1 00:00:09,857 --> 00:00:11,857 (四十郎)う~ん 2 00:00:13,861 --> 00:00:16,197 (太郎)母上 お代わり (静江)まあ 3 00:00:16,197 --> 00:00:20,868 太郎は もう3杯目ですよ だって おいしいんだもん 4 00:00:20,868 --> 00:00:23,468 そうだよな ハハハ… 5 00:00:27,875 --> 00:00:29,877 はい 6 00:00:29,877 --> 00:00:33,214 <皆さん お気付きだろうか?> 7 00:00:33,214 --> 00:00:38,219 <この中に 江戸時代に 存在しない物があることを> 8 00:00:38,219 --> 00:00:41,222 <それは?> 9 00:00:41,222 --> 00:00:44,558 <そう 電気炊飯器> 10 00:00:44,558 --> 00:00:48,158 <なぜ 現代の家電が 江戸にあるのだろうか?> 11 00:00:50,231 --> 00:00:54,235 <それは 無職の貧乏浪人 兼梨四十郎の 12 00:00:54,235 --> 00:00:56,570 愛する妻への思いが 13 00:00:56,570 --> 00:00:59,240 事の始まりであった> 14 00:00:59,240 --> 00:01:03,840 《少しでも 静江の暮らしを 楽にさせてあげられますように》 15 00:01:06,847 --> 00:01:08,849 (カージー)《はじめまして》 16 00:01:08,849 --> 00:01:12,520 《私は 家電アドバイザーの カージーです》 17 00:01:12,520 --> 00:01:15,523 《表をご覧ください》 18 00:01:15,523 --> 00:01:17,525 《早っ!》 19 00:01:17,525 --> 00:01:21,529 <江戸時代に 家電が配達されてきたのである> 20 00:01:21,529 --> 00:01:23,864 こんなふうに 朝げのひとときを 21 00:01:23,864 --> 00:01:27,868 ゆっくり 過ごせるなんて 夢のようです 22 00:01:27,868 --> 00:01:30,871 <しかし 静江は知らない> 23 00:01:30,871 --> 00:01:35,543 <炊飯器を使うには 電気が必要なこと> 24 00:01:35,543 --> 00:01:37,545 うお~っ! 25 00:01:37,545 --> 00:01:39,547 <そして その電気をひそかに 26 00:01:39,547 --> 00:01:42,147 四十郎が つくり出していることを…> 27 00:01:49,890 --> 00:01:54,490 <現代人で その恩恵を 受けていない者はいないはずだ> 28 00:01:56,564 --> 00:01:58,564 <これらの…> 29 00:02:02,570 --> 00:02:07,842 <これは とある貧しい侍が 現代の家電と出会い 30 00:02:07,842 --> 00:02:10,511 家族を幸せにしようと奮闘する 31 00:02:10,511 --> 00:02:13,180 愛の物語である> 32 00:02:13,180 --> 00:02:33,200 ♬~ 33 00:02:33,200 --> 00:02:36,800 ♬~ 34 00:02:49,884 --> 00:02:52,887 では いってまいる 今日も お勤めご苦労さまです 35 00:02:52,887 --> 00:02:54,887 お弁当です 36 00:02:59,894 --> 00:03:04,565 母上 父上は どこに行かれたのですか? 37 00:03:04,565 --> 00:03:07,835 あら 太郎に話してなかったかしら? 38 00:03:07,835 --> 00:03:13,841 父上は大名屋敷で 剣術の師範に 召し抱えられたのです 39 00:03:13,841 --> 00:03:16,844 <というのは 真っ赤な嘘> 40 00:03:16,844 --> 00:03:18,846 あっ もう… 41 00:03:18,846 --> 00:03:21,849 <四十郎は いまだ無職の浪人> 42 00:03:21,849 --> 00:03:25,519 <静江には 大名屋敷に行くと嘘をつき 43 00:03:25,519 --> 00:03:30,191 ひそかに 傘張りの内職を始めていた> 44 00:03:30,191 --> 00:03:32,526 ああっ! あ~… 45 00:03:32,526 --> 00:03:36,864 <剣術しかやってこなかった これまでの人生 46 00:03:36,864 --> 00:03:39,200 傘張りは素人同然… 47 00:03:39,200 --> 00:03:43,204 というか ドが付くほど下手くそであった> 48 00:03:43,204 --> 00:03:45,204 ああ~ もう! 49 00:03:47,875 --> 00:03:50,544 なぜ うまくいかんのだ! 50 00:03:50,544 --> 00:03:55,883 ミスター四十郎 今日も お仕事ご苦労さまです 51 00:03:55,883 --> 00:03:59,887 仕事? こんなのは 拙者の仕事ではござらん 52 00:03:59,887 --> 00:04:02,890 傘張りは 浪人の仕事だ 53 00:04:02,890 --> 00:04:07,495 では ミスター四十郎は 浪人なのですね 54 00:04:07,495 --> 00:04:09,830 違う! 55 00:04:09,830 --> 00:04:11,832 断じて 違う 56 00:04:11,832 --> 00:04:15,836 拙者は浪人などではない 武士だ 57 00:04:15,836 --> 00:04:20,174 武士… そうだ 武士だ 58 00:04:20,174 --> 00:04:23,844 武士の仕事は主君に仕えること 59 00:04:23,844 --> 00:04:28,516 まあ 今は訳あって お役御免となっておるが 60 00:04:28,516 --> 00:04:31,185 いずれ そのうち 仕官先が見つかる 61 00:04:31,185 --> 00:04:36,524 さすれば 浪人風情の仕事など すぐに辞めてやる 62 00:04:36,524 --> 00:04:42,196 なるほど 武士は食わねど高ようじ ということですね 63 00:04:42,196 --> 00:04:45,196 カージー殿 言葉が過ぎまするぞ 64 00:04:47,201 --> 00:04:50,204 <今の立場は リストラされたサラリーマン> 65 00:04:50,204 --> 00:04:53,207 <しかし 侍だったころのプライドを 66 00:04:53,207 --> 00:04:56,877 いまだ 捨てきれずにいた> 67 00:04:56,877 --> 00:04:59,547 (太郎)母上 母上! 68 00:04:59,547 --> 00:05:02,216 母上 早く 太郎に字を教えてください 69 00:05:02,216 --> 00:05:04,885 母は まだ たっくさん やることがあるのです 70 00:05:04,885 --> 00:05:08,155 (太郎)え~ つまんない! 71 00:05:08,155 --> 00:05:11,492 静江さん あっ 72 00:05:11,492 --> 00:05:13,827 (平賀)僕が教えましょうか? 73 00:05:13,827 --> 00:05:17,498 えっ 平賀さんが? 74 00:05:17,498 --> 00:05:22,503 <この いかにも遊び人といった 端正な顔立ちの男> 75 00:05:22,503 --> 00:05:24,838 <先日 隣に越してきたが 76 00:05:24,838 --> 00:05:29,438 何をなりわいとしているか 分からぬ 怪しい男である> 77 00:05:35,516 --> 00:05:37,518 御免 78 00:05:37,518 --> 00:05:40,521 傘を納めに参った (女将)あら お侍様 79 00:05:40,521 --> 00:05:42,521 ご苦労さまでございます 80 00:05:45,526 --> 00:05:48,526 よいしょ… うん? 81 00:05:50,531 --> 00:05:53,534 どうだ? いい出来栄えであろう 82 00:05:53,534 --> 00:05:58,539 お侍様 これは引き取れません なぬ? 83 00:05:58,539 --> 00:06:01,139 ほら ここ 隙間が 84 00:06:03,210 --> 00:06:05,212 (女将)こっちは開きが悪いし 85 00:06:05,212 --> 00:06:07,815 どれもこれも 売り物にはなりませんね 86 00:06:07,815 --> 00:06:09,817 えっ? 87 00:06:09,817 --> 00:06:14,154 お侍様 もしかして 不器用です? 88 00:06:14,154 --> 00:06:16,824 女将 今 何と申した? 89 00:06:16,824 --> 00:06:21,161 ですから 不器用なんじゃないですかと 90 00:06:21,161 --> 00:06:24,498 拙者が不器用だと? 91 00:06:24,498 --> 00:06:27,835 商人の分際で無礼であるぞ! (女将)はあ? 92 00:06:27,835 --> 00:06:31,839 お侍様こそ 仕官先のない 浪人の分際でしょうが! 93 00:06:31,839 --> 00:06:33,841 ろ… 浪人? (女将)ええ 94 00:06:33,841 --> 00:06:36,841 どこから どう見ても浪人ですよ! 95 00:06:40,848 --> 00:06:43,851 クソ! 96 00:06:43,851 --> 00:06:48,522 もうよい! 傘張りなど 二度とせぬわ! 97 00:06:48,522 --> 00:06:50,522 フン! 98 00:06:56,196 --> 00:07:00,534 おかえりなさい ミスター四十郎 傘は? 99 00:07:00,534 --> 00:07:02,536 傘など知らん 100 00:07:02,536 --> 00:07:05,873 こんな仕事 もう辞めた! 101 00:07:05,873 --> 00:07:09,473 ということは 仕官先が決まったのですか? 102 00:07:11,812 --> 00:07:15,816 ハァー (おなかの鳴る音) 103 00:07:15,816 --> 00:07:17,818 おなかが鳴りました 104 00:07:17,818 --> 00:07:20,154 昼食を取ってはいかがでしょう? 105 00:07:20,154 --> 00:07:23,824 空腹だと いらだちが増すといいます 106 00:07:23,824 --> 00:07:26,493 そんなことは 言われなくても分かっておる 107 00:07:26,493 --> 00:07:30,831 カージー殿 少々 黙っててくださらぬか 108 00:07:30,831 --> 00:07:35,169 分かりました 音声アシスタントを終了します 109 00:07:35,169 --> 00:07:37,469 (電子音) ハァー 110 00:07:41,175 --> 00:07:43,175 弁当でも食うか 111 00:07:46,513 --> 00:07:49,183 あれ? 112 00:07:49,183 --> 00:07:51,483 確かに 受け取ったはずなのに… 113 00:07:53,520 --> 00:07:55,520 あっ! 114 00:08:07,134 --> 00:08:09,803 あのとき 115 00:08:09,803 --> 00:08:13,474 せっかく 静江が作ってくれた弁当を… 116 00:08:13,474 --> 00:08:16,143 何という不覚 117 00:08:16,143 --> 00:08:18,143 取りに戻るしかあるまい 118 00:08:20,147 --> 00:08:22,147 おお… あった あった 119 00:08:24,151 --> 00:08:26,153 ≪(太郎)もっと もっと 120 00:08:26,153 --> 00:08:30,491 《この声は 太郎?》 121 00:08:30,491 --> 00:08:32,826 (平賀)この字のコツはな 122 00:08:32,826 --> 00:08:38,165 ここの3か所が まっすぐになると 123 00:08:38,165 --> 00:08:40,167 字に まとまりが出る 124 00:08:40,167 --> 00:08:42,169 そして ここの部分 125 00:08:42,169 --> 00:08:47,508 《うん? 静江が子守でも頼んだか?》 126 00:08:47,508 --> 00:08:50,108 (平賀) これは 「受ける」という字と… 127 00:08:56,183 --> 00:08:58,852 (平賀)「心」という字だ 128 00:08:58,852 --> 00:09:00,854 (太郎)うん 知ってる 129 00:09:00,854 --> 00:09:05,526 では この2つを合わせると… 130 00:09:05,526 --> 00:09:07,526 「心」を… 131 00:09:11,131 --> 00:09:13,131 (平賀)「受ける」と書いて 132 00:09:16,804 --> 00:09:19,807 「愛」になる (太郎)へえ! 133 00:09:19,807 --> 00:09:23,811 《ほう… この男 遊び人に見えるが 134 00:09:23,811 --> 00:09:26,814 意外と物知りのようだ》 135 00:09:26,814 --> 00:09:31,819 《太郎にも いい勉強になっておるようだな》 136 00:09:31,819 --> 00:09:37,491 《飯炊きも楽になり 太郎の子守も任せられるとなれば 137 00:09:37,491 --> 00:09:41,161 静江は ゆっくり 昼寝でもしているかもしれぬな》 138 00:09:41,161 --> 00:09:44,164 フッ… ハハッ 139 00:09:44,164 --> 00:09:46,464 《ちょっと 脅かしてやるかな》 140 00:10:55,836 --> 00:10:57,838 ハァー 141 00:10:57,838 --> 00:11:01,842 大きなため息ですね どうしました? 142 00:11:01,842 --> 00:11:03,844 炊飯器を与え 143 00:11:03,844 --> 00:11:07,848 静江に楽をさせてやっていると 思っていたのは 144 00:11:07,848 --> 00:11:10,148 拙者のおごりだった 145 00:11:12,185 --> 00:11:17,185 静江は 飯炊きだけに苦労していた わけではなかったのだ 146 00:11:19,526 --> 00:11:23,196 静江は 昼寝などしていなかった 147 00:11:23,196 --> 00:11:26,867 これまで ちり一つないのが 当たり前だと思っていたが 148 00:11:26,867 --> 00:11:28,869 拙者のいぬ間に 149 00:11:28,869 --> 00:11:31,469 あのような 苦労をかけていたのだな… 150 00:11:33,540 --> 00:11:36,877 <掃除が大変と言っても 狭い長屋じゃないか 151 00:11:36,877 --> 00:11:39,212 と思った そこのあなたのために 152 00:11:39,212 --> 00:11:44,885 この時代 いかに 掃除が大変だったか解説しよう> 153 00:11:44,885 --> 00:11:48,488 <常に ちり一つない状態が良しとされ 154 00:11:48,488 --> 00:11:50,824 掃除が行き届かない家は 155 00:11:50,824 --> 00:11:55,495 だらしないと非難されることも あったという江戸時代> 156 00:11:55,495 --> 00:11:58,165 <大変だったのは 畳掃除> 157 00:11:58,165 --> 00:12:01,168 <洗剤などは もちろん ない> 158 00:12:01,168 --> 00:12:03,837 <代わりに 使い終わった茶殻をまき 159 00:12:03,837 --> 00:12:08,508 ほこりなどを吸着させてから 掃除したと言われ…> 160 00:12:08,508 --> 00:12:12,179 <更に 縁側など板の間の掃除> 161 00:12:12,179 --> 00:12:15,182 <モップなどない時代である> 162 00:12:15,182 --> 00:12:19,519 <着物で腰を下ろし 足腰を使う雑巾がけは 163 00:12:19,519 --> 00:12:23,190 大変な重労働であった> 164 00:12:23,190 --> 00:12:26,526 <これは 江戸の主婦の一例ではあるが 165 00:12:26,526 --> 00:12:30,864 便利な道具に囲まれた現代とは 比べ物にならないほど 166 00:12:30,864 --> 00:12:35,202 江戸の掃除には 苦労があったのである> 167 00:12:35,202 --> 00:12:39,873 やはり 静江には苦労のかけ通しだ 168 00:12:39,873 --> 00:12:43,210 拙者が ふがいないばかりに… 169 00:12:43,210 --> 00:12:47,147 ミスター四十郎 聞いてもらえますか? 170 00:12:47,147 --> 00:12:49,147 うん? 171 00:12:57,824 --> 00:13:00,494 カージー殿 今のは? 172 00:13:00,494 --> 00:13:03,163 面白いジョークを言ってみました 173 00:13:03,163 --> 00:13:08,463 ミスター四十郎に元気がないので 笑わせようと思ったのですが 174 00:13:11,838 --> 00:13:15,175 やはり ここは 家電で解決しましょう 175 00:13:15,175 --> 00:13:17,175 こちらをご覧ください 176 00:13:19,179 --> 00:13:23,183 これは 人気の掃除機です 177 00:13:23,183 --> 00:13:27,854 何だこれは? ちりが どんどんなくなっていく! 178 00:13:27,854 --> 00:13:30,190 サイクロン式の掃除機です 179 00:13:30,190 --> 00:13:33,860 えっ えっ? さ… さい… さいくろんしき? 180 00:13:33,860 --> 00:13:38,865 空気の圧力を利用して ごみを吸引する家電です 181 00:13:38,865 --> 00:13:43,203 おお… まさに神のなせる業 182 00:13:43,203 --> 00:13:47,474 掃くのではなく 吸い込むのか! 183 00:13:47,474 --> 00:13:52,479 《吸い込むということは もしや… 風神?》 184 00:13:52,479 --> 00:13:55,816 《あっ いや 違うな… 吸い込む…》 185 00:13:55,816 --> 00:13:57,816 《はっ! まさか…》 186 00:14:00,487 --> 00:14:02,489 《なんと… 187 00:14:02,489 --> 00:14:05,826 妖怪すら飼い慣らしておると いうことか!》 188 00:14:05,826 --> 00:14:10,163 《さすが… 神や仏を超えた御仁だ》 189 00:14:10,163 --> 00:14:12,463 ご理解いただけましたか? 190 00:14:15,836 --> 00:14:17,838 合点承知だ 191 00:14:17,838 --> 00:14:23,510 そして 近年 普及してきたのがこちらです 192 00:14:23,510 --> 00:14:25,512 うん? うん? うんうん? 193 00:14:25,512 --> 00:14:27,514 この… この平べったいのも 194 00:14:27,514 --> 00:14:29,516 掃除機なるものなのか? 195 00:14:29,516 --> 00:14:33,186 はい こちらは 一般的に… 196 00:14:33,186 --> 00:14:35,188 と呼ばれるものです 197 00:14:35,188 --> 00:14:38,859 えっ? ろ… ろぼっと掃除機? 198 00:14:38,859 --> 00:14:40,861 ロボット掃除機は 199 00:14:40,861 --> 00:14:42,863 先ほどの掃除機のように 200 00:14:42,863 --> 00:14:45,866 人間が動かす必要はありません 201 00:14:45,866 --> 00:14:48,468 床面を自立走行して 202 00:14:48,468 --> 00:14:51,471 勝手に きれいに掃除してくれます 203 00:14:51,471 --> 00:14:54,474 勝手に掃除を? 204 00:14:54,474 --> 00:14:59,146 ほう… しつけが行き届いておる 205 00:14:59,146 --> 00:15:02,146 さて どちらをお届けしましょうか? 206 00:15:04,484 --> 00:15:06,484 う~ん… 207 00:15:15,495 --> 00:15:17,831 ただいま帰ったぞ! 208 00:15:17,831 --> 00:15:20,131 あら おかえりなさいませ 209 00:15:22,169 --> 00:15:31,178 ♬~ 210 00:15:31,178 --> 00:15:34,178 これは? 見ていなされ 211 00:15:40,520 --> 00:15:43,190 何をなさるんですか 四十郎様! 212 00:15:43,190 --> 00:15:46,193 そんなことしたら 掃除が大変です! 213 00:15:46,193 --> 00:15:48,128 落ち着け 静江 214 00:15:48,128 --> 00:15:50,130 掃除は こやつがしてくれる 215 00:15:50,130 --> 00:15:53,130 (起動音) 216 00:15:56,469 --> 00:15:58,469 あっ! 217 00:16:01,141 --> 00:16:04,477 あっ 灰が… 灰が消えていきます! 218 00:16:04,477 --> 00:16:07,814 消えているのではない 吸い込んでるんだ 219 00:16:07,814 --> 00:16:09,814 誰が? 220 00:16:11,818 --> 00:16:15,488 えっ! 蛸入道? 落ち着け 静江 221 00:16:15,488 --> 00:16:18,825 よくしつけされた 蛸入道ゆえ 危険はない 222 00:16:18,825 --> 00:16:21,161 ああ ああ… 223 00:16:21,161 --> 00:16:25,498 ああ あっ あ… 落ちてしまいます うむ 224 00:16:25,498 --> 00:16:29,498 まあ 静江 心配せずともよい 見ておれ 225 00:16:35,175 --> 00:16:38,511 あっ! あっ こ… こっちへ… こっちへ来ます 226 00:16:38,511 --> 00:16:40,511 ハハッ あっ あっ 227 00:16:42,515 --> 00:16:46,186 わあ… あっ こっちへ来た フフッ 228 00:16:46,186 --> 00:16:48,788 はい はい はいはい はいはい ハハハ… 229 00:16:48,788 --> 00:16:50,790 四十郎様 うん 230 00:16:50,790 --> 00:16:52,792 これには 目が付いているのですかね? 231 00:16:52,792 --> 00:16:57,797 いや これは せんさ~だ 常に周囲を見ておる 232 00:16:57,797 --> 00:16:59,799 せんさ~? うん 233 00:16:59,799 --> 00:17:03,803 四十郎様 何でも よくご存じなんですね 234 00:17:03,803 --> 00:17:05,805 あっ! この道具があれば 235 00:17:05,805 --> 00:17:08,808 もう 掃除などしないで済むであろう 236 00:17:08,808 --> 00:17:12,408 夢のようです わあ… 237 00:17:16,816 --> 00:17:21,154 (荒い息遣い) (車輪の音) 238 00:17:21,154 --> 00:17:23,156 うう~! 239 00:17:23,156 --> 00:17:25,825 ああ… ハァー (ブレーキ音) 240 00:17:25,825 --> 00:17:30,497 ハァー もう… 十分であろう? ハッ 241 00:17:30,497 --> 00:17:34,167 炊飯器に加え 掃除機の分も必要です 242 00:17:34,167 --> 00:17:37,504 まだまだ 足りません 243 00:17:37,504 --> 00:17:41,174 ハァー 少し… 休憩してまいる 244 00:17:41,174 --> 00:17:46,780 ハァー ああ… ハァ… 245 00:17:46,780 --> 00:17:50,784 ああ~ 脚… 脚が痛い 246 00:17:50,784 --> 00:17:52,786 ああ~ 疲れた 247 00:17:52,786 --> 00:17:55,789 ああ~… (足音) 248 00:17:55,789 --> 00:17:58,458 四十郎様? 249 00:17:58,458 --> 00:18:02,796 静江… ここで何をしておった? 250 00:18:02,796 --> 00:18:05,796 四十郎様こそ なぜ 神社に? 251 00:20:08,855 --> 00:20:10,857 ああ~ 疲れた 252 00:20:10,857 --> 00:20:13,526 ああ~… (足音) 253 00:20:13,526 --> 00:20:16,196 四十郎様? 254 00:20:16,196 --> 00:20:20,533 静江… ここで何をしておった? 255 00:20:20,533 --> 00:20:24,871 四十郎様こそ なぜ 神社に? 256 00:20:24,871 --> 00:20:27,474 お大名のお屋敷にいるはずでは? 257 00:20:27,474 --> 00:20:29,476 あっ いや… あれだ 258 00:20:29,476 --> 00:20:34,481 あの… ほら 参拝を頼まれたのだ (柏手) 259 00:20:34,481 --> 00:20:37,817 参拝? そうでしたか ああ 260 00:20:37,817 --> 00:20:41,488 ああ… それで 静江は何だ? 261 00:20:41,488 --> 00:20:45,492 それが… 太郎がいなくなってしまって 262 00:20:45,492 --> 00:20:47,827 隣の平賀殿の所ではないのか? 263 00:20:47,827 --> 00:20:52,832 いえ お隣は朝から留守でしたので そうか… 264 00:20:52,832 --> 00:20:56,836 あの 実は… 太郎と一緒に 265 00:20:56,836 --> 00:21:00,507 ロボット掃除機なるものも なくなってしまって 266 00:21:00,507 --> 00:21:02,509 えっ! 267 00:21:02,509 --> 00:21:05,512 ずっと捜し回っているのですが もう どこにも… 268 00:21:05,512 --> 00:21:08,181 分かった 一緒に捜そう 269 00:21:08,181 --> 00:21:11,181 でも 四十郎様は お屋敷にお戻りにならないと 270 00:21:13,186 --> 00:21:17,857 この… 一大事 お大名も分かってくれるであろう 271 00:21:17,857 --> 00:21:20,527 四十郎様… 272 00:21:20,527 --> 00:21:22,529 日が暮れるまでに捜そう 273 00:21:22,529 --> 00:21:24,829 ハァー ハァー 274 00:21:27,800 --> 00:21:30,470 太郎は 一体 どこに行ったんだ? 275 00:21:30,470 --> 00:21:34,470 申し訳ございません 私が よく見ていれば… 276 00:21:36,476 --> 00:21:38,476 ≪(太郎)動け 動け! 277 00:21:43,483 --> 00:21:45,485 (太郎)ねっ (平賀)ああ 278 00:21:45,485 --> 00:21:47,487 御免! 279 00:21:47,487 --> 00:21:50,490 あっ! 父上も母上も遅かったですね 280 00:21:50,490 --> 00:21:52,492 太郎! 281 00:21:52,492 --> 00:21:55,495 太郎 いつから ここにいたんだ? 282 00:21:55,495 --> 00:21:58,831 (平賀)太郎殿が うちに来たのは つい先ほどです 283 00:21:58,831 --> 00:22:01,167 じゃあ 今まで どこで何をしておった? 284 00:22:01,167 --> 00:22:04,504 散歩をさせていました 散歩? 285 00:22:04,504 --> 00:22:06,839 (平賀)四十郎殿 僕が説明を 286 00:22:06,839 --> 00:22:11,177 今日は やぼ用で 湯島の方へ行っていたのですが 287 00:22:11,177 --> 00:22:13,179 実は その帰りに… 288 00:22:13,179 --> 00:22:17,183 (ロボット掃除機の音) (女性)《えっ! すごい音》 289 00:22:17,183 --> 00:22:19,852 《分かります? えっ?》 (ロボット掃除機の音) 290 00:22:19,852 --> 00:22:22,522 《今… 見た?》 291 00:22:22,522 --> 00:22:24,822 《カメ吉 早く来い》 292 00:22:27,860 --> 00:22:31,197 《太郎殿 それは?》 293 00:22:31,197 --> 00:22:33,197 (太郎)《こいつは カメ吉だよ》 294 00:22:35,201 --> 00:22:37,203 (平賀)このカメ吉とやらが 295 00:22:37,203 --> 00:22:41,207 家の中にばかりいるのが かわいそうだと思ったらしくて 296 00:22:41,207 --> 00:22:44,877 (太郎)ほら カメ吉 食べろ 大きくならないぞ 297 00:22:44,877 --> 00:22:46,879 太郎 298 00:22:46,879 --> 00:22:51,551 これは 亀ではない 餌も必要ないのだ 299 00:22:51,551 --> 00:22:53,553 えっ そうなのですか? 300 00:22:53,553 --> 00:22:58,558 うん これは ロボット掃除機なるもの 301 00:22:58,558 --> 00:23:01,894 ひとりでに ちりを吸い込む 掃除の道具だ 302 00:23:01,894 --> 00:23:05,231 何だ つまんないの 303 00:23:05,231 --> 00:23:07,900 ひとりでに ちりを? 304 00:23:07,900 --> 00:23:11,904 平賀さん ご迷惑をおかけしました (平賀)ああ… 305 00:23:11,904 --> 00:23:14,504 さあ 帰るぞ 太郎 (平賀)あっ 306 00:23:26,252 --> 00:23:29,188 炊飯器に掃除機… 307 00:23:29,188 --> 00:23:32,859 どれも珍妙な からくりばかり 308 00:23:32,859 --> 00:23:36,459 お隣は 一体 どこから あのような物を… 309 00:23:44,203 --> 00:23:46,873 ≪ただいま帰ったぞ (太郎)母上 ただいま 310 00:23:46,873 --> 00:23:48,875 おかえりなさいませ 311 00:23:48,875 --> 00:23:53,880 静江 何をやっておる? 何って お掃除ですよ 312 00:23:53,880 --> 00:23:56,215 掃除なら カメ吉がやっておるではないか 313 00:23:56,215 --> 00:24:00,553 ええ カメ吉のおかげで とても助かっております 314 00:24:00,553 --> 00:24:04,891 これまで 手の回らなかった所も お掃除できますから 315 00:24:04,891 --> 00:24:08,227 少しは休めばよいのに 316 00:24:08,227 --> 00:24:13,227 いいえ これが 今の私のお役目ですから 317 00:24:16,569 --> 00:24:18,571 お役目 318 00:24:18,571 --> 00:24:33,519 ♬~ 319 00:24:33,519 --> 00:24:36,856 母上 父上が どこかへ行ってしまいました 320 00:24:36,856 --> 00:24:40,156 あら またですか… 321 00:24:42,862 --> 00:24:45,198 ハァー ミスター四十郎 322 00:24:45,198 --> 00:24:48,201 今度は 一体 どうしましたか? 323 00:24:48,201 --> 00:24:51,871 カージー殿 聞いてくださらぬか 324 00:24:51,871 --> 00:24:55,208 また ミセス静江のことですか? 325 00:24:55,208 --> 00:24:58,878 静江は もともと 武家の姫として生まれ 326 00:24:58,878 --> 00:25:01,881 家事などせずとも 一生 暮らせる身分 327 00:25:01,881 --> 00:25:05,885 それが… 拙者と一緒になったばかりに 328 00:25:05,885 --> 00:25:07,887 苦労させておる 329 00:25:07,887 --> 00:25:11,891 武家の姫から 浪人の妻になったのですね 330 00:25:11,891 --> 00:25:16,896 静江は言うんだ これが 今の私のお役目だと 331 00:25:16,896 --> 00:25:20,566 ああ… それが拙者ときたら… 332 00:25:20,566 --> 00:25:24,570 《お侍様こそ 仕官先のない 浪人の分際でしょうが!》 333 00:25:24,570 --> 00:25:26,572 《浪人?》 《ええ》 334 00:25:26,572 --> 00:25:28,841 《どこから どう見ても 浪人ですよ!》 335 00:25:28,841 --> 00:25:30,843 《クソ!》 336 00:25:30,843 --> 00:25:36,182 《もうよい! 傘張りなど 二度とせぬわ!》 337 00:25:36,182 --> 00:25:39,852 ミスター四十郎 聞いてもらえますか? 338 00:25:39,852 --> 00:25:42,522 ジョークとやらは要りませぬぞ 339 00:25:42,522 --> 00:25:48,522 他人と過去は変えられない しかし 自分と未来は変えられる 340 00:25:50,530 --> 00:25:53,199 カージー殿 今のは? 341 00:25:53,199 --> 00:25:59,539 今のミスター四十郎に ぴったりの 名言を検索してみました 342 00:25:59,539 --> 00:26:03,876 カージー殿 もう一度 言ってくれぬか 343 00:26:03,876 --> 00:26:10,476 他人と過去は変えられない しかし 自分と未来は変えられる 344 00:26:19,225 --> 00:26:25,231 女将 先般の無礼をわびる 345 00:26:25,231 --> 00:26:27,231 故に… 346 00:26:29,168 --> 00:26:31,168 故に? 347 00:26:33,172 --> 00:26:39,472 いま一度 傘張りの 内職をさせてもらえないか? 348 00:26:41,848 --> 00:26:45,184 何を今更 349 00:26:45,184 --> 00:26:47,854 頼む このとおりだ! 350 00:26:47,854 --> 00:27:00,867 ♬~ 351 00:27:00,867 --> 00:27:02,869 ミスター四十郎 352 00:27:02,869 --> 00:27:06,205 傘張りなど 辞めたのではなかったのですか? 353 00:27:06,205 --> 00:27:09,876 今 拙者にできる仕事は これしかない 354 00:27:09,876 --> 00:27:12,879 目の前にあることをやるのみだ 355 00:27:12,879 --> 00:27:16,883 元気が出てきたようで何よりです 356 00:27:16,883 --> 00:27:18,883 そうだ 357 00:27:20,887 --> 00:27:23,890 これをカージー殿に 358 00:27:23,890 --> 00:27:28,494 ミスター四十郎 私は飲食できませんが 359 00:27:28,494 --> 00:27:30,830 お礼でござる 360 00:27:30,830 --> 00:27:34,830 これからも よろしくお頼み申す 361 00:27:36,836 --> 00:27:41,173 <これにて 一件落着… 362 00:27:41,173 --> 00:27:44,473 と思いきや またしても…> 363 00:27:59,859 --> 00:28:02,528 拙者が買ってきた あの? 364 00:28:02,528 --> 00:28:04,864 あっ! 腐っておる 365 00:28:04,864 --> 00:28:06,866 申し訳ありません 366 00:28:06,866 --> 00:28:09,535 私が気を付けていなかったせいで 367 00:28:09,535 --> 00:28:12,538 静江を泣かせてしまったのです 368 00:28:12,538 --> 00:28:14,874 では こちらはいかがでしょう 369 00:28:14,874 --> 00:28:18,544 きれいな たんすですね 漆塗りですか? 370 00:28:18,544 --> 00:28:20,546 たんすではない 371 00:28:20,546 --> 00:28:24,550 これは 冷蔵庫だ 372 00:28:24,550 --> 00:28:27,820 わあ… まぶしい! 373 00:28:27,820 --> 00:28:30,820 それだけではない 何か気付かんか? 374 00:28:33,159 --> 00:28:36,162 あっ 涼しい! 375 00:28:36,162 --> 00:28:38,164 危ない! キャーッ! 376 00:28:38,164 --> 00:28:40,499 どうされたのですか? 377 00:28:40,499 --> 00:28:42,799 実は ここだけの話だが… 378 00:28:45,171 --> 00:28:47,840 えっ! ゆ… 雪女が? 379 00:28:47,840 --> 00:28:49,842 (女将)いらっしゃい 380 00:28:49,842 --> 00:28:51,842 何のご用です? 381 00:28:56,849 --> 00:28:58,851 何物にも代えられません 382 00:28:58,851 --> 00:29:00,853 きっぷのいい女だね 383 00:29:00,853 --> 00:29:04,853 ♬~