機を見て 西の毛利家と手を結んで 立ち上がり➡ 130 00:11:31,176 --> 00:11:36,014 かつて天下を狙っていた上杉家に 戻るべきだと考えている。 131 00:11:36,014 --> 00:11:41,386 今のままでは 徳川の天下に甘んじるしかない。 132 00:11:41,386 --> 00:11:44,289 だから 江戸にいる お屋形様に➡ 133 00:11:44,289 --> 00:11:47,258 我らの考えを じかに お伝えしに行くのよ。 134 00:11:47,258 --> 00:11:51,396 今 その同志を 集めているところだ。 135 00:11:51,396 --> 00:11:55,266 どうだ? お前も加わらぬか? 136 00:11:55,266 --> 00:11:57,268 俺が? 137 00:11:57,268 --> 00:12:00,071 お前は 前田慶次様の子。 138 00:12:00,071 --> 00:12:03,942 俺は お前を信用している。 139 00:12:03,942 --> 00:12:08,413 もし 同じ思いであれば 是非。 140 00:12:08,413 --> 00:12:15,086 ♬~ 141 00:12:15,086 --> 00:12:17,021 俺も 思いは同じだ。 142 00:12:17,021 --> 00:12:21,259 では 同志となるか? 仲間に入れてくれ。 143 00:12:21,259 --> 00:12:32,904 ♬~ 144 00:12:32,904 --> 00:12:35,707 きえ~っ! 145 00:12:35,707 --> 00:12:37,707 えい! 146 00:12:39,577 --> 00:12:41,579 えい! 147 00:12:41,579 --> 00:12:43,579 おっ…。 148 00:12:47,051 --> 00:12:49,051 きえ~っ! 149 00:12:56,394 --> 00:13:01,266 お~ 今朝の芋飯 よく炊けてるようですよ。 150 00:13:01,266 --> 00:13:04,269 はい そのようで。 151 00:13:04,269 --> 00:13:07,038 ≪(掛け声) 152 00:13:07,038 --> 00:13:12,038 (よね)あ~ 今朝も また 新九郎様 やられてなさる。 153 00:13:17,682 --> 00:13:22,420 兄上 何かあったので ございますか? うん? 154 00:13:22,420 --> 00:13:26,090 今朝の稽古 いつもと違っておりました。 155 00:13:26,090 --> 00:13:29,761 気合いが入っていたというか。 156 00:13:29,761 --> 00:13:35,033 いつも 真剣に稽古しておる。 今日が格別という事はない。 157 00:13:35,033 --> 00:13:37,869 まあ そういう事にしておきましょう。 158 00:13:37,869 --> 00:13:41,706 また 朝から言われよった。 ハハハハ。 父上。 はい。 159 00:13:41,706 --> 00:13:44,609 父上は いつ 私と一緒に 金沢へお戻りに? 160 00:13:44,609 --> 00:13:49,380 うん。 それが いつにしようか いつがいいか考えてはおるんだが。 161 00:13:49,380 --> 00:13:52,283 父上は 金沢に戻りたくないのですか? 162 00:13:52,283 --> 00:13:54,252 そんな事ありませんよ。 163 00:13:54,252 --> 00:13:58,723 父上こそ また 言われっ放し。 何か言ったか? 164 00:13:58,723 --> 00:14:03,594 そろそろ 私の文が 母上に届いた頃でございます。 165 00:14:03,594 --> 00:14:08,733 え? 正直に 全て したためました。 166 00:14:08,733 --> 00:14:12,070 今頃 母上は どうなされているか。 167 00:14:12,070 --> 00:14:15,573 もしかすると 姉上と一緒に➡ 168 00:14:15,573 --> 00:14:17,909 既に こちらに 向かわれているのではないかと。 169 00:14:17,909 --> 00:14:19,844 まさか…。 170 00:14:19,844 --> 00:14:23,414 お覚悟なさいませ 父上。 171 00:14:23,414 --> 00:14:25,414 へっ! 172 00:14:28,086 --> 00:14:32,357 そんなに 怖いお人なのですか? 金沢の母上は。 173 00:14:32,357 --> 00:14:37,195 あ それは まあ その… 何と申しますか…。 174 00:14:37,195 --> 00:14:53,044 ♬~ 175 00:14:53,044 --> 00:14:56,044 佐乃からは 何と? 176 00:14:58,716 --> 00:15:00,716 母上! 177 00:15:02,587 --> 00:15:07,887 (美津)隠し子がいた。 その上 おなごまで。 178 00:15:10,328 --> 00:15:12,328 きえ~っ! 179 00:15:14,265 --> 00:15:16,267 お見事。 180 00:15:16,267 --> 00:15:21,939 許せん。 断じて許せん! 181 00:15:21,939 --> 00:15:23,941 きえ~っ! 182 00:15:23,941 --> 00:15:26,241 う~ん。 183 00:15:30,081 --> 00:15:33,351 (次右衛門)前田様。 184 00:15:33,351 --> 00:15:39,023 次右衛門殿 剣術指南のお役目 慣れましたか? 185 00:15:39,023 --> 00:15:41,926 改めて 礼を申し上げる。 186 00:15:41,926 --> 00:15:45,696 お役目を頂いただけでなく 住む所まで。 187 00:15:45,696 --> 00:15:49,033 かたじけない。 いや いいんです。 188 00:15:49,033 --> 00:15:51,936 戦仲間なんですから。 189 00:15:51,936 --> 00:15:55,373 お互い 殺し殺されの戦の世を➡ 190 00:15:55,373 --> 00:15:58,709 なんとか 生き抜いてきた身では ありませんか。 191 00:15:58,709 --> 00:16:01,612 (碁を打つ音) (天徳)あっ! 192 00:16:01,612 --> 00:16:06,912 体で知った者にしか 分からない事があります。 193 00:16:11,055 --> 00:16:13,755 負けました。 194 00:16:15,393 --> 00:16:18,729 今夜 うちに来てくれ。 同志が集まる。 195 00:16:18,729 --> 00:16:21,399 では いよいよ…。 196 00:16:21,399 --> 00:16:24,302 ああ。 だが その前に 我が父上に➡ 197 00:16:24,302 --> 00:16:27,071 お屋形様への直訴のお許しを もらわねばならぬ。 198 00:16:27,071 --> 00:16:29,006 分かった。 199 00:16:29,006 --> 00:16:31,909 (次右衛門)始めるぞ! (一同)はい! 200 00:16:31,909 --> 00:16:41,018 ♬~ 201 00:16:41,018 --> 00:16:44,689 (次右衛門)始め! (一同)やあ~! 202 00:16:44,689 --> 00:16:48,359 (掛け声) 203 00:16:48,359 --> 00:16:52,697 気合いが入っていますな。 ええ。 204 00:16:52,697 --> 00:16:57,568 まるで まことの戦に出ていくようじゃ。 205 00:16:57,568 --> 00:17:07,868 ♬~ 206 00:17:10,047 --> 00:17:13,918 父上。 我ら皆➡ 207 00:17:13,918 --> 00:17:17,722 江戸にいる お屋形様に 直訴致したいと思っております。 208 00:17:17,722 --> 00:17:20,391 直訴だと? はい。 209 00:17:20,391 --> 00:17:24,061 かつて 上杉家は 豊臣家のもと➡ 210 00:17:24,061 --> 00:17:26,964 徳川家と並び 五大老の地位にあったのに➡ 211 00:17:26,964 --> 00:17:30,935 関ヶ原の戦では 石田三成様率いる西軍にくみし➡ 212 00:17:30,935 --> 00:17:33,671 徳川家と決戦もせずに敗れ➡ 213 00:17:33,671 --> 00:17:37,341 今 徳川家からは 牛馬のような 扱いを受けておるのが➡ 214 00:17:37,341 --> 00:17:42,013 口惜しゅうございます。 お年寄衆が当てにならない今➡ 215 00:17:42,013 --> 00:17:46,884 我ら若い者が立ち上がる以外 上杉家を救う道はないと! 216 00:17:46,884 --> 00:17:52,657 何とぞ お屋形様への直訴を お認め下さい! 217 00:17:52,657 --> 00:17:58,029 直訴となれば 切腹覚悟で かからねばならぬが➡ 218 00:17:58,029 --> 00:18:00,932 まこと 命を懸けると申すか? 219 00:18:00,932 --> 00:18:03,932 はい! (一同)はい! 220 00:18:05,703 --> 00:18:09,373 この命 ささげるつもりでございます。 221 00:18:09,373 --> 00:18:11,709 命など 惜しゅうはございません! 222 00:18:11,709 --> 00:18:15,046 いつでも死ぬ覚悟でございます! 上杉家のために! 223 00:18:15,046 --> 00:18:17,381 我も! 我も! 我も! 224 00:18:17,381 --> 00:18:38,002 ♬~ 225 00:18:38,002 --> 00:18:40,671 ごめんくだされ。 226 00:18:40,671 --> 00:18:44,542 ああ~! 何やつ!? 227 00:18:44,542 --> 00:18:48,542 失礼! 部屋を間違えました。 228 00:18:51,015 --> 00:18:52,950 でやっ! 229 00:18:52,950 --> 00:18:55,686 今日も 新田開作を進める➡ 230 00:18:55,686 --> 00:18:58,022 与板組の皆さんが来られていて➡ 231 00:18:58,022 --> 00:19:00,691 頭を悩ませておいででした。 232 00:19:00,691 --> 00:19:05,363 ふ~ん。 安田様が お認め下さらぬと。 233 00:19:05,363 --> 00:19:09,700 安田様は 馬廻組なのでございましょう? 234 00:19:09,700 --> 00:19:13,371 雪夜さんは 何でも よく知ってますね。 ハハハッ。 235 00:19:13,371 --> 00:19:16,040 お城の方たちが 来て下さるんですもの。 236 00:19:16,040 --> 00:19:18,709 知りたくなくてもね。 そうですね。 237 00:19:18,709 --> 00:19:20,645 ≪(一左衛門)ごめんくだされ。 238 00:19:20,645 --> 00:19:23,047 あ~! 239 00:19:23,047 --> 00:19:26,917 前田様~ 捜しましたぞ。 240 00:19:26,917 --> 00:19:31,856 今晩から お部屋を 変えて頂いたんです。 うん。 241 00:19:31,856 --> 00:19:36,994 ちと 前田様のお耳に 入れておきたい事がありまして。 242 00:19:36,994 --> 00:19:39,664 何でしょうか? 243 00:19:39,664 --> 00:19:45,536 若い者たちが 何やら たくらんでいるようでございます。 244 00:19:45,536 --> 00:19:51,008 今日も 城内では 何事か ささやき合っておりました。 245 00:19:51,008 --> 00:19:55,880 よからぬ事を考えていなければ よいのですが。 246 00:19:55,880 --> 00:19:58,883 では お邪魔致しました。 247 00:19:58,883 --> 00:20:01,583 いやいや。 ハッハッハ。 248 00:20:05,356 --> 00:20:07,692 よからぬ事とは? 249 00:20:07,692 --> 00:20:09,627 さて…。 250 00:20:09,627 --> 00:20:13,564 若い人は 力を持て余していますから➡ 251 00:20:13,564 --> 00:20:17,702 時には とんでもない事も…。 252 00:20:17,702 --> 00:20:20,371 新九郎様は? 253 00:20:20,371 --> 00:20:25,671 さあ どうでしょうか? ハハッ。 254 00:20:42,393 --> 00:20:47,393 父上。 おお お前か。 255 00:20:50,267 --> 00:20:52,403 (戸が開く音) 256 00:20:52,403 --> 00:20:55,306 お二人とも 今 お帰りでございますか? 257 00:20:55,306 --> 00:21:00,277 いや…。 いつもの柳町でございましょう? 258 00:21:00,277 --> 00:21:03,047 新九郎様は どちらに? 259 00:21:03,047 --> 00:21:08,953 あ それは… ちょっと 知り合いと話し込んでしまって。 260 00:21:08,953 --> 00:21:11,756 こんな時分まででございますか? 261 00:21:11,756 --> 00:21:15,056 ああ つい…。 262 00:21:18,429 --> 00:21:21,129 待て! 263 00:21:28,439 --> 00:22:01,338 ♬~ 264 00:22:01,338 --> 00:22:03,274 参れ。 265 00:22:03,274 --> 00:22:12,416 ♬~ 266 00:22:12,416 --> 00:22:14,752 どうした!? 267 00:22:14,752 --> 00:22:16,752 来い! 268 00:22:20,090 --> 00:22:22,026 やっ! 269 00:22:22,026 --> 00:22:32,026 ♬~ 270 00:22:36,574 --> 00:22:40,044 駿府の大御所様は もう お年。➡ 271 00:22:40,044 --> 00:22:42,379 もしもの事があった時➡ 272 00:22:42,379 --> 00:22:49,720 秀頼公を擁する大坂の豊臣方が どう動くか 不安じゃ。 273 00:22:49,720 --> 00:22:54,558 (忠常)西の毛利 東の上杉は➡ 274 00:22:54,558 --> 00:22:56,494 いまだに 腹の中では➡ 275 00:22:56,494 --> 00:23:00,731 豊臣家への忠義を捨てておらぬに 違いありません。 276 00:23:00,731 --> 00:23:05,402 両者が手を組んだら 事でございます。 277 00:23:05,402 --> 00:23:08,739 特に 江戸に近い上杉は➡ 278 00:23:08,739 --> 00:23:13,244 石高を 120万石から 30万石に減らしたというのに➡ 279 00:23:13,244 --> 00:23:16,280 家臣の数を減らしておりません。 280 00:23:16,280 --> 00:23:21,952 これは たくらみのある証拠でございます。 281 00:23:21,952 --> 00:23:28,726 ♬~ 282 00:23:28,726 --> 00:23:32,426 何としてでも 上杉を潰さねば。 283 00:23:34,031 --> 00:23:37,902 三成の子さえ 上杉領内にいれば➡ 284 00:23:37,902 --> 00:23:41,906 取り潰しの 格好の口実に なるのじゃが…。 285 00:23:41,906 --> 00:23:46,610 (忠常)新たな一手は 既に打っております。 286 00:23:46,610 --> 00:23:51,310 いずれ よき知らせが届くかと。 287 00:23:53,050 --> 00:23:56,387 一日も早く見つけ出すのじゃ。 288 00:23:56,387 --> 00:23:59,290 よいな? (忠常)はっ。 289 00:23:59,290 --> 00:24:07,398 ♬~ 290 00:24:07,398 --> 00:24:10,067 (又吉)それじゃあ 私が それとなく➡ 291 00:24:10,067 --> 00:24:12,736 新九郎様には 気を配っておきます。 292 00:24:12,736 --> 00:24:15,072 そうして下さい。 はい。 293 00:24:15,072 --> 00:24:18,372 でも 何を隠してなさるのか。 294 00:24:19,944 --> 00:24:21,946 (悲鳴) 295 00:24:21,946 --> 00:24:24,748 旦那様! 296 00:24:24,748 --> 00:24:27,651 (牢人たち)待て~! (女)お助けを! 297 00:24:27,651 --> 00:24:29,620 (又吉)大丈夫です! 298 00:24:29,620 --> 00:24:36,360 その女を よこせ! 邪魔立て致すと 命がないぞ! 299 00:24:36,360 --> 00:24:44,034 ♬~ 300 00:24:44,034 --> 00:24:46,704 うおっ! 301 00:24:46,704 --> 00:24:54,578 ♬~ 302 00:24:54,578 --> 00:24:57,047 うわっ! うっ! 303 00:24:57,047 --> 00:24:58,983 ほかに おけがは? 304 00:24:58,983 --> 00:25:02,683 (牢人)覚えてろよ! (女)ありがとうございます。 305 00:25:06,056 --> 00:25:09,927 あの… うちで手当てしましょう。 すぐ近くですから。 ですが…。 306 00:25:09,927 --> 00:25:14,398 いや 困った時は お互いさまです。 ねえ 旦那様? うん。 307 00:25:14,398 --> 00:25:17,067 行きましょう。 ありがとうございます。 308 00:25:17,067 --> 00:25:19,067 うっ…。 309 00:25:26,744 --> 00:25:33,444 このお薬を塗れば もう大丈夫。 ありがとうございます。 310 00:25:35,019 --> 00:25:37,921 雫と申します。 311 00:25:37,921 --> 00:25:43,360 あ… 旅の途中と お見受けしたが。 312 00:25:43,360 --> 00:25:47,698 はい。 下野からでございます。 313 00:25:47,698 --> 00:25:49,633 身寄りをなくし➡ 314 00:25:49,633 --> 00:25:54,571 龍経寺の和尚様を頼って こちらに。 おう 龍経寺の。 315 00:25:54,571 --> 00:25:59,043 その和尚様なら 旦那さんも よくご存じですよ。 316 00:25:59,043 --> 00:26:01,712 そうなんですか? うん。 317 00:26:01,712 --> 00:26:06,583 お一人で来られたんですか? はい。 318 00:26:06,583 --> 00:26:09,586 あっ…。 319 00:26:09,586 --> 00:26:13,323 この具合じゃ あんまり動かさない方が。 320 00:26:13,323 --> 00:26:18,062 そうですね。 しばらくは ここに いらっしゃいませ。 321 00:26:18,062 --> 00:26:21,732 けれど そこまで ご迷惑は…。 いいんですよ。 322 00:26:21,732 --> 00:26:26,732 今夜は 私と一緒の部屋でよければ どうぞ お泊まり下さい。 323 00:26:28,405 --> 00:26:35,212 本当に… 何と お礼を言ったらいいか。 324 00:26:35,212 --> 00:26:38,912 (泣き声) 325 00:26:55,566 --> 00:26:58,368 ご苦労さま。 ああ。 326 00:26:58,368 --> 00:27:02,039 お竹さん。 娘… 雫さんは? 327 00:27:02,039 --> 00:27:06,710 ああ 疲れてたんでしょう。 もう ぐっすり寝てますよ。 328 00:27:06,710 --> 00:27:08,645 ああ そうですか。 329 00:27:08,645 --> 00:27:11,645 (竹)おやすみなさい。 おやすみなさい。 330 00:27:16,720 --> 00:27:21,058 志のある若者たちが 江戸に行くというのなら➡ 331 00:27:21,058 --> 00:27:23,393 私も 手助け致しましょう。 332 00:27:23,393 --> 00:27:26,730 江戸には 旧知の者も おりますゆえ。 333 00:27:26,730 --> 00:27:29,633 よろしいのですか? 334 00:27:29,633 --> 00:27:34,004 命を懸けてまで 上杉家を思う気持ち➡ 335 00:27:34,004 --> 00:27:37,674 心を動かさずに おられましょうか。 336 00:27:37,674 --> 00:27:39,974 和尚…。 337 00:27:43,547 --> 00:27:49,686 必ずや お屋形様も 直訴を受け入れて下されよう。 338 00:27:49,686 --> 00:27:52,686 はい。 339 00:27:58,695 --> 00:28:04,568 傷は すぐ よくなります。 この薬を差し上げますから➡ 340 00:28:04,568 --> 00:28:08,568 龍経寺へ お行きなさい。 ねえ。 341 00:28:10,707 --> 00:28:12,707 はい。 342 00:28:18,048 --> 00:28:23,387 あの… もう少し ここに いて頂いた方が…。 343 00:28:23,387 --> 00:28:28,087 大丈夫。 心配は いりません。 344 00:28:38,335 --> 00:28:40,671 もうちょっとです。 はい。 345 00:28:40,671 --> 00:28:43,671 気を付けて。 はい。 346 00:28:47,010 --> 00:28:49,913 では これで。 347 00:28:49,913 --> 00:28:53,350 本当に ありがとうございました。 348 00:28:53,350 --> 00:28:58,021 いや…。 あっ 何かあったら いつでも言って下さい。 349 00:28:58,021 --> 00:29:00,691 はい。 350 00:29:00,691 --> 00:29:02,991 じゃあ…。 351 00:29:16,707 --> 00:29:20,377 無苦庵には居つけなかったか。 352 00:29:20,377 --> 00:29:23,077 申し訳ありません。 353 00:29:26,049 --> 00:29:28,719 まあ よい。 354 00:29:28,719 --> 00:29:43,019 ♬~ 355 00:29:44,668 --> 00:29:48,338 父上。 うん。 お話が。 356 00:29:48,338 --> 00:29:50,338 ああ。 357 00:29:52,009 --> 00:29:55,679 江戸に行きたいのです。 どうか お許しを。 358 00:29:55,679 --> 00:29:58,015 何しに? 359 00:29:58,015 --> 00:30:02,686 見聞を広げたいのです。 まだ 米沢しか知らぬ身。 360 00:30:02,686 --> 00:30:07,357 広い世の中を この目で見てみたいのです。 361 00:30:07,357 --> 00:30:11,695 何とぞ。 江戸など まだ早い。 362 00:30:11,695 --> 00:30:15,365 城への出仕もしてないというに。 363 00:30:15,365 --> 00:30:17,301 それは…➡ 364 00:30:17,301 --> 00:30:20,037 父上が お認め下さらぬからでは ございませんか。 365 00:30:20,037 --> 00:30:22,940 まだ 一人前とは認められん。 366 00:30:22,940 --> 00:30:29,379 まだ早い まだ一人前ではないと いつも そのように…。 367 00:30:29,379 --> 00:30:31,415 どうしてですか? どうしてもだ。 368 00:30:31,415 --> 00:30:34,251 それでは お答えになっておりません! 369 00:30:34,251 --> 00:30:40,023 私の年で 既に お城勤めをしている者もおります。 370 00:30:40,023 --> 00:30:45,729 なのに 私だけが 毎日 畑仕事。 371 00:30:45,729 --> 00:30:50,600 それが嫌だと言ってるのでは ございません。 372 00:30:50,600 --> 00:30:53,403 私は 侍でございます。 373 00:30:53,403 --> 00:30:58,742 侍は 侍らしく 上杉家のために ご奉公したいのでございます。 374 00:30:58,742 --> 00:31:01,742 だから まだまだだって 言ってるだろう。 375 00:31:03,413 --> 00:31:09,753 父上。 父上は そんなに 私の事を➡ 376 00:31:09,753 --> 00:31:12,656 出来の悪い 駄目な息子だと 思っておられるのですか? 377 00:31:12,656 --> 00:31:15,092 そうだ。 378 00:31:15,092 --> 00:31:20,792 お前は まだまだだ。 何も分かってはおらん! 379 00:31:24,101 --> 00:31:27,971 もう結構です! 自分の事は 自分で決めます。 380 00:31:27,971 --> 00:31:32,709 父上に認めて頂かなくとも 構いませぬ! 381 00:31:32,709 --> 00:31:37,381 この… 石頭の頑固親父! 382 00:31:37,381 --> 00:31:40,717 何だと!? おい もう一度 言ってみろ! 383 00:31:40,717 --> 00:31:44,588 ええ 何度でも言います。 この石頭の頑固親父! 384 00:31:44,588 --> 00:31:48,058 言ったな! 旦那様! 旦那様も大人気ない! 385 00:31:48,058 --> 00:31:50,961 兄上! 落ち着きなさいませ。 386 00:31:50,961 --> 00:32:02,406 ♬~ 387 00:32:02,406 --> 00:32:06,076 旦那様。 おう。 388 00:32:06,076 --> 00:32:11,415 新九郎様が 江戸へ行きたいと おっしゃるのも 無理のない事。 389 00:32:11,415 --> 00:32:15,085 なにも あのように 邪険に扱う事は…。 390 00:32:15,085 --> 00:32:17,988 いや 竹さん。 私だって 若い時分は➡ 391 00:32:17,988 --> 00:32:22,426 自分が育った尾張から 華やかな京や大坂へ➡ 392 00:32:22,426 --> 00:32:26,763 よく行ったもんです。 だから 今の若い者たちが➡ 393 00:32:26,763 --> 00:32:31,601 江戸に憧れる気持ちは よく分かる。 394 00:32:31,601 --> 00:32:36,039 だけどね あいつが 江戸に行きたいのは➡ 395 00:32:36,039 --> 00:32:40,911 別の理由があるはず。 別の理由? 396 00:32:40,911 --> 00:32:46,683 はい。 それに 江戸の地に行き もし 何かあったら➡ 397 00:32:46,683 --> 00:32:50,587 私は あいつを守りきれぬ。 398 00:32:50,587 --> 00:32:53,056 そのような事になれば➡ 399 00:32:53,056 --> 00:32:58,056 石田三成様から受けた御恩を お返しできない。 400 00:32:59,729 --> 00:33:01,765 でも このままでは➡ 401 00:33:01,765 --> 00:33:06,565 旦那様のもとを 勝手に 飛び出してしまうかもしれません。 402 00:33:10,073 --> 00:33:14,945 覚えておいでですか? 新九郎様が小さかった頃➡ 403 00:33:14,945 --> 00:33:17,747 はやり病にかかり ひどい熱を出され➡ 404 00:33:17,747 --> 00:33:22,047 生死の境をさまよわれた時の事。 うん。 405 00:33:26,089 --> 00:33:29,926 熱も なかなか下がりませぬ。 大丈夫でしょうか? 406 00:33:29,926 --> 00:33:32,362 大丈夫! 強い子です。 407 00:33:32,362 --> 00:33:35,062 こんな病で 死ぬ訳ありません! 408 00:33:36,700 --> 00:33:39,369 うう… 父上。 409 00:33:39,369 --> 00:33:41,669 うん! 410 00:33:49,713 --> 00:33:53,583 父は ここにおる。 411 00:33:53,583 --> 00:33:56,883 ずっと そばにおる。 412 00:33:59,723 --> 00:34:02,058 (竹)旦那様が手を握ると➡ 413 00:34:02,058 --> 00:34:06,358 安心したように また お休みになって…。 414 00:34:08,398 --> 00:34:11,735 新九郎様は 旦那様の懐で➡ 415 00:34:11,735 --> 00:34:15,572 すくすくと 元気に お育ちになったのでございます。 416 00:34:15,572 --> 00:34:21,745 でもね 竹さん 今じゃ 私は 石頭の頑固親父ですからね。 417 00:34:21,745 --> 00:34:24,648 ハッハッハッハ! フフフフ…。 418 00:34:24,648 --> 00:34:28,418 新九郎様は よき若者に おなりです。 419 00:34:28,418 --> 00:34:33,023 旦那様に逆らうのも ご成長された証しでございます。 420 00:34:33,023 --> 00:34:36,323 そうですね。 はい。 421 00:34:41,364 --> 00:34:46,036 父上の あの様子では 決して うんとは言わぬ。 422 00:34:46,036 --> 00:34:48,705 自分の事は 全部 いい加減なくせに➡ 423 00:34:48,705 --> 00:34:52,005 何故 ああも頑固なのか…。 424 00:34:57,714 --> 00:35:02,586 もはや 一刻の猶予もならんのだ。 425 00:35:02,586 --> 00:35:04,588 え? 426 00:35:04,588 --> 00:35:10,727 今夜 同志が集い 最後の詰めをする。 427 00:35:10,727 --> 00:35:14,397 どうする? 428 00:35:14,397 --> 00:35:18,568 もちろん 参る。 429 00:35:18,568 --> 00:35:23,406 ♬~ 430 00:35:23,406 --> 00:35:28,278 親子げんか…。 慶さんも そこらの親と変わりませんね。 431 00:35:28,278 --> 00:35:30,747 面目ありません。 432 00:35:30,747 --> 00:35:33,350 事の起こりは 何ですか? 433 00:35:33,350 --> 00:35:37,687 何があったんですか? 別に。 434 00:35:37,687 --> 00:35:41,358 うそ。 何か 隠してる事が おありでしょう。 435 00:35:41,358 --> 00:35:44,261 私には 何でも お話し下さい。 436 00:35:44,261 --> 00:35:48,231 慶さんの事なら 何でも知りたいんです。 437 00:35:48,231 --> 00:35:52,969 そんなに うれしがらせないで下さい。 ハッハ。 438 00:35:52,969 --> 00:35:55,372 ≪(又吉)旦那様。 439 00:35:55,372 --> 00:35:58,372 うん? 又吉さんか? 440 00:36:01,044 --> 00:36:05,215 新九郎様たち若い方たちが 町外れの お堂に集まって➡ 441 00:36:05,215 --> 00:36:09,052 何やら おっ始めようとしてるようです。 442 00:36:09,052 --> 00:36:11,388 ≪(一左衛門)ごめん。 443 00:36:11,388 --> 00:36:13,723 前田様 分かりました。 444 00:36:13,723 --> 00:36:17,394 あの者たちが 何をしようと してるか。 何ですか? 445 00:36:17,394 --> 00:36:19,694 江戸です! 446 00:36:22,065 --> 00:36:27,404 よいか? 我らは 二手に分かれ 江戸に向かう。 447 00:36:27,404 --> 00:36:30,073 中越様ら ほか3名は➡ 448 00:36:30,073 --> 00:36:33,677 奥州道から宇都宮へ。 (4人)おう! 449 00:36:33,677 --> 00:36:38,548 ほかの者は 私と一緒に 越後を回って 中山道を行く。 450 00:36:38,548 --> 00:36:40,550 (一同)おう。 451 00:36:40,550 --> 00:36:46,550 待ち合わせ場所は 江戸の板橋宿。 452 00:36:53,997 --> 00:36:57,367 いよいよだな。 ああ。 あとは 実行あるのみ! 453 00:36:57,367 --> 00:37:00,036 邪魔をする者があれば 俺が たたき切る! 454 00:37:00,036 --> 00:37:04,374 頼もしいのう。 中越様がいて下されば 安心よ。 455 00:37:04,374 --> 00:37:06,674 何者だ!? 456 00:37:15,719 --> 00:37:17,719 父上。 457 00:37:31,067 --> 00:37:36,673 この書状は 江戸のお屋形様から 届いたものである。 458 00:37:36,673 --> 00:37:38,673 何!? 459 00:37:48,685 --> 00:37:53,685 では 読み上げる。 心して聞くように。 460 00:37:55,358 --> 00:38:02,031 「近頃 国元にて 若き者ら 江戸に参り➡ 461 00:38:02,031 --> 00:38:06,903 余に 直訴に及ばんとする 企てありと聞き及び候。➡ 462 00:38:06,903 --> 00:38:15,044 もし これが 事実に候わば 言語道断の所業に候あいだ➡ 463 00:38:15,044 --> 00:38:21,344 江戸出府は 一切許さず候事」。 464 00:38:22,919 --> 00:38:27,056 「この者ら いたずらに 血気にはやり➡ 465 00:38:27,056 --> 00:38:30,927 あたら 命を無駄にする事なきよう➡ 466 00:38:30,927 --> 00:38:36,332 大人どもも きっと 戒め申すべし」と。 467 00:38:36,332 --> 00:38:42,632 「以上 固く命じ置き候ものなり」と。 468 00:38:45,341 --> 00:38:50,680 本当に お屋形様の書状なのか!? おかしい。 469 00:38:50,680 --> 00:38:54,551 そうだ! そのとおりだ。 470 00:38:54,551 --> 00:38:57,551 我らは 断固 進むのみ。 471 00:39:01,024 --> 00:39:05,895 邪魔立てするというなら 容赦はせん! 472 00:39:05,895 --> 00:39:08,595 おやめ下さい 中越様! 473 00:39:21,044 --> 00:39:23,713 ええい! 474 00:39:23,713 --> 00:39:26,616 ええい! えいっ! 475 00:39:26,616 --> 00:39:31,521 ♬~ 476 00:39:31,521 --> 00:39:33,523 ええい! 477 00:39:33,523 --> 00:39:39,996 ♬~ 478 00:39:39,996 --> 00:39:41,931 ええい! 479 00:39:41,931 --> 00:39:45,869 えやっ! えい! えい! えい! 480 00:39:45,869 --> 00:39:57,547 ♬~ 481 00:39:57,547 --> 00:39:59,682 えやっ! 482 00:39:59,682 --> 00:40:07,357 ♬~ 483 00:40:07,357 --> 00:40:10,260 ええい! うっ…! 484 00:40:10,260 --> 00:40:17,367 ♬~ 485 00:40:17,367 --> 00:40:19,667 中越様! 486 00:40:21,237 --> 00:40:26,537 この書状 信用できぬと申すか? 487 00:40:29,712 --> 00:40:32,615 頭が高い! 488 00:40:32,615 --> 00:40:56,406 ♬~ 489 00:40:56,406 --> 00:41:01,077 またしても 前田慶次に 事を収められたか…。 490 00:41:01,077 --> 00:41:06,077 そのようでございますな。 ハッハッハッハ…。 491 00:41:17,427 --> 00:41:21,097 (又吉)いや さすが 旦那様。 492 00:41:21,097 --> 00:41:24,968 この書状一枚で 若者たちを 押しとどめるんですから。 493 00:41:24,968 --> 00:41:26,970 へっ…。 494 00:41:26,970 --> 00:41:31,670 いや 実に見事な書状です。 495 00:41:35,378 --> 00:41:37,678 燃やして下さい。 496 00:41:39,716 --> 00:41:43,586 旦那様に似ておりますな。 497 00:41:43,586 --> 00:41:45,586 フッ。 498 00:41:48,057 --> 00:41:50,960 新九郎様? 499 00:41:50,960 --> 00:41:54,660 俺は諦めぬ…。 500 00:42:03,072 --> 00:42:05,772 父上は? 501 00:42:07,410 --> 00:42:10,110 あそこに。 502 00:42:20,957 --> 00:42:23,760 父上。 うん。 503 00:42:23,760 --> 00:42:27,760 今日 これが届きました。 504 00:42:29,432 --> 00:42:33,703 母上は 既に 金沢を出立なさり➡ 505 00:42:33,703 --> 00:42:38,374 こちらに向かっておられるように ございます。 506 00:42:38,374 --> 00:42:40,374 へっ! 507 00:42:42,245 --> 00:42:44,714 (馬のいななき) 508 00:42:44,714 --> 00:42:59,262 ♬~ 509 00:42:59,262 --> 00:43:03,066 待っていなされ。 510 00:43:03,066 --> 00:43:06,736 ♬~ 511 00:43:06,736 --> 00:43:08,671 うわ~っ! 512 00:43:08,671 --> 00:43:11,607 新九郎でございます。 (華)こちらのお方は?➡ 513 00:43:11,607 --> 00:43:14,077 訳がおありなのでは ございませぬか? 514 00:43:14,077 --> 00:43:18,414 金沢に帰らず この米沢に いなくてはならぬ訳。 515 00:43:18,414 --> 00:43:21,084 もしや…。 おっかねえ~。 516 00:43:21,084 --> 00:43:26,384 [外:3BCE2A06A6A8557082543A6C90A42FE0] 閻浮にかえる生死の