1 00:00:36,290 --> 00:00:40,161 坂崎磐音は 友である小林琴平➡ 2 00:00:40,161 --> 00:00:44,799 河出慎之輔とともに 藩の改革を夢みていた。 3 00:00:44,799 --> 00:00:50,304 国家老 宍戸文六の命で 図らずも 琴平を上意討ちにした磐音は➡ 4 00:00:50,304 --> 00:00:54,809 祝言を控えていた 琴平の妹 奈緒と別れ 藩を捨て➡ 5 00:00:54,809 --> 00:00:59,680 江戸の市井に ひっそりと紛れて 生きる道を選んだ。 6 00:00:59,680 --> 00:01:03,818 長屋暮らしにも慣れた頃 かつての同志 上野伊織が➡ 7 00:01:03,818 --> 00:01:08,156 捜し訪ねてきた。 国もとでの悲しい出来事は➡ 8 00:01:08,156 --> 00:01:13,027 国家老 宍戸文六により仕組まれた 罠だったかもしれない…。 9 00:01:13,027 --> 00:01:17,727 朋友の言葉に 心が波立つ磐音であった。 10 00:01:19,767 --> 00:01:29,267 ♬~ 11 00:01:31,345 --> 00:01:34,845 ≪(金兵衛)坂崎さん! 坂崎さん! 12 00:01:36,784 --> 00:01:41,784 よう 鰻割きは休みかい? 坂崎さん! 13 00:01:43,658 --> 00:01:45,793 (坂崎磐音)しまった! 14 00:01:45,793 --> 00:01:53,668 ♬~ 15 00:01:53,668 --> 00:01:56,804 (松吉)よう 慣れてきたからって たるんでるんじゃねえのか? 16 00:01:56,804 --> 00:01:58,739 あいすまぬ。 17 00:01:58,739 --> 00:02:01,676 (鉄五郎) 珍しいこともあるもんだな。 疲れてんなら 休んでいいんだぜ。 18 00:02:01,676 --> 00:02:04,679 ちぇ 何だよ 俺が遅れたら ボロクソのくせによ。 19 00:02:04,679 --> 00:02:07,815 あっ! こら 松! 20 00:02:07,815 --> 00:02:10,718 お前は 何年やってんだ! 鰻に謝れ! 21 00:02:10,718 --> 00:02:14,689 鰻殿 ごめんなさい。 (鉄五郎)バカ野郎。 22 00:02:14,689 --> 00:02:21,829 磐音は 朝の一時 ここ宮戸川で 鰻割きの仕事をしている。 23 00:02:21,829 --> 00:02:24,498 手間賃は 70文と安いが➡ 24 00:02:24,498 --> 00:02:28,798 磐音にとっては 大切な仕事であった。 25 00:02:30,838 --> 00:02:33,538 (おしま)あら 御苦労さま。 26 00:02:36,110 --> 00:02:41,983 地蔵湯で 朝湯につかり 鰻の生臭さと疲れを 流し落とす。 27 00:02:41,983 --> 00:02:47,455 今の磐音には 何より ぜいたくな一時であった。 28 00:02:47,455 --> 00:02:56,755 ♬~ 29 00:03:27,828 --> 00:03:30,731 「すでに お家に関わりなき身をもって➡ 30 00:03:30,731 --> 00:03:34,635 家中の様子をあれこれと 探ること 無用と知るべし。➡ 31 00:03:34,635 --> 00:03:41,108 貴殿 許婚 奈緒殿 いまだ 関前にあること 忘るべからず。➡ 32 00:03:41,108 --> 00:03:44,979 関前家中有志」。 33 00:03:44,979 --> 00:03:53,688 ♬~ 34 00:03:53,688 --> 00:03:56,688 タバコ吸い…。 35 00:03:58,659 --> 00:04:03,364 (伊織)勘定方の俺が 両替商に 出入りしても 怪しまれぬ。 36 00:04:03,364 --> 00:04:07,802 いや ここも危ない。 (伊織)すまぬ。 急を要するのだ。 37 00:04:07,802 --> 00:04:10,705 何があった? 38 00:04:10,705 --> 00:04:14,675 呼ばれたぞ。 宍戸有朝様の所に。 39 00:04:14,675 --> 00:04:20,147 (三田村)上野伊織! そなたは 出奔した坂崎磐音と いまだに➡ 40 00:04:20,147 --> 00:04:23,050 つきおうておるのではないか? (伊織)いいえ➡ 41 00:04:23,050 --> 00:04:26,020 そのようなことはございませぬ。 (黒河内)江戸で 坂崎らしき➡ 42 00:04:26,020 --> 00:04:29,490 人物とそなたが歩いておるのを 見かけたと申す者がおる。 43 00:04:29,490 --> 00:04:34,095 人違いにございましょう。 某は 坂崎が江戸勤番を終え➡ 44 00:04:34,095 --> 00:04:38,265 豊後関前に発った日以来 ただの 一度も会ったことはございませぬ。 45 00:04:38,265 --> 00:04:41,769 (三田村)実はな 上野 そなたには 申しておくがな。 46 00:04:41,769 --> 00:04:43,704 はい。 (三田村)藩の中に➡ 47 00:04:43,704 --> 00:04:47,641 坂崎磐音と 通じておる者がいるのだ。 48 00:04:47,641 --> 00:04:51,445 脱藩した坂崎が 何を企んでおるのかは知らんが➡ 49 00:04:51,445 --> 00:04:55,783 一度逃げ出したネズミに 蔵の中を ウロチョロされたら 困るのじゃ。 50 00:04:55,783 --> 00:04:57,718 もっともでございます。 51 00:04:57,718 --> 00:05:02,656 そなたも この屋敷内で不審な者を 見つけたら 即刻知らせるのだぞ。 52 00:05:02,656 --> 00:05:04,792 ははっ…。 53 00:05:04,792 --> 00:05:09,130 (有朝)悪いネズミは すべて退治しないとな。 54 00:05:09,130 --> 00:05:20,130 ♬~ 55 00:05:24,478 --> 00:05:28,349 佐々木玲圓は 磐音の剣の師匠である。 56 00:05:28,349 --> 00:05:34,088 磐音は この道場で 今は亡き 小林琴平 河出慎之輔とともに➡ 57 00:05:34,088 --> 00:05:37,088 修行したのであった。 58 00:05:51,639 --> 00:05:54,408 ありがとうございました。 (玲圓)うん。 59 00:05:54,408 --> 00:05:57,778 (浅村)先生。 某 長く 道場に関わっておりますが➡ 60 00:05:57,778 --> 00:06:00,681 あのように メラメラと 炎が 燃え上がるような勝負を➡ 61 00:06:00,681 --> 00:06:03,451 拝見したのは 初めてにござります。 62 00:06:03,451 --> 00:06:07,321 居眠り磐音の剣は 新たな域を得たな。 63 00:06:07,321 --> 00:06:12,793 先生 己の無能を 悟ってございます。 64 00:06:12,793 --> 00:06:15,463 今戸! そなたは どうじゃ。 65 00:06:15,463 --> 00:06:19,333 (今戸)はい 江戸を発たれた時の 坂崎様ではありませぬ。 66 00:06:19,333 --> 00:06:22,336 違った お方が ここに おられます。 67 00:06:22,336 --> 00:06:25,473 剣の道は 一筋ではない。 68 00:06:25,473 --> 00:06:29,343 百人おれば 百とおりの修行の しかたがある。 69 00:06:29,343 --> 00:06:32,279 百とおりの 到達すべき境地がある。 70 00:06:32,279 --> 00:06:36,083 そなたらは そなたらの 道を見つけるのじゃ。 71 00:06:36,083 --> 00:06:38,083 (2人)はい。 72 00:06:39,753 --> 00:06:43,424 (入来)これは 坂崎! 来ておったか。 73 00:06:43,424 --> 00:06:46,360 はい。 久しぶりに たっぷり汗をかきました。 74 00:06:46,360 --> 00:06:51,765 しまったな。 某も お相手つかまつりたかった。 75 00:06:51,765 --> 00:06:55,102 この次は ぜひ お相手いただきたい。 76 00:06:55,102 --> 00:06:58,102 お手柔らかにお願いします。 77 00:07:07,114 --> 00:07:11,452 入来為八郎は 藩主護衛役の お手廻り組の一人で➡ 78 00:07:11,452 --> 00:07:16,323 藩政改革に共鳴し 修学会にも熱心に参加していた。 79 00:07:16,323 --> 00:07:21,323 剣は 佐々木玲圓門下で 磐音の兄弟子である。 80 00:07:26,000 --> 00:07:28,700 すまん! 許せよ。 81 00:07:31,138 --> 00:07:34,408 入来為八郎から タバコのにおいがした。 82 00:07:34,408 --> 00:07:40,080 磐音は 直感した。 長屋に 脅迫状を置いていったのは➡ 83 00:07:40,080 --> 00:07:42,780 この男であると。 84 00:07:47,755 --> 00:07:50,791 (笹塚)今日は ちと 相談があって参った。 85 00:07:50,791 --> 00:07:53,427 (吉右衛門)相談でございますか。 86 00:07:53,427 --> 00:07:58,766 江戸一番の両替商 今津屋殿の 知恵を拝借しようと思うてな。 87 00:07:58,766 --> 00:08:00,701 いえいえ…。 88 00:08:00,701 --> 00:08:06,640 おこん! 相変わらず美しいのう。 さすが 深川小町だ。 89 00:08:06,640 --> 00:08:10,778 (おこん)まあ 相変わらず お口が お上手な与力様ですこと。 90 00:08:10,778 --> 00:08:13,447 (笹塚)何を申す。 拙者 うそは言わん。 91 00:08:13,447 --> 00:08:15,447 まあ…。 92 00:08:17,117 --> 00:08:19,086 (吉右衛門)笹塚様。 えっ? 93 00:08:19,086 --> 00:08:21,455 あっちを持ち上げ こっちを持ち上げ➡ 94 00:08:21,455 --> 00:08:25,125 何を企んでおられますかな。 おう いやいやいや…。 95 00:08:25,125 --> 00:08:28,095 ハハッ… ハハハ…。 (由蔵)お連れいたしました。 96 00:08:28,095 --> 00:08:32,866 笹塚様 某にまで 何ぞ 御用でございますか? 97 00:08:32,866 --> 00:08:35,769 おお 坂崎 まあ そこに座っていてくれ。 98 00:08:35,769 --> 00:08:39,640 はあ…。 (笹塚)元締め殿 こちらへ。 99 00:08:39,640 --> 00:08:41,640 はい。 100 00:08:57,057 --> 00:09:02,357 慶長笹書大判でございますか。 鑑定を頼みたい。 101 00:09:06,100 --> 00:09:10,971 江戸期 大判は 限られた 鋳造しかなされなかった。 102 00:09:10,971 --> 00:09:14,441 幕府や朝廷 大名諸侯が➡ 103 00:09:14,441 --> 00:09:18,441 儀礼用として 用いるのが もっぱらであった。 104 00:09:20,781 --> 00:09:23,481 ひどい偽物でございますな。 105 00:09:25,653 --> 00:09:28,455 (由蔵)で これが一体? 106 00:09:28,455 --> 00:09:35,262 この偽の大判で 日本橋の質屋 宝屋は 2百両 用立てた。 107 00:09:35,262 --> 00:09:37,598 一体 どうして? 108 00:09:37,598 --> 00:09:43,404 うん… ちと入り組んでおる。 (由蔵)お話し願えますか。 109 00:09:43,404 --> 00:09:50,277 この大判を質入れしたのは 代々 京都町奉行などの要職を➡ 110 00:09:50,277 --> 00:09:57,418 務められた旗本2千3百石 弓場播磨守雪岳様の用人➡ 111 00:09:57,418 --> 00:10:02,589 宇野源平だ。 半年ほど前 宝屋を屋敷に呼び➡ 112 00:10:02,589 --> 00:10:10,631 この慶長大判1枚を質草に 金子 2百両を用立てた。 113 00:10:10,631 --> 00:10:17,404 この時の大判は 間違いなく 本物であったそうだ。➡ 114 00:10:17,404 --> 00:10:20,107 その ひとつき後には 請け出されて➡ 115 00:10:20,107 --> 00:10:23,777 元金 利息を支払われたそうな。➡ 116 00:10:23,777 --> 00:10:30,451 そんなことが 二度三度と 繰り返され 此度の質草になった。 117 00:10:30,451 --> 00:10:35,322 ところが この度 質草を請け出そうとした折➡ 118 00:10:35,322 --> 00:10:40,127 用人が 「これは うちが預けた 大判ではない」と➡ 119 00:10:40,127 --> 00:10:42,427 言いだしたそうな。 120 00:10:44,798 --> 00:10:47,468 (宇野)お主 何の冗談だ。 121 00:10:47,468 --> 00:10:51,338 これは 預けてあった品物とは 違うではないか! 122 00:10:51,338 --> 00:10:53,807 (番頭)そんなはずはございません いま一度 お確かめを! 123 00:10:53,807 --> 00:10:56,477 いいや これは 明らかに偽物! 124 00:10:56,477 --> 00:11:02,916 客の質草を すり替えるとは… なんたる不届き そこに直れ! 125 00:11:02,916 --> 00:11:05,116 はっ… ははあ…! 126 00:11:08,722 --> 00:11:12,493 確かに これは この度 お預かりした大判でございます。 127 00:11:12,493 --> 00:11:15,829 では そなたは 権現様以来の弓場家が➡ 128 00:11:15,829 --> 00:11:18,732 偽の大判を使ったと申すか! めっそうもございません! 129 00:11:18,732 --> 00:11:21,168 ですが これは…。 まだ申すか! 130 00:11:21,168 --> 00:11:24,838 客の質草を すり替えるとは 不届き千万! 131 00:11:24,838 --> 00:11:28,509 成敗してくれる! お許し下さい! 132 00:11:28,509 --> 00:11:35,115 相手は 神君 家康様以来の家柄。 宝屋としては致し方ない。 133 00:11:35,115 --> 00:11:40,788 3百両 わび金を支払って ようように許されたのだが。 134 00:11:40,788 --> 00:11:44,124 (木下)番頭は 大川に 身を投げてございます。 135 00:11:44,124 --> 00:11:46,059 なんと気の毒な…。 136 00:11:46,059 --> 00:11:49,997 (由蔵)しかし 宝屋さんにも 落ち度があったのでは? 137 00:11:49,997 --> 00:11:54,468 さよう。 番頭は 最初こそ 子細に吟味したが➡ 138 00:11:54,468 --> 00:12:01,341 2度目からは 形式に堕した。 まあ 無理もない事情もあってな。 139 00:12:01,341 --> 00:12:05,813 (由蔵)何故にございます? うん…。 140 00:12:05,813 --> 00:12:11,685 この慶長大判 桐の箱に 入っていたそうだが➡ 141 00:12:11,685 --> 00:12:14,154 箱書きがあった。 142 00:12:14,154 --> 00:12:18,492 弓場家の先祖が 京都町奉行の職にあった折➡ 143 00:12:18,492 --> 00:12:21,395 朝廷のために 手柄があったそうで➡ 144 00:12:21,395 --> 00:12:27,534 かしこくも 人皇百九代 明正帝より賜りし旨の箱書きだ。 145 00:12:27,534 --> 00:12:33,340 だからこそ 宝屋は 大判1枚に 2百両を都合した。 146 00:12:33,340 --> 00:12:35,776 なるほど…。 147 00:12:35,776 --> 00:12:40,113 事情は飲み込めました。 …が 手前どもと➡ 148 00:12:40,113 --> 00:12:43,450 坂崎様への御相談とは 何でございましょうか? 149 00:12:43,450 --> 00:12:49,323 おう それよ。 坂崎殿 お待たせいたした さあ こちらに。 150 00:12:49,323 --> 00:12:51,323 はっ。 151 00:12:55,796 --> 00:13:03,136 そこでじゃが 弓場家では どうやら 宝屋だけでなく➡ 152 00:13:03,136 --> 00:13:08,442 あちこちの質屋 両替商にも 同じ手口を使っておるらしい。 153 00:13:08,442 --> 00:13:13,914 被害が どれほどあるか 江戸で 名うての両替商 今津屋なれば➡ 154 00:13:13,914 --> 00:13:17,784 我らが表立って 調べるよりも早かろう。 155 00:13:17,784 --> 00:13:20,787 承知いたしました。 156 00:13:20,787 --> 00:13:24,157 (笹塚) ありがたい。 そこでじゃが➡ 157 00:13:24,157 --> 00:13:26,827 一つ やっかいなことがあってな…。 158 00:13:26,827 --> 00:13:28,762 …と言いますと? 159 00:13:28,762 --> 00:13:37,104 弓場家には 神君 家康様からの 拝領刀 和泉守兼定があってな。➡ 160 00:13:37,104 --> 00:13:42,776 これに 御直筆の添え書き 「余に代わりて弓場歴代と兼定に➡ 161 00:13:42,776 --> 00:13:47,114 世の鎮めを命ず」と 記されてあるとか。➡ 162 00:13:47,114 --> 00:13:50,017 ちなみに弓場雪岳様は➡ 163 00:13:50,017 --> 00:13:54,988 槍は 東軍無敵流 剣は たんせき流の名手じゃ。 164 00:13:54,988 --> 00:13:58,325 (由蔵)ほう~。 (吉右衛門)帝の箱書きや➡ 165 00:13:58,325 --> 00:14:02,663 家康公の添え書きを悪事に用いる など もっての外でございます。 166 00:14:02,663 --> 00:14:06,133 だが 我らなど… 不浄役人がと➡ 167 00:14:06,133 --> 00:14:10,003 拝領の和泉守兼定を 振り回されてみよ。 168 00:14:10,003 --> 00:14:13,006 太刀打ちできぬわ。 169 00:14:13,006 --> 00:14:17,144 坂崎殿 そのうち この今津屋にも➡ 170 00:14:17,144 --> 00:14:21,014 必ず 弓場の御用人が 金子を借りに来る。 171 00:14:21,014 --> 00:14:24,017 来ますか? (笹塚)来るようにしむける。 172 00:14:24,017 --> 00:14:27,154 なんと…。 (笹塚)だから 坂崎殿➡ 173 00:14:27,154 --> 00:14:32,960 今津屋の元締め殿と よ~く はかってみてもらいたい。 174 00:14:32,960 --> 00:14:35,963 はあ…。 (吉右衛門)しかし➡ 175 00:14:35,963 --> 00:14:42,102 弓場様は無役とは申せ 先代までは 要職を務められたお旗本。 176 00:14:42,102 --> 00:14:45,005 そのように 金子にお困りとは 腑に落ちませぬ。 177 00:14:45,005 --> 00:14:51,111 それよ。 なぜ 弓場様が 大金を必要となされているのか➡ 178 00:14:51,111 --> 00:15:00,120 今 竹蔵に探らせておる。 皆々様 よろしく頼む。 179 00:15:00,120 --> 00:15:03,991 では 我らは これにて。 ああ 送らずともよい。 180 00:15:03,991 --> 00:15:07,995 ここで よ~く思案してくれ。 181 00:15:07,995 --> 00:15:10,697 なっ 頼む 頼むぞ!➡ 182 00:15:10,697 --> 00:15:13,600 頼むぞ! 183 00:15:13,600 --> 00:15:16,400 旦那様…。 うん…。 184 00:15:19,406 --> 00:15:21,341 (品川)坂崎さん! これは どうも 母上。 185 00:15:21,341 --> 00:15:24,344 (幾代)まあ 坂崎様。 品川さん 仕事ですぞ。 186 00:15:24,344 --> 00:15:26,813 ありがたい! 感謝 感謝。 187 00:15:26,813 --> 00:15:29,716 (幾代)いつもいつも お心遣い ありがとうございます。 188 00:15:29,716 --> 00:15:32,085 どうぞお上がり下さい。 お茶を…。 189 00:15:32,085 --> 00:15:35,956 いえいえ…。 母上 母上! ちょっと出てきます。 190 00:15:35,956 --> 00:15:39,326 大事な話があります。 どうぞ。 191 00:15:39,326 --> 00:15:44,197 大事な話とは何です? いや 何もありません。 192 00:15:44,197 --> 00:15:47,768 ちまちまと 傘張り 袋張りでは 息が詰まって。 193 00:15:47,768 --> 00:15:51,638 長屋まで お供します。 仕事の話は 道々。 194 00:15:51,638 --> 00:15:54,641 おきねさん いますかね? ぼちぼち 矢場へ➡ 195 00:15:54,641 --> 00:15:58,641 出かけるころですかね。 急ぎましょう。 196 00:16:00,781 --> 00:16:03,684 (品川)おきねさん! (おきね)ああ 坂崎さん! 197 00:16:03,684 --> 00:16:06,119 お帰りなさい。 ただいま。 198 00:16:06,119 --> 00:16:09,022 あ 品川さん いらっしゃい。 あ はい。 199 00:16:09,022 --> 00:16:11,792 あっ ちょうど よかった お団子があるんですよ。 200 00:16:11,792 --> 00:16:15,462 お茶いれますよ。 あ いえ…。 ありがたいな~。 201 00:16:15,462 --> 00:16:18,799 どうぞ。 (竹蔵)坂崎さん こちらでしたか。 202 00:16:18,799 --> 00:16:23,103 竹蔵親分。 ちょいと お話が。 203 00:16:23,103 --> 00:16:26,006 分かりましたよ 弓場様が 大金を集めてる訳が…。 204 00:16:26,006 --> 00:16:29,009 ほう…。 ちょいと 御足労願います。 205 00:16:29,009 --> 00:16:34,081 ♬~ 206 00:16:34,081 --> 00:16:36,081 おきねさん! 207 00:16:44,424 --> 00:16:47,094 (竹蔵)こちら 吉原の…。 (宇右衛門)丁子屋の主➡ 208 00:16:47,094 --> 00:16:51,965 宇右衛門にございます。 坂崎磐音と申す。 早速ですが➡ 209 00:16:51,965 --> 00:16:56,436 丁子屋殿と弓場様は 何ぞの関わりがあるのですか? 210 00:16:56,436 --> 00:16:58,772 関わりは 持ちたくございませんが➡ 211 00:16:58,772 --> 00:17:02,442 野暮を押し通す弓場様には ホトホト困り果てております。 212 00:17:02,442 --> 00:17:04,778 話せ。 はい。 213 00:17:04,778 --> 00:17:09,116 弓場の殿様が 剣術仲間と うちへ 上がられたのは➡ 214 00:17:09,116 --> 00:17:11,451 みつきほど前のことでございます。 以来➡ 215 00:17:11,451 --> 00:17:14,354 3日に空けず通ってこられて。 今 評判の花魁➡ 216 00:17:14,354 --> 00:17:16,323 雪野が目当てだな? 217 00:17:16,323 --> 00:17:19,326 はい。 客として通って こられるのは いいのですが➡ 218 00:17:19,326 --> 00:17:23,463 最近 雪野を側室に身請けしたいと 言いだされて…。 219 00:17:23,463 --> 00:17:25,799 度々 屋敷に呼び出され➡ 220 00:17:25,799 --> 00:17:29,669 身請けの判を押さねば 店で暴れると脅されて…。 221 00:17:29,669 --> 00:17:31,605 ひどい話だ。 222 00:17:31,605 --> 00:17:35,609 もう~ 庭先で 槍は振り回すわ 剣は抜くわで もう…➡ 223 00:17:35,609 --> 00:17:39,079 ホトホト困っております。 まあ 粗暴なお方ゆえ➡ 224 00:17:39,079 --> 00:17:41,114 雪野も ひどく嫌っています。 225 00:17:41,114 --> 00:17:44,751 私どもといたしましては 大きく育てたい雪野でございます。 226 00:17:44,751 --> 00:17:47,420 身請けさせるつもりなど 毛頭ありません。 227 00:17:47,420 --> 00:17:51,258 なるほど そうだろう。 親分さん。 痩せても枯れても➡ 228 00:17:51,258 --> 00:17:54,761 旗本2千3百石の 御当主の行状にございます。 229 00:17:54,761 --> 00:17:58,098 ここは ひとつ お目付けに 動いていただくよう➡ 230 00:17:58,098 --> 00:18:00,033 南町で 手を打ってもらえませぬか? 231 00:18:00,033 --> 00:18:04,437 う~ん それが そう うまくはいかねえ。 232 00:18:04,437 --> 00:18:09,309 竹蔵殿。 弓場雪岳様のご嫡男は おいくつにございますか? 233 00:18:09,309 --> 00:18:14,447 春之丞様は 確か13歳。 聡明な若様だと聞いてますが。 234 00:18:14,447 --> 00:18:17,350 某に 考えがあります。 235 00:18:17,350 --> 00:18:20,120 ちょっと待って…。 おい! そば頼むよ! 236 00:18:20,120 --> 00:18:22,820 おい そば! それからね お酒の方も。 237 00:18:24,791 --> 00:18:27,694 磐音は 笹塚の供をして➡ 238 00:18:27,694 --> 00:18:33,600 旗本 弓場雪岳の舅にあたる 津田石見守の屋敷を訪れた。 239 00:18:33,600 --> 00:18:37,737 (用人)南町奉行 牧野成賢様の お使いと聞きましたが➡ 240 00:18:37,737 --> 00:18:41,074 火急の用事でござるかな? さよう。 241 00:18:41,074 --> 00:18:43,410 御当家にとっての大事にござる。 242 00:18:43,410 --> 00:18:46,813 当家にとっての大事? さよう。 243 00:18:46,813 --> 00:18:49,716 しからば 主に取り次ぎましょう。 244 00:18:49,716 --> 00:18:55,355 ただし 主は 大変 気難しい お方なので 御承知おき下され。 245 00:18:55,355 --> 00:18:59,793 心得ました。 話は できるだけ 手短に願いたい。 246 00:18:59,793 --> 00:19:03,793 承知いたしました。 では こちらに。 247 00:19:12,105 --> 00:19:14,105 (津田)うん。 248 00:19:16,443 --> 00:19:22,549 津田様には おくつろぎのところ 恐縮至極に存じます。 249 00:19:22,549 --> 00:19:27,387 南町奉行 牧野殿の 名代と聞いたが しかとさようか? 250 00:19:27,387 --> 00:19:30,790 はっ。 牧野殿は 代役など立てられずに➡ 251 00:19:30,790 --> 00:19:33,393 なぜ 当人が見えられぬ? 252 00:19:33,393 --> 00:19:36,062 牧野が参らぬ方が➡ 253 00:19:36,062 --> 00:19:38,965 御当家にとって あとあと よかろうかと思いまして。 254 00:19:38,965 --> 00:19:42,569 何ぞ 津田の家にとって 不都合なことがあると申すか。 255 00:19:42,569 --> 00:19:46,069 用件を 手短に話せ! 256 00:19:47,741 --> 00:19:50,644 弓場家のことにつきまして➡ 257 00:19:50,644 --> 00:19:54,414 津田様の御決断を仰ぎたく 参上いたしました。 258 00:19:54,414 --> 00:19:58,752 なに!? 当家のことではなく 弓場家のことだと!? 259 00:19:58,752 --> 00:20:02,622 おのれ 津田定鉦を たばかりおって! 260 00:20:02,622 --> 00:20:05,625 御当家にも 関わりがございます。 261 00:20:05,625 --> 00:20:10,764 まず 話をお聞きいただいた上で 本日の参上が 理不尽かどうか➡ 262 00:20:10,764 --> 00:20:16,064 御判断いただきとうございます。 う~ん… 申せ! 263 00:20:19,439 --> 00:20:27,147 弓場雪岳様の奥方様は 津田様の 御息女 お門様にございますな? 264 00:20:27,147 --> 00:20:30,817 うむ。 (用人)さようでござる。 265 00:20:30,817 --> 00:20:35,689 津田様は 近ごろの雪岳様の行状➡ 266 00:20:35,689 --> 00:20:38,925 お門様より お聞き及びではございませぬか? 267 00:20:38,925 --> 00:20:43,129 我が娘は 軽々しく 主家の行状など➡ 268 00:20:43,129 --> 00:20:46,032 実家にしゃべるような 女子ではないわ! 269 00:20:46,032 --> 00:20:48,001 ごもっとも。 270 00:20:48,001 --> 00:20:52,472 弓場様の振る舞い お話し申せ。 はっ…。 271 00:20:52,472 --> 00:20:55,675 手短に。 はい。 272 00:20:55,675 --> 00:21:02,148 事の起こりは 弓場様の御用人が 日本橋の質商 宝屋忠左衛門方に➡ 273 00:21:02,148 --> 00:21:05,485 かしこくも 明正帝より賜りし箱書きのある➡ 274 00:21:05,485 --> 00:21:09,356 慶長笹書大判を 質入れされたことにござります。 275 00:21:09,356 --> 00:21:11,825 なんと…。 276 00:21:11,825 --> 00:21:17,825 磐音は 此度の騒動の一部始終を話した。 277 00:21:20,166 --> 00:21:26,773 けしからん。 なんという情けなき男よ! 278 00:21:26,773 --> 00:21:33,580 津田様。 旗本諸家の監察は お目付けの お役目にございます。 279 00:21:33,580 --> 00:21:38,385 しかしながら 難儀を蒙ったのは 町人にございます。 280 00:21:38,385 --> 00:21:43,123 町奉行 牧野が こちらに伺えば 公になりかねませぬ。 281 00:21:43,123 --> 00:21:47,460 代役の私どもが 参上したわけにございます。 282 00:21:47,460 --> 00:21:52,365 うむ… 分かった。 283 00:21:52,365 --> 00:21:56,803 公になれば その身は切腹。 284 00:21:56,803 --> 00:22:01,441 弓場家ばかりか 御当家にも 累が及びましょう。 285 00:22:01,441 --> 00:22:03,810 何ぞ 手がござるか? 286 00:22:03,810 --> 00:22:10,183 弓場家の御嫡男 春之丞様は 御聡明な若様と聞き及びました。 287 00:22:10,183 --> 00:22:14,087 いかにも。 13歳の春之丞様は 温厚にして明晰なお子であられる。 288 00:22:14,087 --> 00:22:20,226 もはや 雪岳様に 御隠居を願い 春之丞様に 家督を譲る。 289 00:22:20,226 --> 00:22:24,497 さらには 時節を見て 春之丞様に出仕を願う。 290 00:22:24,497 --> 00:22:28,368 これは 上様の御信頼の厚い 津田様なれば➡ 291 00:22:28,368 --> 00:22:31,371 無理なきことではございますまい。 292 00:22:31,371 --> 00:22:34,174 なるほど… 殿! 293 00:22:34,174 --> 00:22:36,174 津田様。 294 00:22:39,779 --> 00:22:42,479 やむをえまい。 295 00:22:51,391 --> 00:22:54,127 早速 今から 弓場様のお屋敷へ伺い➡ 296 00:22:54,127 --> 00:22:57,030 雪野を あさって 連れてまいると 申し上げましょう。 297 00:22:57,030 --> 00:23:01,468 弓場様は 急ぎ 金子の用意に 取りかかること間違いありません。 298 00:23:01,468 --> 00:23:04,370 あちこちの質屋に 今津屋が 珍奇な大判を集めておると➡ 299 00:23:04,370 --> 00:23:09,809 吹聴しておいたので 必ず 弓場の 使いは 今津屋へ来るであろう。 300 00:23:09,809 --> 00:23:12,712 某は 今津屋に待機します。 301 00:23:12,712 --> 00:23:14,681 皆さん いろいろと ありがとうございます。 302 00:23:14,681 --> 00:23:18,818 これは ほんのお礼です。 いやいやいや…。 いや…➡ 303 00:23:18,818 --> 00:23:21,154 そうか うん。 いえ…。 304 00:23:21,154 --> 00:23:23,490 いやいやいやいや いやいやいやいや…。 305 00:23:23,490 --> 00:23:26,226 おい! おそば お願い。 306 00:23:26,226 --> 00:23:31,097 ♬~ 307 00:23:31,097 --> 00:23:34,033 (床常)いかがでしょう。 (おこん)結構です。➡ 308 00:23:34,033 --> 00:23:38,438 ホントに 常さん 腕がいいわ。 いやいや。 309 00:23:38,438 --> 00:23:42,438 ありがとうございました。 いただきます。 310 00:23:44,777 --> 00:23:49,777 (お艶)あら まるで 大店の若夫婦のようね。 311 00:23:52,652 --> 00:23:55,788 うん お似合いです。 312 00:23:55,788 --> 00:23:57,724 うれしい…。 313 00:23:57,724 --> 00:24:01,461 じゃ ちょっと 大川端へ出かけてきますよ。 314 00:24:01,461 --> 00:24:03,761 (おこん)行ってらっしゃいまし! 315 00:24:10,136 --> 00:24:14,474 一度でいいから おきねさんと 一緒に 大川端を歩きたいな。 316 00:24:14,474 --> 00:24:16,774 よしっと…。 317 00:24:18,811 --> 00:24:20,747 王手飛車取り! 318 00:24:20,747 --> 00:24:23,747 あっ ちょっと待った! 待ったなしです。 319 00:24:25,485 --> 00:24:29,155 よし この勝負に勝ったら おきねさんを誘おう。 320 00:24:29,155 --> 00:24:34,455 弁当は どうしよう? おきねさんの手作りなんて…。 321 00:24:38,765 --> 00:24:44,237 坂崎様! 来ました 弓場様の御用人。 322 00:24:44,237 --> 00:24:47,140 よし。 何かありましたら すぐに。 323 00:24:47,140 --> 00:24:49,375 (おこん)はい。 324 00:24:49,375 --> 00:24:52,779 内々のお話とは どのような? 325 00:24:52,779 --> 00:24:58,117 会津屋では 古き貨幣を 集めておるという話であるが➡ 326 00:24:58,117 --> 00:25:02,121 当家には 曰く付きの 大判が伝わっておってな。 327 00:25:02,121 --> 00:25:06,259 ちと 手もと不如意ゆえ 売りさばきたいのじゃが➡ 328 00:25:06,259 --> 00:25:10,463 願いを聞いてくれぬか。 曰く付きの大判と申されますと? 329 00:25:10,463 --> 00:25:15,802 恐れ多くも 明正帝の 箱書きのある慶長笹書大判でな。 330 00:25:15,802 --> 00:25:19,472 弓場家の 御先祖が 京に滞在しておった折➡ 331 00:25:19,472 --> 00:25:23,810 じかに賜ったものだ。 よって 品は確かじゃ。 332 00:25:23,810 --> 00:25:26,713 おいくらで お譲りなさりたいので? 333 00:25:26,713 --> 00:25:30,683 殿は 千両と仰せじゃ。 千両とは また…。 334 00:25:30,683 --> 00:25:34,087 ともかく 実物を見せて いただくことになりましょう。 335 00:25:34,087 --> 00:25:37,423 そうか。 なれば 某と同道して 今から 屋敷に参れ。 336 00:25:37,423 --> 00:25:42,295 御用人様 あいにく 本日は 主が留守をしておりましてな。 337 00:25:42,295 --> 00:25:46,833 そのような大金は とても 手前の一存だけでは。 338 00:25:46,833 --> 00:25:50,703 何? 今日は無理か。 急いでおるのじゃ。 339 00:25:50,703 --> 00:25:56,843 では 今晩にでも 主に伺いを 立てまして よろしければ 明日➡ 340 00:25:56,843 --> 00:26:00,380 この番頭を お屋敷の方に出向かわせますが。 341 00:26:00,380 --> 00:26:03,383 金子を 持参してのことであろうな? 342 00:26:03,383 --> 00:26:07,520 品物を見て おもしろければ お引き受けいたしましょう。 343 00:26:07,520 --> 00:26:09,789 この者 若うはございますが➡ 344 00:26:09,789 --> 00:26:12,789 なかなかの 目利きでございましてな。 345 00:26:16,462 --> 00:26:20,462 両替商 今津屋から参りました。 (門番)聞いておる。 奥へ通れ。 346 00:26:26,139 --> 00:26:29,776 おおっ 待っておったぞ。 ささ 上がれ 上がってくれ。 347 00:26:29,776 --> 00:26:32,378 へい。 いや さぞかし 重かろう。 348 00:26:32,378 --> 00:26:34,378 いえ…。 349 00:26:36,282 --> 00:26:39,052 そちらは 供か? はあ! 350 00:26:39,052 --> 00:26:41,354 ならば 控えの間にて待たれよ。 351 00:26:41,354 --> 00:26:44,757 御用人様 今津屋の ならわしにございます。 352 00:26:44,757 --> 00:26:49,095 大金の絡む商いは 二人一緒が決まりでございます。 353 00:26:49,095 --> 00:26:52,095 何? では この者も 奥へと? へい。 354 00:26:56,969 --> 00:27:01,969 かまわぬ 参れ。 へい。 355 00:27:04,110 --> 00:27:08,810 (荒木)や~っ! や~っ! 356 00:27:13,786 --> 00:27:19,486 あのお方はな まだ お若いが 居合いの達人なのじゃ。 357 00:27:21,294 --> 00:27:23,494 はっ! は~っ! 358 00:27:25,131 --> 00:27:29,001 (宇野)殿 今津屋の番頭が 参りました。 359 00:27:29,001 --> 00:27:33,740 (弓場)さようか。 金子を置いて 早々に立ち去れ。 360 00:27:33,740 --> 00:27:35,740 商いにございます。 361 00:27:37,410 --> 00:27:42,081 恐れ入りますが お品を拝見させて いただきとうございます。 362 00:27:42,081 --> 00:27:46,081 何!? 弓場家が売りに出す品を あらためると申すか? 363 00:27:49,422 --> 00:27:53,422 宇野! 大判を見せよ。 はっ。 364 00:28:07,774 --> 00:28:10,474 拝見いたします。 365 00:28:13,112 --> 00:28:16,983 さすが 御立派な 箱書きにございますな。 366 00:28:16,983 --> 00:28:19,986 当たり前だ! 旗本八万騎といえども➡ 367 00:28:19,986 --> 00:28:25,124 当家のように かしこくも 権現様 御拝領のお刀と➡ 368 00:28:25,124 --> 00:28:29,996 恐れ多くも 朝廷より賜りし大判を 所蔵する家はないわ。 369 00:28:29,996 --> 00:28:32,932 その家宝の一つを 譲ろうと申すのだ。 370 00:28:32,932 --> 00:28:34,934 千両でも安いわ。 371 00:28:34,934 --> 00:28:38,234 ではございましょうが 商いは商い。 372 00:28:44,410 --> 00:28:46,345 ほ~う。 373 00:28:46,345 --> 00:28:50,082 (弓場)どうだ 千両は納得したであろう。 374 00:28:50,082 --> 00:28:53,753 やはり 千両は ちと お高いかと。 375 00:28:53,753 --> 00:28:59,425 おのれ 番頭! かしこくも 朝廷より賜ったる大判を➡ 376 00:28:59,425 --> 00:29:02,762 値切るつもりか!? 弓場家を愚ろうしおって! 377 00:29:02,762 --> 00:29:07,433 家康様 御拝領の 和泉守兼定の錆にしてくれるわ! 378 00:29:07,433 --> 00:29:10,336 そこに直れ! 殿様 申し訳ございません。 379 00:29:10,336 --> 00:29:13,306 千両にて お引き取りいたします。 380 00:29:13,306 --> 00:29:18,444 宇野 商いは成った。 最後にな 大判を➡ 381 00:29:18,444 --> 00:29:22,315 先祖のお位牌に お捧げて 手放す罪を わびてくれ。 382 00:29:22,315 --> 00:29:24,615 承知いたしました。 383 00:29:31,724 --> 00:29:33,659 (弓場)や~っ! 384 00:29:33,659 --> 00:29:38,598 や~っ! や~っ! た~っ! 385 00:29:38,598 --> 00:29:41,598 や~っ! や~っ! 386 00:29:44,070 --> 00:29:49,742 殿 御先祖様に しっかりと おわびを申し上げてまいりました。 387 00:29:49,742 --> 00:29:53,079 うん。 待たせたな。 388 00:29:53,079 --> 00:29:55,414 金子をいただこうか。 389 00:29:55,414 --> 00:30:00,414 その前に いま一度 お品を拝見させていただきます。 390 00:30:03,089 --> 00:30:05,758 おのれ 重ね重ね 弓場家を愚ろうしおって! 391 00:30:05,758 --> 00:30:09,428 いいえ! 千両もの商いにございますれば➡ 392 00:30:09,428 --> 00:30:11,428 念には念を入れませぬと。 393 00:30:14,100 --> 00:30:18,437 先ほどの物とは違いますな。 弓場雪岳様➡ 394 00:30:18,437 --> 00:30:23,309 2千3百石もの お旗本が なさることでは ありませぬな。 395 00:30:23,309 --> 00:30:27,446 おのれ! この大判には ほれ➡ 396 00:30:27,446 --> 00:30:32,418 ちょうど この千両箱が お似合いでございますよ。 397 00:30:32,418 --> 00:30:35,555 なんと! お前らは何者だ!? 398 00:30:35,555 --> 00:30:40,426 南町奉行所与力 笹塚孫一にござる。 399 00:30:40,426 --> 00:30:45,565 不浄役人が! 三河以来の弓場家に 何用あって入り込んだ!? 400 00:30:45,565 --> 00:30:50,436 知れたことだ! ふらちにも 朝廷と権現様の お名をかたって➡ 401 00:30:50,436 --> 00:30:54,807 偽の大判で 一稼ぎしようなんて 旗本が聞いてあきれるぜ。 402 00:30:54,807 --> 00:30:57,710 お前たちの悪事は すでに明白。➡ 403 00:30:57,710 --> 00:31:02,410 最後ぐらい 旗本2千3百石の 大身らしくしねぇな! 404 00:31:06,152 --> 00:31:10,423 かまわぬ 2人とも たたっ斬ってしまえ! 405 00:31:10,423 --> 00:31:13,423 (荒木)某が お相手いたそう。 406 00:31:15,361 --> 00:31:17,496 御貴殿は? 407 00:31:17,496 --> 00:31:20,433 不伝流 荒木応助。 408 00:31:20,433 --> 00:31:26,839 直心影流 佐々木玲圓門下 坂崎磐音にござる。 409 00:31:26,839 --> 00:31:36,449 ♬~ 410 00:31:36,449 --> 00:31:38,784 (荒木)うわ~っ! 411 00:31:38,784 --> 00:31:42,455 お手前方! これ以上の戦いは無駄であろう。 412 00:31:42,455 --> 00:31:44,390 即刻 当家を去られよ! 413 00:31:44,390 --> 00:31:51,690 (荒木)あああ…。 414 00:31:53,466 --> 00:31:55,401 おのれ! 415 00:31:55,401 --> 00:31:59,805 殿 どうか おやめください! お願いにございます! 416 00:31:59,805 --> 00:32:03,476 (津田)見苦しいぞ 雪岳! 417 00:32:03,476 --> 00:32:06,379 これは 舅殿。 418 00:32:06,379 --> 00:32:11,150 恥を知れ。 そちたちの所業 すでに明白。 419 00:32:11,150 --> 00:32:14,186 そこに直れ! 成敗してくれる。 420 00:32:14,186 --> 00:32:16,822 (宇野)津田様 お待ちください! どうか… どうか! 421 00:32:16,822 --> 00:32:18,758 放せ! 放せ~! 422 00:32:18,758 --> 00:32:24,497 (宇野)どうか お願いいたしまする 舅殿! どうぞ… どうぞ! 423 00:32:24,497 --> 00:32:29,835 ♬~ 424 00:32:29,835 --> 00:32:34,135 雪岳 目を覚ませ! 425 00:32:35,641 --> 00:32:37,641 雪岳…。 426 00:32:41,447 --> 00:32:44,350 そちの不始末は 我が不始末。 427 00:32:44,350 --> 00:32:48,320 腹 かっ切って 権現様に おわび申し上げる! 428 00:32:48,320 --> 00:32:52,091 (弓場)父上! おやめ下さい! 429 00:32:52,091 --> 00:32:56,462 弓場雪岳は隠居し 嫡男に家督を譲って➡ 430 00:32:56,462 --> 00:32:58,798 一件落着をみた。 431 00:32:58,798 --> 00:33:03,798 弓場 津田両家ともに 重い代償を払ったのである。 432 00:33:10,142 --> 00:33:16,842 (野衣)関前藩中間頭 斉藤六助の娘 野衣にございます。 433 00:33:19,151 --> 00:33:22,054 上野様より 文を預かってまいりました。 434 00:33:22,054 --> 00:33:24,354 そうですか。 435 00:33:26,826 --> 00:33:33,826 上野様は 宍戸派の監視が厳しく 上屋敷を抜け出せずにおります。 436 00:33:39,405 --> 00:33:42,108 (伊織)「明晩 宍戸有朝様の➡ 437 00:33:42,108 --> 00:33:46,445 江戸次席家老就任祝が 鉄砲洲の茶屋で催される。➡ 438 00:33:46,445 --> 00:33:51,784 江戸の宍戸派は 皆 上屋敷を 出よう。 千載一遇の好機だ。➡ 439 00:33:51,784 --> 00:33:56,122 お文庫を調べ 不正な借財の証拠を探す。➡ 440 00:33:56,122 --> 00:34:01,122 貴殿も 鉄砲洲の茶屋を見張り 宍戸派の面々を調べてほしい」。 441 00:34:02,995 --> 00:34:06,766 伊織に「承知した」と伝えて下さい。 442 00:34:06,766 --> 00:34:09,135 かしこまりました。 443 00:34:09,135 --> 00:34:12,705 野衣殿。 はい。 444 00:34:12,705 --> 00:34:16,675 伊織に「くれぐれも気を付けろ」と。 445 00:34:16,675 --> 00:34:18,675 はい。 446 00:34:21,413 --> 00:34:24,413 (おこん)御苦労さまでした。 447 00:34:26,819 --> 00:34:31,119 さっきの あのお方 上野様の いい人なのかしら。 448 00:34:32,625 --> 00:34:34,627 さあ…。 449 00:34:34,627 --> 00:34:38,430 うん きっと あの人 上野様の許婚よ。 450 00:34:38,430 --> 00:34:43,769 ♬~ 451 00:34:43,769 --> 00:34:46,769 何を考えてるの? 452 00:34:49,642 --> 00:34:52,778 奈緒様のこと? 453 00:34:52,778 --> 00:34:55,778 そんなことは ござらん。 454 00:34:58,651 --> 00:35:00,651 うそつき。 455 00:35:15,034 --> 00:35:20,005 そして 明くる日の夜 鉄砲洲の茶屋で 宍戸有朝の➡ 456 00:35:20,005 --> 00:35:25,144 江戸次席家老着任を祝う宴が 催されることになった。 457 00:35:25,144 --> 00:35:30,482 この時 上野伊織は 関前藩 江戸屋敷の お文庫に忍び入り➡ 458 00:35:30,482 --> 00:35:34,353 不正な借財の証拠を つかもうとしていた。 459 00:35:34,353 --> 00:35:39,291 磐音も また 宍戸派の人間を 確認するために張り込んでいた。 460 00:35:39,291 --> 00:35:41,291 中居様まで…。 461 00:35:47,766 --> 00:35:52,104 江戸宍戸派の踏み絵である この宴に出席した藩士は➡ 462 00:35:52,104 --> 00:35:57,443 総勢23名を数えた。 そして 磐音は気付いた。 463 00:35:57,443 --> 00:36:02,314 入来為八郎の姿がない。 黒河内乾山の姿もない。 464 00:36:02,314 --> 00:36:05,317 伊織が危ない と。 465 00:36:05,317 --> 00:36:10,617 ♬~ 466 00:36:31,176 --> 00:36:36,176 上野伊織 何を探しておるのだ。 467 00:36:44,089 --> 00:36:46,025 何があった! 468 00:36:46,025 --> 00:36:50,025 (竹蔵)侍が斬られて 川に投げ込まれたようだな。 469 00:36:59,638 --> 00:37:02,775 (竹蔵) こりゃ 辻斬りじゃねえな。➡ 470 00:37:02,775 --> 00:37:06,645 一突きで やられてる。 よっぽど 腕のたつ奴だな。 471 00:37:06,645 --> 00:37:09,648 (松吉)身元が分かるものは 何もありません。 472 00:37:09,648 --> 00:37:12,785 某の知り合いにござる。 473 00:37:12,785 --> 00:37:14,785 何だって!? 474 00:37:16,655 --> 00:37:19,124 すまぬ。 475 00:37:19,124 --> 00:37:23,124 坂崎様のせいでは ございませぬ。 476 00:37:24,997 --> 00:37:29,997 野衣殿 そなたと伊織は…。 477 00:37:33,072 --> 00:37:37,943 行く末を誓い合うた 仲にございます。 478 00:37:37,943 --> 00:37:43,415 ♬~ 479 00:37:43,415 --> 00:37:47,619 これも 運命でございます。 480 00:37:47,619 --> 00:38:35,734 ♬~ 481 00:38:35,734 --> 00:38:40,205 来たな… 坂崎磐音。 482 00:38:40,205 --> 00:38:47,746 入来為八郎 黒河内乾山…。 483 00:38:47,746 --> 00:38:54,086 上野伊織を 亡き者にしたは お主たちであろう。 484 00:38:54,086 --> 00:38:56,086 いかにも。 485 00:38:57,756 --> 00:39:00,726 許せぬ。 486 00:39:00,726 --> 00:39:06,098 何事も お家のため。 487 00:39:06,098 --> 00:39:17,398 ならば 我もまた お家のため 御両者の命 もらい受ける。 488 00:39:19,645 --> 00:39:22,114 坂崎磐音! 489 00:39:22,114 --> 00:39:26,114 お主にも 死んでもらわねばならん。 490 00:39:27,986 --> 00:39:30,286 お家のためじゃ。 491 00:39:32,391 --> 00:39:35,091 手を出してはならぬ。 492 00:39:55,614 --> 00:40:55,614 ♬~ 493 00:41:00,812 --> 00:41:03,512 磐音…。 494 00:41:06,485 --> 00:41:13,485 関前藩を 頼むぞ。 495 00:41:16,828 --> 00:41:25,837 ♬~ 496 00:41:25,837 --> 00:41:30,509 [ 回想 ] (伊織)磐音! 何もかも これからだ。➡ 497 00:41:30,509 --> 00:41:32,778 頼むぞ。 498 00:41:32,778 --> 00:41:37,778 ♬~ 499 00:41:58,804 --> 00:42:06,144 ♬「もう一度 その手で」 500 00:42:06,144 --> 00:42:15,153 ♬「私を抱きしめてくれますか」 501 00:42:15,153 --> 00:42:22,828 ♬「めぐり逢えたなら」 502 00:42:22,828 --> 00:42:30,502 ♬「燃え尽きる星が」 503 00:42:30,502 --> 00:42:38,110 ♬「欠けてゆく月が」 504 00:42:38,110 --> 00:42:43,982 ♬「願い宿しながら」 505 00:42:43,982 --> 00:42:53,458 ♬「それでも輝いていた」 506 00:42:53,458 --> 00:43:00,332 ♬「愛をとめないで」 507 00:43:00,332 --> 00:43:09,007 ♬「失っても 嘆かないで」 508 00:43:09,007 --> 00:43:15,714 ♬「離れてこそ そばにいる」 509 00:43:15,714 --> 00:43:25,714 ♬「Always Loving You」