1 00:01:30,099 --> 00:01:46,115 (ざわめき) 2 00:01:46,115 --> 00:01:51,454 (笹塚)小間物問屋 紅屋庄五郎こと 盗賊 熊笹の庄五郎! 3 00:01:51,454 --> 00:01:53,790 大坂から 人相書きが回ってきておる!➡ 4 00:01:53,790 --> 00:01:56,459 神妙に 縛につけ! (庄五郎)しゃらくせえ! 5 00:01:56,459 --> 00:01:59,629 野郎ども やっちまえ! 6 00:01:59,629 --> 00:02:10,473 ♬~ 7 00:02:10,473 --> 00:02:14,977 (磐音)そこまでです。 どきやがれ ど三ぴん! 8 00:02:14,977 --> 00:02:32,428 ♬~ 9 00:02:32,428 --> 00:02:37,600 お見事! さすがは 南の懐刀 居眠り殿じゃ! 10 00:02:37,600 --> 00:02:41,103 都合よき時に出てこられる。 のう 川上? 11 00:02:41,103 --> 00:02:44,273 (川上)はっ 誠に。 この者たちは? 12 00:02:44,273 --> 00:02:47,276 表向きは 小間物問屋だが➡ 13 00:02:47,276 --> 00:02:50,780 大坂から ご府内にかけて 荒らし回る 盗人どもよ! 14 00:02:50,780 --> 00:02:55,451 こやつらの奪った金子は ざっと 2千両は 超えるはず。 15 00:02:55,451 --> 00:03:03,793 場合によっては 南の勝手も 少しは 潤うというもの。 ハハハ。 16 00:03:03,793 --> 00:03:06,963 あ~ ご苦労じゃった 居眠り殿! 17 00:03:06,963 --> 00:03:10,633 おい 川上! このまま 運ぶぞ~! (川上)はっ! 18 00:03:10,633 --> 00:03:15,233 (笑い声) (川上)では 佐々木様 これにて! 19 00:03:18,140 --> 00:03:20,810 この男 佐々木磐音は➡ 20 00:03:20,810 --> 00:03:24,580 豊後関前 福坂家 国家老の嫡男であったが➡ 21 00:03:24,580 --> 00:03:26,916 故あって 一介の浪人として➡ 22 00:03:26,916 --> 00:03:31,087 江戸 深川で 鰻割きを なりわいとして 暮らしていた。 23 00:03:31,087 --> 00:03:36,092 そのころの名を 坂崎磐音。 24 00:03:36,092 --> 00:03:39,262 だが 今は 神田三崎町にある➡ 25 00:03:39,262 --> 00:03:44,267 直心影流 佐々木道場の主 佐々木玲圓の養子となり➡ 26 00:03:44,267 --> 00:03:48,771 名を 佐々木磐音と改めていた。 27 00:03:48,771 --> 00:03:56,779 春風駘蕩たる人柄と太刀裁きから またの名を「居眠り磐音」という。 28 00:03:56,779 --> 00:04:03,286 ♬~ 29 00:04:03,286 --> 00:04:13,462 ♬~ (テーマ音楽) 30 00:04:13,462 --> 00:04:15,965 今津屋のおこんが➡ 31 00:04:15,965 --> 00:04:21,265 磐音のもとに嫁いだのは 半年ほど前のことであった。 32 00:04:24,740 --> 00:04:29,040 うん。 上出来です。 (おこん)はい! 33 00:04:31,414 --> 00:04:34,250 母上 皆が 腹がへったと申しております。 34 00:04:34,250 --> 00:04:36,919 分かっております。 おむすびを握りました。 35 00:04:36,919 --> 00:04:39,088 おけいこの後です。 たんと召し上がれ。 36 00:04:39,088 --> 00:04:48,097 (歓声) 37 00:04:48,097 --> 00:04:51,267 ちょいと お待ちなさい! 38 00:04:51,267 --> 00:04:54,103 何ですか 一体! 子供じゃあるまいし。 39 00:04:54,103 --> 00:04:56,272 いい大人が 一斉に 手 出したりして➡ 40 00:04:56,272 --> 00:04:58,274 恥ずかしいったら ありゃしない! 41 00:04:58,274 --> 00:05:01,610 この天下の佐々木道場の名が 泣くってもんです! 42 00:05:01,610 --> 00:05:07,210 あのね がっつかないで! 順繰りに! いい?! 43 00:05:11,787 --> 00:05:16,459 嫌だ 私ったら…。 44 00:05:16,459 --> 00:05:19,795 申し訳ありません! 45 00:05:19,795 --> 00:05:22,595 (弟子)あの~。 46 00:05:27,236 --> 00:05:31,741 (ため息) 申し訳ありません。 47 00:05:31,741 --> 00:05:35,578 (笑い声) ホントに 磐音と おこんが➡ 48 00:05:35,578 --> 00:05:37,747 我が家に 来てくれてからというもの➡ 49 00:05:37,747 --> 00:05:41,250 この道場も すっかり 様変わりしたかのようです。 50 00:05:41,250 --> 00:05:44,587 申し訳ございません。 (玲圓)謝ることはない。 51 00:05:44,587 --> 00:05:47,757 おこんも 道場の暮らしに 慣れてきたということよ。 52 00:05:47,757 --> 00:05:53,429 それも これも お母上のお陰です。 私は 町人の娘。 53 00:05:53,429 --> 00:05:56,432 武家の暮らしとは 勝手が違いますから➡ 54 00:05:56,432 --> 00:06:00,436 お母上が いろいろと お教えくださるので 助かります。 55 00:06:00,436 --> 00:06:04,273 あら 何も出ませんよ。 そんなこと言っても。 56 00:06:04,273 --> 00:06:11,073 ええ。 結構でございます。 (2人の笑い声) 57 00:06:17,286 --> 00:06:19,288 (幸吉)浪人さん? 58 00:06:19,288 --> 00:06:24,588 親方 松兄! 浪人さんが戻ってきましたぜ! 59 00:06:26,896 --> 00:06:29,398 (松吉)ホントだ。 浪人さんじゃねえか! 60 00:06:29,398 --> 00:06:33,903 鉄五郎親方 松吉殿 師匠 ごぶさたしております。 61 00:06:33,903 --> 00:06:35,905 ホントだぜ。 深川のことなんて➡ 62 00:06:35,905 --> 00:06:37,907 忘れちまったと思ってたぜ 浪人さん。 63 00:06:37,907 --> 00:06:41,077 こら 幸吉。 なんて 口の利き方しやがる。 64 00:06:41,077 --> 00:06:44,080 このお方はな もう 浪人さんなんかじゃねえんだ。➡ 65 00:06:44,080 --> 00:06:48,084 江戸一番といわれる 佐々木道場の 若先生 佐々木磐音様だ! 66 00:06:48,084 --> 00:06:52,588 佐々木磐音様か…。 何だか くすぐってえな。 67 00:06:52,588 --> 00:06:54,590 おれたちにとっては いつまでも 浪人さんだ。 68 00:06:54,590 --> 00:06:57,259 幸吉! お前 鰻 腐らせる気か? 69 00:06:57,259 --> 00:06:59,762 いけねえ! ちょっくら 行ってくるわ。 70 00:06:59,762 --> 00:07:05,434 おい! 何だ その口の利き方は! (笑い声) 71 00:07:05,434 --> 00:07:07,770 で 本日は? 72 00:07:07,770 --> 00:07:11,273 佐々木の父と母が こちらの かば焼きを 所望しております。 73 00:07:11,273 --> 00:07:13,776 おっと! 合点承知之助とくらあ! 74 00:07:13,776 --> 00:07:16,445 おいらも ようやく 焼きを覚え始めたところだ。 75 00:07:16,445 --> 00:07:21,450 飛びっ切り 上等なやつを 焼いておきますよ ね~ 親方? 76 00:07:21,450 --> 00:07:26,555 松! うちの鰻はな 全部 上等な代物なんだよ。 77 00:07:26,555 --> 00:07:29,058 第一 誰が てめえに焼かせるって言った? 78 00:07:29,058 --> 00:07:32,228 出しゃばるのは 十年早えや! さっさと 仕事に戻りやがれ! 79 00:07:32,228 --> 00:07:34,396 はいはい。 80 00:07:34,396 --> 00:07:37,066 (柳次郎)佐々木さん! お久しぶりです。 81 00:07:37,066 --> 00:07:39,568 これは これは 皆さん おそろいで。 82 00:07:39,568 --> 00:07:41,570 墓参りの帰りなのです。 83 00:07:41,570 --> 00:07:44,740 幾代様 お有殿 お元気そうで何よりです。 84 00:07:44,740 --> 00:07:49,411 ありがとう存じます。 お有が嫁に来て以来➡ 85 00:07:49,411 --> 00:07:53,749 私は 楽をしすぎて 太ってしまいました。 86 00:07:53,749 --> 00:07:55,751 柳次郎! 87 00:07:55,751 --> 00:07:58,254 あ そういえば 佐々木様。 88 00:07:58,254 --> 00:08:01,090 おこん様は ご一緒ではなかったのですか? 89 00:08:01,090 --> 00:08:03,759 本日は 某一人で 金兵衛長屋まで。 90 00:08:03,759 --> 00:08:05,928 ちょうど よかった。 私も ご一緒します。 91 00:08:05,928 --> 00:08:08,430 竹村の旦那が けがをしたと聞いたので➡ 92 00:08:08,430 --> 00:08:11,100 近々 様子を見に行こうと 思っていたところなのです。 93 00:08:11,100 --> 00:08:13,435 またですか? 仕事場で酒を飲んで➡ 94 00:08:13,435 --> 00:08:15,437 足を くじいたらしいのです。 95 00:08:15,437 --> 00:08:20,276 全く あのお方は 懲りるということを知りません。 96 00:08:20,276 --> 00:08:26,776 佐々木様。 友として きちんと 忠告なされませ。 97 00:08:29,885 --> 00:08:34,890 この金兵衛長屋で 5年ほど 磐音は 暮らしていた。 98 00:08:34,890 --> 00:08:39,061 (金兵衛)おいおい! また やり合ってるのか てめえらは! 99 00:08:39,061 --> 00:08:42,898 徳の野郎がよ 仲間に 金 巻き上げられたんだってよ。 100 00:08:42,898 --> 00:08:45,901 違うわ! 倍にして返すって言うからよ➡ 101 00:08:45,901 --> 00:08:47,903 貸しただけだって言ってんだろ このあま! 102 00:08:47,903 --> 00:08:49,905 (おいち)すっかり だまされてんだよ あんたは~! 103 00:08:49,905 --> 00:08:53,409 何だと このおかめ! やめやめ~! 104 00:08:53,409 --> 00:08:58,247 徳よ お前はな 金には縁がねえんだから。 え? 105 00:08:58,247 --> 00:09:00,749 そのお前が 人に金貸して どうするんだよ? 106 00:09:00,749 --> 00:09:02,751 (はつね)そうだよ~。 107 00:09:02,751 --> 00:09:05,254 大事な一人娘を 嫁にやっちまって➡ 108 00:09:05,254 --> 00:09:09,425 しまったと思っても遅いのと 同じことなんだよね~。 109 00:09:09,425 --> 00:09:11,927 どてらの金兵衛も しぼんじまったって評判だぜ。 110 00:09:11,927 --> 00:09:13,929 こちとら 江戸っ子だい! 111 00:09:13,929 --> 00:09:18,100 嫁にやった娘が 顔を見せねえからってな➡ 112 00:09:18,100 --> 00:09:21,270 おれは 一度だって みんなの前で 愚痴ったことあるか?! 113 00:09:21,270 --> 00:09:25,874 この大酒飲みの ろくでなし野郎! 何だと! 114 00:09:25,874 --> 00:09:27,876 (はつね)あっ 浪人さん! 115 00:09:27,876 --> 00:09:29,878 しゅうと殿 ご一同 お久しぶりでござる。 116 00:09:29,878 --> 00:09:31,880 ホントだ! 品川さんもよ。 117 00:09:31,880 --> 00:09:33,882 「宮戸川」の前で ばったり 出会ったのです。 118 00:09:33,882 --> 00:09:36,552 え~ それで 今日は…。 119 00:09:36,552 --> 00:09:38,887 おこんさんは来てませんよ 金兵衛殿。 120 00:09:38,887 --> 00:09:41,724 そんなこと 何も言っちゃいねえ じゃねえですか。 121 00:09:41,724 --> 00:09:44,560 そのかわりと言ってはなんですが 本日は しゅうと殿を➡ 122 00:09:44,560 --> 00:09:48,063 我が屋敷に お招きいたしたく 立ち寄ったしだいです。 123 00:09:48,063 --> 00:09:50,232 あっしをですかい? (おいち)そりゃ いいじゃないか! 124 00:09:50,232 --> 00:09:52,568 行っといでよ 金兵衛さん。 そうだよ! 125 00:09:52,568 --> 00:09:57,072 おこんちゃんの顔 久しぶりに ゆっくりと見てきたら いいよ。 126 00:09:57,072 --> 00:10:02,244 けっ! 冗談じゃねえや! 娘の嫁入り先に➡ 127 00:10:02,244 --> 00:10:05,247 父親が のこのこ 出かけていくなんざ こら➡ 128 00:10:05,247 --> 00:10:10,419 未練たらしくて いけねえや。 ああ 婿殿… いやさ 若先生。 129 00:10:10,419 --> 00:10:13,756 おこんは 元気なんでございましょうかね? 130 00:10:13,756 --> 00:10:16,258 こちらは 元気だって そう お伝えくださいな。➡ 131 00:10:16,258 --> 00:10:18,260 おっ いけねえ いけねえ! 132 00:10:18,260 --> 00:10:20,596 これからな 番屋行かなきゃいけねえんだ。 133 00:10:20,596 --> 00:10:25,034 番屋で すっとこどっとこ つってんてん…。 134 00:10:25,034 --> 00:10:27,536 (磯次)強がり言いやがってよ~。 135 00:10:27,536 --> 00:10:31,373 今度は おこんちゃんを 一緒に 連れてきてやって おくんなさい。 136 00:10:31,373 --> 00:10:35,711 そうします。 (4人)お願いします。 137 00:10:35,711 --> 00:10:39,548 (勢津) あっ 坂崎さ… いえ 佐々木様。 138 00:10:39,548 --> 00:10:42,384 品川様も お久しぶりでございます。 139 00:10:42,384 --> 00:10:46,722 道々 話は聞きましたが 竹村さんが けがをなされたとか。 140 00:10:46,722 --> 00:10:50,726 お恥ずかしいかぎりです。 もう癒えてはいるのですが➡ 141 00:10:50,726 --> 00:10:53,062 相変わらず のらりくらりと 仕事もせずに。 142 00:10:53,062 --> 00:10:58,567 この先どうなることやら。 (武左衛門)ふわ~。 143 00:10:58,567 --> 00:11:05,074 おっ これは 佐々木さん。 あ 何だ 柳次郎も一緒か。 144 00:11:05,074 --> 00:11:09,912 片や 道場の若先生 片や 品川家の当主殿。 145 00:11:09,912 --> 00:11:15,918 それに比べて 我が身は… 相変わらず この体たらく。 146 00:11:15,918 --> 00:11:19,755 この先 どうなることやら。 だったら お仕事なさいまし! 147 00:11:19,755 --> 00:11:22,591 わしは 柳次郎のように 扶持米が あるわけではない。 148 00:11:22,591 --> 00:11:25,260 生涯 働かねばならんのだぞ。 149 00:11:25,260 --> 00:11:28,097 少しくらい休んだとて 罰など当たるものか。 150 00:11:28,097 --> 00:11:31,100 だが 力仕事は もう無理なのではないか 旦那。 151 00:11:31,100 --> 00:11:33,602 だからといって ほかに 何ができる? 152 00:11:33,602 --> 00:11:38,774 一家5人 三度三度の飯を 食わすのは 容易ではないわ。 153 00:11:38,774 --> 00:11:43,112 だったら この際 刀を 捨ててみてはどうだ? 何? 154 00:11:43,112 --> 00:11:46,281 ある お旗本の 用人殿と知り合ってな。 155 00:11:46,281 --> 00:11:49,451 屋敷内の長屋の下働きの口が 空いておるらしいのだ。 156 00:11:49,451 --> 00:11:52,955 (勢津)誠ですか 品川様? (品川)はい。 (一同の騒ぐ声) 157 00:11:52,955 --> 00:11:57,126 うるさい! いやしくも わしは武士だぞ。 158 00:11:57,126 --> 00:12:01,964 とにかく このような話は ごめん被る! 159 00:12:01,964 --> 00:12:05,464 あなた…。 あなた…! 160 00:12:09,304 --> 00:12:13,475 (おえい)あら まあ すごい すごい! 161 00:12:13,475 --> 00:12:15,477 (由蔵)さようですか…。 162 00:12:15,477 --> 00:12:20,482 下働きは 嫌だと おっしゃいましたか。 はい。 163 00:12:20,482 --> 00:12:23,419 お武家様という名に すがっていては➡ 164 00:12:23,419 --> 00:12:28,090 この先 生きてはいかれぬこと ぐらいは ご承知なのでしょうが➡ 165 00:12:28,090 --> 00:12:33,262 貧乏暮らしとはいえ そこが お武家様。 166 00:12:33,262 --> 00:12:38,434 ふんぎりをつけるのは なかなか 大変なのでございましょうな。 167 00:12:38,434 --> 00:12:43,605 それは そうと この佐々木道場を 建て増しなさるとか? 168 00:12:43,605 --> 00:12:47,443 はい。 今 図面を引かせておりますが➡ 169 00:12:47,443 --> 00:12:50,279 いかほど 費用がかかるか 見当もつきません。 170 00:12:50,279 --> 00:12:52,614 お任せくださいませ。 171 00:12:52,614 --> 00:12:55,784 ほかならぬ佐々木道場のことに ございますぞ。 172 00:12:55,784 --> 00:13:00,956 この今津屋 一肌も二肌も脱ぎます。 173 00:13:00,956 --> 00:13:04,293 上手~! (笑い声) 174 00:13:04,293 --> 00:13:07,129 おお~ これは 楽しそうでございますな。 175 00:13:07,129 --> 00:13:11,467 だって 元締さん 一太郎様の かわいらしいこと。 176 00:13:11,467 --> 00:13:16,472 それは そうでございますよ。 今津屋の跡取りでございますから。 177 00:13:16,472 --> 00:13:21,477 ほんに 子供というのは かわいいものでございます。 178 00:13:21,477 --> 00:13:23,579 おこん様。 はい。 179 00:13:23,579 --> 00:13:28,584 次は あなた様の番でございます。 そうでございましょう。➡ 180 00:13:28,584 --> 00:13:30,752 佐々木様? はっ? 181 00:13:30,752 --> 00:13:33,422 (おえい)てれている場合では ありませぬ 磐音。 182 00:13:33,422 --> 00:13:36,592 金兵衛殿とて ややこさえできれば➡ 183 00:13:36,592 --> 00:13:39,595 観念して こちらに 足を向けてくださるでしょう。 184 00:13:39,595 --> 00:13:43,265 強がりな似た者親子を 引き合わせるには➡ 185 00:13:43,265 --> 00:13:47,269 それが一番かと。 そうでございますよ おこんさん。 186 00:13:47,269 --> 00:13:50,606 ややこが一番。 187 00:13:50,606 --> 00:13:53,442 もう 元締さんまで! やめてください もう! 188 00:13:53,442 --> 00:13:55,442 (笑い声) し~! 189 00:13:57,112 --> 00:14:00,282 そのころ 品川柳次郎は➡ 190 00:14:00,282 --> 00:14:09,124 直参旗本 設楽家で用人を務める 隈田三太夫のもとを訪ねていた。 191 00:14:09,124 --> 00:14:11,624 (掛け声) 192 00:14:14,129 --> 00:14:17,299 (隈田)それは 剣術指南の佐江傳三郎と➡ 193 00:14:17,299 --> 00:14:19,635 当家の嫡男 小太郎様だ。 194 00:14:19,635 --> 00:14:23,906 佐江傳三郎は 安房一心流の 使い手でな。 195 00:14:23,906 --> 00:14:27,910 いつぞや 隣の屋敷に押し入った 盗人5人を➡ 196 00:14:27,910 --> 00:14:32,247 あっという間に たたき伏せたほどの腕の持ち主よ。 197 00:14:32,247 --> 00:14:34,416 は~ さようで。 198 00:14:34,416 --> 00:14:37,920 傍らにいた見目麗しいお方は 奥方様ですか? 199 00:14:37,920 --> 00:14:39,922 お彩様じゃ。 200 00:14:39,922 --> 00:14:44,426 お彩様は 我が設楽家の領地 上総上湯江の出でな➡ 201 00:14:44,426 --> 00:14:48,931 佐江傳三郎は 同郷の縁で 3年前に 当家に仕えた。 202 00:14:48,931 --> 00:14:53,268 2人は 幼なじみらしいのだが…。 203 00:14:53,268 --> 00:14:58,368 何か? (せきばらい) 何でもない。 204 00:15:01,276 --> 00:15:06,448 (佐江)お~ だいぶ 体もできてきたな。 205 00:15:06,448 --> 00:15:09,451 お彩様。 小太郎様は➡ 206 00:15:09,451 --> 00:15:12,120 ちかごろ めきめきと 腕を お上げになっておられます。 207 00:15:12,120 --> 00:15:17,626 母上。 某 もっともっと強うなって 母上を お守りいたします。 208 00:15:17,626 --> 00:15:22,564 まあ 頼もしいこと。 よろしくお願いいたします。 209 00:15:22,564 --> 00:15:26,068 (笑い声) 210 00:15:26,068 --> 00:15:49,424 ♬~ 211 00:15:49,424 --> 00:15:55,263 その男 竹村とか申したか 浪人者であろう。 212 00:15:55,263 --> 00:15:58,767 侍気分で勤められては困る。 213 00:15:58,767 --> 00:16:01,770 そこは 言い含めます。 214 00:16:01,770 --> 00:16:07,275 深川の金兵衛長屋に住まいし 新造と子供は3人。 215 00:16:07,275 --> 00:16:11,947 長女は 両替商行司 今津屋の 奥向きで働いておりますし➡ 216 00:16:11,947 --> 00:16:14,950 佐々木道場の跡継ぎである 佐々木磐音殿とは➡ 217 00:16:14,950 --> 00:16:19,788 親しくしております。 そこよ。 218 00:16:19,788 --> 00:16:22,224 佐々木道場といえば➡ 219 00:16:22,224 --> 00:16:26,395 御側御用取次の速水様とも つながりがある。 220 00:16:26,395 --> 00:16:28,397 そなたも その縁で➡ 221 00:16:28,397 --> 00:16:31,900 どうにか 品川家の家督を継げたと 聞いておる。 222 00:16:31,900 --> 00:16:35,904 はあ…。 じゃが 問題は 人物じゃ。➡ 223 00:16:35,904 --> 00:16:38,073 酒好きといったな その者。 224 00:16:38,073 --> 00:16:41,410 これまでにも 迷惑を かけられたことはないか? 225 00:16:41,410 --> 00:16:45,080 まあ 1度や2度…。 226 00:16:45,080 --> 00:16:48,750 3 4度…。 227 00:16:48,750 --> 00:16:54,089 いや もう少し…。 はい…。 であろう。 228 00:16:54,089 --> 00:16:56,425 酒は 人を変える。 229 00:16:56,425 --> 00:17:02,764 酒は 怖い。 そのことを身を持って 知っておるのだ わしは。 230 00:17:02,764 --> 00:17:14,943 ♬~ 231 00:17:14,943 --> 00:17:18,947 何をなさいます?! (貞兼)楽しそうだったな お彩。 232 00:17:18,947 --> 00:17:24,219 3人でおると まるで仲むつまじき 親子のようであったぞ。 233 00:17:24,219 --> 00:17:28,056 何を申されます…。 お離しください…! 234 00:17:28,056 --> 00:17:32,561 何故じゃ! 何故 わしを のけ者にする! 235 00:17:32,561 --> 00:17:35,731 前は そうではなかったではないか。 236 00:17:35,731 --> 00:17:40,068 お彩! 頼む…。 237 00:17:40,068 --> 00:17:43,405 わしから離れるな。 わしは寂しい。 238 00:17:43,405 --> 00:17:47,409 独りは嫌じゃ。 のけ者は たまらん! 239 00:17:47,409 --> 00:17:50,746 お戯れは おやめくださいませ! 240 00:17:50,746 --> 00:17:53,915 それほど 傳三郎がよいと申すか! 241 00:17:53,915 --> 00:17:58,587 このわしではなく あの者と めおとであればよかったと➡ 242 00:17:58,587 --> 00:18:05,260 そう思っておるんだろう?! この姦婦めが! ああ…! 243 00:18:05,260 --> 00:18:10,098 ああ…! 244 00:18:10,098 --> 00:18:13,769 すまぬ お彩…。 わしから離れないでくれ…。 245 00:18:13,769 --> 00:18:19,775 お前が おらぬと わしは… 壊れていく…! 246 00:18:19,775 --> 00:18:23,211 お離しください! 247 00:18:23,211 --> 00:18:26,548 うるさい! お前は わしのものじゃ! 248 00:18:26,548 --> 00:18:29,718 誰にも渡さん! 249 00:18:29,718 --> 00:18:35,223 父上! おやめください! 黙れ! 250 00:18:35,223 --> 00:18:40,729 何をするのです?! 251 00:18:40,729 --> 00:18:44,065 小太郎! 逃げるのです! 252 00:18:44,065 --> 00:18:47,402 母上! 逃げて! 母上! 253 00:18:47,402 --> 00:18:49,702 おのれ こしゃくな~! 254 00:18:51,740 --> 00:18:56,244 父上が… 父上が また 母上を! 255 00:18:56,244 --> 00:19:02,244 小太郎様を奥へ 早く! (郎党)はっ。 さあ…。 256 00:19:05,921 --> 00:19:11,259 御免! 貴様! 盗人が! 257 00:19:11,259 --> 00:19:15,096 殿! おやめくださいませ! 258 00:19:15,096 --> 00:19:23,705 ♬~ 259 00:19:23,705 --> 00:19:27,709 殿! 何とぞ! 何とぞ! 260 00:19:27,709 --> 00:19:31,509 ♬~ 261 00:19:44,893 --> 00:19:47,193 殿~! 262 00:19:58,740 --> 00:20:01,740 なんということを…! 263 00:20:07,415 --> 00:20:13,421 お彩様。 某 腹を切って おわびいたします…。 264 00:20:13,421 --> 00:20:16,591 御免! なりませぬ! 265 00:20:16,591 --> 00:20:20,762 お離しくださいませ! なりませぬ! なりませぬ! 266 00:20:20,762 --> 00:20:23,762 なりませぬ…! 267 00:20:35,543 --> 00:20:38,880 なんたることを! 268 00:20:38,880 --> 00:20:44,052 お彩様は どうした? 佐江傳三郎は どこへ行った?! 269 00:20:44,052 --> 00:20:46,388 母上! 270 00:20:46,388 --> 00:20:51,226 母上~! 小太郎様! 271 00:20:51,226 --> 00:20:53,228 (小太郎)母上~! (郎党)小太郎様!➡ 272 00:20:53,228 --> 00:20:56,528 お待ちくだされ! 小太郎様! 273 00:20:58,566 --> 00:21:01,903 (小太郎)母上! 274 00:21:01,903 --> 00:21:05,240 お彩様…。 275 00:21:05,240 --> 00:21:07,242 よいのです。 276 00:21:07,242 --> 00:21:12,414 逃げるのです。 はい。 277 00:21:12,414 --> 00:21:16,084 では その2人は 逐電なされたと言われるか? 278 00:21:16,084 --> 00:21:20,755 (柳次郎) 話を聞けば 貞兼様は 日ごろより 酒毒に侵されていたとか。 279 00:21:20,755 --> 00:21:26,094 そこへ持ってきて お彩様と 佐江傳三郎が➡ 280 00:21:26,094 --> 00:21:30,765 その… つまり わりない仲であったと➡ 281 00:21:30,765 --> 00:21:34,436 吹き込む者がおり 邪推なされた貞兼様による➡ 282 00:21:34,436 --> 00:21:36,771 お彩様への打擲が ここのところ➡ 283 00:21:36,771 --> 00:21:39,107 激しさを増してきて いたらしいのです。➡ 284 00:21:39,107 --> 00:21:44,112 ですが このことが公になれば 設楽家の廃絶は明らか。 285 00:21:44,112 --> 00:21:50,785 そこで 用人殿が こちらに すがることはできぬかと。 286 00:21:50,785 --> 00:21:55,457 設楽家には 嫡男が おられるのじゃな? 287 00:21:55,457 --> 00:22:00,462 小太郎様と申し 今年 13になるそうです。 288 00:22:00,462 --> 00:22:04,466 (玲圓)磐音 これより 速水様に 書状をしたためる。 289 00:22:04,466 --> 00:22:09,137 小太郎殿を伴い 明日にでも お目通りを願い➡ 290 00:22:09,137 --> 00:22:12,140 ご相談いたせ。 よいな? 291 00:22:12,140 --> 00:22:14,140 はっ。 292 00:22:16,144 --> 00:22:20,148 (速水)非は確かに 当主 貞兼にある。➡ 293 00:22:20,148 --> 00:22:28,089 しかし 武家の習いに従えば 佐江傳三郎は 主殺し➡ 294 00:22:28,089 --> 00:22:32,761 共に逃げたお彩は 姦婦。 295 00:22:32,761 --> 00:22:38,433 となれば 三河以来の直参旗本➡ 296 00:22:38,433 --> 00:22:43,104 設楽家を守る道は ただ一つしかない。➡ 297 00:22:43,104 --> 00:22:47,108 お分かりか? はい。 298 00:22:47,108 --> 00:22:52,113 その方の心情 察するに余りあるが➡ 299 00:22:52,113 --> 00:22:57,786 これまた 武家の習いじゃ。 首尾よく敵を討った暁には➡ 300 00:22:57,786 --> 00:23:05,460 その方に跡目を相続させること この速水左近が 約束する。 301 00:23:05,460 --> 00:23:07,460 いかが?! 302 00:23:14,469 --> 00:23:20,469 私は なすべきことを 相努めます。 303 00:23:23,078 --> 00:23:28,083 小太郎様! 304 00:23:28,083 --> 00:23:37,092 佐々木磐音 品川柳次郎 両名に 助勢を命ずる。 305 00:23:37,092 --> 00:23:39,092 (2人)はっ! 306 00:23:42,430 --> 00:23:46,101 その日 お彩と佐江傳三郎が➡ 307 00:23:46,101 --> 00:23:49,771 上総木更津湊へ向かったことが 分かった。 308 00:23:49,771 --> 00:23:57,371 2人は 木更津湊から ふるさとの 上湯江を目指していると思われた。 309 00:24:02,784 --> 00:24:06,454 (隈田)このようなことになるとは この三太夫➡ 310 00:24:06,454 --> 00:24:11,793 小太郎様が ふびんでなりません! ふびんで! 311 00:24:11,793 --> 00:24:14,129 じい。 312 00:24:14,129 --> 00:24:17,799 竹村さんが ご一緒とは 驚きました。 313 00:24:17,799 --> 00:24:21,136 言っておくが 下働きの口のためではないぞ。 314 00:24:21,136 --> 00:24:25,073 これは 仕事だと柳次郎に 言われたから しかたなくだ。 315 00:24:25,073 --> 00:24:27,408 嫌なら いいのだぞ 旦那。 316 00:24:27,408 --> 00:24:31,412 いや そうは 言っておらぬではないか 柳次郎。 317 00:24:31,412 --> 00:24:33,748 それでは 参りましょう。 318 00:24:33,748 --> 00:24:36,748 頼む。 はい。 319 00:24:39,087 --> 00:24:43,424 こうして 一行は 舟で木更津湊に入り➡ 320 00:24:43,424 --> 00:24:47,428 房総往還をたどって 設楽家の所領である➡ 321 00:24:47,428 --> 00:24:50,431 上湯江の陣屋に向かった。 322 00:24:50,431 --> 00:24:56,104 (武左衛門)あ~ しかし酒の1本も つかぬとは 何たることだ! 323 00:24:56,104 --> 00:24:59,704 けちくさいにも程がある! うっ! あっ! 324 00:25:02,443 --> 00:25:07,115 そうであったな。 ですがな 酒も程よく飲めば➡ 325 00:25:07,115 --> 00:25:11,119 心を解きほぐす百薬の長。 お酒が悪いのではない! 326 00:25:11,119 --> 00:25:14,122 度を越して飲むのが よくないのだ! 327 00:25:14,122 --> 00:25:20,461 父上は 気が弱いお方だと 母は申しておりました。 328 00:25:20,461 --> 00:25:25,066 城中から下がった日などは 殊の外 大酒を召されて…。 329 00:25:25,066 --> 00:25:29,070 そのような父が 私は 嫌いでした。 330 00:25:29,070 --> 00:25:31,739 だから 酒も嫌いです。 331 00:25:31,739 --> 00:25:38,413 おお… かもしれんが 奉公とは つらいものでござる。 332 00:25:38,413 --> 00:25:42,417 酒でも飲んで癒やさねば やって おられんことも まま あり申す。 333 00:25:42,417 --> 00:25:46,421 ごちそうさまでした。 334 00:25:46,421 --> 00:25:50,091 何か? いや 別に。 335 00:25:50,091 --> 00:25:54,095 品川さん 申し訳ない。 先に食事を 済ませてしまいました。 336 00:25:54,095 --> 00:25:57,765 とんでもない。 お彩様の行方が 分かりました。➡ 337 00:25:57,765 --> 00:26:00,101 ここから少し離れた 浜の網小屋に➡ 338 00:26:00,101 --> 00:26:02,103 それらしき人が いるらしいのです。 339 00:26:02,103 --> 00:26:05,773 (小者)そこは お彩様の実家 庄屋の参左衛門様の➡ 340 00:26:05,773 --> 00:26:09,110 知り合いの網小屋でございます。 佐江傳三郎は? 341 00:26:09,110 --> 00:26:12,780 (柳次郎)そこにおるのは お彩様 一人らしいのだ。 342 00:26:12,780 --> 00:26:34,402 ♬~ 343 00:26:34,402 --> 00:26:36,404 (お里)里です。 344 00:26:36,404 --> 00:26:42,076 ♬~ 345 00:26:42,076 --> 00:26:44,078 母上。 346 00:26:44,078 --> 00:26:52,086 ♬~ 347 00:26:52,086 --> 00:26:55,089 [回想] (お彩)手相見によれば➡ 348 00:26:55,089 --> 00:26:59,427 この先 大層な孝行息子に なるとのこと。 349 00:26:59,427 --> 00:27:05,727 せいぜい長生きしなければ。 フフフッ フフッ。 350 00:27:12,106 --> 00:27:15,109 よいか? 小太郎殿。 351 00:27:15,109 --> 00:27:21,115 武士には 覚悟を決めねば ならぬ時があります。 352 00:27:21,115 --> 00:27:25,386 覚悟? 覚悟です。 353 00:27:25,386 --> 00:27:30,386 今の小太郎殿が その時なのです。 354 00:27:35,730 --> 00:27:41,069 悩んでよいのです。 迷ってよいのです。 355 00:27:41,069 --> 00:27:45,073 泣きたい時は 泣けばよいのです。 356 00:27:45,073 --> 00:27:50,745 その上で 覚悟を決めるのです。 357 00:27:50,745 --> 00:27:57,085 その覚悟が どのようなものであろうと➡ 358 00:27:57,085 --> 00:28:02,423 この佐々木磐音 必ず 小太郎殿の➡ 359 00:28:02,423 --> 00:28:05,423 お力になりましょう。 360 00:28:09,097 --> 00:28:11,697 佐々木様…。 361 00:28:14,769 --> 00:28:17,105 (小者)佐々木様。 362 00:28:17,105 --> 00:28:21,442 そこの漁師小屋を 見張り所として借り受けました。 363 00:28:21,442 --> 00:28:23,742 相分かった。 364 00:28:55,410 --> 00:28:59,747 (柳次郎)佐江傳三郎ですが やはり 佐々木さんのおっしゃるとおり➡ 365 00:28:59,747 --> 00:29:03,418 この界わいの湊で 舟を探しておりました。➡ 366 00:29:03,418 --> 00:29:05,753 傳三郎の姿は 見ておりませんが➡ 367 00:29:05,753 --> 00:29:08,089 まだ 舟の手配は ついていないようです。 368 00:29:08,089 --> 00:29:11,092 明日は 安房北条まで 足を延ばして捜してみます。 369 00:29:11,092 --> 00:29:13,094 お頼みします。 370 00:29:13,094 --> 00:29:16,097 (柳次郎)旦那 それぐらいにしておけ! 371 00:29:16,097 --> 00:29:19,434 (武左衛門) これっぱかしの酒で酔う 竹村武左衛門ではないわ!➡ 372 00:29:19,434 --> 00:29:23,704 それにしても 酒毒に侵され 暴れる父といい➡ 373 00:29:23,704 --> 00:29:26,707 男と手に手を取って逃げた 母といい➡ 374 00:29:26,707 --> 00:29:30,044 何を考えておるんだ! あげく➡ 375 00:29:30,044 --> 00:29:33,381 13の子に その母を討てという。➡ 376 00:29:33,381 --> 00:29:38,381 大身旗本は つらいわのう。 旦那! 377 00:29:47,061 --> 00:29:50,398 かわやです。 378 00:29:50,398 --> 00:29:54,402 ふん。 かわいげのない。 379 00:29:54,402 --> 00:29:56,702 わしは 寝る! 380 00:29:59,740 --> 00:30:32,740 ♬~ 381 00:30:39,046 --> 00:30:42,383 ≪(小太郎)うわ~っ!➡ 382 00:30:42,383 --> 00:30:47,383 うわっ! えい! や~っ! 383 00:30:56,063 --> 00:30:59,400 (武左衛門)あ~! 384 00:30:59,400 --> 00:31:05,406 おう! これは これは 朝早くから けいこでござるか? 385 00:31:05,406 --> 00:31:10,745 小太郎殿は なかなか筋がよい。 さすがは 大身お旗本のご嫡子。 386 00:31:10,745 --> 00:31:17,084 うん! 結構 結構! ハッハッハッハッ…。 387 00:31:17,084 --> 00:31:20,087 品川さんは 既に 出かけております。 388 00:31:20,087 --> 00:31:26,087 うん? そうか。 じゃあ わしも 行くかな。 389 00:31:37,104 --> 00:31:39,774 佐々木様➡ 390 00:31:39,774 --> 00:31:43,444 昨日 覚悟とおっしゃいました。 391 00:31:43,444 --> 00:31:47,782 武士には 覚悟が肝要だと。 392 00:31:47,782 --> 00:31:52,382 佐々木様にも そのような時が あったのですか? 393 00:31:56,457 --> 00:32:01,057 失礼なことを お聞きしました。 お許しください。 394 00:32:03,130 --> 00:32:07,130 ありました。 某にも。 395 00:32:09,136 --> 00:32:15,476 某 友を斬ったのです。 396 00:32:15,476 --> 00:32:21,148 磐音には 藩の陰謀に巻き込まれ はからずも 友を斬り➡ 397 00:32:21,148 --> 00:32:27,088 許婚と別れるという 悲しい過去があった。 398 00:32:27,088 --> 00:32:31,092 その時 某 覚悟を決めました。 399 00:32:31,092 --> 00:32:38,099 親を捨て お家を捨て 己一人で 生きる道を選んだのです。 400 00:32:38,099 --> 00:32:42,103 それも すべて定め。 401 00:32:42,103 --> 00:32:47,775 その定めを 恨んだことは ございませんか? 402 00:32:47,775 --> 00:32:51,779 恨んだとて 道が戻るわけでもありません。 403 00:32:51,779 --> 00:32:58,786 某の選ぶ道は 一つしかありませんでした。 404 00:32:58,786 --> 00:33:02,456 選ぶ道は 一つ…。 405 00:33:02,456 --> 00:33:09,756 武士を捨てる気ならば そのかぎり ではありませんでしたが…。 406 00:33:15,469 --> 00:33:20,808 さあ けいこを続けましょう。 407 00:33:20,808 --> 00:33:23,108 はい! 408 00:33:26,080 --> 00:33:29,083 舟を探し歩いている お武家を見なかったか? 409 00:33:29,083 --> 00:33:35,423 柳次郎は 傳三郎の姿を追い求めて 周辺の湊を回った。 410 00:33:35,423 --> 00:33:38,023 追っ手か…。 411 00:34:02,450 --> 00:34:07,050 お父様 ご迷惑をおかけします。 412 00:34:09,457 --> 00:34:12,457 体を大切にな。 413 00:34:15,463 --> 00:34:17,463 はい。 414 00:34:32,747 --> 00:34:35,750 どなたですか? 415 00:34:35,750 --> 00:34:40,755 某 佐々木磐音と申す。 416 00:34:40,755 --> 00:34:44,425 追っ手の方にございますか? 417 00:34:44,425 --> 00:34:46,425 はい。 418 00:34:49,430 --> 00:34:55,102 そつじながら 一つお聞きしてもよろしいか? 419 00:34:55,102 --> 00:35:02,109 何故 私が 佐江殿と逃げたか? 420 00:35:02,109 --> 00:35:07,782 お彩様は 幼なじみである 佐江殿との仲を➡ 421 00:35:07,782 --> 00:35:13,454 貞兼様に 疑われておられた。 そのことで➡ 422 00:35:13,454 --> 00:35:18,125 常日ごろから 乱暴されていたと 聞いております。 423 00:35:18,125 --> 00:35:22,730 それも これも 酒毒のせいなのでしょう。 424 00:35:22,730 --> 00:35:28,402 ですが 私と佐江殿とは 幼なじみ それ以上のことはありません。 425 00:35:28,402 --> 00:35:31,071 ならば…。 426 00:35:31,071 --> 00:35:35,409 佐江殿は 夫から私を救うために➡ 427 00:35:35,409 --> 00:35:39,079 誤って 夫を あやめてしまったのです。 428 00:35:39,079 --> 00:35:41,415 あげくに 腹を召されようと なさいました。 429 00:35:41,415 --> 00:35:44,084 私は お止めしました。 430 00:35:44,084 --> 00:35:48,088 佐江殿を死なせるわけには まいりませぬ。 431 00:35:48,088 --> 00:35:55,429 佐江殿は 私を救ってくれたのですから。 432 00:35:55,429 --> 00:36:02,436 毎日毎日 殴る 蹴るの 地獄の仕打ちを受けている私を➡ 433 00:36:02,436 --> 00:36:06,106 救ってくれたのです。 434 00:36:06,106 --> 00:36:13,447 それまで 誰も私を 救ってくれはしなかった。➡ 435 00:36:13,447 --> 00:36:19,047 気づけば 手に手を取って 逃げていました。 436 00:36:23,724 --> 00:36:30,397 上総から江戸へなど 出なければよかった。 437 00:36:30,397 --> 00:36:34,997 この世に 小太郎がいなければ とっくに私は…。 438 00:36:38,405 --> 00:36:44,705 小太郎は… 小太郎は 来ているのですか? 439 00:36:50,417 --> 00:36:53,420 そうですね。 440 00:36:53,420 --> 00:37:00,427 このような 恥知らずな母親の 顔など 見たくはないでしょう。 441 00:37:00,427 --> 00:37:06,767 悪い女です。 私は。 442 00:37:06,767 --> 00:37:09,103 これから先➡ 443 00:37:09,103 --> 00:37:14,441 佐江殿と見知らぬ土地で 暮らすおつもりですか? 444 00:37:14,441 --> 00:37:19,113 討っ手のあなたが おられます。 445 00:37:19,113 --> 00:37:22,383 ですが ここで あなたと 刺し違えても➡ 446 00:37:22,383 --> 00:37:26,720 かまわぬ覚悟は できております! 447 00:37:26,720 --> 00:37:34,020 承った。 では いずれ 時が来た折に。 448 00:37:51,745 --> 00:37:57,745 ≪(お彩の泣き声) 449 00:38:07,094 --> 00:38:12,099 ≪(武左衛門)何?! 何故だ? 母御に会うたのなら➡ 450 00:38:12,099 --> 00:38:16,103 何故 小太郎殿がここにおることを 伝えてやらぬ?! 451 00:38:16,103 --> 00:38:19,440 ここにおることを告げ 母御に 会わせてやれば よいではないか! 452 00:38:19,440 --> 00:38:22,710 待て 旦那! うん? 気持ちは分かるが➡ 453 00:38:22,710 --> 00:38:25,713 此度の旅は 敵討ちの旅なのだ!➡ 454 00:38:25,713 --> 00:38:29,717 小太郎殿が お彩様と会う時は 父の敵として➡ 455 00:38:29,717 --> 00:38:32,720 討ち果たす時でなければ いかんのだ。 456 00:38:32,720 --> 00:38:36,390 旦那も その助勢をするために ここに来ておるはずではないか! 457 00:38:36,390 --> 00:38:38,990 それは そうであるが…。 458 00:38:57,077 --> 00:39:00,077 (参左衛門)ごめんくださりませ。 459 00:39:03,083 --> 00:39:11,759 この地で 庄屋を務めます お彩の父 参左衛門と申します。 460 00:39:11,759 --> 00:39:16,430 江戸から お彩と 佐江傳三郎様を➡ 461 00:39:16,430 --> 00:39:19,099 討ち果たしに来た方々で ございますな? 462 00:39:19,099 --> 00:39:21,101 はい。 463 00:39:21,101 --> 00:39:24,705 このとおりです! お彩を お見逃しくださいまし! 464 00:39:24,705 --> 00:39:26,705 お頼み申します! 465 00:39:31,712 --> 00:39:35,049 ≪(参左衛門)17年前 設楽家のお殿様が➡ 466 00:39:35,049 --> 00:39:38,719 領内ご巡視の折 お彩を見初められた時➡ 467 00:39:38,719 --> 00:39:42,056 嫌がるお彩を 私は 無理に送り出しました。 468 00:39:42,056 --> 00:39:46,727 娘が 幼なじみの佐江傳三郎殿を 憎からず思っていることは➡ 469 00:39:46,727 --> 00:39:53,734 承知しておりましたが…。 ですが ですが 娘が戻ってきた時➡ 470 00:39:53,734 --> 00:39:58,072 私の至らなさを 思い知らされました! 471 00:39:58,072 --> 00:40:01,742 (お彩)お許しください! お父様。 472 00:40:01,742 --> 00:40:06,080 ですが ですが 彩は もう 我慢がなりませぬ! 473 00:40:06,080 --> 00:40:08,749 どうか どうか おかくまいください! 474 00:40:08,749 --> 00:40:13,087 お父様より 頼る所は ございません! どうか! 475 00:40:13,087 --> 00:40:17,758 申し訳ございませぬ! 参左衛門殿! 476 00:40:17,758 --> 00:40:22,362 (参左衛門)そこにいたのは 昔の娘ではありませんでした。 477 00:40:22,362 --> 00:40:27,367 ですが そうさせたのは 私なのでございます。 478 00:40:27,367 --> 00:40:30,370 私は その時 心に決めたのです。 479 00:40:30,370 --> 00:40:34,374 必ず 娘を かくまってみせると! 480 00:40:34,374 --> 00:40:39,046 お侍様 2度も娘を 裏切りたくはございません! 481 00:40:39,046 --> 00:40:44,051 どうか どうか このとおりでございます! 482 00:40:44,051 --> 00:40:49,056 分かる! お主の気持ち わしには分かる! 483 00:40:49,056 --> 00:40:51,056 旦那…。 484 00:40:59,399 --> 00:41:01,401 もしや…。 485 00:41:01,401 --> 00:41:07,741 お彩様のお子 小太郎殿でござる。 486 00:41:07,741 --> 00:41:14,414 お初に お目にかかります。 庄屋の参左衛門でございます。 487 00:41:14,414 --> 00:41:20,087 おじい様 小太郎です。 488 00:41:20,087 --> 00:41:27,387 おじい様のお気持ち 分かりました。 ですが…。 489 00:41:29,763 --> 00:41:36,103 ですが… 私の立場も お察しください。➡ 490 00:41:36,103 --> 00:41:41,108 私は 今 設楽の家を守るために ここにいます。➡ 491 00:41:41,108 --> 00:41:49,116 三河以来の設楽家を守るのが 私に課せられた務めなのです。 492 00:41:49,116 --> 00:41:54,955 それが 武家の習いなのです。➡ 493 00:41:54,955 --> 00:41:58,792 ここにいる佐々木様たちのお手を 煩わせながら➡ 494 00:41:58,792 --> 00:42:05,799 父を手にかけた佐江傳三郎と…➡ 495 00:42:05,799 --> 00:42:10,137 母を…➡ 496 00:42:10,137 --> 00:42:18,145 母を… 母を討たなければならぬのです! 497 00:42:18,145 --> 00:42:26,753 私は 武家の嫡男としての覚悟を せねばならぬのです。 おじい様。 498 00:42:26,753 --> 00:42:47,774 ♬~ 499 00:42:47,774 --> 00:42:55,782 小太郎様は 幼いころのお彩に よう似ておいでじゃ。 500 00:42:55,782 --> 00:43:00,454 もっと じいに 顔を見せてくだされ。 501 00:43:00,454 --> 00:43:03,054 おじい様…。 502 00:43:05,459 --> 00:43:12,466 このような形で あなた様に お目にかかることになろうとは➡ 503 00:43:12,466 --> 00:43:19,466 この参左衛門 前世で どこまで 悪いことをしてきたのか…。 504 00:43:24,411 --> 00:43:30,417 佐々木様。 はい。 505 00:43:30,417 --> 00:43:35,756 佐江傳三郎が 安房北条の船問屋「房州屋」で➡ 506 00:43:35,756 --> 00:43:38,759 船を見つけたと 知らせに参りました。 507 00:43:38,759 --> 00:43:46,433 水戸の那珂湊から上方に向かう 700石船 播州丸。➡ 508 00:43:46,433 --> 00:43:51,733 2日後には 安房北条の湊に 着くらしゅうございます。 509 00:43:57,444 --> 00:44:04,785 ですが 何故 お教えくだされたか? 510 00:44:04,785 --> 00:44:13,794 孫のため いま一度 裏切ることを➡ 511 00:44:13,794 --> 00:44:19,466 娘も許してくれるでしょう。 おじい様…。 512 00:44:19,466 --> 00:44:41,588 ♬~ 513 00:44:41,588 --> 00:44:46,760 ♬~(太鼓) 514 00:44:46,760 --> 00:44:57,104 ♬~ 515 00:44:57,104 --> 00:45:00,107 お父っつぁん! 516 00:45:00,107 --> 00:45:06,107 こっち こっち。 大人が 迷子に なって どうするのよ。 もう! 517 00:45:07,781 --> 00:45:11,785 未練だね どうも。 ヘヘヘヘ。 518 00:45:11,785 --> 00:45:17,085 ここにも 娘を思う父がいた。 519 00:45:19,459 --> 00:45:22,759 ≪(お里)お彩様。 520 00:45:40,414 --> 00:45:47,087 誠の気持ちか? じい様に言った言葉。➡ 521 00:45:47,087 --> 00:45:52,759 武家の嫡男として お家を守るために 母者を討つ。➡ 522 00:45:52,759 --> 00:45:59,766 だが お主に それを背負って 生きることができると思うか? 523 00:45:59,766 --> 00:46:04,438 そんなに強い男か? お主は。➡ 524 00:46:04,438 --> 00:46:10,444 己を産み はぐくんでくれた母者を 討たねばならぬ武家なぞに➡ 525 00:46:10,444 --> 00:46:12,779 何がある? 526 00:46:12,779 --> 00:46:16,783 それに すがって 生きねば ならぬことに 何がある?➡ 527 00:46:16,783 --> 00:46:20,787 ぶざまでもいい。 弱くてもいい。 528 00:46:20,787 --> 00:46:25,787 人として… 人として 生きるべきではないか? 529 00:46:28,395 --> 00:46:32,495 あなただって 武家ではありませんか! 530 00:46:36,069 --> 00:46:38,738 私とて…➡ 531 00:46:38,738 --> 00:46:44,038 私とて 誠は このような旅 続けとうありません! 532 00:46:47,414 --> 00:46:53,414 母との思い出は たんとあるのです…。 533 00:46:56,923 --> 00:47:07,523 ですが それでも 私は… 私は…。 534 00:47:09,769 --> 00:47:15,108 勝手にしろ! わしは 江戸に帰る。 535 00:47:15,108 --> 00:47:18,445 旦那! (武左衛門)もう うんざりだ。 536 00:47:18,445 --> 00:47:23,383 武士として 長の貧乏暮らしにも 耐えてまいったが➡ 537 00:47:23,383 --> 00:47:30,724 わしはな… 柳次郎 佐々木さん➡ 538 00:47:30,724 --> 00:47:35,395 わしは…➡ 539 00:47:35,395 --> 00:47:37,695 もういい。 540 00:47:40,734 --> 00:47:43,334 旦那…。 541 00:48:11,431 --> 00:48:21,775 ♬~ 542 00:48:21,775 --> 00:48:24,044 品川さん。 543 00:48:24,044 --> 00:48:41,227 ♬~ 544 00:48:41,227 --> 00:48:45,231 うかつでした。 まさか お彩様が 櫓を操れるなんて…。 545 00:48:45,231 --> 00:48:49,069 先程の土地の女 恐らく 佐江傳三郎の使い。 546 00:48:49,069 --> 00:48:52,669 どこかで 落ち合うつもりなのでしょう。 547 00:48:55,742 --> 00:49:02,415 母上! 母上! 548 00:49:02,415 --> 00:49:17,430 ♬~ 549 00:49:17,430 --> 00:49:24,037 磐音らは 陸路を 安房北条の湊に向かった。 550 00:49:24,037 --> 00:49:28,041 磐音らが 安房北条に着いた翌日。 551 00:49:28,041 --> 00:49:31,711 お彩たちが乗る手はずに なっている 播州丸が➡ 552 00:49:31,711 --> 00:49:35,311 水戸の那珂湊から到着した。 553 00:49:46,226 --> 00:49:50,897 つまり その奥方と お侍が 声をかけてきたら➡ 554 00:49:50,897 --> 00:49:53,233 知らせてほしいってことですか。 555 00:49:53,233 --> 00:49:55,735 (柳次郎)船に乗るには 船問屋に来るか➡ 556 00:49:55,735 --> 00:49:58,738 船頭のお主に 声をかけるしかないであろう。 557 00:49:58,738 --> 00:50:02,242 (壱助)そりゃそうだが…。 558 00:50:02,242 --> 00:50:05,412 一体 どんな訳がありなさる? 559 00:50:05,412 --> 00:50:11,412 子細は話せぬのです。 申し訳ござらぬ。 560 00:50:15,755 --> 00:50:21,261 まあ いいだろう。 多分 これから 天気が荒れる。 561 00:50:21,261 --> 00:50:25,031 2~3日 ここで 足止めを食らうことになりますぜ。 562 00:50:25,031 --> 00:50:27,031 はい。 563 00:50:31,037 --> 00:50:34,541 (小太郎)では 船が出るまで ここに? 564 00:50:34,541 --> 00:50:41,341 はい 待つしかありません。 そうですか。 565 00:50:53,226 --> 00:50:57,230 (雷鳴) 566 00:50:57,230 --> 00:51:00,900 (雨音) 567 00:51:00,900 --> 00:51:07,000 船頭の言葉どおり その夜から 雨になった。 568 00:51:09,075 --> 00:51:12,912 この雨風では すぐに 船が出ることはないでしょう。 569 00:51:12,912 --> 00:51:16,082 もうしばらく ここで ご辛抱ください。 570 00:51:16,082 --> 00:51:19,753 ≪(雷鳴) 571 00:51:19,753 --> 00:51:24,758 雷。 え? 572 00:51:24,758 --> 00:51:30,930 小太郎は 雷が嫌いなのです。 幼いころ よく 私の胸で➡ 573 00:51:30,930 --> 00:51:34,100 耳をふさいで おびえていたものです。 574 00:51:34,100 --> 00:51:38,772 そうでしたか…。 575 00:51:38,772 --> 00:51:43,372 お会いになりたいですか? 小太郎様に。 576 00:51:47,781 --> 00:51:55,622 小太郎が あなたとの子であれば どんなに よかったことかと…。 577 00:51:55,622 --> 00:51:57,624 お彩様。 578 00:51:57,624 --> 00:52:05,424 (雷鳴) 579 00:52:07,801 --> 00:52:36,095 ♬~ 580 00:52:36,095 --> 00:52:42,101 このまま 雨が何日でも何年でも やまねばよいのだが…。 581 00:52:42,101 --> 00:52:45,701 そうもいかぬか。 582 00:52:49,776 --> 00:52:53,947 このように のんびりとしていて よいのでしょうか? 583 00:52:53,947 --> 00:52:58,451 雨が治まらぬかぎり 何事も起こりません。 584 00:52:58,451 --> 00:53:00,751 そうでした。 585 00:53:04,123 --> 00:53:07,423 お願いします。 はい。 586 00:53:12,131 --> 00:53:16,302 大きなお背中です。 587 00:53:16,302 --> 00:53:21,474 ≪(雷鳴) 588 00:53:21,474 --> 00:53:28,414 一つ一つが生きてきた証しです。 589 00:53:28,414 --> 00:53:35,421 すごい。 それに比べて 私は 肝の小さな男です。 590 00:53:35,421 --> 00:53:38,758 雷が鳴っただけで おびえてしまう。 591 00:53:38,758 --> 00:53:44,097 設楽家の中にいれば それでもよいのですが…➡ 592 00:53:44,097 --> 00:53:49,769 それでは 駄目なのです。 私は 強くなりたい。 593 00:53:49,769 --> 00:53:56,776 佐々木様のように 心の強い武士になりたいのです。 594 00:53:56,776 --> 00:54:02,076 これでは また 竹村様に怒られてしまいますね。 595 00:54:04,784 --> 00:54:10,790 あの方は この役目を 私にさせたくなかったのでしょう。 596 00:54:10,790 --> 00:54:13,960 お優しいお方です。 597 00:54:13,960 --> 00:54:21,134 竹村さんは 長の浪人暮らしで ご苦労なされているお方ですから。 598 00:54:21,134 --> 00:54:24,434 だからこそ 「武家に すがるな」と…。 599 00:54:26,906 --> 00:54:32,078 しかし 私は…。 焦ることはありません 小太郎殿。 600 00:54:32,078 --> 00:54:37,917 実の父が いつも 口にしていた言葉があります。 601 00:54:37,917 --> 00:54:46,259 「人間 我慢 辛抱が肝要。 いつか必ず」。 602 00:54:46,259 --> 00:54:49,059 「いつか必ず」…。 603 00:54:51,931 --> 00:54:54,100 はい! 604 00:54:54,100 --> 00:55:02,442 ♬~ 605 00:55:02,442 --> 00:55:10,042 雨は 2日2晩降り続き 3日目の夕方に晴れた。 606 00:55:14,620 --> 00:55:18,791 (壱助)あの小太郎様は そういう訳ありだったのかい。 607 00:55:18,791 --> 00:55:22,729 はい。 明日は 船出と お聞きしたので➡ 608 00:55:22,729 --> 00:55:26,399 壱助殿には やはり 話しておかねばと。 609 00:55:26,399 --> 00:55:34,741 (壱助)敵討ちとはいえ 実の母親。 見逃せば お家断絶。 610 00:55:34,741 --> 00:55:39,412 つらいやね お武家様は。➡ 611 00:55:39,412 --> 00:55:42,081 だったら おいらは どうすりゃいい? 612 00:55:42,081 --> 00:55:46,252 2人を乗せていけば… それとも…。 お任せいたす。 613 00:55:46,252 --> 00:55:51,090 ハハハ。 ずるいやね 旦那。 614 00:55:51,090 --> 00:55:56,690 明日は 夜明けを待って いかりを上げますぜ。 615 00:56:07,440 --> 00:56:10,610 この近くに お彩様がいて➡ 616 00:56:10,610 --> 00:56:15,281 我らばかりか 小太郎様の姿に 目を留めたとしたら➡ 617 00:56:15,281 --> 00:56:18,284 ここには 現れますまいな。➡ 618 00:56:18,284 --> 00:56:21,954 佐々木さん 私は このまま 街道口を見張ります。 619 00:56:21,954 --> 00:56:27,554 ご苦労さまです。 我々は 宿から 船を見張ります。 では。 620 00:56:49,415 --> 00:56:53,515 佐々木様 見張りを代わります。 621 00:56:55,254 --> 00:57:01,260 少し お休みください。 では お頼みします。 622 00:57:01,260 --> 00:57:03,360 はい。 623 00:57:24,717 --> 00:58:08,261 ♬~ 624 00:58:08,261 --> 00:58:10,596 さあ。 625 00:58:10,596 --> 00:58:23,042 ♬~ 626 00:58:23,042 --> 00:58:26,212 母上…。 627 00:58:26,212 --> 00:58:36,712 ♬~ 628 00:58:41,727 --> 00:58:46,065 (柳次郎)小太郎殿を起こさなくて よかったのでしょうか。 629 00:58:46,065 --> 00:58:50,069 2人とも現れませんでしたから かまわないでしょう。 630 00:58:50,069 --> 00:58:52,369 (柳次郎)そうですね。 631 00:58:55,074 --> 00:59:00,913 (壱助)旦那! 何事もなくて よかった!➡ 632 00:59:00,913 --> 00:59:07,753 小太郎様に よろしく お伝えくだせえ! 633 00:59:07,753 --> 00:59:10,756 小太郎…。 634 00:59:10,756 --> 00:59:27,373 ♬~ 635 00:59:27,373 --> 00:59:29,473 小太郎! 636 00:59:31,210 --> 00:59:34,547 お彩様…。 小太郎! 637 00:59:34,547 --> 00:59:39,719 (小太郎)母上! 母上! 638 00:59:39,719 --> 00:59:42,722 小太郎! 639 00:59:42,722 --> 00:59:46,322 母上 何故? 640 00:59:48,728 --> 00:59:52,231 船頭殿 無断で乗り込んだことを おわびいたします。 641 00:59:52,231 --> 00:59:54,400 ですから どうぞ 船を お戻しください! 642 00:59:54,400 --> 00:59:57,500 (壱助)それは できねえ! お願いいたします! 643 01:00:00,072 --> 01:00:04,072 壱助殿 お頼み申す! 644 01:00:08,414 --> 01:00:10,414 船を止めろ! 645 01:00:19,425 --> 01:00:24,363 母上 何故 隠れておられなかったのですか? 646 01:00:24,363 --> 01:00:26,365 (お彩)小太郎。 647 01:00:26,365 --> 01:00:32,465 そなた 母が船に潜んでいたこと 承知だったのですね。 648 01:00:35,374 --> 01:00:39,879 では 母を許そうと あなたは…。 649 01:00:39,879 --> 01:00:45,885 そうではありません! 私は 夢を見ただけです。➡ 650 01:00:45,885 --> 01:00:50,222 そのような夢を! 651 01:00:50,222 --> 01:00:53,893 こうして 私の前に 身をさらされた以上➡ 652 01:00:53,893 --> 01:00:59,393 私には 果たすべき務めがございます! 653 01:01:03,069 --> 01:01:10,069 佐江傳三郎。 設楽小太郎が 父 貞兼の敵を討つ! 654 01:01:12,078 --> 01:01:16,582 ぜひもなし。 受けて立とう。 655 01:01:16,582 --> 01:01:20,586 佐江傳三郎殿 お彩殿。 656 01:01:20,586 --> 01:01:26,926 某 江戸神田三崎町 直心影流 佐々木道場の佐々木磐音。 657 01:01:26,926 --> 01:01:31,597 御家人 品川柳次郎。 我ら いささかの縁あって➡ 658 01:01:31,597 --> 01:01:35,434 設楽小太郎殿に ご助勢つかまつる。 659 01:01:35,434 --> 01:01:39,438 相手にとって不足なし。 660 01:01:39,438 --> 01:01:46,278 某 お彩様と逐電した折より いかなることがあろうとも➡ 661 01:01:46,278 --> 01:01:49,949 お彩様を お守りしようと 心に決め申した。 662 01:01:49,949 --> 01:01:57,289 小太郎様。 我ら どのようなことが あっても 生き延びる所存! 663 01:01:57,289 --> 01:02:03,089 ♬~ 664 01:02:18,144 --> 01:02:33,444 ♬~ 665 01:02:44,770 --> 01:02:55,114 ♬~ 666 01:02:55,114 --> 01:02:59,285 どうした? それで終わりか? それでも我が弟子か! 667 01:02:59,285 --> 01:03:01,620 おのれ~! 668 01:03:01,620 --> 01:03:24,076 ♬~ 669 01:03:24,076 --> 01:03:26,076 小太郎! 670 01:03:29,081 --> 01:04:27,081 ♬~ 671 01:04:28,741 --> 01:04:31,577 小太郎殿 とどめを! 672 01:04:31,577 --> 01:04:33,577 うりゃ~! 673 01:04:37,583 --> 01:04:42,383 小太郎様… お見事! 674 01:04:50,262 --> 01:04:53,062 母上! 来てはなりませぬ! 675 01:04:54,767 --> 01:04:56,769 来てはならぬ。 676 01:04:56,769 --> 01:05:03,776 母は もう… 母ではありません。➡ 677 01:05:03,776 --> 01:05:09,114 忘れるのです。 678 01:05:09,114 --> 01:05:15,120 母を忘れて 生きていくのです。 679 01:05:15,120 --> 01:05:17,456 小太郎。 680 01:05:17,456 --> 01:05:57,763 ♬~ 681 01:05:57,763 --> 01:05:59,763 おこん。 682 01:06:02,267 --> 01:06:04,767 磐音様! 683 01:06:08,107 --> 01:06:11,276 よう ご無事に戻られました。 684 01:06:11,276 --> 01:06:14,446 もう おこんが心配して 大変でした。 685 01:06:14,446 --> 01:06:18,283 お母上! アッハハハハ…。 686 01:06:18,283 --> 01:06:21,120 首尾よく いったのだな。 687 01:06:21,120 --> 01:06:23,055 見事に敵を討ち果たし➡ 688 01:06:23,055 --> 01:06:27,226 先程 速水様に お伝えしてまいりました。 689 01:06:27,226 --> 01:06:33,565 設楽小太郎殿 祝着至極でござった。 690 01:06:33,565 --> 01:06:40,906 はい。 これも 佐々木磐音殿 品川柳次郎殿の➡ 691 01:06:40,906 --> 01:06:44,576 ご助勢あればこそでございます。 692 01:06:44,576 --> 01:06:51,083 さぞ おつらかったであろうが ようも乗り越えられた。 693 01:06:51,083 --> 01:06:56,588 このこと 折を見て 上様にもお伝え申す。 694 01:06:56,588 --> 01:07:00,092 有り難き幸せ。 695 01:07:00,092 --> 01:07:06,765 両人も ご苦労であった。 696 01:07:06,765 --> 01:07:09,565 (2人)はっ! 697 01:07:16,108 --> 01:07:21,113 [心の声] 佐々木様 いつか必ず。 698 01:07:21,113 --> 01:07:25,050 お励みなされ。 699 01:07:25,050 --> 01:07:37,730 ♬~ 700 01:07:37,730 --> 01:07:40,232 ≪随分と凝っております。 701 01:07:40,232 --> 01:07:42,901 心地よい。 702 01:07:42,901 --> 01:07:46,905 設楽家の安堵も 速水様が お約束下され➡ 703 01:07:46,905 --> 01:07:50,242 これで肩の荷が下りた。 704 01:07:50,242 --> 01:07:55,342 設楽家の人々にとっては めでたいことですね。 705 01:07:57,916 --> 01:08:01,754 ですが… わずか 13の年で➡ 706 01:08:01,754 --> 01:08:05,591 母御の死を その前で 見なければいけなかった➡ 707 01:08:05,591 --> 01:08:10,091 小太郎様の気持ちを考えると 手放しでは喜べ…。 708 01:08:15,100 --> 01:08:17,102 まあ! 709 01:08:17,102 --> 01:08:20,439 お疲れだったんですね。 710 01:08:20,439 --> 01:08:40,893 ♬~ 711 01:08:40,893 --> 01:08:42,895 はあ~。 712 01:08:42,895 --> 01:08:46,732 何だよ 何だよ! 2人して しけた面しやがってよ! 713 01:08:46,732 --> 01:08:49,902 金兵衛さんよ おこんちゃんに会いたいなら➡ 714 01:08:49,902 --> 01:08:52,738 会ってくればいいじゃねえかよ! そうだよ! 715 01:08:52,738 --> 01:08:55,741 竹村の旦那もさ お腰の物を売っちまって➡ 716 01:08:55,741 --> 01:08:58,410 清々したんじゃなかったのかい? 何が おありになったか➡ 717 01:08:58,410 --> 01:09:01,079 分かりませぬが 武家を捨てる覚悟が本心なら➡ 718 01:09:01,079 --> 01:09:03,081 もっと しっかりなさってください! 719 01:09:03,081 --> 01:09:05,417 (はつね)毎日 明るく楽しく暮らしてりゃ➡ 720 01:09:05,417 --> 01:09:09,087 おてんとうさまだって 夢 かなえてくださるんだよ! 721 01:09:09,087 --> 01:09:13,759 人の気も知らんで 能天気なことを…。 722 01:09:13,759 --> 01:09:15,928 お父っつぁん いる? 723 01:09:15,928 --> 01:09:20,599 おお! …おこん おこん! 724 01:09:20,599 --> 01:09:24,036 何よ! 変な声 出して~。 元気にしてた? ああ! 725 01:09:24,036 --> 01:09:27,539 おれは ホントに元気だ! ピンピンしてら! なあ! 726 01:09:27,539 --> 01:09:31,043 ハハハハ! 途端に お前 機嫌よくなりやがったよ! 727 01:09:31,043 --> 01:09:33,545 金兵衛さん さっきまで しょげちまってさ~! 728 01:09:33,545 --> 01:09:36,215 ホント 「青菜に塩」ってやつさ! アハハ! 729 01:09:36,215 --> 01:09:38,383 おこんちゃん よく帰ってきてくれたよ。 730 01:09:38,383 --> 01:09:40,719 若先生! いつも 父が➡ 731 01:09:40,719 --> 01:09:42,888 お世話になっております~。 732 01:09:42,888 --> 01:09:45,724 これ 皆さんに お土産。 鶴屋のよねまんじゅう。 733 01:09:45,724 --> 01:09:49,061 いつも すいません。 みんな。 もらっちゃったよ。 734 01:09:49,061 --> 01:09:51,730 (一同)うわ~! よく 気が利くだろう? 735 01:09:51,730 --> 01:09:53,732 気が利くだろう! (一同)はい! 736 01:09:53,732 --> 01:09:57,736 誰の娘? おれの娘! (笑い声) 737 01:09:57,736 --> 01:10:00,072 で? で? で? 何? 738 01:10:00,072 --> 01:10:02,741 だから お前 何だ これだよ…。 739 01:10:02,741 --> 01:10:05,577 ややこは まだかってよ。 740 01:10:05,577 --> 01:10:07,913 もう~ またその話? 741 01:10:07,913 --> 01:10:12,084 今は 道場の建て増しするから その支度で大変なんだから! 742 01:10:12,084 --> 01:10:14,086 あっ! そうだ! 743 01:10:14,086 --> 01:10:18,924 そしたら 道場の縁の下に 大きなかめが埋まってたのよ! 744 01:10:18,924 --> 01:10:20,926 ねえ! はい。 745 01:10:20,926 --> 01:10:24,363 そのかめの中から 布に包まれた 太刀が出てきたのです。 746 01:10:24,363 --> 01:10:27,199 研ぎ師によれば恐らく 由緒ある太刀だとか…。 747 01:10:27,199 --> 01:10:29,701 鶴屋のまんじゅうに かめの太刀か。 748 01:10:29,701 --> 01:10:33,205 これは 吉兆だぞ 金兵衛殿。 道場が新しくなるという時に➡ 749 01:10:33,205 --> 01:10:35,207 見事な太刀が出てきた。 750 01:10:35,207 --> 01:10:37,376 めでたいことは重なると いうではないか! 751 01:10:37,376 --> 01:10:40,212 そうか? そうか おこん? 知らないわよ! 752 01:10:40,212 --> 01:10:42,214 (笑い声) 何! 753 01:10:42,214 --> 01:10:44,383 はぁ~…。 754 01:10:44,383 --> 01:10:49,054 我が世の春か。 よいのう。 佐々木さんは…。 755 01:10:49,054 --> 01:10:53,392 あら? 竹村さんにも おめでたいお話があるそうですよ。 756 01:10:53,392 --> 01:10:56,895 はい 何でしょう? 直参お旗本 設楽家での➡ 757 01:10:56,895 --> 01:10:59,731 お仕事の口が 決まったらしゅうございます! 758 01:10:59,731 --> 01:11:01,733 なんと! 759 01:11:01,733 --> 01:11:04,069 おこんさん それは 誠か?! 760 01:11:04,069 --> 01:11:07,239 おい 柳次郎! おこんさんの話は 誠のことか?! 761 01:11:07,239 --> 01:11:10,075 さ~あ? 聞いてないぞ そのような話。 762 01:11:10,075 --> 01:11:12,411 品川様 おふざけは困ります! 763 01:11:12,411 --> 01:11:17,249 誠です。 小太郎殿が 用人殿に 口添えなさったらしいのです。 764 01:11:17,249 --> 01:11:19,751 小太郎殿が…。 765 01:11:19,751 --> 01:11:23,588 ワッハッハッ! おう! さもありなん。 766 01:11:23,588 --> 01:11:28,593 小太郎殿も この竹村武左衛門の よさが分かったと見える! 767 01:11:28,593 --> 01:11:33,765 この竹村武左衛門 設楽家の 下人として 骨をうずめる覚悟だ! 768 01:11:33,765 --> 01:11:38,270 佐々木さん 柳次郎も 感謝する。 769 01:11:38,270 --> 01:11:42,107 あなた! じゃあ 旦那も ここ出ていくのか。 770 01:11:42,107 --> 01:11:44,109 さみしくなるね~。 771 01:11:44,109 --> 01:11:46,778 それぞれが 新しい暮らしを待ってる。 772 01:11:46,778 --> 01:11:49,281 ねえ! こりゃ めでてえことじゃねえか! 773 01:11:49,281 --> 01:11:51,450 そういうことになりゃ➡ 774 01:11:51,450 --> 01:11:54,786 この どてらの金兵衛が おごっちまおうじゃねえか! 775 01:11:54,786 --> 01:11:58,123 え~! 女衆はな すぐに 酒とさかなの支度にかかれ! 776 01:11:58,123 --> 01:12:02,294 はい! 酒屋へ飛べぃ! 777 01:12:02,294 --> 01:12:05,464 あ いた いた。 いらっしゃいましたぞ 笹塚様。 778 01:12:05,464 --> 01:12:08,467 おう! 捜したぞ 居眠り殿! 779 01:12:08,467 --> 01:12:11,636 何事ですか? 笹塚様。 またぞろ盗人一味じゃ。 780 01:12:11,636 --> 01:12:14,473 今度は 浪人崩れの手だれがおってな➡ 781 01:12:14,473 --> 01:12:17,476 居眠り殿の力が ぜひとも 入り用なんじゃ。 782 01:12:17,476 --> 01:12:21,480 おこんさん そういうわけだ。 旦那様を ちと 借り受ける! 783 01:12:21,480 --> 01:12:23,580 え? ではな! え? ちょっと! 784 01:12:29,087 --> 01:12:33,425 江戸一といわれる道場の主 佐々木磐音。 785 01:12:33,425 --> 01:12:36,595 この後も あまたの事件に駆り出され➡ 786 01:12:36,595 --> 01:12:41,600 その波乱万丈の生涯は 「居眠り磐音 江戸双紙」として➡ 787 01:12:41,600 --> 01:12:45,437 江戸の人々に 語り継がれたという。 788 01:12:45,437 --> 01:14:20,537 ♬~