1 00:01:22,161 --> 00:01:23,029 2 00:01:23,029 --> 00:01:32,038 ・~ 3 00:01:32,038 --> 00:01:35,041 (ナレーター) <慶長20年5月 大坂夏の陣> 4 00:01:35,041 --> 00:01:39,045 <秀頼と淀君の死によって 豊臣家は滅亡した> 5 00:01:39,045 --> 00:01:44,050 <天下分け目の関ヶ原の合戦以来 実に15年の歳月を経て・ 6 00:01:44,050 --> 00:01:48,054 ようやく 徳川の世が定まったのである> 7 00:01:48,054 --> 00:01:51,057 <この成功を 誰よりも喜んでいるのが・ 8 00:01:51,057 --> 00:01:53,059 2代将軍 秀忠である> 9 00:01:53,059 --> 00:01:57,063 <これで もう 父 家康の威光を借りることなく・ 10 00:01:57,063 --> 00:02:00,066 名実ともに 天下の実権をこの手に握れる> 11 00:02:00,066 --> 00:02:02,068 <残る仕事は 1日も早く・ 12 00:02:02,068 --> 00:02:05,071 用済みとなった影武者を 消すだけだ> 13 00:02:05,071 --> 00:02:09,075 <影武者 徳川家康の 任務は終わった> 14 00:02:09,075 --> 00:02:12,078 <今 世良田二郎三郎の 願うところは かつて・ 15 00:02:12,078 --> 00:02:17,083 「道々の者」として さすらった昔の あの自由への回帰である> 16 00:02:17,083 --> 00:02:20,086 <だが 15年 大御所として 天下の頂点に立った身に・ 17 00:02:20,086 --> 00:02:23,022 それは もはや かなわぬ夢であることを・ 18 00:02:23,022 --> 00:02:27,026 この男自身が 誰よりも よく知っている> 19 00:02:27,026 --> 00:02:32,031 ♪(能楽囃子) 20 00:02:32,031 --> 00:02:48,047 ♪~ 21 00:02:48,047 --> 00:02:50,049 <二郎三郎には 家康が残した・ 22 00:02:50,049 --> 00:02:54,053 側室 お万の方との間に生まれた 2人の子供がある> 23 00:02:54,053 --> 00:02:57,056 <のちの紀伊藩主 頼宣 この年 14歳> 24 00:02:57,056 --> 00:03:01,060 <水戸藩主 頼房 13歳> 25 00:03:01,060 --> 00:03:12,071 ♪~ 26 00:03:12,071 --> 00:03:22,071 ♪~ 27 00:03:24,016 --> 00:03:28,020 (二郎三郎)眠れないのか? 28 00:03:28,020 --> 00:03:33,025 (お梶)頼宣さまと 頼房さまのことが気がかりで… 29 00:03:33,025 --> 00:03:39,031 そなたの子ではないのに でも あなたさまのお子 30 00:03:39,031 --> 00:03:44,036 お梶は 実の子のように育ててくれた 31 00:03:44,036 --> 00:03:48,040 お2人は どうなるのでしょうか? 32 00:03:48,040 --> 00:03:55,047 これまでは 家康の殿のお子として 遇されてきましたが・ 33 00:03:55,047 --> 00:03:57,047 これから先は… 34 00:03:59,051 --> 00:04:05,057 秀忠さまが そのまま お続けになるとは思えませぬ 35 00:04:05,057 --> 00:04:08,060 そうでございましょう? 36 00:04:08,060 --> 00:04:17,069 ・~ 37 00:04:17,069 --> 00:04:23,009 2人の子のこと よく聞いてくれた 38 00:04:23,009 --> 00:04:28,014 わしとて このまま 成り行きに任せるつもりはない 39 00:04:28,014 --> 00:04:31,017 何か手だてが? 40 00:04:31,017 --> 00:04:38,024 難しいが やってみる いや やらねばならん 41 00:04:38,024 --> 00:04:42,028 ・(六郎)緊急にお知らせが 42 00:04:42,028 --> 00:04:44,028 六郎か 入れ 43 00:04:46,032 --> 00:04:49,035 よほどのことだな? 44 00:04:49,035 --> 00:04:52,038 (六郎) 忠輝さまが江戸城に召されます 45 00:04:52,038 --> 00:04:54,040 何ゆえに? 46 00:04:54,040 --> 00:04:59,045 大坂攻めの折 戦をお避けになったとか 47 00:04:59,045 --> 00:05:04,050 忠輝の手勢は 華々しい手柄を立てているぞ 48 00:05:04,050 --> 00:05:07,053 ご本人は動かれなかったそうで 49 00:05:07,053 --> 00:05:10,056 そうか… 50 00:05:10,056 --> 00:05:15,061 秀頼どのとの不戦の誓いを 守ったのだな 51 00:05:15,061 --> 00:05:19,065 秀忠さまは 証拠を押さえられたようです 52 00:05:19,065 --> 00:05:23,002 (お梶)忠輝さまは おとがめをこうむるのですか? 53 00:05:23,002 --> 00:05:27,006 いかに将軍家の弟君でも 戦を避けたとなると… 54 00:05:27,006 --> 00:05:29,008 まず切腹は免れまい 55 00:05:29,008 --> 00:05:35,014 えっ・ 切腹… 56 00:05:35,014 --> 00:05:37,014 江戸へたつ 支度を! 57 00:05:43,022 --> 00:05:46,025 (秀忠)戦場に出なかったことは 事実なのだな? 58 00:05:46,025 --> 00:05:48,027 (忠輝)はい 59 00:05:48,027 --> 00:05:51,030 (秀忠)陣中で 大将が戦を避けた 60 00:05:51,030 --> 00:05:55,034 それが いかなる罪か そのほう 分かっておるのか? 61 00:05:55,034 --> 00:05:59,038 (忠輝) 首打たれても しかたありません 62 00:05:59,038 --> 00:06:04,043 (秀忠) よし! 分かった 追って沙汰する 63 00:06:04,043 --> 00:06:06,043 待てい! 64 00:06:09,048 --> 00:06:11,048 下がれ! 65 00:06:13,052 --> 00:06:17,052 忠輝の処分は わしが今 この場で下す 66 00:06:19,058 --> 00:06:21,994 忠輝は勘当 67 00:06:21,994 --> 00:06:25,998 武蔵 深谷において 蟄居 謹慎を命ずる 68 00:06:25,998 --> 00:06:28,000 (忠輝)ははっ! 69 00:06:28,000 --> 00:06:30,002 (宗矩)それは あまりに… 「あまりに」どうした? 70 00:06:30,002 --> 00:06:32,004 (秀忠)軽すぎる! 71 00:06:32,004 --> 00:06:36,008 軽すぎる… 軽すぎる! 72 00:06:36,008 --> 00:06:41,008 何と思おうと わしが下した処分を 変更することは許さん 73 00:06:44,016 --> 00:06:50,022 ついでに言っておくが 勘当は いつでも解くことができる 74 00:06:50,022 --> 00:06:56,028 天下が 忠輝を必要とする時が来ればな 75 00:06:56,028 --> 00:06:58,028 のう? 正信 76 00:07:03,035 --> 00:07:05,037 (正信)戸を閉めろ 77 00:07:05,037 --> 00:07:16,048 ・~ 78 00:07:16,048 --> 00:07:21,053 (正信)これ以上は待てない! 79 00:07:21,053 --> 00:07:23,989 影武者の任務は終わった 80 00:07:23,989 --> 00:07:29,995 今の徳川家にとっては… 有害無益な存在なのだ 81 00:07:29,995 --> 00:07:31,997 (正純)しかし どうやって… 82 00:07:31,997 --> 00:07:40,005 どうやって幕を引くか それだけを考えている 83 00:07:40,005 --> 00:07:43,008 (正純)たやすく 始末できる相手ではありません 84 00:07:43,008 --> 00:07:46,011 周りにも したたかな取り巻きが 85 00:07:46,011 --> 00:07:51,016 (おふう)あっ やはり こちらに (お梶)フフッ… 86 00:07:51,016 --> 00:07:55,020 どうして分かった? (お梶)おふうが申しました 87 00:07:55,020 --> 00:08:00,025 大御所さまが このお城の中で ひとりになれる場所は 多分ここと 88 00:08:00,025 --> 00:08:07,032 空を眺めるには ここがいちばんだ 「白雲 悠々 去り また来たる」 89 00:08:07,032 --> 00:08:09,034 (お梶) 何を考えていらっしゃいました? 90 00:08:09,034 --> 00:08:14,034 何も そなたらも じっと空を見るがよい 91 00:08:21,046 --> 00:08:22,982 (斬る音) 92 00:08:22,982 --> 00:08:25,985 (刺客)ターッ! ンンッ! 93 00:08:25,985 --> 00:08:27,985 エイッ! (斬る音) 94 00:08:29,989 --> 00:08:33,993 ご城内にまで刺客が… (おふう)裏柳生の者です 95 00:08:33,993 --> 00:08:35,995 もはや はばかる所なしということか 96 00:08:35,995 --> 00:08:38,998 秀忠さまに厳重な抗議を 無駄だよ 97 00:08:38,998 --> 00:08:42,001 「豊臣の残党の仕業」で 全て片がつく 98 00:08:42,001 --> 00:08:45,004 やめなければ お身代わりの真相を 天下に明かすと 99 00:08:45,004 --> 00:08:49,008 それはできん 脅しには使えるが 明かせることではない 100 00:08:49,008 --> 00:08:54,013 なぜ できませぬ? 影武者の信義にもとるからだよ 101 00:08:54,013 --> 00:08:57,016 お命を奪おうとする相手に 信義など 102 00:08:57,016 --> 00:09:02,021 わしが身代わりの約束をしたのは 秀忠どのではない 家康さまだ 103 00:09:02,021 --> 00:09:07,021 家康の殿は もう この世におわしませぬ 104 00:09:31,984 --> 00:09:35,988 (いびき) 105 00:09:35,988 --> 00:09:37,990 (たたく音) 106 00:09:37,990 --> 00:09:39,992 (市郎兵衛)うん? ンン… 107 00:09:39,992 --> 00:09:41,994 (あくび) 108 00:09:41,994 --> 00:09:44,997 (うめき声) 109 00:09:44,997 --> 00:09:48,000 (市郎兵衛) アア… ま… 待ってくれ! 110 00:09:48,000 --> 00:09:51,003 アア… おい ウワッ! 111 00:09:51,003 --> 00:09:55,003 ここは… ここは どこなんだよ・ おい 112 00:09:57,009 --> 00:10:00,012 (市郎兵衛)ウワーッ! (風斎)頼みたいことがある 113 00:10:00,012 --> 00:10:03,012 おとなしく 体を洗って着替えてくれ 114 00:10:06,018 --> 00:10:08,020 立て 115 00:10:08,020 --> 00:10:12,024 ウウッ… アア… 116 00:10:12,024 --> 00:10:15,024 (おふう)お持ちしました 117 00:10:53,999 --> 00:10:56,001 いかがでしょう? 118 00:10:56,001 --> 00:11:02,007 見たところは そっくり でも… 119 00:11:02,007 --> 00:11:05,010 あれでは とても 大御所さまのお身代わりは… 120 00:11:05,010 --> 00:11:09,014 仕込みます 仕込んで 人が変わるものでは 121 00:11:09,014 --> 00:11:11,016 そこまでは望んでいません 122 00:11:11,016 --> 00:11:15,020 変わらずに 影武者が務まりますか? 123 00:11:15,020 --> 00:11:18,023 わしの影武者? 124 00:11:18,023 --> 00:11:21,026 影武者の影武者… 面白い趣向と思われませんか? 125 00:11:21,026 --> 00:11:23,028 似ている男がいたのか? 126 00:11:23,028 --> 00:11:27,032 お梶の方さまさえ 見分けがつきません 127 00:11:27,032 --> 00:11:30,035 影武者は人形ではない 128 00:11:30,035 --> 00:11:33,038 これでも なかなかに難しい仕事だぞ 129 00:11:33,038 --> 00:11:36,041 そこは 先輩としてご指導を 130 00:11:36,041 --> 00:11:43,048 先輩か ハハハハッ… 違いない ハハハハッ… 131 00:11:43,048 --> 00:11:46,051 何を考えている? はぁ? 132 00:11:46,051 --> 00:11:52,057 お前が 殊更 冗談を言うのは 恐ろしいことを考えているときだ 133 00:11:52,057 --> 00:11:56,057 とにかく ご引見のほどを 134 00:12:00,065 --> 00:12:02,065 5歩前へ 135 00:12:08,073 --> 00:12:11,076 右を見よ 136 00:12:11,076 --> 00:12:13,076 前進! 137 00:12:18,083 --> 00:12:20,085 止まれ! 138 00:12:20,085 --> 00:12:23,022 (風斎)戦に加わったことは? 139 00:12:23,022 --> 00:12:28,027 (市郎兵衛)ございません 戦は怖くて逃げ回っておりました 140 00:12:28,027 --> 00:12:31,030 名は? 原田市郎兵衛… 141 00:12:31,030 --> 00:12:35,034 違う! あっ… 徳川家康… 142 00:12:35,034 --> 00:12:39,038 大きな声で! 徳川家康 143 00:12:39,038 --> 00:12:44,043 腹から! 徳川家康 144 00:12:44,043 --> 00:12:47,046 堂々と! 145 00:12:47,046 --> 00:12:50,049 徳川家康! 146 00:12:50,049 --> 00:12:52,049 中を見よ 147 00:13:00,059 --> 00:13:05,064 ハハハッ… 気に入った ハハハハッ… 148 00:13:05,064 --> 00:13:09,068 どこから連れてきた? 丸子川の河原から 149 00:13:09,068 --> 00:13:13,072 そこへ戻してやれ はぁ? 150 00:13:13,072 --> 00:13:15,074 お用いにならないのですか? 151 00:13:15,074 --> 00:13:19,078 「気に入った」と おっしゃいました 「よい男を連れてきてくれた」とも 152 00:13:19,078 --> 00:13:25,017 そのとおりだ おかげで わしも迷いが吹っ切れた 153 00:13:25,017 --> 00:13:27,019 迷い? 154 00:13:27,019 --> 00:13:32,024 六郎は わしの身代わりで殺す気で あの男を連れてきた 違うか? 155 00:13:32,024 --> 00:13:37,029 影武者とは そのためのものです わしも一瞬 その気になったよ 156 00:13:37,029 --> 00:13:42,034 だが あの男と話して それは誤りと気がついた 157 00:13:42,034 --> 00:13:47,039 あの男が わし同様 しぶとく 生き残ろうとする人物ならば・ 158 00:13:47,039 --> 00:13:51,043 影武者として用いるもよかろう だが あれは… 159 00:13:51,043 --> 00:13:54,046 だらだらと生きたいだけの男です この厳しい世に 160 00:13:54,046 --> 00:13:57,049 「生きる値打ちがない」と 言えるか? 161 00:13:57,049 --> 00:14:00,052 「殺してもよい」と言えるか? 162 00:14:00,052 --> 00:14:04,056 私は 家康の殿を この手で殺しました 163 00:14:04,056 --> 00:14:07,059 そのほかにも数知れず 164 00:14:07,059 --> 00:14:10,062 わしも 殺したことがないとは言えん 165 00:14:10,062 --> 00:14:14,066 だが それは敵として戦った相手だ お前も そうだろう 166 00:14:14,066 --> 00:14:20,072 (風斎)苦しまずに自然に死ぬ そういう殺し方もございます 167 00:14:20,072 --> 00:14:22,007 あの男をその手で殺し・ 168 00:14:22,007 --> 00:14:26,011 徳川家康は 大往生ということにするのか? 169 00:14:26,011 --> 00:14:33,018 はい そして世良田二郎三郎どのは 元の道に戻られる 170 00:14:33,018 --> 00:14:38,023 私もお供をいたします お梶までが? 171 00:14:38,023 --> 00:14:42,027 お身代わりが死ぬことに 心が痛まぬわけはありませぬ 172 00:14:42,027 --> 00:14:47,027 でも それが 生き残りの唯一の道とあれば 173 00:14:49,034 --> 00:14:52,037 皆の気持ちは ありがたいと思う 174 00:14:52,037 --> 00:14:58,043 わしとて 徳川家康の首枷を断ち切って・ 175 00:14:58,043 --> 00:15:00,045 死ぬ前に もう一度・ 176 00:15:00,045 --> 00:15:05,050 若き日の あの気ままな暮らしに 戻れるならば… 177 00:15:05,050 --> 00:15:11,050 だが できぬ… そのために 罪なき者の命を縮めることは 178 00:15:13,058 --> 00:15:16,061 それに どうしても断ち切れない枷もある 179 00:15:16,061 --> 00:15:20,065 わしひとり解放されても 2人の子供がいる 180 00:15:20,065 --> 00:15:24,002 (おふう)頼宣さまと頼房さまは 風魔一族がお守りいたします 181 00:15:24,002 --> 00:15:28,006 わしが消えたあとでは それも ままなるまい 182 00:15:28,006 --> 00:15:30,008 2人のお子さまについては・ 183 00:15:30,008 --> 00:15:32,010 「成り行きに 任せるつもりはない」と 184 00:15:32,010 --> 00:15:37,015 言った 将来にわたる安全を 確保するつもりだ 185 00:15:37,015 --> 00:15:42,015 そのためにも わしは消えるわけにはいかん 186 00:15:45,023 --> 00:15:47,025 (秀忠)忠輝は何をしている? 187 00:15:47,025 --> 00:15:51,029 (宗矩)深谷城に ご正室 五郎八姫さまほか・ 188 00:15:51,029 --> 00:15:56,034 10人ほどの僅かな家来と共に お移りになられました 189 00:15:56,034 --> 00:15:58,036 (秀忠)どんな城だ? 190 00:15:58,036 --> 00:16:01,039 (宗矩)陣屋に毛の生えた程度の 小城にございます 191 00:16:01,039 --> 00:16:04,042 (秀忠) そこで 毎日 何をしている? 192 00:16:04,042 --> 00:16:09,047 (宗矩)山で薬草を採ったり 病人を診たりなされているようで 193 00:16:09,047 --> 00:16:12,050 また医者の真似か (宗矩)はぁ? 194 00:16:12,050 --> 00:16:15,053 気に入らんな 195 00:16:15,053 --> 00:16:18,056 江戸 浅草の診療所でも・ 196 00:16:18,056 --> 00:16:21,994 あやつは たちまち 人気を集めた (宗矩)はい 197 00:16:21,994 --> 00:16:24,997 その評判が諸大名に伝わり 198 00:16:24,997 --> 00:16:31,003 「さすがは 名君 家康公の御子」と 称賛された (宗矩)はい 199 00:16:31,003 --> 00:16:37,009 五郎八姫の父は伊達政宗 それらが結べば・ 200 00:16:37,009 --> 00:16:41,013 余にとっては 油断のならぬ 存在となろう (宗矩)御意 201 00:16:41,013 --> 00:16:45,017 (五郎八姫)忠輝さま! (忠輝)急げ 五郎八! ハハッ! 202 00:16:45,017 --> 00:16:50,017 お待ちください あっ! (忠輝)どうした? 203 00:16:56,028 --> 00:16:58,028 あら? あれは… 204 00:17:00,032 --> 00:17:04,036 (女性)お父っつぁん! しっかりして お父っつぁん! 205 00:17:04,036 --> 00:17:08,036 (忠輝)どうした? 大丈夫か? 206 00:17:10,042 --> 00:17:12,044 (刺す音) (忠輝)ウワッ! 207 00:17:12,044 --> 00:17:21,987 ・~ 208 00:17:21,987 --> 00:17:23,987 (爆発音) 209 00:17:26,992 --> 00:17:28,994 そなたは 確か青蛙の… (藤左)藤左 210 00:17:28,994 --> 00:17:31,997 フランシスコの 信心組にございます 211 00:17:31,997 --> 00:17:33,999 切支丹の間では知られたお人です 212 00:17:33,999 --> 00:17:37,002 (忠輝)切支丹の忍びとは珍しいな おかげで助かったよ 213 00:17:37,002 --> 00:17:39,004 (藤左)さあ 214 00:17:39,004 --> 00:17:45,010 (藤左)国外追放になったバテレン ソテーロさまが申されました 215 00:17:45,010 --> 00:17:50,015 忠輝さまは 日本の切支丹の希望の星と 216 00:17:50,015 --> 00:17:55,020 買いかぶりだよ わしは信者ではないし… 217 00:17:55,020 --> 00:17:57,022 領内の切支丹の 取り締まりもした 218 00:17:57,022 --> 00:18:02,027 (藤左)しかし 奥方さまの 信仰は許しておられます 219 00:18:02,027 --> 00:18:04,029 当たり前じゃないか 220 00:18:04,029 --> 00:18:07,032 ひそかな信心まで 禁じることなど・ 221 00:18:07,032 --> 00:18:10,035 誰にもできはしない 222 00:18:10,035 --> 00:18:17,042 ・~ 223 00:18:17,042 --> 00:18:21,980 (五郎八姫)藤左どのは 忠輝さまに 何をお望みなのですか? 224 00:18:21,980 --> 00:18:26,985 全国に散らばっている 隠れ切支丹の束ねを 225 00:18:26,985 --> 00:18:28,987 (忠輝)隠れ切支丹? 226 00:18:28,987 --> 00:18:35,994 御公儀の厳しい取り締まりで 表面は転んだ多数の者たちも・ 227 00:18:35,994 --> 00:18:39,998 決して信仰は捨ててはおりませぬ 228 00:18:39,998 --> 00:18:44,002 その数 ざっと70万 229 00:18:44,002 --> 00:18:48,006 (忠輝)大坂城に籠もった 1万5000の切支丹武士も・ 230 00:18:48,006 --> 00:18:51,009 落城後 地下に潜ったようだな 231 00:18:51,009 --> 00:18:56,014 (藤左)その者たちを中心に 弾圧と戦う動きもございます 232 00:18:56,014 --> 00:18:58,016 (三九郎)蜂起か! 233 00:18:58,016 --> 00:19:05,023 (藤左)強硬派は 忠輝さまを 総大将にいただきたいと 234 00:19:05,023 --> 00:19:11,029 (忠輝)1万5000の 武士を中心に 70万の信者か 235 00:19:11,029 --> 00:19:14,032 面白い 公儀も てこずることだろう 236 00:19:14,032 --> 00:19:17,035 ・(五郎八姫) おやりになるおつもりですか? 237 00:19:17,035 --> 00:19:20,038 ・(忠輝) 兄上の鼻を明かしてやりたい気が しないでもないが・ 238 00:19:20,038 --> 00:19:23,975 勝ち目はないな 人数だけでは戦はできぬ 239 00:19:23,975 --> 00:19:25,977 ・(藤左)ほかに何が? 240 00:19:25,977 --> 00:19:30,982 ・(忠輝) 金だよ 70万人が戦うには・ 241 00:19:30,982 --> 00:19:33,985 100万両は要る (藤左)100万両… 242 00:19:33,985 --> 00:19:37,985 弾圧されてる切支丹には 無理な注文だろう 243 00:19:39,991 --> 00:19:42,991 蜂起は 夢と言うほかはない 244 00:19:46,998 --> 00:19:51,002 (家臣) 曲者だ! 曲者だ! 曲者だ! 245 00:19:51,002 --> 00:19:53,002 (家臣)待て! 246 00:19:56,007 --> 00:19:58,007 (家臣たち)アアーッ! 247 00:20:02,013 --> 00:20:04,015 (家臣)待てい! 248 00:20:04,015 --> 00:20:09,020 ・~ 249 00:20:09,020 --> 00:20:11,020 (家臣)この! 250 00:20:13,024 --> 00:20:17,028 (家臣)オオッ! (風斎)待て! わしにお任せを 251 00:20:17,028 --> 00:20:20,028 大坂城で死んだのでは… 252 00:20:21,967 --> 00:20:26,972 青蛙の藤左! 下りてこい 253 00:20:26,972 --> 00:20:29,975 (風斎)何しに来た? (藤左)金の無心よ 254 00:20:29,975 --> 00:20:34,980 金? いくらじゃ? (藤左)100万両 255 00:20:34,980 --> 00:20:38,984 大きく出たな 何に使う? 256 00:20:38,984 --> 00:20:41,987 忠輝さまの軍資金にする 257 00:20:41,987 --> 00:20:44,990 切支丹が忠輝さまを担ぐのか? 258 00:20:44,990 --> 00:20:48,994 (藤左)大御所さまは 支えてくださるのではないか? 259 00:20:48,994 --> 00:20:52,998 (風斎)う~ん… 面白いな 260 00:20:52,998 --> 00:20:55,000 面白すぎます 261 00:20:55,000 --> 00:20:58,003 大御所さまは乗らないでしょう (藤左)なぜだ? 262 00:20:58,003 --> 00:21:01,006 天下の大乱を 望んでおられないからだ 263 00:21:01,006 --> 00:21:04,006 一応 お話は しとくがね 264 00:21:09,014 --> 00:21:13,014 (正純)切支丹の忍びが 何ゆえ この駿府城に? 265 00:21:15,020 --> 00:21:21,026 (正信)風魔の風斎と話したのか? (正純)はい 266 00:21:21,026 --> 00:21:28,033 (正信)風魔… 切支丹… 大御所… 267 00:21:28,033 --> 00:21:31,033 世良田二郎三郎… 268 00:21:33,038 --> 00:21:38,043 う~む… (正純)父上! 269 00:21:38,043 --> 00:21:41,046 (正信)再来だ! 270 00:21:41,046 --> 00:21:46,051 百年の長きにわたって 領主を苦しめた反乱のな 271 00:21:46,051 --> 00:21:51,056 反乱とは? (正信)一向一揆だ 272 00:21:51,056 --> 00:21:59,056 二郎三郎は 若き日 門徒衆に加担して戦っていた 273 00:22:03,068 --> 00:22:09,074 二郎三郎は門徒ではないが 「百姓の国」の旗印には・ 274 00:22:09,074 --> 00:22:15,080 心の底から共鳴し 一揆を奮い立たせたものだ 275 00:22:15,080 --> 00:22:21,086 世良田二郎三郎が よみがえって 切支丹と結び付き・ 276 00:22:21,086 --> 00:22:27,025 それに風魔一族が加わったら… 277 00:22:27,025 --> 00:22:34,025 徳川家は 長き抵抗に苦しむことになる 278 00:22:36,034 --> 00:22:39,034 恐ろしい… 279 00:22:41,039 --> 00:22:47,039 考えただけでも恐ろしい 280 00:22:53,051 --> 00:22:56,051 (正信)世良田二郎三郎… 281 00:22:58,056 --> 00:23:02,056 そろそろ死んだら どうだ? 282 00:23:05,063 --> 00:23:09,067 「死ね」と言ってるんだ 二郎三郎 283 00:23:09,067 --> 00:23:13,071 おぬしの役割は終わった 284 00:23:13,071 --> 00:23:16,074 嫌だと言ったら? 285 00:23:16,074 --> 00:23:20,078 子供が死ぬ 286 00:23:20,078 --> 00:23:29,020 おぬしの実の息子2人 頼宣どのと頼房どのだ 287 00:23:29,020 --> 00:23:36,027 本多弥八郎正信 もうろくして わしが どういう男か忘れたか? 288 00:23:36,027 --> 00:23:38,029 なに? 289 00:23:38,029 --> 00:23:43,034 おぬしは今 わしを脅した それも 子供の命をだしにして 290 00:23:43,034 --> 00:23:50,041 わしが最も憎むやり方 正に秀忠どののやり口だ 291 00:23:50,041 --> 00:23:54,045 おぬしまでが 秀忠と ひとつになった 292 00:23:54,045 --> 00:23:58,049 これからの治世は さぞ陰惨なものになるだろう 293 00:23:58,049 --> 00:24:03,054 最後まで徳川家と 争えると思っているのか? 294 00:24:03,054 --> 00:24:07,058 やってみるさ どうせ死ぬ身に・ 295 00:24:07,058 --> 00:24:11,062 どれだけのことができるか 見ているがよい 296 00:24:11,062 --> 00:24:17,068 もう二度と話すこともないだろう 出ていってくれ 297 00:24:17,068 --> 00:24:24,008 ・~ 298 00:24:24,008 --> 00:24:26,010 出ていけ! 299 00:24:26,010 --> 00:24:39,010 ・~ 300 00:24:47,031 --> 00:24:51,035 (左近)今 駿府城に 金は いくらござるか? 301 00:24:51,035 --> 00:24:54,038 400万両 (左近)ふむ… 302 00:24:54,038 --> 00:25:01,045 その半分の200万両もあれば 十分 戦うことはできる 303 00:25:01,045 --> 00:25:06,050 戦を始めるのですか? (左近)すぐにではない 304 00:25:06,050 --> 00:25:11,055 10年後 20年後 いや 100年 200年後… 305 00:25:11,055 --> 00:25:14,058 必要なときには いつでもだ 306 00:25:14,058 --> 00:25:18,062 10年後としても わしは生きておりませんなぁ 307 00:25:18,062 --> 00:25:24,002 (左近)フフッ… ここにいる者が 皆 死に果てたのちもなお・ 308 00:25:24,002 --> 00:25:28,006 二郎三郎どのの 2人のお子の命が守られる 309 00:25:28,006 --> 00:25:31,009 その方策を 講じているのでござろう 310 00:25:31,009 --> 00:25:34,012 そのようなことが できるのでしょうか? 311 00:25:34,012 --> 00:25:41,019 できる 風魔の衆が 子々孫々 伝えていけばな 312 00:25:41,019 --> 00:25:44,022 分かりました 伝えましょう 313 00:25:44,022 --> 00:25:49,027 (おふう)小太郎も6歳 鉄砲の技は百発百中でございます 314 00:25:49,027 --> 00:25:51,029 さすがは左近の殿じゃ 315 00:25:51,029 --> 00:25:55,033 100年 200年先を 読んでおられる 316 00:25:55,033 --> 00:26:00,038 日本全国には 弾圧で地下に潜った 70万人の隠れ切支丹がいる 317 00:26:00,038 --> 00:26:05,043 それも味方に加えよう その束ねが忠輝どのですね 318 00:26:05,043 --> 00:26:09,047 200万両 風魔に預ける 引き受けてくれるかね? 319 00:26:09,047 --> 00:26:11,049 はい! 我ら一族に・ 320 00:26:11,049 --> 00:26:14,052 100年200年の 生きがいができ申した 321 00:26:14,052 --> 00:26:19,057 やがて 秀忠の風魔狩りが 激しく行われるだろうが… 322 00:26:19,057 --> 00:26:21,993 老人 女 子供たちは とうに散らしてあります 323 00:26:21,993 --> 00:26:24,996 お預かりする200万両と共に・ 324 00:26:24,996 --> 00:26:29,000 一族ことごとく 地下に潜りましょう 325 00:26:29,000 --> 00:26:48,019 ・~ 326 00:26:48,019 --> 00:26:51,019 ・(正純)何をしてるか・ 327 00:26:53,024 --> 00:26:57,024 大御所さまのお指図でござる 328 00:27:00,031 --> 00:27:04,035 あれはな 風魔にくれてやったのだ 329 00:27:04,035 --> 00:27:06,037 (正純) しかし あのおびただしい数は… 330 00:27:06,037 --> 00:27:11,042 200万両だ 風魔の働きを考えれば高くはない 331 00:27:11,042 --> 00:27:14,045 200万両… 332 00:27:14,045 --> 00:27:18,049 (正純)この目で数えましたところ 確かに200万両 333 00:27:18,049 --> 00:27:21,052 駿府城の御金蔵から 運び出されました 334 00:27:21,052 --> 00:27:24,989 (秀忠) かの者は 戦の支度を始めたか 335 00:27:24,989 --> 00:27:27,992 (正信)今 戦を始めれば・ 336 00:27:27,992 --> 00:27:32,997 お子たちもろとも 皆殺しになりましょう 337 00:27:32,997 --> 00:27:38,002 それが分からぬほど 愚かではありますまい 338 00:27:38,002 --> 00:27:42,006 (秀忠)では 何ゆえに200万両もの大金を? 339 00:27:42,006 --> 00:27:48,012 (正信)将来の戦に備えてとしか 思われませぬ 340 00:27:48,012 --> 00:27:50,014 (秀忠)将来の戦? 341 00:27:50,014 --> 00:27:56,020 (正信) 頼房さま 頼宣さまに異変があれば 342 00:27:56,020 --> 00:28:01,025 すぐにでも 戦うということでございましょう 343 00:28:01,025 --> 00:28:07,031 (宗矩)ともあれ 200万両を 押さえることが肝要かと 344 00:28:07,031 --> 00:28:10,034 (正信)行方は追ったのであろうな 345 00:28:10,034 --> 00:28:12,036 あとをつけさせましたところ・ 346 00:28:12,036 --> 00:28:16,040 箱根山中にて 忽然と見失った由にございます 347 00:28:16,040 --> 00:28:21,045 箱根? 箱根は風魔の根城でござる 348 00:28:21,045 --> 00:28:37,996 ・~ 349 00:28:37,996 --> 00:28:40,999 ・(鎧擦れの音) 350 00:28:40,999 --> 00:28:48,006 ・~ 351 00:28:48,006 --> 00:28:50,008 (正信)見つけたか? 352 00:28:50,008 --> 00:28:54,012 (宗矩)200万両は おろか 人っ子ひとり見当たりません 353 00:28:54,012 --> 00:29:02,020 (正信) 風魔一族 何百人いるか知らぬが 忽然と消えうせたのだな? 354 00:29:02,020 --> 00:29:06,024 (宗矩) 草の根分けても 必ず捜し出します 355 00:29:06,024 --> 00:29:08,026 見つかるまい 356 00:29:08,026 --> 00:29:15,033 恐らく 風魔たちは 200万両を細かく分けて・ 357 00:29:15,033 --> 00:29:19,037 全国に散ったのだ 358 00:29:19,037 --> 00:29:22,037 火を放て! (兵士たち)はっ! 359 00:29:36,988 --> 00:29:43,988 (鐘の音) 360 00:29:47,999 --> 00:29:53,004 (忠輝)わしは この暮らしが結構 楽しいが・ 361 00:29:53,004 --> 00:29:58,009 五郎八には すまんと思っている (五郎八姫)どうしてですか? 362 00:29:58,009 --> 00:30:06,017 (忠輝)伊達政宗どのの姫として 何不自由なく育ったそなたに… 363 00:30:06,017 --> 00:30:11,022 (五郎八姫) 私も今が楽しゅうございます 364 00:30:11,022 --> 00:30:13,024 (忠輝)この山家暮らしが? 365 00:30:13,024 --> 00:30:16,027 忠輝さまは 生き生きしていらっしゃいますし 366 00:30:16,027 --> 00:30:21,032 こうして 私の信仰も許してくださっている 367 00:30:21,032 --> 00:30:24,032 こんな幸せはありません 368 00:30:25,970 --> 00:30:28,973 誰だ・ ・ 甲斐の六郎です 369 00:30:28,973 --> 00:30:30,975 何だ? 370 00:30:30,975 --> 00:30:34,979 ・ 秀忠さまの見張りに 悟られぬようご案内するため・ 371 00:30:34,979 --> 00:30:36,979 参上いたしました 372 00:30:42,987 --> 00:30:44,989 わしをどっかに連れていくのか? 373 00:30:44,989 --> 00:30:48,993 大御所さまが 鴻巣の寺でお待ちです 374 00:30:48,993 --> 00:30:56,000 ・~ 375 00:30:56,000 --> 00:30:59,003 鷹狩りに来られるとは 聞いていたが 376 00:30:59,003 --> 00:31:02,006 真の目的は 忠輝さまにお会いになること 377 00:31:02,006 --> 00:31:05,009 しばしのご辛抱 さあ 378 00:31:05,009 --> 00:31:21,009 ・~ 379 00:31:50,054 --> 00:31:55,054 忠輝どの ようまいられた さあ 380 00:31:59,063 --> 00:32:05,069 ・ 打ち明けておきたいことがある わしは そなたの実の父ではない 381 00:32:05,069 --> 00:32:09,073 ・(忠輝)知っていました ・ 母上 お茶阿の方に聞かれたか 382 00:32:09,073 --> 00:32:11,075 誰からも聞きません 383 00:32:11,075 --> 00:32:17,081 父上と兄上のご様子から そうではないかと 384 00:32:17,081 --> 00:32:22,019 しかし 私は・ 385 00:32:22,019 --> 00:32:28,025 今 目の前におられるお方が 父上だと思っています 386 00:32:28,025 --> 00:32:31,025 幾度も 命を助けていただきましたから 387 00:32:34,031 --> 00:32:38,035 私は 何をすればよいのですか? 388 00:32:38,035 --> 00:32:43,040 わしの死後 頼宣と頼房を守ってもらいたい 389 00:32:43,040 --> 00:32:45,042 大御所さまが亡くなられたら・ 390 00:32:45,042 --> 00:32:48,045 兄上は 私を生かしておかないでしょう 391 00:32:48,045 --> 00:32:51,048 風魔に 200万両の軍用金を渡してある 392 00:32:51,048 --> 00:32:53,050 それで切支丹を集められないか? 393 00:32:53,050 --> 00:32:57,054 できますとも たちどころに 10万 20万の兵を集めて・ 394 00:32:57,054 --> 00:33:00,057 存分に戦ってみせます こちらから仕掛けてはならん 395 00:33:00,057 --> 00:33:04,061 そなたや頼宣 頼房に 危害が及んだとき・ 396 00:33:04,061 --> 00:33:09,066 全国に乱が起きる その構えを秀忠に示せばよいのだ 397 00:33:09,066 --> 00:33:11,068 構えだけですか? 398 00:33:11,068 --> 00:33:14,071 それで事が治まれば こんなよいことはない 399 00:33:14,071 --> 00:33:19,076 のう? 六郎 はい そのためには・ 400 00:33:19,076 --> 00:33:24,015 忠輝さまに 長生きして いただかなければなりません 401 00:33:24,015 --> 00:33:27,018 決して死ぬなよ 402 00:33:27,018 --> 00:33:30,021 90 100まで生きて・ 403 00:33:30,021 --> 00:33:34,025 徳川家の 目の上のこぶであり続けてくれ 404 00:33:34,025 --> 00:33:36,027 はい! 405 00:33:36,027 --> 00:33:39,030 <徳川家康の第8子 松平忠輝は・ 406 00:33:39,030 --> 00:33:42,033 二郎三郎の死後 伊勢 朝熊の配所に流されたが・ 407 00:33:42,033 --> 00:33:45,036 なんと 92歳の長寿を保った> 408 00:33:45,036 --> 00:33:48,039 <秀忠が 弟たちに 危害を加えなかったことは・ 409 00:33:48,039 --> 00:33:51,042 歴史が語るところである> 410 00:33:51,042 --> 00:33:53,042 父上 411 00:33:58,049 --> 00:34:01,052 (秀忠)場所は? (宗矩)鴻巣のお狩り場にて 412 00:34:01,052 --> 00:34:04,055 いよいよ最後の仕上げだな (宗矩)御意 413 00:34:04,055 --> 00:34:09,055 終わったら そのほうは… 大大名だ 414 00:34:12,063 --> 00:34:14,065 ははっ! 415 00:34:14,065 --> 00:34:16,067 (昼花火の揚がる音) 416 00:34:16,067 --> 00:34:19,070 (炸裂音) 417 00:34:19,070 --> 00:34:24,070 (勢子たちの立てる音) (ほら貝の音) 418 00:35:04,048 --> 00:35:06,048 (銃声) 419 00:35:10,054 --> 00:35:12,054 (銃声) 420 00:35:15,059 --> 00:35:18,062 (銃声) 421 00:35:18,062 --> 00:35:21,065 ・(左近)あとを頼むぞ! (忍者たち)はっ! 422 00:35:21,065 --> 00:35:28,005 ・~ 423 00:35:28,005 --> 00:35:30,007 (柳生の忍者)ウウッ! 424 00:35:30,007 --> 00:35:32,007 (忍者)ヤーッ! 425 00:35:35,012 --> 00:35:39,012 (宗矩) 島左近… 撃て撃て! 撃ち殺せ! 426 00:35:41,018 --> 00:35:43,020 (銃声) 427 00:35:43,020 --> 00:35:48,025 ・~ 428 00:35:48,025 --> 00:35:52,029 殿! アア… 429 00:35:52,029 --> 00:36:06,043 ・~ 430 00:36:06,043 --> 00:36:19,056 ・~ 431 00:36:19,056 --> 00:36:22,993 左近どの! 左近どの! 432 00:36:22,993 --> 00:36:26,997 どうやら… これまでのようですな 433 00:36:26,997 --> 00:36:30,997 おかげで 死に花を咲かせていただいた 434 00:36:33,003 --> 00:36:37,007 あっ… 左近どの! 435 00:36:37,007 --> 00:36:48,018 ・~ 436 00:36:48,018 --> 00:36:52,018 (銃声) 437 00:37:01,031 --> 00:37:03,033 ・(銃声) 438 00:37:03,033 --> 00:37:05,033 (風斎)殿! 439 00:37:31,996 --> 00:37:34,996 (正信)世良田二郎三郎… 440 00:37:37,001 --> 00:37:42,001 フフッ… 命運 これで尽きるか 441 00:37:44,008 --> 00:37:48,012 大坂から 茶屋四郎次郎が来ていたそうだな 442 00:37:48,012 --> 00:37:53,017 (お梶)はい 京で珍重されている お料理をお薦めしたいと 443 00:37:53,017 --> 00:37:55,019 どんな料理だ? 444 00:37:55,019 --> 00:38:01,025 鯛の切り身を榧の油で揚げるとか 445 00:38:01,025 --> 00:38:04,028 うまそうだな 作らせてくれ 446 00:38:04,028 --> 00:38:10,034 とんでもありません しばらくは重湯でご辛抱を 447 00:38:10,034 --> 00:38:15,034 わしが新しい珍味に 目がないことを知っているだろう 448 00:38:21,045 --> 00:38:26,984 お梶 その珍味が食べたい 449 00:38:26,984 --> 00:38:32,990 (風斎)作っておあげなされ どうせ多くは召し上がれますまい 450 00:38:32,990 --> 00:38:36,994 (おふう) お加減は よろしいのですか? 451 00:38:36,994 --> 00:38:41,999 (お梶)いいえ 医師たちも憂慮を… 452 00:38:41,999 --> 00:38:48,005 だから なおさら お好きなように (お梶)不吉なことを申されますな 453 00:38:48,005 --> 00:38:52,009 (風斎)思いのままに 生きてこられたお方じゃ 454 00:38:52,009 --> 00:38:57,014 それを通させておあげなされ 455 00:38:57,014 --> 00:39:02,014 秀忠さまと正信さまが お見舞いに見えられました 456 00:39:09,026 --> 00:39:15,032 すぐには死なんぞ 1日でも長く生き延びてやる 457 00:39:15,032 --> 00:39:18,035 ご随意に 458 00:39:18,035 --> 00:39:21,038 勝負は ついたと思っているようだが・ 459 00:39:21,038 --> 00:39:25,976 わしは 真実の全てを書き記しておいた 460 00:39:25,976 --> 00:39:27,978 (秀忠)なに? 461 00:39:27,978 --> 00:39:31,982 (正信) それは影武者の信義にもとる 462 00:39:31,982 --> 00:39:35,986 だから わしは これまでに 一度も その手を使ったことはない 463 00:39:35,986 --> 00:39:42,993 わしの死後も 記録が世に 出ることがないように願っている 464 00:39:42,993 --> 00:39:48,999 お子たちに 何かあれば それが世に出ると 465 00:39:48,999 --> 00:39:53,003 さすが正信 分かりが早いな 466 00:39:53,003 --> 00:39:56,006 (正信)200万両の軍資金を・ 467 00:39:56,006 --> 00:40:00,010 風魔と共に 地下に 潜らせただけでは足りずにか 468 00:40:00,010 --> 00:40:05,015 風魔だけではない 切支丹もだ 469 00:40:05,015 --> 00:40:08,018 一向一揆の再来か 470 00:40:08,018 --> 00:40:11,021 おぬしもよく知っている あの一揆 471 00:40:11,021 --> 00:40:14,024 極楽浄土を夢みて 喜んで死んでいく者たちが・ 472 00:40:14,024 --> 00:40:17,027 立ち上がるのだ 473 00:40:17,027 --> 00:40:22,027 その総大将が忠輝さま 474 00:40:26,970 --> 00:40:34,978 忠輝 頼宣 頼房に おぬしらの手が伸びたとき・ 475 00:40:34,978 --> 00:40:38,982 わしの棺の蓋が開くと思え 476 00:40:38,982 --> 00:40:44,988 関ヶ原以後の 徳川家の真実が暴かれ・ 477 00:40:44,988 --> 00:40:51,988 世は再び 戦乱の巷と化すであろう 478 00:40:55,999 --> 00:40:57,999 アア… 479 00:41:17,020 --> 00:41:21,024 ♪(女性) さっても めでたい 節季候 480 00:41:21,024 --> 00:41:25,028 ♪(男性)ご佳例 替わらず ♪(女性)檀那のお庭へ 481 00:41:25,028 --> 00:41:27,030 ♪(男性)とび込め ♪(女性)はね込め 482 00:41:27,030 --> 00:41:30,033 ♪(男性)さっさと ござれや ♪(2人)節季候 483 00:41:30,033 --> 00:41:36,039 ♪節季候 節季候 節季で ぞろりと おめでたや 484 00:41:36,039 --> 00:41:41,039 ♪節季候 節季候 節季で ぞろりと おめでたや 485 00:41:43,046 --> 00:41:49,052 ♪ さっても めでたい 節季候 486 00:41:49,052 --> 00:41:57,060 ♪ ご佳例替わらず 檀那のお庭へ とび込め はね込め 487 00:41:57,060 --> 00:42:03,066 ♪ さっさと ござれや 節季候 488 00:42:03,066 --> 00:42:11,066 ♪ 節季候 節季候 節季で ぞろりと おめでたや 489 00:42:13,076 --> 00:42:15,076 アア… 490 00:42:17,080 --> 00:42:20,080 おお… みんないたのか 491 00:42:22,019 --> 00:42:25,022 1人足りぬようだな 492 00:42:25,022 --> 00:42:30,027 ああ そうか 左近どのか 493 00:42:30,027 --> 00:42:35,027 (お梶)代わりに 六郎どのと おふうのお子が 494 00:42:41,038 --> 00:42:47,044 ああ… 確か名は小太郎だったな 495 00:42:47,044 --> 00:42:49,046 (小太郎)はい 496 00:42:49,046 --> 00:42:53,050 (おふう) 亡きじいと同じでございます 497 00:42:53,050 --> 00:43:02,059 (風斎)ひいじじいの手前は やがて消えていきましょうが… 498 00:43:02,059 --> 00:43:07,064 代々の小太郎が 志を継いでくれましょう 499 00:43:07,064 --> 00:43:09,064 うむ… 500 00:43:11,068 --> 00:43:17,068 ああ… お梶 「節季候」を歌ってくれ 501 00:43:24,014 --> 00:43:31,021 ♪ さっても めでたい 節季候 502 00:43:31,021 --> 00:43:40,030 ♪ ご佳例替わらず 檀那のお庭へ とび込め はね込め 503 00:43:40,030 --> 00:43:47,037 ♪ さっさと ござれや 節季候 504 00:43:47,037 --> 00:43:54,037 ♪ 節季候 節季候 節季で ぞろり… 505 00:43:56,046 --> 00:43:58,046 (泣き声) 506 00:44:00,050 --> 00:44:03,050 幸せでした 507 00:44:07,057 --> 00:44:13,057 お梶に会えて… 良かったぞ 508 00:44:16,066 --> 00:44:24,007 ・~ 509 00:44:24,007 --> 00:44:27,010 <元和2年4月17日> 510 00:44:27,010 --> 00:44:31,014 <世良田二郎三郎は 徳川家康として生涯を閉じた> 511 00:44:31,014 --> 00:44:35,018 <関ヶ原の戦場で 家康に成り代わってから・ 512 00:44:35,018 --> 00:44:40,023 実に16年の歳月が流れていた> 513 00:44:40,023 --> 00:44:43,026 <遺体は 久能山から日光山に納められ・ 514 00:44:43,026 --> 00:44:46,029 東照神君 権現さまとして・ 515 00:44:46,029 --> 00:44:51,034 長く 徳川家の 守り神となったのである> 516 00:44:51,034 --> 00:45:11,054 ・~ 517 00:45:11,054 --> 00:45:29,006 ・~ 518 00:45:29,006 --> 00:45:48,025 ・~ 519 00:45:48,025 --> 00:46:01,038 ・~ 520 00:46:01,038 --> 00:46:14,051 ・~ 521 00:46:14,051 --> 00:46:21,058 ・(能楽囃子) 522 00:46:21,058 --> 00:46:26,997 <「全ての人が 身分 職業の隔てなく・ 523 00:46:26,997 --> 00:46:31,001 誰に 頭を 押さえられることもなく・ 524 00:46:31,001 --> 00:46:37,007 自由に 生きることができる世の中を」> 525 00:46:37,007 --> 00:46:44,007 ・~