1 00:00:34,500 --> 00:00:37,470 (子ども達)わ~い わ~い。 2 00:00:37,470 --> 00:00:39,770 (おいち)ほんと おめでたいことだよ。 3 00:00:42,242 --> 00:00:44,177 (おこん)坂崎さん。 (磐音)おこんさん。 4 00:00:44,177 --> 00:00:46,145 来ていらしてたのですね。 ええ。 5 00:00:46,145 --> 00:00:49,148 勢津さんに ちょいと お願いがあって。 6 00:00:49,148 --> 00:00:53,620 (勢津)私と武左衛門に 帯親に なってほしいと 今津屋殿が。 7 00:00:53,620 --> 00:00:55,555 これ~っ! 帯親? 8 00:00:55,555 --> 00:00:58,491 (はつね)ややこができて 5か月目に入った➡ 9 00:00:58,491 --> 00:01:02,295 最初の戌の日に 岩田帯を巻くのさ。 10 00:01:02,295 --> 00:01:07,166 そしたら 元気な赤ん坊が産まれる という ならわしなんだよ~。 11 00:01:07,166 --> 00:01:10,637 お佐紀様は もうすぐ ややこができて5か月目。 12 00:01:10,637 --> 00:01:13,306 小田原のご実家からは 既に 紅白の絹と➡ 13 00:01:13,306 --> 00:01:15,975 晒し木綿が 届いてるんですよ。 14 00:01:15,975 --> 00:01:18,645 (金兵衛) 昔からね~ 帯親ってのはねぇ➡ 15 00:01:18,645 --> 00:01:23,316 子宝に恵まれた人がやるってのが 決まりなんだよ。 16 00:01:23,316 --> 00:01:26,986 ですが まことに 私達で よろしいのでしょうか? 17 00:01:26,986 --> 00:01:28,922 引き受けちまいなよ~。 18 00:01:28,922 --> 00:01:33,793 天下の今津屋さんの帯祝だもの ごちそうに ありつけるよ~。 19 00:01:33,793 --> 00:01:36,796 いやだ いやだよ 貧乏人は。 違えねぇや。 20 00:01:36,796 --> 00:01:39,565 (一同の笑い声) 21 00:01:39,565 --> 00:01:42,268 では お引き受けいたします。 22 00:01:42,268 --> 00:01:46,606 あ~ よかったぁ~。 では 早速 伝えてまいります じゃあ みんな。 23 00:01:46,606 --> 00:01:49,943 おや? 浪人さんは 置いてけぼりかい。 24 00:01:49,943 --> 00:01:54,814 そりゃ つれなかろうぜ おこんさん~ってか。 25 00:01:54,814 --> 00:01:58,952 お父っつぁ~ん。 某も 佐々木先生の道場に参ります。 26 00:01:58,952 --> 00:02:01,854 一緒に行きましょう。 27 00:02:01,854 --> 00:02:04,290 だそうですよ。 おこんさん。 28 00:02:04,290 --> 00:02:06,626 (一同の笑い声) 29 00:02:06,626 --> 00:02:10,496 行ってらっしゃいまし。 いいわねぇ 若い2人は。 30 00:02:10,496 --> 00:02:12,799 よ~ よ~ ご両人! 31 00:02:12,799 --> 00:02:16,636 ほんと 長屋の人達って 口さがないんだから。 32 00:02:16,636 --> 00:02:18,972 それもまた よしです。 33 00:02:18,972 --> 00:02:22,842 私に ややこができても そう のんびりしてられる? 34 00:02:22,842 --> 00:02:26,142 大変よ 長屋の人達。 えっ? 35 00:02:28,314 --> 00:02:32,919 え…? えっ あ やだ 冗談よ。 36 00:02:32,919 --> 00:02:36,255 ちょっと 驚かせてみたかっただけ。 37 00:02:36,255 --> 00:02:39,592 (おこんの笑い声) 38 00:02:39,592 --> 00:02:41,928 あっ! いかがしました? 39 00:02:41,928 --> 00:02:44,597 嫌だ~ 縁起でもない。 40 00:02:44,597 --> 00:02:49,268 すげ替えればいいだけの話です。 つかまっていて下さい。 41 00:02:49,268 --> 00:03:11,524 ♬~ 42 00:03:11,524 --> 00:03:21,524 ♬~(テーマ音楽) 43 00:03:24,637 --> 00:03:27,637 (竹刀を激しく打ち合う音) 44 00:03:44,123 --> 00:03:46,592 (門人達の嘆声) 45 00:03:46,592 --> 00:03:50,463 (玲圓)磐音。 速水様から 書状があってな。 46 00:03:50,463 --> 00:03:55,601 上様が 家基様に対面された折に 顔つきが しっかりしてきた➡ 47 00:03:55,601 --> 00:03:59,939 城の外に出した かいがあったと 大層 お喜びであったそうだ。 48 00:03:59,939 --> 00:04:02,842 それは ようございました。 うん。 49 00:04:02,842 --> 00:04:06,279 磐音は 鷹の調練と称して➡ 50 00:04:06,279 --> 00:04:09,315 隠密に 城の外に出た 将軍家の世継ぎ➡ 51 00:04:09,315 --> 00:04:13,619 大納言 家基の警護を 玲圓と共に務め上げていた。 52 00:04:13,619 --> 00:04:18,958 ♬~ 53 00:04:18,958 --> 00:04:23,296 大納言 家基を狙ったのは 老中 田沼意次に命じられた➡ 54 00:04:23,296 --> 00:04:26,199 雑賀泰造率いる 雑賀衆であった。 55 00:04:26,199 --> 00:04:28,968 (雑賀)次は必ず 命をもらう。 56 00:04:28,968 --> 00:04:32,668 ♬~ 57 00:04:34,240 --> 00:04:37,910 ≪(玲圓)だが 雑賀の頭領には 逃げられた。 58 00:04:37,910 --> 00:04:40,580 あの者 雑賀泰造というらしい。 59 00:04:40,580 --> 00:04:43,249 雑賀泰造…。 60 00:04:43,249 --> 00:04:45,249 そうであったな 霧子? 61 00:04:46,919 --> 00:04:49,822 この娘 霧子は 磐音と玲圓が闘った➡ 62 00:04:49,822 --> 00:04:51,791 雑賀衆の生き残りであり➡ 63 00:04:51,791 --> 00:04:54,794 磐音によって 命を救われていた。 64 00:04:54,794 --> 00:04:58,094 霧子 道場の暮らしは 慣れたか。 65 00:05:01,267 --> 00:05:05,138 道場の荒くれどもも 霧子には 手を焼いておる。 66 00:05:05,138 --> 00:05:09,942 なんせ 無口での。 どう 扱ってよいか 困っておるらしい。 67 00:05:09,942 --> 00:05:12,845 そうですか。 しかし ここにおれば➡ 68 00:05:12,845 --> 00:05:16,816 家事から剣術まで 一とおりのことは 覚えよう。 69 00:05:16,816 --> 00:05:21,116 その先の道は 自ら選べばよい。 (霧子)…はい。 70 00:05:23,489 --> 00:05:26,489 どうした? …いえ。 71 00:05:39,906 --> 00:05:42,575 慣れるには まだ 時がかかろう。 72 00:05:42,575 --> 00:05:46,445 それは ともかく 磐音。 はっ。 73 00:05:46,445 --> 00:05:49,916 過日 そなたに これからの行く末を決めよと➡ 74 00:05:49,916 --> 00:05:53,586 申したことがあったが どうじゃ? 75 00:05:53,586 --> 00:05:58,286 まだ 決めおらぬなら 我が道場を継いではみぬか。 76 00:06:01,260 --> 00:06:07,600 思いつきで言うておるのではない。 私も もはや 若くはない。 77 00:06:07,600 --> 00:06:11,470 そなたは 私が手がけた 門弟の中で 技量第一。 78 00:06:11,470 --> 00:06:14,470 見識も礼儀も わきまえておる。 79 00:06:16,943 --> 00:06:21,614 私の養子となり この道場を 引き継いではくれぬか。 80 00:06:21,614 --> 00:06:28,314 ♬~ 81 00:06:35,895 --> 00:06:43,195 ♬~ 82 00:06:44,904 --> 00:06:50,576 先生。 そのようなこと 某 ゆめゆめ考えたこともなく…。 83 00:06:50,576 --> 00:06:57,917 では 聞こう。 そなた 豊後関前に帰り 坂崎家を継ぐか? 84 00:06:57,917 --> 00:07:05,258 いえ…。 お家の騒動の折 某は 家中を抜け出ております。 85 00:07:05,258 --> 00:07:08,160 父も そのようなことは 許しはせぬでしょうし➡ 86 00:07:08,160 --> 00:07:10,930 某も そのようなつもりは ございませぬ。 87 00:07:10,930 --> 00:07:14,800 ならば そなたを大切に思うてる 今津屋は どうじゃ。 88 00:07:14,800 --> 00:07:19,500 恐らく なんぞ これからのことを 考えておるであろう。 89 00:07:21,440 --> 00:07:25,640 磐音 そなた 剣を捨てられるか? 90 00:07:27,613 --> 00:07:31,484 それは…。 無理であろう。 91 00:07:31,484 --> 00:07:37,223 ならば聞く。 何もせず まだ このまま➡ 92 00:07:37,223 --> 00:07:42,223 市井の裏長屋の暮らしを 続ける気か。 それでよいのか。 93 00:07:45,097 --> 00:07:50,569 …先生。 某 これまでに やむにやまれず 人を斬り➡ 94 00:07:50,569 --> 00:07:53,569 命を絶ったことも ございます。 95 00:07:55,441 --> 00:07:58,444 かような汚れを持つ身の某が➡ 96 00:07:58,444 --> 00:08:02,915 先生の道場を継ぐなど できましょうや。 97 00:08:02,915 --> 00:08:07,586 そなた 自ら望んで 人を斬ったか。 98 00:08:07,586 --> 00:08:10,489 それは ございません! 99 00:08:10,489 --> 00:08:13,926 であろう。 100 00:08:13,926 --> 00:08:19,799 磐音… 殺人剣と活人剣は 紙一重。 101 00:08:19,799 --> 00:08:27,273 それさえ承知ならば 誰も そなたを責めはせん。 102 00:08:27,273 --> 00:08:36,549 ♬~ 103 00:08:36,549 --> 00:08:44,249 (犬の遠吠え) 104 00:08:46,225 --> 00:08:48,225 (犬の遠吠え) 105 00:08:58,237 --> 00:09:00,906 [ 回想 ] (吉右衛門)おこんは 私どもにとって➡ 106 00:09:00,906 --> 00:09:04,777 身内のようなもの。 いずれ 所帯を持つとして➡ 107 00:09:04,777 --> 00:09:07,580 生計は いかがなされますか? 108 00:09:07,580 --> 00:09:12,251 ♬~ 109 00:09:12,251 --> 00:09:14,920 (由蔵)坂崎様は 今津屋の後見。➡ 110 00:09:14,920 --> 00:09:18,257 刀を算盤に 持ち替えられたとしても➡ 111 00:09:18,257 --> 00:09:21,160 おかしくは ございません。 112 00:09:21,160 --> 00:09:24,930 (中居)おこんさんを 幸せにするのが お主の務め。 113 00:09:24,930 --> 00:09:28,230 安穏と今までのような暮らしを 続けていては いかん。 114 00:09:29,802 --> 00:09:34,540 私の養子となり この道場を 引き継いではくれぬか。 115 00:09:34,540 --> 00:09:38,411 ♬~ 116 00:09:38,411 --> 00:09:40,413 分かりました。 117 00:09:40,413 --> 00:09:50,089 必ず… 必ず… こんのもとに… 帰ってきて下さいまし。 118 00:09:50,089 --> 00:09:54,089 ♬~ 119 00:10:06,906 --> 00:10:27,593 ♬~ 120 00:10:27,593 --> 00:10:31,931 (四出)坂崎磐音。 死ぬ時よ。 121 00:10:31,931 --> 00:10:37,269 お主 何者…? 答える義理はないわ。 122 00:10:37,269 --> 00:10:47,913 ♬~ 123 00:10:47,913 --> 00:10:59,525 (せきこみ) 124 00:10:59,525 --> 00:11:04,964 ♬~ 125 00:11:04,964 --> 00:11:08,300 命冥加な奴よ。 126 00:11:08,300 --> 00:11:15,641 ♬~ 127 00:11:15,641 --> 00:11:21,341 (せきこみ) 128 00:11:30,990 --> 00:11:37,263 霧子… そなたか。 おこんの所に… 行かねば…。 129 00:11:37,263 --> 00:11:45,604 ♬~ 130 00:11:45,604 --> 00:11:48,507 (由蔵)後は 頼みましたよ。 (店の者)はい。 131 00:11:48,507 --> 00:11:50,807 お気を付けて。 はい はい。 132 00:11:53,946 --> 00:11:59,618 ♬~ 133 00:11:59,618 --> 00:12:01,618 坂崎様! 134 00:12:03,489 --> 00:12:06,959 元締殿 不覚を取った…。 135 00:12:06,959 --> 00:12:11,659 わぁ~ あ あ 早く 早く こちらへ! 早う 早う! 136 00:12:13,299 --> 00:12:16,299 おこんさん 坂崎様が けがを! 137 00:12:17,970 --> 00:12:20,670 大したことは ありません。 おこんさん。 138 00:12:22,308 --> 00:12:25,644 元締さん 桂庵先生を! 手前が行ってまいります。 139 00:12:25,644 --> 00:12:29,515 ♬~ 140 00:12:29,515 --> 00:12:32,251 大したことは…。 けが人は黙って! 141 00:12:32,251 --> 00:12:35,154 え~っと お湯 沸かして! それから きれいな晒し! 142 00:12:35,154 --> 00:12:37,154 (女中)あ… はい。 143 00:12:38,924 --> 00:12:40,859 焼酎! 焼酎 持ってきて! 144 00:12:40,859 --> 00:12:43,262 えっ? 早く! 145 00:12:43,262 --> 00:12:56,275 ♬~ 146 00:12:56,275 --> 00:12:58,210 すまぬ。 長屋へ戻ります。 147 00:12:58,210 --> 00:13:01,947 バカなこと 言わないで! こんな深い傷なのよ。 148 00:13:01,947 --> 00:13:03,947 迷惑をかける…。 えっ…? 149 00:13:05,818 --> 00:13:08,821 坂崎さん… 坂崎さん。 ねぇ~ ねぇ~! 150 00:13:08,821 --> 00:13:13,959 坂崎さん! 早く! あ~ そ~っと そっと! 151 00:13:13,959 --> 00:13:16,295 急いで! 降ろして! 降ろして! 152 00:13:16,295 --> 00:13:19,632 ♬~ 153 00:13:19,632 --> 00:13:23,932 坂崎さん… 坂崎さん! 154 00:13:29,308 --> 00:13:32,211 先生 いかがでしょうな? 155 00:13:32,211 --> 00:13:36,115 (桂庵)傷は 少々深い。 血も 相当流れておる。 156 00:13:36,115 --> 00:13:38,584 傷の化のうが 一番怖い。 157 00:13:38,584 --> 00:13:42,454 峠を越すまでは 朦朧とし 高熱が続くでしょう。 158 00:13:42,454 --> 00:13:45,457 油断せぬよう よく冷やして下さい。 159 00:13:45,457 --> 00:13:49,595 お薬を出します。 どなたか 取りにきて下さい。 160 00:13:49,595 --> 00:13:51,930 ありがとうございました。 161 00:13:51,930 --> 00:13:54,266 (お佐紀)おこんさんは ここを 離れてはなりません。 162 00:13:54,266 --> 00:14:00,606 私がお送りします。 ですけど…。 よいのです。 163 00:14:00,606 --> 00:14:02,906 申し訳ございません。 164 00:14:11,617 --> 00:14:15,487 大丈夫… 大丈夫に 決まっています。 165 00:14:15,487 --> 00:14:17,487 一体 誰が このような…。 166 00:14:19,291 --> 00:14:22,591 霧子さんとやら 賊を見たのですか? 167 00:14:26,965 --> 00:14:29,635 [ 回想 ] 坂崎磐音。 死ぬ時よ。 168 00:14:29,635 --> 00:14:35,240 ♬~ 169 00:14:35,240 --> 00:14:41,580 (吉右衛門)病持ちの浪人者…。 (由蔵)しかも 坂崎様を名指しで。 170 00:14:41,580 --> 00:14:46,452 やあ あなたのおかげで 助かりました。 礼を言います。 171 00:14:46,452 --> 00:14:49,922 (由蔵)ありがとうございました。 私からも。 172 00:14:49,922 --> 00:14:54,622 それと さっきは どなったりして ごめんなさい 霧子さん。 173 00:15:04,937 --> 00:15:15,948 ♬~ 174 00:15:15,948 --> 00:15:18,283 どうなさいました? 175 00:15:18,283 --> 00:15:21,186 あの人は ここの女中さんですか? 176 00:15:21,186 --> 00:15:24,623 ああ おこんさんですか。 177 00:15:24,623 --> 00:15:29,495 この今津屋の 奥を任されている お人です。 178 00:15:29,495 --> 00:15:35,195 坂崎様とは… 末を誓い合った仲で ございましてな。 179 00:15:37,569 --> 00:15:39,569 おこんさんが 何か? 180 00:15:42,441 --> 00:15:46,245 どうぞ これを…。 181 00:15:46,245 --> 00:15:50,582 玲圓先生にも よろしく お伝え下さいませ。 はい。 182 00:15:50,582 --> 00:15:52,918 ありがとうございました。 183 00:15:52,918 --> 00:16:00,218 ♬~ 184 00:16:06,465 --> 00:16:09,765 おこんさん… 養子にいってもよいか…。 185 00:16:11,603 --> 00:16:13,603 うん…? 186 00:16:19,478 --> 00:16:21,478 何て言ったの…? 187 00:16:33,859 --> 00:16:35,794 おはようございます。 (武左衛門)うん。 188 00:16:35,794 --> 00:16:37,763 おはようございます。 はい。 189 00:16:37,763 --> 00:16:44,503 ♬~ 190 00:16:44,503 --> 00:16:49,241 竹村様。 これはこれは 元締殿 お早いことで。 191 00:16:49,241 --> 00:16:53,912 え~ この度は 某に お内儀殿の 帯親という大役を任され…。 192 00:16:53,912 --> 00:16:55,848 ちょっと ちょっと こちらへ…。 193 00:16:55,848 --> 00:16:59,148 な… 何だ? 早う! 194 00:17:00,786 --> 00:17:06,258 なんと… 某 何も存ぜず 気楽に まかり越してしもうた。 195 00:17:06,258 --> 00:17:08,193 許せ 坂崎さん! 196 00:17:08,193 --> 00:17:11,597 驚かせてしまい 申し訳ありません。 197 00:17:11,597 --> 00:17:14,499 桂庵先生は 傷さえ うまなければ➡ 198 00:17:14,499 --> 00:17:17,469 命に別状はないと おっしゃるんですがな。 199 00:17:17,469 --> 00:17:22,608 ゆうべから 意識が 戻ってこないのでございますよ。 200 00:17:22,608 --> 00:17:28,947 さようか…。 このようなことでは 帯親の儀式どころでは…。 201 00:17:28,947 --> 00:17:30,883 それとこれとは 別です。 202 00:17:30,883 --> 00:17:34,753 今津屋の大事な跡取り様の 大切なお式です。 203 00:17:34,753 --> 00:17:39,224 次の吉日の戌の日に 執り行います。 204 00:17:39,224 --> 00:17:41,560 あい分かった。 205 00:17:41,560 --> 00:17:45,860 あっ こうはしておられん。 皆に知らせねば。 ごめん。 206 00:17:53,906 --> 00:17:55,841 (竹蔵)なんだと? (おしま)嘘だろ~? 207 00:17:55,841 --> 00:17:59,244 (磯次)俺が そんなことで 嘘つくわけねえだろうが! 208 00:17:59,244 --> 00:18:03,916 大変だ 笹塚様にお伝えしねえと! よっしゃ よっしゃ 行くぞ。 209 00:18:03,916 --> 00:18:06,585 深川の町を 噂が走る…。 210 00:18:06,585 --> 00:18:08,921 (鉄五郎) そいつは 本当のことか? 松! 211 00:18:08,921 --> 00:18:12,791 (松吉)親分から聞いたんだから 間違いありませんて! 212 00:18:12,791 --> 00:18:14,793 (幸吉)浪人さん…。 213 00:18:14,793 --> 00:18:18,597 またたく間に 皆の知るところとなった。 214 00:18:18,597 --> 00:18:26,471 ♬~ 215 00:18:26,471 --> 00:18:29,942 (柳次郎)坂崎さん! (笹塚)静かにせんか。 216 00:18:29,942 --> 00:18:34,212 笹塚様…。 どんな具合なのですか? 217 00:18:34,212 --> 00:18:39,084 傷が うみさえしなければ 大丈夫と言われたんですけど➡ 218 00:18:39,084 --> 00:18:41,086 まだ 目が覚めなくて。 219 00:18:41,086 --> 00:18:45,824 大丈夫。 居眠り殿のことだ。 すぐに 目が覚める。 220 00:18:45,824 --> 00:18:48,560 木下。 (木下)はっ。 221 00:18:48,560 --> 00:18:52,230 居眠り殿を 名指しで襲ったとなると➡ 222 00:18:52,230 --> 00:18:54,566 また 姿を現すことは 必定。 223 00:18:54,566 --> 00:18:58,437 病持ちで 腕が立つ浪人となると そうは いまい。 224 00:18:58,437 --> 00:19:03,241 どこぞに 隠れががあるはず。 竹蔵とともに 探ってみろ。 225 00:19:03,241 --> 00:19:05,177 分かりました。 いいな 竹蔵。 226 00:19:05,177 --> 00:19:08,914 お任せ下さい。 草の根わけても 捜し出してみせますぜ。 227 00:19:08,914 --> 00:19:12,250 ご迷惑をおかけします。 笹塚様。 なんの。 228 00:19:12,250 --> 00:19:18,924 よいか 竹蔵。 金に糸目はつけん。 必ず 捜し出せ。 ほら! 229 00:19:18,924 --> 00:19:21,593 笹塚様…。 早く行け! 230 00:19:21,593 --> 00:19:23,528 …へい! 231 00:19:23,528 --> 00:19:28,467 ♬~ 232 00:19:28,467 --> 00:19:32,871 少しは寝たのですか おこんさん。 はい 大丈夫です。 233 00:19:32,871 --> 00:19:34,806 いいえ 嘘です。 234 00:19:34,806 --> 00:19:38,744 あなたまで 倒れでもしたら それこそ 大変です。 235 00:19:38,744 --> 00:19:41,546 平気です。 これぐらいのこと。 236 00:19:41,546 --> 00:19:44,883 坂崎さんは もっと辛いんですから。 237 00:19:44,883 --> 00:19:49,221 ♬~ 238 00:19:49,221 --> 00:19:51,156 お水 替えてきます。 239 00:19:51,156 --> 00:19:56,456 ♬~ 240 00:19:58,563 --> 00:20:02,434 ≪(由蔵)坂崎様を ご養子に? ≪(吉右衛門)なんと! 241 00:20:02,434 --> 00:20:08,240 昨日 磐音が道場に立ち寄った際 そのような話をしました。 242 00:20:08,240 --> 00:20:12,577 そのせいで 磐音の気が動揺し➡ 243 00:20:12,577 --> 00:20:16,448 浪人者の術中に はまったのやも しれぬかと。 244 00:20:16,448 --> 00:20:19,918 そうでしたか…。 245 00:20:19,918 --> 00:20:23,789 玲圓先生。 …実は 私どもも➡ 246 00:20:23,789 --> 00:20:28,593 おこんと坂崎様が 所帯を持つ折には➡ 247 00:20:28,593 --> 00:20:32,931 多少なりとも 力になりたいと 思っていたところでして…。 248 00:20:32,931 --> 00:20:36,601 さようか。 (由蔵)玲圓先生も ご承知のとおり➡ 249 00:20:36,601 --> 00:20:40,472 坂崎様は この今津屋の後見。 250 00:20:40,472 --> 00:20:44,943 我々とは 家族同様のおこんと 添い遂げるためには➡ 251 00:20:44,943 --> 00:20:48,643 お腰のものを捨てる ということも… はい。 252 00:20:50,282 --> 00:20:53,618 磐音が 剣を捨てられるとは 到底思えぬが。 253 00:20:53,618 --> 00:20:55,554 では ございましょうが➡ 254 00:20:55,554 --> 00:21:00,292 佐々木家は ご公儀とも 繋がりのある 由緒正しきお家柄。 255 00:21:00,292 --> 00:21:03,195 ≪(由蔵)そのような所に 坂崎様が ご養子にいかれては➡ 256 00:21:03,195 --> 00:21:05,630 おこんが あまりにも不憫。 257 00:21:05,630 --> 00:21:08,967 そのことが分からぬ 坂崎様ではないと 私…。 258 00:21:08,967 --> 00:21:14,306 由蔵 言葉が過ぎます。 申し訳ございません。 つい…。 259 00:21:14,306 --> 00:21:18,643 いや お気持ち 分かり申す。 260 00:21:18,643 --> 00:21:24,316 今津屋殿。 この話 磐音が 承諾したわけではありません。➡ 261 00:21:24,316 --> 00:21:26,651 おこんさんのことも あるでしょうし➡ 262 00:21:26,651 --> 00:21:32,924 国許の家のことも あるでしょう。 全ては 傷が癒えてからの話。➡ 263 00:21:32,924 --> 00:21:36,795 それで よろしいな。 ≪(吉右衛門)承りました。 264 00:21:36,795 --> 00:21:50,095 ♬~ 265 00:22:02,621 --> 00:22:08,621 ほんとに 養子にいくんですか… 坂崎さん。 266 00:22:11,963 --> 00:22:16,301 ほんとに 私で いいんですか…。 267 00:22:16,301 --> 00:22:23,175 坂崎様は お武家様… 私は 深川育ちの町の女。 268 00:22:23,175 --> 00:22:26,945 釣り合いなんか 取れっこない。 269 00:22:26,945 --> 00:22:33,785 それを承知のはずなのに… 「どんなことがあっても➡ 270 00:22:33,785 --> 00:22:38,785 おそばを離れない」と ご大層なこと言って。 271 00:22:44,930 --> 00:22:49,267 けど…➡ 272 00:22:49,267 --> 00:22:55,607 ほんとに いいんですか 私なんかで。 273 00:22:55,607 --> 00:23:00,278 ♬~ 274 00:23:00,278 --> 00:23:05,617 今だって このまま 坂崎さんが いなくなったら どうしよう…。 275 00:23:05,617 --> 00:23:08,286 (泣き声) 276 00:23:08,286 --> 00:23:13,986 心細くて 心細くて どうしようもないのに。 277 00:23:16,962 --> 00:23:20,632 こんなことが ずっと続いたら 私…➡ 278 00:23:20,632 --> 00:23:25,503 どうしたら いいんですか。 …ねえ。 279 00:23:25,503 --> 00:23:32,244 こんなんで 坂崎さんのそばに いることが 務まると思う? 280 00:23:32,244 --> 00:23:36,581 ♬~ 281 00:23:36,581 --> 00:23:41,253 ねえ… 答えて。 282 00:23:41,253 --> 00:23:51,596 ねえ… ねえ…! 目 あけて下さい… お願い…。 283 00:23:51,596 --> 00:24:10,949 ♬~ 284 00:24:10,949 --> 00:24:12,884 (戸をたたく音) 285 00:24:12,884 --> 00:24:18,623 ♬~ 286 00:24:18,623 --> 00:24:20,959 お父っつぁん…。 287 00:24:20,959 --> 00:24:24,829 おこん… 坂崎さんの具合は どうだ? 288 00:24:24,829 --> 00:24:28,833 ♬~ 289 00:24:28,833 --> 00:24:34,133 まだ 分からない。 …まだ 目が覚めないの。 290 00:24:36,441 --> 00:24:39,741 そうか…。 (ため息) 291 00:24:41,579 --> 00:24:43,579 こいつを…。 292 00:24:45,450 --> 00:24:49,454 深川不動尊のお守りだよ。 293 00:24:49,454 --> 00:24:55,927 もっとも こりゃあ~ 病退散のお守りなんだけどな。 294 00:24:55,927 --> 00:25:01,599 きっと けがの方も 一緒に 治して下さらあな。 なあ…。 295 00:25:01,599 --> 00:25:10,608 ♬~ 296 00:25:10,608 --> 00:25:12,544 お父っつぁ~ん…。 297 00:25:12,544 --> 00:25:15,544 おい どうした? 年がいもなく。 298 00:25:18,483 --> 00:25:24,155 大丈夫。 おこん。 坂崎さんは きっと治る。 299 00:25:24,155 --> 00:25:29,155 長屋のみんながな 祈ってるからよ。 300 00:25:32,564 --> 00:25:35,564 さあ 行け。 行ってこいよ。 301 00:25:37,235 --> 00:25:42,107 おいらも 顔 見たいと思うけど…➡ 302 00:25:42,107 --> 00:25:48,580 あの強い強い 坂崎さんが けがするなんて…。 303 00:25:48,580 --> 00:25:54,452 ♬~ 304 00:25:54,452 --> 00:26:00,752 早く行けよ~。 婿殿を寂しがらせちゃ だめだあ! 305 00:26:02,594 --> 00:26:04,529 …うん。 306 00:26:04,529 --> 00:26:15,173 ♬~ 307 00:26:15,173 --> 00:26:17,942 お願いします。 よろしくお願いいたします。 308 00:26:17,942 --> 00:26:23,281 浪人さんを 助けてあげて下さいまし。 309 00:26:23,281 --> 00:26:25,617 お願いいたします。 310 00:26:25,617 --> 00:26:37,562 ♬~ 311 00:26:37,562 --> 00:26:39,497 (男)知らねえな~。 312 00:26:39,497 --> 00:27:14,466 ♬~ 313 00:27:14,466 --> 00:27:16,601 坂崎さん 死ぬな~! 314 00:27:16,601 --> 00:27:23,601 ♬~ 315 00:27:35,553 --> 00:27:37,553 おこんさん。 316 00:27:41,426 --> 00:27:43,426 おこんさん。 317 00:27:47,899 --> 00:27:49,899 あっ! 坂崎さん。 318 00:27:52,770 --> 00:27:54,772 のどが 渇きました。 319 00:27:54,772 --> 00:27:56,772 …はい。 320 00:28:00,478 --> 00:28:12,590 ♬~ 321 00:28:12,590 --> 00:28:14,590 あ~…。 322 00:28:16,261 --> 00:28:18,196 …うまい。 323 00:28:18,196 --> 00:28:26,905 ♬~ 324 00:28:26,905 --> 00:28:28,905 心配をかけました。 325 00:28:30,608 --> 00:28:32,544 ほんとよ! 326 00:28:32,544 --> 00:28:36,414 ♬~ 327 00:28:36,414 --> 00:28:41,414 けど… よかった。 328 00:28:45,890 --> 00:28:47,825 よかったあ。 329 00:28:47,825 --> 00:28:55,125 ♬~ 330 00:28:58,469 --> 00:29:02,239 島抜けした 無宿の盗っ人たちが 江戸働きをしたらしく。 331 00:29:02,239 --> 00:29:05,909 狙いは この今津屋で…。 (柳次郎)庚申の仲蔵とやらには➡ 332 00:29:05,909 --> 00:29:08,245 女の仲間が いるのでしょうか。 333 00:29:08,245 --> 00:29:11,945 ほんとに 坂崎さんは 佐々木家の ご養子になるんですか? 334 00:29:14,585 --> 00:29:17,921 (竹蔵)四出縄綱って名前に 心当たりは ありませんか?➡ 335 00:29:17,921 --> 00:29:20,591 相手は 死ぬのを承知のうえだ。 336 00:29:20,591 --> 00:30:26,591 ♬~ 337 00:30:34,498 --> 00:30:39,198 大地を埋め尽くす無数の岩。 338 00:30:41,939 --> 00:30:45,275 人の手の及ばない自然の力が➡ 339 00:30:45,275 --> 00:30:50,575 とてつもなく長い時間をかけて つくり上げた光景です。 340 00:30:53,617 --> 00:30:58,956 複雑に そして どこまでも繊細に重ねられた➡