1 00:00:33,507 --> 00:00:37,444 ♬~ 2 00:00:37,444 --> 00:00:41,248 坂崎磐音には 友を上意討ちにし➡ 3 00:00:41,248 --> 00:00:45,586 許嫁の奈緒と別れた過去があった。 しかし➡ 4 00:00:45,586 --> 00:00:50,257 その一連の出来事は 国家老の 陰謀であることが分かり➡ 5 00:00:50,257 --> 00:00:55,596 国許に戻った磐音は 国家老を 失脚させることに成功する。 6 00:00:55,596 --> 00:00:59,099 だが 困窮の果てに 奈緒が➡ 7 00:00:59,099 --> 00:01:02,002 他国へ身売りしていたことを 知った磐音は➡ 8 00:01:02,002 --> 00:01:07,608 江戸に戻ることなく 奈緒を 追い求める旅に出たのであった。 9 00:01:07,608 --> 00:01:16,608 ♬~ 10 00:01:18,619 --> 00:01:21,121 師走である。 11 00:01:21,121 --> 00:01:26,560 磐音が江戸をたってから すでに 半年が過ぎていた。 12 00:01:26,560 --> 00:01:30,497 (金兵衛)へい。 はい 御苦労さん。 また来年も よろしくな。 13 00:01:30,497 --> 00:01:33,433 (はつね)懐が寂しくなるよ。 年が越せるかね。 14 00:01:33,433 --> 00:01:36,570 何を言ってんだい。 体も丈夫。 15 00:01:36,570 --> 00:01:42,242 仕立て仕事で 銭を 稼いでるじゃないか。 はい 次~。 16 00:01:42,242 --> 00:01:44,911 (磯次)何だよ こんな時ばっかり 機嫌がいいんだからよ。 17 00:01:44,911 --> 00:01:49,249 (徳三)そうそう 店賃 取る時は うれしそうだぜ。 18 00:01:49,249 --> 00:01:53,120 それが 大家の仕事なの。 おめえたちもな➡ 19 00:01:53,120 --> 00:01:57,591 スッキリと 正月を迎えたかったらな 店賃ばかりじゃないよ。 20 00:01:57,591 --> 00:02:00,494 味噌 醤油 それからな 酒屋のつけなんかを➡ 21 00:02:00,494 --> 00:02:03,263 滞りなく払ってだな…。 (おいち)ほら おそめ!➡ 22 00:02:03,263 --> 00:02:05,599 ぼ~っとしてんじゃないよ。 23 00:02:05,599 --> 00:02:07,534 どうしたい? 24 00:02:07,534 --> 00:02:09,936 (おそめ)浪人さん 全然 帰ってこないから…。 25 00:02:09,936 --> 00:02:13,807 (幸吉)遅いよな いつになったら 帰ってくるんだか。 26 00:02:13,807 --> 00:02:17,277 しょせん お侍さんだよ お前…。 俺っちのことなんか➡ 27 00:02:17,277 --> 00:02:19,212 忘れちまってら。 そんなことねえよ! 28 00:02:19,212 --> 00:02:21,615 帰ってくるって約束したんだ。 29 00:02:21,615 --> 00:02:24,518 何だ この野郎。 幸吉! おい 磯! 30 00:02:24,518 --> 00:02:29,289 そうだよ あんな言い方ないだろ。 だって帰ってこねえじゃねえかよ。 31 00:02:29,289 --> 00:02:32,192 事情があんだろ? 何でえ 事情ってのは? 32 00:02:32,192 --> 00:02:34,895 事情ってのは 何だよ この野郎! 俺の事情じゃねえから➡ 33 00:02:34,895 --> 00:02:39,595 知らねえよ! この野郎! (おいち)ちょっと やめなよ! 34 00:03:10,597 --> 00:03:12,597 どいた どいた! 35 00:03:17,471 --> 00:03:21,942 (坂崎磐音)平気でござるか? (おこん)申し訳ござい…。 36 00:03:21,942 --> 00:03:25,612 ♬~ 37 00:03:25,612 --> 00:03:29,612 ただいま戻りました おこんさん。 38 00:03:32,419 --> 00:03:35,119 おこんさん? 39 00:03:37,224 --> 00:03:41,561 何で 急に…? どうして? 40 00:03:41,561 --> 00:03:44,464 申し訳ござらぬ。 41 00:03:44,464 --> 00:03:52,572 ♬~ 42 00:03:52,572 --> 00:03:55,475 お帰りなさいまし。 43 00:03:55,475 --> 00:04:05,475 ♬~ 44 00:04:07,587 --> 00:04:10,490 (悲鳴) 45 00:04:10,490 --> 00:04:13,460 (由蔵)おお… 何をなさいます! 46 00:04:13,460 --> 00:04:16,160 (品川)何をいたすか! 47 00:04:18,231 --> 00:04:20,167 邪魔だ! 48 00:04:20,167 --> 00:04:22,167 待て! 49 00:04:26,940 --> 00:04:29,609 坂崎様! 坂崎さん! 50 00:04:29,609 --> 00:04:34,214 御両人 ただいま戻りました。 この者たち どうしましょうか? 51 00:04:34,214 --> 00:04:36,914 (由蔵)宮松 お役人を! (宮松)へい。 52 00:04:46,560 --> 00:04:50,230 (吉右衛門)手紙を頂きましたから 許嫁を追われ➡ 53 00:04:50,230 --> 00:04:53,133 長崎・円山に向かわれたことは 分かっておりましたが…。 54 00:04:53,133 --> 00:04:57,103 それにしても 驚きましたな 身売りまでなさるとは。 55 00:04:57,103 --> 00:05:00,574 某も 思いも寄らぬことでござった。 56 00:05:00,574 --> 00:05:03,477 それからです。 そのあと どうなったんですか? 57 00:05:03,477 --> 00:05:09,249 円山に着いた時 すでに 奈緒は 豊前 小倉の遊女屋に 5百両で➡ 58 00:05:09,249 --> 00:05:11,585 引き取られておりました。 (品川)5百両! 59 00:05:11,585 --> 00:05:17,924 某は すぐに小倉に向かいましたが すでに遅く 奈緒は京の遊郭に。 60 00:05:17,924 --> 00:05:20,827 そんな…。 (由蔵)その値は? 61 00:05:20,827 --> 00:05:25,165 8百両とか。 (品川)8百…。 62 00:05:25,165 --> 00:05:28,101 それで 京の遊郭へ? はい。 63 00:05:28,101 --> 00:05:32,072 ですが そこでも会えずに いろいろな うわさに惑わされ➡ 64 00:05:32,072 --> 00:05:35,208 加賀 金沢まで 足を延ばしたのですが➡ 65 00:05:35,208 --> 00:05:39,880 どうやら 京から江戸へ 千両で 引き取られたらしいと➡ 66 00:05:39,880 --> 00:05:43,350 分かったのです。 千両とは また…! 67 00:05:43,350 --> 00:05:46,887 では 旅を続けてる間 一度も 奈緒様とは➡ 68 00:05:46,887 --> 00:05:49,222 会えずじまいだったんですか? 69 00:05:49,222 --> 00:05:52,559 それで 江戸に戻った次第です。 70 00:05:52,559 --> 00:05:55,595 (品川)しかし 途方もない 額になったもんですな。 71 00:05:55,595 --> 00:05:58,899 奈緒様という人は さぞかし 見目麗しい方なんでしょうが…。 72 00:05:58,899 --> 00:06:03,770 なんてこと言うの 品川さん。 奈緒様の身にもなってみたら? 73 00:06:03,770 --> 00:06:08,909 申し訳ありません。 そんな呑気な言い方 ないと思う。 74 00:06:08,909 --> 00:06:11,244 おかわいそうです。 そんなバカなこと➡ 75 00:06:11,244 --> 00:06:13,580 あっていいわけないです。 よいのです おこんさん。 76 00:06:13,580 --> 00:06:15,916 よくなんかない… よくなんかありません! 77 00:06:15,916 --> 00:06:18,585 (由蔵)おこんさん…。 78 00:06:18,585 --> 00:06:21,922 …失礼いたしました。 79 00:06:21,922 --> 00:06:31,731 ♬~ 80 00:06:31,731 --> 00:06:36,770 江戸となると 吉原ですな。 81 00:06:36,770 --> 00:06:39,673 吉原に お知り合いは おられませんか? 82 00:06:39,673 --> 00:06:42,876 (由蔵)いえ 私めは そのような艶めいた里とは➡ 83 00:06:42,876 --> 00:06:46,176 関わりがございません。 そりゃ そうでしょう。 84 00:06:47,747 --> 00:06:51,885 吉原ばかりは 私どもの世間とは 異なる場所。 85 00:06:51,885 --> 00:06:54,788 廓のしきたりで きっちりと 守られておりますから➡ 86 00:06:54,788 --> 00:06:57,390 そう やすやすとは 近づけぬでしょう。 87 00:06:57,390 --> 00:07:00,427 (由蔵)とどのつまりは 金の力ということですが➡ 88 00:07:00,427 --> 00:07:03,563 まず 奈緒様が どの廓にいらっしゃるか➡ 89 00:07:03,563 --> 00:07:05,498 それを知るのが先でしょう。 90 00:07:05,498 --> 00:07:09,436 はい。 某も まずは 奈緒が 元気でいるかどうか➡ 91 00:07:09,436 --> 00:07:12,736 確かめたいと思っております。 92 00:07:15,575 --> 00:07:21,247 (お艶)それにしても お2人の 運命は なんと切ないのでしょう。 93 00:07:21,247 --> 00:07:26,119 私 もう腹が立って 腹が立って…。 94 00:07:26,119 --> 00:07:28,922 何を怒っているのですか? 95 00:07:28,922 --> 00:07:32,792 だって 奈緒様が おかわいそうじゃありませんか。 96 00:07:32,792 --> 00:07:40,200 でも 奈緒様は 恐らくは覚悟の上。 運命というものがあるのなら➡ 97 00:07:40,200 --> 00:07:45,071 それにあらがわず 苦界で 生きていくことを望んだのです。 98 00:07:45,071 --> 00:07:48,541 ♬~ 99 00:07:48,541 --> 00:07:52,412 (お艶)美しい花が 枯れる運命を 持ってるように➡ 100 00:07:52,412 --> 00:07:58,218 人もまた その運命には 逆らえない時もあります。 101 00:07:58,218 --> 00:08:01,418 そうでしょうか。 102 00:08:04,090 --> 00:08:07,894 おこんには まだ 分からないかもしれませんね。 103 00:08:07,894 --> 00:08:10,797 これから 花が咲く身ですもの。 104 00:08:10,797 --> 00:08:14,097 大丈夫ですか? お内儀さん。 105 00:08:15,769 --> 00:08:18,905 すまない 代わろう。 はい。 106 00:08:18,905 --> 00:08:25,779 ♬~ 107 00:08:25,779 --> 00:08:28,915 もう 平気です。 うん。 108 00:08:28,915 --> 00:08:35,188 すみません 師走の大事な時期に 風邪など ひいてしまって。 109 00:08:35,188 --> 00:08:38,858 何を言う。 さあ ゆっくり休むといい。 110 00:08:38,858 --> 00:08:40,794 はい。 111 00:08:40,794 --> 00:09:15,562 ♬~ 112 00:09:15,562 --> 00:09:17,497 [ 回想 ] これは…? 113 00:09:17,497 --> 00:09:23,236 (女将)奈緒様が この里から出はる前に描かれて➡ 114 00:09:23,236 --> 00:09:28,108 この娘に 渡されたもんです。➡ 115 00:09:28,108 --> 00:09:36,783 たった一人 雪ん中に。 お心が しのばれますな…。 116 00:09:36,783 --> 00:10:12,886 ♬~ 117 00:10:12,886 --> 00:10:20,586 必ずや この江戸で奈緒を捜し出し 救ってみせる。 力を貸してくれ。 118 00:10:24,898 --> 00:10:30,570 こりゃ驚いた! 帰ってたのかい? だったら一声かけてくれりゃあ➡ 119 00:10:30,570 --> 00:10:32,505 よかったのによ~! 大家殿。 120 00:10:32,505 --> 00:10:35,441 長々 留守をいたし 申し訳ござらん。 121 00:10:35,441 --> 00:10:38,912 昨日 江戸に戻りました。 きのう…。 122 00:10:38,912 --> 00:10:42,248 ゆうべは 今津屋の方に。 おこんさんには世話になりました。 123 00:10:42,248 --> 00:10:47,587 そうかい そうかい。 おや 坂崎さんじゃないか! 124 00:10:47,587 --> 00:10:51,457 ちょっと! 浪人さん 帰ってたのかい! 125 00:10:51,457 --> 00:10:55,261 元気だったかい? 浪人さんだ! 126 00:10:55,261 --> 00:10:57,664 あっ 浪人さん 帰ってきたんだ! 127 00:10:57,664 --> 00:11:00,934 お懐かしゅうござる。 「ござる」? ござるときた。 128 00:11:00,934 --> 00:11:03,269 間違いねえ あんた 浪人さんだ! 129 00:11:03,269 --> 00:11:06,606 ≪(幸吉)浪人さん! 浪人さん! 130 00:11:06,606 --> 00:11:09,509 これは 師匠に おそめちゃん。 なんでえ! 131 00:11:09,509 --> 00:11:12,946 深川に戻ったら 一等最初に おいらんとこに挨拶するのが➡ 132 00:11:12,946 --> 00:11:15,849 筋じゃねえのかよ。 ただいま戻りました。 133 00:11:15,849 --> 00:11:18,117 お帰りなさいまし 浪人さん。 134 00:11:18,117 --> 00:11:20,153 はい。 135 00:11:20,153 --> 00:11:23,456 この野郎 生意気 言いやがって この野郎! 136 00:11:23,456 --> 00:11:29,629 ♬~ 137 00:11:29,629 --> 00:11:32,532 (鉄五郎)さすがは 坂崎さんだ。 腕は 鈍っちゃいねえな。 138 00:11:32,532 --> 00:11:35,268 (松吉)国許で 楽してきたんだから ちっとは精出してもらわないとね。 139 00:11:35,268 --> 00:11:37,570 なま言うな。 おめえの方こそ 精出してやりやがれ。 140 00:11:37,570 --> 00:11:40,473 (幸吉)そうそう。 何が「そうそう」だ 幸吉。 141 00:11:40,473 --> 00:11:43,243 松! いってえ…。 142 00:11:43,243 --> 00:11:49,048 江戸に帰ってきた喜びに 磐音は 浸っていた。 143 00:11:49,048 --> 00:11:52,252 そして ここにも仲間が…。 144 00:11:52,252 --> 00:11:56,923 (笹塚)よう 用心棒殿。 お主の帰りを 待っておったぞ。 145 00:11:56,923 --> 00:11:58,858 はっ? 146 00:11:58,858 --> 00:12:02,528 竹蔵に聞いたが はやばやと 手柄を あげたそうだな。 147 00:12:02,528 --> 00:12:06,266 あれは 出会い頭に 押し込み殿と ぶつかっただけでござる。 148 00:12:06,266 --> 00:12:09,168 「押し込み殿」ときたか。 ハッハッハ!➡ 149 00:12:09,168 --> 00:12:15,275 もっとも あいつらは 血に飢えた 無頼を真似た 雑魚どもだ。 150 00:12:15,275 --> 00:12:17,610 …と 申されますと? 151 00:12:17,610 --> 00:12:25,952 およそ ふたつき前から 京橋 浅草 本所の両替商が➡ 152 00:12:25,952 --> 00:12:32,492 夕暮れ時に 疾風のように現れた 押し込みに 相次いで襲われた。➡ 153 00:12:32,492 --> 00:12:39,265 番頭1人と手代2人が 斬り殺され 奪われた金も 4百両近くになる。 154 00:12:39,265 --> 00:12:41,234 なんと…。 155 00:12:41,234 --> 00:12:44,904 (竹蔵)師走にきて それを 真似した雑魚が 現れるもんで➡ 156 00:12:44,904 --> 00:12:48,241 あちこちの両替商が 用心棒を雇ってるって寸法だ。 157 00:12:48,241 --> 00:12:51,244 なるほど。 (笹塚)雑魚はほうっておけばいい。 158 00:12:51,244 --> 00:12:55,381 無頼の押し込みを 捕まえさえすりゃ いなくなる。 159 00:12:55,381 --> 00:12:58,381 どのような男なのですか。 160 00:13:00,586 --> 00:13:06,059 年は30歳… いや もう少し 上だと言う者もおる。➡ 161 00:13:06,059 --> 00:13:13,933 背丈は 5尺5~6寸 細面で細身。 居合を遣うらしい。➡ 162 00:13:13,933 --> 00:13:19,238 何しろ あっという間の早業だそうな。 163 00:13:19,238 --> 00:13:23,142 他に 何かあったか? (木下)はっ 風に乗って➡ 164 00:13:23,142 --> 00:13:26,612 妙に いい匂いがしたと言う者も おりましたが。 165 00:13:26,612 --> 00:13:29,349 匂い… ですか? 166 00:13:29,349 --> 00:13:33,219 なんとしても この若造を捕らえたい。 167 00:13:33,219 --> 00:13:37,557 で お主の出番というわけだ。 168 00:13:37,557 --> 00:13:40,460 某は 町奉行所の 同心ではございませぬぞ。 169 00:13:40,460 --> 00:13:42,895 そうです。 なにも 坂崎さんに頼まなくても。 170 00:13:42,895 --> 00:13:45,365 黙ってろ! 171 00:13:45,365 --> 00:13:50,865 今津屋に聞いておる 奈緒殿の一件。 172 00:13:52,572 --> 00:13:58,745 どうなるか分からぬが この笹塚が 話に乗ろうと言ったらどうする? 173 00:13:58,745 --> 00:14:00,680 と おっしゃると? 174 00:14:00,680 --> 00:14:05,151 吉原は 町奉行の 支配下にある。 知っておるか? 175 00:14:05,151 --> 00:14:08,554 いえ。 お上が お許しを与えて以来➡ 176 00:14:08,554 --> 00:14:12,425 大門の面番所には 我ら町方の者が詰めておる。 177 00:14:12,425 --> 00:14:18,564 吉原の裏のことは 会所の 四郎兵衛が 代々見ておってな。 178 00:14:18,564 --> 00:14:26,072 儂のなじみでもある。 ここに お主のことを認めておいた。➡ 179 00:14:26,072 --> 00:14:30,572 どうだ? 悪くない話だろ。 180 00:14:32,545 --> 00:14:35,448 確かに…。 181 00:14:35,448 --> 00:14:37,748 決まった。 182 00:14:39,886 --> 00:14:43,756 その足で 磐音は 吉原に向かった。 183 00:14:43,756 --> 00:14:52,265 ♬~(三味線) 184 00:14:52,265 --> 00:15:01,007 今のところ この吉原では 聞き及びませぬな…。 どうだ? 185 00:15:01,007 --> 00:15:04,277 あっしも 耳にしちゃおりません。 186 00:15:04,277 --> 00:15:06,212 そうですか。 187 00:15:06,212 --> 00:15:10,516 坂崎様とおっしゃいましたな。 188 00:15:10,516 --> 00:15:12,452 はい。 189 00:15:12,452 --> 00:15:17,390 この会所は 吉原2万坪 遊女 3, 000人の出入りから➡ 190 00:15:17,390 --> 00:15:21,527 暮らしぶりまで およその見当はつきます。 191 00:15:21,527 --> 00:15:27,400 ですが 見世によっては 一押しの遊女を売り出す時➡ 192 00:15:27,400 --> 00:15:30,937 趣向を凝らした仕掛けを考え➡ 193 00:15:30,937 --> 00:15:35,208 その日まで 外に漏らさぬことがございます。 194 00:15:35,208 --> 00:15:42,081 少しばかり 時を頂けるなら なんとかなりましょう。 195 00:15:42,081 --> 00:15:48,221 かたじけない。 さあさあ… 頭をお上げ下さい。 196 00:15:48,221 --> 00:15:54,894 ただし 一つだけ お聞きしたい ことがございますが➡ 197 00:15:54,894 --> 00:15:59,565 よろしいかな? なんなりと。 198 00:15:59,565 --> 00:16:06,906 坂崎様は この吉原に 奈緒様が 身売りなされてるとしたら➡ 199 00:16:06,906 --> 00:16:10,776 どうなさる おつもりですか。 200 00:16:10,776 --> 00:16:20,253 某 なんとしても金子を作り 奈緒を救いたいと思うております。 201 00:16:20,253 --> 00:16:23,253 千両の金子を? 202 00:16:30,897 --> 00:16:32,897 はい。 203 00:16:35,201 --> 00:16:41,541 坂崎様 この仁吉に調べさせましょう。 204 00:16:41,541 --> 00:16:44,243 いいね。 205 00:16:44,243 --> 00:16:46,179 はい。 206 00:16:46,179 --> 00:16:51,117 よろしく… お頼み申す。 207 00:16:51,117 --> 00:16:56,556 ♬~ 208 00:16:56,556 --> 00:16:58,491 (品川)どうでしたか? 吉原は。 209 00:16:58,491 --> 00:17:01,727 昼見世時だから 冷やかし連中が多かったでしょ。 210 00:17:01,727 --> 00:17:03,763 詳しいんだ 吉原。 211 00:17:03,763 --> 00:17:06,566 そんなことありませんよ。 たしなみ程度です。 212 00:17:06,566 --> 00:17:08,501 どうだか…。 213 00:17:08,501 --> 00:17:11,437 それはともかく 坂崎さんの気持ち➡ 214 00:17:11,437 --> 00:17:14,907 きっと 奈緒様に通じる時が 来ますよ。 ここは辛抱して➡ 215 00:17:14,907 --> 00:17:17,810 時を待つしかないです。 分かっています。 216 00:17:17,810 --> 00:17:21,781 そうね。 たとえ 運命ってのがあったとしても➡ 217 00:17:21,781 --> 00:17:25,251 自分で変えることができるって 私は思う。 218 00:17:25,251 --> 00:17:28,154 元締めさんのお供があるんでしょ。 ちょっと早いけど➡ 219 00:17:28,154 --> 00:17:31,857 どうぞ 召し上がれ。 馳走になります。 220 00:17:31,857 --> 00:17:52,545 ♬~ 221 00:17:52,545 --> 00:17:58,217 磐音は 由蔵のお供で 金座の立ち会い所に向かった。 222 00:17:58,217 --> 00:18:01,120 吉原には いらっしゃいましたかな? 223 00:18:01,120 --> 00:18:05,558 はい。 会所の四郎兵衛殿が 奈緒のことを調べて下さると。 224 00:18:05,558 --> 00:18:09,228 うん。 あれは もしや…? 225 00:18:09,228 --> 00:18:13,099 いや 旦那様の 思いつきでございますよ。 226 00:18:13,099 --> 00:18:18,237 南町の与力様も「渡りに船」と 乗って下さいました。 227 00:18:18,237 --> 00:18:22,575 なんと。 某のために…。 痛み入ります。 228 00:18:22,575 --> 00:18:24,575 いや ハッハッハ…。 229 00:18:31,250 --> 00:18:33,519 どうなさいました? 230 00:18:33,519 --> 00:18:38,391 いえ。 何やら騒がしいようです。 231 00:18:38,391 --> 00:18:41,091 ごめん! ごめん! 232 00:18:43,529 --> 00:18:45,865 川崎屋さん これは一体! 233 00:18:45,865 --> 00:18:49,535 ああ 今津屋の元締め。 やられました。 234 00:18:49,535 --> 00:18:54,407 押し込みです。 たった今 あっという間に! 235 00:18:54,407 --> 00:19:14,694 ♬~ 236 00:19:14,694 --> 00:19:25,294 (見回り)火の用心! さっしゃりましょう! 237 00:19:28,240 --> 00:19:31,240 (秋葉)いつも いい匂い。 238 00:19:34,046 --> 00:19:36,048 香油? 239 00:19:36,048 --> 00:19:40,186 (源八) 田舎者の臭いを消すためだ。 240 00:19:40,186 --> 00:19:43,486 フフッ おかしい…。 241 00:19:46,859 --> 00:19:52,665 秋葉 俺が「身請けする」と言ったら どうする? 242 00:19:52,665 --> 00:19:55,301 え? 243 00:19:55,301 --> 00:20:00,901 お前がいれば 俺は変われそうな気がする。 244 00:20:03,876 --> 00:20:05,876 変わる? 245 00:20:10,750 --> 00:20:15,888 俺は ある男に裏切られ そいつを斬り捨てた。 246 00:20:15,888 --> 00:20:21,560 おかげで 敵と狙われ あちこち逃げ回り➡ 247 00:20:21,560 --> 00:20:28,234 とうとう その男の子どもと妻を 返り討ちにしてしまった。 248 00:20:28,234 --> 00:20:32,534 そして 俺は もう 誰も信じぬと誓った。 249 00:20:34,907 --> 00:20:40,607 だが… お前に会えた。 250 00:20:43,082 --> 00:20:47,253 ここに ポッカリとあいた穴が埋まった。 251 00:20:47,253 --> 00:20:49,188 フフフ…。 252 00:20:49,188 --> 00:21:10,142 ♬~ 253 00:21:10,142 --> 00:21:12,077 (竹蔵)見た!? いえ…➡ 254 00:21:12,077 --> 00:21:17,616 あの男かどうかは分かりませんが ただ 年格好 風体が似ております。 255 00:21:17,616 --> 00:21:20,519 何より…。 何だ? 256 00:21:20,519 --> 00:21:25,357 体からも 異様な殺気がみなぎり 血の臭いがしました。 257 00:21:25,357 --> 00:21:27,359 血の臭い!? 258 00:21:27,359 --> 00:21:32,131 妙な いい匂いってのは あれは 何だったんでしょうね? 259 00:21:32,131 --> 00:21:34,099 う~ん…。 260 00:21:34,099 --> 00:21:36,902 昨日の川崎屋の 押し込みを合わせると➡ 261 00:21:36,902 --> 00:21:41,240 これで 都合4件 6百両を超える。 262 00:21:41,240 --> 00:21:44,143 その金を どこで使っておるかだな…。 263 00:21:44,143 --> 00:21:49,114 下谷広小路から車坂の方へ 向かってったとなると…。 264 00:21:49,114 --> 00:21:54,887 竹蔵… 吉原に行ってこい。 へい。 お主も つきあってやれ。 265 00:21:54,887 --> 00:21:57,022 はい。 266 00:21:57,022 --> 00:22:01,894 その者は昨日 確かに京町2丁目の 香実楼に上がっておりました。 267 00:22:01,894 --> 00:22:05,264 (四郎兵衛)もはや 大門の外に 出たということか。 268 00:22:05,264 --> 00:22:08,934 へい。 いつも 明け方早くに出るそうです。 269 00:22:08,934 --> 00:22:11,270 初会じゃねえってことだな。 270 00:22:11,270 --> 00:22:15,270 5日と空けずに 香実楼の 秋葉のもとに通っているそうです。 271 00:22:19,612 --> 00:22:22,515 秋葉花魁に 会わせておくんなせい。 272 00:22:22,515 --> 00:22:24,515 仁吉! へい。 273 00:22:27,286 --> 00:22:33,586 ところで 奈緒様のことですが…。 274 00:22:36,896 --> 00:22:41,767 地蔵の親分は 奈緒のことを 承知しております。 何か? 275 00:22:41,767 --> 00:22:46,906 行方が分かりました。 (竹蔵)本当ですかい? 旦那。 276 00:22:46,906 --> 00:22:52,778 彦屋という この吉原でも 1 2を争う大籬がございます。 277 00:22:52,778 --> 00:22:56,916 この見世の寮が 根岸の里にございますが➡ 278 00:22:56,916 --> 00:23:01,253 奈緒様は そこにいらっしゃいます。➡ 279 00:23:01,253 --> 00:23:09,595 聞き及ぶところでは 彦屋が 支払った金子は 千二百両とか。 280 00:23:09,595 --> 00:23:12,264 (竹蔵)千二百! 281 00:23:12,264 --> 00:23:15,601 あなたのお役に 立ちたいのですが➡ 282 00:23:15,601 --> 00:23:20,901 年寄りの役目は ここまでが 精一杯。 283 00:23:22,942 --> 00:23:25,611 かたじけない。 284 00:23:25,611 --> 00:23:30,482 ♬~ 285 00:23:30,482 --> 00:23:36,555 (秋葉)昨日の? 田野倉源八様の ことでございますか? 286 00:23:36,555 --> 00:23:39,892 (竹蔵)ほう~ 田野倉源八っていうのかい。➡ 287 00:23:39,892 --> 00:23:42,561 どこの男か 知らねえか? 288 00:23:42,561 --> 00:23:47,433 さあ 聞いた覚えは なかったような…。 289 00:23:47,433 --> 00:23:53,572 じゃあ どんな男だ? どんなと言われましても…。 290 00:23:53,572 --> 00:23:58,444 何か いい匂いが しなかったか? 291 00:23:58,444 --> 00:24:05,584 はい。 ここにおいでになる時は いつも 香油をつけてから来ると。 292 00:24:05,584 --> 00:24:07,920 田舎者の臭いを消すためだと➡ 293 00:24:07,920 --> 00:24:10,589 おかしなことを 言っておいででした。 294 00:24:10,589 --> 00:24:16,462 香油か…。 で その田野倉が➡ 295 00:24:16,462 --> 00:24:20,099 最初に あんたの所に来たのは いつのことだ? 296 00:24:20,099 --> 00:24:24,970 神無月の紋日の前日だったかと。 297 00:24:24,970 --> 00:24:32,470 10月の紋日は 20日の恵比寿講。 となると 19日か…。 298 00:24:37,516 --> 00:24:42,021 京橋の両替商が襲われた 当日のことだ。 299 00:24:42,021 --> 00:24:48,560 それから 何度 通ってきた? 昨日で 10日目だったと。 300 00:24:48,560 --> 00:24:54,433 ひとつき半に 10回。 素浪人が よく続くな。 301 00:24:54,433 --> 00:25:01,573 親分。 この里では どんな金でも 黄金色なら 通用いたします。 302 00:25:01,573 --> 00:25:04,243 そやつが 人を斬り殺し➡ 303 00:25:04,243 --> 00:25:08,580 血にぬれた手で 奪ってきた金でもですか。 304 00:25:08,580 --> 00:25:11,483 恐らく 香油をつけて あんたに会いに来るのは➡ 305 00:25:11,483 --> 00:25:14,483 血の臭いを消すためだろうよ。 306 00:25:16,455 --> 00:25:23,595 浅草と本所で 両替商が襲われた 10月30日と 11月14日も➡ 307 00:25:23,595 --> 00:25:26,595 ここに来てたんじゃねえのか? 308 00:25:29,468 --> 00:25:35,541 随分 気に入られたもんだが 田野倉源八が あんたと会うのも➡ 309 00:25:35,541 --> 00:25:40,541 次が最後ってわけだ。 いつ来るっつってた? 310 00:25:43,415 --> 00:25:47,553 おい 花魁! かばうと ためにならねえぞ。 311 00:25:47,553 --> 00:25:54,893 ♬~ 312 00:25:54,893 --> 00:25:59,565 3日後に 戻ってくると。 313 00:25:59,565 --> 00:26:02,468 (竹蔵)3日後か…。 314 00:26:02,468 --> 00:26:12,168 ♬~ 315 00:26:16,582 --> 00:26:19,485 (品川)千二百両!➡ 316 00:26:19,485 --> 00:26:24,456 最初 百両だったのが 5百 8百 千両となり➡ 317 00:26:24,456 --> 00:26:27,593 ついには そこまで 跳ね上がったわけですか。 318 00:26:27,593 --> 00:26:31,593 しかも 松の内の7日には もう…。 319 00:26:33,398 --> 00:26:36,398 (品川)どうするんですか? 320 00:26:40,539 --> 00:26:44,409 何で 黙ってるんですか? 321 00:26:44,409 --> 00:26:48,409 それで いいんですか? このままで いいんですか? 322 00:26:52,551 --> 00:26:55,454 関前から ずっと追ってきたっていうのに。 323 00:26:55,454 --> 00:26:58,423 居所が ようやく分かったっていうのに➡ 324 00:26:58,423 --> 00:27:00,893 どうして 根岸の寮に 飛び込まないんですか! 325 00:27:00,893 --> 00:27:05,593 何で 手に手を取って 逃げようとしないんですか!? 326 00:27:08,567 --> 00:27:12,437 無理を言わないで下さい。 327 00:27:12,437 --> 00:27:16,441 無理じゃない! 無理なんかじゃない! 328 00:27:16,441 --> 00:27:29,588 ♬~ 329 00:27:29,588 --> 00:27:32,588 何か 無性に腹が立ってきました。 330 00:27:34,426 --> 00:27:37,863 私には 分からん。 惚れた女なら➡ 331 00:27:37,863 --> 00:27:41,533 このまま 手をこまねいては いられないはずです! 332 00:27:41,533 --> 00:27:52,878 ♬~ 333 00:27:52,878 --> 00:27:58,550 品川さんを… 怒らせてしまいました。 334 00:27:58,550 --> 00:28:20,250 ♬~ 335 00:28:37,389 --> 00:28:41,994 ここで 奈緒が暮らすことになる。 336 00:28:41,994 --> 00:28:47,494 それを思うだけで 磐音の胸は 締めつけられていた。 337 00:28:49,534 --> 00:28:52,437 (四郎兵衛) いかがなさいましたかな? 338 00:28:52,437 --> 00:28:57,409 いえ…。 坂崎様は 連日の吉原通いですな。 339 00:28:57,409 --> 00:29:00,879 聞こえは よろしゅうございますが 御用では…。 340 00:29:00,879 --> 00:29:05,217 そりゃそうだ。 しかし 長崎の円山➡ 341 00:29:05,217 --> 00:29:10,917 京の廓と見てきましたが 吉原は なお一層 賑やかな所でござるな。 342 00:29:14,559 --> 00:29:19,865 東西180間 南北135間。➡ 343 00:29:19,865 --> 00:29:24,770 遊女らを筆頭に 1万人もの人々が暮らして➡ 344 00:29:24,770 --> 00:29:29,541 極楽から地獄を 見せてくれるのです。➡ 345 00:29:29,541 --> 00:29:34,846 女たちは 美しさを競い合い 手練手管で 客を落とします。 346 00:29:34,846 --> 00:29:40,719 客を本気にさせるためなら 客の名前を 彫り物にし➡ 347 00:29:40,719 --> 00:29:47,426 髪を切り 小指を落とし 爪を はがして送ったりもいたします。 348 00:29:47,426 --> 00:29:49,726 真ですか!? 349 00:29:52,197 --> 00:29:59,538 髪の毛は 別の女のもの 小指や爪は しん粉細工の作り物。 350 00:29:59,538 --> 00:30:05,410 彫り物も 別れたら すぐさま モグサで焼いて 消しちまいます。 351 00:30:05,410 --> 00:30:13,885 「女郎の誠と 卵の四角 あれば晦日に月が出る」ってね。 352 00:30:13,885 --> 00:30:20,759 女郎の手練手管に だまされた ふりをするのも常連の心得。 353 00:30:20,759 --> 00:30:25,063 ですが たまに 田野倉源八のように➡ 354 00:30:25,063 --> 00:30:31,236 人を斬り殺してまで 通い詰める者も出てくる。 355 00:30:31,236 --> 00:30:40,245 切り見世の刹那の楽しみは 全て 夢まぼろしなのでございますがね。 356 00:30:40,245 --> 00:30:44,916 肝に銘じます。 …しかし➡ 357 00:30:44,916 --> 00:30:49,788 女たちにとって… ここは やはり苦界。 358 00:30:49,788 --> 00:30:56,528 坂崎様 この世の中 どこで どう生きようとも➡ 359 00:30:56,528 --> 00:31:01,466 苦界でございます。 お分かりでしょう。 360 00:31:01,466 --> 00:31:04,036 ハッハッハ…。 361 00:31:04,036 --> 00:31:08,273 年寄りの悪い癖ですな どうも 説教じみてしまう。 362 00:31:08,273 --> 00:31:11,610 それでは 見回りに参りますので。 363 00:31:11,610 --> 00:31:26,158 ♬~ 364 00:31:26,158 --> 00:31:28,627 (奈緒)磐音様…。 365 00:31:28,627 --> 00:31:51,249 ♬~ 366 00:31:51,249 --> 00:31:53,949 その夜の雨は…。 367 00:31:56,588 --> 00:31:59,491 3日後 雪に変わった。 368 00:31:59,491 --> 00:32:30,491 ♬~ 369 00:32:47,873 --> 00:32:52,210 遅いですね。 (四郎兵衛)必ず 参ります。 370 00:32:52,210 --> 00:32:55,113 遊女との約定の裏には➡ 371 00:32:55,113 --> 00:33:01,586 吉原の技の ありったけが 込められているのですから。 372 00:33:01,586 --> 00:33:03,886 (仁吉)仁吉です。 (四郎兵衛)入れ! 373 00:33:06,458 --> 00:33:09,461 田野倉源八が 香実楼に上がりました。 374 00:33:09,461 --> 00:33:11,930 笹塚様に お知らせしなさい。 375 00:33:11,930 --> 00:33:14,833 大門の外 衣紋坂で お待ち下さいとな。 376 00:33:14,833 --> 00:33:16,833 へい! 377 00:33:27,479 --> 00:33:31,283 どうした? 378 00:33:31,283 --> 00:33:33,583 …逃げて。 379 00:33:36,888 --> 00:33:40,759 逃げて下さい。 でないと 捕まっちまう。 380 00:33:40,759 --> 00:33:43,228 なに? 逃げて! 381 00:33:43,228 --> 00:33:47,098 ♬~ 382 00:33:47,098 --> 00:33:50,098 (大村)大門を閉めろ! 383 00:33:55,240 --> 00:33:59,578 大門の外には この大村が 半歩たりとも出さぬ! 384 00:33:59,578 --> 00:34:02,247 大村様 与力の笹塚様の命でございます。 385 00:34:02,247 --> 00:34:05,584 ここは会所に おまかせを! いらざる口出しをするな! 386 00:34:05,584 --> 00:34:09,454 吉原は 町奉行所 隠密方の支配下じゃ。➡ 387 00:34:09,454 --> 00:34:12,457 おとなしく お縄を ちょうだいしろ! 388 00:34:12,457 --> 00:34:16,228 ♬~ 389 00:34:16,228 --> 00:34:18,597 (大村)神妙にいたせ。 390 00:34:18,597 --> 00:34:21,597 ♬~ 391 00:34:26,271 --> 00:34:29,608 どけ どけ どけ~! どけ どけ! どけ! 392 00:34:29,608 --> 00:34:33,211 旦那! 大村の旦那! 393 00:34:33,211 --> 00:34:36,211 てめえ…。 394 00:34:40,085 --> 00:34:42,554 お許し下さい お願いいたします! 395 00:34:42,554 --> 00:34:46,254 この人を助けて下さい お願い! 396 00:34:49,427 --> 00:34:51,896 源八様…? 397 00:34:51,896 --> 00:34:56,568 どけ! どかぬと殺す! 398 00:34:56,568 --> 00:35:01,239 悪いが 捕まるわけには いかんのでな。 399 00:35:01,239 --> 00:35:05,910 幾人もの人を殺し 金を奪ってまで通い詰めた➡ 400 00:35:05,910 --> 00:35:08,580 女ではないのか 田野倉源八! 黙れ! 401 00:35:08,580 --> 00:35:14,252 この女は 俺を裏切ったのだ! 402 00:35:14,252 --> 00:35:17,155 そんな… 私は! 403 00:35:17,155 --> 00:35:19,591 許せん。 404 00:35:19,591 --> 00:36:38,591 ♬~ 405 00:36:54,419 --> 00:36:56,419 (秋葉)源八様…? 406 00:36:58,890 --> 00:37:05,397 (秋葉)源八様? 源八様! 407 00:37:05,397 --> 00:37:10,097 源八様~! 408 00:37:13,138 --> 00:37:19,577 源八様…。 409 00:37:19,577 --> 00:37:23,248 源八様…! 410 00:37:23,248 --> 00:37:38,530 ♬~ 411 00:37:38,530 --> 00:37:55,947 ♬~(お囃子) 412 00:37:55,947 --> 00:37:59,851 いろいろと お世話になりました。 413 00:37:59,851 --> 00:38:07,025 某の方こそ。 ですが 里の中を 血で汚してしまいました。 414 00:38:07,025 --> 00:38:10,025 あなたのせいではありません。 415 00:38:12,230 --> 00:38:19,304 これは 些少ですが 正月の餅代にでも。 416 00:38:19,304 --> 00:38:23,575 いえ このような御配慮は 御無用に願います。 417 00:38:23,575 --> 00:38:29,447 笹塚様から 手間賃が いただけたとも思えません。 418 00:38:29,447 --> 00:38:34,185 さあ お受け取り下さい。 年寄りに 恥をかかせるものではありません。 419 00:38:34,185 --> 00:38:37,185 では 遠慮なく。 420 00:38:39,057 --> 00:38:42,527 実は 店賃は払いましたが➡ 421 00:38:42,527 --> 00:38:46,197 米 味噌の払いをどうしようかと 考えていたところです。 422 00:38:46,197 --> 00:38:52,070 フフフッ! おかしなお侍ですな あなたは。 423 00:38:52,070 --> 00:38:54,072 はあ…。 424 00:38:54,072 --> 00:38:59,072 (笑い声) 425 00:39:05,550 --> 00:39:08,219 (おこん)坂崎さんを お連れしました。 426 00:39:08,219 --> 00:39:10,519 はい。 427 00:39:17,896 --> 00:39:20,565 何か お話があるとか。 428 00:39:20,565 --> 00:39:24,435 由蔵に聞きましたが 奈緒様の行方が➡ 429 00:39:24,435 --> 00:39:27,435 お分かりになったそうですね。 430 00:39:29,574 --> 00:39:31,843 はい。 431 00:39:31,843 --> 00:39:36,514 坂崎様。 差し出がましいようですが➡ 432 00:39:36,514 --> 00:39:39,183 金子の都合さえつけば➡ 433 00:39:39,183 --> 00:39:43,183 奈緒様を身請けなさる つもりはございますか? 434 00:39:46,524 --> 00:39:49,524 ≪(吉右衛門)いかがですかな? 435 00:39:52,397 --> 00:39:55,533 ですが 今津屋殿➡ 436 00:39:55,533 --> 00:39:58,436 某 そのような金子を 借りたとしても➡ 437 00:39:58,436 --> 00:40:00,872 返すあてさえありません。 438 00:40:00,872 --> 00:40:05,172 坂崎様。 旦那様は…。 由蔵。 439 00:40:08,212 --> 00:40:12,083 坂崎様。 はい。 440 00:40:12,083 --> 00:40:19,083 いま一度 ゆっくりと お考え下さい。 よろしいな? 441 00:40:21,225 --> 00:40:23,161 はい。 442 00:40:23,161 --> 00:41:26,157 ♬~ 443 00:41:26,157 --> 00:41:31,295 師走の雪は 磐音の心を覆うように➡ 444 00:41:31,295 --> 00:41:35,595 いつまでも 降り続いていた。 445 00:41:58,456 --> 00:42:05,930 ♬「もう一度 その手で」 446 00:42:05,930 --> 00:42:14,939 ♬「私を抱きしめてくれますか」 447 00:42:14,939 --> 00:42:22,613 ♬「めぐり逢えたなら」 448 00:42:22,613 --> 00:42:30,288 ♬「燃え尽きる星が」 449 00:42:30,288 --> 00:42:37,895 ♬「欠けてゆく月が」 450 00:42:37,895 --> 00:42:43,768 ♬「願い宿しながら」 451 00:42:43,768 --> 00:42:53,244 ♬「それでも輝いていた」 452 00:42:53,244 --> 00:43:00,118 ♬「愛をとめないで」 453 00:43:00,118 --> 00:43:08,793 ♬「失っても 嘆かないで」 454 00:43:08,793 --> 00:43:15,500 ♬「離れてこそ そばにいる」 455 00:43:15,500 --> 00:43:25,500 ♬「Always Loving You」