1 00:01:22,155 --> 00:01:23,022 2 00:01:23,022 --> 00:01:33,032 ・~ 3 00:01:33,032 --> 00:01:35,034 (ナレーター) <徳川家康の身代わりとして・ 4 00:01:35,034 --> 00:01:38,037 天下に君臨する世良田二郎三郎は 5 00:01:38,037 --> 00:01:42,041 家康の死後 14年を経た今 最大の危機に立っている> 6 00:01:42,041 --> 00:01:45,044 <二郎三郎の 平和への願いも むなしく・ 7 00:01:45,044 --> 00:01:48,047 大坂城に 莫大な財力を保持する豊臣家は・ 8 00:01:48,047 --> 00:01:53,052 多数の浪人を召し抱えて 戦力を増大> 9 00:01:53,052 --> 00:01:57,056 <今こそ 大坂攻略の好機と見た 2代将軍 秀忠は・ 10 00:01:57,056 --> 00:02:03,056 幕閣の総意を結集して 戦への機運を高めている> 11 00:02:07,066 --> 00:02:13,066 (雷鳴) 12 00:02:18,077 --> 00:02:22,015 <京から 朝廷で 天文暦 吉凶を占う・ 13 00:02:22,015 --> 00:02:25,015 陰陽頭が東下ってきた> 14 00:02:29,022 --> 00:02:33,026 (二郎三郎)朝廷の陰陽頭が? 15 00:02:33,026 --> 00:02:36,029 天子さまのご命令でか? 16 00:02:36,029 --> 00:02:41,034 (六郎)いえ… ただ 大御所さまに 緊急に申し上げることありと… 17 00:02:41,034 --> 00:02:45,038 (風斎) 陰陽頭 土御門久脩さまといえば・ 18 00:02:45,038 --> 00:02:50,043 占いの名人として 知られたお方だが… 19 00:02:50,043 --> 00:02:53,046 (おふう) 確かに ご本人なのでしょうか? 20 00:02:53,046 --> 00:02:57,050 この駿府城内に お顔を知る者は1人もいないが 21 00:02:57,050 --> 00:03:02,055 人品骨柄といい 鬼気迫る風情といい ただ事とは… 22 00:03:02,055 --> 00:03:05,058 (お梶) 占いに何か出たのでしょうか? 23 00:03:05,058 --> 00:03:09,058 (二郎三郎) 妙に胸騒ぎがする 会おう 24 00:03:37,023 --> 00:03:39,023 (久脩)シッ! 25 00:03:41,027 --> 00:03:43,027 シッ! 26 00:03:46,032 --> 00:03:54,040 (祈祷の声) 27 00:03:54,040 --> 00:03:59,045 (久脩)合戦が迫っております 関ヶ原以上の大合戦が 28 00:03:59,045 --> 00:04:02,048 これを大乱にするか はたまた 小乱に とどめるかは・ 29 00:04:02,048 --> 00:04:05,051 そこもとしだい 大乱とは? 30 00:04:05,051 --> 00:04:09,055 (久脩) 世が 再び戦国の昔に戻ること 31 00:04:09,055 --> 00:04:15,061 さぞかし おつらいことでござろう 32 00:04:15,061 --> 00:04:20,066 だが 人は いずれは死ぬもの 33 00:04:20,066 --> 00:04:25,004 何とぞ 庶民のために ご決断を… 34 00:04:25,004 --> 00:04:28,004 「人は いずれ死ぬもの」… 35 00:04:35,014 --> 00:04:37,016 お送りしてまいりました 36 00:04:37,016 --> 00:04:41,020 あのお人は 見事に わしの心を読んでいたよ 37 00:04:41,020 --> 00:04:45,024 (お梶) 何と おっしゃられたのですか? 38 00:04:45,024 --> 00:04:52,031 次の戦が大乱となるか 小乱にとどまるか わししだいと 39 00:04:52,031 --> 00:04:56,035 大御所さまが 大坂への肩入れを・ 40 00:04:56,035 --> 00:04:58,037 続けられるかどうかと いうことですね 41 00:04:58,037 --> 00:05:03,042 わしの その迷いが 陰陽頭の占いに出たのであろう 42 00:05:03,042 --> 00:05:07,046 (風斎)それを言うために 京から はるばる嵐をついて? 43 00:05:07,046 --> 00:05:13,052 この国の運命を占う者の務めと 考えたのであろう 44 00:05:13,052 --> 00:05:20,059 (お梶)私には分かりませぬ 何が大乱で 何が小乱なのですか? 45 00:05:20,059 --> 00:05:24,998 わしが大坂の味方をすれば 大乱 46 00:05:24,998 --> 00:05:31,004 秀忠と共に 大坂を攻めれば 小乱ということだよ 47 00:05:31,004 --> 00:05:34,007 私は 占いなど信じませぬ 48 00:05:34,007 --> 00:05:36,009 (六郎) この際 はっきりと申し上げます 49 00:05:36,009 --> 00:05:40,013 大御所さまは もはや秀忠さまとの 縁をお切りになるべきです 50 00:05:40,013 --> 00:05:42,015 どうやって? 51 00:05:42,015 --> 00:05:49,022 私が 秀忠さまを殺します 家康の殿を殺した この私が 52 00:05:49,022 --> 00:05:53,026 それは ならぬと言ったはずだ 殺さなければ 殺されます 53 00:05:53,026 --> 00:05:59,032 (風斎)うむ… 大御所さまが 秀忠さまと共に大坂を攻めれば・ 54 00:05:59,032 --> 00:06:05,038 豊臣家は滅び 天下は 確実に徳川のものとなる 55 00:06:05,038 --> 00:06:09,042 そして お身代わりの家康さまは… 56 00:06:09,042 --> 00:06:11,044 殺される 57 00:06:11,044 --> 00:06:18,051 それも 陰陽頭は予言したよ 「人は いずれ死ぬもの」とな 58 00:06:18,051 --> 00:06:22,989 誰が そう むざむざと! わしも むなしく死ぬ気はない 59 00:06:22,989 --> 00:06:29,996 次の戦が避けられぬものならば それを最後の戦としたい 60 00:06:29,996 --> 00:06:33,996 いや… 必ず そうしてみせる 61 00:06:38,004 --> 00:06:42,008 (左近)「最後の戦にしたい」と 言われたのか 62 00:06:42,008 --> 00:06:46,012 それも できるだけ死者を少なく 速戦即決でと… 63 00:06:46,012 --> 00:06:50,016 今の大坂城の戦力では そうなるだろう 64 00:06:50,016 --> 00:06:54,020 信仰で結集した1万5000の 切支丹武士団も城内におります 65 00:06:54,020 --> 00:06:59,025 信仰は確かに強い だが 戦をするには優れた大将が要る 66 00:06:59,025 --> 00:07:01,027 それがなければ 烏合の衆だ 67 00:07:01,027 --> 00:07:07,033 その大将に かつての切支丹大名 高山右近どのが なられたら? 68 00:07:07,033 --> 00:07:14,040 右近どのは 織田信長公さえもが 一目置いた天下の名将だ 69 00:07:14,040 --> 00:07:18,044 切支丹武士団は 恐るべき戦力となるだろう 70 00:07:18,044 --> 00:07:23,983 その名を慕って 更に 多くの切支丹浪人が集まるかも 71 00:07:23,983 --> 00:07:27,987 必ず そうなる 72 00:07:27,987 --> 00:07:31,991 大坂城の戦力が高まり 戦が長引けば・ 73 00:07:31,991 --> 00:07:34,994 全国に飛び火するおそれも… ある 74 00:07:34,994 --> 00:07:39,999 今 身を引いている 福島 蜂須賀など豊臣恩顧の大名や 75 00:07:39,999 --> 00:07:44,003 毛利 島津など 関ヶ原の負け組は 76 00:07:44,003 --> 00:07:50,009 いまだに 徳川に従うふりをして 機会をうかがっているからな 77 00:07:50,009 --> 00:07:55,014 そのおそれが 現実になろうとしております 78 00:07:55,014 --> 00:08:00,019 高山右近どのが 大坂に味方をするというのか? 79 00:08:00,019 --> 00:08:04,023 おふうが 元風魔の忍びで 今は切支丹の おゆきから・ 80 00:08:04,023 --> 00:08:10,029 知らせを受けました おふう お話を… 81 00:08:10,029 --> 00:08:14,033 (おふう)高山右近さまは 改宗の勧めに従わず・ 82 00:08:14,033 --> 00:08:18,037 国外追放と決まりました (左近)聞いている 83 00:08:18,037 --> 00:08:22,975 同じ切支丹大名だった 内藤如安どのらと共に・ 84 00:08:22,975 --> 00:08:25,978 長崎から 呂宋へ送られるそうだな 85 00:08:25,978 --> 00:08:32,985 (おふう)長崎には 大坂から船で… そこを切支丹武士団が襲います 86 00:08:32,985 --> 00:08:37,985 右近どのの身柄を奪取して 大坂城へ? (おふう)はい 87 00:08:43,996 --> 00:08:49,001 ・♪(歌声) 88 00:08:49,001 --> 00:08:52,004 (藩士)何だ? (藩士)何だ? この声は 89 00:08:52,004 --> 00:08:55,007 ♪~ 90 00:08:55,007 --> 00:08:58,010 (藩士)アッ! 91 00:08:58,010 --> 00:09:01,013 (青木) 前田家の皆さまに申し上げる 92 00:09:01,013 --> 00:09:04,016 高山右近どのを 我ら切支丹にお渡しください 93 00:09:04,016 --> 00:09:08,020 (藩士)ならぬ どけい! (藩士)どけい! 94 00:09:08,020 --> 00:09:11,020 (切支丹武士たち)ヤーッ! 95 00:09:13,025 --> 00:09:15,027 (藩士)あっ 待て! 96 00:09:15,027 --> 00:09:18,027 (藩士)待て! 待て! (藩士)殿! 97 00:09:21,033 --> 00:09:22,969 (青木)おぬしは大御所さまの… 98 00:09:22,969 --> 00:09:25,972 越後福島で お目にかかりましたな 99 00:09:25,972 --> 00:09:29,976 やはり 大坂城に入られましたか 100 00:09:29,976 --> 00:09:33,980 (青木)信仰を捨てぬ我らの 行き先は ほかにはない 101 00:09:33,980 --> 00:09:39,986 それをとがめる気はありません だが 高山右近さまは渡せない 102 00:09:39,986 --> 00:09:44,991 (青木)邪魔するか どけい! (切支丹武士)ええい どけい! 103 00:09:44,991 --> 00:09:47,991 ウワッ! (切支丹武士たち)ヤーッ! 104 00:10:04,010 --> 00:10:10,016 ・~ 105 00:10:10,016 --> 00:10:18,024 ・(藤左)心配ご無用 右近の殿は わしが大坂城へご案内いたす 106 00:10:18,024 --> 00:10:20,026 青蛙の藤左… 107 00:10:20,026 --> 00:10:25,026 ・ ご苦労だったな 甲斐の六郎 108 00:10:26,966 --> 00:10:28,968 高山右近さま! 109 00:10:28,968 --> 00:10:33,973 加賀 金沢で私に仰せられたこと 覚えてらっしゃいますか? 110 00:10:33,973 --> 00:10:35,975 ・(右近)よ~く覚えている 111 00:10:35,975 --> 00:10:37,977 「神より ほかの主を いただくつもりはない」と・ 112 00:10:37,977 --> 00:10:40,980 おっしゃいました ・(右近)そのとおりだ 113 00:10:40,980 --> 00:10:46,986 大坂城は 右近さまの旧主 豊臣家の砦 114 00:10:46,986 --> 00:10:49,989 そこで戦うのは 旧主のもとに 戻ったことになりましょう 115 00:10:49,989 --> 00:10:51,991 ・(藤左)うるさいぞ 六郎! 116 00:10:51,991 --> 00:10:54,994 ・ 切支丹でもない おぬしに 何が分かる? 117 00:10:54,994 --> 00:10:59,999 分かるとも! 豊臣家が戦うのは 切支丹のためではない 118 00:10:59,999 --> 00:11:05,004 おぬしら 利用されるだけだ! ・(藤左)豊臣の世に戻れば… 119 00:11:05,004 --> 00:11:11,010 (藤左)切支丹禁制を解くと 淀君さまは そう約束された 120 00:11:11,010 --> 00:11:14,013 (切支丹武士たち) 右近さま! 右近さま! 121 00:11:14,013 --> 00:11:17,016 右近さま! 右近さま! 122 00:11:17,016 --> 00:11:37,036 ・~ 123 00:11:37,036 --> 00:11:52,051 ・~ 124 00:11:52,051 --> 00:11:54,051 (右近)きょうだいたちよ 125 00:11:56,055 --> 00:12:00,059 期待に背いて 相すまぬが わしは大坂城には入らん 126 00:12:00,059 --> 00:12:03,062 十字架を背負って 呂宋へ行く 127 00:12:03,062 --> 00:12:06,065 (青木)右近さま… (藤左)なぜ? 128 00:12:06,065 --> 00:12:10,069 (右近)何事も 主の御旨のままに 流れていくのが・ 129 00:12:10,069 --> 00:12:13,072 誠の切支丹の生きざまだからだ 130 00:12:13,072 --> 00:12:16,075 (青木)戦も また 主の御旨では? 131 00:12:16,075 --> 00:12:19,078 (右近)違うな 132 00:12:19,078 --> 00:12:24,016 わしらの唯一の抵抗は 殉教 133 00:12:24,016 --> 00:12:27,019 十字架の主にならって 処刑されることだ 134 00:12:27,019 --> 00:12:29,019 (藤左)殉教… 135 00:12:31,023 --> 00:12:37,029 (右近)わしも この年で 異国になど行きたくはない 136 00:12:37,029 --> 00:12:41,033 だが それが御旨なら 喜んで行くべきだと思い返した 137 00:12:41,033 --> 00:12:46,033 どこで行きようと どこで死のうと 主の御前では些々たることだ 138 00:12:51,043 --> 00:12:57,043 さらばだ きょうだいたち いつの日か パライソで会おう 139 00:13:00,052 --> 00:13:05,052 (藤左)そんな… 殿! (切支丹武士たち)殿! 殿! 140 00:13:10,062 --> 00:13:14,066 (右近)すまぬが 長崎行きの船まで 送ってくれぬか? 141 00:13:14,066 --> 00:13:16,066 はっ… 142 00:13:20,072 --> 00:13:23,008 (秀忠)大坂攻めの機は熟した 143 00:13:23,008 --> 00:13:26,011 (宗矩)御意 あとは きっかけだけでございます 144 00:13:26,011 --> 00:13:29,014 (秀忠)きっかけは作れる 145 00:13:29,014 --> 00:13:34,019 (宗矩)京 方広寺 釣り鐘の件で? 146 00:13:34,019 --> 00:13:36,021 豊臣をいじめ抜いて・ 147 00:13:36,021 --> 00:13:39,021 嫌でも戦に向かわせてくれる 148 00:13:43,028 --> 00:13:45,030 <慶長19年8月> 149 00:13:45,030 --> 00:13:48,033 <豊臣家が 多額な費用を費やして再建した・ 150 00:13:48,033 --> 00:13:51,036 京都 方広寺の大仏殿が完成して・ 151 00:13:51,036 --> 00:13:54,039 開眼の供養が 行われることになった> 152 00:13:54,039 --> 00:14:00,045 <このとき突如として起こったのが 史上 有名な 「鐘銘事件」である> 153 00:14:00,045 --> 00:14:03,048 家康の名を2つに切って 呪っているなど… 154 00:14:03,048 --> 00:14:06,051 ばかばかしくて話にならん 155 00:14:06,051 --> 00:14:10,055 (左近) 世間では 大御所さまご自身が 難癖をつけておられると… 156 00:14:10,055 --> 00:14:17,062 秀忠が 林羅山のこじつけを 取り上げて騒ぎ立てたのです 157 00:14:17,062 --> 00:14:21,066 あの男は 父親の名を悪名にまみれさせても 158 00:14:21,066 --> 00:14:24,003 豊臣家を滅ぼしたいものと見える 159 00:14:24,003 --> 00:14:28,007 (風斎)大御所さまには あまりの ばかばかしさに・ 160 00:14:28,007 --> 00:14:31,010 口を出すのも 嫌になられたようですな 161 00:14:31,010 --> 00:14:34,013 口を出すとすれば 「恥を知れ」としか言いようがない 162 00:14:34,013 --> 00:14:38,017 だが 幕閣は 馬鹿を承知で やっているのだ 163 00:14:38,017 --> 00:14:42,021 (左近)戦国生き残りの硬骨漢 本多正信どのも? 164 00:14:42,021 --> 00:14:47,026 正信こそ 豊臣を滅ぼすのは 是非とも 家康の殿の御名でと・ 165 00:14:47,026 --> 00:14:50,029 思い定めている張本人 166 00:14:50,029 --> 00:14:55,034 それこそ 恥を忍んで 難癖を 推し進めているのでござろう 167 00:14:55,034 --> 00:15:02,041 …となれば 大御所おひとりが 反対なされても 浮き上がるばかり 168 00:15:02,041 --> 00:15:05,044 むなしいご心中 お察し申す 169 00:15:05,044 --> 00:15:10,049 実は今 大坂城から 片桐且元が弁明に来ているのです 170 00:15:10,049 --> 00:15:16,055 その応対には 正信のせがれ 正純が当たっている 171 00:15:16,055 --> 00:15:21,060 正純は しっかりと 父 正信の意を 受けているに違いない 172 00:15:21,060 --> 00:15:26,999 豊臣家への 要求は厳しいものとなり申そう 173 00:15:26,999 --> 00:15:34,006 わしは 豊臣家のために できるかぎりのことをしてきた 174 00:15:34,006 --> 00:15:39,011 そのために 秀頼どのに 頭を下げてくれと頼みました 175 00:15:39,011 --> 00:15:43,015 <片桐且元が 大坂城に 持ち帰った徳川家の要求は・ 176 00:15:43,015 --> 00:15:46,018 予想どおりに厳しいものだった> 177 00:15:46,018 --> 00:15:49,021 <一つ 秀頼が大阪城を出て 他国へ移ること> 178 00:15:49,021 --> 00:15:54,026 <一つ 秀頼が 諸大名と同様に 江戸と駿府に参勤すること> 179 00:15:54,026 --> 00:15:58,030 <一つ 淀君が 人質として 江戸へ来ること> 180 00:15:58,030 --> 00:16:03,035 <以上 3箇条のうち どれかを選べというのである> 181 00:16:03,035 --> 00:16:05,037 (淀君)いずれも うなずけぬ! 182 00:16:05,037 --> 00:16:11,043 わらわに 人質になれなどと よくも そんな 183 00:16:11,043 --> 00:16:18,050 (且元)恐れながら 3つのうちでは それが いちばん よろしいかと 184 00:16:18,050 --> 00:16:20,052 わらわに江戸へ行けというのか・ 185 00:16:20,052 --> 00:16:23,989 (且元)江戸で宅地を受け取り 地ならしして石畳など敷き 186 00:16:23,989 --> 00:16:26,992 大坂から巨木を運んで 建築にかかれば・ 187 00:16:26,992 --> 00:16:30,996 それだけで1年はかかります そのあとは・ 188 00:16:30,996 --> 00:16:33,999 ご病気とでも言い立てて 2年3年と引き延ばせば… 189 00:16:33,999 --> 00:16:39,004 (治長)待たれよ それでは 豊臣家の面目が立つまい 190 00:16:39,004 --> 00:16:41,006 (且元)太閤殿下さえ・ 191 00:16:41,006 --> 00:16:48,013 母君 大政所さまを 徳川へ 人質に出された先例もござる 192 00:16:48,013 --> 00:16:54,019 (淀君)秀頼どのに伺おう この母を人質に出せるかどうか 193 00:16:54,019 --> 00:17:00,025 (秀頼)母上が嫌と言われるならば できるわけはありません 194 00:17:00,025 --> 00:17:04,029 (淀君) 耳にするのも不快な要求じゃ! 195 00:17:04,029 --> 00:17:08,033 そもそも 相手方の言い分だけを 聞いて 戻ってくる者を・ 196 00:17:08,033 --> 00:17:12,037 使者と言えようか? (且元)それがしのことでござるか 197 00:17:12,037 --> 00:17:15,040 それでは 使い走りと同じじゃ 198 00:17:15,040 --> 00:17:20,045 そなた いつから 徳川家の家来になられた・ 199 00:17:20,045 --> 00:17:27,986 この大坂の城内に 徳川の手先が いるという噂は前からあったが… 200 00:17:27,986 --> 00:17:32,991 この且元を 裏切り者と仰せられるか・ 201 00:17:32,991 --> 00:17:37,996 片桐且元どのは 強硬派の 大野治長どのらから命を狙われ 202 00:17:37,996 --> 00:17:40,999 大坂城を 退去された由にございます 203 00:17:40,999 --> 00:17:46,004 織田信雄 石川貞政ら 穏健な方々は 相次いで去られ 204 00:17:46,004 --> 00:17:49,007 大坂城は 強硬派の 制するところとなりました 205 00:17:49,007 --> 00:17:54,012 これまでだな もはや 衝突は避けられまい 206 00:17:54,012 --> 00:17:59,017 (お梶)秀忠さまの もくろみが 実を結んだのですね 207 00:17:59,017 --> 00:18:04,022 全て 時の勢い 坂を転げる大岩のようなものです 208 00:18:04,022 --> 00:18:07,025 だが わしは まだ望みを捨てぬ 209 00:18:07,025 --> 00:18:10,028 (おふう) 戦をお止めになるのですか? 210 00:18:10,028 --> 00:18:16,034 戦はする ここまで来て しないわけにはいくまい 211 00:18:16,034 --> 00:18:20,038 思いっきり 淀殿を 震え上がらせて降伏させてやる 212 00:18:20,038 --> 00:18:22,975 (お梶)では 講和を? 213 00:18:22,975 --> 00:18:25,978 秀忠さまは反対されましょう 214 00:18:25,978 --> 00:18:29,982 戦の総大将は わしがやる 215 00:18:29,982 --> 00:18:34,987 全国の大名の前で あの男の鼻っ柱 たたきつぶしてやる 216 00:18:34,987 --> 00:18:36,989 おふう! 217 00:18:36,989 --> 00:18:49,001 ・~ 218 00:18:49,001 --> 00:18:51,001 (銃声) 219 00:19:04,016 --> 00:19:08,020 (秀忠)駿府が陣触れを行ったと? (正信)全国の諸大名に… 220 00:19:08,020 --> 00:19:12,024 正に電光石火の早業でござる (秀忠)…して 何と? 221 00:19:12,024 --> 00:19:15,027 (正信)「伊勢 近江 美濃 尾張 三河 遠江の諸大名は・ 222 00:19:15,027 --> 00:19:17,029 淀 瀬田に展開のこと」 223 00:19:17,029 --> 00:19:20,032 「北国の大名は 大津 坂本 堅田に」 224 00:19:20,032 --> 00:19:22,968 「西国の大名は 西宮 兵庫に布陣」 225 00:19:22,968 --> 00:19:27,973 「東北の大名は 江戸に集結」 (秀忠)余に相談もなく… 226 00:19:27,973 --> 00:19:32,978 (正信)命を受けたる諸大名は 迅速に動いております 227 00:19:32,978 --> 00:19:36,982 「待て」と言え 「征夷大将軍の余が 到着するまでは・ 228 00:19:36,982 --> 00:19:39,985 決して 戦を始めてはならん」と 229 00:19:39,985 --> 00:19:42,988 (宗矩)お上のご出陣には 手間がかかります 230 00:19:42,988 --> 00:19:46,992 江戸城留守居役を決め 集結した外様大名への対策を… 231 00:19:46,992 --> 00:19:50,996 それでは戦に遅れる! 関ヶ原の二の舞になるではないか 232 00:19:50,996 --> 00:19:55,000 (正信) それが かの者のねらいでござろう 233 00:19:55,000 --> 00:19:58,003 余に恥をかかせるというのか? 234 00:19:58,003 --> 00:20:03,008 合戦の主導権を握り 思いどおりに幕を引く 235 00:20:03,008 --> 00:20:09,014 正に 戦の何たるかを心得たるやり方 236 00:20:09,014 --> 00:20:12,017 (秀忠)感心している場合ではない 237 00:20:12,017 --> 00:20:18,023 急げ! 1日… いや 一刻も早く 出陣の手続きをせい! 238 00:20:18,023 --> 00:20:20,025 ははっ… 239 00:20:20,025 --> 00:20:31,970 ・~ 240 00:20:31,970 --> 00:20:36,975 (秀忠)時に 忠輝が来ていたな? 241 00:20:36,975 --> 00:20:38,975 はい 242 00:20:41,980 --> 00:20:46,985 やれ 出陣の混乱に紛れて… 243 00:20:46,985 --> 00:20:49,988 今が好機だ 244 00:20:49,988 --> 00:21:00,988 ・~ 245 00:21:40,038 --> 00:21:42,038 (刺す音) 246 00:21:52,050 --> 00:21:55,053 <慶長19年11月> 247 00:21:55,053 --> 00:21:59,057 <徳川家康は 20万の大軍で 大坂城を包囲した> 248 00:21:59,057 --> 00:22:02,060 <これに対して 城内に立てこもった豊臣方は・ 249 00:22:02,060 --> 00:22:06,064 大野治長 薄田兼相 木村重成など 譜代の家臣のほか・ 250 00:22:06,064 --> 00:22:10,068 檄に応じて はせ参じた 真田幸村 後藤又兵衛…> 251 00:22:10,068 --> 00:22:14,072 <塙団右衛門などの没落大名や 浪人のほか・ 252 00:22:14,072 --> 00:22:18,076 多数の切支丹武士を合わせて およそ10万> 253 00:22:18,076 --> 00:22:32,024 ・~ 254 00:22:32,024 --> 00:22:35,027 (秀忠)総攻めを急ぐのじゃ! (家臣)はっ! 255 00:22:35,027 --> 00:22:37,029 (秀忠)この秀忠が指揮を執る 256 00:22:37,029 --> 00:22:42,034 戦機を逸し 合戦が長引けば 味方に動揺や反乱が起こるだろう 257 00:22:42,034 --> 00:22:45,034 ・ 誰が反乱する? 忠輝か? 258 00:22:49,041 --> 00:22:54,046 江戸城で 忠輝が襲われたそうだが いや そ… それがしの指図では… 259 00:22:54,046 --> 00:22:58,050 誰が そなたの指図と言った? 260 00:22:58,050 --> 00:23:02,054 忠輝を 殺したいと思っているのか? 261 00:23:02,054 --> 00:23:06,058 なぜだ? 忠輝が そなたより人望があるからか? 262 00:23:06,058 --> 00:23:11,063 忠輝は弟 物の数とは… 思っていなければ それでよい 263 00:23:11,063 --> 00:23:15,067 では なぜ総攻めを急ぐ? それは… 264 00:23:15,067 --> 00:23:20,072 早く秀頼を殺し わしから独立したいからか? 265 00:23:20,072 --> 00:23:23,008 もはや 一人前と思っているのか? 266 00:23:23,008 --> 00:23:26,011 わしがいなくても やっていけるのか? 267 00:23:26,011 --> 00:23:30,015 うぬぼれるでない そなたが真の将軍となるには・ 268 00:23:30,015 --> 00:23:33,018 まだまだ 知らねばならぬことがある 269 00:23:33,018 --> 00:23:36,021 父や弟を 邪魔にするのは10年早い! 270 00:23:36,021 --> 00:23:38,021 クッ! 271 00:23:41,026 --> 00:23:46,031 そなたが 唯一 城攻めをしたのは 関ヶ原のときの上田城であろう? 272 00:23:46,031 --> 00:23:52,037 あの小城さえ 真田のじじいの 手に乗って 攻め落とせなかった 273 00:23:52,037 --> 00:23:56,041 正信 おぬしも そばにいたな? 274 00:23:56,041 --> 00:23:58,043 御意 275 00:23:58,043 --> 00:24:04,049 その真田のせがれ 幸村が 大坂城の前に出丸を造っている 276 00:24:04,049 --> 00:24:09,054 仕返しに あれを落としてみるか? 277 00:24:09,054 --> 00:24:11,056 いかにも… 278 00:24:11,056 --> 00:24:18,056 殿! 雪辱の よい機会でございますぞ 279 00:24:31,009 --> 00:24:36,014 (幸村)全軍! かかれー! 280 00:24:36,014 --> 00:24:38,016 (兵士たち)オーッ! 281 00:24:38,016 --> 00:24:46,024 ・~ 282 00:24:46,024 --> 00:24:48,024 (銃声) 283 00:24:50,028 --> 00:24:55,033 (鬨の声) 284 00:24:55,033 --> 00:25:00,038 ・~ 285 00:25:00,038 --> 00:25:02,038 (武将)戻れ! 286 00:25:05,043 --> 00:25:10,048 (鬨の声) 287 00:25:10,048 --> 00:25:12,050 (銃声) 288 00:25:12,050 --> 00:25:16,054 <二郎三郎の家康は 合戦の 最初から 城内に密使を送って・ 289 00:25:16,054 --> 00:25:18,056 和平工作を行っていた> 290 00:25:18,056 --> 00:25:21,059 <だが 豊臣方は 難攻不落を信じる淀君の主張で・ 291 00:25:21,059 --> 00:25:24,996 頑強な抵抗をやめようとはしない> 292 00:25:24,996 --> 00:25:33,004 ・~ 293 00:25:33,004 --> 00:25:35,006 <かたくなな淀君を 恐れさせるために・ 294 00:25:35,006 --> 00:25:38,009 二郎三郎は いくつかの神経戦術を取った> 295 00:25:38,009 --> 00:25:41,012 <昼夜を分かたぬ鬨の声 地下道を掘る音> 296 00:25:41,012 --> 00:25:44,015 <投降を勧める矢文 そして 決め手は・ 297 00:25:44,015 --> 00:25:49,015 淀君の居室に狙いを定めて 撃ち込んだ大砲の弾だった> 298 00:25:52,023 --> 00:25:55,023 (砲声) 299 00:25:59,030 --> 00:26:03,030 (爆発音) 300 00:26:05,036 --> 00:26:08,039 (侍女)しっかり! 301 00:26:08,039 --> 00:26:12,043 (兵士の うめき声) 302 00:26:12,043 --> 00:26:16,047 ・(砲弾の飛来音) 303 00:26:16,047 --> 00:26:19,050 ・(爆発音) (悲鳴) 304 00:26:19,050 --> 00:26:22,050 (悲鳴) 305 00:26:24,990 --> 00:26:28,994 (秀忠) 停戦・ 今更 たわけたことを! 306 00:26:28,994 --> 00:26:30,996 たわけたこと? 307 00:26:30,996 --> 00:26:35,000 この戦を始めるために どれほど苦心をしたことか 308 00:26:35,000 --> 00:26:39,004 やっと機会が 巡ってきたのにというわけだな? 309 00:26:39,004 --> 00:26:43,008 1歩も大坂城に 踏み入らぬうちに 和議とは! 310 00:26:43,008 --> 00:26:46,011 そなたは 戦の何たるかを知らぬ 311 00:26:46,011 --> 00:26:49,014 これだけ仕掛けて 1歩も踏み込めぬのは・ 312 00:26:49,014 --> 00:26:53,018 あの城が 聞きしに勝る難敵ということだ 313 00:26:53,018 --> 00:26:56,021 敵が停戦を 申し入れてきたということは・ 314 00:26:56,021 --> 00:27:00,025 それだけ 弱った証拠でござろう 今こそ 一気に総攻めをかけて… 315 00:27:00,025 --> 00:27:03,028 総攻めをかければ 何万という兵が死ぬ 316 00:27:03,028 --> 00:27:08,033 真田丸で あれだけの死者を出し まだ分からぬか? 317 00:27:08,033 --> 00:27:16,041 これは… 大御所さまの お言葉のとおりでござる 318 00:27:16,041 --> 00:27:21,046 ハッ… 正信! そのほう またしても! 319 00:27:21,046 --> 00:27:24,983 <二郎三郎が 豊臣家に示した和議の条件は・ 320 00:27:24,983 --> 00:27:26,985 驚くほど 寛大なものだった> 321 00:27:26,985 --> 00:27:29,988 <秀頼の身分や知行に変更はなく・ 322 00:27:29,988 --> 00:27:32,991 淀君を 人質として求めることもせず・ 323 00:27:32,991 --> 00:27:35,994 浪人衆を そのまま 抱えておくことも認めている> 324 00:27:35,994 --> 00:27:37,996 <代わりに要求したのは・ 325 00:27:37,996 --> 00:27:42,000 大坂城の外堀を 埋めるということだけである> 326 00:27:42,000 --> 00:27:45,003 <駿府に引き揚げた 二郎三郎のもとに・ 327 00:27:45,003 --> 00:27:47,005 その知らせが もたらされたのは・ 328 00:27:47,005 --> 00:27:51,009 年が改まった慶長20年 早々のことであった> 329 00:27:51,009 --> 00:27:53,011 内堀も埋めた? 330 00:27:53,011 --> 00:27:56,014 大坂城は 二の丸 三の丸も崩され・ 331 00:27:56,014 --> 00:27:59,017 本丸だけを残して 平地になってしまいました 332 00:27:59,017 --> 00:28:03,021 (風斎)豊臣方は 黙って 見ていたわけではありますまいに 333 00:28:03,021 --> 00:28:08,026 工事を指揮される本多正純どのに 抗議を申し入れたところ 334 00:28:08,026 --> 00:28:10,028 病気と称して会われぬとか 335 00:28:10,028 --> 00:28:14,032 その間に 取り壊しが 進んでしまったんだな? 336 00:28:14,032 --> 00:28:21,039 正純どのが 父上 正信さまの意を 受けておられることは明白です 337 00:28:21,039 --> 00:28:23,975 正に正信の知恵だ 338 00:28:23,975 --> 00:28:25,977 戦をしたことのない秀忠が・ 339 00:28:25,977 --> 00:28:29,981 あの内堀の重要さを 知るはずはない 340 00:28:29,981 --> 00:28:35,987 戦国生き残りの本多正信どのが まさか 和議の協定を破られるとは 341 00:28:35,987 --> 00:28:39,991 わしも思いもよらなんだ 342 00:28:39,991 --> 00:28:44,996 正信は それほど思い詰めているのだな 343 00:28:44,996 --> 00:28:49,000 最後の恐るべき敵は 本多正信 344 00:28:49,000 --> 00:28:53,004 いよいよ その時が来たようだ 345 00:28:53,004 --> 00:28:57,008 (お梶)豊臣方は また戦を始めるでしょうか? 346 00:28:57,008 --> 00:29:01,012 停戦の条件を踏みにじられて 引っ込んでいる武士はいない 347 00:29:01,012 --> 00:29:04,015 末代までの名折れだからな 348 00:29:04,015 --> 00:29:07,018 滅びると承知で戦うのですか? 349 00:29:07,018 --> 00:29:12,023 二度と和議などは考えず 死兵と化して 戦うだろう 350 00:29:12,023 --> 00:29:18,029 だから 戦人は 協定破りなど 決して せぬものだ 351 00:29:18,029 --> 00:29:21,966 ・(お梶) では この次が最後の戦に? 352 00:29:21,966 --> 00:29:23,968 ・ 必ず そうなる 353 00:29:23,968 --> 00:29:30,975 ・ 次の戦は 血みどろで 無残なものになるだろう 354 00:29:30,975 --> 00:29:35,980 女の私には 愚かなことと思われます 355 00:29:35,980 --> 00:29:39,984 そうだ 愚かなことだ 356 00:29:39,984 --> 00:29:44,989 秀忠と秀頼 それを取り巻く男たちと女たち 357 00:29:44,989 --> 00:29:50,995 皆が くだらぬ見栄や意地を 捨てれば 戦は避けられるのに 358 00:29:50,995 --> 00:29:53,995 双方とも その気がない 359 00:29:58,002 --> 00:30:03,007 ・ 世の中には 人間の手では どうしようもない成り行きがある 360 00:30:03,007 --> 00:30:07,007 ・ わしは 近ごろ しみじみ そう思うようになった 361 00:30:09,013 --> 00:30:12,016 (手裏剣を投げる音) 362 00:30:12,016 --> 00:30:14,016 (投げる音) 363 00:30:16,020 --> 00:30:21,025 (佐助)六郎どの! 甲斐の六郎どのは おられぬか? 364 00:30:21,025 --> 00:30:23,962 おふう 待て! 365 00:30:23,962 --> 00:30:25,964 猿飛佐助どのだ 366 00:30:25,964 --> 00:30:29,968 佐助どの まさか 大御所さまの お命を狙って来たのでは? 367 00:30:29,968 --> 00:30:31,970 (佐助) それほど馬鹿ではありません 368 00:30:31,970 --> 00:30:34,973 主の指図により 大御所さまのご存念を伺いに… 369 00:30:34,973 --> 00:30:36,975 真田幸村どのの? 370 00:30:36,975 --> 00:30:40,979 (佐助)はい 大御所さまが 秀頼さまをかばっておられること 371 00:30:40,979 --> 00:30:42,981 真田の殿も 心得ておりますゆえ 372 00:30:42,981 --> 00:30:49,981 おぬしには 堺の郭での借りがある お取り次ぎしよう 373 00:30:55,994 --> 00:30:58,997 佐助とやら よ~く聞いてくれ 374 00:30:58,997 --> 00:31:02,000 ははっ… 375 00:31:02,000 --> 00:31:07,005 確かに わしは 秀頼どのを殺したくない 376 00:31:07,005 --> 00:31:11,009 だが そのわしさえ どうにもならぬことがある 377 00:31:11,009 --> 00:31:16,014 寿命と時の勢いだ 378 00:31:16,014 --> 00:31:22,020 これを止められる者は 秀頼どのと おふくろさまの我慢しかない 379 00:31:22,020 --> 00:31:26,024 秀頼どのが 進んで大坂城を捨て 国替えを願い出るか 380 00:31:26,024 --> 00:31:30,028 あるいは 抱えた浪人を ことごとく召し放つか 381 00:31:30,028 --> 00:31:32,028 2つに ひとつだ 382 00:31:34,032 --> 00:31:40,038 無茶な要求と思うだろう 信義にもとると言うだろう 383 00:31:40,038 --> 00:31:44,042 わしは 承知のうえで言っているのだ 384 00:31:44,042 --> 00:31:50,048 合戦を避け 秀頼どのの命を つなぎ止めるには それしかない 385 00:31:50,048 --> 00:31:54,052 そして 今 大事なのは… 386 00:31:54,052 --> 00:31:56,054 (佐助)激しいお言葉でした 387 00:31:56,054 --> 00:32:01,059 なれど お言葉のひとつひとつが 真実でございました 388 00:32:01,059 --> 00:32:05,063 数ならぬ忍びの手前にも それは よく… 389 00:32:05,063 --> 00:32:09,067 (幸村)それがしも 佐助の報告を聞き 心打たれ 390 00:32:09,067 --> 00:32:11,069 じかに言上させるべく・ 391 00:32:11,069 --> 00:32:18,076 淀君さま 大野治長どのには秘 召し連れましてござりまする 392 00:32:18,076 --> 00:32:21,079 (秀頼)ありがたいことだ 393 00:32:21,079 --> 00:32:25,016 大御所さまに よく礼を申し上げてくれ 394 00:32:25,016 --> 00:32:30,016 (千姫)では お言葉を受け入れて… (秀頼)そうではない 395 00:32:32,023 --> 00:32:37,028 (秀頼) 大御所さまが おできにならぬこと 運命に逆らうことは・ 396 00:32:37,028 --> 00:32:40,031 わしにも できないのだよ 397 00:32:40,031 --> 00:32:44,035 (秀頼)大御所さまは なぜか わしに寛大だった 398 00:32:44,035 --> 00:32:47,038 何度も救いの手を 差し伸べてくださり・ 399 00:32:47,038 --> 00:32:51,042 いつも 母上が それをつぶしてきた 400 00:32:51,042 --> 00:32:57,042 事が大御所さまの御意のままに ならなくなったのは 当然だと思う 401 00:32:59,050 --> 00:33:03,054 (千姫)この度こそは 最後の救いと存じます 402 00:33:03,054 --> 00:33:08,059 分かっている よく分かっているよ 403 00:33:08,059 --> 00:33:13,064 だが わしが この大坂城を捨てると言えば・ 404 00:33:13,064 --> 00:33:16,067 母上は どうされるか… 405 00:33:16,067 --> 00:33:21,067 わしを殺し 自害されるだろう 406 00:33:23,007 --> 00:33:28,007 できない… それは できない 407 00:33:32,016 --> 00:33:34,016 千… 408 00:33:37,021 --> 00:33:39,021 (2人)アア… 409 00:33:41,025 --> 00:33:45,029 <秀頼が 家康に送った返答の内容は・ 410 00:33:45,029 --> 00:33:47,031 次のようなものだった> 411 00:33:47,031 --> 00:33:52,036 (秀頼)《父 太閤 心力を尽くし築かれし城を出て・ 412 00:33:52,036 --> 00:33:56,040 他に得ることは 決して かなうべからず》 413 00:33:56,040 --> 00:34:02,046 《また 新入の兵士を 追い放つことも成し難し》 414 00:34:02,046 --> 00:34:05,049 《このこと お心に かなわずば・ 415 00:34:05,049 --> 00:34:08,052 ひと戦して 討ち死にするのほかなし》 416 00:34:08,052 --> 00:34:12,052 《ご人数を向けらるべし》 417 00:34:14,058 --> 00:34:20,064 <慶長20年5月 再び20万の 徳川勢を迎えた大坂城は・ 418 00:34:20,064 --> 00:34:21,999 本丸だけの 裸の城となってしまったため・ 419 00:34:21,999 --> 00:34:26,003 不利な野戦を 選ばなければならなかった> 420 00:34:26,003 --> 00:34:31,008 <死を覚悟して出撃した後藤又兵衛 薄田兼相 木村重成らの諸将が・ 421 00:34:31,008 --> 00:34:35,012 たった1日の戦闘で 相次いで 討ち死にし・ 422 00:34:35,012 --> 00:34:38,012 敗色 既に明らかである> 423 00:34:53,030 --> 00:34:57,034 (秀忠)大坂城は 明日にも落ち 秀頼は死ぬだろう 424 00:34:57,034 --> 00:35:01,034 (宗矩)御意 もはや 天下は お上のご手中に… 425 00:35:05,042 --> 00:35:09,046 後日のために 1人片づけておきたい者がいる 426 00:35:09,046 --> 00:35:12,049 大御所さまで? (秀忠)それは まだ早い 427 00:35:12,049 --> 00:35:16,053 その前に 忠輝だ 428 00:35:16,053 --> 00:35:20,057 今 伊達政宗と共に あの辺りで戦うている 429 00:35:20,057 --> 00:35:22,994 激戦地でございますな (秀忠)そこが つけめよ 430 00:35:22,994 --> 00:35:29,000 合戦の渦の中 今度こそ 確実に忠輝の命を絶て 431 00:35:29,000 --> 00:35:32,003 (三九郎)殿は いずこじゃ? 432 00:35:32,003 --> 00:35:36,003 殿は いずこじゃ・ (家臣)はっ… 433 00:35:40,011 --> 00:35:43,014 (家臣)あれにございます 434 00:35:43,014 --> 00:35:48,019 (三九郎)殿! 殿! 435 00:35:48,019 --> 00:35:52,023 ご出陣を! (忠輝)わしは行かぬ 436 00:35:52,023 --> 00:35:55,026 (三九郎)家臣は皆 戦っております 437 00:35:55,026 --> 00:36:00,031 (忠輝)すまんと思う だが 秀頼どのとの約束は破れぬ 438 00:36:00,031 --> 00:36:05,036 (三九郎)秀忠さまに知れれば どんな おとがめをこうむるか… 439 00:36:05,036 --> 00:36:11,042 (忠輝) たとえ この首打たれようとも 秀頼どのとは戦えぬ 440 00:36:11,042 --> 00:36:17,042 分かってくれ! これは武士の… いや 人としての義理だ! 441 00:36:19,050 --> 00:36:21,986 (三九郎)分かりました 442 00:36:21,986 --> 00:36:26,991 我ら家臣 殿の分まで 懸命に戦ってまいります! 443 00:36:26,991 --> 00:36:28,993 御免! 444 00:36:28,993 --> 00:36:41,005 ・~ 445 00:36:41,005 --> 00:36:43,007 (家臣)はっ! 446 00:36:43,007 --> 00:36:54,007 ・~ 447 00:36:57,021 --> 00:36:59,023 (宗矩)忠輝さまの姿は どこにも見当たりません! 448 00:36:59,023 --> 00:37:02,026 (秀忠) 戦場に大将がおらぬわけはない! 449 00:37:02,026 --> 00:37:05,029 裏柳生の者たちの目は節穴か! (宗矩)たとえ どんな乱戦の中でも 450 00:37:05,029 --> 00:37:09,033 あの者たちが 忠輝さまの姿を 見失うことはありませぬ 451 00:37:09,033 --> 00:37:13,037 忠輝は 秀頼との戦を 避けたと申すのか? 452 00:37:13,037 --> 00:37:15,039 私には そうとしか… 453 00:37:15,039 --> 00:37:19,043 それが真実ならば 死に値する罪だ 454 00:37:19,043 --> 00:37:22,980 これで もう 大御所さまとて かばえますまい 455 00:37:22,980 --> 00:37:27,985 全てが片づく 秀頼も忠輝も… 456 00:37:27,985 --> 00:37:29,985 そして かの者も 457 00:37:35,993 --> 00:37:38,996 見るがよい 458 00:37:38,996 --> 00:37:43,000 (正信)真田の赤備えでござる 459 00:37:43,000 --> 00:37:45,002 動いていますな 460 00:37:45,002 --> 00:37:48,005 こちら目がけて まっしぐらに駆け下りてきます 461 00:37:48,005 --> 00:37:56,013 ・~ 462 00:37:56,013 --> 00:37:58,013 (銃声) 463 00:38:00,017 --> 00:38:03,020 (幸村) 雑兵どもには目をくれるな! 464 00:38:03,020 --> 00:38:08,020 目指すは 家康公の御首級のみぞ! 465 00:38:11,028 --> 00:38:16,033 (鬨の声) 466 00:38:16,033 --> 00:38:27,979 ・~ 467 00:38:27,979 --> 00:38:30,982 華々しいな 血が躍るようだ 468 00:38:30,982 --> 00:38:33,985 後の世に 高名を残したいのでしょう 469 00:38:33,985 --> 00:38:37,989 討たれてやってもよい (正純)そ… それは・ 470 00:38:37,989 --> 00:38:40,992 秀忠どのも のちの手間が省けるだろう 471 00:38:40,992 --> 00:38:45,992 今 大御所さまを討たせては 徳川の恥となります 472 00:38:50,001 --> 00:38:52,003 (正信)大御所さまを頼む! 473 00:38:52,003 --> 00:38:55,006 (風斎)風魔一族の誇りに懸けて お守り申す! 474 00:38:55,006 --> 00:39:15,026 ・~ 475 00:39:15,026 --> 00:39:32,977 ・~ 476 00:39:32,977 --> 00:39:34,979 (銃声) 477 00:39:34,979 --> 00:39:36,981 ウッ… ウウッ! 478 00:39:36,981 --> 00:39:40,985 (幸村)アッ! アアッ… (佐助)殿! 479 00:39:40,985 --> 00:39:43,988 (佐助)殿! (幸村)佐助… 480 00:39:43,988 --> 00:39:48,993 (家臣たち)殿! (幸村)秀頼さまのご最期を… 481 00:39:48,993 --> 00:39:52,993 必ず お見届けいたします! 482 00:39:54,999 --> 00:39:58,002 ハッ・ (泣き声) 483 00:39:58,002 --> 00:40:04,008 ・~ 484 00:40:04,008 --> 00:40:07,011 <5月8日 午後 真田幸村の戦死を最後に・ 485 00:40:07,011 --> 00:40:10,014 出撃していた豊臣方は 城内に引き揚げ・ 486 00:40:10,014 --> 00:40:16,014 これを追って 徳川勢が突入 城は たちまち 大混乱に陥った> 487 00:40:18,022 --> 00:40:20,024 ・(銃声) 488 00:40:20,024 --> 00:40:23,024 (秀頼)刻は まだか・ (家臣)はっ… それは… 489 00:40:24,962 --> 00:40:27,965 (治長)何者だ・ (佐助)真田の手の者でござる 490 00:40:27,965 --> 00:40:29,967 (秀頼)佐助と申したな (佐助)はい 491 00:40:29,967 --> 00:40:32,970 よく来た 千を城外へ出してくれ 492 00:40:32,970 --> 00:40:36,974 (淀君)秀頼どの! 何と言われた? 493 00:40:36,974 --> 00:40:40,978 千を徳川の陣に届けます 494 00:40:40,978 --> 00:40:43,981 助命嘆願をしていただきますか 495 00:40:43,981 --> 00:40:47,985 (淀君)愚かなことを… 496 00:40:47,985 --> 00:40:51,989 徳川のねらいは 豊臣家の血筋を絶つことぞ! 497 00:40:51,989 --> 00:40:55,989 (秀頼)今更 生き長らえようとは 思っておりませぬ! 498 00:40:58,996 --> 00:41:03,000 千は どこまでも我らの道連れじゃ! 499 00:41:03,000 --> 00:41:08,005 徳川家康は 孫娘を 見殺しにした冷酷無残な男だと・ 500 00:41:08,005 --> 00:41:11,008 後世に語り継がせるのじゃ! 501 00:41:11,008 --> 00:41:14,011 この秀頼も 母にばかり従順で・ 502 00:41:14,011 --> 00:41:18,015 ついに妻を見殺しにした男と 後世に語り継がせたいのですか・ 503 00:41:18,015 --> 00:41:21,018 嫌です! 真っ平ごめんでござる! 504 00:41:21,018 --> 00:41:26,023 そなた いまわの際に 母の申すことをうなずかぬ気か? 505 00:41:26,023 --> 00:41:29,026 死ぬときぐらい わしの勝手にさせていただきたい 506 00:41:29,026 --> 00:41:35,032 さもなくば 今を限りに 母上とは別の道を行く 507 00:41:35,032 --> 00:41:39,032 冥土へも 別れ別れに まいりましょう 508 00:41:41,038 --> 00:41:43,040 (淀君)アッ… 509 00:41:43,040 --> 00:41:47,040 秀頼 なんてことを・ 510 00:41:50,047 --> 00:41:54,051 (秀頼)何も言うな 佐助 行け 511 00:41:54,051 --> 00:41:56,053 (佐助)はっ! 512 00:41:56,053 --> 00:42:06,063 ・~ 513 00:42:06,063 --> 00:42:08,065 (殴る音) 514 00:42:08,065 --> 00:42:11,068 (徳川軍兵士)ヤーッ! (千姫)アアッ! 515 00:42:11,068 --> 00:42:14,068 (兵士)おのれ! 516 00:42:17,074 --> 00:42:19,074 ・(侍女たちの悲鳴) 517 00:42:29,019 --> 00:42:33,019 佐助どの! (風斎)千姫さまだな? 518 00:42:37,027 --> 00:42:39,029 (風斎)坂崎出羽守どの! 519 00:42:39,029 --> 00:42:41,031 (出羽守)おお! (風斎)出羽どの 千姫さまでござる 520 00:42:41,031 --> 00:42:44,034 なに? (風斎)ご本陣まで お送りを… 521 00:42:44,034 --> 00:42:48,034 (出羽守) おう 心得た! さあ 千姫さま 522 00:43:30,014 --> 00:43:43,027 ・~ 523 00:43:43,027 --> 00:43:56,040 ・~ 524 00:43:56,040 --> 00:44:00,044 <秀頼と淀君の遺体は ついに発見されなかった> 525 00:44:00,044 --> 00:44:04,048 <戦後 数十年の長きにわたって 日本全国は もちろん・ 526 00:44:04,048 --> 00:44:07,051 遠く 琉球の果てまで 追及が続けられたのは・ 527 00:44:07,051 --> 00:44:09,053 このためである> 528 00:44:09,053 --> 00:44:18,062 ・~ 529 00:44:18,062 --> 00:44:23,000 (左近)思えば 豊臣家は あまりにも愚かでござった 530 00:44:23,000 --> 00:44:28,000 滅びるのも 天の運命でござろう 531 00:44:30,007 --> 00:44:36,013 大御所さまの秀頼さまへの お心遣い 骨身に承知しており申す 532 00:44:36,013 --> 00:44:41,013 これからは そのご恩に それがしが お報い申す 533 00:44:44,021 --> 00:44:48,025 <豊臣家殲滅の宿願を果たして 江戸に引き揚げる秀忠の胸は・ 534 00:44:48,025 --> 00:44:50,027 はずんでいた> 535 00:44:50,027 --> 00:44:53,030 <これで もう 父 家康の威光を借りることなく・ 536 00:44:53,030 --> 00:44:57,034 名実ともに 天下の実権をこの手に握れる> 537 00:44:57,034 --> 00:45:00,037 <残る仕事は 1日も早く・ 538 00:45:00,037 --> 00:45:04,041 用済みとなった影武者を 消すだけだ> 539 00:45:04,041 --> 00:45:18,041 ・~ 540 00:45:20,057 --> 00:45:40,010 ・~ 541 00:45:40,010 --> 00:45:57,027 ・~ 542 00:45:57,027 --> 00:46:17,047 ・~ 543 00:46:17,047 --> 00:46:35,047 ・~