1 00:01:22,155 --> 00:01:23,023 2 00:01:23,023 --> 00:01:32,032 ・~ 3 00:01:32,032 --> 00:01:37,037 (ナレーター) <天下分け目の合戦 「関ヶ原」> 4 00:01:37,037 --> 00:01:40,040 (刺す音) (家康)ウワッ! 5 00:01:40,040 --> 00:01:44,044 <徳川家康は 石田方の刺客 甲斐の六郎の手にかかって・ 6 00:01:44,044 --> 00:01:47,047 命を落とした> 7 00:01:47,047 --> 00:01:51,051 <家康の死による天下騒乱を 恐れた後継者 秀忠は・ 8 00:01:51,051 --> 00:01:53,053 豊臣家滅亡の日まで・ 9 00:01:53,053 --> 00:01:59,059 影武者 世良田二郎三郎の 偽装継続を命じた> 10 00:01:59,059 --> 00:02:03,063 <家康の側室 お梶の方は 二郎三郎を影武者と気づくが・ 11 00:02:03,063 --> 00:02:09,063 その人柄に魅せられ 命を懸けて 秘密を守ることを誓う> 12 00:02:11,071 --> 00:02:15,075 <六郎は 二郎三郎が 豊臣家の 存続を決意したことを知り・ 13 00:02:15,075 --> 00:02:19,075 陰守りの忍びとなって 身辺に近づいた> 14 00:02:21,081 --> 00:02:24,017 (二郎三郎) 面白いものを見せてやる 15 00:02:24,017 --> 00:02:27,020 下りてこい 甲斐の六郎 16 00:02:27,020 --> 00:02:42,035 ・~ 17 00:02:42,035 --> 00:02:46,039 六郎 飲むか? 18 00:02:46,039 --> 00:02:50,043 (六郎)お務め中は いただけません かまわぬ よいから飲め 19 00:02:50,043 --> 00:02:53,043 ご命令とあらば 20 00:02:57,050 --> 00:03:02,055 おふう 同じ忍びとして この六郎をどう思う? 21 00:03:02,055 --> 00:03:05,058 (おふう)稀に見るお方かと… 22 00:03:05,058 --> 00:03:09,062 そうだろうな 何しろ 家康さまを刺した男だ 23 00:03:09,062 --> 00:03:11,062 (おふう)えっ・ 24 00:03:15,068 --> 00:03:18,071 (お梶)この者が家康さまを? 25 00:03:18,071 --> 00:03:22,008 十中八九と思っていたが これで確実になったな 26 00:03:22,008 --> 00:03:26,012 どうした? わしを しとめに来たのではないのか? 27 00:03:26,012 --> 00:03:29,012 違います では 何のために? 28 00:03:34,020 --> 00:03:38,024 お守りするためです (お梶)痴れ言を… おふう! 29 00:03:38,024 --> 00:03:40,026 待て! 30 00:03:40,026 --> 00:03:45,031 この男 信じてもらえなければ 死ぬ覚悟と見える 31 00:03:45,031 --> 00:03:48,034 (お梶)信じられませぬ 家康さまを倒した刺客が・ 32 00:03:48,034 --> 00:03:52,038 こたびは お守りするなどと… その訳 わしも聞きたいな 33 00:03:52,038 --> 00:03:55,041 「秀頼さまを守る」と 仰せられましたゆえに 34 00:03:55,041 --> 00:04:02,048 そうか… わしとお梶の話を聞いたのだな? 35 00:04:02,048 --> 00:04:06,048 おぬしひとりの考えではあるまい 主は誰だ? 36 00:04:08,054 --> 00:04:13,059 申せませぬ そうか では 聞くまい 37 00:04:13,059 --> 00:04:18,064 わしも昔は 「道々の者」だった 38 00:04:18,064 --> 00:04:23,003 おぬしら忍びの者同様 定まった主を持たず・ 39 00:04:23,003 --> 00:04:28,008 その時々に金で雇われて 仕事をしたものだ 40 00:04:28,008 --> 00:04:33,013 「定まった主は持たぬが 請け負った仕事は 必ずやる」 41 00:04:33,013 --> 00:04:37,017 「それが 己の技ひとつで 生きる者の鉄則だ」 42 00:04:37,017 --> 00:04:39,019 そう申されました 43 00:04:39,019 --> 00:04:44,024 (左近)「昔は道々の者だった」と 言ったのだな? 44 00:04:44,024 --> 00:04:47,024 はい 正に… 45 00:04:49,029 --> 00:04:54,034 己の腕ひとつで 戦乱の世を生きてきた強者です 46 00:04:54,034 --> 00:04:57,037 それで分かった 47 00:04:57,037 --> 00:05:00,040 その男を見いだし 家康公に勧めたのは・ 48 00:05:00,040 --> 00:05:04,040 恐らく 本多弥八郎正信だ 49 00:05:06,046 --> 00:05:13,053 三河以来 家康公の無二の友と いわれる あの軍師ですか 50 00:05:13,053 --> 00:05:18,058 正信は 一時 徳川家を離れ 一向一揆に加わり 51 00:05:18,058 --> 00:05:21,061 全国の門徒衆を 指導したことがある 52 00:05:21,061 --> 00:05:23,997 そのころ出会ったに違いない 53 00:05:23,997 --> 00:05:30,003 では 今も ニセの家康公を操ってるのは… 54 00:05:30,003 --> 00:05:34,007 戦の 「い」の字も 知らぬ秀忠公にしては・ 55 00:05:34,007 --> 00:05:38,011 できすぎの成り行きだとは 思っていたが 56 00:05:38,011 --> 00:05:42,015 本多正信なら 抑えが利くだろう 57 00:05:42,015 --> 00:05:47,020 しかし 正信どのが第一に考えるのは・ 58 00:05:47,020 --> 00:05:51,024 徳川家のためでございましょう? もちろんだ 59 00:05:51,024 --> 00:05:57,030 お家のためとあらば いつでも 非情に ニセ家康を切り捨てるさ 60 00:05:57,030 --> 00:06:01,034 ニセの家康公も それを読んでおります 61 00:06:01,034 --> 00:06:06,034 私に 「徳川家に 関わりのない者を集めろ」と… 62 00:06:08,041 --> 00:06:10,041 この銀を渡されました 63 00:06:15,048 --> 00:06:22,048 フフフッ… 本気で 徳川と戦うつもりのようだな 64 00:06:23,990 --> 00:06:28,995 面白い… いずれは このわしも・ 65 00:06:28,995 --> 00:06:32,999 会わねばならんように なりそうだな 66 00:06:32,999 --> 00:06:36,002 <慶長6年3月> 67 00:06:36,002 --> 00:06:41,007 <家康は 大坂城を出て 修築成った伏見城に移った> 68 00:06:41,007 --> 00:06:47,007 <秀忠も江戸に戻って 自身の政権の確立に着手している> 69 00:06:51,017 --> 00:06:56,017 <この伏見城で 思いもかけぬことが起こった> 70 00:06:58,024 --> 00:07:00,024 お梶 どうした? 71 00:07:04,030 --> 00:07:06,030 どうした? お梶 72 00:07:08,034 --> 00:07:12,038 何があったのだ? 泣いていては分からん 73 00:07:12,038 --> 00:07:16,042 オッ… な… 何をするんだ・ 74 00:07:16,042 --> 00:07:18,044 お梶! 75 00:07:18,044 --> 00:07:21,981 お万の方が身ごもられました 76 00:07:21,981 --> 00:07:25,985 なに? わしの子か? 77 00:07:25,985 --> 00:07:29,989 どうして 私ではなく お万さまが身ごもられたのですか 78 00:07:29,989 --> 00:07:31,991 あなたさまのお心が・ 79 00:07:31,991 --> 00:07:33,993 私よりも あちらに 向いてたということですか・ 80 00:07:33,993 --> 00:07:38,998 わしとて 子ができるなら お梶に欲しかった 81 00:07:38,998 --> 00:07:43,002 ただならぬ運命を背負うて 生まれてくる子だ 82 00:07:43,002 --> 00:07:48,007 殊に 秀忠どのには 目の敵にされるだろう 83 00:07:48,007 --> 00:07:52,011 では お命も? もちろん狙われる 84 00:07:52,011 --> 00:07:57,016 だが わしをニセ者と知らぬお万には・ 85 00:07:57,016 --> 00:08:00,016 我が子を守る覚悟も 手だてもあるまい 86 00:08:02,021 --> 00:08:14,033 ・~ 87 00:08:14,033 --> 00:08:19,038 私が お守りします 母子ともどもに 88 00:08:19,038 --> 00:08:21,975 そうだ そなたなら やれる 89 00:08:21,975 --> 00:08:24,978 だから お梶に欲しかったと言ったのだ 90 00:08:24,978 --> 00:08:27,981 そのお言葉で 心が晴れました 91 00:08:27,981 --> 00:08:31,985 まずは ご懐妊が 外に漏れぬよう手だてを… 92 00:08:31,985 --> 00:08:34,988 いや それは無理だ 隠しおおせることではない 93 00:08:34,988 --> 00:08:36,990 でも… 94 00:08:36,990 --> 00:08:40,994 秀忠どのには わしが手を打つ 95 00:08:40,994 --> 00:08:45,999 お梶は 子供が無事に生まれるよう 世話をしてやってくれ 96 00:08:45,999 --> 00:09:03,016 ・~ 97 00:09:03,016 --> 00:09:10,023 (正信) う~む… おぬしという男は… 98 00:09:10,023 --> 00:09:15,028 男だから 女子を身ごもらせる 当たり前のことじゃないかね? 99 00:09:15,028 --> 00:09:18,031 産ませるのか? それも当たり前だろう 100 00:09:18,031 --> 00:09:21,034 いや しかし 表向きは徳川家康さまの御子だぞ 101 00:09:21,034 --> 00:09:25,972 女子なら ともかく 男子なら 徳川家のお血筋ということになる 102 00:09:25,972 --> 00:09:27,974 もちろん それなりの処遇をしてもらうさ 103 00:09:27,974 --> 00:09:30,977 秀忠さまが 承知なされるはずがない 104 00:09:30,977 --> 00:09:34,981 その事実を知ると同時に 殺せと言われるだろう 105 00:09:34,981 --> 00:09:38,985 もし そうなったら わしは 母親ともども 城を出て身を隠す 106 00:09:38,985 --> 00:09:43,990 そして 関ヶ原以降の徳川家康は ニセ者だったと天下に知らせる 107 00:09:43,990 --> 00:09:47,994 ハハハハッ… 世の中 ひっくり返るだろうな 108 00:09:47,994 --> 00:09:50,997 諸大名が 一斉に立ち上がって・ 109 00:09:50,997 --> 00:09:56,002 関ヶ原以前の 状態になることは必定だ 110 00:09:56,002 --> 00:10:01,007 恐ろしいことを言う男だ もう… 111 00:10:01,007 --> 00:10:03,007 ンッ… 112 00:10:06,012 --> 00:10:12,018 秀忠さまが その子に 手を出さなければよいのだな? 113 00:10:12,018 --> 00:10:16,022 口だけでは信用できぬ 誓紙を入れてもらいたい 114 00:10:16,022 --> 00:10:18,022 せせ… 誓紙… 115 00:10:28,968 --> 00:10:30,970 (秀忠)遅かったな 正信 116 00:10:30,970 --> 00:10:34,974 余は 既に伏見に刺客を差し向けた 117 00:10:34,974 --> 00:10:40,980 影武者風情の子が この徳川の家に 生まれることなど 断じて許せぬ 118 00:10:40,980 --> 00:10:46,986 (正信)では 二郎三郎は 我が子を守って 城を去りましょう 119 00:10:46,986 --> 00:10:49,989 (秀忠)たわけたことを… 120 00:10:49,989 --> 00:10:54,994 まだ生まれもせぬ赤子のために わしに背いて命を落とすと思うか 121 00:10:54,994 --> 00:10:58,998 (正信)いや あの男は 必ず そういたしまする! 122 00:10:58,998 --> 00:11:01,000 もはや 手遅れなれど・ 123 00:11:01,000 --> 00:11:08,007 即刻 二郎三郎殺害の 命令をお下しなされませ 124 00:11:08,007 --> 00:11:11,010 (秀忠)かの者を殺せば どうなる? 125 00:11:11,010 --> 00:11:18,017 御父上 家康さまのご威光なしに 若殿御自らの手で・ 126 00:11:18,017 --> 00:11:21,020 天下を定められるほか ござりますまい 127 00:11:21,020 --> 00:11:24,023 (秀忠)まだ その時機ではない 128 00:11:24,023 --> 00:11:28,027 (正信)しかし 既に 刺客を放たれたとあっては… 129 00:11:28,027 --> 00:11:32,027 放ってはおらぬ! そう考えているだけだ 130 00:11:34,033 --> 00:11:39,038 手前を欺かれたのか? 131 00:11:39,038 --> 00:11:41,040 怒るな 正信 132 00:11:41,040 --> 00:11:45,044 主君に嘘をつかれては 家臣は仕えようがござらぬ! 133 00:11:45,044 --> 00:11:49,048 本日ただいま 禄を返上して 退転つかまつる! 134 00:11:49,048 --> 00:11:52,051 (秀忠)待て! 余を見捨てて 去るというのか? 135 00:11:52,051 --> 00:11:54,053 手前を引き止める暇に・ 136 00:11:54,053 --> 00:11:57,056 天下を相手に 合戦の準備をなされませ! 137 00:11:57,056 --> 00:12:03,062 悪かった! 謝る 伏見への刺客は取りやめにする 138 00:12:03,062 --> 00:12:07,066 「今後とも 生まれる子に手を出さぬ」と・ 139 00:12:07,066 --> 00:12:11,070 誓紙をお書きになられますか? 140 00:12:11,070 --> 00:12:17,070 書く… 誓紙ぐらい いくらでも書いてやる! 141 00:12:19,078 --> 00:12:23,016 だが 余が 天下の実権を握った暁には・ 142 00:12:23,016 --> 00:12:27,020 必ず かの者の息の根を止めてやる 143 00:12:27,020 --> 00:12:31,020 正信! 異存はあるまいな? 144 00:12:35,028 --> 00:12:41,028 <翌慶長7年3月 伏見城内で 二郎三郎の子が生まれた> 145 00:12:43,036 --> 00:12:45,038 (弦をはじく音) 146 00:12:45,038 --> 00:12:47,040 <家康の第10子 長福丸> 147 00:12:47,040 --> 00:12:52,040 <のちに 紀州徳川家の 始祖となった頼宣である> 148 00:12:54,047 --> 00:12:57,050 おお… ハハハハッ… 149 00:12:57,050 --> 00:13:08,061 ・~ 150 00:13:08,061 --> 00:13:11,064 六郎 わしは この年になって・ 151 00:13:11,064 --> 00:13:14,067 初めて 我が子というものを抱いた おめでとうございます 152 00:13:14,067 --> 00:13:17,070 戦国の武将は 肉親の情に とらわれてはならぬという 153 00:13:17,070 --> 00:13:20,073 家康の殿も 信長公の命令で・ 154 00:13:20,073 --> 00:13:24,010 ご長男 信康さまを手にかけられた はい 155 00:13:24,010 --> 00:13:27,013 だが わしは武将ではない ただの人だ 156 00:13:27,013 --> 00:13:30,016 我が子かわいさの情から 逃れることはできん 157 00:13:30,016 --> 00:13:33,019 (お梶)長福丸さまは 健やかに お育ちになります 158 00:13:33,019 --> 00:13:36,022 秀忠さまの 誓紙もあることですから 159 00:13:36,022 --> 00:13:40,026 誓紙の効き目は わしが必要とされている間だけだ 160 00:13:40,026 --> 00:13:44,030 天下が 徳川のものとなり・ 161 00:13:44,030 --> 00:13:48,034 秀忠どのが 家を継げば ただの紙切れとなる 162 00:13:48,034 --> 00:13:51,037 効き目のあるうちに 手をお打ちになれば… 163 00:13:51,037 --> 00:13:56,042 そうなんだ その間に わしは城を築く 164 00:13:56,042 --> 00:14:01,047 江戸の徳川の本城とは別に 難攻不落の堅固な城をな 165 00:14:01,047 --> 00:14:03,049 この伏見に? 166 00:14:03,049 --> 00:14:07,053 いや ここでは大坂に近すぎる 167 00:14:07,053 --> 00:14:12,058 わしが狙っているのは駿府だ 駿府に? 168 00:14:12,058 --> 00:14:16,062 西への備えは安倍川 169 00:14:16,062 --> 00:14:18,064 東の守りは箱根の山 170 00:14:18,064 --> 00:14:20,066 北には 豊かな甲州の金山 171 00:14:20,066 --> 00:14:23,002 南は 世界に開けた海 172 00:14:23,002 --> 00:14:27,006 (左近)「世界に開けた海」? 173 00:14:27,006 --> 00:14:30,009 南蛮との交易を考えているのか 174 00:14:30,009 --> 00:14:33,012 私も驚きました 175 00:14:33,012 --> 00:14:37,016 あのお方は 道々の者として 諸国を流れてるときに・ 176 00:14:37,016 --> 00:14:42,021 異国に渡ろうとして 長崎に住んだことがあるそうです 177 00:14:42,021 --> 00:14:47,026 甲州の金山と南蛮との交易で 富を蓄え 178 00:14:47,026 --> 00:14:51,030 安倍川と箱根山とで 備えを固める 179 00:14:51,030 --> 00:14:56,035 確かに この駿府は 僅かな人数で 生き延びるには最適の地だ 180 00:14:56,035 --> 00:14:58,037 いかがでしょう? 181 00:14:58,037 --> 00:15:05,044 御前の築城のご見識を この駿府の城に つぎ込まれては? 182 00:15:05,044 --> 00:15:08,047 やりたい 183 00:15:08,047 --> 00:15:14,053 三成の殿と共に消えた わしの夢が 生き返りそうだ 184 00:15:14,053 --> 00:15:19,058 御前の夢と ニセ家康公の夢は・ 185 00:15:19,058 --> 00:15:23,996 双子の兄弟のように 似ていると 私には思えます 186 00:15:23,996 --> 00:15:29,001 よし… わしは 早速 駿府に赴いて 地理を調べる 187 00:15:29,001 --> 00:15:33,005 大丈夫でしょうか? 188 00:15:33,005 --> 00:15:37,009 石田家の家老として 厳しく追及されてる御身で… 189 00:15:37,009 --> 00:15:41,013 関ヶ原の戦いから もう1年半もたっている 190 00:15:41,013 --> 00:15:45,017 そろそろ 思い切り 羽を伸ばしてもよかろう 191 00:15:45,017 --> 00:15:48,020 ニセ家康公にも お会いになりますか? 192 00:15:48,020 --> 00:15:55,027 ああ… 駿府要塞化の方策を手土産にな 193 00:15:55,027 --> 00:15:58,030 <柳生又右衛門宗矩> 194 00:15:58,030 --> 00:16:03,035 <父 石舟斎から新陰流を学び 徳川秀忠の剣術指南役である> 195 00:16:03,035 --> 00:16:07,039 <だが 今 秀忠が宗矩に期待しているものは 196 00:16:07,039 --> 00:16:09,041 世にいう 「裏柳生」> 197 00:16:09,041 --> 00:16:14,046 <すなわち 忍者軍団の 総帥としての力であった> 198 00:16:14,046 --> 00:16:17,049 <秀忠は 家康が替え玉であることを・ 199 00:16:17,049 --> 00:16:19,051 この宗矩だけには明かしていた> 200 00:16:19,051 --> 00:16:21,053 <日に日に 恐るべき実力を・ 201 00:16:21,053 --> 00:16:23,990 見せつけてくる二郎三郎との 戦いには・ 202 00:16:23,990 --> 00:16:28,995 本多正信にも言えない闇の画策が 必要と考えたからである> 203 00:16:28,995 --> 00:16:30,997 (秀忠) 伏見のたぬきの様子は どうじゃ? 204 00:16:30,997 --> 00:16:35,001 (宗矩)毎日 長福丸さまに付きっきりとのこと 205 00:16:35,001 --> 00:16:40,006 あの年になって初めて抱いた子だ いとしさも ひとしおだろうな 206 00:16:40,006 --> 00:16:43,009 我が子を守るのに 必死でございましょう 207 00:16:43,009 --> 00:16:48,014 必ず 何かをたくらむ 目を離すなよ 208 00:16:48,014 --> 00:16:50,014 御免 209 00:16:57,023 --> 00:17:03,029 (宗矩)来月 増上寺墓参のため 江戸に来られるとか 210 00:17:03,029 --> 00:17:07,033 (秀忠)私事ゆえに ひそかに行うと言うてきた 211 00:17:07,033 --> 00:17:10,036 何か たくらんでいるのでは? (秀忠)まさか この江戸で… 212 00:17:10,036 --> 00:17:16,042 (宗矩)そのご油断が禁物 警護の名目で監視をつけましょう 213 00:17:16,042 --> 00:17:20,046 (秀忠)警護は 自ら行うと言うているのじゃ 214 00:17:20,046 --> 00:17:22,982 (宗矩)では ひそかに… 215 00:17:22,982 --> 00:17:30,990 悟られると… あとが うるさい 気をつけろ 216 00:17:30,990 --> 00:17:33,990 何とぞ お任せを 217 00:17:35,995 --> 00:17:39,999 <増上寺は 徳川家の菩提寺で 殺生禁止の聖域である> 218 00:17:39,999 --> 00:17:43,002 <墓参のために 江戸に来た二郎三郎は・ 219 00:17:43,002 --> 00:17:46,005 甲斐の飛助以下 護衛の忍びを全員 動員して・ 220 00:17:46,005 --> 00:17:49,008 厳重な警戒に当たらせた> 221 00:17:49,008 --> 00:18:09,028 ・~ 222 00:18:09,028 --> 00:18:28,981 ・~ 223 00:18:28,981 --> 00:18:33,986 (万治)2人の雲水は 大殿ご休息の茶室に向かいました 224 00:18:33,986 --> 00:18:37,990 (三左)顔は見なかったのだな? (万治)はい 225 00:18:37,990 --> 00:18:42,995 (万治)なれど 体つき 身のこなし ただ者ではありません 226 00:18:42,995 --> 00:18:44,997 (三左) 寺の者たちは 何と言っている? 227 00:18:44,997 --> 00:18:47,997 (万治)誰も心当たりはないと 228 00:18:50,002 --> 00:18:55,007 ♪(能楽囃子) 229 00:18:55,007 --> 00:19:11,023 ♪~ 230 00:19:11,023 --> 00:19:19,031 ♪ まづ我が屋へ帰りたまえ 231 00:19:19,031 --> 00:19:34,980 ♪~ 232 00:19:34,980 --> 00:19:37,983 生きておられたか 233 00:19:37,983 --> 00:19:40,986 (左近)生き恥をさらしており申す 234 00:19:40,986 --> 00:19:43,989 そんなことはない ご貴殿が長らえておられれば・ 235 00:19:43,989 --> 00:19:45,991 豊臣家の命運も延びるはず 236 00:19:45,991 --> 00:19:49,995 それだけを念じて 駿府の下見をしてきました 237 00:19:49,995 --> 00:19:51,997 いかがでござる? あの地は 238 00:19:51,997 --> 00:19:58,003 独自に 堅固な城を築くには 正に最適と存ずる 239 00:19:58,003 --> 00:20:03,008 わしは あの駿府に 公界を打ち立てたいのです 240 00:20:03,008 --> 00:20:08,013 ほう… 公界をのぅ 241 00:20:08,013 --> 00:20:11,016 その 「くかい」とは? 242 00:20:11,016 --> 00:20:17,022 「公の界」と書く 一向一揆の門徒衆が掲げた旗印だ 243 00:20:17,022 --> 00:20:19,024 わしは 一向宗の門徒ではないが・ 244 00:20:19,024 --> 00:20:22,962 あの理想には 心の底から共鳴していた 245 00:20:22,962 --> 00:20:27,967 全ての人が 身分 職業の隔たりなく 246 00:20:27,967 --> 00:20:30,970 誰に頭を押さえられることもなく 247 00:20:30,970 --> 00:20:33,973 好き勝手に 生きることができる世界 248 00:20:33,973 --> 00:20:36,976 愚かな夢と 笑われるかもしれないが 249 00:20:36,976 --> 00:20:41,976 笑いません 正に男子一生の仕事でござろう 250 00:20:45,985 --> 00:20:50,985 (雷鳴) 251 00:20:52,992 --> 00:20:55,995 (三左)2人の雲水は 茶室に入ったそうです 252 00:20:55,995 --> 00:21:01,000 何者が 何を話しているのか 知りたい 253 00:21:01,000 --> 00:21:03,002 いや 知らねばならぬ 254 00:21:03,002 --> 00:21:07,006 (万治)全山 旧武田の忍びが 固めております 255 00:21:07,006 --> 00:21:12,011 何者も中へ入ることができません (宗矩)仕掛けねばなるまい 256 00:21:12,011 --> 00:21:15,014 武田の忍びを 残らず裏門に集めるのだ 257 00:21:15,014 --> 00:21:18,017 (三左)しかし 我々が柳生と… 258 00:21:18,017 --> 00:21:21,020 知られては まずい 1人残らず斬れ 259 00:21:21,020 --> 00:21:23,022 (三左)はっ! 260 00:21:23,022 --> 00:21:34,022 ・~ 261 00:21:36,035 --> 00:21:41,040 甲州の山と 開かれた海を控えた駿府にも・ 262 00:21:41,040 --> 00:21:44,043 ただひとつ大きな難がある 263 00:21:44,043 --> 00:21:52,051 安倍川が 洪水の度に分断されて 城下町としての発展は望めない 264 00:21:52,051 --> 00:21:55,054 しかし 相手が川では… 265 00:21:55,054 --> 00:22:01,060 改修工事をして 川全体を町の東に移せばよい 266 00:22:01,060 --> 00:22:05,064 大変な工事になりますな 費用も莫大なものに… 267 00:22:05,064 --> 00:22:09,068 貧乏くさいことを言うな おぬしの財布でやるわけではない 268 00:22:09,068 --> 00:22:13,072 わしの財布でもやらぬ 軍用金をため込んでいる諸大名… 269 00:22:13,072 --> 00:22:17,076 さしずめ 毛利か島津に やらせることになろう 270 00:22:17,076 --> 00:22:19,078 それがしも現地で検分を… 271 00:22:19,078 --> 00:22:23,015 とんでもありません 御前は 諸大名家に顔を知られております 272 00:22:23,015 --> 00:22:25,017 顔をさらすとは言ってはおらん 273 00:22:25,017 --> 00:22:29,021 近くの隠れ家から 要所要所を見回るだけだ 274 00:22:29,021 --> 00:22:31,021 近くとは? 275 00:22:33,025 --> 00:22:37,029 天竜川を遡った この二俣辺り 276 00:22:37,029 --> 00:22:41,033 うむ! そこなら隠れ家としては最適の地 277 00:22:41,033 --> 00:22:45,033 いざというときは 天竜を下って 一気に海に出られる 278 00:22:52,044 --> 00:22:58,044 (笛の音) 279 00:23:04,056 --> 00:23:06,056 (忍者)アアッ! 280 00:23:30,015 --> 00:23:32,017 (指笛) 281 00:23:32,017 --> 00:23:38,023 ・~ 282 00:23:38,023 --> 00:23:40,025 ・(指笛) 283 00:23:40,025 --> 00:23:46,031 ・~ 284 00:23:46,031 --> 00:23:48,031 (斬る音) 285 00:23:52,037 --> 00:23:54,039 (刺さる音) 286 00:23:54,039 --> 00:24:05,050 ・~ 287 00:24:05,050 --> 00:24:07,050 ・(指笛) 288 00:24:11,056 --> 00:24:15,060 ご会見は これまでです 殿は 早急にお駕籠にお戻りを 289 00:24:15,060 --> 00:24:18,063 左近どのは? 私が ご案内します 290 00:24:18,063 --> 00:24:22,000 お目にかかれて良かった 遠からず 天竜二俣で再会いたそう 291 00:24:22,000 --> 00:24:25,003 その日を楽しみに… 御免! 292 00:24:25,003 --> 00:24:36,014 ・~ 293 00:24:36,014 --> 00:24:39,017 あれは 甲斐の飛助ではないか はい 294 00:24:39,017 --> 00:24:44,022 あの男は かつて使ったことがある 苦戦のようだな お急ぎを 295 00:24:44,022 --> 00:24:46,024 いや 見殺しにはできぬ なりませぬ! 296 00:24:46,024 --> 00:24:49,027 お前は わしと一緒にいるのを 見られては まずい 来るなよ 297 00:24:49,027 --> 00:24:54,032 ・~ 298 00:24:54,032 --> 00:24:56,034 (斬る音) 299 00:24:56,034 --> 00:25:08,046 ・~ 300 00:25:08,046 --> 00:25:11,049 (左近)飛助! (飛助)おお! 左近の殿! 301 00:25:11,049 --> 00:25:15,049 左近? 島左近か! 302 00:25:19,057 --> 00:25:21,059 (刺さる音) (飛助)ウッ! 303 00:25:21,059 --> 00:25:22,995 飛助! 304 00:25:22,995 --> 00:25:25,998 望みがあれば言え! 305 00:25:25,998 --> 00:25:31,003 (飛助)武田忍びの死にざま しかと お見届け… 306 00:25:31,003 --> 00:25:33,003 分かった! 307 00:25:35,007 --> 00:25:40,012 いまわの際に 左近の殿に お目にかかれて… 308 00:25:40,012 --> 00:25:45,012 甲斐の飛助 望外の幸せでござった! 309 00:25:47,019 --> 00:25:49,019 ンンッ! (斬る音) 310 00:25:54,026 --> 00:25:57,029 (宗矩)石田三成の家老 島左近 召し捕れ! 311 00:25:57,029 --> 00:25:59,029 (忍者たち)はっ! 312 00:26:01,033 --> 00:26:06,038 島左近は わしの命を狙ってきたのだ 313 00:26:06,038 --> 00:26:10,042 それを陰守りの者が撃退した 314 00:26:10,042 --> 00:26:16,048 それよりも わしの守りの者たちを 何ゆえ皆殺しにした? 315 00:26:16,048 --> 00:26:21,987 それも 殺生禁止の増上寺の境内で! 316 00:26:21,987 --> 00:26:25,991 (宗矩) 恐れながら 我らが愛宕下辺りで・ 317 00:26:25,991 --> 00:26:28,994 僧形の島左近を発見し 追跡いたしました 318 00:26:28,994 --> 00:26:32,998 それを 武田の忍びに 妨げられたのでございます 319 00:26:32,998 --> 00:26:38,003 島左近が やすやすと境内に入れたのは・ 320 00:26:38,003 --> 00:26:42,007 武田の忍びの手引きに相違ない 321 00:26:42,007 --> 00:26:48,007 なるほど… 死人に口なしということか 322 00:26:53,018 --> 00:26:55,020 左近どのは? 323 00:26:55,020 --> 00:26:59,024 品川で 用意の船にお乗せしました 324 00:26:59,024 --> 00:27:03,028 (お梶)小田原より先は おふうの一族 風魔がお守りします 325 00:27:03,028 --> 00:27:05,030 その風魔だがな… 326 00:27:05,030 --> 00:27:09,034 どうだろう? 一族を挙げて わしの味方をしてもらえぬか? 327 00:27:09,034 --> 00:27:11,036 (おふう)それは… 328 00:27:11,036 --> 00:27:14,039 私も お頼みしたいと思っておりました 329 00:27:14,039 --> 00:27:17,042 武田の忍びは 全滅して 早急に人を集めねばなりません 330 00:27:17,042 --> 00:27:19,044 わしの護衛だけではない 331 00:27:19,044 --> 00:27:22,981 風魔は箱根の山を 我が庭のように 支配していると聞く 332 00:27:22,981 --> 00:27:26,985 そのとおりです しかし 本拠地も数も不明で・ 333 00:27:26,985 --> 00:27:28,987 調べに入った者は・ 334 00:27:28,987 --> 00:27:31,990 1人として戻ってこなかったと いわれております 335 00:27:31,990 --> 00:27:34,993 一族の頭領は 風魔の小太郎と名乗るそうだな 336 00:27:34,993 --> 00:27:42,000 はい 身の丈7尺余り 目は逆さまに裂け… 337 00:27:42,000 --> 00:27:47,005 つまりは 会った者は いないということでしょう 338 00:27:47,005 --> 00:27:49,005 会わせてくれぬか? 339 00:27:51,009 --> 00:27:56,014 私も会ったことがございません わしが箱根の山に行ってもよい 340 00:27:56,014 --> 00:27:59,017 そして 我が正体が 道々の者の ひとりであることを明かして・ 341 00:27:59,017 --> 00:28:02,020 協力を求める それほどまでに… 342 00:28:02,020 --> 00:28:05,023 なりませぬ! 殿をそのような危ない所へなど 343 00:28:05,023 --> 00:28:11,029 私がまいります おふうどの 頼む! 344 00:28:11,029 --> 00:28:21,039 ・~ 345 00:28:21,039 --> 00:28:23,976 どうされた? 346 00:28:23,976 --> 00:28:27,980 いつもは陽気な おふうどのが この旅では 妙に黙りこくって 347 00:28:27,980 --> 00:28:32,985 宿を取ってください この小田原に? 348 00:28:32,985 --> 00:28:36,989 足を伸ばせば すぐに箱根の山ではないか 349 00:28:36,989 --> 00:28:40,993 山へ入るには それなりの手順が要るのです 350 00:28:40,993 --> 00:28:48,993 ・~ 351 00:29:31,977 --> 00:29:42,988 ・~ 352 00:29:42,988 --> 00:29:45,991 おふうどの… 353 00:29:45,991 --> 00:29:49,995 夫婦になってくだされとは 申しませぬ 354 00:29:49,995 --> 00:29:55,000 でも 六郎どのと 男と女の仲にならなければ・ 355 00:29:55,000 --> 00:29:59,004 風魔の長に 引き合わせることができませぬ 356 00:29:59,004 --> 00:30:04,009 手順とは このことだったのか 357 00:30:04,009 --> 00:30:08,013 でも それだけはありませぬ 358 00:30:08,013 --> 00:30:12,017 大坂城で お目にかかったときから… 359 00:30:12,017 --> 00:30:21,026 ・~ 360 00:30:21,026 --> 00:30:26,026 戻ったら 殿にお願いして 夫婦になろう 361 00:30:27,966 --> 00:30:34,966 「六郎どのは 私の夫だ」と 風魔の長に言ってもよいのですね 362 00:30:36,975 --> 00:30:42,981 いいとも それに違いないのだから 363 00:30:42,981 --> 00:30:44,983 うれしい 364 00:30:44,983 --> 00:30:54,983 ・~ 365 00:31:02,000 --> 00:31:04,000 (払いのける音) 366 00:31:08,006 --> 00:31:20,018 ・~ 367 00:31:20,018 --> 00:31:32,030 ・~ 368 00:31:32,030 --> 00:31:35,030 (男性)何を捜しておるのかね? 369 00:31:37,035 --> 00:31:39,037 女を… 370 00:31:39,037 --> 00:31:45,037 ああ… 3人の男に あの草むらに担ぎ込まれたよ 371 00:31:55,053 --> 00:31:57,053 ヤーッ! 372 00:32:02,060 --> 00:32:14,072 ・~ 373 00:32:14,072 --> 00:32:26,017 ・~ 374 00:32:26,017 --> 00:32:28,019 (風斎)見事じゃ 375 00:32:28,019 --> 00:32:34,025 これまで わしの杖を食らって 頭が割れなかった者はおらん 376 00:32:34,025 --> 00:32:37,025 ハハハハッ… 377 00:32:45,036 --> 00:32:48,039 本当に この人を殺すつもりだったの? 378 00:32:48,039 --> 00:32:53,044 そりゃそうさ 一族の女の心を奪った男だからな 379 00:32:53,044 --> 00:32:57,048 「一族の」? では 風魔の… 380 00:32:57,048 --> 00:32:59,050 わしの名は風斎 381 00:32:59,050 --> 00:33:04,050 風魔の長に会いたければ 案内するが ついてくるかね? 382 00:33:07,058 --> 00:33:11,062 (風斎) おふうの味は どうじゃった? 383 00:33:11,062 --> 00:33:15,066 いとしいかね? 384 00:33:15,066 --> 00:33:20,071 はい… どんなふうに? 385 00:33:20,071 --> 00:33:24,009 口では表せません 386 00:33:24,009 --> 00:33:29,009 ハハハハッ… おぬし それでも忍びの者か? 387 00:33:40,025 --> 00:33:47,032 アハハハッ… 合格じゃ さすが おふうが惚れた男じゃのぅ 388 00:33:47,032 --> 00:33:50,035 風魔の長とは どういうお方ですか? 389 00:33:50,035 --> 00:33:55,040 聞いとるじゃろう? 身の丈7尺余りの ひげ男じゃよ 390 00:33:55,040 --> 00:34:01,040 それは わざと流した風評では? 真のことだ 会うてみれば分かる 391 00:34:04,049 --> 00:34:06,049 おい 392 00:34:08,053 --> 00:34:23,001 ・~ 393 00:34:23,001 --> 00:34:37,015 ・~ 394 00:34:37,015 --> 00:34:42,020 風魔の長 小太郎どのと お見受けいたします 395 00:34:42,020 --> 00:34:45,023 手前 甲斐の六郎と申す 武田忍びの末でございます 396 00:34:45,023 --> 00:34:48,026 (小太郎) 親父さまが教えたのですか? 397 00:34:48,026 --> 00:34:51,029 教えるわけがない 398 00:34:51,029 --> 00:34:56,034 おふうが見込んだ男は 目が高いということだ 399 00:34:56,034 --> 00:35:01,034 (小太郎) いかにも わしが風魔の小太郎だ 400 00:35:07,045 --> 00:35:10,048 (小太郎)六郎どのとやら 401 00:35:10,048 --> 00:35:17,055 我が娘 おふうと 夫婦になるということは 承知か? 402 00:35:17,055 --> 00:35:23,995 娘? おふうどのが風魔の長の? 403 00:35:23,995 --> 00:35:25,997 知らなかったのか? 404 00:35:25,997 --> 00:35:29,997 風魔と つなぎをつけるために 契ったのではないのか? 405 00:35:33,004 --> 00:35:37,008 ♪(忍者たち) エー ヤッショイ ヤッショイ イヤサカ イヤサカ 406 00:35:37,008 --> 00:35:40,011 ♪ エー ヤッショイ ヤッショイ イヤサカ イヤサカ 407 00:35:40,011 --> 00:35:43,014 ♪ エー ヤッショイ ヤッショイ イヤサカ イヤサカ 408 00:35:43,014 --> 00:35:47,018 ♪ エー ヤッショイ ヤッショイ イヤサカ イヤサカ 409 00:35:47,018 --> 00:35:50,021 ♪ エー ヤッショイ ヤッショイ イヤサカ イヤサカ 410 00:35:50,021 --> 00:35:54,025 ♪ エー ヤッショイ ヤッショイ イヤサカ イヤサカ 411 00:35:54,025 --> 00:35:56,027 ♪ エー ヤッショイ ヤッショイ 412 00:35:56,027 --> 00:36:01,032 (風斎)婿どの 返事が決まったよ 413 00:36:01,032 --> 00:36:07,038 (小太郎)風魔一族を挙げて 徳川家康どのに お味方いたす 414 00:36:07,038 --> 00:36:13,044 さて… いつ どこで 徳川どのにお会いするかだが 415 00:36:13,044 --> 00:36:15,046 天竜二俣で いかがでしょうか? 416 00:36:15,046 --> 00:36:19,046 そこに 私のもうひとりの主 島左近さまの隠れ家があります 417 00:36:21,052 --> 00:36:24,052 あれが天竜川か (左近)はっ… 418 00:36:46,010 --> 00:36:51,015 風魔の頭領 小太郎どのと 隠居の風斎どのでございます 419 00:36:51,015 --> 00:36:54,018 子細は 六郎からの文で読んだ 420 00:36:54,018 --> 00:36:57,021 おふうの親父どのに じいどのだそうだな 421 00:36:57,021 --> 00:37:00,024 (左近)おお… これはこれは よくぞ来られた 422 00:37:00,024 --> 00:37:03,027 さあさあ どうぞ 423 00:37:03,027 --> 00:37:09,033 (左近)おお… これが六郎の女房か なんと いい女だ 424 00:37:09,033 --> 00:37:14,038 六郎ずれには もったいない どうだ? わしに乗り換えんか? 425 00:37:14,038 --> 00:37:16,040 御前! うん? 426 00:37:16,040 --> 00:37:18,042 (二郎三郎たちの笑い声) (左近)怒るな 怒るな 427 00:37:18,042 --> 00:37:20,044 改めて言うことは何もない 428 00:37:20,044 --> 00:37:25,984 左近どのが自慢の この眺めを肴に 心行くまで飲もう ハハッ… 429 00:37:25,984 --> 00:37:31,990 (風斎) 徳川家康さまと島左近さまが 酒を酌み交わしておられる 430 00:37:31,990 --> 00:37:35,994 夢のような景色でございますなぁ 431 00:37:35,994 --> 00:37:38,997 (小太郎) 家康の殿は 駿府のお城から? 432 00:37:38,997 --> 00:37:40,999 ああ 城の工事を見に 立ち寄った 433 00:37:40,999 --> 00:37:44,002 今ごろは お梶の部屋で2人きりで おるということになっておる 434 00:37:44,002 --> 00:37:46,004 (小太郎)ここには お1人で? 435 00:37:46,004 --> 00:37:50,008 ああ 馬が1頭あれば 誰にも悟られず 抜け出せる 436 00:37:50,008 --> 00:37:52,010 昔 さんざん やったことだからな 437 00:37:52,010 --> 00:37:56,010 (笑い声) さあさあさあ… 438 00:37:58,016 --> 00:38:03,021 <慶長8年2月 徳川家康は 伏見城に勅使を迎えて・ 439 00:38:03,021 --> 00:38:07,025 征夷大将軍 源氏の長者に 任じられた> 440 00:38:07,025 --> 00:38:15,033 ・~ 441 00:38:15,033 --> 00:38:21,039 <征夷大将軍 源氏の長者は 武家の頭領を表す職名である> 442 00:38:21,039 --> 00:38:24,976 <関ヶ原の合戦以後 なお不安定だった徳川家の地位は 443 00:38:24,976 --> 00:38:27,979 これで ようやく固まることになった> 444 00:38:27,979 --> 00:38:32,984 <家康の征夷大将軍就任で 最も衝撃を受けたのは・ 445 00:38:32,984 --> 00:38:36,988 当然のことながら 大坂城の豊臣家である> 446 00:38:36,988 --> 00:38:39,991 (淀君)徳川は豊臣家の家老じゃ! 447 00:38:39,991 --> 00:38:41,993 この秀頼の家来にすぎぬ 448 00:38:41,993 --> 00:38:46,998 違うか・ 治長 且元 (治長)仰せのとおりにございます 449 00:38:46,998 --> 00:38:53,004 (且元) なれど 征夷大将軍ともなれば これは武家の頭領にて 450 00:38:53,004 --> 00:38:57,008 (淀君)太閤殿下には 関白 太政大臣であられた 451 00:38:57,008 --> 00:39:00,011 武家の頭領の 上に位するものであろう? 452 00:39:00,011 --> 00:39:02,013 (且元・治長)はい 453 00:39:02,013 --> 00:39:06,017 (淀君)この秀頼が まだ11歳の若年でなければ・ 454 00:39:06,017 --> 00:39:08,019 関白までは望まぬまでも・ 455 00:39:08,019 --> 00:39:11,022 征夷大将軍は 豊臣のものであったはず! 456 00:39:11,022 --> 00:39:14,025 (治長) 御年の若さは致し方ございません 457 00:39:14,025 --> 00:39:17,028 ここは ひとまず辛抱なされて・ 458 00:39:17,028 --> 00:39:21,966 家臣筆頭の家康どのを 将軍職に就けておきましょう 459 00:39:21,966 --> 00:39:26,971 秀頼成人の暁には 将軍職を譲らせるというのか? 460 00:39:26,971 --> 00:39:31,976 征夷大将軍は世襲ではありませぬ 実力のある者が これを継ぐ 461 00:39:31,976 --> 00:39:34,979 家康どのは既に高齢 462 00:39:34,979 --> 00:39:39,984 秀頼さまのお若さが こちらの強みでございます 463 00:39:39,984 --> 00:39:42,987 (淀君)且元は どう思う? 464 00:39:42,987 --> 00:39:45,990 (且元)豊臣家の恩顧を忘れず・ 465 00:39:45,990 --> 00:39:50,995 徳川に不満を抱く大名が 数多く 存在することは確かでございます 466 00:39:50,995 --> 00:39:54,999 (淀君)将軍職を得た徳川が 一気に挑んでくることは? 467 00:39:54,999 --> 00:39:59,999 (且元)ないとは申せませぬ 殊に 次の将軍職を狙う秀忠どのには… 468 00:40:04,008 --> 00:40:09,013 そうじゃ… 千姫の輿入れを急がせよう 469 00:40:09,013 --> 00:40:12,016 家康どのが 隠居でもしてしまわぬうちに! 470 00:40:12,016 --> 00:40:14,018 (治長) それは よいお考えでございます! 471 00:40:14,018 --> 00:40:16,020 関ヶ原のあとに会うたときには・ 472 00:40:16,020 --> 00:40:19,023 千姫は まだ4歳と言うて かわされた 473 00:40:19,023 --> 00:40:26,964 それが今は7歳! フフフッ… もう断りの口実にはなるまい! 474 00:40:26,964 --> 00:40:30,964 (治長)早速 徳川家に使者を送って 交渉いたします 475 00:40:33,971 --> 00:40:39,977 ・~ 476 00:40:39,977 --> 00:40:45,983 大坂の淀君から矢の催促だ 秀忠どのは 何と言っている? 477 00:40:45,983 --> 00:40:51,989 (正信)「遠からず殺すつもりの男に 娘をやる親があるか」と 478 00:40:51,989 --> 00:40:54,992 殺さなければよかろう はぁ? 479 00:40:54,992 --> 00:40:57,995 秀頼どのをだ 480 00:40:57,995 --> 00:41:03,000 豊臣を滅ぼさずに 天下を掌握できるとでも? 481 00:41:03,000 --> 00:41:05,002 できぬか? 482 00:41:05,002 --> 00:41:07,004 ンンッ… できません ハハハハッ… 483 00:41:07,004 --> 00:41:13,010 そこが 武士のおぬしと 道々の者の わしとの違いだな 484 00:41:13,010 --> 00:41:18,015 まあ いずれにせよ 千姫を秀頼どのの嫁にすることは 485 00:41:18,015 --> 00:41:22,019 太閤と家康の殿の誓約だ 486 00:41:22,019 --> 00:41:29,026 わしは 征夷大将軍になったが 豊臣の勢力は まだまだ侮り難い 487 00:41:29,026 --> 00:41:35,032 戦になれば 天下は 再び2つに割れるだろう 488 00:41:35,032 --> 00:41:41,038 なんとかならぬか? おぬしならば よい知恵もあるはずだ 489 00:41:41,038 --> 00:41:45,042 ひとつだけ… それは? 490 00:41:45,042 --> 00:41:50,042 於江のお方さまを 動かすことでござる 491 00:41:54,051 --> 00:41:56,053 <秀忠の正室 於江の方は・ 492 00:41:56,053 --> 00:42:01,058 織田信長の妹 お市の方の3女で 淀君の妹である> 493 00:42:01,058 --> 00:42:03,060 <姉に似て 気性が激しく・ 494 00:42:03,060 --> 00:42:07,064 娘 千姫の大坂嫁入りは 避け難いと悟ったとき・ 495 00:42:07,064 --> 00:42:11,064 いかにも 戦国の女性らしい 果敢な行動に出た> 496 00:42:14,071 --> 00:42:17,074 <於江の方は 夫 秀忠の意向を無視して・ 497 00:42:17,074 --> 00:42:20,077 千姫を大坂に伴ったのである> 498 00:42:20,077 --> 00:42:26,017 <慶長8年7月 7歳の千姫は 11歳の秀頼と婚儀の祝典を挙げた> 499 00:42:26,017 --> 00:42:33,024 徳川家の主は 一体 誰だ? 余か・ それとも あの影武者か・ 500 00:42:33,024 --> 00:42:38,029 (正信)若殿が 大殿の身代わりを かの者に命じた以上・ 501 00:42:38,029 --> 00:42:41,032 主は かの者でござろう 502 00:42:41,032 --> 00:42:45,036 その命令は打ち切る 即刻 かの者の首討て! 503 00:42:45,036 --> 00:42:51,042 そのお指図は 何とぞ ほかの者に 手前は この場をお借りして… 504 00:42:51,042 --> 00:42:54,045 (秀忠)何をするつもりだ? (正信)腹切って おわびいたす 505 00:42:54,045 --> 00:42:59,050 世良田二郎三郎を 影武者として 大殿に勧めまいらせたのは・ 506 00:42:59,050 --> 00:43:04,055 手前でござれば… (秀忠)余を… 余を脅す気か? 507 00:43:04,055 --> 00:43:08,059 (正信)お見届けくだされば お分かりでござろう 508 00:43:08,059 --> 00:43:16,059 徳川の家の崩壊を見ずして 死ぬるは 幸せでござる 509 00:43:23,007 --> 00:43:28,012 ハッ… 徳川が崩壊? 馬鹿な! 510 00:43:28,012 --> 00:43:33,017 (正信)まだお分かりにならぬか・ 今 大殿の喪を発して・ 511 00:43:33,017 --> 00:43:37,021 天下が そのまま 若殿に引き継がれるとお思いか? 512 00:43:37,021 --> 00:43:39,023 武家の頭領の地位も・ 513 00:43:39,023 --> 00:43:42,026 海道一の弓取り 家康さまなればこそ・ 514 00:43:42,026 --> 00:43:44,028 勝ち得られたもの! 515 00:43:44,028 --> 00:43:50,034 その大殿のにらみの利くうちに 征夷大将軍を継がれることこそ 516 00:43:50,034 --> 00:43:54,034 何よりも 徳川家のためと思われぬか・ 517 00:43:59,043 --> 00:44:06,043 分かった その徳川家のためにも 死ぬのは やめてくれ 518 00:44:08,052 --> 00:44:14,052 そなたが死ねば かの者との交渉は一体 誰がする? 519 00:44:16,060 --> 00:44:18,062 確かに そなたの申すとおりじゃ 520 00:44:18,062 --> 00:44:25,002 父上のご威光なくして 余は征夷大将軍にはなれぬ 521 00:44:25,002 --> 00:44:30,002 かの者が不要になるのは そのあとだ 522 00:44:40,017 --> 00:44:42,017 (刀を納める音) 523 00:44:45,022 --> 00:44:51,028 <駿府城は 関ヶ原の戦いの4年前 徳川家康が築いた城だった> 524 00:44:51,028 --> 00:44:56,033 <二郎三郎は その城を ほとんど 新しく造り替えようとしている> 525 00:44:56,033 --> 00:44:59,036 <それは 不思議な運命のいたずらで・ 526 00:44:59,036 --> 00:45:02,039 くしくも 封建君主の頂点に立った・ 527 00:45:02,039 --> 00:45:06,043 道々の者 世良田二郎三郎が 抱いた壮大な夢> 528 00:45:06,043 --> 00:45:11,048 <全ての人が 身分 職業の隔たりなく・ 529 00:45:11,048 --> 00:45:17,054 誰に頭を押さえられることもなく 自由に生きることができる世界…> 530 00:45:17,054 --> 00:45:21,993 <公界建設への 果敢な挑戦であった> 531 00:45:21,993 --> 00:45:26,993 ・~ 532 00:45:29,000 --> 00:45:49,020 ・~ 533 00:45:49,020 --> 00:46:06,037 ・~ 534 00:46:06,037 --> 00:46:25,990 ・~ 535 00:46:25,990 --> 00:46:38,002 ・~ 536 00:46:38,002 --> 00:46:50,002 ・~ 537 00:51:12,142 --> 00:51:13,010 538 00:51:13,010 --> 00:51:17,014 「時代劇専門チャンネル」の 全てが分かる番組情報誌 539 00:51:17,014 --> 00:51:19,014 『時代劇専門チャンネルガイド』 540 00:51:20,017 --> 00:51:23,020 毎月のおすすめ作品を 解説した特集記事や・ 541 00:51:23,020 --> 00:51:28,020 番組表・コラム・時代劇クロスワードなど 見どころ満載! 542 00:51:35,032 --> 00:51:37,032 まずは 見本誌を 無料で お届け!