1 00:00:38,915 --> 00:00:41,818 よう おこんちゃん。 どこへ行くんだい? 2 00:00:41,818 --> 00:00:44,421 昼の日中から 色男と道行きかい? 3 00:00:44,421 --> 00:00:47,421 (おこん)大きなお世話よ。 ちょっと もう! 4 00:00:55,432 --> 00:00:58,432 (風鈴の音) 5 00:01:04,441 --> 00:01:07,343 おこんさん。 6 00:01:07,343 --> 00:01:10,313 お待たせしました。 いえ こちらこそ。 7 00:01:10,313 --> 00:01:12,782 ご足労を おかけいたす。 なんの。 8 00:01:12,782 --> 00:01:16,953 坂崎殿の頼みとあらば たとえ火の中 水の中! 9 00:01:16,953 --> 00:01:21,458 は…? ねえ… 何を祈ってたの? 10 00:01:21,458 --> 00:01:26,963 関前にいる妹の祝言が 無事に済むようにと。 11 00:01:26,963 --> 00:01:29,466 そう。 12 00:01:29,466 --> 00:01:34,304 …けど 本当にいいんですか? お国に戻らなくて。 13 00:01:34,304 --> 00:01:37,273 某は お家を抜けた身の上。 14 00:01:37,273 --> 00:01:40,744 ご家中の方々がおみえになる 祝言に➡ 15 00:01:40,744 --> 00:01:42,679 顔を出すことはできません。 けど…。 16 00:01:42,679 --> 00:01:45,415 よいのです。 そう。 17 00:01:45,415 --> 00:01:48,318 …だったら ご家中の方々が あっと驚くような➡ 18 00:01:48,318 --> 00:01:51,287 お祝いの品を 私が見繕ってさしあげます。 19 00:01:51,287 --> 00:01:55,287 フフフッ! はい。 20 00:01:58,428 --> 00:02:03,099 (番頭)いかがでございましょう? う~ん そうねえ…。 21 00:02:03,099 --> 00:02:07,437 うん じゃ これで お願いします。 (番頭)ありがとうございます。➡ 22 00:02:07,437 --> 00:02:12,308 それでは 仕立代込みで 8両2分ということで。 23 00:02:12,308 --> 00:02:16,946 「8両」…!? おこんさん。 某 持ち合わせが…。 24 00:02:16,946 --> 00:02:19,449 立て替えてさしあげます。 25 00:02:19,449 --> 00:02:21,785 ≪ありがとうございました。 どうも。 26 00:02:21,785 --> 00:02:25,455 じゃ 次は小間物屋ね。 次でござるか? 27 00:02:25,455 --> 00:02:28,358 そう。 今津屋からの お祝いの品を探さなきゃ。 28 00:02:28,358 --> 00:02:30,326 それは お気持ちだけで。 29 00:02:30,326 --> 00:02:33,897 旦那様と 元締さんからも お許しを得てるの。 30 00:02:33,897 --> 00:02:36,897 ウフフッ 何だか楽しくなってきちゃった。 31 00:02:38,768 --> 00:02:44,908 この青年 坂崎磐音は 豊後関前藩 福坂家の家臣だったが➡ 32 00:02:44,908 --> 00:02:48,778 故あって 今は 江戸で浪人暮らしをしている。 33 00:02:48,778 --> 00:02:53,416 数えて 4年目の夏を迎えていた。 34 00:02:53,416 --> 00:03:03,416 ♬~ 35 00:03:05,428 --> 00:03:10,300 磐音は 毎朝 この宮戸川で 鰻割きの仕事をしている。 36 00:03:10,300 --> 00:03:14,800 1日 百文。 腕は確かである。 37 00:03:17,440 --> 00:03:20,343 (幸吉)どうでい 親方? (鉄五郎)いい鰻だ。➡ 38 00:03:20,343 --> 00:03:22,946 いつもの値段で 買い取るぜ。 39 00:03:22,946 --> 00:03:25,448 よかったですね 師匠。 40 00:03:25,448 --> 00:03:27,784 おいらの取ってきた鰻は 天下一さ! 41 00:03:27,784 --> 00:03:31,120 せっかくの生きた鰻を 死んで炙りにかけないでくれよ➡ 42 00:03:31,120 --> 00:03:33,056 浪人さん。 (松吉)何言ってんだ 幸吉。 43 00:03:33,056 --> 00:03:36,726 この仕事は 鰻を背開きにして 成仏させる仕事だ。 44 00:03:36,726 --> 00:03:39,062 とっくに死んでら。 松! 45 00:03:39,062 --> 00:03:41,898 だから てめえの仕事は 半端なんだ。 いいか? 46 00:03:41,898 --> 00:03:45,768 同じ鰻でも始末次第で 死んだのと 生きたのに分けられるんだ。 47 00:03:45,768 --> 00:03:48,771 生きたまま炙った鰻は うまい蒲焼きになる。 48 00:03:48,771 --> 00:03:53,910 そこが おめえと坂崎さんの 腕の違いなんだよ! 49 00:03:53,910 --> 00:03:57,910 あっ… あっ…。 また これだ! 50 00:04:01,417 --> 00:04:06,417 磐音は 鰻の臭いを消すため 毎朝 湯につかる。 51 00:04:11,427 --> 00:04:14,330 ぐっすり 眠っておいででした。 52 00:04:14,330 --> 00:04:18,330 湯は極楽です。 そうですな。 53 00:04:20,436 --> 00:04:26,309 そういや この湯屋に ヤットウが 滅法界達者なお侍が➡ 54 00:04:26,309 --> 00:04:31,381 来ると聞きやしたが… あなた様のことで? 55 00:04:31,381 --> 00:04:35,251 腕があるかどうかは 定かではありませんが➡ 56 00:04:35,251 --> 00:04:38,288 毎朝 ここで湯につかります。 57 00:04:38,288 --> 00:04:41,391 いい湯ですな。 はい。 58 00:04:41,391 --> 00:04:44,391 …では またいずれ。 59 00:04:52,402 --> 00:04:54,737 (徳三)いててて! (おいち)この バカ亭主! 60 00:04:54,737 --> 00:04:57,073 何だと! もういっぺん 言ってみろ! この野郎! 61 00:04:57,073 --> 00:05:00,944 (はつね)およしったら およしよ! およし! 62 00:05:00,944 --> 00:05:03,846 ねえ… 一体 何があったっていうんだい? 63 00:05:03,846 --> 00:05:06,783 仕事をな 辞めさせられたんだって このバカ。 64 00:05:06,783 --> 00:05:08,785 バカとは何だ! バカとは! 65 00:05:08,785 --> 00:05:11,087 バカだから バカだって言ってんだよ! 66 00:05:11,087 --> 00:05:13,423 明日っから おまんまの食い上げじゃないか! 67 00:05:13,423 --> 00:05:16,092 なに言ってやがんだい。 こちとらな 江戸っ子なんだよ! 68 00:05:16,092 --> 00:05:19,429 「金は天下の回り物」つってな。 なっ? 69 00:05:19,429 --> 00:05:22,098 あんた 一体 どっちの味方なんだい? 70 00:05:22,098 --> 00:05:24,434 面白けりゃ どっちでもいい。 ハハハハ! 71 00:05:24,434 --> 00:05:26,769 揃いも揃って 甲斐性なしばっかりだい! 72 00:05:26,769 --> 00:05:28,805 何だと この野郎! 73 00:05:28,805 --> 00:05:32,875 これは皆さん。 お揃いで。 74 00:05:32,875 --> 00:05:37,380 ご両人。 仕事は いかがした? いかがしたも何もね➡ 75 00:05:37,380 --> 00:05:40,283 朝起きたら 今日は 仕事しなくていいよって➡ 76 00:05:40,283 --> 00:05:43,252 耳元で聞こえて それで飲んじゃった。 77 00:05:43,252 --> 00:05:46,389 ついでに おいらも お相伴とくらぁ。 ハハッ! 78 00:05:46,389 --> 00:05:48,725 浪人さん。 何とか言ってやって。 79 00:05:48,725 --> 00:05:51,627 お父っつぁんたら 仕事まで なくしちゃったのよ。 80 00:05:51,627 --> 00:05:54,530 ったく おそめちゃんが 泣いてんだぞ。 さっきから。 81 00:05:54,530 --> 00:05:57,400 徳三殿。 少し 考えを改めねば。 82 00:05:57,400 --> 00:05:59,902 徳! 少しは おめえ 考えろ! 83 00:05:59,902 --> 00:06:01,838 分かりました。 うん うん…。 84 00:06:01,838 --> 00:06:04,240 って おめえもだろうが! 俺もか。 85 00:06:04,240 --> 00:06:07,276 (笑い声) 86 00:06:07,276 --> 00:06:14,884 (金兵衛)皆の衆! 新しいお仲間が 引っ越してこられました~! 87 00:06:14,884 --> 00:06:20,089 (武左衛門)おお 坂崎さん。 わざわざのお出迎え 痛み入る。 88 00:06:20,089 --> 00:06:23,760 えっ? ああ… そうでした。 89 00:06:23,760 --> 00:06:26,095 今日でしたね。 竹村さんの引っ越しは。 90 00:06:26,095 --> 00:06:29,766 勢津殿 よう参られました。 はい。 いろいろ➡ 91 00:06:29,766 --> 00:06:33,636 お世話になります 坂崎様。 こちらこそ。 92 00:06:33,636 --> 00:06:36,572 (柳次郎)坂崎さん。 何とか言って下さいよ。 93 00:06:36,572 --> 00:06:39,575 竹村の旦那ときたら 何だかんだと言い繕って➡ 94 00:06:39,575 --> 00:06:42,712 荷物を持とうとも しやしないんですから。 95 00:06:42,712 --> 00:06:45,381 柳次郎。 細かいことは気にするな。 96 00:06:45,381 --> 00:06:47,717 そうだ。 柳次郎から聞いたのだが➡ 97 00:06:47,717 --> 00:06:50,753 貴公は 江戸600軒の両替商を束ねる➡ 98 00:06:50,753 --> 00:06:54,223 両替商行司 今津屋と 昵懇だとか。 99 00:06:54,223 --> 00:06:57,126 折を見て わしを 紹介してはくれぬか? 100 00:06:57,126 --> 00:07:00,730 見てのとおり 子が4人もおってな 大変なのだ。 101 00:07:00,730 --> 00:07:04,400 ハッハッハッハ…。 (せきばらい) 102 00:07:04,400 --> 00:07:10,073 そんなことでしたら このあっしが 口を利いてさしあげましょうか。 103 00:07:10,073 --> 00:07:16,846 今津屋の奥向きを束ねているのは あっしの娘の こんでごぜえやす。 104 00:07:16,846 --> 00:07:22,652 おお そうか。 ハッハッハッハ! まさに 「鳶が鷹」だな。➡ 105 00:07:22,652 --> 00:07:26,422 いや 「掃き溜めに鶴」か。 106 00:07:26,422 --> 00:07:28,422 (武左衛門の笑い声) 107 00:07:32,862 --> 00:07:38,367 [ 心の声 ] 琴平 慎之輔 舞殿。 108 00:07:38,367 --> 00:07:43,239 関前の物産を載せた船が 江戸に向かっておる。 109 00:07:43,239 --> 00:07:47,376 無事着くよう 力を貸してくれ。 110 00:07:47,376 --> 00:07:51,376 ≪(半鐘) 111 00:07:57,053 --> 00:08:00,556 風下ですね。 うん。 112 00:08:00,556 --> 00:08:04,427 そういえば 板橋と内藤新宿で 付け火をしておき➡ 113 00:08:04,427 --> 00:08:07,430 その騒ぎに紛れて 押し込みが入ったそうですね。 114 00:08:07,430 --> 00:08:11,267 「黒頭巾の一党」だな。 「黒頭巾」…? 115 00:08:11,267 --> 00:08:14,904 (柳次郎)黒頭巾を被った男達が 店の者を殺し➡ 116 00:08:14,904 --> 00:08:17,240 有り金 残らず かっさらっていくんだそうです。 117 00:08:17,240 --> 00:08:21,410 (武左衛門)内藤新宿で 3人 板橋で 2人 殺されておる。 118 00:08:21,410 --> 00:08:25,281 奴ら そろそろ この界隈にも 姿を現す頃合だな。 119 00:08:25,281 --> 00:08:28,751 今津屋が心配です。 行ってみます。 120 00:08:28,751 --> 00:08:32,021 では 私も。 121 00:08:32,021 --> 00:08:35,021 酔狂な者どもだ。 122 00:08:36,692 --> 00:08:39,729 あ~っ! 123 00:08:39,729 --> 00:08:44,229 今津屋のご機嫌取りに参ったな! 待て! わしも行く。 124 00:08:51,240 --> 00:08:55,378 おこんさん 元締殿。 坂崎さん 品川さん! どうして? 125 00:08:55,378 --> 00:08:58,881 例の黒頭巾一党のことが心配で 出張ってきたというわけです。 126 00:08:58,881 --> 00:09:00,816 (由蔵)それは それは。 127 00:09:00,816 --> 00:09:06,389 しかし この風向きでは 火は こちらの方には来ませんな。 128 00:09:06,389 --> 00:09:09,292 ですが 何があるか分かりません。 そう。 129 00:09:09,292 --> 00:09:12,261 某が 火元を 確かめてまいりましょう。 130 00:09:12,261 --> 00:09:14,897 頼んだぞ! 131 00:09:14,897 --> 00:09:17,400 いや~ こういう時には やっぱり 坂崎様は➡ 132 00:09:17,400 --> 00:09:20,903 本当 頼りになりますなあ。 ほんと。 133 00:09:20,903 --> 00:09:24,407 ん? ん? で どちら様? 134 00:09:24,407 --> 00:09:27,310 おい 柳次郎。 135 00:09:27,310 --> 00:09:29,278 おい! 136 00:09:29,278 --> 00:09:33,278 ≪(擂半) 137 00:09:36,352 --> 00:09:40,223 通せ! 南町奉行所である。 道を空けろ! 138 00:09:40,223 --> 00:09:45,027 笹塚様。 (笹塚)おお 居眠り殿か。 139 00:09:45,027 --> 00:09:47,363 黒頭巾が心配で 出張ってきたのか。 140 00:09:47,363 --> 00:09:50,032 某 奉行所の 雇われ人ではない。 141 00:09:50,032 --> 00:09:54,370 まあまあ… そう言うな。 (松吉)旦那 大変だ! 142 00:09:54,370 --> 00:09:56,706 浪人さん? 地蔵の親分。 143 00:09:56,706 --> 00:09:58,641 黒頭巾ですか? (竹蔵)ああ。 144 00:09:58,641 --> 00:10:02,044 元大坂町の呉服屋が やられやした。 (笹塚)何だと!? 145 00:10:02,044 --> 00:10:04,380 店先に これが。 146 00:10:04,380 --> 00:10:07,883 お店の者が 7人殺され 金蔵も荒らされてやす。 147 00:10:07,883 --> 00:10:10,883 皆 続け! そなたも来い! 148 00:10:16,392 --> 00:10:19,295 許せねえ! 149 00:10:19,295 --> 00:10:32,295 ♬~ 150 00:10:36,412 --> 00:10:39,412 木下 奥へ回れ! (木下)はい。 151 00:10:46,422 --> 00:10:56,432 ♬~ 152 00:10:56,432 --> 00:10:58,367 ≪(物音) 153 00:10:58,367 --> 00:11:17,453 ♬~ 154 00:11:17,453 --> 00:11:21,953 誰かおるか? 奉行所に関わりのある者だ。 155 00:11:32,401 --> 00:11:35,304 この店の奉公人だな。 名は何と申す? 156 00:11:35,304 --> 00:11:37,273 はま。 157 00:11:37,273 --> 00:11:40,276 ここに隠れていて 難を逃れたか? 158 00:11:40,276 --> 00:11:44,413 吉祥天の親方 吉祥天の親方…。 159 00:11:44,413 --> 00:11:46,349 どうした? 160 00:11:46,349 --> 00:11:50,286 「吉祥天の親方とは 稼ぎが違う」と言ってた。 161 00:11:50,286 --> 00:11:52,286 賊が? 162 00:11:55,925 --> 00:12:00,429 もう 大丈夫です。 163 00:12:00,429 --> 00:12:03,933 泣くなって。 心配ねえぞ。 164 00:12:03,933 --> 00:12:05,868 4年前…? 165 00:12:05,868 --> 00:12:08,804 同じように 「黒頭巾」と名乗る一党の➡ 166 00:12:08,804 --> 00:12:11,440 押し込みがあったことを 思い出してな。 167 00:12:11,440 --> 00:12:14,343 (木下)あちこちの店を襲って 2千7百両余りの金を盗み➡ 168 00:12:14,343 --> 00:12:16,946 そのまま 姿をくらましたのです。 169 00:12:16,946 --> 00:12:21,450 「犯さず 殺さず 火付けせず」…。 170 00:12:21,450 --> 00:12:25,955 後で 店が困らぬように 幾許かの金を残していくという➡ 171 00:12:25,955 --> 00:12:29,458 鮮やかな手口でな。 172 00:12:29,458 --> 00:12:34,296 此度とは 似ても似つかぬ。 173 00:12:34,296 --> 00:12:37,266 だが どうにも気になる。 174 00:12:37,266 --> 00:12:42,405 もし 同じ一党だとしたらだ 一味の間に➡ 175 00:12:42,405 --> 00:12:49,105 何かあったのかもしれぬ。 どうだ? そうは思わぬか? 176 00:12:50,746 --> 00:12:54,417 (おはま)「吉祥天の親方とは 稼ぎが違う」と言ってた。 177 00:12:54,417 --> 00:12:57,417 許せねえ! 178 00:13:03,426 --> 00:13:09,298 数日後 海産物を満載した 関前からの千石船が➡ 179 00:13:09,298 --> 00:13:12,435 江戸に着いた。 180 00:13:12,435 --> 00:13:15,938 藩の財政を立て直す 物産取り引きの実現に➡ 181 00:13:15,938 --> 00:13:20,443 一肌脱いだのが 両替商行司の今津屋であった。 182 00:13:20,443 --> 00:13:23,779 (中居)それにしても 嵐で他国の船が➡ 183 00:13:23,779 --> 00:13:26,816 散々な目に遭っていると 聞いた時は 肝を冷やし申した。 184 00:13:26,816 --> 00:13:31,887 いや しかし 中居様 此度のことは ご家中にとって もっけの幸い。 185 00:13:31,887 --> 00:13:37,393 他国の品が入らなければ 関前の物産は高う売れます。 186 00:13:37,393 --> 00:13:39,728 これも 若狭屋に 引き合わせて頂いた➡ 187 00:13:39,728 --> 00:13:43,399 今津屋殿 元締殿のおかげ。 礼を申す。 188 00:13:43,399 --> 00:13:46,902 (吉右衛門)いや なんの。 お家勝手向きの立て直しに➡ 189 00:13:46,902 --> 00:13:49,805 私どもが お役に立ちたいと願ったのは➡ 190 00:13:49,805 --> 00:13:52,775 坂崎様がおられたればこそです。 そうであった。 191 00:13:52,775 --> 00:13:55,911 坂崎 このとおりだ。 192 00:13:55,911 --> 00:13:59,415 おやめ下さい 中居様。 少しでも お家の借財が➡ 193 00:13:59,415 --> 00:14:02,918 減らせることができれば 某は それで本望なのです。 194 00:14:02,918 --> 00:14:05,821 何を言う。 そなたは いまだに お家を抜けたまま。➡ 195 00:14:05,821 --> 00:14:08,791 妹御の祝言にも 戻れぬのであろう。➡ 196 00:14:08,791 --> 00:14:12,928 それに 奈緒殿のことは どうだ?➡ 197 00:14:12,928 --> 00:14:17,800 わしが胸を痛めているのは 奈緒殿のことも同じだ。 198 00:14:17,800 --> 00:14:22,600 3年前のことであった。 199 00:14:24,440 --> 00:14:29,311 国もとの事件がもとで 磐音の許婚であった奈緒は➡ 200 00:14:29,311 --> 00:14:36,311 苦界へと身を沈め 今や 吉原の 人気花魁 白鶴に姿を変えていた。 201 00:14:38,387 --> 00:14:42,258 それも これも わが家中の者のせい。 202 00:14:42,258 --> 00:14:45,261 それを忘れてはならんのだ。 203 00:14:45,261 --> 00:14:48,097 なのに…。 204 00:14:48,097 --> 00:14:51,901 何かあったのですか? 205 00:14:51,901 --> 00:14:58,674 殿のいとこで 福坂利高という方を 存じておるか? 206 00:14:58,674 --> 00:15:03,412 父が いつか 「殿の右腕になる 聡明なお方だ」と申しておるのを➡ 207 00:15:03,412 --> 00:15:05,347 聞いたことがありますが…。 208 00:15:05,347 --> 00:15:09,285 そのお方が ふたつき前 江戸家老として出府なされた。 209 00:15:09,285 --> 00:15:12,922 それは ようございましたな。 210 00:15:12,922 --> 00:15:17,760 なんの。 噂は あくまで噂でござった。➡ 211 00:15:17,760 --> 00:15:22,932 今や 利高様は 取り巻きに囲まれ 江戸での贅沢な暮らしを➡ 212 00:15:22,932 --> 00:15:25,432 謳歌なされておられる。 213 00:15:27,436 --> 00:15:29,772 まことでございますか? (中居)さればだ。 214 00:15:29,772 --> 00:15:33,375 吉原の彦屋にも登楼したそうな。 215 00:15:33,375 --> 00:15:37,880 「吉原の彦屋」…? それって まさか…!? 216 00:15:37,880 --> 00:15:39,815 その まさかだ おこん殿。➡ 217 00:15:39,815 --> 00:15:45,754 利高様は 白鶴となった奈緒殿を 酒肴にしようとしたのだ。 218 00:15:45,754 --> 00:15:49,892 そんな…。 そんなひどいことって ありますか! 219 00:15:49,892 --> 00:15:51,827 おこん! 220 00:15:51,827 --> 00:15:54,827 申し訳ありませんでした。 221 00:15:59,902 --> 00:16:02,805 それで… 奈緒とは? 222 00:16:02,805 --> 00:16:08,410 これには 彦屋の方も気づいてな 丁重に断られたようだ。 223 00:16:08,410 --> 00:16:18,410 坂崎… 利高様は 宍戸同様 「獅子身中の虫」となるやもしれん。 224 00:16:35,871 --> 00:16:38,371 おこんさん。 225 00:16:40,743 --> 00:16:45,381 腹がへりました。 飯を所望してもよろしいかな? 226 00:16:45,381 --> 00:16:47,381 えっ…? 227 00:16:49,885 --> 00:16:52,385 あ… はい。 228 00:16:54,390 --> 00:16:56,390 (おしま)あんた…。 あんた! 229 00:16:58,260 --> 00:17:01,897 もう どこに行っちゃったんだか。 230 00:17:01,897 --> 00:17:04,400 すみませんね。 231 00:17:04,400 --> 00:17:07,302 黒頭巾の騒動で 忙しいのではありませんか? 232 00:17:07,302 --> 00:17:09,271 いい気なもんですよ。 233 00:17:09,271 --> 00:17:12,274 親分なんて おだてられちゃって その気になってんだから。 234 00:17:12,274 --> 00:17:14,410 ねえ? 235 00:17:14,410 --> 00:17:16,912 いらっしゃい。 236 00:17:16,912 --> 00:17:19,412 毎度。 237 00:17:30,426 --> 00:17:36,865 某 深川六間堀 金兵衛長屋の浪人 坂崎磐音と申す。 238 00:17:36,865 --> 00:17:39,768 そいつは どうも…。 239 00:17:39,768 --> 00:17:42,768 吉祥天の親方ですね? 240 00:17:44,740 --> 00:17:48,877 黒頭巾一味の頭が代わったのは 何ゆえですか? 241 00:17:48,877 --> 00:17:51,380 …どういうことで? 242 00:17:51,380 --> 00:17:57,252 「犯さず 殺さず 火付けせず」。 4年前の黒頭巾の押し込みには➡ 243 00:17:57,252 --> 00:18:02,391 盗っ人なりの気概のようなものが 感じられます。 244 00:18:02,391 --> 00:18:05,894 だが 此度の黒頭巾は許せない。 245 00:18:05,894 --> 00:18:11,400 同じ黒頭巾なら 頭が代わったとしか思えません。 246 00:18:11,400 --> 00:18:14,903 あれは 外道働きってやつで…。 へい。 247 00:18:14,903 --> 00:18:18,403 親方は それを 許せないのではありませんか? 248 00:18:22,411 --> 00:18:27,411 この傷は 友を斬った時に できたものです。 249 00:18:29,284 --> 00:18:34,990 いまだに 冬になると キリキリと痛みます。 250 00:18:34,990 --> 00:18:38,360 旦那は そいつを背負って 生きていくってわけですかい。 251 00:18:38,360 --> 00:18:42,231 もっとも 人っつうのは みんな そんなもんだ。 252 00:18:42,231 --> 00:18:45,868 何かを背負って 生きていかなきゃならねえ。 253 00:18:45,868 --> 00:18:48,868 ま… こいつのようにね。 254 00:18:51,373 --> 00:18:54,873 いいねえ…。 旦那の笑い顔は。 255 00:18:57,246 --> 00:19:02,246 何か 某にできることは ござらぬか? 256 00:19:09,391 --> 00:19:13,896 今夜は 満月には ちょいと早いが 十三夜。 257 00:19:13,896 --> 00:19:19,701 月を見るなら 浅草黒船町の煙管屋 「村田屋」の近くが➡ 258 00:19:19,701 --> 00:19:23,906 ようございましょう。 ただし… お一人で。 259 00:19:23,906 --> 00:19:26,809 相分かった。 260 00:19:26,809 --> 00:19:29,778 では… お先に。 261 00:19:29,778 --> 00:19:39,778 ♬~ 262 00:19:43,859 --> 00:19:46,859 手下どもの仕業でさ。 263 00:19:48,730 --> 00:19:52,868 もう ここしか あっしらが 狙いをつけた所はねえんでね。 264 00:19:52,868 --> 00:19:55,771 間違いなく 参三は ここに現れる。 265 00:19:55,771 --> 00:19:57,739 「参三」…? 266 00:19:57,739 --> 00:20:01,376 「居合の参三」。 元をたどれば 武家でね。 267 00:20:01,376 --> 00:20:04,880 民弥流とかいう 居合の名人だ。 268 00:20:04,880 --> 00:20:08,383 前から あっしのやり方が 気に入らなかったようで➡ 269 00:20:08,383 --> 00:20:11,286 4年前の盗みの ほとぼりを冷ましてる間に➡ 270 00:20:11,286 --> 00:20:14,256 子分を根こそぎ 乗っ取りやがった。 271 00:20:14,256 --> 00:20:19,394 まあ 吉祥天も 焼きが回ったってことさね。 272 00:20:19,394 --> 00:20:23,894 だが これ以上 血を流させたりはしません。 273 00:20:26,268 --> 00:20:29,268 お頼みしやす。 274 00:20:31,406 --> 00:20:54,429 ♬~ 275 00:20:54,429 --> 00:20:56,429 (参三)誰でえ! 276 00:20:59,301 --> 00:21:01,301 吉祥天の…。 277 00:21:03,105 --> 00:21:07,442 参三! おめえのやり方は許せねえ。 278 00:21:07,442 --> 00:21:11,313 「犯さず 殺さず 火付けせず」か。 279 00:21:11,313 --> 00:21:14,316 能書きたれても しょせんは押し込みじゃねえか! 280 00:21:14,316 --> 00:21:17,452 あげくには 分け前の ひとっかけらも よこさねえ。 281 00:21:17,452 --> 00:21:20,355 こちとら干上がっちまうぜ。 なに言ってやがんだ この野郎! 282 00:21:20,355 --> 00:21:23,959 金を使えば足が付く。 283 00:21:23,959 --> 00:21:27,462 5年は使わねえって はなっからの決まりじゃねえか。 284 00:21:27,462 --> 00:21:30,966 そんな悠長なことは 言ってられねえんだ やっちまえ! 285 00:21:30,966 --> 00:21:33,402 (子分達)へい! 286 00:21:33,402 --> 00:21:46,415 ♬~ 287 00:21:46,415 --> 00:21:48,415 うっ! 288 00:21:57,426 --> 00:21:59,426 (雄たけび) 289 00:22:01,296 --> 00:22:04,766 こやつは 私が。 (武左衛門)おお 心得た~!➡ 290 00:22:04,766 --> 00:22:08,437 うわ~っ! 291 00:22:08,437 --> 00:22:23,437 ♬~ 292 00:22:26,788 --> 00:22:47,488 ♬~ 293 00:22:49,411 --> 00:22:51,346 お見事! 294 00:22:51,346 --> 00:22:56,346 (捕方)御用だ! 御用だ! 295 00:23:01,423 --> 00:23:07,295 居眠り剣法 久々に本領発揮か。 296 00:23:07,295 --> 00:23:09,297 この男が? 297 00:23:09,297 --> 00:23:12,768 はい。 …親方。 298 00:23:12,768 --> 00:23:16,438 悪いとは思ったが 与力殿に 知らせないわけには➡ 299 00:23:16,438 --> 00:23:18,940 まいらなかった。 へい。 300 00:23:18,940 --> 00:23:23,440 あなた様の腕を見込んだ時から その覚悟でさあ。 301 00:23:26,448 --> 00:23:31,887 旦那。 お縄を頂戴いたしやす。 302 00:23:31,887 --> 00:23:34,389 うん。 …木下! 303 00:23:34,389 --> 00:23:36,389 はい! 304 00:23:38,260 --> 00:23:41,897 笹塚様。 親方には どうか お慈悲を。 305 00:23:41,897 --> 00:23:43,932 おっと そんなこと おっしゃっちゃいけません➡ 306 00:23:43,932 --> 00:23:47,769 坂崎様。 どう あがこうと 盗っ人は盗っ人。 307 00:23:47,769 --> 00:23:52,407 この吉祥天 お上の お縄にかけられたからには➡ 308 00:23:52,407 --> 00:23:54,910 獄門 遠島も覚悟しておりやす。 309 00:23:54,910 --> 00:23:57,412 …ですが 親方。 南の旦那。 310 00:23:57,412 --> 00:24:01,917 4年前に盗んだ金 まだ 子分にも 分けちゃおりやせん。 311 00:24:01,917 --> 00:24:05,787 そっくり そのまま お渡しいたしやす。 312 00:24:05,787 --> 00:24:10,625 そうか。 それは 殊勝な心がけじゃ。 313 00:24:10,625 --> 00:24:14,429 恐れ入りやす。 314 00:24:14,429 --> 00:24:19,301 坂崎様。 あんたは まるで お天道様みてえなお人だ。 315 00:24:19,301 --> 00:24:23,772 もっと若い時に出会ってたら このあっしも➡ 316 00:24:23,772 --> 00:24:26,808 吉祥天なんて 背負わない生き方が できたかもしれねえ。 317 00:24:26,808 --> 00:24:31,379 まあ 言っても せんないことですがね。 318 00:24:31,379 --> 00:24:33,882 じゃ。 319 00:24:33,882 --> 00:24:36,882 お達者で。 320 00:24:41,056 --> 00:24:45,056 よ~し 引き揚げじゃ! 321 00:24:47,395 --> 00:24:51,066 竹村さん 品川さん。 わざわざ 申し訳ない。 322 00:24:51,066 --> 00:24:54,936 何を言う。 友ではないか。 ハッハッハ…! 323 00:24:54,936 --> 00:24:58,406 金にならないと ブツブツ言ってたのは どなたでしたかな。 324 00:24:58,406 --> 00:25:01,910 (笹塚)いや 金にはなる。 325 00:25:01,910 --> 00:25:07,782 4年前 奴の奪った金は 2千7百両余り。 326 00:25:07,782 --> 00:25:12,921 奪われた店も 半分 戻ってくれば 御の字のはず。 327 00:25:12,921 --> 00:25:20,795 これで 南の勝手向きも 潤うというものだ。 328 00:25:20,795 --> 00:25:26,434 (笑い声) 329 00:25:26,434 --> 00:25:30,434 私らは 潤わんではないか。 330 00:25:36,244 --> 00:25:39,381 ここは 豊後の国 関前。 331 00:25:39,381 --> 00:25:43,381 磐音の故郷である。 332 00:25:48,390 --> 00:26:01,403 ♬~ 333 00:26:01,403 --> 00:26:04,906 (正睦)伊代。 いかがした? 334 00:26:04,906 --> 00:26:07,576 (伊代)何ゆえでございますか? 335 00:26:07,576 --> 00:26:11,446 何ゆえ 兄上を 私の祝言の席に 呼んではいけませぬか? 336 00:26:11,446 --> 00:26:15,317 また その話か。 337 00:26:15,317 --> 00:26:19,287 磐音はの お家を離れた身の上だ。 338 00:26:19,287 --> 00:26:22,757 ご家中の方々に 合わせる顔などなかろう。 339 00:26:22,757 --> 00:26:26,928 伊代の気持ち 私も よく分かります。 340 00:26:26,928 --> 00:26:29,928 お前までが何だ。 341 00:26:31,766 --> 00:26:37,372 お家が安泰であったのは 磐音が いたからではありませぬか。 342 00:26:37,372 --> 00:26:41,243 国家老のあなたのお力でも 磐音を お家に戻すこと➡ 343 00:26:41,243 --> 00:26:44,246 かなわないのでしょうか? 照埜…。 344 00:26:44,246 --> 00:26:49,384 磐音は 江戸では長屋で暮らし 鰻を割いて生計としているとか。 345 00:26:49,384 --> 00:26:52,287 そのような ありさまでは 江戸のご家中の方々にも➡ 346 00:26:52,287 --> 00:26:54,889 引け目を感じているはず。 347 00:26:54,889 --> 00:26:59,389 それを思うと 私は 口惜しくてなりませぬ。 348 00:27:02,397 --> 00:27:05,300 (門番)中居様でございますか? さよう。 349 00:27:05,300 --> 00:27:07,902 すまぬが 取り次いでもらえぬか。 350 00:27:07,902 --> 00:27:10,805 坂崎様なら ご随意に お通りなさって下さい。 351 00:27:10,805 --> 00:27:13,775 中居様にも さよう おおせつかっております。 352 00:27:13,775 --> 00:27:17,912 それはいかん。 某は お家の人間ではないからな。 353 00:27:17,912 --> 00:27:20,912 分かりました。 少々お待ちを。 354 00:27:24,419 --> 00:27:27,922 (小此木)おやおや。 これは 坂崎殿ではないか。 355 00:27:27,922 --> 00:27:31,422 小此木様。 お久しぶりでございます。 356 00:27:37,365 --> 00:27:39,365 (駕籠の中の男)止めい。 357 00:27:42,237 --> 00:27:46,875 国家老 坂崎殿の嫡男とは その方か? 358 00:27:46,875 --> 00:27:50,875 (棟内) 江戸家老の福坂利高様じゃ。 359 00:27:52,747 --> 00:27:58,386 (利高)お主 お家を自らの意思で 抜けた身の上でありながら➡ 360 00:27:58,386 --> 00:28:03,258 江戸屋敷の勝手向きに いまだ 口出ししてるそうな。 361 00:28:03,258 --> 00:28:07,062 いえ。 そのような…。 黙れ! 362 00:28:07,062 --> 00:28:09,898 わしの目が 節穴とでも思うたか。 363 00:28:09,898 --> 00:28:15,770 よいか。 以後 屋敷に 出入りすることは まかりならん。 364 00:28:15,770 --> 00:28:19,407 物ごいなら裏口へ回れ! 365 00:28:19,407 --> 00:28:21,343 (笑い声) 366 00:28:21,343 --> 00:28:23,278 出せ! 367 00:28:23,278 --> 00:28:50,372 ♬~ 368 00:28:50,372 --> 00:28:56,072 新たなる争いの種が 芽吹き始めていた。 369 00:29:01,383 --> 00:29:05,253 これからのことは 旦那様には 内緒の御用でございます。 370 00:29:05,253 --> 00:29:07,255 来年は お艶の三回忌。 371 00:29:07,255 --> 00:29:11,893 吉右衛門殿が後添いを迎えてこそ お艶も安心するはず。 372 00:29:11,893 --> 00:29:16,393 この こんが 坂崎さんの お嫁さんになってあげる。 373 00:29:18,400 --> 00:30:25,400 ♬~ 374 00:30:33,341 --> 00:30:37,745 「ぐっさんのニッポン国道トラック旅!」。 375 00:30:37,745 --> 00:30:42,617 ドライブ大好き ぐっさんが 13トンの大型トラックに乗って➡ 376 00:30:42,617 --> 00:30:47,422 日本全国津々浦々 国道を走り抜けます。 377 00:30:47,422 --> 00:30:50,758 東京・日本橋から 大阪・梅田まで➡ 378 00:30:50,758 --> 00:30:54,095 およそ600キロをつなぐ国道1号。 379 00:30:54,095 --> 00:30:56,030 今回は 日本橋から➡