1 00:00:33,491 --> 00:00:35,426 ♬~ 2 00:00:35,426 --> 00:00:40,231 坂崎磐音は 父の蟄居閉門を機に➡ 3 00:00:40,231 --> 00:00:45,069 国許へ戻り 同志と共に 家老一派を一掃した。 4 00:00:45,069 --> 00:00:49,240 だが 許婚の奈緒は 困窮の果てに 身売りし➡ 5 00:00:49,240 --> 00:00:52,910 流転のあげく ついに 千二百両もの値で➡ 6 00:00:52,910 --> 00:00:55,813 江戸 吉原に 引き取られていた。 7 00:00:55,813 --> 00:01:00,785 それを知った今津屋は 奈緒の 身請金を都合すると申し出るが➡ 8 00:01:00,785 --> 00:01:06,785 途方もない大金に 磐音の心は 大きく揺れていた。 9 00:01:08,893 --> 00:01:18,593 ♬~ 10 00:01:20,271 --> 00:01:25,643 年も明け 磐音の鰻割きの仕事が 始まっていた。 11 00:01:25,643 --> 00:01:29,480 (坂崎磐音) 今年も よろしくお願いいたす。 12 00:01:29,480 --> 00:01:33,784 さて 始めますか。 (松吉)鰻によろしくも ねえだろ。 13 00:01:33,784 --> 00:01:38,155 いいえ。 飯の種とはいえ 毎日 殺生しておるのですから➡ 14 00:01:38,155 --> 00:01:40,191 成仏を願って 当然。 15 00:01:40,191 --> 00:01:44,629 (おそめ)そうよ。 浪人さんの 言うとおり。 そうか。 16 00:01:44,629 --> 00:01:48,266 (幸吉)浪人さん 今年の願いは 何だい? 17 00:01:48,266 --> 00:01:51,502 今年ので ござるか? 18 00:01:51,502 --> 00:01:59,043 ♬~ 19 00:01:59,043 --> 00:02:03,014 息災に過ごせれば… それだけでいい。 20 00:02:03,014 --> 00:02:05,683 何だよ ちっちゃな願いだな。 21 00:02:05,683 --> 00:02:08,586 では 師匠の願いは 何かな? 22 00:02:08,586 --> 00:02:13,257 いい鰻が取れて 宮戸川の親方が 高く買ってくれることよ。 23 00:02:13,257 --> 00:02:15,192 (松吉)どっちも どっちじゃねえかよ。 なあ? 24 00:02:15,192 --> 00:02:18,596 (おそめ)じゃあ 松さんの願いは? 俺か? 25 00:02:18,596 --> 00:02:21,932 俺は 一人でも 極悪人を牢にぶち込むことよ。 26 00:02:21,932 --> 00:02:25,803 (鉄五郎)そんなこったから 仕事に身が入らねえんだ お前は! 27 00:02:25,803 --> 00:02:29,807 いや 冗談っすよ。 俺の目標は 鰻割きで一人前になって➡ 28 00:02:29,807 --> 00:02:33,544 いつか… いつか 親方のように 名人といわれる鰻屋に➡ 29 00:02:33,544 --> 00:02:35,479 なることでござんす。 30 00:02:35,479 --> 00:02:39,179 口動かさねえで 手動かせ! はい…。 31 00:02:42,920 --> 00:02:46,357 これは 品川さん。 おめでとうござる。 32 00:02:46,357 --> 00:02:50,328 (品川)おめでとうございます。 何だい シケた面してんなあ。 33 00:02:50,328 --> 00:02:54,532 御直参の お前さんが 正月早々 出歩いて いいのかい? 34 00:02:54,532 --> 00:02:58,903 何が直参ですか。 年末の母上と 借金取りの闘いを➡ 35 00:02:58,903 --> 00:03:02,239 見せたかったですよ。 せめて 大晦日ぐらい➡ 36 00:03:02,239 --> 00:03:04,575 払いをきっちりつけて 年を越したかった。 37 00:03:04,575 --> 00:03:06,911 (おそめ)うちと同じだ。 いや そんなことで➡ 38 00:03:06,911 --> 00:03:11,248 来たのではない。 坂崎さん お仕事中 何ですが…。 39 00:03:11,248 --> 00:03:14,248 は? ちょっと…。 40 00:03:21,826 --> 00:03:24,161 なにか? 41 00:03:24,161 --> 00:03:28,432 去年は 申し訳ありませんでした。 あのような別れ方をしてしまって。 42 00:03:28,432 --> 00:03:31,869 私には 分からん! 惚れた女なら このまま➡ 43 00:03:31,869 --> 00:03:34,869 手をこまねいては いられないはずです! 44 00:03:39,610 --> 00:03:44,048 つらいのは 坂崎さんの方なのに つい カッとなってしまって。 45 00:03:44,048 --> 00:03:47,251 あれから ずっと 気になって 気になって…。 46 00:03:47,251 --> 00:03:51,422 相方のあなただから言ってくれた。 そう思っています。 47 00:03:51,422 --> 00:03:53,891 そうですか。 そう思ってくれますか! 48 00:03:53,891 --> 00:03:57,228 どうしたんだい? 何があったか 知らないけど➡ 49 00:03:57,228 --> 00:03:59,163 去年のことは 去年のこと。 50 00:03:59,163 --> 00:04:01,565 おいらだって 姉ちゃん あんなになったけど➡ 51 00:04:01,565 --> 00:04:05,436 元気に頑張ってんだぜ。 (品川)そうか… そうだな。 52 00:04:05,436 --> 00:04:09,436 あとで おきねさんに 線香あげに行くか。 うん。 53 00:04:12,009 --> 00:04:14,578 (笑い声) (磯次)あ~ 腹いてえや。 54 00:04:14,578 --> 00:04:19,450 (徳三)それで 花魁がよ わちきは 主さあが 好きでありんすわいな。 55 00:04:19,450 --> 00:04:23,954 お前はな のっぴきならねえ バカだ。 大バカ野郎。 56 00:04:23,954 --> 00:04:27,258 (金兵衛)おう どうしたい? いやいやいや…。 57 00:04:27,258 --> 00:04:29,927 知ってるかい? 大家さん。 松の内の7日にな➡ 58 00:04:29,927 --> 00:04:32,830 吉原の花魁が 豪華な お披露目するって話をよ。 59 00:04:32,830 --> 00:04:38,769 (徳三)それがよ 下谷広小路から 神田川沿いに 浅草橋まで抜けて➡ 60 00:04:38,769 --> 00:04:44,308 蔵前通りから 日本堤土手八丁 大門まで 練り歩くんだとさ。 61 00:04:44,308 --> 00:04:48,245 こんな話 聞いたことねえぜ。 江戸中 その話で 持ちきりでな。 62 00:04:48,245 --> 00:04:51,882 (はつね)なんだよ その笑い方は。 いやらしい。 63 00:04:51,882 --> 00:04:54,552 (おいち)あんた 鼻の下 伸びてるよ。 64 00:04:54,552 --> 00:04:56,887 うるせえ この おかめ。 なんだい ひょっとこ。 65 00:04:56,887 --> 00:04:58,823 (せきばらい) どうする? 大家さん。 66 00:04:58,823 --> 00:05:02,560 一緒に見に行くか? いや… 俺は やめとこう。 67 00:05:02,560 --> 00:05:05,963 何でだよ。 何でったって お前…。 68 00:05:05,963 --> 00:05:09,333 いつも 先頭たって 行くじゃねえかよ。 69 00:05:09,333 --> 00:05:13,938 (品川)これは皆さん おそろいで。 今年も よろしくお願いします。 70 00:05:13,938 --> 00:05:17,675 こちらこそ よろしく。 (品川) 何か楽しそうなお話ですか? 71 00:05:17,675 --> 00:05:22,346 えへへ それがね 旦那。 今度ね 吉原の花魁が…。 72 00:05:22,346 --> 00:05:27,318 痛っ なんで 足踏むんだよ。 悪い 悪い 悪いね。 73 00:05:27,318 --> 00:05:30,454 それでね その花魁が…。 74 00:05:30,454 --> 00:05:33,357 あああ~! 何だよ。 75 00:05:33,357 --> 00:05:36,861 おきねさんに 線香あげに 来たんですよ なっ 行きましょう。 76 00:05:36,861 --> 00:05:38,796 行きましょう 行きましょう。 はい 行きましょう。 77 00:05:38,796 --> 00:05:42,199 徳三殿も 一緒に。 何で 俺が? 78 00:05:42,199 --> 00:05:44,869 行きましょう! うん! 79 00:05:44,869 --> 00:05:48,205 なんだよ ありゃあ? いやいや…。 80 00:05:48,205 --> 00:05:52,877 こっちはね おこんから ちょっと 小耳に挟んでるけども➡ 81 00:05:52,877 --> 00:05:55,479 あいつら 何にも知らないからよ。 82 00:05:55,479 --> 00:05:59,416 余計な気遣いをさせて 申し訳ござらぬ。 いや いやいや。 83 00:05:59,416 --> 00:06:02,987 でも あんたも 大変だねえ。 84 00:06:02,987 --> 00:06:05,890 ああ そうだ。 お武家が訪ねてきたよ。 85 00:06:05,890 --> 00:06:11,128 え~っと 豊後関前 中居様っておっしゃったかな。 86 00:06:11,128 --> 00:06:13,628 中居様が? 87 00:06:15,633 --> 00:06:18,936 (中居)去年は いろいろと 世話になった。 88 00:06:18,936 --> 00:06:20,905 こちらこそ。 89 00:06:20,905 --> 00:06:24,575 中居半蔵は 磐音と共に 国許において➡ 90 00:06:24,575 --> 00:06:29,079 家老の宍戸文六を 失脚させた男である。 91 00:06:29,079 --> 00:06:32,449 いつ こちらに? つい先日だ。 92 00:06:32,449 --> 00:06:36,320 大家に聞いたが お主も 戻ったばかりらしいな。 93 00:06:36,320 --> 00:06:38,389 はい。 94 00:06:38,389 --> 00:06:43,494 坂崎 お主が国を出たあと お父上の 坂崎正睦様が➡ 95 00:06:43,494 --> 00:06:46,163 国家老になられた。 96 00:06:46,163 --> 00:06:50,734 もっとも わが家中には 4万2千両の借財のほか➡ 97 00:06:50,734 --> 00:06:55,306 宍戸による 不正借り入れ分 2万両の借財が加わった。 98 00:06:55,306 --> 00:07:00,144 国家老になられたとて 喜ぶ暇もない。 はい。 99 00:07:00,144 --> 00:07:04,715 だが これによって お家立て直しの道が整った。 100 00:07:04,715 --> 00:07:09,453 おそらく ここ10年は 厳しい生活が 続くであろうがな。 101 00:07:09,453 --> 00:07:14,425 中居様 6万両ともなれば お家の実収 5年分の借財。 102 00:07:14,425 --> 00:07:17,227 10年では 無理でございましょう。 103 00:07:17,227 --> 00:07:20,898 儂も そう易々と 借財が減るとは 考えておらぬ。 104 00:07:20,898 --> 00:07:24,902 だが 家中の者には いまだ 豊後関前は安泰。 105 00:07:24,902 --> 00:07:28,772 禄は 孫子の代までもらえると 思うておる者もおる。 106 00:07:28,772 --> 00:07:32,576 殿は その事態を憂えて 自らも 一汁一菜。 107 00:07:32,576 --> 00:07:35,846 家中の者にも 厳しい暮らしを課せられた。 108 00:07:35,846 --> 00:07:38,515 殿は そこまで お考えにございますか? 109 00:07:38,515 --> 00:07:41,552 なりふりは構っておられぬ。 110 00:07:41,552 --> 00:07:45,856 そこでだ。 両替商 今津屋と 懇意にしておる➡ 111 00:07:45,856 --> 00:07:49,593 お主の力を 是非 借りたいと思って 本日は参った。 112 00:07:49,593 --> 00:07:54,431 中居様 某は お家を離れた身です。 113 00:07:54,431 --> 00:07:56,433 分かっておる 坂崎。 114 00:07:56,433 --> 00:08:00,971 だがな 殿は いまだにお主を 家臣と思うておられるのだ。 115 00:08:00,971 --> 00:08:02,906 殿が? 116 00:08:02,906 --> 00:08:06,543 それに お家を出たお主の力を 借りねばならぬほど➡ 117 00:08:06,543 --> 00:08:11,248 もはや 関前は 立ち行かぬ。 118 00:08:11,248 --> 00:08:15,419 お父上からだ。 ここに すべて書いてある。 119 00:08:15,419 --> 00:08:17,454 後で 読んでほしい。 120 00:08:17,454 --> 00:08:19,654 分かりました。 121 00:08:21,792 --> 00:08:27,598 正睦の手紙には 領内の物産を 藩で一括管理し 江戸で販売する➡ 122 00:08:27,598 --> 00:08:32,436 財政再建の計画と 藩主が 参勤交代で 国許へ戻るための➡ 123 00:08:32,436 --> 00:08:37,307 費用 2千5百両の調達を 今津屋に相談し➡ 124 00:08:37,307 --> 00:08:42,907 藩の危機を救うために 力を貸してほしいと記されていた。 125 00:08:46,617 --> 00:08:49,153 (仁吉)ごめんくださいまし。 126 00:08:49,153 --> 00:08:51,153 どうぞ。 127 00:08:53,090 --> 00:08:55,492 これは 仁吉殿。 128 00:08:55,492 --> 00:09:00,197 (仁吉)坂崎様 頭が 吉原まで お越し願えないかと。 129 00:09:00,197 --> 00:09:04,497 何か? 実は 奈緒様のことで。 130 00:09:14,144 --> 00:09:18,982 (四郎兵衛)新年早々 お呼び 立てして 申し訳ございません。 131 00:09:18,982 --> 00:09:23,520 仁吉殿から うかがいましたが 奈緒を 連れ戻しに来る➡ 132 00:09:23,520 --> 00:09:26,423 連中がいるというのは どういうことなのでしょうか? 133 00:09:26,423 --> 00:09:30,194 実は 奈緒様は➡ 134 00:09:30,194 --> 00:09:34,498 京の廓から この江戸へ やって来る道中➡ 135 00:09:34,498 --> 00:09:37,835 尾張に 立ち寄っているのですが➡ 136 00:09:37,835 --> 00:09:43,607 京の廓の番頭が 尾張と江戸とを 天秤にかけたらしく➡ 137 00:09:43,607 --> 00:09:50,380 尾張宮宿の楊貴楼という 遊女屋に 奈緒様を 見せたらしいのです。 138 00:09:50,380 --> 00:09:53,283 で? おそらく その番頭は➡ 139 00:09:53,283 --> 00:09:57,154 内金ぐらいは せしめたのかもしれません。 140 00:09:57,154 --> 00:10:03,060 楊貴楼の連中が 数日前 奈緒様の身柄を引き渡せと➡ 141 00:10:03,060 --> 00:10:07,531 彦屋に 乗り込みましてな。 もちろん 証文があると➡ 142 00:10:07,531 --> 00:10:11,435 突っぱねたそうですが 松の内の7日の➡ 143 00:10:11,435 --> 00:10:17,741 吉原への乗り込みは 血の雨を 降らせても 止めてみせると➡ 144 00:10:17,741 --> 00:10:19,777 啖呵を切ったそうです。 145 00:10:19,777 --> 00:10:23,313 筋違いも はなはだしい。 はい。 146 00:10:23,313 --> 00:10:26,550 彦屋の旦那が 相談にみえたので➡ 147 00:10:26,550 --> 00:10:31,421 手代どもを 江戸のあちこちに 放って 探索させていたのですが➡ 148 00:10:31,421 --> 00:10:38,028 根岸の彦屋の寮の近くに 隠れ家があることが分かりました。 149 00:10:38,028 --> 00:10:40,864 寮そのものを襲うと? 150 00:10:40,864 --> 00:10:45,702 さすれば 吉原乗り込みの前 尾張と ぶつかり合うのは➡ 151 00:10:45,702 --> 00:10:49,239 本意ではありませぬが なんとしてでも➡ 152 00:10:49,239 --> 00:10:53,043 吉原の体面を守りたいのです。 153 00:10:53,043 --> 00:10:57,381 坂崎様。 奈緒様を…。 154 00:10:57,381 --> 00:11:01,218 我らと共に 守って頂けますかな? 155 00:11:01,218 --> 00:11:12,596 ♬~ 156 00:11:12,596 --> 00:11:18,535 目前に迫った 奈緒の 吉原乗り込みと 藩の財政危機。 157 00:11:18,535 --> 00:11:25,142 2つの難題が 磐音の心に 重く のしかかっていた。 158 00:11:25,142 --> 00:11:29,642 明けまして おめでとうございます。 159 00:11:32,482 --> 00:11:38,182 (吉右衛門)お珍しいですなあ 坂崎様から 御相談とは。 で? 160 00:11:41,725 --> 00:11:46,930 実は 今津屋殿に 金子を用立てて頂きたく。 161 00:11:46,930 --> 00:11:49,233 (由蔵)おお そりゃ つまり 奈緒様の…。 162 00:11:49,233 --> 00:11:53,237 (せきばらい) いかほどで ございますかな? 163 00:11:53,237 --> 00:11:55,706 2千5百両ほど。 164 00:11:55,706 --> 00:11:58,406 2千5百!? 165 00:12:00,544 --> 00:12:03,447 何にお使いでございますか? 166 00:12:03,447 --> 00:12:08,318 実は 言い難いことながら 参勤下番にかかる手当が➡ 167 00:12:08,318 --> 00:12:13,891 国許で都合がつかず 今津屋殿の お力をお借りしたく 参りました。 168 00:12:13,891 --> 00:12:18,862 困りましたな。 確かに 今津屋では 信用貸しはしておりますが➡ 169 00:12:18,862 --> 00:12:24,234 関前の御家中の どなたとも つながりが ございませんでな。 170 00:12:24,234 --> 00:12:27,137 はっ。 (由蔵)坂崎様。 171 00:12:27,137 --> 00:12:30,774 こないだのお話 覚えていらっしゃいますか? 172 00:12:30,774 --> 00:12:32,709 はい。 173 00:12:32,709 --> 00:12:37,547 旦那様は 奈緒様の身請けの金を 都合する気でおられました。 174 00:12:37,547 --> 00:12:41,985 それは 坂崎様という人物を 信用なさってのこと。➡ 175 00:12:41,985 --> 00:12:45,555 お分かりですね。 はい。 176 00:12:45,555 --> 00:12:51,828 私 今日は てっきり その話かと 思うておりましたがなあ。 177 00:12:51,828 --> 00:12:56,166 奈緒のことは 私事でござる。 178 00:12:56,166 --> 00:13:00,971 (由蔵)つまり 藩のためなら 頭を下げられる。 179 00:13:00,971 --> 00:13:06,810 元締め殿 今津屋殿 此度の金子が 調達できるかどうかには➡ 180 00:13:06,810 --> 00:13:11,581 殿のみならず 豊後関前の家臣 領民らに まつわる➡ 181 00:13:11,581 --> 00:13:15,252 大勢の暮らしがかかっております。 その者たちを➡ 182 00:13:15,252 --> 00:13:18,588 路頭に迷わせるわけには まいらぬのです。 183 00:13:18,588 --> 00:13:21,558 なるほど。 184 00:13:21,558 --> 00:13:29,232 ♬~ 185 00:13:29,232 --> 00:13:32,736 実を申せば もう一つ。 186 00:13:32,736 --> 00:13:36,907 今津屋殿に お家勝手向きの 立て直しにも➡ 187 00:13:36,907 --> 00:13:39,810 力を貸して頂きたいのです。 188 00:13:39,810 --> 00:13:42,446 御家中の立て直し!? 189 00:13:42,446 --> 00:13:46,650 国家老となった父が 領内の物産を 一手に集め➡ 190 00:13:46,650 --> 00:13:49,553 値の高い江戸に 船で運び込んで 売るという策を➡ 191 00:13:49,553 --> 00:13:53,423 練り上げております。 物産とは何が? 192 00:13:53,423 --> 00:13:59,096 海産でござる。 干し海鼠 干し鮑 干し鰯に するめ➡ 193 00:13:59,096 --> 00:14:04,368 昆布 鰹節といったものから 上等な半紙もございます。 194 00:14:04,368 --> 00:14:08,872 更には 椎茸 溜まり 蝋燭なども。 195 00:14:08,872 --> 00:14:13,710 どちらも 今津屋殿にとっては 御迷惑な話ばかり。 196 00:14:13,710 --> 00:14:21,118 そうと分かっていながら この 坂崎磐音 恥を忍んで参りました。 197 00:14:21,118 --> 00:14:24,988 ♬~ 198 00:14:24,988 --> 00:14:28,288 頭を お上げ下さい 坂崎様。 199 00:14:30,494 --> 00:14:32,529 由蔵。 200 00:14:32,529 --> 00:14:37,768 坂崎様 2つ条件がございます。 201 00:14:37,768 --> 00:14:44,541 まず 藩立て直し策の中身を 書きつけにて お見せ頂きたい。 202 00:14:44,541 --> 00:14:50,781 いまひとつは 金子 2千5百両の 質草を お示し願いたい。 203 00:14:50,781 --> 00:14:57,087 その上で 旦那様と御相談して 御返事 申し上げましょう。 204 00:14:57,087 --> 00:14:59,790 承知いたしました。 205 00:14:59,790 --> 00:15:25,382 ♬~ 206 00:15:25,382 --> 00:15:29,719 なに!? 今津屋は 藩立て直し策の中身を➡ 207 00:15:29,719 --> 00:15:33,156 すべて 知りたいと 申しておるのか? はい。 208 00:15:33,156 --> 00:15:36,059 坂崎。 これは 家中でも 少数の者しか知らぬ➡ 209 00:15:36,059 --> 00:15:40,063 お家の命運を賭けたものだぞ。 だからこそ➡ 210 00:15:40,063 --> 00:15:44,401 今津屋のような 商人の助けがいるのです。 211 00:15:44,401 --> 00:15:47,871 借財を減らすためには 藩の体面などに➡ 212 00:15:47,871 --> 00:15:51,541 拘っている場合ではありません。 とは申せ…。 213 00:15:51,541 --> 00:15:56,880 中居様 今津屋には 藩の御用をなす理由は➡ 214 00:15:56,880 --> 00:15:59,549 何一つないことを お忘れなさいますな。 215 00:15:59,549 --> 00:16:02,886 坂崎 お主…。 武士は 商人にすがるしか➡ 216 00:16:02,886 --> 00:16:07,557 暮らしを立てられぬのです。 それが 江戸です。 217 00:16:07,557 --> 00:16:13,457 某 長屋暮らしをして つくづく 思い知らされてございます。 218 00:16:16,867 --> 00:16:18,967 分かった。 219 00:16:27,611 --> 00:16:32,349 坂崎 お主の考え この中居半蔵 確かに受けた。 220 00:16:32,349 --> 00:16:34,449 中居様。 221 00:16:42,993 --> 00:16:45,693 (磯次)浪人さんよ…。 222 00:16:49,533 --> 00:16:53,036 人生 いろいろ あるよ。 223 00:16:53,036 --> 00:16:56,873 俺も女房亡くして 去年 おきねも あんなことになっちまって。 224 00:16:56,873 --> 00:17:01,044 でもな でも 幸吉もいるし 長屋の連中もいるし➡ 225 00:17:01,044 --> 00:17:04,548 くさらずに 一生懸命 生きていこうって そう思ってな➡ 226 00:17:04,548 --> 00:17:08,418 そしたら お天道さんだって いつかは… いつかはよ…。 227 00:17:08,418 --> 00:17:13,256 磯…! 磯! だって あんまりじゃねえかよ! 228 00:17:13,256 --> 00:17:16,893 惚れた女が そんな目に遭うなんて そんな悲しいことなんか➡ 229 00:17:16,893 --> 00:17:19,796 ありゃしねえよ! 230 00:17:19,796 --> 00:17:24,896 坂崎さん すまねえ。 口が滑った。 231 00:17:27,070 --> 00:17:30,707 磯次殿 かたじけない。 232 00:17:30,707 --> 00:17:33,677 頭なんか 下げんじゃねえよ! 233 00:17:33,677 --> 00:17:37,214 一番悲しいのは あんただろう。 234 00:17:37,214 --> 00:17:45,255 ♬~ 235 00:17:45,255 --> 00:17:48,658 大家殿。 236 00:17:48,658 --> 00:17:55,765 この長屋に 住み暮らした某は 幸せ者です。 237 00:17:55,765 --> 00:18:00,570 (すすり泣き) 238 00:18:00,570 --> 00:18:06,770 ♬~ 239 00:18:11,214 --> 00:18:17,214 その夜。 磐音の姿は 根岸にあった。 240 00:18:19,322 --> 00:18:23,560 ようこそ いらっしゃいました。 どうやら➡ 241 00:18:23,560 --> 00:18:28,231 時雨不動の隠れ家に 奴ら 集まってるようでございます。 242 00:18:28,231 --> 00:18:33,069 中に一人 伊勢崎某とかいう 剣術家がいて➡ 243 00:18:33,069 --> 00:18:35,905 めっぽう 腕がたつとか。 244 00:18:35,905 --> 00:18:38,541 そうですか。 245 00:18:38,541 --> 00:18:42,341 四郎兵衛殿 彦屋の寮というのは? 246 00:18:44,881 --> 00:18:50,287 この家の裏手に。 そこに 奈緒様が…➡ 247 00:18:50,287 --> 00:18:55,592 明日からは 白い鶴と書いて➡ 248 00:18:55,592 --> 00:18:59,929 白鶴と名乗る 花魁がおられます。 249 00:18:59,929 --> 00:19:01,965 白鶴? 250 00:19:01,965 --> 00:19:28,124 ♬~ 251 00:19:28,124 --> 00:19:30,994 [ 心の声 ] (奈緒)磐音様…。 252 00:19:30,994 --> 00:20:09,494 ♬~ 253 00:20:12,936 --> 00:20:17,636 あれが 隠れ家の時雨不動です。 254 00:20:35,792 --> 00:20:39,129 尾張宮宿の方に申し上げる! 255 00:20:39,129 --> 00:20:43,429 吉原会所の 四郎兵衛にございます。 256 00:20:48,838 --> 00:20:51,641 弥平さんですな? 257 00:20:51,641 --> 00:20:54,310 (弥平)吉原の回し者が 何の用だ。 258 00:20:54,310 --> 00:21:00,250 弥平さん すまないが このまま 尾張に 戻って頂けませんか。 259 00:21:00,250 --> 00:21:03,987 四郎兵衛だか 五郎兵衛だか 知らないが➡ 260 00:21:03,987 --> 00:21:07,724 あの女に手をつけたのは こっちが先だ。 261 00:21:07,724 --> 00:21:11,594 何が何でも あの女の首に 縄をつけてでも➡ 262 00:21:11,594 --> 00:21:14,497 東海道 尾張まで 引きずってくぜ。 263 00:21:14,497 --> 00:21:17,133 乱暴な話ですなあ。 264 00:21:17,133 --> 00:21:21,137 そっちが どうしても 邪魔するってんなら これから➡ 265 00:21:21,137 --> 00:21:26,643 彦屋の寮に打ち込んで あの女の 顔を めった切りにするまでよ。 266 00:21:26,643 --> 00:21:32,015 それだけは 吉原会所の 面目にかけても やめてもらう。 267 00:21:32,015 --> 00:21:34,515 先生方! 268 00:21:39,889 --> 00:21:44,989 坂崎様 しかたございませぬな。 269 00:21:48,465 --> 00:21:52,565 伊勢崎という お方は どなたかな? 270 00:21:56,206 --> 00:21:59,809 弥平殿 この場での決着は➡ 271 00:21:59,809 --> 00:22:04,647 某と 伊勢崎殿との勝負で つけさせて頂けませんか? 272 00:22:04,647 --> 00:22:06,649 なに? 273 00:22:06,649 --> 00:22:11,421 某が敗れるようならば 吉原は 女を尾張に渡す。 274 00:22:11,421 --> 00:22:16,826 伊勢崎殿が負けた時には 潔く 尾張に引き揚げる。 275 00:22:16,826 --> 00:22:21,126 このこと いかがでござるかな? 四郎兵衛殿。 276 00:22:23,199 --> 00:22:26,135 いかに? 277 00:22:26,135 --> 00:22:30,807 ようございましょう。 278 00:22:30,807 --> 00:22:33,042 そちらは? 279 00:22:33,042 --> 00:22:35,142 先生。 280 00:22:37,013 --> 00:22:40,283 任せよ 弥平。 281 00:22:40,283 --> 00:22:48,091 ♬~ 282 00:22:48,091 --> 00:22:52,491 直心影流 坂崎磐音でござる。 283 00:22:54,831 --> 00:23:00,637 伊勢崎図書之助 流派は 忘れ申した。 284 00:23:00,637 --> 00:24:09,305 ♬~ 285 00:24:09,305 --> 00:24:12,208 弥平 どうする! 286 00:24:12,208 --> 00:24:17,180 まだやろうというのなら 次は 峰打ちでは済まさんぞ! 287 00:24:17,180 --> 00:24:21,980 弥平さん この足で尾張に発ちなされ。 288 00:24:24,220 --> 00:24:27,757 今夜は 吉原に 花を持たしてやる。 289 00:24:27,757 --> 00:24:31,757 だがな これで終わったと思うな。 290 00:24:41,738 --> 00:24:46,909 仁吉 奴らを追え。 江戸を出るまで 見届けるんだ。 291 00:24:46,909 --> 00:24:49,009 へい。 292 00:24:51,714 --> 00:24:54,617 おけがを なさいましたかな? 293 00:24:54,617 --> 00:24:57,587 いえ 御心配を おかけしました。 294 00:24:57,587 --> 00:25:00,087 いや…。 295 00:25:15,738 --> 00:25:42,465 ♬~ 296 00:25:42,465 --> 00:25:49,965 風に乗って運ばれてきた 白い 折り鶴が 磐音には奈緒に思えた。 297 00:25:52,809 --> 00:25:55,545 奈緒を守ってくれ。 298 00:25:55,545 --> 00:26:07,957 ♬~ 299 00:26:07,957 --> 00:26:12,857 (おこん)いいんですか? 本当に そんなことで。 300 00:26:15,565 --> 00:26:18,801 (おこん)どうして 根岸の寮に 飛び込まないんですか! 301 00:26:18,801 --> 00:26:23,473 なんで 手に手を取って 逃げようとしないんですか!? 302 00:26:23,473 --> 00:26:48,073 ♬~ 303 00:26:54,003 --> 00:26:58,808 ここでしたか。 それにしても すごい人ですねえ。 304 00:26:58,808 --> 00:27:05,181 読売にも出たくらいですからね。 えっ 品川様お一人で? 305 00:27:05,181 --> 00:27:09,786 長屋にも寄ったんですが 坂崎さんの姿はありませんでした。 306 00:27:09,786 --> 00:27:12,455 どこに行ったのか…。 307 00:27:12,455 --> 00:27:15,057 おっ 来ましたよ! 308 00:27:15,057 --> 00:27:19,929 (木遣り) 309 00:27:19,929 --> 00:27:29,305 ♬~ 310 00:27:29,305 --> 00:27:42,785 ♬~ 311 00:27:42,785 --> 00:27:48,357 根岸を発った 奈緒の行列は 神田川沿いに 浅草橋まで抜け➡ 312 00:27:48,357 --> 00:27:56,132 蔵前通りから日本堤を 事なく進み いよいよ 吉原の大門に迫った。 313 00:27:56,132 --> 00:28:04,173 ♬~ 314 00:28:04,173 --> 00:28:08,578 (どよめき) 315 00:28:08,578 --> 00:28:25,328 ♬~ 316 00:28:25,328 --> 00:28:27,363 あのお方が…。 317 00:28:27,363 --> 00:28:29,363 美しい! 318 00:28:31,567 --> 00:28:34,567 それにしても 坂崎さんは 一体…。 319 00:28:36,405 --> 00:28:39,005 どこかで見てる。 320 00:28:41,177 --> 00:28:45,348 きっと どこかで 奈緒様を守ってる。 321 00:28:45,348 --> 00:29:29,859 ♬~ 322 00:29:29,859 --> 00:29:33,859 磐音は 奈緒の近くにいた。 323 00:29:37,266 --> 00:29:39,969 (竹蔵)坂崎さん。 親分。 324 00:29:39,969 --> 00:29:43,472 尾張の連中が どうやら引き返してきたらしい。 325 00:29:43,472 --> 00:29:47,343 会所の旦那が 笹塚様を たきつけて 駆り出されちまった。 326 00:29:47,343 --> 00:29:50,980 それは 御苦労なことです。 へい。 けど➡ 327 00:29:50,980 --> 00:29:54,450 聞きしに勝る 別嬪ですなあ。 328 00:29:54,450 --> 00:29:57,820 すまねえ つい…。 じゃあ。 329 00:29:57,820 --> 00:30:35,524 ♬~ 330 00:30:35,524 --> 00:30:42,064 (彦屋主人)今宵 吉原に入りまする 遊女 白鶴でございます。➡ 331 00:30:42,064 --> 00:30:48,904 よしなに 御贔屓のほど よろしくお願い申し上げます。 332 00:30:48,904 --> 00:31:24,273 ♬~ 333 00:31:24,273 --> 00:31:26,308 (悲鳴) 334 00:31:26,308 --> 00:31:29,508 (どなり声) 335 00:31:31,547 --> 00:31:37,820 その女の顔に 名古屋の面子に かけて 傷の一つもつけてやらあ。 336 00:31:37,820 --> 00:31:40,120 やっちまえ! 337 00:31:48,297 --> 00:32:09,085 ♬~ 338 00:32:09,085 --> 00:32:14,457 これは これは はははっ。 御趣向でございますねえ。 339 00:32:14,457 --> 00:33:13,916 ♬~ 340 00:33:13,916 --> 00:33:18,787 (木遣り) 341 00:33:18,787 --> 00:34:06,502 ♬~ 342 00:34:06,502 --> 00:34:14,176 ♬「もう一度 その手で」 343 00:34:14,176 --> 00:34:22,885 ♬「私を 抱きしめてくれますか」 344 00:34:22,885 --> 00:34:30,626 ♬「めぐり逢えたなら」 345 00:34:30,626 --> 00:34:38,367 ♬「燃え尽きる星が」 346 00:34:38,367 --> 00:34:46,108 ♬「欠けてゆく月が」 347 00:34:46,108 --> 00:34:52,615 ♬「願い 宿しながら」 348 00:34:52,615 --> 00:35:01,724 ♬「それでも 輝いていた」 349 00:35:01,724 --> 00:35:08,497 ♬「愛を とめないで」 350 00:35:08,497 --> 00:35:17,106 ♬「失っても 嘆かないで」 351 00:35:17,106 --> 00:35:24,206 ♬「離れてこそ そばにいる」 352 00:35:26,582 --> 00:35:30,282 すべて 終わりました。 353 00:35:32,388 --> 00:35:34,423 はい。 354 00:35:34,423 --> 00:35:58,923 ♬~ 355 00:36:05,654 --> 00:36:10,492 坂崎様 例の 参勤下番の2千5百両➡ 356 00:36:10,492 --> 00:36:14,363 御用立てすることに 決まりました。 357 00:36:14,363 --> 00:36:19,568 それは ありがたいことです。 殿様にも お会いいたしましたよ。 358 00:36:19,568 --> 00:36:23,972 あなたのお考えだそうですな。 中居様から お聞きしました。 359 00:36:23,972 --> 00:36:29,478 あなたの たくらみどおり 私も旦那様も 殿様の人柄には➡ 360 00:36:29,478 --> 00:36:31,413 感服いたしました。 361 00:36:31,413 --> 00:36:39,455 (実孝)今津屋 儂と奥とで 用意できるものは すべて出した。 362 00:36:39,455 --> 00:36:42,725 なんとか よろしく頼む。 363 00:36:42,725 --> 00:36:46,095 (お代の方) 私からも お頼み申します。 364 00:36:46,095 --> 00:36:51,233 (吉右衛門)頭を お上げ下さい。 殿様 奥方様。 365 00:36:51,233 --> 00:36:54,533 (実孝)では なんとかなるか!? 366 00:36:57,039 --> 00:36:59,742 ようございます。 367 00:36:59,742 --> 00:37:05,347 ただし いかに 殿様の 持ち物とはいえ あれだけで➡ 368 00:37:05,347 --> 00:37:09,347 2千5百両の 質草にはなりませぬ。 369 00:37:12,121 --> 00:37:15,357 では どうすればよい? 370 00:37:15,357 --> 00:37:20,329 元御家中の 坂崎磐音様の お体で申し受けます。 371 00:37:20,329 --> 00:37:22,931 今 何と申した!? 372 00:37:22,931 --> 00:37:28,771 2千5百両の質草 坂崎磐音様の お体で申し受けますと。 373 00:37:28,771 --> 00:37:35,377 もし 御返借なき時は 坂崎様の 御身 今津屋にて もらい受けます。 374 00:37:35,377 --> 00:37:38,046 なんと! 375 00:37:38,046 --> 00:37:43,585 坂崎磐音は 今は 藩を離れているが 大事な家臣だ。 376 00:37:43,585 --> 00:37:48,290 その家臣を 質草に出す大名など 聞いたことがない。 377 00:37:48,290 --> 00:37:53,128 お殿様 ものは考えようでございます。 378 00:37:53,128 --> 00:37:59,668 2千5百両もの値のつく 坂崎様のいる 豊後関前藩➡ 379 00:37:59,668 --> 00:38:03,539 なかなかのものでは ございませぬか。 380 00:38:03,539 --> 00:38:10,279 そうです。 坂崎磐音を 高う買うてくれたのです。 381 00:38:10,279 --> 00:38:15,617 よろこばしいかぎりでは ありませぬか 殿。 382 00:38:15,617 --> 00:38:21,517 うん… や… 奥 そうは言うがのう…。 383 00:38:24,860 --> 00:38:29,531 金がないとは 悲しいことだのう。 384 00:38:29,531 --> 00:38:38,106 ♬~ 385 00:38:38,106 --> 00:38:42,878 よかったですね。 参勤下番の金子が間に合って。 386 00:38:42,878 --> 00:38:45,781 今津屋殿のおかげです。 387 00:38:45,781 --> 00:38:51,620 坂崎さんに はめられたって 元締めさんが言ってましたけど。 388 00:38:51,620 --> 00:38:55,120 それは ひどい。 フフフッ。 389 00:38:58,694 --> 00:39:02,030 (吉右衛門)どうした? 390 00:39:02,030 --> 00:39:07,536 (お艶)坂崎様は生涯 妻を娶らぬと 決めてるかも しれませんね。 391 00:39:07,536 --> 00:39:11,836 え? 何となく そんな気が。 392 00:39:13,842 --> 00:39:16,512 ここに嫁いで 10年。 393 00:39:16,512 --> 00:39:21,083 お前様にも あのような お子を 産んでさしあげたかった。 394 00:39:21,083 --> 00:39:24,987 また始まった。 いつも言ってるはずです。 395 00:39:24,987 --> 00:39:29,758 子は 天からの授かりもの。 1年で授かる人もいれば➡ 396 00:39:29,758 --> 00:39:34,096 15年過ぎて 子宝の知らせが届くこともある。 397 00:39:34,096 --> 00:39:37,099 私には もう無理でございます。 398 00:39:37,099 --> 00:39:40,502 また 塞ぎの虫が 始まったのかい。 399 00:39:40,502 --> 00:39:45,802 そんなことよりも 滋養をつけて 元気にならねば。 400 00:39:49,211 --> 00:39:52,311 お前様。 ん? 401 00:39:55,417 --> 00:39:59,321 実家に戻らせて 頂けませんか? 402 00:39:59,321 --> 00:40:02,691 お願いでございます。 403 00:40:02,691 --> 00:40:04,760 お艶! 404 00:40:04,760 --> 00:40:26,381 ♬~ 405 00:40:26,381 --> 00:40:29,751 どうしたんですか それ? 406 00:40:29,751 --> 00:40:33,622 風に乗って 舞ってきたのです。 407 00:40:33,622 --> 00:41:07,155 ♬~ 408 00:41:07,155 --> 00:41:12,355 もう 奈緒と会うことはないと 磐音は思った。 409 00:41:14,663 --> 00:41:21,103 白い鶴は 川を流れ そして 消えていった。 410 00:41:21,103 --> 00:41:35,003 ♬~ 411 00:41:58,573 --> 00:42:06,081 ♬「もう一度 その手で」 412 00:42:06,081 --> 00:42:14,589 ♬「私を 抱きしめてくれますか」 413 00:42:14,589 --> 00:42:21,463 ♬「めぐり逢えたなら」 414 00:42:21,463 --> 00:42:29,604 ♬「燃え尽きる星が」 415 00:42:29,604 --> 00:42:37,412 ♬「欠けてゆく月が」 416 00:42:37,412 --> 00:42:43,552 ♬「願い 宿しながら」 417 00:42:43,552 --> 00:42:53,562 ♬「それでも 輝いていた」 418 00:42:53,562 --> 00:43:00,068 ♬「愛を とめないで」 419 00:43:00,068 --> 00:43:09,077 ♬「失っても 嘆かないで」 420 00:43:09,077 --> 00:43:15,584 ♬「離れてこそ そばにいる」 421 00:43:15,584 --> 00:43:25,584 ♬「Always Loving You」