1 00:00:11,437 --> 00:00:16,737 <現代人で その恩恵を 受けていない者はいないはずだ> 2 00:00:18,778 --> 00:00:20,778 <これらの…> 3 00:00:24,784 --> 00:00:29,121 <これは とある貧しい侍が 現代の家電と出会い 4 00:00:29,121 --> 00:00:35,127 家族を幸せにしようと奮闘する 愛の物語である> 5 00:00:35,127 --> 00:00:55,147 ♬~ 6 00:00:55,147 --> 00:00:58,147 ♬~ 7 00:01:11,097 --> 00:01:13,097 (静江)どうぞ お食べください 8 00:01:21,440 --> 00:01:23,440 いかがでしょうか? 9 00:01:25,444 --> 00:01:27,446 (四十郎)うまい… 10 00:01:27,446 --> 00:01:30,116 母上 おいしいです! 11 00:01:30,116 --> 00:01:34,453 確かに 絶品だ 特に このあんこ! 12 00:01:34,453 --> 00:01:38,053 この饅頭で よいと思う者? 13 00:01:41,127 --> 00:01:45,798 では この饅頭を作って 売ることにいたします! 14 00:01:45,798 --> 00:01:48,467 はい 15 00:01:48,467 --> 00:01:52,138 <これまで 家事に割いてきた時間が 16 00:01:52,138 --> 00:01:55,141 家電により 大幅に短縮> 17 00:01:55,141 --> 00:01:57,143 《まぶしい! 乾いております!》 18 00:01:57,143 --> 00:02:00,479 <そこで生まれた時間で 19 00:02:00,479 --> 00:02:03,816 静江は 小さな商いを始めた> 20 00:02:03,816 --> 00:02:05,818 どうぞ ありがとうございます 21 00:02:05,818 --> 00:02:08,087 (客)饅頭 まだあるかい? 22 00:02:08,087 --> 00:02:11,424 あと お一つなら (客)あ~ よかった 間に合った 23 00:02:11,424 --> 00:02:14,427 あんまり おいしいから 旦那にも 食べさせてやりたいと思って 24 00:02:14,427 --> 00:02:17,096 そうですか ありがとうございます 25 00:02:17,096 --> 00:02:20,766 あんたの饅頭 特に あんこが絶品なんだよね 26 00:02:20,766 --> 00:02:24,770 あんこには 手間をかけております ウフフ… はい 27 00:02:24,770 --> 00:02:27,440 ありがとうございます (客)饅頭ないの? 28 00:02:27,440 --> 00:02:32,111 今 終わってしまいました すいません… 29 00:02:32,111 --> 00:02:37,116 <静江の作る饅頭は あんこが絶品と評判を呼び 30 00:02:37,116 --> 00:02:39,416 売り上げも上々> 31 00:02:45,458 --> 00:02:48,461 昨日も あっという間に売り切れでした 32 00:02:48,461 --> 00:02:52,131 作る数を もう少し 増やした方がいいかもしれません 33 00:02:52,131 --> 00:02:54,133 フッ 34 00:02:54,133 --> 00:02:57,470 ハハハッ 35 00:02:57,470 --> 00:02:59,472 <ところが…> 36 00:02:59,472 --> 00:03:01,474 お饅頭 いかがですか? 37 00:03:01,474 --> 00:03:05,144 <しばらくして 静江の饅頭は売れなくなった> 38 00:03:05,144 --> 00:03:07,144 お饅頭を一つ… 39 00:03:09,081 --> 00:03:11,083 <実は すぐ近くに 40 00:03:11,083 --> 00:03:15,683 京で評判の饅頭屋が 店を開いたのである> 41 00:03:20,092 --> 00:03:23,429 まあ そう落ち込むでない 42 00:03:23,429 --> 00:03:26,098 饅頭を作るのが なりわいとあっては 43 00:03:26,098 --> 00:03:28,098 しかたなかろう 44 00:03:31,771 --> 00:03:36,371 《よし! ここはひとつ ジョークなるもので…》 45 00:03:38,778 --> 00:03:43,115 静江 はい… 46 00:03:43,115 --> 00:03:49,121 まあ 餅は餅屋 饅頭も饅頭屋ということだ 47 00:03:49,121 --> 00:03:51,121 フハハ… 48 00:03:53,125 --> 00:03:59,465 そうですね… 私など 所詮 素人 49 00:03:59,465 --> 00:04:01,467 《とんだ失態!》 50 00:04:01,467 --> 00:04:03,469 《よく考えれば 51 00:04:03,469 --> 00:04:08,407 ジョークにすら なってなかったでござる~!》 52 00:04:08,407 --> 00:04:10,409 (平賀)う~ん… 53 00:04:10,409 --> 00:04:13,746 饅頭は競合が多いですからね 54 00:04:13,746 --> 00:04:16,749 どうにかならんもんかの… 55 00:04:16,749 --> 00:04:20,049 ハァー あんなに 生き生きしておったのに… 56 00:04:22,087 --> 00:04:26,091 あっ そういえば… 長崎で オランダ人など異国の人たちが 57 00:04:26,091 --> 00:04:28,427 パンという おいしそうな物を食べてました 58 00:04:28,427 --> 00:04:30,429 パン? 59 00:04:30,429 --> 00:04:33,432 あれなら まだ 江戸には売られていないはず… 60 00:04:33,432 --> 00:04:37,102 パン? パンです 61 00:04:37,102 --> 00:04:39,104 パン? 62 00:04:39,104 --> 00:04:41,440 <日本に初めて パンがやってきたのは 63 00:04:41,440 --> 00:04:45,778 室町時代の1543年> 64 00:04:45,778 --> 00:04:48,078 <種子島に漂着した…> 65 00:04:51,116 --> 00:04:53,786 <…したと言われている> 66 00:04:53,786 --> 00:04:55,788 <しかし 食べたのは 67 00:04:55,788 --> 00:05:00,459 長崎の出島などに来日する 外国人貿易商くらいで 68 00:05:00,459 --> 00:05:02,461 江戸時代の日本人は 69 00:05:02,461 --> 00:05:07,733 ほとんど パンを 食べたことがなかったという> 70 00:05:07,733 --> 00:05:10,069 して… そのパンは どのようにして作る? 71 00:05:10,069 --> 00:05:15,407 (平賀)いや… あいにく 私は 作り方までは… 72 00:05:15,407 --> 00:05:19,078 そうか… ハァー 73 00:05:19,078 --> 00:05:21,080 ヘイ カージー殿 74 00:05:21,080 --> 00:05:23,749 (カージー) 何でしょう? ミスター四十郎 75 00:05:23,749 --> 00:05:28,420 カージー殿は パンという食べ物をご存じか? 76 00:05:28,420 --> 00:05:30,422 もちろんです 77 00:05:30,422 --> 00:05:32,424 知っておるのか! 78 00:05:32,424 --> 00:05:34,760 して… そのパン 作れたりは? 79 00:05:34,760 --> 00:05:36,762 こちらの家電を使えば 80 00:05:36,762 --> 00:05:42,101 ご家庭でも 簡単に作ることができます 81 00:05:42,101 --> 00:05:44,103 この ホームベーカリーは 82 00:05:44,103 --> 00:05:47,106 小麦粉などの材料を入れるだけで 83 00:05:47,106 --> 00:05:49,108 おいしい ふわふわのパンを 84 00:05:49,108 --> 00:05:52,111 作ることができる家電です 85 00:05:52,111 --> 00:05:55,447 これが… パンか 86 00:05:55,447 --> 00:05:59,118 こちらは 食パンと呼ばれるものです 87 00:05:59,118 --> 00:06:01,787 パン職人の焼き方を再現した 88 00:06:01,787 --> 00:06:05,124 本格的なものが作れます 89 00:06:05,124 --> 00:06:09,061 パンには職人がおるのか? 90 00:06:09,061 --> 00:06:12,731 《ならば… この奇妙な箱の中に…》 91 00:06:12,731 --> 00:06:14,731 《はっ! まさか…》 92 00:06:18,070 --> 00:06:20,406 《まさに 地獄絵図》 93 00:06:20,406 --> 00:06:23,409 《この箱の中で 捕らわれた職人たちは 94 00:06:23,409 --> 00:06:28,080 一体 どんな罪を 犯したというのだ?》 95 00:06:28,080 --> 00:06:31,417 《まあ… 今は忘れよう》 96 00:06:31,417 --> 00:06:33,419 フゥー 97 00:06:33,419 --> 00:06:39,091 まずは 一度 パンを作って 食べてみることをお勧めします 98 00:06:39,091 --> 00:06:41,091 ああ そうだな 99 00:06:45,431 --> 00:06:47,433 …ですね 100 00:06:47,433 --> 00:06:49,435 ハハハ… 101 00:06:49,435 --> 00:06:53,772 順風満帆って! カージー殿 面白い! 102 00:06:53,772 --> 00:06:57,443 アハハ… 103 00:06:57,443 --> 00:07:01,447 順風満帆って… ハハハ… 104 00:07:01,447 --> 00:07:04,747 あ~ ハハハ… 105 00:07:09,388 --> 00:07:13,392 喜ぶだろうな アハハッ 106 00:07:13,392 --> 00:07:17,396 こやつが パンを作る家電である 107 00:07:17,396 --> 00:07:20,065 パン? 108 00:07:20,065 --> 00:07:23,068 材料は 甘酒 109 00:07:23,068 --> 00:07:25,404 うどん粉 110 00:07:25,404 --> 00:07:27,740 塩… 111 00:07:27,740 --> 00:07:30,409 蓋をして… 112 00:07:30,409 --> 00:07:33,409 この印を押せば しまいじゃ 113 00:07:35,414 --> 00:07:39,418 う~ん… とてつもなく 良い匂いがしてきたろう? 114 00:07:39,418 --> 00:07:43,088 出してみるか? はい 115 00:07:43,088 --> 00:07:45,758 (太郎)おお~! 116 00:07:45,758 --> 00:07:48,093 ハハハ… ああ… 117 00:07:48,093 --> 00:07:50,093 出来たようだ 118 00:07:54,099 --> 00:07:57,102 ハハハ… 神々しいの はい 119 00:07:57,102 --> 00:07:59,104 膨らんでおる はい! 120 00:07:59,104 --> 00:08:02,107 おお… (太郎)フフフッ 121 00:08:02,107 --> 00:08:05,110 おっ (太郎)すご~い! 122 00:08:05,110 --> 00:08:07,046 まあ! 123 00:08:07,046 --> 00:08:09,048 ハハハ… わあ! フフフ… 124 00:08:09,048 --> 00:08:12,648 おいしそう いい匂いです 125 00:08:15,054 --> 00:08:17,056 あっ! 126 00:08:17,056 --> 00:08:19,058 匂いに釣られて来てしまいました 127 00:08:19,058 --> 00:08:21,727 平賀殿 ちょうどよいところに 128 00:08:21,727 --> 00:08:23,729 うん (太郎)おいしそ~う! 129 00:08:23,729 --> 00:08:25,731 ハハハ… フフッ 130 00:08:25,731 --> 00:08:29,068 (平賀)ちょっと待ってください それ ひょっとして… パンでは? 131 00:08:29,068 --> 00:08:31,403 えっ! パンを作れたんですか? 132 00:08:31,403 --> 00:08:34,740 そうなのだ 一緒に 味見をしてみようではないか 133 00:08:34,740 --> 00:08:37,743 (平賀)ああ… 喜んで 134 00:08:37,743 --> 00:08:47,086 ♬~ 135 00:08:47,086 --> 00:08:49,088 わあ! おお… 136 00:08:49,088 --> 00:08:51,088 (平賀)ああ… 137 00:08:58,097 --> 00:09:00,766 うまい… 138 00:09:00,766 --> 00:09:04,770 ですね! うん おいしゅうございます 139 00:09:04,770 --> 00:09:07,039 こんなの食べたことない! 140 00:09:07,039 --> 00:09:10,042 この ほうむべかりでパンを作れば 141 00:09:10,042 --> 00:09:14,713 きっと 饅頭より評判になるに違いない 142 00:09:14,713 --> 00:09:17,716 四十郎様… 私のために? 143 00:09:17,716 --> 00:09:22,387 ああ… 静江が あまりにも ふさぎ込んでおったから 144 00:09:22,387 --> 00:09:25,057 ありがとうございます いやいや 145 00:09:25,057 --> 00:09:27,059 でも 饅頭と比べると 146 00:09:27,059 --> 00:09:31,063 何か 少し物足りないような 気もしますね 147 00:09:31,063 --> 00:09:34,066 うん… 確かに そうかもしれんな 148 00:09:34,066 --> 00:09:36,068 饅頭くらい小さくして 149 00:09:36,068 --> 00:09:40,405 その中に 何か入れるというのは どうでしょう? 150 00:09:40,405 --> 00:09:45,077 なるほど… さすが 平賀殿! ハハハッ 151 00:09:45,077 --> 00:09:48,413 とはいえ 何がよいのだ? 152 00:09:48,413 --> 00:09:50,415 あっ 分かった! 153 00:09:50,415 --> 00:09:53,085 あれだ! たこパだ! 154 00:09:53,085 --> 00:09:55,754 たこパとは あの… たこ焼きの宴? 155 00:09:55,754 --> 00:09:59,091 うむ あのたこ焼きは 最高にうまかった! 156 00:09:59,091 --> 00:10:05,097 そして その最高の組み合わせは うどん粉と たこでござる 157 00:10:05,097 --> 00:10:08,100 確かに 材料は似てますが… 158 00:10:08,100 --> 00:10:11,436 どうして 今まで 気が付かなかったのか~… 159 00:10:11,436 --> 00:10:15,440 パンに入れたら 踊りだすほど うまいぞ! おっ! 160 00:10:15,440 --> 00:10:19,111 《あんたの饅頭 特に あんこが絶品なんだよね》 161 00:10:19,111 --> 00:10:23,115 《あんこには 手間をかけております》 162 00:10:23,115 --> 00:10:26,785 やはり 私は あんこを入れたいと思います 163 00:10:26,785 --> 00:10:31,123 あんこ? いや… たこの方が良いと思うが 164 00:10:31,123 --> 00:10:33,125 試してみます! 165 00:10:33,125 --> 00:10:52,144 ♬~ 166 00:10:52,144 --> 00:10:54,146 (電子音) 167 00:10:54,146 --> 00:11:04,156 ♬~ 168 00:11:04,156 --> 00:11:06,156 出来ました! 169 00:11:08,093 --> 00:11:11,430 おお… はい 170 00:11:11,430 --> 00:11:13,432 では ひとつ はい 171 00:11:13,432 --> 00:11:25,110 ♬~ 172 00:11:25,110 --> 00:11:27,110 これは! 173 00:11:29,448 --> 00:11:32,117 うまいぞ 静江! 174 00:11:32,117 --> 00:11:34,453 母上 おいしいです! 175 00:11:34,453 --> 00:11:38,457 静江さん これは 大発明かもしれません! 176 00:11:38,457 --> 00:11:41,126 あんことパンが これほど合うとは… 177 00:11:41,126 --> 00:11:43,462 さすが 我が妻! 178 00:11:43,462 --> 00:11:45,464 ありがとうございます! 179 00:11:45,464 --> 00:11:49,801 では この あんこの入ったパン 180 00:11:49,801 --> 00:11:54,139 あんパンを 売ってみたいと思います 181 00:11:54,139 --> 00:11:57,142 <本来なら 明治7年に 182 00:11:57,142 --> 00:12:00,145 現在も続く 銀座 木村家の創業者 183 00:12:00,145 --> 00:12:06,418 木村安兵衛によって 発明されるはずだった あんパン> 184 00:12:06,418 --> 00:12:10,422 <それが カージーによって 届けられた家電により 185 00:12:10,422 --> 00:12:13,091 江戸時代に生まれてしまう 186 00:12:13,091 --> 00:12:17,095 まさかの事態に!> 187 00:12:17,095 --> 00:12:20,766 よいです よいです… (平賀)しかし… 188 00:12:20,766 --> 00:12:24,436 いくら うまいとはいえ 突然 売り出しても 189 00:12:24,436 --> 00:12:28,106 江戸の町の人たちは よく分からないかもしれませんね 190 00:12:28,106 --> 00:12:30,108 おお 確かに 191 00:12:30,108 --> 00:12:34,446 そもそも パンが よく分からんからな フッ 192 00:12:34,446 --> 00:12:38,116 以前 うなぎ屋に土用の丑の日は 193 00:12:38,116 --> 00:12:40,786 精が付くうなぎを食べて 夏を乗り切る… 194 00:12:40,786 --> 00:12:43,121 といった うたい文句を提案したところ 195 00:12:43,121 --> 00:12:46,124 夏に うなぎが 売れ始めたことがありました 196 00:12:46,124 --> 00:12:48,126 おお! この あんぱんにも 197 00:12:48,126 --> 00:12:52,798 何か うたい文句や名前など 付けるのはいかがでしょう? 198 00:12:52,798 --> 00:12:54,800 なるほど… 199 00:12:54,800 --> 00:12:57,135 しかし… 何がよいかの? 200 00:12:57,135 --> 00:12:59,135 ああ… フフッ 201 00:13:02,474 --> 00:13:05,811 太郎 味見してみてくれる? (太郎)うん 202 00:13:05,811 --> 00:13:08,413 あ~ん… 203 00:13:08,413 --> 00:13:10,415 フフッ んっ うん… 204 00:13:10,415 --> 00:13:15,420 あんだけに あ~ん… か! ハハハ… 205 00:13:15,420 --> 00:13:17,422 (平賀)えっ? 206 00:13:17,422 --> 00:13:19,424 そうだ! 207 00:13:19,424 --> 00:13:26,098 愛を届ける 愛のああんパン 208 00:13:26,098 --> 00:13:30,102 愛の… ああ~ん… パン? 209 00:13:30,102 --> 00:13:32,771 …は いかがでしょう? 210 00:13:32,771 --> 00:13:36,108 うん… 静江 211 00:13:36,108 --> 00:13:39,778 愛のああんパン どうじゃ? 212 00:13:39,778 --> 00:13:45,117 愛のああんパン… すてきです! 213 00:13:45,117 --> 00:13:48,417 ハハハ… 214 00:13:51,790 --> 00:13:54,126 はい ありがとうございます 215 00:13:54,126 --> 00:13:57,129 (客)愛のああんパン 5つ 5つ? 216 00:13:57,129 --> 00:13:59,798 5つ? おい 俺たちのあんパンも 残しといてくれよな 217 00:13:59,798 --> 00:14:02,467 (客)そうそう… (客)なあ? 218 00:14:02,467 --> 00:14:07,406 <静江が作る 愛のああんパンは 飛ぶように売れ 219 00:14:07,406 --> 00:14:11,076 たちまち 江戸の町で大人気となった> 220 00:14:11,076 --> 00:14:13,078 お二つ? はい 221 00:14:13,078 --> 00:14:15,078 (客)おい なくなっちゃうじゃねえかよ 222 00:14:21,420 --> 00:14:24,423 ハァー 223 00:14:24,423 --> 00:14:29,094 静江 こんな 朝早くから何をしておる? 224 00:14:29,094 --> 00:14:31,096 あんパン作りです 225 00:14:31,096 --> 00:14:33,765 私のあんパンを 今や遅しと 226 00:14:33,765 --> 00:14:36,765 楽しみに待っている方が いらっしゃいますので 227 00:14:40,105 --> 00:14:43,442 (客)押さないで… 1つ 2つ 228 00:14:43,442 --> 00:14:47,112 あっ 押さないでくださいね はい どうぞ 229 00:14:47,112 --> 00:14:49,781 (客)3つ くんな 3つですね お待ちください 230 00:14:49,781 --> 00:14:54,453 <歴史が変わる 大変な事態が起きている中 231 00:14:54,453 --> 00:14:59,458 静江の作る あんパンの評判は 更に うなぎ登り> 232 00:14:59,458 --> 00:15:01,458 <そんな中…> 233 00:15:03,795 --> 00:15:06,398 では 傘張りに行ってまいる 234 00:15:06,398 --> 00:15:08,398 (障子戸の閉まる音) 235 00:15:15,073 --> 00:15:18,410 《静江の商いも 順風満帆》 236 00:15:18,410 --> 00:15:22,747 《拙者も早く 仕官先を見つけねばいかんな》 237 00:15:22,747 --> 00:15:25,750 ああ 女将ではないか どうして ここに? 238 00:15:25,750 --> 00:15:28,753 ちょっと あんたに話があってね 拙者に? 239 00:15:28,753 --> 00:15:31,089 実はさ 玉川屋の大旦那が 240 00:15:31,089 --> 00:15:35,093 あんたんとこの あの… 何だっけ? 241 00:15:35,093 --> 00:15:37,762 愛のああんパンでござるか? ああ それそれ! 242 00:15:37,762 --> 00:15:41,099 その ああんパンを 専売したいって言っててさ! 243 00:15:41,099 --> 00:15:43,768 日に200納めてくれないかって 244 00:15:43,768 --> 00:15:45,770 200? (女将)ああ 245 00:15:45,770 --> 00:15:49,774 そしたら 月に10両 出してもいいって言ってんだよ! 246 00:15:49,774 --> 00:15:51,776 10両! ああ! 247 00:15:51,776 --> 00:15:55,447 月に? 10両? ああ! ああ! 248 00:15:55,447 --> 00:15:57,449 <当時の1両は 249 00:15:57,449 --> 00:16:01,786 現在の価値に換算すると およそ 10万円> 250 00:16:01,786 --> 00:16:04,122 <つまり うまくいけば 251 00:16:04,122 --> 00:16:06,422 なんと 月に…> 252 00:16:08,393 --> 00:16:11,062 《ハハハ…》 253 00:16:11,062 --> 00:16:13,064 (女将)ちょっと あんた! 聞いてんのかい? 254 00:16:13,064 --> 00:16:15,066 すまん… 255 00:16:15,066 --> 00:16:18,069 しかし 日に200というのは さすがに… 256 00:16:18,069 --> 00:16:22,741 もう 何 迷ってんだよ! こんないい話 受けなきゃ損だよ! 257 00:16:22,741 --> 00:16:24,743 玉川屋の大旦那っていったら 258 00:16:24,743 --> 00:16:27,078 幕府にも顔が利く お偉いさんなんだよ! 259 00:16:27,078 --> 00:16:29,414 つきあっておけば いいことあるよ! 260 00:16:29,414 --> 00:16:31,416 いいことって… 261 00:16:31,416 --> 00:16:34,419 拙者の仕官先を紹介してもらえる なんてことも? 262 00:16:34,419 --> 00:16:36,421 ああ あるかもね! 263 00:16:36,421 --> 00:16:39,758 アハハッ ハハハ… 264 00:16:39,758 --> 00:16:43,358 前向きに検討させてもらおう ああ! 265 00:16:48,099 --> 00:16:50,769 ≪静江… 静江! 静江! 266 00:16:50,769 --> 00:16:53,438 あっ どうされたんですか? そんなに慌てて 267 00:16:53,438 --> 00:16:55,440 でかい話が来たぞ 268 00:16:55,440 --> 00:16:59,110 日に 200 ああんパンを玉川屋に納めれば 269 00:16:59,110 --> 00:17:01,446 月に 10両もらえるそうだ 270 00:17:01,446 --> 00:17:04,449 10両! そうだ 10両だ! 271 00:17:04,449 --> 00:17:07,385 でも… 日に 200なんて… 272 00:17:07,385 --> 00:17:11,056 月に 10両もらえれば いろんなものが買えるぞ 273 00:17:11,056 --> 00:17:13,058 何より これが きっかけで 274 00:17:13,058 --> 00:17:15,727 拙者の仕官の口も 開けるかもしれん 275 00:17:15,727 --> 00:17:18,063 仕官先… 276 00:17:18,063 --> 00:17:20,065 どうだろう 静江 277 00:17:20,065 --> 00:17:24,736 日に 200… 作れるものだろうか? 278 00:17:24,736 --> 00:17:29,407 大丈夫です 必ず 作ってみせます 279 00:17:29,407 --> 00:17:32,407 そうか! はい! はい! 280 00:17:36,748 --> 00:17:40,752 ああ… 日に 200… 281 00:17:40,752 --> 00:17:44,089 200… 282 00:17:44,089 --> 00:17:48,093 <その日以来 静江は ほとんど寝ずに 283 00:17:48,093 --> 00:17:52,093 毎日 200個のあんパンを 作り続けた> 284 00:17:54,099 --> 00:17:58,103 186… 187… 188… 285 00:17:58,103 --> 00:18:01,106 うん もう少しだな はい 頑張ります 286 00:18:01,106 --> 00:18:04,109 あっ 拙者は これを箱に はい 287 00:18:04,109 --> 00:18:07,045 よし… よいしょ… 288 00:18:07,045 --> 00:18:10,045 ほい はい… 289 00:18:13,385 --> 00:18:16,388 (物音) 290 00:18:16,388 --> 00:18:18,390 静江! 291 00:18:18,390 --> 00:18:22,060 静江… 静江! 静江! 292 00:18:22,060 --> 00:18:24,060 静江! 静江! 293 00:19:28,760 --> 00:19:32,097 母上… 294 00:19:32,097 --> 00:19:38,097 《欲に目がくらんだ拙者は 何という 大ばか者だ!》 295 00:19:40,105 --> 00:19:43,108 (ため息) 296 00:19:43,108 --> 00:19:47,379 太郎 父は ちょっと出かけてくる 297 00:19:47,379 --> 00:19:51,049 どこに行くんですか? 298 00:19:51,049 --> 00:19:53,049 母上を頼む 299 00:20:09,067 --> 00:20:11,736 ヘイ カージー殿 300 00:20:11,736 --> 00:20:13,738 お呼びでしょうか? 301 00:20:13,738 --> 00:20:17,742 すまぬが お百度につきあってくれぬか? 302 00:20:17,742 --> 00:20:22,080 お百度… お百度参りのことですか? 303 00:20:22,080 --> 00:20:25,380 ああ… そうでござる 304 00:20:30,755 --> 00:20:36,428 <お百度参りとは 平安時代から続く参拝方法> 305 00:20:36,428 --> 00:20:48,440 ♬~ 306 00:20:48,440 --> 00:20:51,776 では 始めるぞ カージー殿 307 00:20:51,776 --> 00:20:53,778 ≪お任せください 308 00:20:53,778 --> 00:21:06,791 ♬~ 309 00:21:06,791 --> 00:21:11,463 どうか 静江を助けてくだされ 310 00:21:11,463 --> 00:21:13,798 ≪1… 311 00:21:13,798 --> 00:21:17,802 <その名のとおり 百日間 毎日 312 00:21:17,802 --> 00:21:21,139 または 一日に百度 参拝することで 313 00:21:21,139 --> 00:21:25,439 神仏に その切実な願いを 届けるのである> 314 00:21:31,149 --> 00:21:33,149 ≪27… 315 00:21:39,491 --> 00:21:41,826 ≪68… 316 00:21:41,826 --> 00:21:52,103 ♬~ 317 00:21:52,103 --> 00:21:57,442 ≪100! ミスター四十郎 終了です 318 00:21:57,442 --> 00:22:00,042 まだだ… 足りぬ! 319 00:22:02,113 --> 00:22:04,782 己のことばかり考え 320 00:22:04,782 --> 00:22:08,786 静江の無理にも気付かず… 321 00:22:08,786 --> 00:22:14,125 拙者がした過ちは 百では足りぬ! 322 00:22:14,125 --> 00:22:16,461 千だ! 323 00:22:16,461 --> 00:22:19,130 ≪お千度参りですか? 324 00:22:19,130 --> 00:22:29,140 ♬~ 325 00:22:29,140 --> 00:22:32,740 《静江… 本当に すまなかった》 326 00:22:35,146 --> 00:22:37,148 《静江!》 327 00:22:37,148 --> 00:22:39,817 《静江… 静江!》 328 00:22:39,817 --> 00:22:42,417 《静江! 静江!》 329 00:22:47,759 --> 00:22:49,759 ≪101… 330 00:22:56,434 --> 00:22:58,770 ≪527… 331 00:22:58,770 --> 00:23:09,447 ♬~ 332 00:23:09,447 --> 00:23:11,449 ≪832… 333 00:23:11,449 --> 00:23:13,451 (荒い息遣い) 334 00:23:13,451 --> 00:23:17,455 ≪ミスター四十郎 もう十分では? 335 00:23:17,455 --> 00:23:20,458 駄目だ… 336 00:23:20,458 --> 00:23:23,127 千 参って… 337 00:23:23,127 --> 00:23:26,427 元気な静江を… 取り戻すんだ 338 00:23:30,802 --> 00:23:37,475 《もはや 再び 侍になどとは思いません》 339 00:23:37,475 --> 00:23:40,475 《何とぞ… 何とぞ…》 340 00:23:42,480 --> 00:23:45,483 《静江を再び元気に…》 341 00:23:45,483 --> 00:24:04,769 ♬~ 342 00:24:04,769 --> 00:24:06,771 ≪千! 343 00:24:06,771 --> 00:24:15,113 (荒い息遣い) 344 00:24:15,113 --> 00:24:19,713 ハァー ハァー… ハァ… 345 00:24:24,122 --> 00:24:28,126 ≪ミスター四十郎は これほどまでに 346 00:24:28,126 --> 00:24:33,131 ミセス静江のことを 愛しているのですね 347 00:24:33,131 --> 00:24:37,431 こんなの… 愛し足りぬぐらいだ 348 00:24:39,470 --> 00:24:41,472 (雷鳴) 349 00:24:41,472 --> 00:24:44,475 (羽音) 350 00:24:44,475 --> 00:24:48,413 (鳥の鳴き声) (雷鳴) 351 00:24:48,413 --> 00:24:50,415 雷… 352 00:24:50,415 --> 00:24:53,418 (雷鳴) 353 00:24:53,418 --> 00:25:01,092 はて… これは いつぞやと同じような… 354 00:25:01,092 --> 00:25:03,092 (落雷) うわ~っ! 355 00:27:07,084 --> 00:27:10,084 (足音) 356 00:27:16,427 --> 00:27:19,430 うっ… ああ… 357 00:27:19,430 --> 00:27:22,099 ああ… 358 00:27:22,099 --> 00:27:24,435 あっ 起きた! 359 00:27:24,435 --> 00:27:27,371 ハァ… 誰だ? 360 00:27:27,371 --> 00:27:30,708 おじさんこそ 誰? ハァ… 361 00:27:30,708 --> 00:27:35,713 <目覚めたのは なんと…> 362 00:27:35,713 --> 00:27:40,051 <次回 四十郎が 現代にタイムスリップ!> 363 00:27:40,051 --> 00:27:42,053 <大騒動を巻き起こす!> 364 00:27:42,053 --> 00:27:44,053 きてれつな城である… 365 00:27:57,068 --> 00:28:00,738 拙者の名は… うん? 拙者の名は… 366 00:28:00,738 --> 00:28:02,740 変なしゃべり方 367 00:28:02,740 --> 00:28:04,742 本当に お侍さんみたい 368 00:28:04,742 --> 00:28:08,079 侍だ! 多分… 369 00:28:08,079 --> 00:28:12,379 《こ… この 動く段ばしごは何じゃ?》 370 00:28:14,418 --> 00:28:16,418 あっ! 371 00:28:18,422 --> 00:28:20,758 あ… あれは何じゃ? 372 00:28:20,758 --> 00:28:23,427 あ~ あれは8Kテレビですね… うっ 373 00:28:23,427 --> 00:28:26,697 絵が… 絵が動いておるではないか! 374 00:28:26,697 --> 00:28:29,033 フルハイビジョンの 16倍の画素数で 375 00:28:29,033 --> 00:28:31,369 より鮮明な映像を楽しめます 376 00:28:31,369 --> 00:28:33,371 あっ ちょっ… ちょっと待ってくだされ 377 00:28:33,371 --> 00:28:35,373 (店員)よいしょ… はい! 378 00:28:35,373 --> 00:28:38,376 うっ… うっ! (店員)アハハッ 379 00:28:38,376 --> 00:28:40,676 さっきから リアクションいいっすよね 380 00:28:42,713 --> 00:28:46,717 あっ! あのおなごじゃ 381 00:28:46,717 --> 00:28:49,720 あっ… あっ! また会えて よかったでござる 382 00:28:49,720 --> 00:28:53,057 随分 捜したぞ こんな所まで… 383 00:28:53,057 --> 00:28:56,060 どうか… どうか 拙者を信じてくだされ! 384 00:28:56,060 --> 00:28:59,063 いや~! ああっ! ああ… すまん 385 00:28:59,063 --> 00:29:02,066 (店員)警備 呼びます! あっ もう変態! 386 00:29:02,066 --> 00:29:04,066 あっ… あっ ああっ!