1 00:00:06,211 --> 00:00:08,213 (四十郎)ああっ もう… 2 00:00:08,213 --> 00:00:11,549 <拙者の名は…> 3 00:00:11,549 --> 00:00:16,221 <まあ 訳あって 今は傘張り浪人である> 4 00:00:16,221 --> 00:00:19,224 うお~っ! 5 00:00:19,224 --> 00:00:21,893 <こうして 自転車なるものにまたがり 6 00:00:21,893 --> 00:00:23,895 汗をかいているのは 7 00:00:23,895 --> 00:00:28,566 何を隠そう 愛する妻のためである> 8 00:00:28,566 --> 00:00:33,571 《少しでも 静江の暮らしを 楽にさせてあげられますように》 9 00:00:33,571 --> 00:00:38,171 <ひそかに 願かけを続けていた 千日目のある晩> 10 00:00:40,912 --> 00:00:42,914 (カージー)《はじめまして》 11 00:00:42,914 --> 00:00:46,251 《私は家電アドバイザーの カージーです》 12 00:00:46,251 --> 00:00:48,586 《表をご覧ください》 13 00:00:48,586 --> 00:00:51,923 <お稲荷様の使い カージー殿より 14 00:00:51,923 --> 00:00:56,594 摩訶不思議な道具を 授けられることに> 15 00:00:56,594 --> 00:00:59,264 <おかげで 静江も楽になり 16 00:00:59,264 --> 00:01:01,564 うれしきかぎりの毎日> 17 00:01:07,205 --> 00:01:11,505 <これらの道具 家電なる呼び名があるらしい> 18 00:01:18,216 --> 00:01:23,216 <現代人で その恩恵を 受けていない者はいないはずだ> 19 00:01:25,223 --> 00:01:27,223 <これらの…> 20 00:01:31,229 --> 00:01:35,567 <これは とある貧しい侍が 現代の家電と出会い 21 00:01:35,567 --> 00:01:38,570 家族を幸せにしようと奮闘する 22 00:01:38,570 --> 00:01:41,239 愛の物語である> 23 00:01:41,239 --> 00:02:01,259 ♬~ 24 00:02:01,259 --> 00:02:04,259 ♬~ 25 00:02:17,208 --> 00:02:20,211 (太郎)父上 いってらっしゃい (静江)いってらっしゃいませ 26 00:02:20,211 --> 00:02:22,881 今日は 帰りを楽しみに待っておれよ 27 00:02:22,881 --> 00:02:25,181 はい お待ちしております 28 00:02:31,222 --> 00:02:34,559 母上 今日は 何かあるのですか? 29 00:02:34,559 --> 00:02:37,562 父上は剣術の師範に 召し抱えられたと言ったでしょう 30 00:02:37,562 --> 00:02:40,899 今日は そのお手当が出る日だとか 31 00:02:40,899 --> 00:02:44,569 (太郎)やった やった~! う~ ウフフッ うれしいですね 32 00:02:44,569 --> 00:02:46,571 <老いも若きも 33 00:02:46,571 --> 00:02:49,574 昔も今も うきうきしてしまう> 34 00:02:49,574 --> 00:02:53,244 <そう 今日は給料日であった> 35 00:02:53,244 --> 00:02:57,248 では 母上 今日は うなぎが食べられますか? 36 00:02:57,248 --> 00:03:00,251 父上が 買ってきてくれるかも しれませんね 37 00:03:00,251 --> 00:03:04,251 やった! やった やった~! フフフッ 38 00:03:06,191 --> 00:03:10,191 待っておれよ 太郎 父が たらふく食わせてやるからな 39 00:03:12,864 --> 00:03:16,464 (物売りの声) 40 00:03:20,205 --> 00:03:22,207 御免 41 00:03:22,207 --> 00:03:26,544 <静江には 大名屋敷に 召し抱えられたと嘘をつき 42 00:03:26,544 --> 00:03:30,548 ひそかに 傘張りの内職をする無職の浪人 43 00:03:30,548 --> 00:03:33,551 それが 四十郎> 44 00:03:33,551 --> 00:03:37,222 これだけあれば 存分に買えるであろう 45 00:03:37,222 --> 00:03:42,222 さて… 夕刻まで もう 一こぎするか 46 00:03:49,234 --> 00:03:53,238 ああ… あの娘 いつぞやの 47 00:03:53,238 --> 00:03:55,240 (ナンパ侍)《えやっ!》 48 00:03:55,240 --> 00:03:58,243 《あっ あ痛! 痛った…》 49 00:03:58,243 --> 00:04:00,245 《お助けいただき ありがとうございます》 50 00:04:00,245 --> 00:04:02,580 《礼には及ばぬ》 51 00:04:02,580 --> 00:04:04,582 あのときの格好いいお侍様 52 00:04:04,582 --> 00:04:08,182 《かっ… か… 格好いい!》 53 00:04:10,188 --> 00:04:13,191 また お会いできて うれしゅうございます 54 00:04:13,191 --> 00:04:17,491 奇遇だな よくここに? (お春)ええ 55 00:04:20,532 --> 00:04:23,535 何かあったのか? 56 00:04:23,535 --> 00:04:28,540 実は… 病を抱えた弟がいるのですが 57 00:04:28,540 --> 00:04:32,544 お医者様を呼べなくて お参りだけでもと 58 00:04:32,544 --> 00:04:34,544 そうであったか 59 00:04:41,886 --> 00:04:44,222 よければ これを使いなさい 60 00:04:44,222 --> 00:04:48,226 えっ… いや めっそうもない 61 00:04:48,226 --> 00:04:52,897 袖振り合うも多生の縁でござる でも… 62 00:04:52,897 --> 00:04:55,497 早く帰って 医者を呼んであげなさい 63 00:04:59,237 --> 00:05:01,239 ありがとうございます 64 00:05:01,239 --> 00:05:18,523 ♬~ 65 00:05:18,523 --> 00:05:24,529 おかえりなさい ミスター四十郎 傘は買い取ってもらえましたか? 66 00:05:24,529 --> 00:05:29,867 ああ 高値をつけてくれた 67 00:05:29,867 --> 00:05:31,867 それはよかったが… 68 00:05:33,871 --> 00:05:36,207 《今日は うなぎが食べられますか?》 69 00:05:36,207 --> 00:05:39,210 《父上が 買ってきてくれるかも しれませんね》 70 00:05:39,210 --> 00:05:42,547 《やった!》 71 00:05:42,547 --> 00:05:46,217 何としても 手ぶらで帰るわけにはいかん 72 00:05:46,217 --> 00:05:50,888 何か お困りでしたら 何でも ご相談ください 73 00:05:50,888 --> 00:05:55,226 いや… これは 拙者が解決する問題でござる 74 00:05:55,226 --> 00:06:05,837 ♬~ 75 00:06:05,837 --> 00:06:10,174 ミスター四十郎の大切な刀ですね 76 00:06:10,174 --> 00:06:13,177 カージー殿 分かるのか? 77 00:06:13,177 --> 00:06:15,179 調べてみたんです 78 00:06:15,179 --> 00:06:20,184 刀は武士にとって 命よりも大事らしいですね 79 00:06:20,184 --> 00:06:23,521 確かに そうだ 80 00:06:23,521 --> 00:06:25,521 しかし… 81 00:06:33,531 --> 00:06:35,867 女将 (女将)ああ 82 00:06:35,867 --> 00:06:38,536 ここは 質屋もやっておると 言っておったな 83 00:06:38,536 --> 00:06:40,538 (女将)ええ 84 00:06:40,538 --> 00:06:42,540 はい このとおり! 85 00:06:42,540 --> 00:06:44,542 ハハッ 86 00:06:44,542 --> 00:06:47,142 何か質入れしたい物でも? 87 00:06:57,221 --> 00:06:59,557 ただいま帰ったぞ 88 00:06:59,557 --> 00:07:02,157 (太郎)父上 おかえりなさ~い! ハハハッ 89 00:07:05,163 --> 00:07:07,165 よいしょ 90 00:07:07,165 --> 00:07:09,500 わあ! 卵! 91 00:07:09,500 --> 00:07:11,836 もしや… 前に私が 92 00:07:11,836 --> 00:07:14,839 料理に使ってみたいと申したのを 覚えてくださっていたんですか? 93 00:07:14,839 --> 00:07:19,177 いや… たまたま 卵売りがおってな ハハッ 94 00:07:19,177 --> 00:07:21,177 <この時代…> 95 00:07:23,514 --> 00:07:25,516 <現代の価値に換算すると 96 00:07:25,516 --> 00:07:30,855 1個400円もする 高級食材であった> 97 00:07:30,855 --> 00:07:34,192 ほら 太郎の好物も買ってきたぞ 98 00:07:34,192 --> 00:07:39,197 うなぎだ! もっとあるぞ 99 00:07:39,197 --> 00:07:41,866 まあ こんなにたくさん? 100 00:07:41,866 --> 00:07:44,869 物売りから 買い占めてきてやったのだ 101 00:07:44,869 --> 00:07:50,208 <ちなみに この時代 うなぎは江戸湾で多く取れたため 102 00:07:50,208 --> 00:07:55,213 比較的安価な ファストフードだったという> 103 00:07:55,213 --> 00:07:58,216 やった~! 毎日 食べられる! 104 00:07:58,216 --> 00:08:00,885 こんな ぜいたく いいのでしょうか? 105 00:08:00,885 --> 00:08:04,222 今日ぐらい よいではないか そうですね 106 00:08:04,222 --> 00:08:06,157 ウフフッ ハハハ… 107 00:08:06,157 --> 00:08:08,159 (一同の笑い声) 108 00:08:08,159 --> 00:08:11,829 <いつになく 幸せそうな兼梨一家> 109 00:08:11,829 --> 00:08:15,166 <しかし この幸せは はかないものだった> 110 00:08:15,166 --> 00:08:17,168 めっちゃ いい匂いだな うん! 111 00:08:17,168 --> 00:08:20,168 <…のことである> 112 00:08:23,841 --> 00:08:26,511 どうした? 太郎に何があった? 113 00:08:26,511 --> 00:08:29,180 どうやら おなかを壊してしまったようで 114 00:08:29,180 --> 00:08:32,850 腹を下した? 何を食ったんだ? 115 00:08:32,850 --> 00:08:35,186 うなぎです えっ? 116 00:08:35,186 --> 00:08:38,523 うなぎって 拙者が買ってきた あの? 117 00:08:38,523 --> 00:08:42,123 たくさんあったので すぐに食べきれなくて… 118 00:08:46,864 --> 00:08:50,535 あっ! 腐っておる… 119 00:08:50,535 --> 00:08:52,537 申し訳ありません 120 00:08:52,537 --> 00:08:58,209 私が気を付けていなかったせいで 太郎をこのような目に… 121 00:08:58,209 --> 00:09:00,211 申し訳ありません 122 00:09:00,211 --> 00:09:07,151 (すすり泣き) 123 00:09:07,151 --> 00:09:09,151 静江… 124 00:09:12,490 --> 00:09:14,826 《違う 静江のせいではない》 125 00:09:14,826 --> 00:09:18,496 《拙者が ここぞとばかりに うなぎを買い占めてきたせいだ》 126 00:09:18,496 --> 00:09:21,165 《なんと 愚かな…》 127 00:09:21,165 --> 00:09:25,169 <腹を下したぐらいで そこまで 深刻になることはなかろう… 128 00:09:25,169 --> 00:09:27,505 と思った あなたのために 129 00:09:27,505 --> 00:09:31,175 この時代の 食事情について解説しよう> 130 00:09:31,175 --> 00:09:37,515 <徳川家康は食中毒で死んだ という言い伝えも残っているほど 131 00:09:37,515 --> 00:09:43,521 食中毒で命を落とす者も 少なくなかった 江戸時代> 132 00:09:43,521 --> 00:09:45,821 <その原因の一つは…> 133 00:09:49,527 --> 00:09:51,529 <アジやサンマなど 134 00:09:51,529 --> 00:09:54,198 傷みが早い青魚を生で食べるのは 135 00:09:54,198 --> 00:09:58,202 水揚げされた当日だけ> 136 00:09:58,202 --> 00:10:00,202 <また…> 137 00:10:02,206 --> 00:10:05,877 <…するなど さまざまな工夫をしていた> 138 00:10:05,877 --> 00:10:10,548 <そう 江戸時代 一家の食を担う主婦は 139 00:10:10,548 --> 00:10:14,218 家族の生死を握る 重要な責務を負っていた 140 00:10:14,218 --> 00:10:18,222 と言っても 過言ではないのだ> 141 00:10:18,222 --> 00:10:22,560 ミスター四十郎 自傷行為は おやめください 142 00:10:22,560 --> 00:10:25,229 何があったんですか? 143 00:10:25,229 --> 00:10:30,568 拙者は静江を… 静江を泣かせてしまったのです 144 00:10:30,568 --> 00:10:34,572 やはり ミセス静江のことでしたか 145 00:10:34,572 --> 00:10:38,242 聞いてくださらぬか カージー殿 146 00:10:38,242 --> 00:10:40,578 というわけなんだ 147 00:10:40,578 --> 00:10:44,248 なるほど 状況は分かりました 148 00:10:44,248 --> 00:10:47,919 では こちらはいかがでしょう? 149 00:10:47,919 --> 00:10:51,255 これは 冷蔵庫という家電です 150 00:10:51,255 --> 00:10:53,591 れいぞうこ? 151 00:10:53,591 --> 00:10:57,261 冷蔵庫の中は 3度から8度 152 00:10:57,261 --> 00:11:00,264 真冬の気温と同じです 153 00:11:00,264 --> 00:11:04,602 真冬! そ… その中は 真冬と申すのか? 154 00:11:04,602 --> 00:11:06,537 野菜や魚などを 155 00:11:06,537 --> 00:11:11,208 常温よりも 長く新鮮に保存できます 156 00:11:11,208 --> 00:11:13,210 ああ… 確かに 157 00:11:13,210 --> 00:11:16,547 真冬に物が腐りにくいという 理屈は分かる 158 00:11:16,547 --> 00:11:21,552 だが… なぜ その中で 真冬がつくり出せるのだ? 159 00:11:21,552 --> 00:11:27,224 冷蔵庫内を冷やすために 冷媒という熱の運搬役が… 160 00:11:27,224 --> 00:11:30,895 《うん? れいばい? れいばい…》 161 00:11:30,895 --> 00:11:33,898 《あっ 霊媒師の霊媒か?》 162 00:11:33,898 --> 00:11:38,198 《となると やはり あの箱の中に もののけが!》 163 00:11:43,908 --> 00:11:47,578 《さすが 神や仏を超えた御仁…》 164 00:11:47,578 --> 00:11:51,582 《また とんでもないものを 作ったものだな…》 165 00:11:51,582 --> 00:11:54,251 ご理解いただけましたか? 166 00:11:54,251 --> 00:11:57,588 あっ 合点承知だ お頼み申す 167 00:11:57,588 --> 00:11:59,590 ありがとうございます 168 00:11:59,590 --> 00:12:02,259 ただ一つ ご注意を うん? 169 00:12:02,259 --> 00:12:07,198 ご使用する際は 扉を 開けっ放しにしないでください 170 00:12:07,198 --> 00:12:10,201 冷気が逃げてしまいますから 171 00:12:10,201 --> 00:12:12,203 逃げる? 172 00:12:12,203 --> 00:12:16,207 なるほど ゆきおんながな! 承知した 173 00:12:16,207 --> 00:12:18,542 ゆきおんな? 174 00:12:18,542 --> 00:12:23,142 では いつものように 最速便で お願いいたす 175 00:12:28,552 --> 00:12:31,889 それは… ジョークなるものでござるな? 176 00:12:31,889 --> 00:12:33,891 面白かったですか? 177 00:12:33,891 --> 00:12:36,227 面白いかどうかは 別の問題でござる 178 00:12:36,227 --> 00:12:39,227 音声アシスタントを終了します (電子音) 179 00:13:48,132 --> 00:13:51,802 きれいな たんすですね 漆塗りですか? 180 00:13:51,802 --> 00:13:56,807 たんすではない これは れいぞうこだ 181 00:13:56,807 --> 00:14:01,145 れいぞうこ? 開けてみるがよい 182 00:14:01,145 --> 00:14:03,145 ああ… 183 00:14:08,152 --> 00:14:10,154 静江 何をしておる? 184 00:14:10,154 --> 00:14:14,158 こうだ 下から手を入れて こう… 開けよ こう開けるんだ 185 00:14:14,158 --> 00:14:16,160 そう あっ! 186 00:14:16,160 --> 00:14:19,163 わあ… まぶしい! 187 00:14:19,163 --> 00:14:22,166 それだけではない 何か気付かんか? 188 00:14:22,166 --> 00:14:24,502 ああ… 189 00:14:24,502 --> 00:14:27,505 あっ 涼しい! 190 00:14:27,505 --> 00:14:32,510 そうだ 寒いくらいであろう 真冬じゃ! 191 00:14:32,510 --> 00:14:36,514 この中に食べ物を入れておけば そうそう腐ることもない 192 00:14:36,514 --> 00:14:39,517 太郎も 食あたりになることもなかろう 193 00:14:39,517 --> 00:14:43,854 四十郎様 そのために この れいぞうこなるものを? 194 00:14:43,854 --> 00:14:47,458 まあ そういうことだ フッ 195 00:14:47,458 --> 00:14:49,460 ちょっと待て はい 196 00:14:49,460 --> 00:14:51,462 危ない! あっ! 197 00:14:51,462 --> 00:14:53,797 どうされたのですか? 198 00:14:53,797 --> 00:14:56,097 実は ここだけの話だが… 199 00:14:58,469 --> 00:15:01,138 えっ! ゆ… ゆきおんなが? 200 00:15:01,138 --> 00:15:07,478 だから 扉は すぐに閉めることだ でないと 逃げてしまうからな 201 00:15:07,478 --> 00:15:09,478 肝に銘じます 202 00:15:14,485 --> 00:15:16,487 開けたら閉めるぞ はい 203 00:15:16,487 --> 00:15:18,487 やってみなさい 204 00:15:21,158 --> 00:15:23,158 閉める! 205 00:15:27,164 --> 00:15:30,164 開けたら… すぐ閉める! 206 00:15:35,172 --> 00:15:37,841 おお 207 00:15:37,841 --> 00:15:41,512 ミセス静江は 喜んでくれましたか? 208 00:15:41,512 --> 00:15:46,116 おかげで 日々の料理が 楽しくなったと申しておりました 209 00:15:46,116 --> 00:15:49,787 野菜が長もちし 節約になるとも 210 00:15:49,787 --> 00:15:52,122 それはよかったです 211 00:15:52,122 --> 00:15:56,794 今晩も 馳走を用意して 待ってくれております ハハハッ 212 00:15:56,794 --> 00:15:59,463 ラブラブで やけます 213 00:15:59,463 --> 00:16:01,799 (ブレーキ音) らぶらぶ? 214 00:16:01,799 --> 00:16:06,804 相思相愛 互いに慕い合っている という意味です 215 00:16:06,804 --> 00:16:12,476 ああ そういえば 前にも その らぶ何とかと? 216 00:16:12,476 --> 00:16:16,814 わしが和紙で作った ラブレターが やぶれた~ 217 00:16:16,814 --> 00:16:20,818 それだ その らぶれた~とは? 218 00:16:20,818 --> 00:16:24,488 ラブレターとは 恋文のことです 219 00:16:24,488 --> 00:16:28,158 ミスター四十郎は 書いたことがあるんですね? 220 00:16:28,158 --> 00:16:31,758 うん… 昔の話だ 221 00:16:37,167 --> 00:16:39,503 (障子戸の開閉音) 222 00:16:39,503 --> 00:16:42,172 母上! 見て見て 223 00:16:42,172 --> 00:16:45,172 わあ よく書けてますね フッ 224 00:16:47,111 --> 00:16:50,114 平賀さん いつも ありがとうございます 225 00:16:50,114 --> 00:16:53,117 いえ 僕 暇ですから 226 00:16:53,117 --> 00:16:55,119 そう… ですか 227 00:16:55,119 --> 00:16:58,122 平賀さん ふだんは何を? 228 00:16:58,122 --> 00:17:02,459 まあ… 趣味を いろいろと フフフッ 229 00:17:02,459 --> 00:17:04,759 何でも屋と思ってもらえれば 230 00:17:07,131 --> 00:17:10,467 これから 夕飯の支度ですか? ええ 231 00:17:10,467 --> 00:17:15,139 そうだ 平賀さんも 是非 食べていってください 232 00:17:15,139 --> 00:17:17,474 えっ! ああ… 233 00:17:17,474 --> 00:17:19,474 うん ≪(冷蔵庫の扉の開く音) 234 00:17:26,817 --> 00:17:30,821 (平賀) その新しい道具も便利そうですね 235 00:17:30,821 --> 00:17:33,421 ええ 助かっております 236 00:17:37,494 --> 00:17:41,165 しかし これらの道具の数々を 237 00:17:41,165 --> 00:17:45,436 四十郎殿は 一体 どこから 調達してるのでしょうか? 238 00:17:45,436 --> 00:17:50,441 四十郎様は 天からの授かり物だと 239 00:17:50,441 --> 00:17:52,443 天からの? はい 240 00:17:52,443 --> 00:17:57,448 う~ん… それは本当の話でしょうか? 241 00:17:57,448 --> 00:17:59,450 えっ? 242 00:17:59,450 --> 00:18:03,787 私の見立てだと これは 南蛮渡来の道具かと思います 243 00:18:03,787 --> 00:18:07,124 1両や2両では… うんっ 買えない 244 00:18:07,124 --> 00:18:09,793 とても高価な物だと思います 245 00:18:09,793 --> 00:18:12,129 そうですか 246 00:18:12,129 --> 00:18:16,800 でも 私は 四十郎様のお言葉を信じます 247 00:18:16,800 --> 00:18:19,100 しかしですね… 信じます 248 00:18:21,805 --> 00:18:25,809 静江さんが そうおっしゃるなら… 249 00:18:25,809 --> 00:18:27,811 ええ 250 00:18:27,811 --> 00:18:29,813 しかしですよ 信じます! 251 00:18:29,813 --> 00:18:31,815 いや しかしですが… ただいま帰った 252 00:18:31,815 --> 00:18:34,485 あっ あっ… 四十郎殿 おかえりなさい 253 00:18:34,485 --> 00:18:37,485 《なぜ 平賀殿がうちに?》 254 00:18:39,490 --> 00:18:41,492 太郎が いつも お世話になっているお礼に 255 00:18:41,492 --> 00:18:44,495 平賀さんを 夕飯に お招きしたんです 256 00:18:44,495 --> 00:18:46,430 (平賀)あっ お邪魔してます 257 00:18:46,430 --> 00:18:49,099 存分に食って 飲んでくれ 258 00:18:49,099 --> 00:18:53,103 (平賀)ありがとうございます ああ 259 00:18:53,103 --> 00:18:55,105 刺身か 260 00:18:55,105 --> 00:18:58,776 れいぞうこのおかげで 刺身も うちで出せるようになりました 261 00:18:58,776 --> 00:19:03,447 四十郎様のおかげでございます 気にするな ハハハッ 262 00:19:03,447 --> 00:19:06,116 太郎は おなかを壊したばかり なのですから 263 00:19:06,116 --> 00:19:08,118 刺身は まだ いけませんよ 264 00:19:08,118 --> 00:19:11,455 もう大丈夫です! 太郎も刺身が食べたい! 265 00:19:11,455 --> 00:19:15,793 刺身が食べたい! いけません 266 00:19:15,793 --> 00:19:18,462 フフフ… 267 00:19:18,462 --> 00:19:20,462 では 風呂へ行ってまいる 268 00:19:22,800 --> 00:19:24,802 (平賀)ごちそうさまでした 269 00:19:24,802 --> 00:19:26,804 (太郎)父上 うん? 270 00:19:26,804 --> 00:19:30,808 (太郎)月がきれいですよ おお~ ホントだな 271 00:19:30,808 --> 00:19:32,808 ハハハ… 272 00:19:35,813 --> 00:19:39,813 ≪(お春)ごめんくださいませ どちら様でしょう? 273 00:19:42,486 --> 00:19:47,090 四十郎様に 二度も お助けいただいた お春と申します 274 00:19:47,090 --> 00:19:49,090 二度? 275 00:21:52,215 --> 00:21:55,218 そんな話 全く聞いておりませんでした 276 00:21:55,218 --> 00:21:57,220 そうでしたか 277 00:21:57,220 --> 00:22:00,557 でも 四十郎様らしい 278 00:22:00,557 --> 00:22:06,229 昔から 困っている人を 見て見ぬふりできない方なんです 279 00:22:06,229 --> 00:22:09,900 私が 初めて お会いしたときも 人助けを 280 00:22:09,900 --> 00:22:12,235 (お春) もしかして それが きっかけで? 281 00:22:12,235 --> 00:22:14,237 ええ 282 00:22:14,237 --> 00:22:18,909 それから 四十郎様は 毎日 恋文を届けてくださって 283 00:22:18,909 --> 00:22:23,580 一緒になって もう10年になります 284 00:22:23,580 --> 00:22:29,252 無口で 時々 何を考えているのか 分からないところもありますけど 285 00:22:29,252 --> 00:22:32,923 ずっと 一緒にいたいと思っております 286 00:22:32,923 --> 00:22:36,593 すてきな旦那様で羨ましいです 287 00:22:36,593 --> 00:22:38,929 ありがとう 288 00:22:38,929 --> 00:22:43,600 あっ 大金を頂いた お礼にはなりませんが… 289 00:22:43,600 --> 00:22:46,269 あら アジ? 290 00:22:46,269 --> 00:22:48,605 父が魚売りを 291 00:22:48,605 --> 00:22:52,609 今晩のおかずにでもと 思ったんですが… 292 00:22:52,609 --> 00:22:54,945 少し遅かったみたいですね 293 00:22:54,945 --> 00:22:57,948 明日にでも傷みが来るので これは持ち帰ります 294 00:22:57,948 --> 00:23:00,283 いえ もらいます 295 00:23:00,283 --> 00:23:03,954 うちには れいぞうこがありますから 296 00:23:03,954 --> 00:23:05,954 れいぞうこ? 297 00:23:07,958 --> 00:23:12,295 これはね いろんなものを 冷やしておける 魔法みたいな箱 298 00:23:12,295 --> 00:23:16,633 これに入れておくと しばらくは もつんです 299 00:23:16,633 --> 00:23:21,233 ああ… 便利な物をお持ちなんですね 300 00:23:23,306 --> 00:23:25,909 気を付けて帰ってくださいね はい 301 00:23:25,909 --> 00:23:28,245 四十郎様にも よろしくお伝えください 302 00:23:28,245 --> 00:23:30,245 はい 303 00:23:37,254 --> 00:23:40,924 《でも お春さんに お金を差し上げたのに 304 00:23:40,924 --> 00:23:43,260 どうして あの日…》 305 00:23:43,260 --> 00:23:45,262 《卵!》 306 00:23:45,262 --> 00:23:47,264 《もしや… 前に私が 307 00:23:47,264 --> 00:23:49,266 料理に使ってみたいと申したのを 308 00:23:49,266 --> 00:23:51,266 覚えてくださって いたんですか?》 309 00:23:56,940 --> 00:24:00,277 忘れていかれるなんて… 珍しい 310 00:24:00,277 --> 00:24:13,290 ♬~ 311 00:24:13,290 --> 00:24:15,290 竹光? 312 00:24:18,295 --> 00:24:20,295 もしかして… 313 00:24:24,634 --> 00:24:26,634 (障子戸の閉まる音) 314 00:24:33,910 --> 00:24:36,246 ごめんくださいませ 315 00:24:36,246 --> 00:24:39,583 (女将) いらっしゃい 何のご用です? 316 00:24:39,583 --> 00:24:45,255 あの… こちらに四十郎という者が 質入れしていないかと 317 00:24:45,255 --> 00:24:47,257 四十郎? 318 00:24:47,257 --> 00:24:50,927 あっ! あの いっつも しかめっ面のお侍? 319 00:24:50,927 --> 00:24:53,597 そうです そのしかめっ面です 320 00:24:53,597 --> 00:24:58,197 よろしければ これで 質出しをしていただけないかと 321 00:25:00,270 --> 00:25:05,609 (女将) これ… 随分と いい着物だこと 322 00:25:05,609 --> 00:25:09,279 <それは 武家の姫であった静江が 323 00:25:09,279 --> 00:25:14,284 両親から贈られた 仕立ての良い大切な着物> 324 00:25:14,284 --> 00:25:16,284 いいのかい? 325 00:25:18,288 --> 00:25:21,958 刀は武士の魂と申します 326 00:25:21,958 --> 00:25:24,258 何物にも代えられません 327 00:25:26,563 --> 00:25:31,902 きっぷのいい女だね あのお侍様には もったいないよ 328 00:25:31,902 --> 00:25:34,905 いえ そんな… 329 00:25:34,905 --> 00:25:48,251 ♬~ 330 00:25:48,251 --> 00:25:50,251 えっ? 331 00:25:52,255 --> 00:25:56,259 《これは 一体… どういうことだ?》 332 00:25:56,259 --> 00:26:06,937 ♬~ 333 00:26:06,937 --> 00:26:09,272 ところで ミスター四十郎 334 00:26:09,272 --> 00:26:12,275 あなたに ぴったりの言葉を見つけました 335 00:26:12,275 --> 00:26:14,277 拙者に? 336 00:26:14,277 --> 00:26:17,614 愛妻家という言葉です 337 00:26:17,614 --> 00:26:19,616 あいさいか? 338 00:26:19,616 --> 00:26:21,952 妻のことを第一に思い 339 00:26:21,952 --> 00:26:25,555 妻のために行動できる 男性のことです 340 00:26:25,555 --> 00:26:27,557 いかがですか? 341 00:26:27,557 --> 00:26:32,229 ミスター四十郎に ぴったりだと思いませんか? 342 00:26:32,229 --> 00:26:37,901 いや 拙者の思いなど 静江には負けておる 343 00:26:37,901 --> 00:26:40,237 どういうことでしょう? 344 00:26:40,237 --> 00:26:44,241 それは 夫婦だけの秘密じゃ 345 00:26:44,241 --> 00:27:03,260 ♬~ 346 00:27:03,260 --> 00:27:05,262 ♬~ 347 00:27:05,262 --> 00:27:07,931 「静江の大事な着物 348 00:27:07,931 --> 00:27:13,603 いずれ 必ず 取り戻す所存でござる 四十郎」 349 00:27:13,603 --> 00:27:24,281 ♬~ 350 00:27:24,281 --> 00:27:27,217 <江戸の世に現れた 冷蔵庫> 351 00:27:27,217 --> 00:27:31,221 <それは 食品を保存するのはもちろん 352 00:27:31,221 --> 00:27:35,225 この後 夫婦の恋文交換の場としても 353 00:27:35,225 --> 00:27:38,225 利用されることになったという> 354 00:27:41,898 --> 00:27:44,198 <これにて 一件落着… と思いきや> 355 00:27:57,247 --> 00:27:59,249 静江を助けてくだされ 356 00:27:59,249 --> 00:28:02,585 <次回のSF時代劇 「家電侍」は> 357 00:28:02,585 --> 00:28:06,589 これまで 肌着が清潔なのは 当たり前だと思っていた 358 00:28:06,589 --> 00:28:10,260 それは 全て静江の苦労の上だった 359 00:28:10,260 --> 00:28:14,264 静江は 拙者に その苦労を分からせぬよう 360 00:28:14,264 --> 00:28:16,266 あかぎれの痛みを 隠していたのだ! 361 00:28:16,266 --> 00:28:19,266 では こちらの家電はいかがでしょう? 362 00:28:23,606 --> 00:28:25,542 これは? 363 00:28:25,542 --> 00:28:29,542 全自動洗濯乾燥機なる家電である 364 00:28:31,548 --> 00:28:34,551 わあっ! えっ 回り始めた! 365 00:28:34,551 --> 00:28:37,554 この ぐるぐるで 汚れを落とすのじゃ 366 00:28:37,554 --> 00:28:39,556 なんと まあ… 367 00:28:39,556 --> 00:28:42,892 乾いております! (太郎)ふわふわだ~! 368 00:28:42,892 --> 00:28:44,894 辻斬りしてる 浪人がいるそうじゃないか 369 00:28:44,894 --> 00:28:46,896 えっ そんなことが? 370 00:28:46,896 --> 00:28:48,898 辻斬りで金稼ぐなんてさ 371 00:28:48,898 --> 00:28:50,900 ろくなもんじゃないよね 372 00:28:50,900 --> 00:28:54,571 《うう… ああ… うあ~っ!》 373 00:28:54,571 --> 00:28:57,907 《まさか… 辻斬りで稼いだお金で 374 00:28:57,907 --> 00:28:59,909 家電なる道具を?》 375 00:28:59,909 --> 00:29:03,209 ♬~