1 00:00:33,620 --> 00:00:35,789 (タキ)<ヤマト朝廷から➡ 2 00:00:35,789 --> 00:00:40,794 1くくりに「蝦夷」と 呼ばれていた東北の人達が➡ 3 00:00:40,794 --> 00:00:44,798 とうとう 立ち上がりやんした。➡ 4 00:00:44,798 --> 00:00:50,520 延暦8年 阿弖流為 母礼らが 指揮する蝦夷軍が➡ 5 00:00:50,520 --> 00:00:55,692 5万のヤマト軍に 勝ったのす。➡ 6 00:00:55,692 --> 00:01:02,316 しかし それから5年の後 ヤマトは 10万の大軍を➡ 7 00:01:02,316 --> 00:01:07,654 また 東北に 送り込んできたのす> 8 00:01:07,654 --> 00:01:14,761 ♬~(テーマ音楽) 9 00:01:14,761 --> 00:02:50,761 ♬~ 10 00:02:53,160 --> 00:02:57,347 (鬨の声) 11 00:02:57,347 --> 00:03:00,667 <阿弖流為達は ヤマトの大軍を➡ 12 00:03:00,667 --> 00:03:04,688 衣川で押しとどめる事ができず➡ 13 00:03:04,688 --> 00:03:08,125 日高見川と胆沢川の合流地点に➡ 14 00:03:08,125 --> 00:03:12,763 本営を造られてしまいやんした。➡ 15 00:03:12,763 --> 00:03:16,767 そして 勢いに乗ったヤマト軍は➡ 16 00:03:16,767 --> 00:03:23,039 一気に 日高見川の東の森に 進んできたのす> 17 00:03:23,039 --> 00:03:28,395 ♬~ 18 00:03:28,395 --> 00:03:33,467 しばらく 山ごもりだ。 (一同)おう! 19 00:03:33,467 --> 00:03:39,322 <この時 母礼の立てた作戦は➡ 20 00:03:39,322 --> 00:03:46,880 ヤマト軍を 勝手知ったる日高見の 山々の奥深くへと誘い込み➡ 21 00:03:46,880 --> 00:03:49,883 根気よく 何度も 奇襲を仕掛け➡ 22 00:03:49,883 --> 00:03:57,157 長く伸びたヤマト軍を 寸断する事だったのす。➡ 23 00:03:57,157 --> 00:04:01,595 阿弖流為達は 小刻みに 攻撃を繰り返し➡ 24 00:04:01,595 --> 00:04:07,184 10万のヤマト軍を なんとか 追い払ったのす。➡ 25 00:04:07,184 --> 00:04:12,656 彼らは 山や森に助けられやんした> 26 00:04:12,656 --> 00:04:15,926 (ヤマト軍兵)引け! 引け! 27 00:04:15,926 --> 00:04:19,362 ♬~ 28 00:04:19,362 --> 00:04:25,462 <しかし 失ったものも 大きかったのす> 29 00:04:27,521 --> 00:04:31,992 浮かぬ顔をするな。 明るく笑ってみろ。 30 00:04:31,992 --> 00:04:35,562 ワらは 見事 ヤマトを追い払ったのだぞ。 31 00:04:35,562 --> 00:04:37,664 (一同)おう! 32 00:04:37,664 --> 00:04:40,764 (男)帰ってきたぞ! 33 00:04:44,187 --> 00:04:47,524 (佳那)弖流様! 34 00:04:47,524 --> 00:04:52,162 佳那 星丸 無事だったか? 35 00:04:52,162 --> 00:04:55,882 それが…。 (阿久斗)弖流! 36 00:04:55,882 --> 00:05:00,921 弖流。 佐斗の行方が 昨日から…。 37 00:05:00,921 --> 00:05:11,431 ♬~ 38 00:05:11,431 --> 00:05:15,502 佐斗! (古天奈)阿佐斗! 39 00:05:15,502 --> 00:05:17,520 佐斗! 40 00:05:17,520 --> 00:05:24,427 ♬~ 41 00:05:24,427 --> 00:05:33,627 (雷鳴) 42 00:05:40,327 --> 00:05:42,429 (阿佐斗)弖流兄。 43 00:05:42,429 --> 00:05:44,429 佐斗! 44 00:05:46,666 --> 00:05:51,821 大丈夫か? 弖流兄 何をしている? 45 00:05:51,821 --> 00:05:57,027 佐斗 ワが分かるか? 46 00:05:57,027 --> 00:06:03,066 忘れたくても 忘れられぬ顔だ 弖流兄の顔は。 47 00:06:03,066 --> 00:06:05,385 戻った。 48 00:06:05,385 --> 00:06:07,354 正気に戻ったぞ! 49 00:06:07,354 --> 00:06:10,357 よかった! 50 00:06:10,357 --> 00:06:12,392 佐斗! 51 00:06:12,392 --> 00:06:16,396 ♬~ 52 00:06:16,396 --> 00:06:20,000 おっ母 お父。 53 00:06:20,000 --> 00:06:23,269 ♬~ 54 00:06:23,269 --> 00:06:25,305 ああ。 55 00:06:25,305 --> 00:06:35,048 ♬~ 56 00:06:35,048 --> 00:06:38,752 お父 皆 何をやってる? 57 00:06:38,752 --> 00:06:42,856 うん 片づけじゃ。 58 00:06:42,856 --> 00:06:47,056 何で あちこち燃えてる? 何があった? 59 00:06:49,095 --> 00:06:52,198 話は後じゃ。 さあ うちへ帰ろう。 60 00:06:52,198 --> 00:06:59,756 なっ? 腹が減ったであろう? さあさあ 帰ろう 帰ろう。 61 00:06:59,756 --> 00:07:04,995 弖流兄 ワが覚えている所と 違っている。 62 00:07:04,995 --> 00:07:08,848 見知らぬ里に迷い込んだみたいで。 63 00:07:08,848 --> 00:07:11,868 佐斗。 64 00:07:11,868 --> 00:07:14,521 すまん。 65 00:07:14,521 --> 00:07:17,821 弖流兄 何を謝る? 66 00:07:19,859 --> 00:07:22,278 許してくれ。 67 00:07:22,278 --> 00:07:36,459 ♬~ 68 00:07:36,459 --> 00:07:38,511 弖流様! 69 00:07:38,511 --> 00:07:42,632 ♬~ 70 00:07:42,632 --> 00:07:44,667 弖流様。 71 00:07:44,667 --> 00:07:46,753 ♬~ 72 00:07:46,753 --> 00:07:49,956 佐斗に合わせる顔がない。 73 00:07:49,956 --> 00:07:54,060 大墓が 戦で変わり果てたのは ワのせいだ。 74 00:07:54,060 --> 00:07:58,465 これまでの事 佐斗に よく話せば。 75 00:07:58,465 --> 00:08:01,885 ♬~ 76 00:08:01,885 --> 00:08:05,955 分かってくれるだろうか? 77 00:08:05,955 --> 00:08:08,208 必ず。 78 00:08:08,208 --> 00:08:15,532 ♬~ 79 00:08:15,532 --> 00:08:20,987 でも もう 終わりにできませぬか? 80 00:08:20,987 --> 00:08:24,240 ♬~ 81 00:08:24,240 --> 00:08:28,411 ヤマトは また やって来る。 82 00:08:28,411 --> 00:08:31,631 このままでは 終われぬ。 83 00:08:31,631 --> 00:08:35,635 佐斗も ワも 皆も これ以上 悲しい思いは! 84 00:08:35,635 --> 00:08:38,121 分かってる。 85 00:08:38,121 --> 00:08:41,174 分かってるが できぬのだ。 86 00:08:41,174 --> 00:08:48,915 ♬~ 87 00:08:48,915 --> 00:08:52,152 心配するな。 88 00:08:52,152 --> 00:08:58,875 大墓も 皆も ワが 必ず守り通してやる。 89 00:08:58,875 --> 00:09:10,620 ♬~ 90 00:09:10,620 --> 00:09:19,696 <その年の11月 桓武天皇は 都を 今の京都へ うつしやんした> 91 00:09:19,696 --> 00:09:26,920 宿願の遷都を果たし 朕も ようやく 一心地ついた。 92 00:09:26,920 --> 00:09:34,327 じゃが 落ち着けば落ち着くほど もう一つの厄災が 心を悩まする。 93 00:09:34,327 --> 00:09:36,296 (田村麻呂) 蝦夷にございましょう? 94 00:09:36,296 --> 00:09:44,754 何より 首魁 阿弖流為の首が 今 ここにない事が➡ 95 00:09:44,754 --> 00:09:47,056 まこと 腹立たしい。 96 00:09:47,056 --> 00:09:50,160 恐れ多い事にござります。 97 00:09:50,160 --> 00:09:58,160 海の向こうの敵に備えるためにも ヤマトは 一つにならねばならぬ。 98 00:10:00,887 --> 00:10:09,896 阿弖流為の首は 間もなく お上の御前に 間違いなく。 99 00:10:09,896 --> 00:10:15,535 畏れながら 策を 少々変えられてはと。 100 00:10:15,535 --> 00:10:18,388 策を変える? 101 00:10:18,388 --> 00:10:22,892 力で征伐するも一策なれど➡ 102 00:10:22,892 --> 00:10:29,566 餌をぶら下げ 蝦夷を懐柔するも策かと。 103 00:10:29,566 --> 00:10:56,359 ♬~ 104 00:10:56,359 --> 00:10:59,996 うれしい! 105 00:10:59,996 --> 00:11:04,500 あっ おっ母 踊ろう! 106 00:11:04,500 --> 00:11:06,953 ♬~ 107 00:11:06,953 --> 00:11:10,423 よかったな…。 108 00:11:10,423 --> 00:11:13,660 なっ! よかったな! 109 00:11:13,660 --> 00:11:17,847 ♬~ 110 00:11:17,847 --> 00:11:20,967 ワも 踊る! 星丸。 111 00:11:20,967 --> 00:11:45,291 ♬~ 112 00:11:45,291 --> 00:11:47,493 (諸絞)陸奥守様に申し上げます。➡ 113 00:11:47,493 --> 00:11:49,729 よく お聞き下さいませ。➡ 114 00:11:49,729 --> 00:11:52,932 ワらは あの阿弖流為の甘言に 惑わされ➡ 115 00:11:52,932 --> 00:11:55,518 無理やり ヤマトとの戦に 駆り出されたまで。 116 00:11:55,518 --> 00:11:58,371 さようでございます。 阿弖流為と母礼は➡ 117 00:11:58,371 --> 00:12:01,190 言葉巧みに ワをたぶらかし。 118 00:12:01,190 --> 00:12:05,528 そうでございます。 阿弖流為の 母は 気味悪い呪文を使う女で➡ 119 00:12:05,528 --> 00:12:07,830 その子 阿弖流為も また 知らぬうちに➡ 120 00:12:07,830 --> 00:12:10,817 ワの心を操り ヤマトに刃向かう…。 121 00:12:10,817 --> 00:12:13,886 もう よい。 阿弖流為 母礼の行状➡ 122 00:12:13,886 --> 00:12:16,322 こちらでも つぶさにつかんでおる。➡ 123 00:12:16,322 --> 00:12:20,159 汝らが ヤマトに従うと申すなら➡ 124 00:12:20,159 --> 00:12:26,733 これより 汝らの和賀も稗貫も 安泰だ。 125 00:12:26,733 --> 00:12:29,686 ♬~ 126 00:12:29,686 --> 00:12:38,628 しかし 一度ならず逆らった責めは やはり 長が受けねばなるまい。 127 00:12:38,628 --> 00:12:42,348 相模か 武蔵か 常陸。 128 00:12:42,348 --> 00:12:45,585 汝らの行く先は 追って知らせる。 129 00:12:45,585 --> 00:12:50,056 命は取らぬ。 新しい土地で生き長らえよ。 130 00:12:50,056 --> 00:12:54,927 これも 皆 お上の慈悲。 131 00:12:54,927 --> 00:12:56,996 感謝せよ。 132 00:12:56,996 --> 00:13:01,451 (2人)はっ! ははっ! 133 00:13:01,451 --> 00:13:11,094 ♬~ 134 00:13:11,094 --> 00:13:13,894 遅れた。 まことに…。 135 00:13:16,449 --> 00:13:18,749 1人か…。 136 00:13:24,891 --> 00:13:26,891 待つか。 137 00:13:28,928 --> 00:13:32,615 待っても 誰も来ない。 138 00:13:32,615 --> 00:13:36,085 皆 ヤマトに付いたぞ。 139 00:13:36,085 --> 00:13:42,959 それならそれで しかたない。 残った者で 戦うしか。 140 00:13:42,959 --> 00:13:48,359 弖流 悔しくはないのか!? 141 00:13:50,750 --> 00:13:54,087 ヤマトに付いた族長を 一人一人 捕まえてきて➡ 142 00:13:54,087 --> 00:13:57,690 無理やり 戦わせるのか? 143 00:13:57,690 --> 00:14:01,390 それでは ヤマトと同じではないか。 144 00:14:06,048 --> 00:14:09,148 弓でも教えてくる。 145 00:14:20,730 --> 00:14:26,436 今度は ワ一人でも 戦うしかあるまいな。 146 00:14:26,436 --> 00:14:30,857 そんなまねは させんぞ。 147 00:14:30,857 --> 00:14:39,031 ♬~ 148 00:14:39,031 --> 00:14:43,319 こたびの戦は 山が ワらを守ってくれた。 149 00:14:43,319 --> 00:14:46,923 しかし 戦が続けば 山は 丸坊主になる。 150 00:14:46,923 --> 00:14:50,923 なのに ナは 戦いを続けようとしている。 151 00:14:53,146 --> 00:14:55,946 いま一度 戦う。 152 00:14:58,117 --> 00:15:02,817 この地に踏みとどまり ヤマトを これより北には行かせぬ。 153 00:15:05,091 --> 00:15:08,060 この地を 死守してみせる。 154 00:15:08,060 --> 00:15:12,014 ♬~ 155 00:15:12,014 --> 00:15:14,934 ワは 万策尽きた。 156 00:15:14,934 --> 00:15:17,420 ♬~ 157 00:15:17,420 --> 00:15:21,524 策が浮かばぬが どうする? 158 00:15:21,524 --> 00:15:24,927 ♬~ 159 00:15:24,927 --> 00:15:28,064 ワは 戦う。 160 00:15:28,064 --> 00:15:31,067 策がなくとも 戦う。 161 00:15:31,067 --> 00:15:42,567 ♬~ 162 00:15:44,680 --> 00:15:47,783 (岩木牟良)いつも 突然 やって来るの。 163 00:15:47,783 --> 00:15:50,369 岩木様に 折り入って お願い事がございます。 164 00:15:50,369 --> 00:15:52,855 断る。 165 00:15:52,855 --> 00:15:57,460 ヤマトとの面倒は ごめんじゃ。 166 00:15:57,460 --> 00:16:00,329 そのような話では。 阿弖流為。 167 00:16:00,329 --> 00:16:03,015 ナは みんなに そっぽを向かれて➡ 168 00:16:03,015 --> 00:16:06,586 ワを 当てにしてきたのであろうが➡ 169 00:16:06,586 --> 00:16:09,155 ワは ヤマト相手に立つ気は 毛ほどもないぞ! 170 00:16:09,155 --> 00:16:11,374 (古天奈)岩木様! 171 00:16:11,374 --> 00:16:16,696 ワらは そのようなお願いで 参ったのでは。 172 00:16:16,696 --> 00:16:21,350 戦わぬ里人の命の話でございます。 173 00:16:21,350 --> 00:16:24,921 里人の命? 174 00:16:24,921 --> 00:16:30,960 里人達は 戦の間 一つ所に集め 避難させます。 175 00:16:30,960 --> 00:16:35,431 しかし 戦が済んでも 恐らく 里へは戻れず➡ 176 00:16:35,431 --> 00:16:40,831 無論 南へも行けず 北へ逃れるしかない。 177 00:16:42,922 --> 00:16:49,528 津軽を頼って行けと言うたら どれほど 皆 喜ぶ事か。 178 00:16:49,528 --> 00:16:53,432 話は分かったが ナらは どうする? 179 00:16:53,432 --> 00:16:55,751 ヤマトを 決して 北へは行かせぬ…。 180 00:16:55,751 --> 00:16:59,655 いやいや 戦うたナらは どうなる? 181 00:16:59,655 --> 00:17:03,926 はて どうなりましょう? 182 00:17:03,926 --> 00:17:06,996 命を捨てる覚悟か? 183 00:17:06,996 --> 00:17:09,915 ワらの事は お忘れ下さい。 184 00:17:09,915 --> 00:17:15,521 阿弖流為 ワは ナらを見誤っていた。 185 00:17:15,521 --> 00:17:22,261 ヤマトの大軍相手に戦って 得意がってるだけの輩かと。 186 00:17:22,261 --> 00:17:31,061 しかし ナらは 里人の命を守り 己は散ろうとしている。 187 00:17:33,255 --> 00:17:38,728 そう望んではおりませぬが そうなりましょう。 188 00:17:38,728 --> 00:17:47,386 阿弖流為 これまで ワは 何の力にもなってやれなかった。 189 00:17:47,386 --> 00:17:51,190 許せ。 190 00:17:51,190 --> 00:17:56,445 ナらに託された里人の命は 何としても守ってみせる。 191 00:17:56,445 --> 00:17:59,965 任せてくれ。 192 00:17:59,965 --> 00:18:04,537 お願い申し上げます。 193 00:18:04,537 --> 00:18:23,622 ♬~ 194 00:18:23,622 --> 00:18:27,093 須受様が話があるとは 珍しい。 195 00:18:27,093 --> 00:18:31,847 (須受)わざわざ 悪かったな。 196 00:18:31,847 --> 00:18:39,747 早速だが 弖流 坂上田村麻呂様に 会ってみる気はないか? 197 00:18:43,459 --> 00:18:46,195 蝦夷討伐に 手を貸せば➡ 198 00:18:46,195 --> 00:18:51,395 故郷の信濃に戻してやるとでも ヤマトに言われましたか? 199 00:18:56,439 --> 00:18:59,658 言われた。 200 00:18:59,658 --> 00:19:07,950 言われたが 我は なんとかして 汝らを助けたい。 201 00:19:07,950 --> 00:19:13,550 これ以上 人も馬も 死なせたくないんじゃ。 202 00:19:15,558 --> 00:19:17,993 ヤマトは 大きい。 203 00:19:17,993 --> 00:19:21,163 大きくて恐ろしい。 そんな事は とうの昔に。 204 00:19:21,163 --> 00:19:27,963 ならば なぜ 無理な戦いを挑む? 無謀な戦を続ける? 205 00:19:31,957 --> 00:19:35,628 ワは 大墓に生まれ育った。 206 00:19:35,628 --> 00:19:40,228 大墓で生き 死にとうございます。 207 00:19:43,252 --> 00:19:48,791 しかし ヤマトは そこに 城柵を造り 移民を住まわせ➡ 208 00:19:48,791 --> 00:19:51,691 ワらに出ていけと言う。 209 00:19:53,746 --> 00:19:58,834 須受様 信濃が 同じような目に➡ 210 00:19:58,834 --> 00:20:05,534 須受様が 同じような目に 遭われたら 何とされます? 211 00:20:10,129 --> 00:20:13,229 ヤマトに従うまでじゃ。 212 00:20:15,384 --> 00:20:18,838 ヤマトは 我の国ぞ。 朝廷ぞ。 213 00:20:18,838 --> 00:20:22,158 国とは 何でしょうか? 214 00:20:22,158 --> 00:20:27,958 ワは ただ 命あるものを尊び 慈しむ。 215 00:20:29,899 --> 00:20:33,799 国など知りませぬ。 216 00:20:38,190 --> 00:20:42,090 ああ… そうか。 217 00:20:53,489 --> 00:21:00,095 須受様 それより 一緒に逃げませんか? 218 00:21:00,095 --> 00:21:05,084 逃げる? ワらが逃げる時 荷役馬が要る。 219 00:21:05,084 --> 00:21:09,355 須受様 馬をお貸し下さい。 220 00:21:09,355 --> 00:21:12,892 そして 共に 津軽へ参りましょう。 221 00:21:12,892 --> 00:21:21,967 弖流 汝も一緒か? 汝が行くと 言うのなら 我も行こう。 222 00:21:21,967 --> 00:21:25,167 ワも 共に行きとうございます。 223 00:21:27,489 --> 00:21:29,989 なれど…。 224 00:21:35,965 --> 00:21:41,987 弖流 分かった。 225 00:21:41,987 --> 00:21:44,887 承知したぞ。 226 00:21:47,343 --> 00:21:51,146 須受様。 227 00:21:51,146 --> 00:21:54,066 ありがとうございます! 228 00:21:54,066 --> 00:22:19,959 ♬~ 229 00:22:19,959 --> 00:22:27,566 <この年も 大墓の里には 鮭は上ってこなかったのす> 230 00:22:27,566 --> 00:22:41,113 ♬~ 231 00:22:41,113 --> 00:22:45,718 津軽を目指せ。 232 00:22:45,718 --> 00:22:53,642 そして いつか 10年先か 20年➡ 233 00:22:53,642 --> 00:22:55,694 もっと先か➡ 234 00:22:55,694 --> 00:23:03,494 必ずや この大墓の地に 戻ってきてほしい! 235 00:23:05,788 --> 00:23:09,792 必ず 帰ってきてくれ。 236 00:23:09,792 --> 00:23:12,928 それが ワの願いじゃ。 237 00:23:12,928 --> 00:23:17,416 ♬~ 238 00:23:17,416 --> 00:23:24,223 たった一つ 阿弖流為の願いじゃ! 239 00:23:24,223 --> 00:23:51,417 ♬~ 240 00:23:51,417 --> 00:23:55,320 冬の間に 馬を 栗駒山に移し➡ 241 00:23:55,320 --> 00:24:01,176 日高見川の西側から ヤマトの不意を突く。 242 00:24:01,176 --> 00:24:04,797 ワが行く。 243 00:24:04,797 --> 00:24:08,217 待て。 古天奈は こちらに残れ。 244 00:24:08,217 --> 00:24:16,617 ワは こたび 一番に 弖流の役に立ちたい。 245 00:24:18,927 --> 00:24:25,484 それで お父の所へ行く。 246 00:24:25,484 --> 00:24:31,407 ヤマトに ワらの誇りまで 奪われとうない。 247 00:24:31,407 --> 00:24:37,229 未来の子らの幸せを願う。 248 00:24:37,229 --> 00:24:40,666 古天奈。 249 00:24:40,666 --> 00:24:46,622 ワは 都で 田村麻呂を しかと見た。 250 00:24:46,622 --> 00:24:52,878 この手で 必ず 田村麻呂の首 取ってみせる。 251 00:24:52,878 --> 00:25:14,283 ♬~ 252 00:25:14,283 --> 00:25:18,687 <征夷大将軍となった 坂上田村麻呂は➡ 253 00:25:18,687 --> 00:25:22,191 方々の里や田に 火を付けさせ➡ 254 00:25:22,191 --> 00:25:26,662 蝦夷達の実りを 奪っていきやんした。➡ 255 00:25:26,662 --> 00:25:34,419 それを止める力は 阿弖流為軍には もうなかったのす。➡ 256 00:25:34,419 --> 00:25:41,260 そして やすやすと 胆沢に 本営を造られてしまいやんした> 257 00:25:41,260 --> 00:25:45,964 四方の備え 怠るでないぞ。 258 00:25:45,964 --> 00:25:49,051 (御楯)はっ! 恐らく 向こうは➡ 259 00:25:49,051 --> 00:25:53,021 我らの隙を突いて 少数で攻めてくる。 260 00:25:53,021 --> 00:25:57,559 だが こたびは つきあうつもりはない。 261 00:25:57,559 --> 00:26:00,596 一気に 勝負をつける。 262 00:26:00,596 --> 00:26:04,833 ≪(兵)敵襲! 敵襲にございます! 263 00:26:04,833 --> 00:26:08,833 西の栗駒山の方角からに ございます! 264 00:26:10,889 --> 00:26:12,925 (兵)敵襲! 265 00:26:12,925 --> 00:26:42,025 ♬~ 266 00:26:45,007 --> 00:26:47,207 阿弖流為! 267 00:26:49,494 --> 00:26:54,294 古天奈が 先陣を切って…。 268 00:27:05,194 --> 00:27:13,552 今頃 向こうで 波奴志己と にぎやかにやってるぞ。 269 00:27:13,552 --> 00:27:18,357 (兵)阿弖流為! 山火事じゃ! 270 00:27:18,357 --> 00:27:25,564 ♬~ 271 00:27:25,564 --> 00:27:27,866 火じゃ! 272 00:27:27,866 --> 00:27:32,671 田村麻呂め 山に 火を! 273 00:27:32,671 --> 00:27:40,562 ♬~ 274 00:27:40,562 --> 00:27:43,398 山に 火を! 275 00:27:43,398 --> 00:28:04,386 ♬~ 276 00:28:04,386 --> 00:28:06,405 (兵1)行くぞ! 277 00:28:06,405 --> 00:28:09,491 (兵2)そ~れ! 278 00:28:09,491 --> 00:28:11,460 そ~れ! 279 00:28:11,460 --> 00:28:22,638 (兵達)そ~れ! そ~れ! そ~れ! そ~れ!➡ 280 00:28:22,638 --> 00:28:27,025 おう! おう! おう! 281 00:28:27,025 --> 00:28:29,325 ♬~ 282 00:28:42,991 --> 00:28:45,691 おいでなすったぞ。 283 00:28:49,531 --> 00:29:08,231 (太鼓の音) 284 00:29:10,285 --> 00:29:13,922 行くか。 285 00:29:13,922 --> 00:29:15,891 行こう。 286 00:29:15,891 --> 00:29:20,312 ♬~ 287 00:29:20,312 --> 00:29:22,381 行くぞ! 288 00:29:22,381 --> 00:29:24,499 (一同)おう! 289 00:29:24,499 --> 00:29:46,021 ♬~ 290 00:29:46,021 --> 00:29:48,724 田村麻呂! 291 00:29:48,724 --> 00:29:55,097 ♬~ 292 00:29:55,097 --> 00:30:01,720 殺すな! 先頭の2人 殺すな! 293 00:30:01,720 --> 00:30:10,620 ♬~ 294 00:30:24,626 --> 00:30:28,930 田村麻呂は 何をたくらんでおる? 295 00:30:28,930 --> 00:30:33,735 どうせ ヤマトに 都合のいい事ばかりだ。 296 00:30:33,735 --> 00:30:37,022 (馬のいななき) 297 00:30:37,022 --> 00:30:42,394 降伏しろ 阿弖流為 母礼。 298 00:30:42,394 --> 00:30:49,394 生きて 蝦夷を束ね ヤマトに 力を貸せ! 299 00:30:58,427 --> 00:31:01,827 「蝦夷を束ねよ」と? 300 00:31:03,915 --> 00:31:11,389 母礼 ワらは 束ねた事が 過ちであったとは思わぬか? 301 00:31:11,389 --> 00:31:18,830 一つにまとまらぬものを まとめようとした ヤマトのように。 302 00:31:18,830 --> 00:31:25,670 しかし 他に やりようがなかった。 303 00:31:25,670 --> 00:31:30,625 ♬~ 304 00:31:30,625 --> 00:31:32,727 そうだ。 305 00:31:32,727 --> 00:31:42,103 ♬~ 306 00:31:42,103 --> 00:31:45,757 空の神様が笑っておるぞ。 307 00:31:45,757 --> 00:31:54,082 ♬~ 308 00:31:54,082 --> 00:32:01,756 「所詮 ナらは小さい。 考えの浅い愚か者よ」と。 309 00:32:01,756 --> 00:32:20,756 ♬~ 310 00:32:22,761 --> 00:32:28,366 <3度の戦いで ようやく 胆沢を制圧したヤマトは➡ 311 00:32:28,366 --> 00:32:33,822 翌年 日高見川と胆沢川の合流地点に➡ 312 00:32:33,822 --> 00:32:39,122 念願の胆沢城を造り始めました> 313 00:32:49,521 --> 00:32:56,628 やっと会えましたな 坂上田村麻呂様。 314 00:32:56,628 --> 00:33:01,666 ワらは 戦いを終えたいと 参りました。 315 00:33:01,666 --> 00:33:04,686 そうか。 316 00:33:04,686 --> 00:33:08,523 もう ヤマトには 刃向かわぬと申すのだな? 317 00:33:08,523 --> 00:33:14,696 田村麻呂様 間違ってもらっては困るが➡ 318 00:33:14,696 --> 00:33:19,184 ワらは 決して ヤマトに屈した訳ではない。 319 00:33:19,184 --> 00:33:26,424 ナが 山に火を放ち 森を焼き➡ 320 00:33:26,424 --> 00:33:31,524 そのナの恐ろしい策を 止める手だてを知らぬ故。 321 00:33:34,399 --> 00:33:41,089 ワらが刀を捨てれば 山は助かる。 322 00:33:41,089 --> 00:33:45,093 森は救われる。 323 00:33:45,093 --> 00:33:47,112 負け惜しみにしか 聞こえぬが。 324 00:33:47,112 --> 00:33:49,114 否! 325 00:33:49,114 --> 00:33:51,316 ♬~ 326 00:33:51,316 --> 00:33:54,116 負け惜しみにあらず。 327 00:33:56,888 --> 00:34:03,288 母礼。 このお人に言うても分からぬ。 328 00:34:05,263 --> 00:34:07,299 ヤマトだ。 329 00:34:07,299 --> 00:34:11,286 ♬~ 330 00:34:11,286 --> 00:34:15,523 ワらは おとなしく 戦いをやめた。 331 00:34:15,523 --> 00:34:21,930 その褒美に 都へ連れていってはくれぬか? 332 00:34:21,930 --> 00:34:25,033 ♬~ 333 00:34:25,033 --> 00:34:31,456 ミカドとやらに会って よく話がしたい。 334 00:34:31,456 --> 00:34:39,130 ♬~ 335 00:34:39,130 --> 00:34:42,467 世にも恐ろしい蝦夷じゃ! 336 00:34:42,467 --> 00:34:45,704 ワの顔を しっかり見てみろ! 337 00:34:45,704 --> 00:34:54,262 ♬~ 338 00:34:54,262 --> 00:34:57,532 ならぬぞ 田村麻呂。➡ 339 00:34:57,532 --> 00:35:00,151 いかに そちの頼みとはいえ➡ 340 00:35:00,151 --> 00:35:06,691 阿弖流為どもの縛を解くとは 愚かな話じゃ。 341 00:35:06,691 --> 00:35:11,546 阿弖流為 母礼の 人に優れた器量を➡ 342 00:35:11,546 --> 00:35:14,649 これからの蝦夷平定に 役立てられぬかと。 343 00:35:14,649 --> 00:35:17,569 それゆえ 2人を 生け捕りにしました。 344 00:35:17,569 --> 00:35:21,089 よう聞け 田村麻呂。 345 00:35:21,089 --> 00:35:25,460 蝦夷平定は 朕が行う。 346 00:35:25,460 --> 00:35:31,766 この国の土地も民も 全て 朕の手の中にある。 347 00:35:31,766 --> 00:35:37,055 逆らう者は その首をはねる! 348 00:35:37,055 --> 00:35:47,455 田村麻呂 朕に逆らうなら その首も落とすが よいか? 349 00:36:06,985 --> 00:36:12,624 ミカドは 間近で 蝦夷を 見てみたいと言われたであろう? 350 00:36:12,624 --> 00:36:17,562 いや 取りつく島がない。 351 00:36:17,562 --> 00:36:19,862 代わりに聞こう。 352 00:36:26,554 --> 00:36:30,854 ワらを 何故 憎むか 聞きたかった。 353 00:36:45,824 --> 00:36:48,524 何故 憎む? 354 00:36:50,728 --> 00:36:53,528 何故 殺す!? 355 00:37:00,722 --> 00:37:03,422 同じ人ぞ。 356 00:37:06,194 --> 00:37:08,194 同じ…。 357 00:37:11,349 --> 00:37:13,949 人間ぞ。 358 00:37:19,290 --> 00:37:21,609 聞いておこう。 359 00:37:21,609 --> 00:37:25,930 ♬~ 360 00:37:25,930 --> 00:37:28,733 答えは いつじゃ? 361 00:37:28,733 --> 00:37:41,362 ♬~ 362 00:37:41,362 --> 00:37:46,835 <阿弖流為と母礼は 新しい都では処刑されず➡ 363 00:37:46,835 --> 00:37:53,157 河内国 植山に 連れていかれたそうだ> 364 00:37:53,157 --> 00:37:57,161 ♬~ 365 00:37:57,161 --> 00:38:03,017 母礼 生きてるかな? 366 00:38:03,017 --> 00:38:05,436 ♬~ 367 00:38:05,436 --> 00:38:09,457 なんとかな。 368 00:38:09,457 --> 00:38:13,211 ワは ナに貸しがあるぞ。 369 00:38:13,211 --> 00:38:21,686 ♬~ 370 00:38:21,686 --> 00:38:27,842 ワの命 救うてくれ。 371 00:38:27,842 --> 00:38:35,550 許せ。 助けとうても 動けぬ。 372 00:38:35,550 --> 00:38:41,890 ♬~ 373 00:38:41,890 --> 00:38:44,392 しかたない。 374 00:38:44,392 --> 00:38:47,395 ♬~ 375 00:38:47,395 --> 00:38:50,832 あの世で返してもらうか。 376 00:38:50,832 --> 00:39:15,039 ♬~ 377 00:39:15,039 --> 00:39:17,075 母礼。 378 00:39:17,075 --> 00:39:20,495 ♬~ 379 00:39:20,495 --> 00:39:22,981 虹だ。 380 00:39:22,981 --> 00:39:30,922 ♬~ 381 00:39:30,922 --> 00:39:34,626 きれいな虹だ。 382 00:39:34,626 --> 00:39:56,848 ♬~ 383 00:39:56,848 --> 00:40:02,253 (タキ)ああ… それから 3年たって➡ 384 00:40:02,253 --> 00:40:12,997 お金がかかるという事で 天皇様は 蝦夷討伐をやめにしたのす。 385 00:40:12,997 --> 00:40:16,150 (水樹)おばあちゃん。 386 00:40:16,150 --> 00:40:25,209 北へ… 津軽へ行った人達は また 戻ってきたの? 387 00:40:25,209 --> 00:40:31,983 胆沢の大墓に帰れたの? 388 00:40:31,983 --> 00:40:37,383 さあ 何も分からね。 389 00:40:39,323 --> 00:40:42,627 「続日本紀」にも➡ 390 00:40:42,627 --> 00:40:52,253 「日本後紀」にも 何も書かれてねえ。 391 00:40:52,253 --> 00:40:54,322 (女1)おめでとう。 (女2)おめでとうございましたね。 392 00:40:54,322 --> 00:40:57,959 あっ 先生。 393 00:40:57,959 --> 00:41:01,229 こったに上等な物 頂いて。 394 00:41:01,229 --> 00:41:05,199 おばあちゃん 胆沢に行くんだって? 395 00:41:05,199 --> 00:41:09,537 はい 娘のとこさ。 396 00:41:09,537 --> 00:41:12,056 よかったね。 397 00:41:12,056 --> 00:41:14,826 はい。 398 00:41:14,826 --> 00:41:17,779 じゃ 失礼します。 399 00:41:17,779 --> 00:41:19,779 行こう。 400 00:41:47,925 --> 00:41:51,028 ♬~ 401 00:41:51,028 --> 00:41:58,202 (タキ)「東京の先生へ。 プレゼントのお返しです。➡ 402 00:41:58,202 --> 00:42:03,357 この話 誰かさ 話してくれ。➡ 403 00:42:03,357 --> 00:42:08,096 その誰かが また 別の誰かさ…」。 404 00:42:08,096 --> 00:42:20,091 「有名人になったら 阿弖流為も母礼も 大喜びだ」。 405 00:42:20,091 --> 00:42:55,291 ♬~