1 00:00:11,405 --> 00:00:16,005 <現代人で その恩恵を 受けていない者はいないはずだ> 2 00:00:18,412 --> 00:00:20,412 <これらの…> 3 00:00:24,418 --> 00:00:27,421 (四十郎)これは れいぞうこだ 4 00:00:27,421 --> 00:00:32,092 <これは とある貧しい侍が 現代の家電と出会い 5 00:00:32,092 --> 00:00:38,098 家族を幸せにしようと奮闘する 愛の物語である> 6 00:00:38,098 --> 00:00:58,118 ♬~ 7 00:00:58,118 --> 00:01:01,118 ♬~ 8 00:01:16,737 --> 00:01:18,739 (静江)家電なる道具のおかげで 9 00:01:18,739 --> 00:01:20,741 すっかり 楽になりました 10 00:01:20,741 --> 00:01:23,077 私は幸せ者でございます 11 00:01:23,077 --> 00:01:25,079 それは よかった 12 00:01:25,079 --> 00:01:28,082 お弁当でございます 13 00:01:28,082 --> 00:01:31,085 この手は? 何でもありません 14 00:01:31,085 --> 00:01:37,091 そうか… ならよい 剣術の指南 頑張ってください 15 00:01:37,091 --> 00:01:39,426 ああ… うん 16 00:01:39,426 --> 00:01:42,096 いや 何でもない 17 00:01:42,096 --> 00:01:45,432 <侍だったころの プライドを捨てきれず 18 00:01:45,432 --> 00:01:48,769 妻には 剣術の師範をしていると 嘘をつき 19 00:01:48,769 --> 00:01:55,776 ひそかに傘張りの内職をする 無職の浪人 四十郎> 20 00:01:55,776 --> 00:01:59,113 う~ん… 上出来である 21 00:01:59,113 --> 00:02:02,449 拙者の腕前も なかなかのものだ 22 00:02:02,449 --> 00:02:07,054 (カージー)もう すっかり 作業にも慣れましたね お上手です 23 00:02:07,054 --> 00:02:09,056 褒めるでない 24 00:02:09,056 --> 00:02:12,393 継続は力なりというのは 本当ですね 25 00:02:12,393 --> 00:02:16,393 好きで続けておるわけではない さようで 26 00:02:19,066 --> 00:02:23,070 のりが足りぬ 拙者としたことが… 27 00:02:23,070 --> 00:02:26,407 職人にとって 道具は命ですね 28 00:02:26,407 --> 00:02:29,076 職人ではない 浪人でしたね 29 00:02:29,076 --> 00:02:32,413 そうそう 浪人! って… 違う! 30 00:02:32,413 --> 00:02:35,082 拙者は 武士である 31 00:02:35,082 --> 00:02:40,754 分かっております この内職は愛する家族のため 32 00:02:40,754 --> 00:02:42,756 そうだ 33 00:02:42,756 --> 00:02:46,093 しかし… どうしました? 34 00:02:46,093 --> 00:02:49,430 静江は 拙者が 傘張りをしていることを知らん 35 00:02:49,430 --> 00:02:52,099 まだ言っていなかったんですか 36 00:02:52,099 --> 00:02:56,103 なかなか 言いだしにくくてな… 37 00:02:56,103 --> 00:02:58,103 ハァー 38 00:03:08,048 --> 00:03:11,385 あんたんところは いつも たくさんだね 39 00:03:11,385 --> 00:03:15,055 うちには わんぱく盛りの 息子がおりますから 40 00:03:15,055 --> 00:03:19,727 ああ… それにしても寒いね 雪が降りそうじゃないか 41 00:03:19,727 --> 00:03:21,727 ええ 42 00:03:25,399 --> 00:03:27,401 木登りは どうでした? 43 00:03:27,401 --> 00:03:32,072 う~ん… 今日は真ん中まで あしたは てっぺんまで登ります 44 00:03:32,072 --> 00:03:34,074 まあ たくましいこと 45 00:03:34,074 --> 00:03:37,745 ハッ また あんた 派手に汚したね 46 00:03:37,745 --> 00:03:39,747 ちっとは 母ちゃんの苦労も考えなよ 47 00:03:39,747 --> 00:03:44,047 フフフッ 後で着替えなさい あした洗いますから 48 00:03:47,755 --> 00:03:50,424 (お菊) あかぎれ ほっとくと長引くよ 49 00:03:50,424 --> 00:03:53,724 ガマの油でも付けときな ええ… 50 00:03:56,430 --> 00:03:59,433 あっ い… 痛い… 51 00:03:59,433 --> 00:04:04,104 母上 太郎がお手伝いします 52 00:04:04,104 --> 00:04:06,373 冷たっ! フフフッ 53 00:04:06,373 --> 00:04:09,710 もう 大丈夫よ これは母の役目ですから 54 00:04:09,710 --> 00:04:12,710 さあ 寒くなってきたから 家に入ってなさい 55 00:04:18,719 --> 00:04:22,389 <手洗いで洗濯するのは 大変だな~と思った 56 00:04:22,389 --> 00:04:26,393 そこのあなたが考えるより もっと大変だった 57 00:04:26,393 --> 00:04:31,065 当時の洗濯事情について 解説しよう> 58 00:04:31,065 --> 00:04:34,068 <この時代の洗濯は重労働> 59 00:04:34,068 --> 00:04:37,071 <一度に大量洗いはできず 60 00:04:37,071 --> 00:04:41,742 毎日のように 井戸端に出向く必要があった> 61 00:04:41,742 --> 00:04:43,744 <水道もないので 62 00:04:43,744 --> 00:04:47,414 井戸から水を汲むのも一苦労> 63 00:04:47,414 --> 00:04:49,416 <更に 洗剤もないので 64 00:04:49,416 --> 00:04:53,087 寒い冬でも 素手でしっかり揉み洗い> 65 00:04:53,087 --> 00:04:56,423 <足で踏み洗いを していたのである> 66 00:04:56,423 --> 00:04:59,760 <ちなみに 頑固な汚れを落とすため 67 00:04:59,760 --> 00:05:02,763 餅つきのように杵と臼を使い 68 00:05:02,763 --> 00:05:08,035 洗濯物をぶったたく者も いたとか いないとか> 69 00:05:08,035 --> 00:05:12,706 <主婦たちは 毎日1~2時間 洗濯にかかりっきり> 70 00:05:12,706 --> 00:05:16,710 <そのため 井戸端は 格好のしゃべり場となった> 71 00:05:16,710 --> 00:05:21,715 <これが 井戸端会議という言葉の 由来である> 72 00:05:21,715 --> 00:05:24,718 フフッ 73 00:05:24,718 --> 00:05:27,387 (お菊)そういやさ はい 74 00:05:27,387 --> 00:05:30,057 夜な夜な 辻斬りしてる 浪人がいるそうじゃないか 75 00:05:30,057 --> 00:05:32,392 えっ そんなことが? うん 76 00:05:32,392 --> 00:05:36,730 辻斬りで金稼ぐなんてさ ろくなもんじゃないね 77 00:05:36,730 --> 00:05:40,734 ええ… 恐ろしいことで ねえ 78 00:05:40,734 --> 00:05:42,736 ああ 怖い怖い 79 00:05:42,736 --> 00:05:45,405 では いってまいる 80 00:05:45,405 --> 00:05:48,705 いってらっしゃい ミスター四十郎 81 00:05:55,415 --> 00:06:00,420 神様 どうか 雪を降らせないでください 82 00:06:00,420 --> 00:06:03,090 早く春にしてください 83 00:06:03,090 --> 00:06:05,390 太郎のお願いは それだけです 84 00:06:10,364 --> 00:06:14,034 ああ 太郎ではないか こんな所で何をしておる? 85 00:06:14,034 --> 00:06:17,704 父上 何をお願いしていたのだ? 86 00:06:17,704 --> 00:06:21,708 早く春にしてくださいと 何故? 87 00:06:21,708 --> 00:06:27,381 だって… 冬は寒いから 洗濯で母上の手が痛むのです 88 00:06:27,381 --> 00:06:30,717 静江の手… 89 00:06:30,717 --> 00:06:33,717 《この手は?》 《何でもありません》 90 00:06:35,722 --> 00:06:40,060 もしや あれは洗濯仕事で… 91 00:06:40,060 --> 00:06:43,360 《どうして すぐに 気付いてやれなかったのだ》 92 00:06:45,399 --> 00:06:47,399 母上が かわいそうです 93 00:06:52,072 --> 00:06:55,075 太郎 94 00:06:55,075 --> 00:06:58,075 太郎は 母思いのいい子だな 95 00:07:01,415 --> 00:07:04,751 心配するな 父が何とかする 96 00:07:04,751 --> 00:07:06,687 ホントですか? 97 00:07:06,687 --> 00:07:09,022 武士に二言はない 98 00:07:09,022 --> 00:07:11,022 フッ 99 00:07:15,696 --> 00:07:20,033 おかえりなさい 早かったですね ミスター四十郎 100 00:07:20,033 --> 00:07:23,370 傘は 高く買い取ってもらえましたか? 101 00:07:23,370 --> 00:07:26,370 いや… 傘屋には行っておらん 102 00:07:28,375 --> 00:07:33,380 カージー殿 頼む 静江を助けてくだされ! 103 00:07:33,380 --> 00:07:36,383 どうしたんですか? 104 00:07:36,383 --> 00:07:42,389 これまで 肌着が清潔なのは 当たり前だと思っていた 105 00:07:42,389 --> 00:07:48,061 しかし… それは全て静江の苦労の上だった 106 00:07:48,061 --> 00:07:52,065 静江は 拙者に その苦労を分からせぬよう 107 00:07:52,065 --> 00:07:55,068 あかぎれの痛みを隠していたのだ 108 00:07:55,068 --> 00:07:57,070 そうでしたか 109 00:07:57,070 --> 00:08:00,370 では こちらの家電はいかがでしょう? 110 00:08:02,743 --> 00:08:06,680 まるで 奇術に使う箱のようだ 111 00:08:06,680 --> 00:08:11,018 奇術? まあ そうかもしれませんね 112 00:08:11,018 --> 00:08:13,687 中に洗濯物を入れておくと 113 00:08:13,687 --> 00:08:16,690 自動で洗って 乾かしてくれるという 114 00:08:16,690 --> 00:08:19,693 大変便利な家電となっています 115 00:08:19,693 --> 00:08:25,365 フフフ… 何故 そんなことが? 116 00:08:25,365 --> 00:08:29,036 洗濯機の中のドラムが回転して 117 00:08:29,036 --> 00:08:33,040 衣類を持ち上げて落とす たたき洗いと 118 00:08:33,040 --> 00:08:37,044 衣類を小刻みに動かす 揉み洗いなどで 119 00:08:37,044 --> 00:08:41,381 頑固な汚れも落としてくれます 120 00:08:41,381 --> 00:08:44,384 よく分からんが 本当に落ちるのか? 121 00:08:44,384 --> 00:08:47,721 落ちます 驚くほどに 122 00:08:47,721 --> 00:08:50,057 しかも 繊細な衣類も 123 00:08:50,057 --> 00:08:53,060 丁寧に洗えるんです 124 00:08:53,060 --> 00:08:55,729 つまり ミセス静江の代わりに 125 00:08:55,729 --> 00:08:59,066 洗濯機が 手洗いをしてくれるわけです 126 00:08:59,066 --> 00:09:02,069 《代わりに 手洗いをしてくれるだと?》 127 00:09:02,069 --> 00:09:06,006 《ならば この奇妙な箱の中に…》 128 00:09:06,006 --> 00:09:08,606 《あっ まさか!》 129 00:09:12,346 --> 00:09:17,017 《まさに… 神や仏を超えた恐ろしい御仁だ》 130 00:09:17,017 --> 00:09:22,356 《一体 いくつもの妖怪を 飼い慣らしているというのだ?》 131 00:09:22,356 --> 00:09:25,025 フゥー… 132 00:09:25,025 --> 00:09:29,363 そして なんと 一度に12キロまで洗えます 133 00:09:29,363 --> 00:09:32,366 およそ 3貫分です 134 00:09:32,366 --> 00:09:34,368 いや~… しかし 135 00:09:34,368 --> 00:09:38,038 一度に洗うと 干すのもな… 一苦労では? 136 00:09:38,038 --> 00:09:40,040 こう パンパンパンっつって 137 00:09:40,040 --> 00:09:42,042 いや~ 今日は晴れてるな~っつって 138 00:09:42,042 --> 00:09:44,378 天気いいから すぐ乾くだろうな~なんつってさ 139 00:09:44,378 --> 00:09:47,047 干す必要はありません 140 00:09:47,047 --> 00:09:51,385 はあ? 干す必要が… ない? 141 00:09:51,385 --> 00:09:53,387 乾燥機付きですから 142 00:09:53,387 --> 00:09:57,387 洗濯が終わると 自動で乾かしてくれます 143 00:09:59,393 --> 00:10:02,393 《自動で乾かしてくれるだと!》 144 00:10:09,069 --> 00:10:13,407 《小豆洗いの息で 乾かしているというのか》 145 00:10:13,407 --> 00:10:17,007 《着物に悪臭が付かないか 心配だが…》 146 00:10:19,079 --> 00:10:21,415 仕上がりは最高です 147 00:10:21,415 --> 00:10:23,750 はっ! わあ… 148 00:10:23,750 --> 00:10:27,087 いかがです? この白さ 149 00:10:27,087 --> 00:10:29,756 おお… 純白! 150 00:10:29,756 --> 00:10:32,426 まさに 神のなせる業 151 00:10:32,426 --> 00:10:34,428 カージー殿 是非とも 152 00:10:34,428 --> 00:10:39,433 この全自動洗濯機を お届け願いたい 153 00:10:39,433 --> 00:10:43,733 ただ一つ 問題がありまして 問題? 154 00:11:48,068 --> 00:11:52,072 ただ一つ 問題がありまして 問題? 155 00:11:52,072 --> 00:11:56,076 お届けしたところで 使えないかもしれません 156 00:11:56,076 --> 00:11:58,411 それは どうしてじゃ? 157 00:11:58,411 --> 00:12:02,711 これまでの家電に加え 洗濯機を動かすとなれば… 158 00:12:05,418 --> 00:12:07,754 足りぬということか? 159 00:12:07,754 --> 00:12:09,756 はい 160 00:12:09,756 --> 00:12:15,095 ミスター四十郎は 今でも 傘張りとの両立で大変です 161 00:12:15,095 --> 00:12:19,099 これ以上は 体を壊すことになりかねません 162 00:12:19,099 --> 00:12:24,437 大丈夫だ 拙者は 体だけは丈夫に出来ておる 163 00:12:24,437 --> 00:12:26,439 しかし… 164 00:12:26,439 --> 00:12:30,110 カージー殿 やらせてくれ 165 00:12:30,110 --> 00:12:32,112 分かりました 166 00:12:32,112 --> 00:12:42,122 ♬~ 167 00:12:42,122 --> 00:12:44,124 (荒い息遣い) 168 00:12:44,124 --> 00:12:46,059 (ブレーキ音) 169 00:12:46,059 --> 00:12:49,396 カージー殿… どうじゃ? 170 00:12:49,396 --> 00:12:53,733 残念ながら まだ十分ではありません 171 00:12:53,733 --> 00:12:56,069 そうか… 分かった 172 00:12:56,069 --> 00:12:58,738 (車輪の音) 173 00:12:58,738 --> 00:13:01,074 少し休憩した方が 174 00:13:01,074 --> 00:13:07,080 いや… 一刻も早く 静江を楽にさせてやりたい 175 00:13:07,080 --> 00:13:09,080 太郎とも約束した 176 00:13:15,088 --> 00:13:22,095 うおお~っ! 177 00:13:22,095 --> 00:13:24,431 ストップ (車輪の止まる音) 178 00:13:24,431 --> 00:13:29,769 ミスター四十郎 鼻から出血しています 179 00:13:29,769 --> 00:13:32,369 これぐらい どうってことはない! 180 00:13:36,443 --> 00:13:39,112 えやっ! ハァー 181 00:13:39,112 --> 00:13:43,112 うおお~っ! 182 00:13:45,118 --> 00:13:53,393 (荒い息遣い) 183 00:13:53,393 --> 00:13:56,396 (障子戸の開く音) ああ… 184 00:13:56,396 --> 00:13:58,398 (障子戸の閉まる音) 185 00:13:58,398 --> 00:14:02,402 今日は遅いお帰りでしたね ああ… 忙しくてな 186 00:14:02,402 --> 00:14:04,404 お食事は? 187 00:14:04,404 --> 00:14:08,742 すまん 今日は体を使い過ぎた ああ… 188 00:14:08,742 --> 00:14:11,077 もう寝かせてくれ はい 189 00:14:11,077 --> 00:14:14,748 ハァー ハァー よいしょ 190 00:14:14,748 --> 00:14:17,048 おやすみなさいませ うん 191 00:14:31,765 --> 00:14:34,768 《夜な夜な 辻斬りしてる 浪人がいるそうじゃないか》 192 00:14:34,768 --> 00:14:37,103 《えっ そんなことが?》 《うん》 193 00:14:37,103 --> 00:14:39,439 《辻斬りで金稼ぐなんてさ 194 00:14:39,439 --> 00:14:41,739 ろくなもんじゃないね》 195 00:14:44,110 --> 00:14:46,379 お金… 196 00:14:46,379 --> 00:14:49,716 《これは 南蛮渡来の道具かと思います》 197 00:14:49,716 --> 00:14:53,053 《1両や2両では… うんっ 買えない 198 00:14:53,053 --> 00:14:55,653 とても高価な物だと思います》 199 00:14:59,726 --> 00:15:05,732 《まさか 辻斬りで稼いだお金で 家電なる道具を?》 200 00:15:05,732 --> 00:15:09,069 《うう… ああ… うあ~っ》 201 00:15:09,069 --> 00:15:12,405 《ああ… あっ うあ~っ!》 202 00:15:12,405 --> 00:15:31,758 ♬~ 203 00:15:31,758 --> 00:15:36,358 四十郎様… こんなに早くに どこへ? 204 00:15:39,766 --> 00:15:45,066 うう… うおお~っ! 205 00:15:52,045 --> 00:15:57,050 ミスター四十郎 あなたは本当に愛妻家ですね 206 00:15:57,050 --> 00:16:01,350 うう… うあ~っ! (車輪の音) 207 00:16:07,393 --> 00:16:09,393 ああ… 208 00:16:23,076 --> 00:16:28,414 太郎殿 そんな上で持ったら 書きにくいだろう? 209 00:16:28,414 --> 00:16:31,417 だって 着物を墨で汚したくないから… 210 00:16:31,417 --> 00:16:33,419 うん? 211 00:16:33,419 --> 00:16:36,089 汚したら 母上が大変なのです 212 00:16:36,089 --> 00:16:41,389 フッ 子供のくせに そんなこと気にしなくても… 213 00:16:49,035 --> 00:16:52,038 出来た! (平賀)う~ん… 214 00:16:52,038 --> 00:16:55,041 まあ… うまく書けてるんじゃないか? 215 00:16:55,041 --> 00:16:57,341 やった! (平賀)あっ! 216 00:17:00,380 --> 00:17:03,383 (平賀)あ~あ~ あ~ ああ… 217 00:17:03,383 --> 00:17:06,383 (太郎)どうしよう 汚しちゃった 218 00:17:08,721 --> 00:17:10,721 どうしました? 219 00:17:14,060 --> 00:17:16,062 フッ 220 00:17:16,062 --> 00:17:20,066 すぐに洗うから 大丈夫ですよ (太郎)ごめんなさい… 221 00:17:20,066 --> 00:17:22,402 ≪(雨音) 222 00:17:22,402 --> 00:17:26,406 (平賀)うん? 降りだしましたね 223 00:17:26,406 --> 00:17:29,006 大変… 洗濯物が! 224 00:17:35,748 --> 00:17:37,750 困ったわね 225 00:17:37,750 --> 00:17:41,087 明日までに乾かないと 太郎の着る着物が… 226 00:17:41,087 --> 00:17:43,087 ごめんなさい 227 00:17:45,091 --> 00:17:47,694 ハァ… ハァー 228 00:17:47,694 --> 00:17:51,030 心配は無用である 229 00:17:51,030 --> 00:17:54,033 フゥー 230 00:17:54,033 --> 00:17:57,370 《うう… ああ… うあ~っ!》 231 00:17:57,370 --> 00:18:00,670 《ああ… あっ うあ~っ!》 232 00:20:08,067 --> 00:20:11,404 ≪(雨音) 233 00:20:11,404 --> 00:20:13,406 これは? 234 00:20:13,406 --> 00:20:17,744 全自動洗濯乾燥機なる家電である 235 00:20:17,744 --> 00:20:21,080 えっ! また新たな家電を? 236 00:20:21,080 --> 00:20:25,080 そんなに驚いて どうしたのだ? いえ… 237 00:20:27,353 --> 00:20:30,690 《うう… ああ… うあ~っ!》 238 00:20:30,690 --> 00:20:33,990 《ああ… あっ うあ~っ!》 239 00:20:43,369 --> 00:20:47,707 洗うことも乾かすことも 全て 自動でできるのだ 240 00:20:47,707 --> 00:20:51,044 (太郎)じゃあ もう母上の手は 痛くならないんですね? 241 00:20:51,044 --> 00:20:53,046 そうだ! 242 00:20:53,046 --> 00:20:55,048 えっ? 243 00:20:55,048 --> 00:20:59,385 静江 その… すまなかった 244 00:20:59,385 --> 00:21:02,388 あかぎれに気付いてやれず 245 00:21:02,388 --> 00:21:05,725 実は 太郎から教えてもらったのだ 246 00:21:05,725 --> 00:21:08,061 えっ 太郎が? 247 00:21:08,061 --> 00:21:10,730 うん 父上にお願いしたら 248 00:21:10,730 --> 00:21:13,399 何とかするって 約束してくれたんだ 249 00:21:13,399 --> 00:21:15,401 フッ 250 00:21:15,401 --> 00:21:22,075 ちょっと遅れてしまったが これで 手を痛めずとも洗濯できる 251 00:21:22,075 --> 00:21:24,375 よかったら 使ってくれないか? 252 00:21:26,345 --> 00:21:30,349 四十郎様 ありがとうございます 253 00:21:30,349 --> 00:21:34,949 太郎も 母のことを考えてくれて ありがとう 254 00:21:38,691 --> 00:21:42,028 では 洗濯機なる家電の使い方を 255 00:21:42,028 --> 00:21:46,032 はい お願いします うん 256 00:21:46,032 --> 00:21:57,043 ♬~ 257 00:21:57,043 --> 00:22:02,048 さあ 後は この印を押すだけだ 258 00:22:02,048 --> 00:22:04,048 (電子音) 259 00:22:09,055 --> 00:22:12,391 わあっ! えっ 回り始めた! 260 00:22:12,391 --> 00:22:16,991 さよう この ぐるぐるで 汚れを落とすのじゃ 261 00:22:19,732 --> 00:22:23,069 なんと まあ… 何もせずに? 262 00:22:23,069 --> 00:22:27,669 (太郎)わあ 回ってる 回ってる! ハハハ… 263 00:22:36,082 --> 00:22:39,418 今度は 何だか 風の音が聞こえます! 264 00:22:39,418 --> 00:22:43,422 さよう この風が乾かしてくれるのだ 265 00:22:43,422 --> 00:22:46,092 雨の日も安心である 266 00:22:46,092 --> 00:22:48,427 すごい… 267 00:22:48,427 --> 00:23:00,439 ♬~ 268 00:23:00,439 --> 00:23:05,111 乾いております! (太郎)ふわふわだ~! 269 00:23:05,111 --> 00:23:09,448 これで もう 天気の心配もなく 洗濯することができます 270 00:23:09,448 --> 00:23:13,119 静江は 幸せ者でございます 271 00:23:13,119 --> 00:23:16,122 もっと 早く 気付いてやるべきだったが… 272 00:23:16,122 --> 00:23:18,124 いえ とんでもない 273 00:23:18,124 --> 00:23:29,124 ♬~ 274 00:23:31,070 --> 00:23:34,740 四十郎様 お話が うん 275 00:23:34,740 --> 00:23:39,745 (雨音) 276 00:23:39,745 --> 00:23:42,081 実は 私… 277 00:23:42,081 --> 00:23:46,752 四十郎様が 家電なる道具を買うために 278 00:23:46,752 --> 00:23:49,755 辻斬りをしているのではと… 279 00:23:49,755 --> 00:23:54,427 えっ! 拙者が辻斬りを? 280 00:23:54,427 --> 00:23:57,430 申し訳ありませんでした! 281 00:23:57,430 --> 00:24:03,102 私のあかぎれの心配をしてくれる お優しい四十郎様が 282 00:24:03,102 --> 00:24:06,439 そんなこと なさるはずないのに… 283 00:24:06,439 --> 00:24:10,776 少しでも疑った私が ばかでした 284 00:24:10,776 --> 00:24:12,776 申し訳ありませんでした 285 00:24:15,114 --> 00:24:18,451 静江 頭を上げてくれ 286 00:24:18,451 --> 00:24:20,451 いえ… 287 00:24:23,122 --> 00:24:35,067 ♬~ 288 00:24:35,067 --> 00:24:38,070 実は… 289 00:24:38,070 --> 00:24:43,075 拙者も 謝らねばならんことがある 290 00:24:43,075 --> 00:24:45,075 えっ? 291 00:24:47,079 --> 00:24:49,079 拙者は… 292 00:24:51,083 --> 00:24:55,383 大名屋敷で 剣術など教えてはおらん 293 00:24:58,090 --> 00:25:00,090 えっ? 294 00:25:03,429 --> 00:25:06,098 傘張りをしておる 295 00:25:06,098 --> 00:25:09,769 傘張り… 296 00:25:09,769 --> 00:25:14,774 朝 出かけては 傘張りにいそしみ 297 00:25:14,774 --> 00:25:17,777 内職で得た僅かな金を 渡していたのだ 298 00:25:17,777 --> 00:25:28,077 ♬~ 299 00:25:35,394 --> 00:25:41,394 拙者の方こそ 嘘をついていて申し訳なかった 300 00:25:45,071 --> 00:25:50,076 そんな ご苦労をされていたんですね 301 00:25:50,076 --> 00:25:53,079 お顔を上げてくださいませ 302 00:25:53,079 --> 00:26:02,088 ♬~ 303 00:26:02,088 --> 00:26:04,423 私の夫であり 304 00:26:04,423 --> 00:26:07,723 太郎の父であることに 嘘はありません 305 00:26:10,096 --> 00:26:14,396 私たちのために 働いてくださったことにも 306 00:26:17,103 --> 00:26:19,105 静江… 307 00:26:19,105 --> 00:26:25,111 (すすり泣き) 308 00:26:25,111 --> 00:26:44,397 ♬~ 309 00:26:44,397 --> 00:26:48,397 今日は 良い天気じゃ 本当ですね 310 00:26:52,405 --> 00:26:54,740 父上 どうした? 太郎 311 00:26:54,740 --> 00:26:57,040 太郎は おねしょをしてしまいました 312 00:26:59,078 --> 00:27:02,081 布団は洗濯機には 入らんかもしれんな 313 00:27:02,081 --> 00:27:05,084 今日は お天気が良くてよかったです 314 00:27:05,084 --> 00:27:08,087 ハハッ よかったな 太郎 うん 315 00:27:08,087 --> 00:27:10,423 何か怖い夢でも見たか? 316 00:27:10,423 --> 00:27:13,426 おねしょの夢 見ちゃった いや 夢じゃないのか? じゃあ 317 00:27:13,426 --> 00:27:15,428 ちょっと見せてみろ やだ! 318 00:27:15,428 --> 00:27:17,430 見せて… あっ! やだ! 319 00:27:17,430 --> 00:27:19,432 あっ! アハハ… あっ 嫌! 320 00:27:19,432 --> 00:27:21,432 やめてくださいよ 321 00:27:24,770 --> 00:27:28,040 <江戸の世に現れた 洗濯機> 322 00:27:28,040 --> 00:27:32,044 <それは 汚れた洗濯物だけでなく 323 00:27:32,044 --> 00:27:36,048 夫婦のわだかまりまでも 洗い流したのであった> 324 00:27:36,048 --> 00:27:38,717 ハハハッ フフフッ 325 00:27:38,717 --> 00:27:43,055 <これにて 一件落着… と思いきや 326 00:27:43,055 --> 00:27:45,055 またしても…> 327 00:27:58,070 --> 00:28:00,072 <次回の 「家電侍」は> 328 00:28:00,072 --> 00:28:03,742 (お菊)しわしわ? しわしわでした 329 00:28:03,742 --> 00:28:05,744 (お菊) いい年なんだから 330 00:28:05,744 --> 00:28:08,080 化粧薬くらい ケチっちゃ駄目だよ 331 00:28:08,080 --> 00:28:11,083 《拙者の稼ぎが悪いばかりに…》 332 00:28:11,083 --> 00:28:13,419 静江? うう… うう~ 333 00:28:13,419 --> 00:28:16,755 おわ~っ! 334 00:28:16,755 --> 00:28:19,758 かゆい… か… かゆい? 335 00:28:19,758 --> 00:28:21,760 か… かゆい! かゆい? 336 00:28:21,760 --> 00:28:23,762 か… かゆいです 337 00:28:23,762 --> 00:28:28,701 妻の悩みにも気付かぬ こんな男と… 338 00:28:28,701 --> 00:28:33,701 こんなときは 家電アドバイザーの カージーに お任せください 339 00:28:39,378 --> 00:28:41,714 あっ! 大変 煙が! 340 00:28:41,714 --> 00:28:44,049 あっ 火事… 火事になります! 341 00:28:44,049 --> 00:28:46,719 静江… 静… 静江! あっ! 342 00:28:46,719 --> 00:28:48,721 落ち着くんだ うん 343 00:28:48,721 --> 00:28:53,392 これは煙ではない 水蒸気である 344 00:28:53,392 --> 00:28:56,061 顔に当てるんだ 345 00:28:56,061 --> 00:28:59,398 ああ… どうだ? 346 00:28:59,398 --> 00:29:02,998 とっても気持ちが良いです